本会議会議録

質問文書

平成29年２月静岡県議会定例会 質問

質問者：
髙田　好浩 議員

質問分類
一般質問

質問日：
03/03/2017

会派名：
公明党静岡県議団

質疑・質問事項：
1　静岡県の防災対策について
　(1)　地震・津波対策アクションプログラム二〇一三の見直し
　(2)　地震被災建築物応急危険度判定士の体制強化
　(3)　無電柱化の推進
　(4)　県庁本館の耐震補強及び維持管理
2　浙江省友好提携三十五周年について
3　外国人の子どもの教育支援について
4　今後の住宅政策について
5　合併処理浄化槽の活用について

○副議長（藪田宏行君）　これで吉川雄二君の質問は終わりました。（拍手）
　次に、二十七番　髙田好浩君。
　　　　　　　（二十七番　髙田好浩君登壇　拍手）
○二十七番（髙田好浩君）　私は公明党静岡県議団所属議員として、通告に従い県政の諸課題について知事、副知事並びに関係部局長に一括方式で質問いたします。
　来週の土曜日、東日本大震災から六年目の三月十一日を迎えます。今でもあの時に報道された信じがたい過酷で悲惨な状況が脳裏から離れません。平成二十八年十月二十日消防庁災害対策本部公表の東日本大震災についての第百五十四報及び平成二十九年一月三十一日復興庁公表の全国の避難者等の数によると、死者数は災害関連死を含めて一万九千四百七十五人、行方不明者二千五百八十七人、避難者数いまだ十二万六千九百四十三人、うち静岡県に避難されている方は八百十人という状況です。改めて犠牲になられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
　今も現地では行方不明者の捜索が行われ、被災された方々の心の傷は癒えておりません。静岡県を初め全国でこの大震災の教訓を生かすべくさまざまな防災・減災対策が強化されてきましたが、その後の熊本地震から得た教訓も含めさらなる命を守る事業の推進が必要です。
　そこで、まず初めに静岡県の防災対策について四点にわたり質問を行います。
　初めに、地震・津波対策アクションプログラム二〇一三の見直しについて伺います。
　地震・津波対策アクションプログラム二〇一三の減災目標は、想定される犠牲者を平成三十四年度までに八割減少させることを目指すとしています。レベルツーの地震・津波が発生した場合建物の倒壊や津波により最悪のケースで約十万五千人が犠牲になると想定され、その八割に当たる約八万四千人の命を救う目標のもとハード・ソフトの両面から対策に取り組んでいます。計画策定以降のこれまでの対策の進捗状況について、県は平成二十七年度末時点で百六十二のアクションのうち約八割が順調に進んでいるとともに、想定される犠牲者のおおむね三割に相当する三万一千人の犠牲者が減少する減災効果をもたらしたと昨年公表しました。
　しかし、私は防災の原点に立ち返り犠牲者ゼロを目指すべきだと考えます。八割の命を救うということは残り二割の人を救う対策がこれからさらに必要であるということです。東日本大震災における犠牲者は二万二千飛び六十二人でその人数は残り二割の二万一千人とほぼ同数になります。命を何としても守るためには助かった命を絶対に震災関連死に至らないようにするため、避難所における課題を洗い出し運営マニュアルを見直すことや福祉避難所が想定どおりに機能をフルに発揮できるようにすること、また支援物資を迅速、円滑に避難所まで届けるための輸送体制を今以上強化する必要があると考えます。
　さらに、津波避難タワーが設置できない地域には海岸沿いにある東名高速道路や国道一号バイパスの山側ののり面などをプラットホーム化し避難が可能な施設を建設することなども考えられるのではないでしょうか。従前のやり方に捉われることなく、今こそ八割ではなく全ての県民の命を救う政策を行うとの強い意志が必要です。
　こうした中、二月中旬にアクションプログラムの見直しが公表されました。犠牲者数を限りなく少なくすることを最終目標に着実に対策を進めていくことが喫緊の課題ですが、今回のアクションプログラムの見直しにより県は具体的な地震・津波対策についてどのように充実強化していくのか、知事の決意を伺います。
　次に、地震被災建築物応急危険度判定士の体制強化について伺います。
　地震被災建築物応急危険度判定士いわゆる判定士の主な役割は、地震発生直後、余震等による建物の倒壊や部材の落下等による二次災害を防止するため、現地で建物の状況を確認して危険性の度合いを判定し住民に知らせ安全を確保することです。罹災証明を発行する業務とは全く異なり発災直後の的確な対応が求められます。
　静岡県は、平成三年六月に認定制度を制定し全国で初めて判定士の養成を開始しました。私も平成十二年三月に判定士の資格を取得し五年ごとの更新講習に参加してスキルアップに努め、現在も判定士を継続しています。平成八年四月には全国協議会が設立され都道府県間の相互支援の体制が整備されました。御承知のとおり静岡県の判定士も被災地からの派遣要請に応え被災地域で業務を確実に推進してきました。現在県内には六千人を超える建築関係の方々が判定士の登録をされています。しかし制度の制定から二十五年が経過し、その間に県内において幸いにも大きな震災がなかったために判定士の活動に対する課題が多く発生してきていると考えます。
　第一の課題は、大規模地震発生直後に避難所等へ立ち入る前には応急危険度判定を行うなど安全を十分に確認することになっていますが、幾つかの市町の対応を聞いたところ判定士の対象避難所が事前に割り当てられているところもあれば市などの庁舎に一度集まってから担当の避難所を決めるなど全く現実的でない対応を計画しているところもあります。
　私は、判定士の初動態勢を明確にし避難所の運営に支障を来さないようにする必要があり、県が主導してそのシステムを構築すべきと考えますが、県の所見を伺います。
　また、避難所の中で県が定める公共建築物の耐震性能Ｉａの建物は耐震性がすぐれており地震後も継続使用が可能とされていることから、これらの建物のチェックは判定士以外の人が簡易判定を行うシステムを構築しておくことも必要と考えますが、あわせて所見を伺います。
　次の課題は、判定士の出動に対する意識を向上させる必要があることです。六千人の判定士の中で避難所の危険度判定やその後の建物の判定業務を行えると答える判定士が少なく、現状のままでは速やかな対応はできません。
　そこで、任務につく人をふやすために県はどのように取り組んでいくのか所見を伺います。
　次に、無電柱化の推進について伺います。
　現在、日本国内には三千五百万本を超える電柱があり、毎年約七万本のペースで新たな電柱が設置され続けています。東日本大震災では五万六千本以上が倒壊し被災者や緊急車両の通行の妨げになり、全国から駆けつけて行った復旧にも長期間を要しました。また台風や竜巻などが発生するたびに停電を引き起こしています。ロンドンやパリでは戦前から無電柱化が進み一〇〇％実施され、香港でも既に完了しております。日本では先進的に取り組んでいる東京二十三区でも七％にとどまっています。
　地中化する工事費は電柱に比べ十から二十倍かかり、国は昨年四月に電線を埋める深さの基準を交通量に応じて浅くするなど無電柱化の促進策を打ち出しました。そして昨年十二月の臨時国会で無電柱化推進法が成立し、災害の防止、安全、円滑な交通の確保、良好な景観形成等を図るために無電柱化を推進し、その施策を総合的かつ迅速に進めていくことになりました。
　具体的には、国や都道府県、市町村は必要に応じて道路占用の禁止、制限等の実施や道路事業等に際しては電柱、電線の新設抑制、また既存の電柱、電線の撤去、政府は関連施策を推進するために必要な財政、税制上の措置を講ずるようになります。
　無電柱化は防災の観点から必要な事業ですが、歩道の拡幅による歩行者の安全確保や景観の改善のためにも必要な事業になります。静岡県が推進するユニバーサルデザインの実現に大きく寄与するものと考えます。埼玉県川越市が無電柱化を推進したところ約三百五十万人だった観光人口が現在は六百六十万人に増加し地域振興にも恩恵をもたらしています。
　緊急輸送路や災害拠点病院に面する道路など防災の観点に加え観光振興など地域活性化に向けた景観づくりの観点からも無電柱化を推進する必要があると考えますが、県の所見を伺います。
　次に、県庁本館の耐震補強及び維持管理について伺います。
　私たち議員が熱い議論を闘わせるこの議場のある県庁本館の歴史をひもとくと、明治二十二年十二月、れんがづくり二階建ての県庁舎がこの地に建設され、その後関東大震災による被害などによる補修も限界に達し、また官庁事務の拡大、複合化により庁舎の狭隘化を招き、議会において新庁舎建設が議論されました。昭和九年に基本設計の懸賞募集を行い四百点に上る応募があり、神奈川県の泰井武氏が当選。実施設計を浜松市出身の中村与資平工学士に依頼し、建設工事の入札の結果、勝呂組――現三井住友建設静岡支店が落札。昭和十年に着工し二年後の昭和十二年に竣工し現在に至ります。戦時中には庁舎の外壁を全面コールタールで塗り戦禍を乗り越えましたが、屋上には焼夷弾が撃ち込まれた跡が今でも残っております。議場の上部の幕板には静岡県の当時の産業がレリーフによって表現され貴重な文化財として維持管理されています。耐震補強は想定東海地震に対して静岡県が定める目標値を応答解析により検討し、壁の増設や打ち増し、開口部の閉塞による補強方法により竣工から四十六年後の昭和五十八年に完了いたしました。また平成十三年四月には国の登録有形文化財に登録され、平成二十三年九月には静岡市の景観重要建造物に指定されました。
　このように、幾多の歴史の荒波を乗り越えながら今なお威風堂々とそびえるこの本館には多くの県民が愛着を持ち、さらにはロケーションガイドでも紹介されているように平成二十七年にはこの議場で政治を題材としたテレビドラマのロケが行われ全国に発信されました。県においては今に至るまでの維持管理にはさまざまな御苦労があったと思いますが、いつまでも今の県庁本館を守り静岡県のランドマークとしての位置を維持していくことを強く望みます。
　そこで、これからの県庁本館のあり方について何点か伺います。
　まず、外壁や瓦また部屋と廊下境の間仕切り、一般事務室や廊下の天井など、いわゆる二次部材の耐震補強がどの程度完了しているのか、また今後南海トラフ巨大地震に対してどのような耐震補強を施していくのか伺います。
　また、熊本市役所で火災が発生し執務室などが焼け落ちた状況を見たときに県庁本館の電気設備、消火設備にふぐあいがないか心配になりますが、営繕としての管理がどのように行われているのか伺います。
　さらに、この本館の耐用年数をどのように捉え、長期的にどのように維持管理、活用していこうとしているのか伺います。
　次に、浙江省友好提携三十五周年について伺います。
　浙江省は人口五千五百三十九万人、世界第二位のＧＤＰを誇る中国経済の成長を支える長江デルタに位置し、平成二十七年の統計では域内総生産が四兆二千八百八十六億元で前年比八％増、一人当たりの域内総生産は七万七千六百四十四元であり、中国全体の四万九千三百五十一元を大きく上回り全国第四位となっています。習近平国家主席を初め蔡奇北京市長、応勇上海市長など浙江省出身の有力な指導者も多く、昨年九月には省都杭州市においてＧ20が華やかに開催され中国の発展を世界に発信するとともに、日本からは安倍首相など参加し各国首脳と世界の金融問題や経済問題をテーマに話し合いが行われました。
　交流の端緒を振り返ると、昭和四十七年に日中国交正常化が実現して以来両国の交流が活発になる中で、本県においては昭和五十七年に県議会の先輩方が友好親善の調印締結の決議を行い、同年四月二十日に浙江省代表団を本県に迎え県庁本館で友好提携の調印を行いました。これは全国の都道府県の中でも四番目の調印と聞いており、現在の両県省の活発な交流を鑑みるとき諸先輩方の先見の明に感謝する次第です。静岡県議会としては日中友好議員連盟における活動とともに、浙江省人民代表大会との間において隔年ごとに代表団の相互派遣を行い課題に関する協議など継続的な交流を実施しております。県立美術館の入り口にある二頭の獅子やグランシップ六階にある甌塑は浙江省から本県へ贈呈された県省間の友好のあかしです。このように長年にわたる幅広い分野での交流を行い良好な友好関係を続けてきていますが、さらに交流を深めていくことが重要と考えます。
　今年は日中国交正常化四十五周年であるとともに、本県が浙江省と友好提携を結んでから三十五周年の記念の年となります。この歴史的な節目に当たり静岡県全体としてどのような事業に取り組むのか、また三十五年の歴史を踏まえこれから浙江省とどのような交流を深めていくのか、今後の展望について知事の所見を伺います。
　次に、外国人の子供の教育支援について伺います。
　さきに県が発表した住民基本台帳の県内外国人住民は、約七万七千人と前年より五・四％増加しリーマンショックを機に減少傾向にあった外国人住民数は増加に転じています。このうち十四歳以下の年少人口は約一二％に当たる九千六百人で、その中にはブラジルやフィリピンなど日本語がわからないまま親と一緒に来日する子供や日本で生まれても親が日本語ができないため日本語能力が身につかない子供など日本語能力に課題を持った子供が多数います。
　外国人の子供が日本で生活をする上で日本語を身につけることは生活の根幹をなす重要な課題になりますが、公立学校に学ぶ外国籍の児童生徒が約四千五百人おり、そのうち日本語指導が必要な児童生徒が二千四百人と半数を占めている状況で、この人数は全国三位です。また県内には南米系外国人学校が十校、約千人の子供が学んでいますが、その子供の多くは行政の支援も薄く日本語教育も十分できていないと聞いております。
　県議会では、平成二十六年度に次世代人材育成特別委員会がグローバル化への対応として外国人の児童生徒も県にとって貴重な人材であり、次世代を担う人材として成長できるよう必要な支援を行うことが大切であると外国人生徒の教育の充実を提言しております。外国人住民の多くはかつての一時的滞在から日本で長期的に滞在する傾向に変化し、外国人の子供が次世代を担う人材として成長できるよう地域を挙げた支援体制が必要と考えます。
　そこで、県では今後外国人の子供の教育支援にどのように取り組んでいくのか伺います。
　次に、今後の住宅政策について伺います。
　静岡県における住まいの課題が今多く見受けられます。防災の面から言えば、住宅の耐震化を進めるために全国に先駆けさまざまな補助制度を県と市町が協働して行っているにもかかわらず耐震化率は八二・四％で全国平均とほぼ同じであり、防災先進県とまでは言えない状況があります。また社会状況から見ると近年の急速な人口減少や少子高齢化、経済活動の鈍化等により社会の環境や経済状況が大きく変化し、住宅を取り巻く環境も大きく変化をしております。持ち家、賃貸用住宅の空き家率の増加や危険性のある空き家の増加、介護が必要な高齢者等に対するユニバーサルデザイン化の必要性、地域包括ケアシステムを実現する高齢者の希望にかなった安全・安心な住まい方の確保、そして住宅着工数の減少による住宅関連産業の衰退、高度な建築施工技術者の減少への対応など課題が山積しています。
　一方で、子育て世帯や共働き世帯に対応した住まい方や親との同居、定年退職後の暮らし方などさまざまなライフスタイルに応じた住環境も求められます。さらに住宅産業の活性化による県産材の活用による林業の活性化や自然災害の減少、長期優良住宅や低炭素住宅、ＺＥＨなど良質な住宅への転換による住宅関連産業の振興と温室効果ガス排出量の削減、空き家の活用による地域活性化の可能性など今まで以上に県として住宅政策の具体化が求められる時代に突入したと考えます。
　国においては、昨年三月に住生活の安定確保と向上を総合的かつ計画的に推進するため、新たな住生活基本計画を公表しました。この計画では新たな住宅政策の方向性として①若者・子育て世帯や高齢者が安心して暮らすことができる住生活の実現、②既存住宅の流通と空き家の利活用を推進し住宅ストック活用型市場への転換を加速、③住生活を支え強い経済を実現する担い手としての住生活産業の活性化を示しました。本県において先ほども述べたような危惧を解決するためには、新たな時代を迎えるための明確な住宅政策を策定する必要があると考えます。
　国勢調査によると、平成二十七年の高齢化率は二七・八％、全国平均の二六・六％を上回り、また平成二十五年の住宅・土地統計調査によると県内の空き家総数は約二十七万戸で、空き家率は一六・三％と全国の空き家率一三・五％を大きく上回っています。
　こうした状況を踏まえ、県は今後どのように住宅政策を展開していくのか伺います。
　最後に、合併処理浄化槽の活用について伺います。
　生活排水処理施設の整備は、公衆衛生の向上、生活環境の快適化、水辺環境の改善、水資源の確保などの観点から自治体の必須の事業です。静岡県は整備、維持管理、経営、安全・安心の四つの基本方針に対してそれぞれの指標と目標値を設定して具体的施策に反映する都道府県構想により、施設の更新事業を含む整備計画の見直しを定期的に行っていますが、今後その判断材料になる視点は三つあり、人口減少と高齢化の進展、市町の財政状況、下水道事業が財政に及ぼす影響と認識しております。
　下水道事業は、将来の人口予測をもとに対象地域を選定し段階的に事業を進めているところですが、市街地を網羅する下水道を整備するためには時間と費用がかかります。また汚水処理費のうち使用料で回収されている割合は処理区域内人口の減少などに伴い低下する傾向が予測され、特に小規模な公共団体ほど回収率が低い傾向にあり、下水道施設の改築、更新を進めるためには現在の使用料水準では限界があります。さらに老朽化した管路の整備や地震対策にも多額の費用と長い期間が必要になります。
　人口が少ないので一概には比較できませんが、長野県下條村では国の補助制度などには安易に飛びつかず、当時国が推進していた公共下水や農業集落排水ではなく合併処理浄化槽を選択し、平成二十六年度の汚水処理人口普及率は九五・七％に達していると伺っています。
　これからの静岡県の生活排水処理の方向性について伺います。
　まず、人口減少等の社会情勢の変化を的確に反映できるよう下水道の整備計画を見直し、合併処理浄化槽による生活排水処理を積極的に導入する必要があると考えますが、県の所見を伺います。
　また、静岡県内には雑排水を処理できない単独処理浄化槽の設置数が他の都道府県に比べ多く残っている状況にあります。県が主体となって本来の浄化能力を発揮する合併処理浄化槽に転換していく施策を強く打ち出し、その実現のために必要な支援を拡大すべきであると考えますが、今後の方向性について県の所見を伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長（藪田宏行君）　川勝知事。
　　　　　　　（知事　川勝平太君登壇）
○知事（川勝平太君）　髙田好浩議員にお答えいたします。
　浙江省友好提携三十五周年についてであります。
　本県と浙江省は、昭和五十七年四月に友好提携協定を締結し、以来経済、農業、教育、文化、環境などさまざまな分野で交流を推進してまいり、本年は三十五周年に当たります。当初浙江省をお選びになったのは本県と同じくお茶とミカンを特産とされているということが大きかったと聞いておりますけれども、改めて考えますと浙江省の皆様方は自分たちはお米とお魚のふるさとであるというアイデンティティーをお持ちです。稲作漁労ということでありまして、これはまさに日本における生業――伝統的な生業とぴったりなのであります。しかも遣唐使は、我々はネイハというふうに発音するその都市をニンポーというふうに言いならわしても通ずるのはまさにその寧波港に入りそこから杭州に出て、そこからの大運河で北に上り長安で勉強したということでございまして、この浙江省をお選びになったという静岡県の先人の慧眼には改めて敬服をする次第でございます。
　さて、両県省の交流は中国政府からも高く評価されているところでございまして、地域間交流のモデルとして平成二十二年中国国際友好都市大会におきまして――この年は上海万博の年でございますが――大勢の人の中で対中友好都市交流提携賞を受賞いたしました。それ以降静岡県・浙江省友好交流卓球大会の開催、富士山静岡空港から杭州市、寧波市への定期便就航など両県省がより近い存在になっております。
　本年は友好提携三十五周年の節目でございます。これまでの交流の成果を踏まえつつ新しい分野である食、健康長寿、スポーツを重点テーマとして、一過性のイベントで終わらぬよう記念事業に取り組んでまいります。来月初めには省政府、人民代表大会や民間団体から構成される浙江省代表団が来静いたします。先週急遽連絡がございまして、浙江省の団長が梁黎明副省長に変更となるという連絡がございました。世界文化遺産である富士山、中国でも人気のある桜、浜名湖と西湖との湖をテーマとして県民の皆様とともに心を込めて浙江省代表団をお迎えしたいと考えております。来月五日には県議会、市町、関係団体や企業などの皆様の参加のもとで記念式典や交流会――交流会のタイトルを「二湖の宴」、二胡は楽器の二胡でございますが――「二胡の宴」を開催いたします。あわせて環境フォーラム団、介護及び医療の視察団、教育及びスポーツなどの各界の交流団をお迎えし本県の関係団体とさまざまな交流を実施いたします。このほか来月の静岡県・浙江省「料理ウィーク」や西湖風景版画展、八月には青少年を対象とした友好交流卓球大会など両県省が協力して交流事業を実施し、多くの県民の皆様に参加いただくことにより浙江省との友好関係を一層強固なものにしてまいります。
　一方、十一月中旬には県議会、各界の皆様から成る本県代表団を浙江省へ派遣いたします。この時期を中心に県産食材を活用した和の食の都づくりのＰＲ、健康長寿分野に関する民政庁との友好協定締結、企業との交流会なども実施予定でございます。
　このように、年間を通じまして幅広い分野における民間や市町等での交流を進めます。記念式典等には省出身の留学生や青年交流代表者などの若者を初め各分野で活躍されている方々にも御参加をいただき、県省の将来の交流を担う人材の育成を図ります。また今回の新たな重点テーマを中心に、定期便の維持拡大、県産品の輸出拡大や介護分野等の将来的なビジネスの展開などさらなる交流人口や通商の拡大を目指し、両県省が築いてきた交流をこれまで以上に県民の皆様や企業が主役となって活躍していただけますように深化させてまいります。
　次に、外国人のお子様の教育支援についてであります。
　県では、日本人も外国人も誰もが能力を発揮できる多文化共生社会を目指しております。外国人の子供につきましても、将来自立し活躍できる人材として成長できるよう地域ぐるみの支援が重要です。
　現在、教育委員会では加配の教員や相談員などを配置しまして日本語教育や学校適応のための支援を行っております。それに加えて今年度県では初期日本語教育を行う支援員を養成し人材バンクを構築いたしました。来年度はさらに子供の日本語の習熟程度に応じた支援ができるよう、外国人支援員と教科支援員を養成し活用するための予算を今議会にお諮りしているところでございます。
　また、外国人学校の生徒につきましては卒業生の半数以上が日本に残る状況と聞いておりまして、さらなる日本語学習等の支援が必要な状況となっております。これから外国人の来日はさらにふえるでしょう。私はこれはアメリカンドリームと、中身の一つがアメリカ語――米語を話すことができる、アメリカの歌を歌うことができるなどのことだったと存じますが、ジャパニーズドリームはお越しになる方たちが日本語を話したいという強い希望を持っております。日本語の国際化があわせてこの日本語学習には目的としてしっかりと認識されていなければなりません。
　そうしたことから、今議会にお諮りしている県の拠出金により外国人の子供の教育を支援する基金を県国際交流協会に設置いたします。この基金を活用して外国にルーツを持つ子供を地域全体で支えるため、外国人を雇用する企業を初め広く地域や企業、団体に御寄附をお願いいたしまして、外国人学校や地域日本語教室等が行う日本語習得やキャリア支援教育の事業などに助成してまいります。
　一例でございますけれども、十歳のとき両親に連れられて日本で働くために来たブラジル人の女の子が本人の努力と家庭・学校・地域の支援により公立大学の卒業生代表に選ばれました。見事な日本語を話していました。この女性は本県に本社のある国際的企業に就職いたしました。この女性はいわば母国語であるポルトガル語よりも洗練された日本語を話すことができます。彼女は英語もできますけれどもこうしたことが理想の一つであります。静岡県で暮らす外国人の子供たちが次世代を日本語をマスターしながら担う人材として育つよう、地域総ぐるみで教育支援に取り組んでまいります。
　現在、子供だけではなくて例えば藤枝にすばらしいフットボールのクラブがありますが、そこにカンボジアを代表する青年、カンボジアにおけるフットボールのヒーロー、チャン・ワタナカ君が来ました。恐らく二年いる間に日本語をマスターし、その日本語をマスターして帰った彼は本国におきまして日本語をマスターしているすばらしい選手として、さらにヒーロー感を高めるに違いありません。
　こうした目的を持つことが大切で、私は日本語はローマ字で発音させられるようにワープロはそういうＪＩＳ配列になっておりますからローマ字で打つことができるんですね。ですから日本語が決して難しくないということ、これをですね、マレ・サウ君あるいはさまざまな日本の相撲界における外国人力士の活躍などに照らしまして、これを広く裾野を広げていくことを通して英語のみならず日本語が十分に国際語として通用できるものであるという自信を持つことが今大切で、こうした目的を持って子供たちの間に語学、学習能力が高いわけですから支援していかなければならないというふうに考えております。
　その他の御質問につきましては、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○副議長（藪田宏行君）　外岡危機管理監。
　　　　　　　（危機管理監　外岡達朗君登壇）
○危機管理監（外岡達朗君）　静岡県の防災対策についてのうち、地震・津波対策アクションプログラム二〇一三の見直しについてお答えいたします。
　今回の見直しに当たっては、法改正等や事業進捗を踏まえた見直しに加え熊本地震で表面化した課題や本県が熊本県嘉島町を支援し得られた教訓なども踏まえアクション全般にわたる見直しを行いました。
　具体的には、市町における災害対応力を高めるための業務継続計画の策定や災害対策本部運営訓練の実施、避難所運営マニュアルに基づく住民主体の避難所運営訓練の実施、避難行動要支援者の個別計画の作成や福祉避難所の指定拡大、広域物資拠点の代替施設の確保など十四のアクションを追加するとともに、住宅の耐震化の促進や防潮堤の整備高や整備区間の変更など四十のアクションを見直しました。これらの見直しによりハード面の対策の強化はもとより迅速な避難や被災後の避難生活の質の向上等ソフト面の対策も充実し、防災・減災対策の一層の強化を図ることとしております。
　地震・津波対策に終わりはありませんので、県といたしましては本プログラムの着実な推進を図っていくとともに、今後とも定期的な見直しを行い一人でも多くの県民の皆様の命を守ることができるよう全庁を挙げた地震・津波対策の実施に全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長（藪田宏行君）　髙木くらし・環境部長。
　　　　　　　（くらし・環境部長　髙木利夫君登壇）
○くらし・環境部長（髙木利夫君）　静岡県の防災対策についてのうち、地震被災建築物応急危険度判定士の体制強化についてお答えいたします。
　本県では、県が策定いたしました応急危険度判定業務マニュアルに基づきまして市町が避難所などの拠点ごとに判定士をあらかじめ指名するなど、発災後速やかに判定が行える体制の整備に取り組んでおりますが、全ての市町で実効性のある初動態勢を確保できるよう指導してまいります。
　次に、公共建築物のうち耐震性能にすぐれたＩａの避難所については地震発災後も継続使用が可能とされていることから、避難所開設時の危険度判定では天井や外装材の安全対策を講じていない建築物の場合、構造躯体の判定を簡略化し落下物の危険度の判定を行うこととしております。しかし短期間で大規模な余震などが続く場合は構造躯体の危険度判定について配慮する必要があると考えております。
　さらに、近年判定士の高齢化や新規登録者の減少に伴い判定業務活動への支障が危惧されることから、建築関係団体と連携いたしまして判定士登録を呼びかけるとともに、判定技術の向上を図るため資格更新時の講習会や防災訓練での模擬判定の内容を臨場感のある実践的なものとするなど任務につく意欲を高める取り組みを行ってまいります。
　県といたしましては、地震発災後における県民の安全を確保するため、被災した建築物の応急危険度判定が的確かつ迅速に実施できるよう体制強化に努めてまいります。
　次に、今後の住宅政策についてであります。
　県では、県民の皆様の住生活の安定と向上を図るため、静岡県住生活基本計画によりさまざまな住宅施策に取り組んでいるところでございますが、人口減少や少子高齢化、空き家の増加などの社会情勢の変化を踏まえ昨年三月に国の計画が改定されたことから、今年度新たに平成三十七年度までの十年間の計画を策定しているところでございます。
　この計画では、快適な暮らし空間の実現を初めとする四つの基本目標を掲げ、これらを達成するため住宅や住環境に対する満足率を七六・四％から八〇％に引き上げるほか、今後増加が見込まれますマンション、別荘などを除く空き家いわゆるその他空き家の数を十四万戸から十一万四千戸に抑えるなど、十七項目の成果指標を定め施策を展開することとしております。
　具体的には、豊かな暮らし空間創生に向けまして、生活と自然が調和し地域コミュニティーが形成され景観に配慮した豊かな住宅地を整備することで快適な暮らし空間の倍増を実現するとともに、住宅の耐震化や省エネルギー化、長寿命化などにより安全で良質な住宅ストックの形成を目指してまいります。また空き家の活用や既存住宅の流通促進などにより多様な居住ニーズに対応できる住宅市場の活性化を図り、公営住宅や民間賃貸住宅を活用した住宅セーフティーネット機能を強化し、誰もが安心して暮らせる住環境の整備を進めます。
　県といたしましては、官民一体となってさまざまな施策を総合的、計画的に推進し、県民一人一人が豊かさを実感できる魅力的な住まいづくりに積極的に取り組むことによって、住んでよしの理想郷ふじのくにづくりを目指してまいります。以上であります。
○副議長（藪田宏行君）　村松交通基盤部長。
　　　　　　　（交通基盤部長　村松　篤君登壇）
○交通基盤部長（村松　篤君）　静岡県の防災対策についてのうち、無電柱化の推進についてお答えいたします。
　無電柱化は、良好な景観形成や歩行空間の確保に加え電力、通信等ライフラインの耐震性向上にも大きく寄与するものであり、県内ではこれまでに市街地の幹線道路を中心に約百七十キロメートルで電線類の地中化を実施してきており、現在三十カ所で事業を継続しているところであります。また道路法の一部が改正され緊急輸送路など防災上重要な道路においては電柱の倒壊により緊急車両の通行等が妨げられないよう道路の占用を禁止または制限することが可能になったことから、本県では全国の自治体に先駆けて今年度末から緊急輸送路における新たな電柱の設置を禁止することとしました。
　国では、無電柱化推進法の施行に伴い現在無電柱化推進計画を策定中であり、県においては国の方針が示され次第電線管理者等の意見を聞きながら推進計画を策定することとし、新たな計画では南海トラフ巨大地震等の大規模災害に備えた防災性能の向上や豊かな自然と調和する美しい景観形成といった観点も重視し整備箇所を選定してまいります。また道路改築との同時施工やすぐれた眺望を生み出すスポット的な無電柱化など効果的な整備手法を取り入れるとともに、直接埋設や小型ボックスの採用等コスト縮減につながる新技術の導入も検討してまいります。
　県といたしましては、引き続き国や市町、電線管理者等と連携しながら、災害に強く安全・安心な道路空間の確保とともに、美しい県土づくりに向けて無電柱化を推進してまいります。
　次に、合併処理浄化槽の活用についてであります。
　本県における生活排水処理につきましては、静岡県生活排水処理長期計画に基づき下水道や合併処理浄化槽、農業集落排水など地域の実情に応じたより効率的な手法を選択し施設整備を進めており、汚水処理人口普及率は平成二十七年度末で七八・七％となっております。下水道から合併処理浄化槽への切りかえについては、人口減少等の社会情勢を反映させ平成二十五年度に計画を見直し五市町で下水道から浄化槽による整備に切りかえたところであり、今後は国の方針を受け各市町が現在下水道整備を行っている区域については早期完成を目指し、それ以外の区域については浄化槽による整備に切りかえていくこととして再度計画を見直してまいります。
　また、単独処理浄化槽では台所や風呂などの生活雑排水が処理されないまま排出され河川などの水質汚濁の原因となっているため、合併処理浄化槽への転換が重要な課題であると認識しております。しかし単独処理浄化槽の利用者はみずからが汚濁原因者であるという理解が十分でないことや合併処理浄化槽への転換工事には個人の費用負担を伴うことから転換が思うように進んでおりません。市町は転換工事の個人負担軽減を目的に補助制度を設けており国と県はこれに対し財政的に支援しているところでありますが、来年度早々県と市町で勉強会を立ち上げ合併処理浄化槽への転換をより一層推し進めていくための方策を検討してまいります。
　県といたしましては、単独処理浄化槽利用者に転換の必要性を理解していただくため、関係部局や市町及び浄化槽協会を初めとする関係団体と連携し街頭キャンペーンや出前講座などを通じて啓発を行い、水環境の改善に努めてまいります。以上であります。
○副議長（藪田宏行君）　伊藤経営管理部長。
　　　　　　　（経営管理部長　伊藤篤志君登壇）
○経営管理部長（伊藤篤志君）　静岡県の防災対策についてのうち、県庁本館の耐震補強及び維持管理についてお答えいたします。
　県庁本館は昭和十二年八月に竣工し、以来約八十年、今も議場、庁舎など現役の建築物として活躍中であります。一方国の登録有形文化財に登録されるなど近代建築物として文化的価値を有していることから、その維持管理に当たりましては建築当時の意匠や色彩にも十分配慮しているところであります。
　非構造部材である二次部材の耐震補強につきましては建築基準法令に対応しております。東日本大震災を踏まえた大規模つり天井の基準改正に対しましても、対象となったここ本会議場の天井について平成二十七年度、軽量化と美観を両立する膜天井工法により改修いたしました。法令の基準がない間仕切りや建具等につきましては日々巡回点検して危険・劣化箇所の把握に努めております。修繕に当たりましては内装の外観にも配慮しながら国土交通省や部材の製造業者団体等の指針に適合した仕様としております。外壁と瓦につきましては今後の使用を見据え来年度屋上防水工事にあわせて補修工事を行います。
　電気設備、消火設備につきましては、東館と一体の中央監視システムによって二十四時間体制で監視しております。本システムは更新時期を迎えましたことから平成三十年度までに更新いたします。更新後は機能が向上し、災害対策本部がある別館と同等のレベルで予兆段階での電気的ふぐあいの把握や消火設備の一元的監視が可能となります。また他の自治体の火災事故を教訓に技術職員で構成するコンセント見守り隊が毎年全執務室を巡回点検するなど電気の安全使用、火災の発生防止にも努めているところです。
　県庁本館は、本県施設の長寿命化の目標となる八十年を経過いたしますが、県都のランドマークともなり得る文化的価値を有する建築物でありますので、百年庁舎さらにその先も見据えて維持保全し使用していきたいと考えております。このため今後三十年を見据えた中長期保全計画を策定したところであり、計画的な修繕を施すことにより経費の節減化を図りながら巨大地震にも耐え得る安全性と登録有形文化財にふさわしい美観を確保してまいります。以上であります。
○副議長（藪田宏行君）　髙田好浩君。
　　　　　　　（二十七番　髙田好浩君登壇）
○二十七番（髙田好浩君）　ありがとうございました。
　一点だけ再質問させていただきます。
　地震・津波アクションプログラム二〇一三の見直しについてであります。
　そもそもこのスタートラインである八割――八万四千人の命を救うという目標が私には全くわかりません。なぜ全県民の命を守るとそういうふうに最初から言わなかったのか。言えない要因はどこにあるのか。精いっぱいやって八割ならこれはしようがありませんがスタートラインを八割、これは信じられないことでございます。
　今、部長からありましたように新規アクション十四、目標指針、達成制度等の見直しが四十あるということでございますが、このアクションを実施することで当然助かる人数がふえる、そうでなければやる意味がありませんし今までと何も変わっておりませんが、その点について御見解をお願いをいたします。
○副議長（藪田宏行君）　外岡危機管理監。
○危機管理監（外岡達朗君）　地震・津波対策アクションプログラム二〇一三の見直しについての再質問にお答えいたします。
　本県では、平成二十五年度から三十四年度までの十年間で八割を減少させることを目標にアクションプログラム二〇一三を策定し対策を進めております。もとより十万五千人の想定される犠牲者これを全員お救いすることが最終目標であるべきだと考えてございます。
　そうした中で、平成二十五年度策定した際にはやはり施設整備に時間を要すること、あるいは住宅の耐震化、そういった倒壊による犠牲者などを考慮してこの十年間で八割減少させるということを当面の目標としているものであります。今回の見直しによりましてさらにハード・ソフト両面にわたる対策を強化し一刻も早くこういう目標を達成する、あるいはそれ以後はさらに一人でも多くの県民の命を守るために全力を尽くしていくと、そういう姿勢でやってまいりたいと考えております。以上であります。
○副議長（藪田宏行君）　髙田好浩君。
　　　　　　　（二十七番　髙田好浩君登壇）
○二十七番（髙田好浩君）　再々質問いたします。
　阪神・淡路大震災においては圧死を防ぐことを学びましたが、アクション二の家具類を固定することができている県民は一七・六％しかおりません。ナンバー一四六、七日以上の食料を備蓄している県民は六・三％、ナンバー一四七、水は九・六％しかありません。県の責務は一〇〇％という当たり前の目標を乱発することではなくて、県民の意識を変えて本気で地震対策に取り組むよう促すことであると思います。今の状況ではそれができているとは到底思えません。
　今述べたような実現率の数値にもかかわらず、先ほども質問を述べましたけれどもこのおおむね三割で約三万一千人の減災効果が認められる結果になったと、これは私には到底信用することができません。また一六五番目の市町のＢＣＰ策定五四・三％を平成三十年に一〇〇％にすると、これなどは今まで行ってきたことをただ加えただけであって新たなアクションでも何でもありません。一三二番、応急危険度判定士、先ほどもありましたが一万人以上を平成二十六年度に達成していると言っておりましたが現在六千人です。なぜこのような単純な形で間違いが生じているのか全く意味がわかりません。
　そのようなことで、今回は部長が一番上の席につくそうでありますのでとにかく危機管理については知事がおっしゃっているように第一が危機管理だと、要するに防災対策だとこう言われているにもかかわらず、このアクション一つ見てもまだまだたくさん言いたかったんですが時間がございませんので時間切れになりますから言いませんが、とにかくこれからまたもう一度見直していただいて、これだけではなくてこれに準ずるガイドラインというのをしっかりつくって、動きのほうをつくっていただきたいと思いますがいかがでしょうか。お答えください。
○副議長（藪田宏行君）　外岡危機管理監。
○危機管理監（外岡達朗君）　地震・津波対策アクションプログラム二〇一三の見直しの再々質問にお答えいたします。
　住民の方の意識がなかなか進んでいないのではないかと。やはりですね、東日本大震災があった後からこの六年が経過しようとしている中で低下してきている部分があろうかと思います。またそうした中で熊本地震ということがありまして、耐震化認識であるとかあるいは家具の固定に対する意識あるいは備蓄に対する意識、また復活をしてきていると。そういう状況の中でですね、そういう機会を逆に捉えてしっかりと対策を進めてまいりたいと考えてございます。
　また、この減災の想定につきましては、この間の耐震化の進捗であるとかあるいは津波避難施設の整備状況そういったものから試算したものでございます。
　それから、これから我々としてもいろんな意味で対策をしっかり進めていく中で目標達成ができるよう、今後とも、今いろいろ御指摘をいただきましたことを踏まえて進めてまいりたいと思います。どうか御支援、御協力をお願いいたします。以上であります。
○副議長（藪田宏行君）　これで髙田好浩君の質問は終わりました。（拍手）
　議事の都合により休憩します。

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	質問者：	髙田　好浩議員
	質問分類	一般質問
	質問日：	03/03/2017
	会派名：	公明党静岡県議団
	質疑・質問事項：	1　静岡県の防災対策について　(1)　地震・津波対策アクションプログラム二〇一三の見直し　(2)　地震被災建築物応急危険度判定士の体制強化　(3)　無電柱化の推進　(4)　県庁本館の耐震補強及び維持管理 2　浙江省友好提携三十五周年について 3　外国人の子どもの教育支援について 4　今後の住宅政策について 5　合併処理浄化槽の活用について