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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成13年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

小楠 和男 議員

質問分類

代表質問

質問日:

09/28/2001

会派名:

自由民主党


質疑・質問事項:



    ○議長 (伊東伊佐美君)  ただいまから会議を開きます。
     議事日程により、 知事提出議案第百九号から第百三十三号まで及び平成十二年度静岡県一般会計、 特別会計、 公営企業会計決算全部を一括して議題とします。
     質疑及び一般質問を行います。
     通告により、 二十三番 小楠和男君。
            (二十三番 小楠和男君登壇 拍手)
    ○二十三番 (小楠和男君)  皆さん、 おはようございます。
     私は、 自由民主党を代表して、 当面する県政の諸問題につきまして、 知事、 関係部長、 教育長並びに警察本部長にお伺いします。
     まず初めに、 三期目に臨む知事の基本姿勢についてであります。
     まずは石川知事、 御当選おめでとうございます。 我が自由民主党は、 二期八年間の実績を評価し、 いち早く石川知事を推薦申し上げるとともに、 一枚岩で県下全域にわたり選挙戦の先頭に立って戦ってまいりました。 百二万という多くの県民の皆様の支援を得て当選されたことは、 石川知事はもちろん、 我々自由民主党に所属する者にとっても、 この上ない喜びであります。
     さて、 今回の知事選は、 殊さら空港問題をクローズアップさせようと意図したとしか考えられない、 静岡空港の建設の是非を問う住民投票条例の制定請求という異常事態の中で、 刻一刻と告示日が近づき、 現職知事として、 県政のよどみない運営に責任を持つ立場でありながら、 立候補予定者でもあった石川知事の苦悩はいかばかりだったか心中お察しいたします。
     しかしながら、 「みんなとつくろう、 日本一の静岡県」 をスローガンに掲げた石川知事に対して、 賢明な静岡県民は空港問題のみにとらわれることなく、 県政全般にわたる八年間の石川知事の実績を評価するとともに、 変化の激しい今日、 来る四年間の静岡県のかじ取り役として、 石川知事に大きな期待をしていることが今回の選挙結果から実証されました。 そこで、 知事に改めて三期目に臨む基本姿勢について伺います。
     次に、 アメリカ同時多発テロ事件に対する知事の認識について伺います。
     九月十一日に発生したアメリカにおける同時多発テロ事件により、 とうとい命を落とされた方々、 負傷された方々、 そして御家族、 御関係の方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、 世界の平和と民主主義に挑戦するがごとき今回のテロ行為に対し強い憤りを禁じ得ません。 我が国も、 国際社会の一員として、 卑劣なテロ行為に対して断固たる姿勢で臨むことを要望したいと思います。
     さて、 石川知事は、 事件後の十四日、 駐日アメリカ大使館のベーカー大使とアメリカ海兵隊キャンプ富士のドニガン三世司令官に対し、 お見舞いの電報を送られたと聞いております。 また現地では、 ブッシュ大統領はもちろん、 ジュリアーニ・ニューヨーク市長も事故現場の救援活動の陣頭指揮に立ち、 高い評価を得ているとのことです。 そこで石川知事は、 今回のテロ事件をどのように認識しておられるのか伺います。
     次に、 財政問題についてであります。
     初めに経済見通しについて伺います。
     本年当初より、 さまざまな景気指標の数字は縮小悪化傾向を示しつつありましたが、 ここへ来て景気は後退局面にあるということがはっきりしてきました。 八月二十八日には、 雇用の面から、 完全失業率五%  過去最悪、 九月五日の財務省発表法人企業統計の製造業で二年ぶりに業績悪化、 九月七日には、 内閣府発表の第二・四半期  四月から六月の国内総生産  GDPは実質で〇・八%減、 年率では三・二%の減。 私たちの実感としての懐ぐあいに近い名目GDPでは、 年率何と一〇・三%の減と経済規模は急速に縮小しています。 とどめは、 アメリカの同時多発テロ事件でアメリカの経済機能が麻痺したことにより、 翌十二日の日経平均株価は、 あっさりと一万円の大台を割り込みました。  さらに、 デフレの進行により、 物価の下落が進むにもかかわらず消費支出は減少し続けているとともに、 不況時こそ力を発揮してきた輸出による貿易黒字も大幅減となるなど暗い数字ばかりです。 わずかに国内自動車販売の好調が続いていますが、 経済全体の不振をカバーするには力不足です。 今後、 国の構造改革いかんによっては、 さらなる景気の悪化により、 雇用不安、 賃金の低下等、 県民生活に多大な影響を及ぼしかねません。 知事は、 経済動向をどのようにとらえ、 見通しているのか伺います。  次に、 経済動向を踏まえた県税の状況と今後の見通しについてであります。
     ここまで申し上げましたように、 現在、 経済の動向は後退局面入りしていますが、 昨年のこの時期の景気指標を見ますと、 消費関連を除いておおむね堅調な数字で日本経済は回復局面にあるとのことでした。 このように経済が激しく変化している中、 今年度の税収をどのように見込んでおられるのかお伺いします。
     また、 来年度には、 郵便貯金の集中満期のおかげで大幅に増加していた利子割県民税が平年並みに戻ることや、 世界同時不況とも言える状況の中では、 内需の落ち込みを輸出でカバーすることもできず本県産業を支える製造業の業績が心配されるなど、 法人税関係の動向も油断がなりません。 今後の税収についてどのように考えておられるのか伺います。
     次に、 九月補正予算についてであります。
     他県では、 九月補正予算を編成しないところもあると聞いています。 しかしながら、 県民の声は、 身近な生活環境の整備や東海地震対策という我が県の持つ特殊事情、 雇用対策など、 緊急を要する課題を速やかに解決してほしいとの強い要望があります。 これらの要望を踏まえ、 我が党といたしましても、 平成十四年度の予算編成も見据えながら、 身近な生活環境の整備にも配慮した九月補正予算を知事に要望してまいりました。 今回の九月補正予算は、 知事が選挙戦を通じて県下各地を回り、 多くの県民の声を聞いた上で編成された三選後初の予算です。 どのような方針で編成されたのかお伺いします。
     次に、 財政健全化計画についてであります。
     知事は六月議会で、 十二年度決算により百億円程度を新たな財源として確保できることになり、 この結果、 平成十六年達成予定の財政健全化計画を予定より一年早く達成できるとの見通しを示されました。 また、 今回の九月補正予算では、 一般財源の約半分の百億円を財政調整のための基金に積み立てるとともに、 県債の発行を抑制するなど財政の健全化に配慮した予算となっております。 しかしながら、 内閣府が発表した国内総生産  GDPは実質、 名目ともマイナス成長となり、 七月以降もこの状況で推移すれば、 平成十三年度の実質成長率は、 日本経済研究センターの試算によればマイナス〇・八%と予測されています。 また、 各種調査機関によれば、 名目成長率に至っては、 おおむねマイナス二%と試算されています。 現在の財政健全化計画は名目経済成長率を二%で試算していることから、 今後の経済動向によっては計画の達成に影響が出ることが心配されます。 そこで知事は、 財政健全化計画の達成と今後の財政運営にどのように取り組んでいかれるのか伺います。
     次に、 地震対策について伺います。
     まず初めに、 地震対策アクションプログラム二〇〇一の策定についてであります。
     本年四月三日、 県中部を震源地とするマグニチュード五・一、 最大震度五強を観測する強い揺れが県下全域で感ぜられ、 「すわ東海地震か」 と県民をあわてさせました。 県防災局のホームページでは、 東海地震に関するQ&Aの冒頭で、 東海地震の切迫性の問いに対し、 いつ起きてもおかしくない状況と答えておりますし、 先日議員研修会にお招きした地震防災対策強化地域判定会の溝上会長からも、 「東海地震の切迫性は一段と高まった可能性がある」 との認識を示されたことから、 我々も東海地震対策に一層拍車をかけねばならないと思うところです。
     県では、 五月末に阪神・淡路大震災の教訓と最新の研究成果を踏まえ、 厳しい視点に立って、 第三次の地震被害想定を発表されました。 第二次想定よりも人的、 物的被害が拡大するとのことであります。 また、 六月二十八日には、 国の中央防災会議が想定震源域の変更を発表し、 県中部を長方形で囲んでいた想定域は、 東から押されるように西に張り出してナス型となり、 私の住む浜松市もその全域がすっぽりと想定震源域に入ってしまいました。 県民は大きな不安を抱くとともに、 適切な対策を望んでおります。 そこで知事は、 先日、 地震対策アクションプログラム二〇〇一を発表されましたが、 このプログラムはどんな内容であるのか、 そして、 東海地震に備える知事の決意を伺います。
     次に、 総合的な医療救護対策について伺います。
     第三次地震被害想定によりますと、 最悪のケースでは、 冬の午前五時に予知なしで地震が発生した場合で、 死者はおよそ五千九百人、 重傷者は一万九千人近くに及ぶとされています。 平成五年に発表された第二次被害想定よりも、 死者が三千三百人、 重傷者が九千七百人といずれも大幅に増加しております。 既に県では、 第三次地震被害想定を踏まえ、 医療施設の機能の充実や情報伝達手段の確保などの対策を進めているとのことであります。 また、 九月一日の県総合防災訓練では、 県下各地で八十万人余の県民が参加し、 医療救護訓練や負傷者搬送訓練などの実践的な訓練が展開されましたが、 熱海市の会場では、 自衛隊の航空機などに加え、 県が今年度西部地域に導入したドクターヘリも参加し、 重傷者の広域搬送訓練が行われたとのことです。 いずれにせよ、 私は、 大幅に増加した重傷者の救出救護には、 他県などとの広域的な連携体制を確立することが極めて重要だと思っております。
     そこで、 まず第一に、 被災地の重傷者を被災しない県内または他県の医療機関で素早く治療するための広域医療連携について、 どのような対策を考えておられるのか伺います。 第二に、 医薬品、 血液の備蓄・供給体制は、 新たな被害想定のもとでも十分できているのか伺います。 第三に、 知事の選挙公約であるドクターヘリの県中・東部地域への配備計画をどのように進めていくお考えなのか、 知事の所見を伺います。
     次に、 プロジェクト 「TOUKAI−0」 の推進についてであります。
     県では本年度、 阪神・淡路大震災で神戸市内の死者の実に八四%が家屋の倒壊による圧死であったとの教訓に基づき、 プロジェクト 「TOUKAI−0」 をスタートさせました。 現在、 県下各地で昭和五十六年五月以前の旧基準の木造住宅六十万戸に対して、 簡易耐震診断が行われているところであります。 さらに、 本年度から三カ年をかけて、 わが家の専門家診断を実施する予定でおります。 しかしながら、 一部の市において、 この事業に対し慎重な意見も出ているやに聞いております。 十分な意思疎通を図り、 早期に理解をいただけるよう努力をお願いしたいと思います。
     そして、 耐震診断の次に行う対策は、 個人住宅の耐震対策としての補強、 改修、 建てかえ工事であります。 これまで個人住宅の耐震化が進まなかった背景には幾つかの理由がありますが、 最も大きな理由はその費用の高さにあると言えます。 そこで何らかの支援制度の創設ということになるわけですが、 一方で個人の資産に対して優遇する制度はいかがなものかとの声もあろうと思います。 しかし、 これらの声に対しては、 十分な情報提供や説明をすることによる解決ができるものと考えます。 また、 国でも特定の地域を対象に補助する制度を検討中との報道もあります。
     東海地震の脅威にさらされている静岡県として、 プロジェクト 「TOUKAI−0」 の推進に向け、 早急に耐震補強支援制度を創設するべきと思いますが、 知事のお考えを伺います。
     次に、 市町村管理の東名跨道橋の耐震対策について伺います。
     我が県を東西に貫く東名高速道路は、 東海大地震時における第一次緊急輸送路として位置づけられており、 日本道路公団は東名高速道路の本体の耐震対策を着々と進めています。 しかし、 その掘り割り部には、 県内総計百四十五本の東名跨道橋があり、 地震時の落下により、 東名高速道路本体の緊急輸送路としての機能が発揮できなくなるおそれがあります。 このうち、 十七本の県が管理する跨道橋については、 平成十三年度末にはすべて対策が完了すると聞いております。 しかしながら、 残る百二十八本の市町村が管理する跨道橋は、 幹線的な道路が少ないことや特定の市町村の管理に偏っていることなど、 耐震対策がおくれているのが実情です。 そこで、 市町村管理の東名跨道橋の耐震対策には、 県からの支援が必要と考えられますが、 どのような取り組みをするのか伺います。
     次に、 公立学校の地震対策について教育長にお伺いいたします。
     公立学校の耐震化の推進は、 子供たちを地震災害から守る上で極めて重要かつ緊急に対応すべきことと思います。 また、 公立学校は、 いざ地震というときには、 避難所の機能として有効な施設でもあります。 しかしながら、 公立学校の耐震化は財政状況が厳しく、 耐震化の計画はあるものの、 その達成がおくれてきているのではないかと思われます。 公立学校の耐震化率を見ると、 平成十三年度の目標としては、 県立学校では六七・一%、 市町村立小・中学校では七九・二%との実態であります。 また体育館のおくれが目立っています。
     先ごろ報道された新聞記事によりますと、 市町村立小・中学校の耐震診断を実施していない建物の率について都道府県別に掲載されておりました。 本県は、 耐震診断実施率は全国的に見て高い方ではありますが、 東海地震が切迫しているとの認識に立てば、 耐震診断が実施されていない建物があること自体、 大問題だと思います。 今後の県立学校の地震対策についてどのように取り組んでいくのか、 また市町村立小・中学校の地震対策について、 県としてどのように支援していくのか伺います。
     次に、 防災教育についてであります。
     私は昨年、 県立焼津中央高校と県立御殿場高校で実施された防災訓練を見学させていただきました。 この訓練は、 単に、 いかに速やかに避難するかの訓練ではなく、 地元の自主防災組織や消防職員と連携して、 みずから消火活動や救助活動を行うことを目的とした訓練でした。 特に高校生は大人顔負けの体力を持っていることから、 災害時の強力なマンパワーとして思わず期待してしまうほど充実した内容でありました。 本年度は、 ふじのくに防災教育総合推進事業として、 防災教育基本方針を策定するなど、 さらに新たな防災教育を総合的、 計画的に推進すると伺っております。 この防災教育総合推進事業の具体的な内容と現在の進捗状況を伺います。
     次に、 静岡空港について伺います。
     県議会六月定例会に静岡空港の建設の是非を問う住民投票条例案が提出されて以来、 三カ月の間、 静岡空港問題は、 選挙戦のさなかも含めて、 県政の最重要課題として県民の耳目を集めました。 静岡県議会としては、 六月定例会では、 三日間にわたり異例とも言える連合審査会を開催して、 参考人と県当局に対する質疑を行いましたが、 いまだ十分な審議が尽くされていないとのことから、 継続して審査を行うこととした上で、 知事選挙終了後、 さらに四日間の連合審査会を開き、 都合七日間、 三十時間にわたる慎重審査の結果、 九月十二日の臨時議会において条例案の採択は否決されました。
     我が党は、 連合審査会における審議及び党内論議を踏まえ、 静岡空港に対する県民の声を聞くことの重要性を認識した上で、 この際、 空港の需要予測、 経済波及効果、 空域の安全性などについて、 県民が注視するもとで討論、 検証を行うための専門家を交えた機関を設置するよう、 八月三十一日に知事に対して求めたところであります。 さらに去る九月二十一日、 自民党、 平成21、 公明党の三会派により、 知事と県民との対話の場を設置すること、 県下各地への出張説明、 意見交換会の開催、 専門家委員会の設置の三点についての申し入れがなされ、 知事は二十五日、 九月定例会の知事説明の中で、 仮称静岡空港専門家委員会の設置を発表されました。
     そこで、 まず初めに、 この委員会が何名程度の委員で構成され、 どの程度の頻度で開催され、 いつごろを精査、 検証の期限と考えているのか伺います。 また、 委員会の公平、 中立性をどのように確保されるのかあわせて伺います。
     次に、 現在、 住民投票の決着がつくまでということで凍結されている空港本体部の建設工事について伺います。
     この工事は、 五月十八日に既に入札が行われたものの、 必要とされる議会承認の議案は本九月定例会にも上程されておりません。 議会承認の手続をいつの時点で開始されるおつもりなのか、 そして、 工事のおくれが空港整備計画にどのような影響を及ぼすと考えておられるのか伺います。 あわせて、 本年度の予算の執行が大幅におくれることによる平成十四年度の国庫補助確保への影響について、 どのように考えておられるのか伺います。
     空港問題の最後に、 空港を生かした県づくりのビジョンについて伺います。
     知事や空港関係部局では、 議会での住民投票条例案審議の過程で、 県民に対し空港に関する情報提供が十分ではなかったと説明しておられます。 また知事は、 六月県議会における我が党の渥美議員の質問に対して、 「県民に対し空港を生かした県づくりのビジョンをわかりやすい形で示すことを急ぎたい」 と答えておられます。 県民の空港に対する誤解を払拭し、 空港の必要性を理解していただくためにも、 静岡県の将来のビジョンに空港がどのように位置づけられ、 空港によってどのような経済効果を見込んでおられるのかお考えを伺います。
     次に、 新たな総合計画の策定について伺います。
     私たち二期生は、 平成七年四月の当選組です。 この時期は、 現在の総合計画の策定作業の最終段階であり、 その年の十二月、 静岡県新世紀創造計画が発表をされました。 既にこのとき、 少子・高齢化の進行や環境問題の重要性の高まり、 情報化や国際化の進展など世の中の報道が足元から少しずつ変わり始めていることに気づきながらも、 新世紀創造という躍動感ある言葉の響きに打ち消され、 新世紀になれば何とかなるといったような甘えた空気に包まれていたように思われます。
     現実に新世紀創造計画の中には、 バブル時代に計画された大規模プロジェクトやイベントの実践が高らかにうたい上げられていました。 しかしながら、 この新世紀創造計画の実践は、 本県の財政状況が急速に悪化を始める中では、 大変な苦労を伴うものでした。 これに対して県は、 思い切ったプロジェクトの見直し、 公共工事のコスト縮減、 徹底した経費の削減、 職員定数管理による人件費の抑制等に果敢に取り組み、 痛みの伴う改革を早期に実施することによって、 あえぎながらも県民の皆様に約束した新世紀創造計画を実践してきたのであります。 そして今回、 策定から七年を経過する新世紀創造計画に幕を引き、 二〇一〇年を目標年次とする新たな総合計画の策定に取りかかったと伺いました。 日本経済の低迷、 就業人口の減少、 産業構造の変化、 地域間競争の激化等、 急激にして予測しがたい時代の変化の中で、 どのような方針で新たな総合計画を策定していくのか伺います。
     次に、 石川知事お得意の本家・本元の一つ、 ユニバーサルデザイン全国大会について伺います。
     ユニバーサルデザインは、 アメリカのノースカロライナ州立大の故ロン・メイス教授たちにより提案され、 できる限りすべての人々に利用可能であるように、 製品、 建物、 空間などをデザインするという考え方のようです。 県では、 他の地方自治体に先駆けて専門部署を設置するとともに、 平成十二年二月に行動計画を策定し、 ユニバーサルデザイン事例集を発行したり、 専門講座を開講したり、 アイデア作品を募集したりとさまざまな普及啓発を行ってきました。 私の地元浜松市の市民まちづくり団体は、 建築家や障害のある人が市内を点検し、 だれにでも役立つ情報を載せたガイドブックを作成していますし、 浜松市役所でも担当室を設置して、 ユニバーサルデザインによる都市づくりを進めています。 しかしながら、 ユニバーサルデザインにかかわりを持って仕事をしている以外の方々では、 まだまだ十分な認識はされていないと思います。
     そこで伺います。 県では、 ユニバーサルデザインの県民に対する認知度をどのようにとらえておられるのでしょうか。 そして、 来年一月二十四日から二十五日にかけて、 浜松市においてユニバーサルデザインの全国大会を開催すると聞きましたが、 どのような内容で実施されるのか、 また、 第二回目以降の開催など将来構想についてのお考えを伺います。
     次に、 NPOとの協働についてお伺いいたします。
     NPOは、 住民を取り巻く行政、 企業に続く三つ目のセクターとして役割が期待されています。 静岡県でも積極的にNPOの育成に取り組むとともに、 複雑、 多様化する地域の課題に対して限界が見え始めた行政とNPOとの対等の立場での協働による問題解決が、 まちづくりや環境保全、 福祉、 災害防止などの分野で始まっています。 我が県では、 既にしずおか緑・花・祭跡地の県営吉田公園において、 その管理の一部をNPOが行うことになるなど、 その先駆的な取り組みは大いに評価できますし、 私の地元浜松市においては、 天竜川に注ぐ安間川の河川整備計画の策定に当たり、 従来のように土木事務所だけで計画をつくるのではなく、 地元、 企業、 市、 NPOなどの参画するコンセンサス会議や共創会議を設置しています。 さらに、 このコンセンサス会議の運営をネットワーク型NPOに委託することによって、 より地域に密着した意見収集や情報提供ができると期待されています。 これこそが新しい行政とNPOとの協働であり、 新たな行政施策の推進モデルと言えるものです。
     このようにNPOは、 将来的には行政のスリム化、 アウトソーシングを進める上でも、 新たなサービスの担い手として期待されています。 そこで、 さらなるNPOとの協働の推進について、 どのように考え進めていくのか伺います。
     また、 県に比べると対応がおくれていると言われる市町村に対する普及、 啓発の方針について伺います。 今はNPOを大切に育てる時期ですが、 ゆくゆくはNPOは行政や企業のパートナーに成長していくことが望まれますことから、 行政の関与は最小限にとどめ、 過保護にならないように、 これからも行政とNPOとの関係に注目していきたいと考えております。
     次に、 雇用対策について伺います。
     八月二十八日、 夕刊各紙は一面トップでまたも恐ろしい数字を挙げました。 失業率最悪  初の五%。 総務省が発表した七月の完全失業率の数字は、 統計を取り始めた一九五三年以来最悪で、 完全失業者数も三百三十万人に達するとのことでした。 高校や大学を卒業しても就職しない人、 また、 自分に合っていないとか、 別の仕事をしたいと、 みずから辞職した人の増加などが若年層で際立ち、 十五歳から三十四歳が全体の失業者の約半数を占めていることは、 単に日本型終身雇用が崩壊して労働力の流動化が起こっているとして片づけられる問題ではなく、 若者の勤労意欲の低下とともに、 定職を持たなくても食べていける、 何とかなるという現在の社会環境がそれを許していることを考えると、 雇用問題の根底には別の深い課題があるようにも思われます。
     とはいえ、 企業を取り巻く経営環境は、 さらに悪化を続け、 わずか半年前まで我が世の春を謳歌していたIT関連企業は、 続々とリストラ計画をまとめるとともに、 不良債権処理も待ったなしという今後の構造改革の中で、 建設、 流通、 不動産等の業種での失業者の発生が予想され、 雇用問題に対する世論の注目はますます高まっています。 そこで政府は、 雇用創出のための新たな基金創設やセーフティーネットの強化と職業訓練など、 あらゆる政策を総動員して対応に当たるとのことです。
     そこで、 平成十二年度に労働安定行政が国に移管されましたが、 県は、 このような厳しい雇用情勢にある中で、 さらに国との連携を強化していくべきと考えますが、 その方策を伺います。 また、 県庁内におきましても、 雇用問題を所管する商工労働部だけでなく、 今後雇用の機会が拡大していくと思われる福祉、 環境、 教育などの関係部局との連携も重要だと思われますが、 この方策について伺います。
     そして雇用問題の最後に、 我が県の産業は、 地域特性やその幅広い業種の集積により、 平均すると良好な雇用環境にあったと言えます。 しかしながら、 有効求人倍率が三カ月連続で前月を下回っておりますし、 今後はさらなる雇用環境の悪化が予想されます。 これまでも離転職者訓練や新卒者の就業支援などの対策をとってこられましたが、 さらに悪化する雇用情勢の中、 どのような方策をとられるおつもりなのか伺います。
     次に、 農林水産行政について伺います。
     最初にセーフガードの暫定措置発動終了後の野菜産地振興についてであります。
     ネギ、 生シイタケ、 畳表の三品目に対する緊急輸入制限  セーフガードの暫定措置が四月二十三日に発動されて五カ月余りが経過しました。 財務省の発表した六月の貿易統計によれば、 暫定発動した三品目の輸入量は前年比で六割以上も減少し、 セーフガードの効果があらわれているようです。 しかし、 ネギや生シイタケなどの本格的な出荷や消費の時期は十一月八日の暫定期間の過ぎた以降であることから、 今回のセーフガードによる効果は一時的なものと考えた方がよいと思われます。
     こうした中、 JA全農は、 ネギ産地である主要十五県連とともに、 ネギの生産、 流通の構造改革に取り組むこととしましたし、 国においても、 国内産地の構造改革費として約四百億円を来年度予算で要求するとのことです。 三品目に対して一般セーフガードの本発動を求める動きも始まっているようであります。 セーフガード発動の功罪の論議はほかの場に譲るとして、 今後も農産物の輸入が増大し、 生産者には厳しい環境が続くと考えられます。 そこで、 本県におけるセーフガード暫定措置発動終了後の野菜産地の振興策について伺います。
     次に、 県産農林水産物の販売促進についてであります。
     県内の飲食店やホテル、 旅館等でデザートに赤肉のメロンが出されたときの何とも切ない気持ちを何度味わわされたことでしょう。 本県が数、 質ともに全国一のマスクメロンの産地でありながら、 他産地の品質の劣るメロンをおいしそうに食べている県民の姿は、 こっけいさを超えて悲しくさえなります。 県内には、 お茶やミカン、 イチゴなどの野菜のほか、 カツオやシラス、 サクラエビなど生産額が一位の農林水産物が十二品目もありますし、 ほかにも我が県には全国に誇る特産品がきら星のごとくありますが、 冒頭紹介したマスクメロンの状況に近い姿の品目も多かろうと思います。 その理由は、 東京、 大阪等の大消費地に目が行き過ぎていたこと、 生産者が市場や消費者の動向をつかむ余裕がなく流通のすべてを集荷業者任せにしていたことなど、 さまざまあろうかと思われます。
     一方で、 浜松市舘山寺町では、 今年、 地元特産の三方原バレイショを料理のメーン材料に使うレストランもオープンするなど、 産地と消費地が非常に近く大抵の食材は地元で入手可能という本県の特性を生かした試みもスタートをしています。 そこで県は、 農林水産物の東京、 大阪等の大消費地での販売促進に対する取り組みと県内消費の拡大について、 どのように取り組んでいくのかをあわせて伺います。
     次に、 長期的な森林整備の推進についてであります。
     県民が森林に求める役割は時代とともに変化してきておりまして、 戦後しばらくの間は、 燃料である薪炭や不足していた住宅を建設する資材の供給地としての役割を期待され、 その後は、 災害防止や水資源の涵養への貢献が、 そして近年は、 これらに加え地球環境保全への寄与まで期待されてきています。 現代は変化の激しい時代です。 しかしながら、 森林の整備には数十年、 場合によっては数百年単位の時間が必要です。 このため、 私たちの子供や孫が生きる時代を考えるとき、 五十年、 百年先を見据えた森林の整備が必要だと考えますが、 長期的な森林のあるべき姿とその推進方法をどのように考えておられるのか伺います。
     次に、 狂牛病問題について伺います。
     九月二十二日、 千葉県の乳用牛一頭に国内で初めて発生が確認されたとの発表が農林水産省からありました。 この牛は北海道の農場で生産された牛であり、 この農場で生産された牛が本県にも移入されているとのことです。 狂牛病の発生原因については、 現在農林水産省において調査を進めていると聞いておりますが、 既に風評被害が広がっており、 早急に消費者や生産者の不安を解消する必要があります。 そこで本県では、 今後どのような対策をとられるのかお伺いいたします。
     次に、 自然環境に配慮した公共事業の進め方について伺います。
     私の住む浜松市南部の農村地帯にある集落は、 家の前にも裏にも小川が流れ、 三十数年前までは蛍が見られるほどのきれいな小川でした。 その後、 コンクリート三面張りの用排水路となりましたが、 今は下水道が整備されたことにより、 水質は目をみはるほど改善され、 フナやメダカが泳ぎ、 虫たちの声も聞こえるようになってきました。 しかし、 子供たちは魚とりをしたくても、 遮る金網が邪魔になり、 かえって危険な状態にあるのを見るとき、 昔の小川の風景を思い出し、 川と私たちの暮らしの接点をもう一度子供に取り戻したいと考えるようになりました。 そこで、 平成九年十二月議会で多自然型川づくりについて質問を行ったところです。
     さて、 国においては本年七月、 首相の私的懇談会  二十一世紀 「環の国」 づくり会議が、 自然再生型公共事業の実施を盛り込み、 公共事業に生態系管理の手法を取り入れ、 自然と共生する社会を目指すとのことであります。 また、 来年度予算への国土交通省の予算要求の重点政策には、 循環型経済社会の構築など環境問題への対応として自然と共生する国土の実現を目指すとしておりますし、 その具体例として、 森林を育てる途中で伐採した間伐材を河川の護岸工事やがけ崩れを防止する工事へ今まで以上に活用するよう通達を出したのは、 その一例であります。 県でも、 河川を中心にして積極的な取り組みがなされてきましたが、 平成九年にも指摘したとおり、 自然環境に配慮した工事の完成後も自然が復元するには年数がかかりますし、 さまざまな工法を技術的なデータで裏づける必要もありますが、 既に多くの実績を重ねてこられた県としては、 そのデータをもとに本格的に河川などの自然環境に配慮した公共工事を進めるべきだと考えますが、 御所見を伺います。
     次に、 小学校一年生学級支援事業についてであります。
     本年より、 小学校一年生の三十六人以上の多人数学級を有する学校に対して非常勤講師を配置し、 きめ細かな指導の充実を図ることとしました。 一学期終了時には、 配置した市町村教育委員会や実際に指導に当たった担任や保護者の方々から、 この事業に対する感謝の声や継続を希望する声が非常に多かったと聞いています。 また、 継続を希望する声の中には、 私が平成十一年の九月議会で質問したように、 夏休みなどの長期間の休みの後に、 児童・生徒が問題のある行動を起こしやすいことから、 ぜひとも継続してほしいとの声もあったようです。 これらの強い要望にこたえるとともに、 子供たちの将来のために、 小学校一年生学級支援事業をどのように拡充しようと考えているのか、 教育長の所見を伺います。
     次に、 警察官の増員について、 警察本部長に伺います。
     我が党政務調査会では、 八月から九月にかけて、 平成十四年度予算に対する県下市町村支部の要望を聞かせていただくため、 県下を一巡いたしました。 道路、 河川、 農山村整備などの公共事業への要望が多い中、 四市一町で中心市街地や駅前への交番を設置してほしいとの要望があったことが目を引きました。 このことは、 治安が悪化し県民の身近なところで犯罪が増加しているにもかかわらず、 頼みとする警察官の人員不足により手が回らないことをあらわしているようです。 これは数字を見れば明らかです。
     刑法犯認知件数は平成元年から平成十二年にかけて五割増し、 交通事故の発生件数は四割増し、 一一〇番受理件数に至っては二倍へと驚異的な伸びを示しています。 さらに、 在日外国人犯罪や凶悪事件の増加は、 長期間かつ大量の捜査員の投入が必要となります。 また、 ストーカーやドメスチックバイオレンス、 家庭内暴力など新たな課題が増加するなど、 県民の警察に対する期待はさらに増し、 相談取り扱い件数は飛躍的に増加しています。 これは、 もはや警察本部や警察官一人一人の努力では克服することは不可能です。 本年度、 我が県では二百四十人の増加がありましたが、 これで十分なのでしょうか。 警察庁は、 来年度予算に全国で五千人の増員を要求するとの報道がありました。 国民の生活に密着する生活安全部門と事件捜査に当たる刑事部門を強化する方針とのことです。 そこで警察本部長に、 今後の警察官の増員について、 どのように認識しておられるのか、 また、 どのように取り組んでいくか伺います。
     以上で私の代表質問を終わります。 ありがとうございました。 (拍手)

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