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ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成30年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

河原崎 聖 議員

質問分類

代表質問

質問日:

09/21/2018

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について                    
 (1) 全庁を見通した行政運営            
 (2) スペシャリストの育成
2 県庁における障害者雇用への取り組みについて
3 平成三十年七月豪雨災害を踏まえた対応について
4 地震・津波対策の推進について
5 法人事業税の超過課税について
6 リニア中央新幹線の整備に伴う大井川水系の水資源等の
  保全について
7 駿河湾フェリーの事業継続に向けた取り組みについて
(1) 運航継続体制
 (2) 利用促進策  
8 新たな空港運営について
 (1) 運営権者への期待
 (2) 空港周辺の地域づくり
9 受動喫煙防止に向けた取り組みについて
10 ICT人材の育成について 
11 地域の金融機関との連携について
12 農林大学校の専門職大学への移行について
13 森林環境譲与税(仮称)の創設に伴う対応について
14 学校における暑さ対策について
15 県警察の運営に対する警察本部長の所信について


○議長(渥美泰一君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百十四号から第百十八号まで、第百二十号から第百三十三号まで及び平成二十九年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、十番 河原崎 聖君。
       (十番 河原崎 聖君登壇 拍手)
○十番(河原崎 聖君) おはようございます。
 質問に入ります前に、ことしは六月の大阪北部地震や七月の西日本豪雨に続き今月に入って四日の台風二十一号、六日の北海道胆振東部地震など大きな災害が相次いでおります。これらの災害でとうとい命を落とされた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、今もなお不自由な生活を強いられている皆様にお見舞いを申し上げます。そして復旧と復興に携わっておられるあらゆる立場の方々に感謝と敬意を表します。
 それでは通告に従いまして、自民改革会議を代表して当面する県政の諸課題に対し知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長並びに警察本部長に一括質問方式で伺います。
 初めに、知事の政治姿勢についてのうち、全庁を見通した行政運営について伺います。
 県の行政組織については、ここ数年知事直轄組織を初めとした部局の再編や部局間での所掌業務の見直しが行われておりますが、従前と変わらずいつの時代も縦割りの問題が存在しております。
 一方、全庁を挙げて取り組むべき行政課題は数多くあり危機管理や地域外交はもちろんのこと、近年では世界的イベントであるラグビーワールドカップ二〇一九や東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの自転車競技の本県開催を間近に控えるなど、複数の部局にまたがる課題が山積しております。
 そのような中で、本年度は静岡県の新ビジョンの初年度に当たり政策と予算を一体的に実行することを目的として、経営管理部から財政課を移管するなど知事直轄組織の機能拡大が図られました。それ自体の評価については現時点では控えますが、県が総力を挙げて取り組むべき多くの行政課題を抱える中、現状において各部局で十分な連携が図られているか疑問が残ります。
 行政課題は生き物であり、その時々で重要度や優先順位が変わってまいります。時々刻々と変化しかつ複数の部局にまたがるような課題について現場のニーズに即した形で解決していくためには、組織に横串を通し全庁を一体としてまとめ上げる必要がありますが、これこそまさに政治職である知事の役割であり、またこれを支える副知事や知事戦略監などの中枢幹部の方々の役割でもあると思います。
 そこで、知事は全庁を見通した行政運営をどのように組織体制に反映しマネジメントしていくのか伺います。
 次に、スペシャリストの育成について伺います。
 県は、これまでも職員の標準的な異動年限を三年から五年に見直すなど複雑化、高度化する行政課題に対応するため職員の専門性向上に取り組まれてきたものと認識しております。
 しかしながら、行政の中に特定の分野においてスペシャリストと言える人材がいなかったために、県が意図しているような成果が上げられなかったと見られる事例がこのところ散見されます。組織運営においては部局間に横串を通すような広い視野を持つ人材が必要である一方、県に対する行政需要にきめ細かく対応していくためには特定の分野について十分な知識と経験を有し、また関係する分野の実情を正確に理解し、かつその分野に関係する人たちと豊富な人脈を築き現場の声を聞きながら政策判断を行うことのできる人材が必要であるものと考えます。県はこうした現状認識を踏まえた上で高い専門性を持つ人材を育成していくべきと考えます。県ではこれまでも本人の意向を踏まえたキャリア形成等に取り組んでおりますが、残念ながら十分な成果が出ているようには見えません。これからは職員を意図的に誘導し、県が必要とする分野の人材育成を行っていくことも必要ではないかと思います。
 そこで、こうした課題を踏まえ県はスペシャリストの育成に今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、県庁における障害者雇用への取り組みについて伺います。
 今月は、この議会がある県庁本館の正面に掲げられているとおり障害者雇用支援月間に当たり国を挙げての取り組みが進められておりますが、残念ながら政府は障害者雇用促進法に基づく障害者の雇用状況について省庁の多くが対象外の職員を障害者として不適切に算入しており、平成二十九年度において法定雇用率を達成していないことを公表しました。また静岡県を含め三十七府県が厚生労働省のガイドラインによらずに不適切な事務処理を行っていたとのことであります。
 障害者の雇用促進に当たり、範を示す立場にある省庁や自治体がこのような事態を招いたことは大変遺憾であります。障害のある方々や団体の皆様からは厳しい御意見をいただいておりますし、障害者の雇用に工夫と努力を重ねている民間企業からも強く御批判を受けているところであります。県が障害者として算入した人数には、障害者採用試験で採用された職員に加え健常者として採用された後に障害者となった職員も含むとのことですが、障害者の雇用促進のためには採用時点で障害のある方だけでも法定雇用率を満たせるよう積極的な採用に努めることが重要であると考えます。
 そこで、県が八月三十日からガイドラインに沿って改めて行った障害者の雇用状況調査の結果はどうであったのか伺います。また今後県庁における障害者の雇用についてどのように取り組んでいくのかあわせて伺います。
 次に、平成三十年七月豪雨災害を踏まえた対応について伺います。
 平成三十年七月豪雨は、西日本から東海地方を中心とする多くの地点で観測史上最大の雨量を記録し各地で河川の氾濫や土砂崩れ等が相次いで発生、二百名を超える方々が犠牲となりました。今回の豪雨では行政が情報を発信したにもかかわらず、避難行動を起こすことなく被災した例や避難の最中に洪水等に巻き込まれて犠牲になった例も数多くありました。これについてはハザードマップなどの情報が住民に正しく理解されていなかったこと、避難勧告、避難指示といった用語のわかりにくさなど複数の原因があると考えられます。住民の防災意識の向上、行政による情報発信の方法やタイミングのあり方などについてはいま一度検証する必要があると思います。また今回の豪雨で河川氾濫が多く発生したとされる二級河川等のしゅんせつなどの維持工事は現在国の交付金事業の対象ではありませんが、被害の甚大さに鑑み今後対象とするよう国に要望することも重要です。
 我が会派では、今回の西日本の豪雨の教訓を生かしさらなる災害対策の充実強化を図ることが不可欠であるとの考え方から、去る八月九日に河川砂防施設の機能維持、回復などのハード対策や住民の早期避難に結びつくソフト対策を強化することについて知事に対し緊急要望を行ったところであります。
 そこで、今回の平成三十年七月豪雨の教訓をどのように捉え、今後どのように対策を進めていくのか、県の所見を伺います。
 次に、地震・津波対策の推進について伺います。
 去る六月十八日に発生した大阪北部地震では、通学中の小学生がブロック塀の崩落に巻き込まれたほか高齢の方が本棚の下敷きになって犠牲になりました。また九月六日に発生した北海道胆振東部地震では、厚真町で大規模な土砂災害が発生したほか道内全域の約二百九十五万戸の停電や空港、鉄道等のインフラ施設の被災により都市機能が麻痺するなど市民生活や経済活動に大きな影響が出ました。
 我が会派は、大阪北部地震発生の翌日である六月十九日に県有施設等におけるブロック塀の耐震化と家庭や地域における防災対策の一層の促進について知事に緊急要望いたしました。その後ブロック塀については緊急点検など着実に対策が進められているところであります。
 一方、家庭や地域における防災対策の一層の促進には住民に身近な市町の役割が重要となります。地震・津波対策アクションプログラム二〇一三の推進も道半ばであり、県だけでなく市町の取り組みも一層進めていくことが重要であると考えます。
 県がこれまで市町を支援してきた緊急地震・津波対策等交付金制度は、平成三十年度で終了するとのことですが現場からは継続を求める声が多く、県内の自民党支部からも同様の要望が多数上がっていることから我が会派としても継続を強く求めるものであります。
 そこで、大阪府北部地震や北海道胆振東部地震の教訓も踏まえつつ県全体の地震・津波対策をどのように進めていくのか、その中で市町の地震・津波対策への支援をどう行うのか、県の所見を伺います。
 また、北海道胆振東部地震では長期間かつ広範囲にわたる停電により住民生活が麻痺したほか、台風二十一号の際にも起きたことですが空港内に観光客や空港職員が閉じ込められ特に外国人観光客への情報伝達不足などが大きな問題となりました。住民の避難生活への影響やラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックを目前に控えたインバウンドの増加への対応の観点から本県でも対策が必要になると考えます。
 そこで、長期間かつ広範囲にわたる停電への対応や被災した外国人観光客等に対する情報伝達などの対策についてどのように考えているか、当局の所見を伺います。
 次に、法人事業税の超過課税について伺います。
 法人事業税の超過課税は、昭和五十四年度に導入され平成二十六年度からの現計画期間では地震・津波対策の財源の一部に充てるために実施しておりますが、本年度末をもって課税期間が満了を迎えます。
 さきの六月議会では、知事から地震・津波対策を着実に推進していくため来年度以降も引き続き超過課税を継続する方向で検討を進めるとの答弁がありましたが、地震・津波対策は本県の最重要課題であり安全・安心な地域づくりのためには引き続き推進していくことが必要であろうと考えます。仮に超過課税を継続する場合、制度設計に当たっては県下全域における地震・津波対策の進捗状況や近年の国による法人実効税率の引き下げ等も踏まえ慎重に検討する必要があります。また継続に当たっては納税者となる企業に少なからぬ負担を求めることになりますので、関係者の御理解と御協力を得ることが大前提であると考えます。
 そこで、こうした状況を踏まえ法人事業税の超過課税について来年度以降どのように対応していくのか、県の所見を伺います。
 次に、リニア中央新幹線の整備に伴う大井川水系の水資源等の保全について伺います。
 御承知のとおり、大井川は私が住む志太榛原地域はもとより中東遠地域を含め約六十二万人もの人たちの貴重な水源として住民生活を支えております。また大井川の水は生活用水、農業用水、工業用水に加え発電用水としても利用されていることから、直接的な利水者だけでなくより多くの人たちにも役立てられていると言っていいと思います。
 こうした中、リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事により大井川水系の水資源が減少すれば地域の水利用や南アルプスの自然環境に多大な影響を与える可能性があります。このため大井川中下流域の利水者はJR東海に対し水資源の保全に関する基本協定の締結を求めておりますが、現在のところ見通しは立っておりません。
 そんな中、去る六月には静岡市が他の自治体と十分な協議を経ずにJR東海と地域振興に関する基本合意を締結し、それに続きJR東海は今月十八日、南アルプストンネル工事の準備工事に着手するに至りました。現在の状況は地元地域の信頼関係よりもJR東海の都合を優先させるような印象を与えるもので、なし崩し的に事態が進んでいくことに地域からはますます不安の声が上がっております。この課題に当たっては県と関係自治体等が一体となり、JR東海に確実な対策を求めていくことが不可欠であります。
 しかし、県が八月二日に設置した利水者、利水関係市町をメンバーとする大井川利水関係協議会には残念ながら静岡市は参加しておりません。今後のJR東海との交渉に当たり静岡市も含めた関係者が協力し合う体制が再構築されることを願うところです。県は大井川水系の水資源等の保全に関し、地域や利水者の期待に応えるべくオール静岡の体制で取り組むと表明されております。
 そこで、大井川利水関係協議会と南アルプス自然環境有識者会議において議論をどのように進め、JR東海との基本協定締結に向けてどう取り組んでいくのか、改めて県の決意を伺います。
 次に、駿河湾フェリーの事業継続に向けた取り組みについてのうち、運航継続体制について伺います。
 清水港と土肥港を結ぶ駿河湾フェリーについては、本年五月に事業者から来年三月末での事業撤退が発表され、伊豆地域の観光や経済だけでなく清水港のにぎわいづくりなど地域経済への影響が大変懸念されております。撤退発表を受け我が会派は駿河湾フェリーの観光資源としての重要性に鑑み、需要創出と運行継続に向けた対応策の公表について知事に緊急要望いたしました。
 これに対し、県は六月に庁内にプロジェクトチームを設置し利用促進に向けた取り組みのほかフェリー事業の収支試算、運航継続のための手法検討を進めております。また八月には鈴与株式会社から鈴与グループが所有する船舶など資材一式を公的機関に無償で寄附するとの申し出もありました。
 こうした中、本議会の冒頭で知事から県と関係市町、関係団体等が連携して利用促進等に取り組み、地域が一丸となって運航を支える枠組みにより来年四月以降の運航を継続するとの表明がありましたが、来年度以降に向けてはまず運航継続に向けた事業スキームを早期に決定することが重要であると考えます。
 そこで、県や市町がかかわって運航を継続していく体制についてどのように考えているのか伺います。
 次に、駿河湾フェリーの利用促進策について伺います。
 駿河湾フェリーの年間輸送人員は昨年八月期実績で約十七万人であり、乗用車とバスを合わせ三万台以上を輸送し伊豆と静岡をつなぐ周遊コースとしての役割を果たしてきましたが、近年は赤字が続いていると聞いております。県のプロジェクトチームによれば運航経費と営業収入の比較では、フェリーの年間輸送人員を現在から二割程度ふやして二十万人を確保できれば収支の均衡が可能であるとの試算結果が示されました。これを実現するためには本議会の冒頭での知事の発言にあったとおり県、環駿河湾観光交流活性化協議会の三市三町及び関係団体が一丸となってフェリーと地域の魅力を高める利用促進策に取り組むことが重要であると考えます。
 そこで、県は駿河湾フェリーの需要喚起にどう取り組んでいくのか伺います。
 次に、新たな空港運営についてのうち、運営権者への期待について伺います。
 富士山静岡空港は本年六月に開港九周年を迎え、これまでに五百二十万人を超える方々に利用されるなど本県の発展に欠かせない交通インフラとして成長を続けてきました。こうした中、県では平成三十一年度から公共施設等運営権制度を活用した新運営体制への移行を進めております。現在優先交渉権者として選定された三菱地所・東急電鉄グループへの株式譲渡など順調に手続が進められていると聞いており、今後運営権の設定や県と富士山静岡空港株式会社による実施契約の締結を着実に進めていただきたいと思います。
 さて、公表されている優先交渉権者の提案では路線数の拡大や二次交通網の整備により二十年後には旅客数百三十五万人、非旅客数二百万人を達成するという高い目標が示されております。
 一方、優先交渉権者選定の際の得点を見ますと地域連携や空港運営に関する提案では次点になった交渉権者の得点のほうが上回り、評価が高かったことから多少改善の余地があるものと思います。優先交渉権者の構成員は既に高松空港や仙台空港の運営を行っているほか、県内でもさまざまな施設で実績を上げている企業であることから目標達成と確実な空港運営を大いに期待しております。また次点交渉権者に負けない地域づくりのパートナーとしての役割も期待しており、利用者数の増加を空港や空港周辺地域の発展、ひいては本県経済の発展に結びつけていく必要があると考えております。
 そこで、県として運営権者に何を求め、具体的にどのような形で進めるのか伺います。
 次に、空港周辺の地域づくりについて伺います。
 言うまでもなく、富士山静岡空港は地理的な条件にも恵まれ大きな可能性を有する空港であります。その可能性を形にするべく開港十周年を目前にして空港本体はハード・ソフト両面にわたるリニューアルを受け、周辺でもふじのくに茶の都ミュージアムがオープンするなど県としてさまざまな施策を行ってきたことは高く評価しております。
 また、前段でも示した通り来年度以降、富士山静岡空港は新たな運営権者のもとで旅客、非旅客ともに倍増させることを目標に運営されることになっておりますが、こうして生まれるであろう人の流れについては何とか周辺地域の発展につなげていきたいという希望があります。ただ空港周辺が複数の自治体にまたがっていることや土地利用の制約があり、なかなか具体的な計画に結びつきにくい状況にあります。
 しかし、今後一層厳しくなるであろう地方空港間の競争に打ち勝っていけるような選ばれる空港になるためには、周辺地域も含めてさらに魅力ある空港にしていく必要があるものと考えます。このためにはまず民間事業者と行政がさまざまな課題について共通認識を持つ必要があり、特に空港周辺が複数の市町にまたがっていることから空港周辺の地域づくりについて県の果たす役割は大きいものと考えます。この課題に対する県の御所見を伺います。
 次に、受動喫煙防止に向けた取り組みについて伺います。
 去る七月、第百九十六回国会において成立した健康増進法の一部を改正する法律は、受動喫煙防止対策の強化を目的とし建物内は原則禁煙としております。改正法は段階的に施行され、東京オリンピック・パラリンピックの開催年である二〇二〇年に罰則も含め完全施行となりますが、客室面積が一定以下の個人経営や既存の小規模飲食店では当分の間、喫煙が認められることとなっております。
 一方、六月に成立した東京都の条例では改正法より厳しい上乗せ規制を設けており、従業員がいる飲食店では客室面積の広さに関係なく喫煙は不可となり喫煙専用室を設けなければならなくなっております。これに対し東京都の飲食業の組合などは、小規模店には喫煙専用室を設けるようなスペースも資金的な余裕もないため、死活問題だとして都の条例に猛反発していると聞いております。
 さて、国の法律や東京都等の条例が先行して成立する中、本県では今議会に条例案が提出されました。そこで本県はなぜこのタイミングで条例を制定しようとするのか条例の目的、狙いについて伺います。
 また、条例とあわせ受動喫煙防止対策に関する九月補正予算案も提出されておりますが、その具体的な内容とたばこ対策を今後どのように展開していくのかあわせて伺います。
 次に、ICT人材の育成について伺います。
 第四次産業革命と言われる最近のICTの技術革新は目覚ましいものがあり、人工知能いわゆるAIが囲碁の対局でプロ棋士を破るなど、特定の分野ではコンピューターが人間を凌駕するほどに進化してまいりました。こうした中トヨタ自動車やヤマハ発動機が技術開発の担い手となる人材を確保するため、首都圏にICTの先端技術研究所を相次いで設置したほか大手電機メーカーも大学等と協力して本格的に先端人材の確保に乗り出しているとのことです。また本年六月に発表されました国の統合イノベーション戦略では、大幅に不足するICT人材の育成やあらゆる産業におけるAIの活用に力を注ぐことで、産業技術立国日本を堅持する取り組みが打ち出されたところです。
 こうした厳しい競争環境の中、本県でも主力の自動車や電機等の産業を初めICT技術を活用した製品開発や生産性向上に必死に取り組んでおりますが、経営者の多くからはICT人材の不足を耳にいたします。人材は企業の生命線であり、ICT人材の育成・確保は大変重要な課題と考えますが県として今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 次に、地域の金融機関との連携について伺います。
 経済において、金融は血液を循環させるような働きをしており必要欠くべからざるものであります。しかしながら長引く日銀のマイナス金利政策など環境の変化から金融機関はさまざまな変革を迫られております。
 その一つが収益構造の変化であります。
 従来、金融機関は金利収入が収益の中心でしたがそれだけでは経営が成り立たない時代となりました。今後は企業に対し資金面だけでなく経営方針や市場開拓、人材確保などさまざまな面でサポートする経営コンサルタント的な役割が、従来に増してさらに重要になってきているものと思われます。こうした方向性は県内企業を守り、かつ次の時代に向けた産業構造への転換を図る本県にとっても重要であろうと考えます。
 もう一つ進められているのが合理化であります。
 収益を上げるのが難しくなる中で、将来を見据えメガバンクと言われる大手都市銀行においてさえ人員削減や店舗数縮小の方針が打ち出されており、昨年来県内では信用金庫の合併の報道が相次ぎました。こうした収益構造の変化や合理化に対応できず、行き詰まる金融機関が出てくることも危惧されます。最近問題となっておりますスルガ銀行の件も、新たなビジネスモデルの構築に失敗した例と言えるかもしれません。
 確かに金融機関は民間企業という立場にありますが、よく知事の御答弁の中にも産官学金という表現がされるように他の業種とは一線を画す公的な一面があり、また破綻した場合の地域経済全体への影響を考えると一民間企業のことと片づけるわけにもいかないのではないでしょうか。また金融行政は金融庁の管轄であり、県が制度上かかわれる範囲は限られるものの県内経済、特に中小企業への影響を考えれば県内金融機関の現状を把握し、必要があれば何らかの救済措置をとることも一考に値するのではないかと考えます。
 産業振興や地域振興に果たす金融機関の役割は非常に大きく、県としても金融機関と協調して諸施策の推進を図るべきと考えますが、県における現状認識と今後の取り組みについて伺います。
 次に、農林大学校の専門職大学への移行について伺います。
 我が国の農業は、グローバル化などを背景に成長産業の一つに位置づけられる一方、農村地域の人口減少や高齢化が深刻な問題となっております。これは県内におきましても同様であります。
 県内唯一の現場農林業者の養成機関である県立農林大学校は、これまでも現場において即戦力となる人材の育成に取り組んでおりますが、農林業を取り巻く社会情勢の変化に伴い高い経営管理能力や加工、流通、販売に関する知識、AI等の先端技術の活用など求められる能力や知識、人材像も変化してきております。今後本県農林業の競争力を強化し持続的な発展を図るためには、このような社会情勢の変化に対応できるすぐれた農林業者に農林業経営体や生産現場で中心となると同時に地域のリーダーとしても活躍してもらう必要があります。この点で農林大学校から専門職大学に移行し、農林業人材の養成機能の充実を図る県の取り組みは大変重要であります。
 来月には文部科学省へ設置認可申請を行うとのことですが、県では新たに設置する専門職大学において具体的にどのような人材を育成するのか、そのためにどのような大学をつくるのか伺います。
 次に、森林環境譲与税(仮称)の創設に伴う対応について伺います。
 昨年十二月閣議決定の平成三十年度税制改正大綱では、いずれも仮称ですが森林環境税及び森林環境譲与税を創設することが決定いたしました。森林環境税は国税として平成三十六年度から課税されるのに対し、森林環境譲与税は間伐や人材育成、担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発など市町村が実施する森林整備やその促進に必要な財源として森林環境税に先立ち、平成三十一年度から都道府県や市町村に対し譲与されることとされております。
 一方、本県においては平成十八年度からもりづくり県民税を導入し、これを財源として荒廃森林の再生を行う森の力再生事業は現在平成二十八年度から三十七年度までの第二期計画を実施しております。国による新たな譲与税の創設に際してはもりづくり県民税の継続について県民の理解を得ることが大前提になると考えます。
 そこで、県はこれまでの森の力再生事業の成果をどう評価しているのか、また県はもりづくり県民税と新たに創設される森林環境税についてそれぞれの目的をどのように整理し、県全体の森林整備に生かしていくのか伺います。
 また、新たな譲与税の創設に当たっては市町が森林整備などの新たな役割を担うことになりますが、森林・林業に精通する職員の確保がままならず戸惑いや不安の声もあると聞いております。また作業現場における人手不足も深刻ですがこれに対応するため、例えば航空レーダー測量により調査した情報を市町に提供するといったことも一考に値するかと思います。市町支援のための財源として県にも配分される森林環境譲与税を活用し、さまざまな形で市町への支援を行ってはどうかと考えますが、森林環境譲与税の使途について県はどのように考えているのか、所見を伺います。
 次に、学校における暑さ対策について伺います。
 今年の夏は列島各地で猛烈な暑さとなり、暑さそのものが災害と言われる異常事態となりました。七月十七日には愛知県豊田市で校外学習から学校に戻った小学校一年生の男子児童が熱中症により亡くなるという痛ましい事故がありましたが、この児童が休息をとった教室にはエアコンが設置されていなかったことから学校の教室に空調設置を求める声が全国で起こっております。
 公立学校の普通教室における空調の設備設置率を見ると、平成二十九年四月一日現在、小中学校は全国平均が四九・六%に対し本県は七・九%、高等学校は七四・一%に対し六三・二%、特別支援学校は八一・〇%に対し五一・二%で、いずれも全国平均に比べ著しくおくれております。県教育委員会では体温調節のできない子や暑さに対して自分で対応できない児童・生徒に対応するため、特別支援学校の普通教室について来年夏までに空調を整備するとしておりますが、子供たちが勉強に励み学校生活を楽しむためには、全ての学校において必要な教室等に早期に空調を設置し、適切な教育環境を整備すべきであると考えます。
 そこで、県教育委員会が所管する高等学校や特別支援学校の特別教室への空調の設置をどのように進め運用していくのか、またそれぞれの市町で空調の整備が検討されている小中学校においても順調に整備が進むことが望ましいと考えますが、県としてどのように支援していくのか伺います。
 さらに、現実的には今後空調設備に係る費用が予算化されても、全ての学校に設置するまでには相当の時間を要すると思われます。文部科学省からは夏休みの延長や臨時休業の設定など柔軟に対応するよう通知が出されたとの報道もありましたが、今後子供たちを学校内の酷暑から守るため、いわゆるソフト対策についてどのように取り組まれるのかあわせて伺います。
 次に、県警察の運営に対する警察本部長の所信について伺います。
 小嶋警察本部長は、七月三十一日付で科学警察研究所総務部長から本県警察の本部長として着任されました。これまでに刑事、生活安全などの事件関係所属のほか警察本部長として秋田県で手腕を振るうなど広範囲な分野において活躍されてきたと聞いており、これまで培った知見を生かしその手腕を存分に振るっていただきたいと思います。
 県内情勢は、刑法犯認知件数が十五年連続で減少し交通事故死者数が過去最少を更新しているものの、振り込め詐欺など特殊詐欺の被害は依然として高水準で推移し高齢運転者による交通事故も増加しており早急な対策が必要と考えます。さらにラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックの自転車競技の県内開催に向けテロ対策、雑踏対策や交通規制について万全の対策が求められているところであります。
 そこで、このような本県の現状を踏まえ今後の県警察の運営に対する小嶋警察本部長の所信を伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 河原崎議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、全庁を見通した行政運営についてであります。
 人口減少、超高齢社会にありまして、行政課題の高度化に伴い一つの部局では解決できない課題がふえてきております。関連する複数の部局それぞれが全体最適という視点に立ち、連携して横断的に対応していくことが求められております。
 このため、平成二十八年度の組織改編におきまして県の基本方針の策定や重要な政策を部局横断的に推進する機能を担う知事直轄組織を設置したところであります。今年度の組織改編におきましては、さらに予算編成機能を知事直轄組織に移管するなど、迅速な意思決定と柔軟で機動的に政策を展開できる体制を整えたところでございます。また平成二十八年度からは複数の部局にかかわる重要な課題につきまして、政策調整会議におきまして三人の副知事が連携し関係部局長を交え解決に向けた方向性について徹底的に議論をしております。さらに通商推進や文化力の拠点形成など部局をまたぐ継続的な施策につきましては、副知事や関係部局長をトップとしたプロジェクトチームを設置するほか、部局間の職員の兼務や特命担当理事の配置など従来型の組織運営にとらわれない柔軟な対応に努めているところであります。
 特に、知事戦略監におきましては知事と各部局長との政策協議には全て出席いたします。また現場主義の一つであります移動知事室の場には必ず同席をいたします。こうして広く情報を把握することで知事と各部局長並びに部局横断的な課題の調整を行うなど、多様化する政策課題に対して全庁調整の役割を果たしております。
 このポストには県庁の最高のエースを配しておりまして、初代の出野君は空港の社長について、ついに民間に運営権の関心が持っていただけるところまで仕事をしてくれております。二代目の吉林君、今、副知事であります。現在は篠原君が務めているところでございます。
 今後も、複雑・困難化する行政課題に的確に対応していくため、現場の声や関係団体の皆様からの御意見を丁寧に伺いながら常に県全体の最適化という視点に立った行政運営に努めてまいります。
 次に、平成三十年七月豪雨災害を踏まえた対応についてであります。
 平成三十年七月豪雨では、広範囲に記録的な大雨が降ったことに伴いまして堤防の決壊、大量の土砂による河川氾濫の拡大、人家に近接した渓流における土石流の発生等々により多くの方々が犠牲になりました。また避難勧告や避難指示等の緊急情報が住民の避難行動につながらなかったこと、また一部の地域では情報が的確に伝わらず避難のおくれも生じたところであります。
 これらの教訓を踏まえまして、県民の皆様の生命・財産を守るために必要な緊急対策を実施することにいたしました。本議会で補正予算をお諮りしているところでございます。
 具体的には、河川の流下能力の確保を目的とした河川内の土砂の排除、人家に近接した砂防堰堤における土砂の撤去、ため池の補強等のハード対策を実施いたします。あわせて県民の皆様に災害リスクを人ごとではなく自分のこととして認識していただくことが重要であるため、防災講演会の開催や啓発映像の製作、災害への日ごろの備えや災害時の行動を促すための防災総合アプリ構築等のソフト対策を実施いたします。また有識者や行政、自治会の役員の皆様等で構成する住民避難実効性向上検討委員会を設置いたします。避難情報が適切な避難行動につながるための方策について年度内を目途に取りまとめてまいります。
 県といたしましては、静岡県の新ビジョン富国有徳の美しいふじのくにの人づくり・富づくりにおきまして命を守る安全な地域づくりを最優先課題として掲げており、防災・減災対策を進めることとしております。
 近年、台風や豪雨に伴う大規模な災害が多発しておりますことから地震・津波対策に加え風水害、土砂災害に対する取り組みにつきましても国、市町と連携し、ハード・ソフトの両対策を強力に推進することで県民の皆様が将来にわたって安全で安心して暮らしていただけるように災害に強い県土づくりの実現に努めてまいります。
 次に、法人事業税の超過課税についてであります。
 法人事業税の超過課税につきましては、平成二十六年度から平成三十年度を期間とする第八期におきまして昨年度までに企業の皆様から約三百三十億円余の御負担をいただき、地震・津波対策アクションプログラム二〇一三の推進や災害に強い高規格幹線道路網の整備に活用してまいりました。御協力いただきました企業の皆様には改めて深く感謝を申し上げます。
 現在の超過課税は議員御指摘のとおり来年三月末で期限が到来いたします。しかしながら南海トラフの巨大地震から県民の皆様の生命・財産を守り、発災後の企業の経済活動を含めた速やかな復興を図るためには引き続き県内全域で地震・津波対策を着実に推進していくことが不可欠であります。
 平成三十一年度からの五年間で必要となる県事業の負担額は、八百億円程度と見込んでおります。この財源の一部として活用させていただくため、法人事業税の超過課税を来年度以降五年間継続する方向でお願いしたいと考えております。税率につきましては法人実効税率引き下げなどの税制改正の状況を踏まえまして、地方税法に定める標準税率の五%に変更したいと考えております。税収は五年間で四百億円程度と見込んでおります。
 今後、経済団体や企業、県議会の皆様からの御意見を承りながら超過課税の更新の必要性などについて御理解をいただいた上で、十二月県議会に条例改正案をお諮りしてまいりたいと考えております。
 次に、駿河湾フェリーの事業継続に向けた取り組みについてのうち、運航継続体制についてであります。
 駿河湾フェリーは、世界で最も美しい駿河湾から世界文化遺産富士山の姿を仰ぎ見ることのできるかけがえのない宝であります。フェリーを活用した人や物の交流は本県の観光振興や経済にとって大変重要な役割を果たしていると認識しております。フェリー事業撤退の公表を受けまして観光協会、関係市町等々多くの方々から運航継続の御要望を賜りました。
 県では、庁内プロジェクトチームにおきまして平成三十一年四月以降の運航継続に向けての基本的な考え方と運航体制等について検討いたしました。あわせて環駿河湾地域の静岡市、伊豆市、下田市、南伊豆町、西伊豆町、松崎町の三市三町との調整を進めてまいったところでございます。その結果県と三市三町は駿河湾フェリーの運航を継続していくことで合意いたしました。船舶等の資産につきましては県が代表して寄附を受け所有することを基本とするということといたしました。
 また、フェリーの運航を切れ目なく円滑に継続するため運航の実務につきましては、当面の措置として当該航路事業の許可を受けている株式会社エスパルスドリームフェリーにお願いをいたし了解をいただいております。今後は営業や管理を行うための最適な体制の構築につきまして、財務や経営などの専門的な見地から、さらに詳細な検討を行う経費や運航による経済波及効果等の算定を行う経費をこの九月補正予算に計上し本議会でお諮りしているところでございます。十二月ごろまでには中間報告ができるよう進めてまいります。
 県としましては、多くの皆様のフェリー存続に向けた熱い思いに応えるためスピード感を持って関係機関との調整を進め、運航スキームを早期に確定できるように全力で取り組んでまいります。
 次に、受動喫煙防止に向けた取り組みについてであります。
 本県は、健康寿命が全国トップクラスであります。さらにこの健康寿命を延伸するためには生活習慣病対策が重要であります。県民の三大疾病でありますのが、がん、心臓病、脳卒中でありますがこれらいずれにも影響があるたばこ対策は喫緊の課題であります。特に望まない受動喫煙をなくすことは子供を含む全ての県民の健康を守る上で非常に重要であり、ラグビーワールドカップ二〇一九や東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを目的に本県を訪れる方々へのおもてなしにもつながると考えております。
 そうした中、受動喫煙防止対策の強化を目的とした健康増進法の一部を改正する法律が成立しました。絶好の機会であり、この機を逃さず県民の皆様を初め企業、関係団体などオール静岡で受動喫煙のない社会の実現を目指す静岡県受動喫煙防止条例を制定することといたしまして本議会にお諮りしているところであります。
 条例では、受動喫煙による健康被害を受けやすい子供を守るために学校等の敷地内を全面的に禁煙とすること、飲食店におきましては喫煙者と非喫煙者がそれぞれ安心して快適に飲食を楽しむことができる環境を整備するために、全国に先駆けまして全ての店舗において禁煙、分煙、喫煙可、そのいずれかの標識を出入り口に掲示することを義務づけております。また受動喫煙防止による健康寿命の一層の延伸を図るため九月補正予算案をお諮りし、速やかに取り組みを開始することといたしました。
 まずは、県民の皆様に健康増進法及び条例の内容について御理解いただけるよう県民だより、インターネット動画、企業・団体の機関誌等々さまざまな広報媒体を活用し周知してまいります。特に飲食店に対しましては表示用ステッカーを全店舗に配付いたします。あわせて説明会、相談会を開催し分煙アドバイザーを派遣するなどきめ細かに対応をしてまいります。
 県としましては、企業や医療保険者等と協力いたしまして健康経営という視点を取り入れた県民総がかりの受動喫煙防止対策を進め、健康寿命のさらなる延伸を図ることにより県民の皆様の健やかで心豊かな生活を実現してまいりたいと考えております。
 なお、その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(渥美泰一君) 吉林副知事。
       (副知事 吉林章仁君登壇)
○副知事(吉林章仁君) 県庁における障害者雇用への取り組みについてお答えをいたします。
 このたび、障害者雇用率算定に関する不適切な事務処理によりまして県民の皆様、県議会の議員の皆様の信頼を著しく損ねたことにつきまして、範を示す立場にありながらこのような事態を招き大変深刻に受けとめております。改めまして深くおわびを申し上げます。
 去る八月末から、改めて厚生労働省から示されましたガイドラインに沿って全職員を対象とした障害者手帳等の所持状況を確認をいたしました。平成二十九年度及び三十年度について再調査を実施したところでございます。
 その結果、平成二十九年度につきましては当初障害者雇用率の算定対象としていた百二十二人のうち手帳を所持していた職員は八十八人、所持していない職員は三十四人でした。また再調査の過程で新たに手帳の所持を確認した職員が十人おりましたことから、障害者雇用率の算定対象職員数は九十八人となりました。障害者雇用率は二・一五%となります。
 平成三十年度につきましては、当初障害者雇用率の算定対象としておりました百二十二人のうち手帳を所持していた職員は九十二人、所持していない職員は三十人でした。また再調査の過程で新たに手帳の所持を確認した職員が十三人おりましたことから、障害者雇用率の算定対象職員数は百五人となりました。障害者雇用率は二・二八%となります。
 なお、手帳を所持していない職員を障害者と判別した経緯、また適正な事務処理に向けた再発防止策等につきましては引き続き事実関係を確認の上、まとまり次第速やかに公表をしてまいります。
 今後の障害者雇用の促進に向けましては今回の事態を真摯に受けとめまして、今年度の障害者採用試験におきまして当初の採用予定数にとらわれず可能な限り積極的採用に努めることといたしますとともに、障害者の職域拡大について全庁的に検討し正規職員のみならず非正規職員を含め障害者の採用拡大に全力で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 杉山経営管理部長。
       (経営管理部長 杉山行由君登壇)
○経営管理部長(杉山行由君) 知事の政治姿勢についてのうち、スペシャリストの育成についてお答えいたします。
 本県におきましては、平成十七年度から職員みずからが主体的なキャリア形成意識を持って能力開発に取り組むプログラムを導入し、危機管理や医療・福祉、産業振興などさまざまな行政分野において専門性の高い人材の育成に努めてまいりました。また県政の各分野において将来中核となり得る人材には、より高度で専門的な知見を深めさせることを目的として大学、民間企業等での研修機会を設けるほか異動年限についても弾力的に取り扱い、同一分野で計画的に職務経験を積ませるなどの取り組みを行ってきております。
 一方、行政に対するニーズが高度化、多様化する中で先見的で創造性の高い行政を行っていくためには、議員御指摘のとおり高度な専門性を有しながらも幅広い視野を持ち、豊かな創造力と深い洞察力を有するスペシャリストを各分野においてバランスよく育成していくことが何よりも重要だと認識しております。
 こうしたことから、専門性の向上を図るとともに県政全般の中で俯瞰的に捉える大局観を涵養させることとして、今後職員の能力開発に対する支援を行うほかキャリアパスの一環として各分野において企画立案や部門間調整を行うポストを経験させるなど、計画的な人事配置を行うことにより真のスペシャリストの育成に努めてまいります。
 次に、新たな空港運営についてのうち、空港周辺の地域づくりについてであります。
 県は、これまで富士山静岡空港の周辺地域を牧之原台地の茶園や大井川流域の田園の景観などの魅力あふれる自然空間と空港機能を中心とした都市空間が調和したティーガーデンシティと位置づけ、空港を核とした周辺地域のにぎわいの創出に力を注いでまいりました。現在この地域におきましては、本年三月にオープンし入館目標を前倒しで達成したふじのくに茶の都ミュージアムに加え、旧金谷中学校跡地における観光と健康をテーマとするアウトレットモール、さらにはふじのくにフロンティア推進区域における人や物が対流する拠点施設の整備など民間事業者が主体となったさまざまな取り組みが具体化してきております。
 こうした状況を踏まえ、県では交流拠点施設を運営する民間事業者や地元自治体も参画しそれぞれの取り組み状況、交通対策や土地利用を初めとする諸課題について共通認識を持つための情報共有の場を本年中に設ける予定であります。
 県といたしましては、官民が連携し人の流れをつくる仕組みを築き、空港周辺地域を面的に捉えて振興することにより交流人口の拡大や地域経済の活性化につなげてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 金嶋危機管理部長。
       (危機管理部長 金嶋千明君登壇)
○危機管理部長(金嶋千明君) 地震・津波対策の推進についてお答えいたします。
 本県では南海トラフ地震に備えるため、地震・津波対策アクションプログラム二〇一三を策定し、想定される犠牲者の八割減少を目指してハード・ソフトを適切に組み合わせた対策を推進しております。
 先般発生した大阪府北部の地震、北海道胆振東部地震では、地震はいつ起こるかわからないことを改めて痛感するとともに被災地での大規模な停電や断水、多くの避難者の発生などが報道されており自助、共助の重要性につきまして再認識いたしました。
 住宅耐震化や家庭内備蓄などの自助や自主防災組織による避難所運営などの共助の取り組みを推進していく上で、市町の役割は大変重要であります。そのため県では、市町に対し必要な助言や技術的支援を行うとともに緊急地震・津波対策等交付金などの財政的支援も行い市町の地震・津波対策を支援してまいりました。
 議員御指摘のとおり、アクションプログラムの進捗は道半ばであり減災目標を達成するためには引き続き市町の地震・津波対策を着実に推進することが非常に重要なことから、市町の意見や要望を把握した上で今後の支援のあり方につきまして財政的支援も含め検討してまいります。
 また、広範囲かつ長期にわたる停電への対応につきましては静岡県第四次地震被害想定では地震発生直後に二百万件を超える停電が発生し、およそ九割が復旧するまでに四日程度を要すると想定しております。このため県及び市町の拠点施設や災害拠点病院では非常用発電機の設置や燃料の備蓄、燃料の供給体制の確保を行っております。また一般家庭や民間の事業所等に対しましては、今回の災害の教訓も踏まえ停電の長期化に対する備えについて周知啓発に努めてまいります。
 被災した外国人観光客等に対する情報伝達につきましては、外国人の安全を確保するため被災状況や交通情報などをSNSや観光庁の外国人旅行者向けアプリ等を通じて外国語で提供することとしており、さらに災害時の相談体制を強化するための費用を本議会でお諮りしております。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 鈴木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 鈴木 亨君登壇)
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) リニア中央新幹線の整備に伴う大井川水系の水資源等の保全についてお答えいたします。
 県は、これまでJR東海に対し再三にわたり南アルプストンネル工事に伴う湧水の全量を大井川水系に戻すよう強く申し入れてまいりましたが、依然として全量を戻す旨の表明がなされておりません。
 こうした状況から、本年八月に関係八市二町からの要請を踏まえ、大井川水系の水資源の確保及び水質の保全等に向けて流域の関係者が一体となって対応するため大井川利水関係協議会を設置し、大井川水系の水は大井川水系に戻すべきである等の意見を地元の総意として取りまとめたところであります。また客観的なデータや科学的な知見に基づき、トンネル工事が南アルプスの自然環境や大井川水系の水資源に及ぼす影響を明らかにし、JR東海が行う減水対策等を検証する南アルプス自然環境有識者会議を設置いたしました。
 県といたしましては、有識者会議での検証をもとにオール静岡の体制により、地元の総意であるトンネル湧水の全量戻し等を明記した基本協定の締結に向けて全力で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 渡邉文化・観光部長。
       (文化・観光部長 渡邉眞一郎君登壇)
○文化・観光部長(渡邉眞一郎君) 駿河湾フェリーの事業継続に向けた取り組みについてのうち、利用促進策についてお答えいたします。
 本年七月、県と環駿河湾観光交流活性化協議会の三市三町を初め観光協会、美しい伊豆創造センターなどの関係者が駿河湾フェリー連絡会を船上で開催しフェリー事業継続への思いは同じであることを確認いたしました。フェリー事業を継続していくためにはまずもって需要を喚起することが重要であり、直ちに各団体ができることから取り組むことといたしまして環駿河湾地域の見どころを掲載したガイドブックの作成、配布、フェリー利用者への施設割引、職員や関係者が公務やプライベートで積極的に活用するなどさまざまな利用促進策を展開しております。こうした取り組みをさらに拡充するため必要となる経費を九月補正予算案に盛り込み、本議会にお諮りしているところであります。
 具体的には、三市三町と県が連携したフェリー船上での観光PRを初めジオサイトモニターツアーやE―バイクを利用した駿河湾一周ツアーの実施などにより環駿河湾地域の魅力を発信するとともに、貸切バスやレンタカーへの助成、乗用車の運賃割引等によりフェリーを利用した県内への宿泊旅行を促進してまいります。
 県といたしましては、来年四月以降も切れ目なく運航継続ができるよう三市三町や関係団体等と一体となって利用者数二十万人の達成を目指した需要喚起に取り組み、海越しに世界文化遺産富士山を望むことができる、かけがえのないフェリー航路を支えてまいります。
 次に、新たな空港運営についてのうち、運営権者への期待についてであります。
 県では、富士山静岡空港のさらなる発展を目指し平成三十一年四月からの公共施設等運営権制度の導入に向けた取り組みを着実に進めております。優先交渉権者からは旅客数倍増という高い目標とともに県内の観光資源と連携した観光商品開発やにぎわい施設の段階的な整備など周辺地域の活性化につながる提案がなされております。
 運営権者には、自立した空港運営や空港のさらなる活性化に向け民間の経営力や創意工夫を最大限に発揮していただきたいと考えており、提案内容の着実な実施はもとより地域経済の発展や空港と地域の共生の観点から空港周辺地域の企業や市町等との積極的な連携を求めているところであります。県は運営権者から毎年度事業計画の提出を求めることとしており、第三者による評価を取り入れつつ事業の実施状況を確認、評価し、計画的かつ積極的な取り組みがなされるよう促してまいります。
 また、富士山静岡空港の県全体に対する経済効果は大変大きいことから、県は運営権者と緊密に連携してさまざまな分野における交流や地域づくりを促進することで空港の利用拡大とそれを生かした地域の活性化を図ってまいります。
 県といたしましては、運営権者はもとより市町、富士山静岡空港利用促進協議会等と連携し、富士山静岡空港が首都圏空港の一翼を担う日本の空の玄関口として活力と魅力あふれる空港となるよう全力で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 天野経済産業部長。
       (経済産業部長 天野朗彦君登壇)
○経済産業部長(天野朗彦君) ICT人材の育成についてお答えいたします。
 近年、急速に進む人口減少や少子高齢化の中で本県経済の持続的な発展を実現していくためには、いわゆる第四次産業革命の動きを確実に捉えAI――人工知能やビッグデータ、IoTなどを活用した生産性の革命が必要不可欠であります。とりわけ先端技術を使いこなすことのできるICT人材の確保・育成は本県経済発展の鍵を握るものと認識しており、このため県では有識者、産業界、教育界、大学、産業支援機関等から成るふじのくにICT人材育成協議会――仮称でありますが――これを立ち上げ具体的な方策を検討する経費等を九月補正予算案に計上し本議会にお諮りしているところであります。
 この協議会では、産業界のニーズを的確に把握しながら企業や大学との連携による中核人材の確保・育成や社会人のICTへのリテラシー――利活用能力を高めてもらう仕組みなどについて検討をしてまいります。また県産業振興財団に企業などに対してAI、ICT導入等に係る専門的な助言、指導ができる人材を新たに配置するほか農業高校において作物の栽培技術の精度を高めるため、AOIプロジェクトなどと連携しICTを活用した学習支援の取り組みなどを進めてまいります。
 このほか、中小企業などに技術指導、技術相談を行う県の試験研究機関の研究員に対しましては本年度より既にAI、ICTの研修会を実施しているほか、技術専門校におきましても企業の在職者向けにICTの技術習得などを行う職業訓練の充実を図っております。
 県といたしましては、こうした取り組みを通じまして科学技術の著しい進展に的確に対応し、本県産業の一層の発展を担うICT人材の確保・育成を着実に推進してまいります。
 次に、地域の金融機関との連携についてであります。
 地域の金融機関は、マイナス金利政策による収益構造の変化やフィンテックといった情報技術の進歩によりまして劇的な変革の時代を迎えつつあります。このため地域企業に資金を供給する役割に加えコンサルティングを通じて中小企業の事業活動を支援することで、新たなビジネスモデルを創出しようとしております。
 こうした中、県は金融機関と協力をいたしまして地域経済を牽引する企業の掘り起こしと育成を図るとともに県内の信用金庫との連携による産業人材育成などに取り組むことで、金融機関の新たな顧客の獲得と中小企業の新たな事業展開を支援しております。
 また、今後はキャッシュレス決済の普及、AIやフィンテックなどの活用による業務の革新が予想され金融機関におきましても高度な知識を持つ人材が必要とされてまいります。このため県や産業界、金融機関が連携いたしましてICT人材の確保や育成に取り組むこととしたほか、金融機関のネットワークを通じまして先端技術を導入する中小企業への支援にもつなげてまいりたいと考えております。
 県といたしましては、産業振興に果たす金融機関の役割を充分に認識した上で、引き続き金融機関を初め商工団体や産業支援機関と密接に連携しながら地域経済のさらなる発展に努めてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 芦川農林水産戦略監。
       (農林水産戦略監 芦川敏洋君登壇)
○農林水産戦略監(芦川敏洋君) 農林大学校の専門職大学への移行についてお答えします。
 二〇二〇年四月の開学を目指す仮称静岡県立農林環境専門職大学では、生産技術の習得に加え経営管理能力や先端技術への応用力などを高める実践的な教育を通じて、将来の農林業現場や地域を支える専門職業人を養成することとしております。このため農林業生産に必要な知識や技術を学ぶ基礎的科目はもとより企業的経営に役立つ経営管理論やマーケティング論、新たな事業展開に向けた応用力を身につけるための六次化産業実践論などの科目を予定しており実践で役立つ専門知識の習得を図ってまいります。
 また、農林技術研究所や畜産技術研究所、AOI― PARCとも連携した実習を通じ先端技術への対応力を伸ばすとともに、必修科目として先進的な経営体での長期のインターンシップを実施し高度な実践力を養ってまいります。
 さらに、学生寮での共同生活を通じて協調性を培い、コミュニケーション能力を伸ばすため一年生は原則全寮制とし、こうした経験を通じて地域のリーダーとしての素養を高めてまいります。
 一方、社会経済環境の変化に対応した人材を育てるため生産者団体や地元自治体などで構成する教育課程連携協議会を設置し開学後も教育内容の見直しを行うこととしており、農林業現場が求める人材育成に向けて教育内容の充実に努めてまいります。
 県といたしましては、農林業分野における実学の府として本県農林業や地域の発展に貢献できる大学となりますよう、開学に向けた準備に全力で取り組んでまいります。
 次に、森林環境譲与税(仮称)の創設に伴う対応についてであります。
 初めに、森の力再生事業の成果に対する県の評価についてでありますが、本事業ではこれまでの十二年間に計画に即して約一万四千ヘクタールの荒廃森林を整備してまいりました。こうした中、外部有識者から成る森の力再生事業評価委員会からは水源涵養や山地災害防止などの効果があらわれているとの評価をいただいており、事業は所期の目的に沿って着実に進捗しているものと認識しております。
 税の目的と県全体の森林整備についてでありますが、森林環境税は温室効果ガス削減目標の達成や災害防止を図ることを目的としており、もりづくり県民税では荒廃した森林の再生を目的としております。これらの税を活用し林業経営に適さない森林のうち地域の実情に応じた整備が必要な箇所は市町が森林環境譲与税により対応し、緊急性の高い荒廃森林については引き続き県がもりづくり県民税で対応することとしており、税の目的、市町との役割分担を明確にした上で事業を適切に進めてまいります。
 県への譲与税の使途についてでありますが、全ての市町への訪問調査を行った結果、多くの市町で林業の専門職員が十分でないことや林業経営体の担い手不足への懸念などが明らかになったことから、市町職員対象の研修会開催や森林調査業務等に関する技術者派遣、林業経営体の人材確保・育成といった支援の拡充に取り組んでまいります。
 県といたしましては、県と市町が車の両輪として協力、連携してより効果的な森林整備を進めることで森林の持つ公益的機能が持続的に発揮するよう取り組んでまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 学校における暑さ対策についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、県内の学校では空調設備の設置率が低いことから一つの災害とも言われる酷暑の中で子供たちが安全にかつ安心して学校生活を送るためには、空調設備の設置が喫緊の課題となっております。
 県教育委員会では、特別支援学校の普通教室における整備を進めるとともに県立高校や特別支援学校の特別教室につきましては今年度策定する学校施設中長期整備計画を踏まえ、できる限り早期に効率的な整備に取り組んでまいります。空調設置後の運用につきましては各学校が環境衛生基準に適正に対応するとともに、気温や児童生徒の体調など個々の状況に応じ柔軟に設定温度や使用時間を定めるものと考えております。
 公立小中学校につきましては各市町が空調設備の整備を表明しており、県といたしましては国に対して十分な交付金の確保を要望するとともに交付金制度に係る情報の提供や事務の円滑な執行により市町における整備を支援してまいります。
 ソフト面の対策につきましては、各学校に対する通知や養護教諭の研修会等によりきめ細かな健康観察と十分な水分補給など熱中症対策に万全を期すよう繰り返し指導してきております。また空調設備が設置されるまでの対策の参考となるよう始業式の時間や場所の変更、午後の授業の打ち切り、ミストシャワーの活用や運動場への散水、首周りを冷やす保冷剤の配布など本年度実際に行われた事例などを各学校に情報提供していくこととしております。
 猛暑は命の危機に直結する場合もあります。県教育委員会といたしましては市町教育委員会と連携し、空調設備の整備促進とソフト面での対策により児童生徒が安全にかつ安心して学校生活が送れるよう取り組んでまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 小嶋警察本部長。
       (警察本部長 小嶋典明君登壇)
○警察本部長(小嶋典明君) 県警察の運営に対する警察本部長の所信についてお答えいたします。
 まず、県警察の最高責任者として静岡県の治安を守るため全力で取り組んでまいります。そのため県警察として犯罪や事故の抑止に向けた取り組みや犯罪の検挙に向けた活動を強力に推進するとともに、地域住民や関係機関等と密接に連携して治安のさらなる向上に努めてまいります。
 静岡県の治安情勢につきましては、刑法犯認知件数や交通事故件数は減少傾向にあるものの、女性や子供が被害者となる事件や特殊詐欺事件あるいは高齢者が当事者となる交通事故が依然として多く発生するなどいまだに厳しい情勢にあります。これらに対しましては組織の総合力を発揮した検挙活動を一層強力に推進していくとともに、関係機関等と連携した効果的な抑止対策を講じてまいります。
 さらに、本県におきましては来年にはラグビーワールドカップ二〇一九が、翌年には東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が予定されているほか南海トラフ地震を初めとする大規模災害の発生が危惧されているところであります。このため県民の皆様や関係機関等と連携してテロの未然防止対策に万全を期すとともに大規模災害発生時の被害を最小限に抑える対策を進めてまいります。
 また、私の前任地である科学警察研究所ではさまざまな警察事象に関連する研究等を行っておりますが、そこで培った知見を本県警察行政にも生かしてまいりたいと考えております。特に近年は捜査において客観証拠を重視するようになってきておりますので、DNA型鑑定や防犯カメラ画像の解析等を場合によっては高度な技術と資機材を有する科学警察研究所の支援も受けながら的確に行うことにより犯罪捜査に効果的に活用してまいりたいと考えております。
 このような方針のもと、組織一丸となり県民の皆様の安全・安心の確保に努めてまいる所存であります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 河原崎 聖君。
       (十番 河原崎 聖君登壇)
○十番(河原崎 聖君) 若干の要望と再質問をさせていただきたいと思います。
 まず要望ですが、最初の知事の政治姿勢ということの中で全庁を見渡したということでしたけれども、それについていろいろなことをやられているということはわかりました。特に大きなプロジェクトになるようなことについては意思疎通が図れるようにいろんな工夫がされているというのは理解したんですが、その一方で例えばこういった質問をつくるときに複数の部にまたがるような質問をしようとしますと割とはっきりと嫌な顔をされるというようなことがありまして、組織が大きくなればそういうのは出てくるというのも理解できないわけじゃないんですけれども、やはり現場は一つなんですよね。そういった制度的なことをいろいろおやりになると同時にやはりその役所の分担、そこのところにまでやっぱり踏み込む必要があるんじゃないかなというふうに思います。
 そういったことで、やはりそういったことにつきましてはトップの意思がどれだけ職員の皆さんに伝わるかということだと思いますので、その点についても御注力をいただきたいなというふうに思います。
 それからスペシャリストの関係なんですが、こちらもいろんなことをやられているというのは理解をいたします。ただまあ御答弁の中にもあったと言いますか、私の質問の中では職員の希望を聞いてスペシャリストを育てているというだけじゃなくて、意図的にスペシャリストを育てる必要があるんじゃないかと。つまりは県としてどういうスペシャリストをどこに、どういうふうに置くんだというふうな意思を持つ、その必要があるんじゃないかということです。ですのでそういうものを用意していただきたい。そしてもしそれで県庁の中でそういう人たちが足らないとすれば、外部からも導入するとかそういった柔軟な組織運営ということも図っていただきたいなというふうに思います。以上二点について要望をさせていただきます。
 それから再質問なんですが、障害者雇用の関係ですけれどもいろいろな数字が出ました。当初報道にあったよりは手帳を持っている方が多かったということですが、いずれにしても法定雇用率は満たしていないというような状況は理解をいたしました。
 それで、この九月定例会の冒頭のあの知事の御発言にもあったとおり、やはりあの県庁というものは市町や民間事業者に対し範を示す立場にあるというようなことでございます。そういった中で確かに法定雇用率は二・五%なんですけれども、それよりも高いですね、目標をしっかりと示して、こういうことをやっているんだよというようなこともやるべきじゃないかなというふうに思うんですが、これについてのお考えを伺いたいというふうに思います。
 それから、ICTの関係です。
 ことし、私県議会の浙江省の訪問団に行かせていただきまして、浙江省といいますとアリババの本社があったりとか、それから見させていただいたのが防犯カメラ、監視カメラですね。監視カメラのとこだったんですが、あれもあのかなりICTの活用ということでございまして、こういった分野については日本という国は大分立ちおくれてしまったなということを切実に感じて帰ってきたわけです。
 そういった中で、このICT人材の育成・確保というのは本当に重要な問題だなというふうに思いますが、いろんな先ほどの御答弁にもありましたとおり、本当にこういう人材の確保というのは難しくなっている、競争が厳しくなっているわけですよね。そういった中でやはり現場のニーズに応えていくようなスピード感を持ってやらなきゃいけないということだと思うんですが、そういうことについて具体的な方策があれば、お答えをいただきたいと思います。以上について答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 杉山経営管理部長。
○経営管理部長(杉山行由君) 障害者雇用の取り組みについて再質問についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、地方公共団体、障害者雇用について率先して取り組む立場にございます。今回の再調査の結果二・二八%、法定雇用率二・五%、ただこの法定雇用率二・五%につきましても、今後精神障害者の数字が入ってくることによって数年先には二・六%に法定雇用率が上がることが予想されております。一方で全国的に都道府県レベルの障害者雇用率を見てみますと、全国トップレベルの障害者雇用を進めている県においては、三%台半ば程度の雇用率を達成している都道府県もございます。ですので我々としてもそうしたトップレベルの都道府県に負けないように、そうした率に追いつけるように頑張っていきたいと思います。以上でございます。
○議長(渥美泰一君) 天野経済産業部長。
○経済産業部長(天野朗彦君) ICT人材の確保・育成の再質問についてお答えをいたします。
 このAIとかICT人材の確保・育成につきましては、県が推進いたしますさまざまな経済政策、ファルマ、フォトン、フーズ、AOIプロジェクトなどこういったものと並列的に並ぶような施策ではなくて実はこれらの基盤をなす施策だと思っております。その結果こうした基盤形成のため、このプラットフォームを形成するために今議会にお諮りをしておりますけれどもICT人材の協議会を産学官で設けまして、この中で具体的な施策を協議をしていこうというふうに考えております。
 とりわけ企業の中核人材の育成がこのものづくり県にとっては極めて重要というふうに考えておりまして、この部分については例えば大学との連携を強化していくような、そういった人材育成の方策などは考えられないかというふうに考えておりまして、この専門家の先生方それから企業、大学等を入れましたこの協議会の中でしっかりとこの政策を打ち立てていきたいと思います。そしてスピード感を持ってこれらの政策の具体化に取り組んでまいりたいと考えております。以上であります。
○議長(渥美泰一君) これで河原崎聖君の質問は終わりました。(拍手)
 議事の都合により休憩します。

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