本会議会議録
答弁文書
平成28年6月静岡県議会定例会
相坂 摂治 議員(自民改革会議)の 代表質問 に対する答弁
(質問日:06/27/2016番目)
答 弁 者 | : | 知事 |
○知事(川勝平太君) 相坂議員にお答えいたします。
私の政治姿勢についてのうち、ふじのくにづくりの総仕上げについてであります。
私は、知事就任以来富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりを基本理念に掲げ政治姿勢であります現場主義を貫き、前倒しをモットーとしてスピード感を持って県政運営に取り組んでまいりました。その具体的施策が総合計画であります。十年間を目標年次としておりますけれども、実質議員の御指摘のとおり前期四年、後期四年という前倒しを実行しているところでございます。
実際は前期、これは平成二十三年二月二十三日に策定され、これは平成二十二年度を一年と考えましたので実際は平成二十五年度まで三年と一カ月、実質三年で五年間分をやったということでございます。
また今、後期アクションプランというのを実施中でありますけれども、ことし二月に公表いたしました“ふじのくに”づくり白書にお示しいたしましたとおり順調に進んでいるということでございます。これは正確には九〇%以上ではなく九八・八%でありまして、計画よりおくれておりより一層の推進を要するというものは六件にすぎません。
ただ、議員御指摘の県政の目標達成率は四〇%程度ではないかということですが、これは目標達成率は一〇〇%とします。これを五年間でやるとしますとこれは平均二〇%ずつ足していけば一〇〇%になります。これは平成二十六年度の一年間分についてこの一〇〇%のうちどこまで来たかということでございまして、実質平成二十六年度は初年度でありますので一年間で四〇%やったということです。ですから場合によってはこれは三年でですね、一〇〇%まで行けるという勢いを示しているということでございますので、その点御理解賜ればというふうに存じます。
私は、何と言いましてもこの命を守る危機管理が重要だと。そしてこの重点領域というのが八つございます。この八つ、それぞれ県の部長さんがかわりますと、八つを言ってみてくださいと言われてすらすらと言える人はいなかったのに驚きました。
これは、まずは危機管理だと。その次は経済発展、経済成長にかかわるものが三つ続きますと。これが内陸のフロンティア、そして新成長産業、エネルギーの地産地消であります。次の三つは人が三つ続くと。まずこれは年齢の下からだんだん上げていけばよろしいということで、子育てを重視するということ、少子化対策であります。二番目は学びのやり方をたくさん整えるということです。三つ目が健康寿命を延ばすということですね。八つ目はこれは富士山でありますので末広がりで八つだということで、今このことを言えない人は一人もいません。
ですから、まずこのふじのくにづくりについて八つの重点領域を全員が共有することが極めて重要で、そしてそれぞれもちろんどの部局が何をいついつまでにという目標を設定しているのでありますけれども、それぞれ連関しお互いに助け合うというそういうモットーでやっているわけです。
特にことしにつきましては、議員の御指摘もございましたけれどもTPP交渉がございましたので第一次産業を重視すると。特に農業ですね。それからオリンピックやワールドカップがございますのでスポーツ王国しずおかのルネサンスを図ると。それから地域外交。東京でも都市外交というのが話題になりましたけれども地域外交というのがこれからの時代の世界の趨勢であります。これをしっかりすると。こういうそれぞれの時代に即応した形で静岡県の魅力を世界に発信すると。世界に羽ばたく静岡県をつくるということでございます。
そうした中で、静岡県をまずどう認識するかと。世界の中の静岡県にするということのために富士山が世界文化遺産になったのをきっかけにいたしまして、お茶や南アルプス等々二十を超える国際クラスの認証をいただいているというのが現状の静岡県です。ですから十分に国際クラスの地域であるという自覚を皆で一緒に持ちましょうということでございます。
もとより議員御指摘のとおり、まだまだ景気動向に左右されやすい経済もございますし暮らしや有徳の人づくりなどやるべきことはたくさんございますけれども、ともあれ我々は自分たちの生きている地域に対しまして地方創生の最先端、先導するという意気込みと気概と誇りと使命感を持ってやっていきたいとこういうわけでございます。
そして、何よりもやはりここの地域が「住んでよし 訪れてよし」と、もちろん「生んでよし 育ててよし」と、また「学んでよし 働いてよし」ということでありますが何と言っても「住んでよし 訪れてよし」ということを内外に、自他ともに納得されるような地域づくりをしてまいりたいというのがチーム川勝としての一致した考えでございます。
次に、政策プロセスについてであります。
私は、静岡県を取り巻く社会環境が刻々と変化する中で個別の政策形成に当たりましては全て現場に問題があるので現場に赴き現場から学び現場に即した政策を立てる現場主義というのを基本姿勢として七年やってまいりました。
それで、これは言うはやすくということがございまして改めてその現場にどのくらい赴いたのかということですが、ことしの五月末までほぼ丸七年でありますが静岡県下だけで二千三十一回です。したがって七で割りますれば三百回ぐらい行っているということですね。ただし一日に二、三カ所回ることがございますから一回一カ所というわけではありません。そのように全県下回っております。そしてまた市長さんや町長さんなどをお迎えする形で四十六回に及ぶ知事広聴をしてまいりました。四十六を七で割りますれば六・幾らになります。したがって二カ月に一回強、知事広聴をしております。
それでも不十分だということで特に静岡県は広うございますのでいわゆる移動知事室というのを三年ほど前から始めました。これも十九回、これは泊まりがけでやるということでございます。
それでも不十分だということで御指摘の三人目の副知事の一人として土屋副知事を据えたわけです。これは伊豆半島、十市町だけで十ございます。しかし人口は二十五万です。ここに函南、三島、沼津、長泉それから清水町というのを入れますと大体六十五万ぐらいになりますね。そこらあたりを全部やってくださいと。そうすると向こうからお越しになるのに一日がかりになる方がですね、例えば南伊豆から来られるとすると私が行ったときでも十分に話ができないということでさらにこちらに来られても一日仕事になるということがお気の毒ですから、伊豆半島全体を直轄と言いますかそこで意思決定のできる土屋副知事を任命して皆様方にもそれを認めていただいたということです。
仮に伊豆半島二十五万ですね、沼津、三島で三十万、それに函南を入れると三十五万です。それらを除きますと二十五万しかいません。残り三百四、五十万いらっしゃるわけですね。それをこれだけの大きな県でございますので仕事をですね、しっかり統括するのに最低二人は要るということで、結果的に三人になっているということでこれは現状がこれを要求しているということだと御理解賜りたいと存じます。
それからまた政策プロセスにつきまして、世界遺産センターについてはですね、三億円の増額をお願いして御理解いただいたということですが、これは一割ですね、全体三十億ですから。ここで厳しい議論をいただいたということは物すごくよかったと思います。
篠原地区の野球場につきましては、これは人助けのためなんですね。南海トラフの巨大地震が来ると。ですから内陸部の人がそこの沿岸部に逃げると、そんなことは想定していません。一人も取り残さないと。防潮堤十三メートルで、それより越波するということが想定されているわけです。そこにいる人はどうしますか、逃げるところがなければ。だからそのためにつくるんですね。
ですから、一人も取り残さないと。時速三十キロ、五十キロで迫ってくるものに対してですね、高い所がないといけないということのためです。しかも二〇一三年から――それ以前からもそうですけれども――市長さん、それから商工会議所の会頭さん、自治会の会長さんが毎年のようにですね、それを要望されて来られていたので。これはコンセンサスがないというふうに即断したのかもしれません、私は。しかしコンセンサスを求めるために、今浜松市のほうでは特別委員会を設けられてやっておられるということでですね、コンセンサスがないところに公費を支出はしません。しかしこれは人助けのためにやっているということをぜひ御理解賜りたいというふうに思います。
ちなみにですね、広聴会で大体市長さん、町長さんが来られるんですが、三回やって、つい最近ですけれども一度も来なかったトップの方もいます。
ともかくですね、現場の声を聞く機会、一緒に聞く機会というのは極めて重要でございます。富士山に恥じない私は政策判断をしたいということで、広く知識を世界に求めて勉強するというそういう政策プロセスを担っております。
常に県民本位、公平無私の立場を堅持するとみずからに言い聞かせておりまして、それこそ五箇条の御誓文ではありませんが万機公論に決すと、上下心を一にして盛んに経綸を行うと、おのおの志を遂げ人心をして倦まざらしめんことを要すという、こうした基本に常に立ち返るというそういう政策プロセスを日々努めているところでございますので、県議会の議員の先生方の御支援と御協力をお願い申し上げたく存じます。
次に、静岡市との連携についてであります。
東静岡周辺地域の将来ビジョンについてですけれども、東静岡周辺地域は、東名高速道路、国道一号等の東西軸に加え中部横断自動車道の開通による新たな南北軸の形成により交通の結節点となる地域です。県では、この地域の魅力を最大限に磨き高め国内外の人々を引きつける地域づくりを進めるために、文化力を生かした地域づくり基本構想をいわゆる高階委員会、これ以上にない立派な先生方に定めていただきまして、そしてそれぞれの地区――東静岡地区、それからもう一つは日本平の頂上のシンボル地区、それぞれまた委員会を設けてやっているわけですね。ですからどれ一つとして勝手にやっているものはありません。
また、市が計画されている大谷・小鹿地区も長らく放置されていたのではありませんか。しかし今これがですね、内陸のフロンティア推進区域として指定されたということは、まことに御同慶の至りでありまして地域に住まわれている方がようやくこのときが来たかと安堵されている声も聞こえてまいっております。
県と市が力を合わせて早期具体化に向けて取り組むのは言うまでもないことでございます。今、県・市地域政策会議や都市景観検討技術会議などもございますので一緒にやっていきたいと。
御要望でございます幹部職員の派遣ということなんですが、これは一番大切なんですね。例えば焼津市は、以前こちらで知事公室長をしていた者が副市長でした。今の副市長さんはこちらで経営管理部長、また文化・観光部長を務めた者がしております。最高の軍師です、言ってみれば。だからそういう人を使う力があるんです。またすぐお隣の藤枝でも、その方が今こちらで知事公室長を務めていますが、そうした人を含めてですね、しっかりと人を取り入れて県と一体化できるそういうシステムをつくり上げている。浜松市でも副市長さんがずっとこの間、三人続けて県の本当にトップクラスの人をつけている。私は特に静岡市との関係を大事にしたいということで、市長さんの高校の後輩であり、相坂議員の先輩でもあり、また局長さんの後輩でもあるということで、しかし相性というものがありますから一年間だけ見てくださいと。そして副市長にという約束だったんですね。ところがですね、閑職です。つまりラインがないんですね。一人だけのポジションです。企画部理事といえば聞こえがいいですけれども何の決定もできない。それで一年たちまして六月、ちょうど一年前の今ごろですが何をされているんですか、人づき合いをしていると言う。僕は、それはいいから君帰ってきたまえと言ったら、帰るとまたあつれきが大きくなりかねないのでいると言うので、その翌月市長さんにお目にかかってこの件について何とかしてくださいと言ったら、ほかにもっと大きな案件があったんですけれどもこの件についてだけはすぐ検討するとおっしゃって、ほったらかしだったわけです。
ですから私は、能力のある人を使うあるいは能力を発揮させるという器量が必要だと思います。さもなければ上に立つ資格がないとすら思っております。ですからそのような、その人が何をしたいかということではなくてその人が何をしてきたかがその人の全てです。
そういう事情がございまして、私は三十五市町のうち三十四市町の首長とはおおむねというかほとんどよくうまくいっていると思っているわけですが、これは何とかしたいと思っておりますがやはり現場におりて、そして後援会ではなくて現場の声を聞かなければ桜ヶ丘病院のこととか、あるいは三保松原の遊歩道とかそういう問題が現場からですね、総スカンを食らうということになるわけですね。ですから言ったことは実行するという前に徹底的に現場に足を運んでその声を聞くということをしない限り前に進みません。私は口を酸っぱく言っておりますけれども、また私が言うと角が立つかもしれないので相坂議員にそういう点をお願いしたいというふうに思います。
さて次に、人口減少対策についてのうち、問題意識と今後の対策についてであります。
人口減少は、社会の活力に影響を及ぼし社会経済の持続可能性を揺るがす深刻な問題であります。そこで静岡県では、国に先駆けてこの問題の日本における最高権威、鬼頭宏県立大学学長を座長とする人口減少問題に関する有識者会議を設置いたしましてその分析、またそれに応じたさまざまな対策を講じてきているところでございます。
人口減少の状況は、子供を産み育てやすい環境や魅力のある暮らし、安定した雇用を確保できるかなどさまざまな条件によって左右されます。各市町によって異なっているわけですね。このことがとても大切です。
平成二十七年国勢調査において五年前と比べて人口増加数のトップはどこか。長泉町です。ここの合計特殊出生率は一・八二でありまして安倍内閣が掲げられた一・八というものはもう通り越して一両年中に町長さんは二・〇七を達成するという目標を掲げられておりますが、ここで私はママラッチだとかなごみカフェだとかいうですね、ママさんたちでつくられている方たちとお目にかかっていろいろお話を聞きましたが、やはり子供を産み育てやすいまちづくりに行政と民間が一緒になって取り組んでいらっしゃるとそういうことがあるんですね。したがってですね、実はこの市町の合計特殊出生率とあるいは人口動態というのは本気度にかかっていると思います。
残念ながらですね、人口の多い浜松市は平均一・五よりも高い一・五七という合計特殊出生率ですが第二番目のですね、静岡市が一・四〇です。そして何と清水区はですね、合計特殊出生率最低です、一・三六です。熱海は一・二二で一番低いんですけれどもここは特殊な事情があります、温泉町ですから。それを除きますと最低です。そしてその次がこの三つの区で一番多い葵区で一・三七でしかありません。駿河区だけが一・四八として一人気を吐いているということなんですね。
ですからね、ともかく八人もいらっしゃる人もいらっしゃる、まあそういうわけであと一人入れると野球チームができる、ともかくそういう状況がございましてやはりやる気というものがこういう数字にあらわれますのでね、どういう施策を講じるかについて本当に一緒にやれれば、あるいはこちらに任せていただければ相当のことができるというふうには思っております。
続きまして、産業成長戦略の推進についてのうち、次世代産業の創出についてであります。
県は、新しい産業を創出するためにそれぞれの地域の持っている場の潜在力――場の力を生かし三つの新産業集積プロジェクトに取り組み、これは着実に成果を上げてきています。
特にファルマバレーでは、さまざまな医療機器が製品化されております。最近では頭蓋骨用のインプラントなどもできました。
また、産業創出の新拠点施設を九月のフルオープンに向けまして整備しています。既にテルモさんあるいは東海部品工業株式会社さんに加えて九社の企業が入居することになっております。フーズ・サイエンスヒルズでは、韓国の国家食品クラスターであるフードポリスとの国際的な連携あるいは来月一日――数日後ですが――に発売される血中中性脂肪を下げるサプリメントなど新商品も生まれてきております。フォトンバレーでは、次世代の映像技術である8Kカメラに対応する装置の開発など多くの製品が生まれております。
これらに加えまして、場の力が顕在化し新しい産業の芽が数多く生まれてきているわけです。次世代の夢の素材として注目を集めているCNF――セルロースナノファイバーにつきまして、富士工業技術支援センターを中心に新製品の研究開発に着手するとともに、地域企業の人材育成などにも取り組み国内をリードする拠点の形成を図っております。
また、航空機産業の創出では、県内の航空機部品を手がける中小企業を支援することに加え静岡型の航空機産業の創出を図るため富士山静岡空港を生かした航空機の点検整備にかかわる産業の創出、できればこれをエンブラエル社も視野に入れて可能性を探りたいと思っております。
そしてまた、そのベースにありますのがブラジルの航空技術大学いわゆるITA――イタと言われるものでありますが、そこと県内の大学との人的交流も促進し学ぶ現場を静岡空港に持ちたいとも思っているところでございます。
そのほか、無人航空機を防災や遠洋漁業などに使う新しいビジネスの創出に取り組んでいるところであります。
静岡県といたしましては、静岡県産業の再生と一層の活性化を図るために今後とも地域資源や大学、研究機関、既存の企業集積などの場の力を最大限に活用し地域企業が新産業への参入や新事業にチャレンジするためのプラットホームを県内各地に形成し静岡県のみならず全国を牽引していく次世代産業の創出に積極的に取り組んでまいります。
次に、医療・福祉サービスの提供についてのうち、医師、看護職員の確保対策についてであります。
県では、医師の確保につきましては全国最大規模の医学修学研修資金制度や専門医を養成する研修ネットワークプログラムの提供などによりまして医学生や若手医師の県内就職や定着を促進する環境の整備を進めております。
その結果、ことし四月一日時点で修学資金を利用し県内で就職している医師は百四十名になりました。今後も毎年約四十名が新たに勤務する見込みでございます。着実に医師確保の成果があらわれてきております。これはバーチャルメディカルカレッジの試みが奏功しているということであります。
看護職員の確保につきましては、養成力の強化、離職防止と定着促進、再就業支援、これを三つの中心施策として取り組んでいるところであります。特に看護職員の方々が安心して働ける職場となるように新人職員の職場の悩み相談を受ける相談指導員の配置、未就業看護師に働く場の情報を提供しまして要望をお聞きしながら就職につなげるナースバンクの運動など新人から経験者まで幅広く看護職員の確保に努めているところです。
今後は、若手医師を育成する指導医の配置や専門医研修プログラムの充実を支援いたしまして地域の病院が魅力ある職場環境となるように努めてまいります。また修学資金を利用した医師の医師不足地域への配置、また県外の医科大学と締結しました東部地域の医療の確保にかかわる協定、これも最近結ばれまして、これらに基づく協力体制の活用などによりまして地域の医師の確保と偏在の解消に取り組んでまいります。
看護職員につきましては、質の高い看護師の確保や助産師の育成など地域の実情や要望に応じた養成が重要です。認定看護師や特定行為の研修受講の支援を行います。そして東部看護専門学校への助産師養成学科の設置に向けた取り組みを進めます。そうしたことで養成機能の充実強化を図り地域で必要とされる看護職員の確保を進めてまいります。
地域の医療体制の充実に向けまして、医師及び看護職員の確保を着実に進め県民の皆様がいつでもどこでも安心して医療サービスを受けることのできる「生まれてよし 老いてよし」の理想郷づくりに全力で取り組んでまいります。
次に、マーケティング・ブランディング戦略についてのうち、攻めの農業の取り組みについてであります。
先月に公表された農林業センサスの確報によりますと、確実になりました情報によりますればこの五年間で企業的な経営を行う法人経営体が二七%増加しております。家業から事業へという農業の構造は着実に強化されておりまして本県農業の競争力を高めるためにはこのような動きをさらに加速させることが重要です。
このため県は、農業経営者の意識改革や能力開発、ビジネスプランの作成などを進めております。それとともに先日小山町に開設いたしましたトマト団地のように高度な環境制御技術を導入した園芸施設の整備や野菜の植えつけや収穫を効率化する機械の導入なども支援してまいりますし、またまいりました。
さらに、こうした従来からの施策に加えまして先端的な科学技術やものづくり技術を農業分野に応用し、本県農業全体の生産性を飛躍的に高めるために先端農業推進プロジェクトに取り組んでいるところであります。具体的には昨年度から慶応大学や理化学研究所と連携いたしましてミカンの剪定など篤農家の熟練作業を撮影しまして見える化した学習システムの開発をいたしました。また植物が出す微量なガスをレーザー光により検知して病気に感染したイチゴを早期に発見する装置の開発などにも取り組んでおります。
また、農作業の省力化や軽労働化を実現するため茶園やミカン園におきましてドローンを利用して植物の栄養状態を上空から感知する技術、また収穫物の無人運搬ロボットの開発などに取り組んでいるところです。今後静岡県の強みでもありますものづくりの技術を有する企業と連携し農業ロボット研究会を立ち上げさまざまな分野で農業用ロボットの開発を促進してまいります。
今年度からは、沼津市の旧東海大学キャンパスの一部をこれらの先端農業推進プロジェクトの拠点として整備するために基本設計に着手しております。この拠点におきまして県内外の研究機関や企業が参加する健康の健――健・農・食連携のオープンイノベーションを推進するため、今後研究開発テーマを公募し拠点での研究開発の多様化、具体化を図ってまいります。
県といたしましては、こうした先端的な科学技術につきましてそれぞれの生産者のニーズや中山間地域を含む県内各地域の実情を十分に踏まえた形で農業分野へ導入していくことなどにより本県農業の生産性向上を図り、農業の成長産業化に向けて攻めの農業を従来以上に推進してまいる所存であります。
その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
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