本会議会議録
答弁文書
令和3年2月静岡県議会定例会
相坂 摂治 議員(自民改革会議)の 一般質問 に対する答弁
(質問日:02/26/2021番目)
答 弁 者 | : | 知事 |
○副議長(良知淳行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 相坂議員にお答えいたします。
私の政治姿勢についてのうち、三期十二年の政策実現についてであります。
私は知事就任以来、県政運営の基本理念に富士から理念を取りました富国有徳を掲げ、誰もが努力をすれば人生の夢がかなうドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点となるべく全力で取り組んでまいりました。
まず、本県の人口問題についてであります。
人口減少に歯止めをかけ本県に人の流れを呼び込むべく、地方創生総合戦略に基づき産業の振興と雇用の創出、Uターン就職、移住定住の促進、教育環境や子育て支援の充実など様々な施策を展開しております。
議員はこの質問の中で外国人の転入転出を差し引いた日本人の動向が七千三十五人の転出超過となっているというふうに言われました。これはミスリーディングであるというふうに思います。静岡県には十万人強の外国人がいらっしゃいます。この方たちも県民として我々は差別をしない多文化共生というそういう思想で同じ県民として差別されることなく同じように夢がかなえるようなそういう施策を講じているところであります。ちなみに七千三十五人の日本人の転出があったとき、外国人は七千三十人の転入がありましたので差引き五人だけ減ったということです。ちなみに議員が御指摘のように平成二十七年――二〇一五年から見ますとこの日本人の転出は大体五千人から七千人ぐらいということで高止まりしているということですが、この間二〇一五年には外国人の転入は八百八十七名、翌二〇一六年には三千三百六十九名、翌二〇一七年には五千五百七十七名、そして二〇一八年には六千百十三名、そして御指摘の二〇一九年には七千三十人というように外国人の方々の転入が増えているということでございます。
したがって、我々は男女の差別をするのは論外でありますけれども身障者あるいは健常者の差別も言うまでもなくするべきではありません。そしてまたこの度テニスで優勝した大坂なおみさんあるいはバスケットの八村さんのように、祖先が外国であっても我々にとって日本人として誇らしい選手であります。そのように我々はこの本県にいらっしゃる外国人の人たちを誇りに思えるようなそういう地域をつくっていきたいというふうに思っている次第でございます。
それからまた、議員の御指摘によりますとこの最大の転出の要因は高等教育機関の不足であるというふうに言われております。議員御自身が県外の大学に行かれました。それはこの本県におけるあるいは静岡市における高等教育機関の魅力あるものがなかったからということにも恐らく原因があるかもしれませんけれども、やはり青年期になって都会を見てみたいとあるいは日本海側に行きたいとかあるいは北海道、東北に行きたいとか様々な夢というものが青年にあると私は思っておりまして、高等大学機関というものがあればそれで済むというものではないと。むしろ静岡県がどのような人材を必要としているかということを考えるべきであると。そして小学校、中学校、高等学校、大学とそれから企業に勤めるといったような通常のはしごではなくて、もう中学生ぐらいから自分が漁業をやりたいとか農業をやりたいとかダンスをやりたいとかそうしたあるいはテニスとかあるいはその陸上とか卓球とか様々ありますが、そうしたこの学業以外のことも十分に人間を育てるのに有意味なものであるとこれが我々の言う才徳兼備というものでございます。
そうした観点から静岡県では、静岡県立大学における観光が大事であるから観光マネジメント課程あるいは静岡文化芸術大学における文明観光学コースを新たに設置するとか、あるいは農林環境専門職大学これは今アグリフォーレという愛称で親しまれることになると思いますが、それからまた工科短期大学校及び社会健康医学大学院大学の開学ということもありまして、そしてまた日本人の最大の死因はがんでございますからそのがんセンターにおきまして大学院大学の設置も考えられていると、こうした事柄はまさに静岡県が必要とする人材をしっかりと見据えながら育てるというこれを目指しているものであります。こうした形を通して高等教育機関を拡充したところであると。大学がないから若者が出ていくというような短絡的な考え方だけでこの問題は解決できないのではないかと存じます。
新型コロナウイルス感染症により時あたかも地方回帰が加速しております。この機会を捉えまして、本県が必ずしも学問だけではなくて仕事の場においてもその他もろもろのその魅力によって選択される地域となるよう政策を総動員して取り組んでいこうと思っております。
次に、行政運営についてであります。
企画部を廃止したのはまずかったということですがこれには理由があります。いわゆる県民の県民による県民のためのマニフェストをつくるに際してどこがつくるかというと担当は企画部なんです。企画部の文書を見ました。それは作文でした。ですからそれはもちろん頭のいい人たちがやってるから作文としては立派なんですけれども、地についていないということで経済産業部なり健康福祉部なりそれぞれの部局が自ら計画を立ててそしてそれを戦わせるそれを調整するということでないと本当の企画としてのこの命がそろわないということで頭でっかちの者が企画をつくっても駄目だということでございました。
そうしたことで知事直轄組織に政策推進と予算編成を連動させる仕組みをつくり上げることによりまして、例えば今回のコロナ禍という緊急事態におきましても迅速な意思決定と機動的な対応がなされたわけであります。
また、知事戦略会議あるいは政策調整会議というものを持っておりまして、副知事あるいは関係部局長を交えて議論を尽くしておりまして、県政における懸案事項を迅速かつ適切に対応しているといったところでございます。
隣接県との広域連携が不十分だということがございましたけれども一番仲よくするべきは富士山を共有している山梨県で、山梨県の方たちは長く東京を見ておられたんですけれどもこの間横内知事、後藤知事、現在の長崎幸太郎知事とこの三者との関係はこの人が代わっても確実に深まっているところでございます。富士山を世界文化遺産にするということを一緒にした結果、そうしたことが契機になりましていまやメディカル・デバイス・コリドーなども一緒にやろうということでこれ実質的な関係が進み、またバイ・ふじのくにというのもこの効果を発揮しているということでございます。
そしてまた、平成二十六年度には中部横断自動車道はいずれ開通するということを見据えまして静岡、山梨、長野及び新潟の四県で中央四県サミットを立ち上げました。もう六年余り前ということになります。食や健康づくりさらには観光資源に関わる情報発信や移住定住の促進などに連携して取り組んでいるところであります。
昨年秋には、ウイズコロナ・アフターコロナ時代を見据えまして域内の経済循環の拡大を図るためバイ・山の洲くにについて四県で合意いたしたところであります。今後四県の連携をますます強化し新しい広域経済圏を形成してまいりたいと思っております。
最後に、政策評価なかんずくこの三期目の政策評価でありますけれども、小学校、中学校、高校、大学、それぞれ成績簿といいますか通信簿というのは御本人の自己評価ではなくて先生がおつけになります。私は基本的に評価というのは第三者がするものだというふうに思っておりまして、三期目につきましてはぐうぐうふじのくに県民クラブの方たちが御評価をする労を取っていただきました。そしてまた私自身はこの県政は一人でできるものではありませんのでワンチームということでこの比較的高い五段階評価で大体四ということでありますが、これはもう県の職員それに全体に対して評価されたものだというふうに私は受け止めているところであります。
そしてまた、この総合計画というのは議会の皆様方は言うまでもありませんけれども第三者の評価部会において定期的に確実に評価を頂き足らざるところを補うようにしていると、さらにまたその昔事業仕分といったものがありました。これは事業レビュー――今は施策レビューと言っていますけれども――これも十年以上続けておって、これは全国で唯一静岡県だけです。ですからいろいろな人々の意見を聞いてレビューしていただき、足らざるところあるいは進めるべきところをやるということでその全員野球のような形でできるそういうシステムを常に目指してやってきたということでございます。
特に三期目の政策の達成状況についてでございますけれども、来年度静岡県の新ビジョンの基本計画が最終年度を迎えますことからこれまでの取組と課題を私が検証するというよりもみんなで検証していただきまして総括評価を行うということにしております。これまで計画全体の進はおおむね順調に推移しているとの御評価を頂いておりますが、新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中予断は許さないというふうに思っております。
このため、新ビジョンに掲げる目標の達成に向けては総仕上げのための予算を編成し全力で取り組んでまいります。
その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
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