本会議会議録
答弁文書
平成29年12月静岡県議会定例会
天野 一 議員(自民改革会議)の 一般質問 に対する答弁
(質問日:12/12/2017番目)
答 弁 者 | : | 知事 |
○知事(川勝平太君) 天野一議員にお答えいたします。
地場産業や伝統工芸品の振興についてであります。
繊維、家具、紙などに代表される本県の地場産業や駿河竹千筋細工、浜松注染そめなどの伝統工芸品産業は割安な輸入品との競合等により需要が減少傾向にはありますが事業所数では製造業全体の三四%を占めており、地域経済を支える重要な産業であることに変わりはありません。県ではこうした地域に根差した産業を守り育てるため、伝統に培われた高い品質を持つ新たな製品開発や国内外への販路開拓に挑戦する取り組みを支援しているところであります。
議員御指摘の遠州織物を活用した武襯衣は、値段が高いのがネックであることは承知しておりますが着実に需要は伸びております。そのほかリノベーション市場向けの備えつけ家具や水に流せるティシュペーパーなどの開発をも支援し製品化につなげています。また販路開拓につきましても、業界団体による首都圏での遠州織物コレクションの開催や国際的な展示会である東京インターナショナルギフトショーへの出展に対する助成などの支援も行っています。
こうした取り組みの結果、バイヤーから展示会出展業者に対し平成二十八年度は七百件を超えるサンプル提供依頼があり新たな織物生地の受注が生まれるなどの成果も出ているところでございます。一方消費者ニーズの多様化に伴い商品そのものの魅力や価値を一層高めていくことが求められており、製品の差別化やブランドの構築、強化などに対してデザインの持つ力が極めて重要になってまいりました。
このため、県では昨年度静岡県デザイン産業振興プランを策定し、デザインを活用して地場産業や伝統工芸品などの製品開発からプロモーションまでデザイン相談窓口の設置などによる一貫した支援を行っております。デザインとアートの違いはアートはハートにだけ訴えるわけですがデザインは用と美を兼ね備えたものと、ハートに訴えつつ、かつ役に立つというものがデザインでございます。
今年度は、新たにデザインを活用した商品開発能力を習得する研修会を静岡市内で十月から三月まで六回に分け開催しているところです。そのほか中小企業の商品開発の課題に対しましてデザイナーが直接解決策を提案するマッチング事業などを実施しております。
こうしたデザイン性にすぐれた商品開発の支援とともに、すぐれた製品を表彰するグッドデザインしずおかなどの場を活用いたしまして国内外に積極的にPRすることでこれまで以上に販路開拓を支援してまいる所存であります。
県としましては、歴史と伝統に裏打ちされた高い品質と新たな魅力を付加するデザインの積極的な活用とともに、現代の名工、これは日本の誇る匠でございまして、これまでに静岡県内から約百六十名表彰されました。特にことしは九人もの方が現代の名工として厚生労働大臣から認定されたところであります。この方たちを支援するなどを通しまして製品やサービスの付加価値を高め、ブランド化を一層推進することで地場産業や伝統工芸品のさらなる振興を図ってまいります。
その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
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