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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成19年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

中谷 多加二 議員

質問分類

代表質問

質問日:

02/19/2007

会派名:

自由民主党


質疑・質問事項:

1 県政運営について   
 (1) 新時代にふさわしい県土づくり   
 (2) 県民暮らし満足度日本一の実現に向けた取り組み   
 (3) 平成十九年度当初予算   
2 富士山静岡空港について   
 (1) 路線・便数確保に向けた取り組み   
 (2) 基本施設の管理方針   
3 空港の開港を見据えた取り組みについて    
 (1) アジア地域との交流戦略   
 (2) 開港を盛り上げる二〇〇九年の仕掛け   
 (3) 国内遠隔地からの観光誘客  
4 林業・木材産業の再生に向けた戦略について   
5 ファルマバレープロジェクトの第二次戦略計画について   
6 競争力のあるものづくり産業の振興について   
7 農業・農村の振興について   
8 浜松市への道路管理の移譲について
9 本県の住生活基本計画について   
10 工業用水道事業の役割と健全経営について   
11 教育基本法改正後の教育のあり方について  
 (1) 学校教育の方向性   
 (2) 特別支援教育の推進   
12 静岡県警察治安再生プログラムについて



    ○議長(芦川清司君) 質疑及び一般質問を行います。
     通告により、五十二番 中谷多加二君。
            (五十二番 中谷多加二君登壇 拍手)
    ○五十二番(中谷多加二君) おはようございます。
     質問に先立ちまして、一言お見舞いを申し上げます。
     去る二月十四日、袋井市などで発生した突風により県内七市町の建物百四十五棟などが被害に遭われました。被災されました皆様方に心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧と生活生業の安定をお祈り申し上げます。あわせて、県には被災された方々に対するできる限りの支援を望むものであります。
     それでは、自由民主党を代表して今期最後の質問をいたします。知事並びに関係部局長、企業局長、教育長、警察本部長に伺います。
     初めに、県政運営についてのうち、まず新時代にふさわしい県土づくりについて伺います。
     二十一世紀に入りはや六年が経過し、本格的な人口減少社会の到来と急速な高齢化の進展、あるいは経済のグローバル化や東アジアの急速な経済成長、情報通信技術の発達など我が国や本県を取り巻く社会経済情勢は大きな転換期を迎えております。 また生活様式の多様化、環境や安全・安心、文化などに対する意識の高まりなど住民の価値観も変化をしております。
     このような時代背景を踏まえ、国では従来の開発中心の計画から、国土の利用と保全を重視し個性ある地域の発展を目指す新たな国土形成計画を策定中です。また昨年十二月には北海道への国の権限移譲を柱とした道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律(道州制特区推進法)も成立しており、今後、分権型社会における新たな国土構造や仕組みの構築を目指した議論が一層活発になるのではないかと思います。本県の情勢を見ましても住民の社会経済活動はより広域化しておりますし、市町村合併が進展し、この四月からはいよいよ二大政令市時代を迎えようとしております。
     知事は将来の本県の市町像を二つの政令指定都市と、合併論議が巻き起こっては消えるため知事にして嘆きの言葉を言わしめた、かの東部地域を初めとする政令指定都市並みの権限を持つ広域連合に再編することが望ましいとの具体的な構想を示し、新時代の内政構造改革を提言しました。また新年の抱負において、「今後は地方分権を一層進めるとともに市町合併を推進する必要がある」とし、「将来的に政令指定都市以外の自治体は県も加わる広域連合を考えていくことになる」と発言され、さらに内政構造改革が進むものと考えます。
     私はこのように政令指定都市を初めとする市町の広域化が進展し県内の地域構造が大きく変化する中で、今後県が果たすべき機能のあり方を明確にするとともに、本県の各地域が誇る特徴を最大限に発揮できる新しい地域構造の確立など地域づくりの理念を打ち出す必要があると考えております。
     そこで、知事は本県の将来を展望し、どのように新時代にふさわしい県土づくりを進めていくお考えなのか所見を伺います。
     次に、県民暮らし満足度日本一の実現に向けた取り組みについてであります。
     昨年三月、県が策定した総合計画の後期五年計画はすべての施策に県民と県とが協働で目指す目的と数値目標を掲げ、県民暮らし満足度日本一の達成を目指すものであります。これは論より実践をモットーとする知事が日本一の実現に向けた強い姿勢を示した戦略プランであると受けとめております。
     さて、この新しい計画もスタートして一年目を終えようとしており、続く二年目の取り組みを体系的に構築した来年度予算案が本議会に提案されたところです。果たしてこの一年目の総括、評価はどのようなものであったか大いに関心があるところでありますが、県の仕事の評価は利益の発生状況などで簡単に評価できる民間とは異なり、難しいものです。このため知事が導入した百六十六の数値目標によりその状況を的確に県民に示すとともに、評価の難しい満足度の現状についてもデータできちんと示すことが必要ではないかと考えます。
     また、現代は社会経済情勢の変化の激しい時代にありますので、データで状況を解析し変化の方向を的確にとらえ、施策の立案や対応を行うことが必要となります。今後、各種のデータに基づき総合計画を検証するなど新たな取り組みを展開するとともに、社会情勢の変化に応じた計画の見直しも当然必要になってくると思います。
     そこで、知事は新公共経営の柱である総合計画に掲げた百六十六の数値目標を検証するとともに、県民暮らし満足度日本一の実現に向けた取り組みをどのように進めていくのか所見を伺います。
     次に、平成十九年度当初予算についてであります。
     本県経済は、輸出関連企業を中心に企業収益が高水準で推移し、設備投資が引き続き増加するなど景気は着実に回復を続けていると言われています。
     今回の景気拡大は高度成長期のいざなぎ景気を超え戦後最長を更新したとのことですが、県内各地域で直接県民の声を聞いてみますとその実感がないというのがほとんどであります。サラリーマン川柳にあります「この景気 回って来ないぞ 給与には」。これは今回の五年近い景気拡大が合理化やコスト削減など企業部門を中心としたものであり、所得面など一般家庭への波及が十分でないことが原因であり、多くの国民はこれまでのデフレ経済下での生活に対する閉塞感や、子育て、就労、老後などこれからの生活に対する漠然とした不安感を抱いていることが現状であると思います。
     我が党には急激に進む少子・高齢化への対策や切迫している東海地震対策、いまだ元気になれない中小企業対策、さらに近年多発している河川災害への対策や身近な社会資本の整備などへの要望が数多く寄せられています。
     一方、この四月の県内二つ目の政令指定都市誕生とともに政令市の面積や人口が県内の約四割を占めるようになります。最近の市町村合併の進展とあわせ行政を取り巻く環境は大きく変わり、県には広域的自治体として大局的、長期的視点に立った社会資本の整備や産業の育成、教育・福祉・医療のシステムづくりなどの施策がますます求められます。
     我が党は今年一月、平成十九年度当初予算について活力と魅力に満ちたしずおかの構築、豊かなしずおかを支える基盤づくり、安心・安全なしずおかの構築などを目指すため事業の重点化を知事に要望しました。今回上程されている一般会計予算案は一兆千三百九十五億円で、浜松市が政令市に移行する影響を除けば前年度に比べ実質一・二%増加したということであり、八年ぶりのプラス編成に明るい兆しが感じられます。
     知事は、十の分野での県民暮らし満足度日本一の実現に向けて平成十九年度当初予算をどのような考えのもとに編成したのか伺います。
     次に、富士山静岡空港について何点か伺います。
     まず、路線・便数確保に向けた取り組みであります。
     本県の新しい空の玄関として県民の皆様に待ち望まれている空港の開港まであと二年となりますが、事業用地につきましては空港本体部のすべての用地を取得し、西側制限表面部につきましても過日、県収用委員会の裁決が出されたところであります。 今後は平成二十一年三月の開港に向けて着実に建設工事を進めるべきと思います。
     さて、改めて申し上げるまでもなく、空港の機能を最大限に発揮させ利用者にとって利便性の高い空港としていくためには、 より多くの路線・便数を確保することが何よりも重要であります。
     県はこれまでも国内外の航空会社に対して活発なエアポートセールスに取り組んでおり、先月には知事みずからがタイへ赴き、政府関係者と会談し、タイ国際航空、バンコクエアウェイズの両本社を訪問するなど積極的に活動しております。一般的に航空会社が路線を決定するのは開港の一年前ごろと言われておりますので、来年度はまさに航空会社が就航を決定する大変重要な時期となります。この重要な年度を迎え、県としては航空会社の就航意欲を実際の路線決定へと結びつけるため、今後どのように取り組んでいかれるのか伺います。
     次に、基本施設の管理方針であります。
     空港は県が空港を設置し管理の主体となる第三種空港でありますが、空港経営の民活化を目指して民間企業である富士山静岡空港株式会社が設立され、空港基本施設とターミナルビルを一体的に経営しようとしております。ターミナルビルについては基本プランも示され、会社と県の協働により民間の創意工夫と公共性をうまく両立させていくものと期待をしております。
     他方、空港の基本施設の管理については安全確保が最優先されることから、航空法では設置管理者がみずから管理すべきこととされており、また着陸料などの使用料金についても設置者が国土交通大臣に届けることとされております。専門性の高い空港の基本施設の管理には人材養成も欠かすことができないものと考えます。指定管理者制度を検討しているとの報道もありましたが、空港の開港後、安全かつ円滑に空港を運営するために空港基本施設の管理方針をどのように考え、そのための準備がどこまで進んでいるのか伺います。
     次に、空港の開港を見据えた取り組みについて伺います。
     本県と国内外とを結ぶ新たな航空ネットワークの核として機能する空港は本県の発展を牽引する重要な基盤になるものと確信しております。開港を間近に控え、その機能を最大限に生かしたさまざまな活動に戦略的に取り組むべき重要な時期にあると強く感じております。こうした中、私は富士山静岡空港の開港を見据え、本県が今後さらに一段上の発展を目指す上で必要となる取り組みについて何点か伺います。
     初めに、アジア地域との交流戦略についてであります。
     二十一世紀に入り国際交通ネットワークの発展、インターネットの飛躍的な普及などにより、人・ 物・情報等が国境を越えて行き交う地球的規模の大交流時代を迎えております。海外諸国との交流については、今や国家同士だけではなく地方レベルの視点で世界戦略を持つことがその地域の経済発展に大きくかかわるものであり、本県におきましても将来の県土発展を確かなものにする非常に重要な要素であると考えております。
     世界の中でもとりわけアジア地域は成長が著しい世界の一大経済圏を形成しており、その潜在的な可能性ははかり知れず、今後の経済情勢を左右する重要な地域として全世界から注目されているところです。特に中国経済の発展は目をみはるものがあり、GDPで既にイギリス、フランスを追い越し、今やアメリカ、日本、ドイツに次いで、世界第四位の経済大国へと変貌を遂げ、世界経済の成長と発展に大きく貢献しているところであります。
     私は今後の本県のありようを考えるとき、空港の開港により本県が世界から投資を集め世界経済を牽引するアジア地域と直接結ばれることは、国際観光交流を初め本県産業などに大きな飛躍の機会を与えるものとなることが大いに期待されると考えています。とりわけ中国、韓国は大事な隣国であり、これまでの交流をさらに拡大し両国との信頼関係を強化していくことが重要であります。
     折しも本年は静岡県と中国浙江省との友好提携二十五周年に当たります。私は、これまでの浙江省との交流は大変双方にとって有益な交流であったと考えており、これまで培った良好な関係を一層深められるよう大いに盛り上げていく必要があると思います。
     そこで、中国浙江省との友好提携二十五周年記念事業を初め、どのように中国との交流強化に取り組むのか、また本議会に提案された来年度予算にアジアの玄関口であるソウルに駐在員事務所を設置する経費が計上されていますが、今後、この事務所を核として具体的にどのような交流促進を図っていくつもりか知事の所見を伺います。
     次に、開港を盛り上げる二〇〇九年の仕掛けについてであります。
     空港が開港する二〇〇九年三月、本県の存在を国内外に訴えるイベントなどを真剣に考える必要があるのではないでしょうか。本県の新たな玄関口となる空港の開港をアジア地域に大々的にPRし、情報発信する仕掛けを今から考えることが重要であります。
     そんな折、先日ある知人から、毎年アジア各国で開催しているアジアブライダルサミットについて二〇〇九年に日本での開催を予定しているとの話を伺いました。これはアジア各国固有の伝統儀式、衣装を後世に伝えるため、各国の婚礼衣装の紹介や婚礼儀式の実演、参加国代表によるシンポジウムなどを各国が協力して開催するとの試みであり、二〇〇五年大会は韓国ソウルで、第十一回目となる二〇〇六年大会は中国で開催したとのことであります。
     そこで、日本を代表する富士山を擁する本県が、空港の開港記念としてアジア各国との交流をテーマとする本サミットを招致すれば、アジアとの窓口として空港をアジア各国にアピールする絶好の機会になるのではないでしょうか。また結婚式、出会いをテーマとするサミットは間接的には少子化対策としての展開も期待されるところであり、本県にとってのメリットは大きいと考えます。今後、こうした取り組みを初め空港開港に向けてさまざまなイベントを計画していくことを期待しております。
     そこで、富士山静岡空港の開港を盛り上げるための二〇〇九年の仕掛けをどのように考えているのか知事の御所見を伺います。
     次に、国内遠隔地からの観光誘客についてであります。
     本県は新幹線や東名高速道路などの交通網が発達し首都圏や中京圏とのアクセスが非常によいことから、これまでの観光宣伝は車や新幹線を使って本県を観光することが可能であるこれらの地域を重点に行ってきたと思います。また平成十七年度から取り組んでいる伊豆ブランド創生事業では、伊豆ならではの魅力を生かした観光コースが大手旅行会社にも認められ数多くの商品が売り出されるなど、首都圏を中心とした誘客に成果を上げていると伺っております。
     さて、空港の開港まで残すところ二年となりました。これまで首都圏や中京圏からの観光誘客に重点を置いてきた本県観光関係者にとって就航予定先の国内遠隔地をターゲットとした誘客活動は経験したことのないものであり、北海道や九州などから多くの観光客を本県に迎え入れるためには効果的な戦略のもと、県が主体的に取り組む必要があると考えます。
     県は、これまでに北海道の観光需要調査を行い、北海道民は富士山やお茶、温暖な気候、歴史など北海道にないものへのあこがれが強く、本県にとって非常に有望な観光市場であることがわかったということでありますが、他方、静岡県の知名度が極めて低かったとも聞いております。このため、昨年、一昨年と北海道に観光交流団を派遣してプロモーション活動を展開するとともに、現地メディアを活用して本県の観光広報を行うなど本県の認知度の向上に努められていることは承知をしておりますが、空港を利用して多くの人に本県を訪れていただくためにはさまざまな取り組みを仕掛けていく必要があると思います。
     開港までの二年間の中で、県は航路就航が予定される国内遠隔地から直接的な観光需要を引き起こすためどのように取り組まれていくのか伺います。
     空港関連の質問はここまでとしまして、次に林業・木材産業の再生に向けた戦略について伺います。
     昨今の木材をめぐる状況は住宅の品質確保の促進等に関する法律の施行以来、建築材として木材の品質が確かなものを使いたいという考えに変わり、さらに大量かつ安定的な供給が求められてきております。こうしたことからこれまで住宅部材のうち八割以上を外材が占めるという状況が生まれてきたわけですが、ここに来て中国や中東の旺盛な木材消費を背景とした国際的な原木需要の変化や、原油、為替の動向などにより外材の価格が高騰するなど今後の輸入見通しに陰りが見え始めてきたことから、住宅メーカーなどの大口需要者も国産材に目を向けつつあります。
     こうした状況の中、昨年九月に閣議決定された新しい森林・林業基本計画では、基本的な方針として、充実する森林資源を生かしつつより長期的視点に立って森づくりを推進するととももに、国産材の利用拡大を軸として林業・木材産業を再生し、国産材の復活を目指すこととしております。折しも外材の価格の高騰などの追い風を受けて国産材のビジネスチャンス到来とばかりに、全国の幾つかの地域で国産材の安定的な供給体制の構築を目指した大規模な設備投資やさまざまな取り組みが進められ始めていますが、森林資源が豊富で流通面の優位性を持つ本県においても県産材の復権を目指し、他の地域に負けない取り組みを進めていく必要があると考えます。
     本県では今回の組織再編により、第一次産業から第二次、第三次、さらには新産業に至る産業全般については、産業活力日本一を目指し新たに産業部で一括取り扱われることとされておりますが、林業・木材産業の振興部門においても今後全国で展開する森林組合等による施業の集約化などを皮切りに、生産性の向上による原木の計画的安定供給と県産材の需要拡大を進めるため、あらゆる角度からより一層の取り組みが不可欠であることは言うまでもありません。
     そこで、静岡県産材の復権による本県林業・木材産業の再生を目指し、林業生産から加工・流通、さらには住宅産業に至る戦略的な施策展開が大いに期待されるところでありますが、知事の御所見を伺います。
     次に、ファルマバレープロジェクトの第二次戦略計画についてであります。
     現状の経済はいざなぎ景気を超えたなどと言われているものの、魅力あるしずおかの実現を図るためには、本県の豊かさを支えるさまざまな分野での産業経済活動の一層の展開などが求められています。折しも先ごろ日本経団連から発表された「希望の国、日本」――通称御手洗ビジョンにおいては、成長エンジンへの点火を第一の優先課題に掲げ技術革新による経済成長を描いています。
     こうした中本県においては、産業活力日本一を目指しファルマバレー、フーズ・サイエンスヒルズ、そしてフォトンバレーという三つの産業集積プロジェクトの連携を強化しながら相乗効果を高める静岡トライアングルリサーチクラスターの形成を推進していますが、これは本県経済をより活性化していこうとするもので、他の都道府県との競争に勝ち抜くためにも今まさに必要な取り組みであると思います。
     中でもその一翼を担うファルマバレープロジェクトについては、あらゆる県民の願いである健康に着目し、県民の健康の増進と経済基盤の確立を目指しております。しかしながら機械などの一般的なものづくり産業と異なり、このような医療や創薬などの健康関連産業においては安全面などから法の制約もあって、その展開には時間と手間がかかると言われております。そうした中でこれまで以上に県民が実感できる成果につなげていくためには、このプロジェクトが目指す目的と目標を明確にし、そのための効果的な具体策を明らかにして実行していくことが必要であると思います。
     県では、本年度これまでの第一次戦略計画に係る取り組みについて外部の専門家から客観的な評価を受け、それをもとに別途設けた外部有識者から成る委員会からの提言を受けて、去る十五日、平成十九年度から二十二年度までを計画期間とする第二次戦略計画案を公表しました。
     そこで、今回の計画策定に当たってファルマバレープロジェクトの方向性をどのように考え、どのように進めていこうとしているのか、基本的な考え方や具体的な内容について知事の考えを伺います。
     次に、競争力のあるものづくり産業の振興について伺います。
     最近の経済全体の好調さが言われている中で大企業と中小企業との間に格差が生じており、また企業の間においても、業種における格差や地域経済においても大都市と地方都市に見られるような地域格差も生じてきております。一方、経済のグローバル化は相変わらず進展しており、特にアジア諸国との競争は国内における地域企業にも大きな影響を与えております。こうした国際競争の激化、予想される人口減少社会の到来などは地域間競争を激化させることになり、大消費地である東京に近い北関東や中国、韓国に近い九州北部地域などに対し、本県がこの競争に生き残るためには独自の産業政策が必要になってくると考えます。
     現在の主力である自動車などの輸送用機械や電気、電子産業を誘致することも有効だと思われますが、長期的な視点に立てば先端産業であれ地場産業であれ、地域の特徴のある付加価値の高い産業を興し伸ばしていくことが必要となってきます。これは製造業だけに限らず農林水産業、観光業でも同様であり、地域で誇れるさまざまな資源を使って魅力ある製品や商品、サービスをつくり出すことが住んでいる者には郷土への愛着や誇りを持たせ、また都会に住んでいる団塊の世代や本県出身者を県内に呼び寄せることにもつながるのではないかと思います。
     こうした中で、四月から商工業、農林水産業、観光業を産業部として一体に支援することを目的に行われる今回の県の組織改正に伴い、将来の本県を担うことになる今後の地域間競争に打ち勝つものづくり産業の振興について具体的にどのような事業を考えているのか伺います。
     次に、農業・農村の振興について伺います。
     農業は、その生産活動を通じて県土保全や水資源の涵養などの多面的機能を発揮し、安心で豊かな暮らしを守る生活基盤を提供する重要な役割を担っております。現在、少子・高齢化やグローバル化、情報化の進展など社会・経済は大きく変動しておりますが、農業・農村のこれらの機能の重要性は今後より一層高まっていくものと考えられます。
     このような中で、国では新たな食料・農業・農村基本計画に基づき食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展、農村の振興という四つの基本理念の実現に向け、国内農業の競争力の強化や地域の力を生かした農山漁村づくりなどに積極的に取り組むこととしております。
     具体的な対策としましては、担い手を明確にし品目別の価格政策から経営全体に着目した対策に転換する品目横断的経営安定対策や農業者などが主体的に米の需給調整を行う米政策改革推進対策、さらに農地・農業用水などの資源保全に地域ぐるみで取り組む共同活動や営農活動を支援する農地・水・環境保全向上対策を平成十九年度から本格的に実施するなど、これまでにはない新たな施策が展開されようとしております。
     また、生活様式の変化や意識の多様化に伴い食生活の乱れも指摘されており、健全な心身を培い豊かな人間性をはぐくむ食育を推進するための食育基本法が昨年度に施行され、家庭、学校、地域などを中心に国民運動として食育の推進にも取り組み始めたところであります。本県におきましても市町村合併の進展、効率的な行政運営のための本庁組織の改正など新たな動きが生まれており、今後とも効果的な各種施策の展開が期待されております。
     このように農業を取り巻く情勢などが大きく変化している中で県民の期待にこたえるような農業・農村の振興を図るため、県は今後どのように農政を展開していくのか伺います。
     次に、浜松市への道路管理の移譲について伺います。
     昨年十月二十七日には政令指定都市に指定する政令が公布され、本年四月一日から面積千五百十一平方キロメートルと全国第一位の広大な政令指定都市が誕生します。こうした中、暮らしや産業を支える上で重要な道路につきましては、浜松と天竜の二つの土木事務所が管理をしております七十五路線約九百一キロメートルと、現在県が管理する国・県道の約四分の一が移譲されることとなっております。浜松市内においては国道一五二号浜北天竜バイパスを初め遠州鉄道の立体交差など、地域の交通ネットワークの核となる大規模な工事が進められているところであります。また広大な中山間地域を抱えており、災害への迅速な対応が懸念されます。
     浜松市においても円滑な移譲に向けて、新たな組織体制として国・県道の整備、維持管理の担当部署を設置すると聞いておりますが、山間地から海岸部までかつてないほどの広範囲に及ぶ道路の管理事務の移譲により、大規模な事業の継続や災害への対応などには浜松市のこれまでの業務経験を超えるものも多く、現在の職員のみで対応することはなかなか難しいものと思われます。
     そこで、浜松市へ道路管理が円滑に移譲され、住民サービスの低下を招かぬよう県としてどのような支援を考えているのか御所見を伺います。
     次に、本県の住生活基本計画について伺います。
     これまで、我が国の住宅政策は昭和四十一年に制定された住宅建設計画法のもと、公的資金による新規の住宅の供給への支援などを通じて戦後の住宅不足の解消や居住水準の向上を図ってきました。
     本県においても、既に住宅の数は世帯数を上回り質の高い住宅の割合も六割を超えるなど、一定の成果を上げてまいりました。しかしながら近年の急速な社会経済情勢の変化に応じて現在及び将来における国民の豊かな住生活を実現するためには、居住環境をよりよいものとするため供給する住宅の質の向上を図る必要が生じてきております。
     そのため、昨年六月には住宅建設計画法にかわり新たに住生活基本法が施行され、今後の住宅政策の推進についてその基本理念や国と地方公共団体が講ずべき基本的施策が定められたところです。また法に定められた基本理念などを具体化するため、国が定める全国計画と県が定める県計画から成る住生活基本計画を策定することとされています。
     昨年九月に公表された国の全国計画では、少子高齢を初め社会経済状況の変化に対応できる住生活の基盤となる良質な住宅を将来にわたって供給し、低額所得者、高齢者、子育て世代など住宅の確保に困っている方々の居住の安定対策、いわゆる住宅を確保しやすい環境に配慮した上での国民のさまざまな要求に対応できる住宅市場の整備など四つの具体的な目標が掲げられています。この計画では、目標達成のための成果指標を定め、定期的に効果を評価しながら具体的施策を展開していくとしております。
     そこで伺いますが、本県においても住生活基本計画を策定中で現在パブリックコメントを実施していますが、その基本目標や施策の展開についてどのような方針で策定しているのか伺います。
     次に、工業用水道事業の役割と健全経営について伺います。
     元旦の日本経済新聞に「工場が帰ってきた」という見出しの特集記事が掲載されておりました。記事の骨子は、「円高や貿易摩擦を受け一九九〇年代は設備投資の海外シフトが進んだが、今や工場の国内回帰が加速している。経済のグローバル化が進展し国際分業が進む中日本企業は最先端製品の開発や生産を国内のナンバーワン工場で担い、世界じゅうに供給する動きを強めている」 というものであります。
     製造コストに大きな影響を与える工業用水道は産業の命の水と言われ、均衡ある国土開発及び工業の再配置の一翼を担い、先行的に整備することにより地下水への安易な依存を防止し、塩水化と地盤沈下の未然防止を果たしてきたところであり、これまでも産業インフラとしての企業誘致政策に大きく貢献してまいりました。しかし一方において工業用水の需要は減少傾向にあり、このことが用水単価にも影響を及ぼしつつあります。
     企業のコストを考えるとできる限り低廉な価格を維持すべきであることはもちろんですが、本県産業の発展を担う優良な企業の獲得や、流出、撤退を防ぐため、工業用水道事業についても新たな観点からの料金の見直しが必要な時期に来ていると考えます。
     そこで、本県の七つの工業用水道を経営している企業局長に本県の産業発展に果たす工業用水道の役割と健全経営について伺います。
     次に、教育基本法改正後の教育のあり方について伺います。
     まず、学校教育の方向性についてであります。
     昨年末、我が国の教育の根幹をなす重要な法律である教育基本法改正法が成立し、これからの時代に求められる教育の理念が示されました。
     申すまでもなく社会は一人一人の人間から成り立っており、個人の価値を尊重しつつその能力を伸ばし、志ある国民を育て、 品性ある国民による品格ある国家・社会をつくるために教育が重要であることはいつの時代も変わりはありません。この改正法ではそうしたこれまでの教育基本法の普遍的な理念は大切にしながら教育の目的や目標に道徳心や自立心、公共の精神、伝統や文化の尊重など、まさに今求められている教育の理念などについて新たに規定されたと認識をしています。
     また、学校教育の基本的な役割や、学校教育において規律を守ることやみずから進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視することも規定をされました。先ごろ文部科学省が、問題のある子供を教室の外へ出す、携帯電話を一時取り上げる、子供を立たせるなどは適正な対応ならば体罰には当たらないという当たり前を通り過ぎて笑えるような通知も出したところです。サラリーマン川柳にありました「かけすてを覚悟で払う教育費」。これは今後の学校教育が変わることに対する期待を表現したものであると思います。さらに教育の改革は現政権における最重要課題に位置づけられており、先般、教育基本法の改正を踏まえつつ公教育の再生の第一歩として、義務教育を中心とした基礎学力や規範意識などを当面の課題として焦点を絞った提言が第一次報告として教育再生会議からなされました。
     今回の教育基本法の改正によって、教育は国民一人一人にとって最も身近であるとともに責任を持って取り組むべき問題であることを改めて認識したところであります。特に今後は志を持ちみずから輝く未来を切り開くことができる子供をはぐくむため、とりわけ学校教育には改正法に示された理念の実現に向けた取り組みが求められるのは必至であります。
     そこで、教育基本法の改正を踏まえ、今後の本県の学校教育の方向性について教育長の所見を伺います。
     次に、特別支援教育の推進についてであります。
     今回の改正法においては、教育の機会均等について引き続き規定するとともに、障害のある方たちが十分な教育を受けられるよう教育上必要な支援を講ずべきことが新たに規定をされました。本県においても昨年十月、特別支援教育を推進するための盲学校、聾学校及び養護学校基本計画が作成され、今後の養護学校などのあり方について具体的方策が検討されたことは大いに評価できます。
     そこで、本県の特別支援教育の推進体制、特に施設の狭隘化が指摘されている養護学校の施設整備計画について伺います。
     最後に、静岡県警察治安再生プログラムについて警察本部長に伺います。
     本県の治安情勢は、平成十六年から昨年末までの三年間にわたって、県警が静岡県警察緊急治安対策プログラムに基づいて総合的に各種治安対策に取り組んだ結果、平成十八年中の刑法犯認知件数、交通事故のうち人身事故件数、負傷者数、死者数が減少し、とりわけ交通事故死者は昭和三十二年以降最少の数に抑止されました。
     このように緊急治安対策プログラムは県内の治安に関する統計上の数値の改善に一定の役割を果たしたわけでありますが、犯罪認知件数は依然として治安がよいと言われた昭和期の倍近い高い水準で推移しており、昨年の県政世論調査でも七〇%以上の人が自分や家族が何らかの犯罪に巻き込まれる不安を感じていると回答するなど依然として体感治安は回復していない状況であります。
     一定の成果を上げながらも緊急治安対策プログラムは、指数から見た治安の回復も道半ばで体感治安も回復しないまま昨年十二月末をもって目途としていた三年の実施期間が一応終了しました。そのため前回の十二月定例会で、我が党の代表質問で緊急治安対策プログラムにかわる新たな治安対策について県警本部長にお尋ねし、本部長から「新年早々にも新たな総合的治安対策を発表する予定である」との答弁があり、一月十日の一一〇番の日に静岡県警察治安再生プログラムが発表されたところであります。
     そこで、この静岡県警察治安再生プログラムについて、その重点や、今後、対策をどのように進めていくのか警察本部長に伺い、私の質問を終わります。(拍手)
    ○議長(芦川清司君) 石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事(石川嘉延君) 中谷議員にお答えをいたします。
     初めに、県政運営についてのうち、新時代にふさわしい県土づくりについてであります。
     社会経済情勢が大転換期を迎えている今日、住民の多様化、広域化、そして高度化する行政ニーズ、これに的確に対応し住民満足度を高めるためには、地方分権を一層推進するとともに生産性の高い行政運営による住民の日常生活圏域内での一体的なまちづくりや高水準の行政サービスの提供、これが求められることはもとよりでありますが、さらには個々の市や町の人口規模や行政区域を超えた広域を対象として初めて成り立つような高度な社会機能の整備充実が必要になってまいっております。
     このためには、従来のように中心都市すなわち一つの極にさまざまな機能を集中しようとしても、土地の有効利用とか良好な生活環境の確保の点で限界がございます。むしろそういう方向ではなくて、複数の都市や地域がその特徴を生かしつつ、相互に各種高度機能を分担しながら自己完結的な地域を形成する、一定の圏域で自己完結的な地域を形成する、こういう多極分担型の地域構造、いわゆるポリセントリック型の地域構造の形成を目指す必要があると考えております。国土交通省の研究会報告などでは静岡県はこのような地域形成実現の最も近くにある地域であるというような指摘もしているところでございます。
     そこで、私はこうした地域構造のあり方について検討するため、近々各分野の学識経験者で構成する、仮称でありますけれども多極分担型都市圏域形成研究会をスタートさせる考えであります。この研究会ではこれまでに開催してきました静岡県内政改革研究会や富国有徳推進研究会の提言なども踏まえつつ、私も積極的に参加し意見を述べながら本県の多極分担型地域構造の形成に向けて高次都市機能や交通体系、国際的な視野に立った産業集積等の広域的な施策や広域行政の考え方をまとめて、これに基づいて新しい時代にふさわしい県土づくりを進めていきたいと考えております。
     次に、県民暮らし満足度日本一の実現に向けた取り組みについてであります。
     県は、県民暮らし満足度日本一の実現のために積極的に施策や事業に取り組んでおります。今議会にお諮りしております平成十九年度予算の編成に当たりましても、総合計画後期五年計画の施策実施状況を評価、検証しつつ、健康長寿など十の満足の柱のそれぞれについて戦略的な内容を盛り込んだつもりであります。また施策、事業を効率的に実施できる体制を整備すべく、生産性のより一層の向上を目指した組織編成も行う考えであり、その際統計三室を企画部に再配置し統計データを迅速かつ的確に県の政策企画に活用できる体制も整備したところであります。
     本県では、新公共経営の考え方、特に計画、実施、評価、改善実行、すなわちプラン・ドゥー・チェック・アクション―― PDCAのサイクルを定着させつつありますし、平成十八年度決算分析などでもこれらが反映されてくるものと考えております。
     今後の政策展開には御指摘のとおりに数値目標、満足度などのデータの迅速的確な把握、提供が必要であります。統計の調査分析能力の向上、数値目標の把握と検証、必要に応じたアンケートの活用などの工夫を重ねてさまざまな課題に対処することとしております。このことによりまして、PDCAサイクル自体の向上を図るとともに、総合計画についても社会経済情勢の変化に的確に対応できるよう不断に検証して政策の機動的な展開を図り、県民暮らし満足度日本一をできるだけ速やかに実現したいと考えております。
     次に、平成十九年度当初予算についてであります。
     平成十九年度の当初予算は、企業収益の改善に伴う県税収入の増加が見込まれますものの、これを含めた一般財源総額が国の地方財政対策における地方交付税の抑制によって前年度並みに据え置かれるなど、大変厳しい財政環境下での編成となりました。このため県といたしましては、新公共経営の手法を徹底活用して行政の生産性を高める中で、自民党を初め議会各会派からの御提言も踏まえながら県民暮らし満足度日本一の実現に向けて、人づくり、家庭づくり、地域づくりで暮らしやすい未来を実現を重点の一つとして、中長期的な財政の健全性の確保にも配慮しながら戦略的な予算編成を行ったところであります。
     具体的には、医師、看護職員不足に対応するための支援制度の創設、拡充でありますとか、地域子育て支援拠点や放課後子ども教室等を活用した子育て支援の推進や、児童生徒増に対応した養護学校の新設や県立高等学校への養護学校の分校設置でありますとか、安心・安全を守る道路や河川の緊急改善事業に取り組むなど県民に身近で暮らしやすさの向上を実感できるきめ細かな施策に重点化いたしました。
     また、新産業の創出を図る静岡トライアングルリサーチクラスター形成事業の推進、陸・海・空にまたがる交通基盤の整備のほか県内全域で光ファイバー網の利用が可能となる地域整備計画の策定、沼津駅、東静岡駅周辺等における高次都市機能の検討など県土の未来の発展につながる社会資本整備の芽出しとなる、芽を出す政策にも着手いたしたところでございます。
     まあ今後の欲を言えばですね、これらのさまざまな政策についてもっと大型の予算を組むことができたならばもっとよかったと思うのでありますけれども、残念ながら冒頭で申し上げましたように、県税収入プラス交付税などの一般財源総額が抑制されていると、前年度並みに抑制されてるという、そういう状態のもとでは精いっぱいのことでありましたので、今後はですね、政府における新経済成長戦略、これの中身の充実と的確な運営ですね、これに期待をしなきゃいけない、期待しているところであります。
     そこで、この果たして我が国が三%程度と言われるような安定的な経済成長ができないのかどうかってことについて、もっともっと我々真剣に検証してですね、その可能性が信じられるならば、どんどん我々はそれに向かっていろんなチャレンジをすべきだと思うし、政府のしりももっとたたくべきだと思うわけですね、国民全体が。私は可能性があると幾つかの視点で感ずるわけでありますけれども、例えば我が国の個人金融資産はつい先ごろまで千四百兆って言われておったのが今千五百兆。昨年秋の日銀の国内の資金統計を見ても、個人の金融資産は千五百兆になってますね。――それから企業の金融資産――法人の金融資産ですね、これが私はつい先ごろまで五百兆程度と思ってたら、何と去年の日銀統計によると八百兆になってるんですね。八百兆。両方合わせると二千三百兆円の、もう――巨大な金融資産が日本の国内に蓄積されてるわけです。
     これに対して、それじゃあ日本の今の金融力はどうかっていうと、まことにお粗末限りなんですね。きょうのある新聞にも、 中前国際経済研究所の代表をしている中前忠さんという人がこのことを指摘しているわけです。日本の金融機関は大きなビジネスチャンスに直面していながら世界をリードするような日本発の新商品なんて一度も提案したことがない、開発したことがない。製造業は世界をリードしてる。もっと金融の力をつけなきゃいけない、こういうことを言ってるわけでありまして、その中でですね、我が意を得たりと思ったことが、長生きしたほど多額の年金を受け取れる生存保険の創設を提唱してますけど、実は私は七年前にそのことを着想してですね、健康福祉部に研究させたんです。
     そしたら、十七世紀のイタリアでトンチン年金という発想が、トンチンというのはですね、とんちんかんじゃなくて、トンチンていう人がトンチン年金と言われるこの年金制度を発案しているということがわかりまして、で、高齢化がどんどん進行する我が国で、このトンチン年金は加入者が預けたお金の運用益を生存者だけで分け合う。例えば、何十歳か知りませんが掛け合っていてですね、八十とか九十になって生き残っている人だけで、それまでに蓄積された年金を分け合う、こういうやつですね。 そうすると、八十になって一定額の例えば何千万という保険金――生命保険が入ってくるとなれば、そこまでに自分のためてたお金がですね、もう八十過ぎても九十過ぎてもいつ死ぬかわからんわけですから、人間は。将来に備えてため込もうというよりも、じゃ八十歳までに今あるお金を全部使っちゃってもですね、そのときに生き残っていれば心配ないと、そういう年金なんですよ。
     私は当時ですね、損保会社とか生命保険会社に幾つか声をかけて、こういう商品できないのかと言ったら、できませんていう話。私はいい発案のはずなのに、しかも十七世紀からそういう発案があるっていうんだからと思っていたんですけども、最近になって中前さんがこういうことを言い出して、私よりはるかにこの分野の専門家ですので、私が発案してやったのに対して当時の日本の損保業界とか生保業界はだめな業界だったんだなと。今は知りませんよ、当時はですね。そういうふうに思うわけです。
     ですからもっともっとですね、こういう視点で我々は発想を変えて取り組んだら二千三百兆円というもう巨大な貯金ですよ。 金融資産。これが我々のGDPの四・何年分もあるわけですよね。これが巨大にたまっていて、もう低利でしか活用されないというのはどういうわけだと、私はほんとに怒りを覚えるような感じなんですよね。自分の金じゃないんですけども、国民全体の金。そうするとですね、一割でこれが運用されたら二百三十兆ですよ、五%でも百十五兆円。消費税の増税とかですね、国民各種年金や保険の負担金の掛金のアップなんて消し飛んじゃうぐらいの、そんな議論をしなくてもいいようなものすごい巨額なリターンをもし実現すればですね、もうまるきり我々の未来は変わってくるわけですよ。
     ですから、真剣にこういうことをやっぱり考えるべきだと思うし、今そういう兆候が出てきましたので、及ばずながらですね私もこういう点についてはもっともっと積極的に発言するし、もう国民全体が関心を持ってですね、もっと金融機関にあるいは政府に対して金融力が高まるようにプレッシャーをかけるべきだと思うんですね。そういうことをやりながらみずから静岡県全体をですね、放漫財政にならないように新公共経営を踏まえて戦略的予算の編成と執行をしていきたいと思っております。
     次に、富士山静岡空港についてのうち、路線・便数確保に向けた取り組みについてであります。
     平成二十一年三月の開港に向けてより多くの路線・便数を確保するため、航空会社を初め関係機関等を対象に幅広くエアポートセールスを行っているところでございます。これまで主として本県の総合的なポテンシャルを訴えかけてきましたけれども、今後は富士山静岡空港就航促進協議会などと協働して取り組みます航空会社と連携した新たな観光商品の開発とか教育旅行プログラムの開発、全庁一丸となった就航先地域との交流拡大など、具体的な需要拡大策の実施を伴った就航要請に重点を移してより積極的にエアポートセールスしていきたいと考えます。
     特に就航への意欲表明をいただいている韓国や前向きな姿勢を示していただいている中国につきましては、こうした取り組みに加えて、ことし六月に開設予定のソウル事務所を活用した航空会社や政府関係機関への働きかけや浙江省との友好提携二十五周年を契機として行う部局間が連携したチャーター便による大規模な訪問団の派遣など積極的なエアポートセールスを行い、確実な就航の実現に結びつけてまいります。
     また、他の空港で実施しておりますいわゆるインセンティブと言われるものですね、例えば空港利用客への優遇策や航空会社に対する着陸料、ターミナルビル使用料の減免などといった優遇策といいましょうか、インセンティブ、これについても研究をしてまいったところでありまして、今後これを実現に向けて実施する必要が生じた場合には事前に議会にもお諮りしながら対応していきたいと考えております。これらの手法を効果的に組み合わせながらエアポートセールスを進め、より多くの路線・便数の確保に全力で取り組んでまいります。
     こうしたさなか、先日、石川県の谷本知事と電話でちょっと話をする機会がありましたが、その際向こうからですね、富士山静岡空港が平成二十一年の三月に開港することになっているけども、ぜひ頑張ってくれと、小松もぜひ路線を結ぶようにやろうじゃないかとそういう提案がありました。これは北陸三県の中心にちょうど小松空港が存在してますが、北陸三県というとらえ方をして、静岡との現在での交流人口の動態、実態を考えるとですね、十分に路線が実現するだけの流動があると。現に石川県がそういうことを踏まえて日本航空や全日空に働きかけをしてると。協力して一緒にやろうじゃないかとそういう御提言がありまして、大変これはありがたい、また有益な情報だということで、早速空港部の方にも指示をしていろいろ連携を今とり始めたところでございます。
     このようにいろいろ小まめに当たっていくと、現在想定されておる千歳、それから福岡ですね、それ以外にも鹿児島や那覇とか、その他いろいろ出てくる可能性がありますので頑張っていきたいと思います。
     次に、空港の開港を見据えた取り組みについてのうち、アジア地域との交流戦略についてであります。
     中国、韓国、台湾を初めとするアジアの諸国や諸地域は、富士山静岡空港の開港を二年後に控えた本県において、経済、観光、学術交流などの主要な分野で今後の事業展開に大きな期待が持てる地域であります。
     中国につきましては本県と浙江省との間で友好提携二十五周年の節目を迎えることしは、三月二十六日に中国共産党浙江省委員会の首席である習近平書記を団長とする訪問団が来静されます。県議会とともにこれを受け入れ、各界各層からの協力もいただいて記念事業を催すこととしております。さらに十月下旬には本県で訪問団を構成し、浙江省を訪れることによって本県と浙江省との交流の輪をさらに大きく広げ、両県省間のきずなを確かなものとするよう機運を盛り上げてまいりたいと考えております。 こうした機会をとらえ、今後、本県としては浙江省にとどまらず上海や香港など中国沿岸部で発展を続ける大都市も視野に入れた事業展開を進めるべく、戦略を構築してまいります。
     また、日本との間で年間相互に二百万人を超える旅行者が行き来する韓国につきましてはことし六月を目途に静岡県ソウル事務所を設置して、韓国各界に精通する方々から御意見を伺いながら定期便就航誘致活動や観光誘客を中心とした効果的な事業展開を図り、本県の知名度の向上と交流のより一層の促進に努めてまいります。
     次に、開港を盛り上げる二〇〇九年の仕掛けについてであります。
     地球規模での人・物・情報が行き交う大交流・大競争の時代を迎えた今日、富士山静岡空港は観光やビジネスはもとより、学術、文化、スポーツなど幅広い交流の基盤となるものと考えております。空港が開港する二〇〇九年には国民文化祭やワールドガーデンコンペティションなどさまざまなイベントの開催が予定されており、空港の開港がこれらのイベントの開催と相まって本県の魅力を国内外に発信するものと期待しているところであります。
     中谷議員の御紹介いただきました、ブライダルフェアのような民間の事業なども大変ありがたいわけでありますので、今後、 開催を考えておられる方々との接触ができるならば、積極的に応じて協力をいたしていきたいと考えております。
     また、中谷議員も御指摘のとおり、その種のさまざまなイベントがアジア各国にアピールする絶好の機会になるわけであります。二〇〇九年に限らずそれ以降もですね、各種のいろいろ国際規模の大きなイベントの御提案も、ぱらぱらでありますけど今寄せられつつあります。これらについても本県で開催する意義づけなども考えながら積極的に対応していきたいと考えております。
     こうした取り組みを進める中で、国際化や文化交流、あるいは新たな産業の創造など県の施策と目的を共有し、相互に協力し合うことによって相乗効果が期待できるものもあると思いますので、そういう視点から今後積極的に対応していく考えであります。
     次に、林業・木材産業の再生に向けた戦略についてであります。
     木材消費については、価格面、量の確保の容易性などから外材のウエートが八割を占めておりまして、そのために国内の森林資源は十分に活用されているという状況ではありません。しかし中谷議員御指摘のように、近年、中国の需要の拡大など国際的な需要構造の急激な変化が見られるし、一方でまた地球温暖化の観点から森林資源の活用についても、森林地域での伐採の抑制――いたずらな伐採の抑制、これも見られるということから、昨今大口需要者の目が国産材へ向けられ始めたというふうに私も感じております。
     本県では、これまで木使い県民運動の推進やしずおか優良木材の家総合支援制度などによって、品質の確かな県産材の需要拡大に向けた施策を積極的に展開をしてきております。まだ爆発的に需要が拡大するという情勢ではありませんけども、しかし少しずつ何か手ごたえが感じられるようになってまいりました。
     今後は県産材の供給能力の拡大、特に大口需要者が要求する品質と量に見合ったものに県産材の供給能力を合致させるために生産・流通・加工システムの構築を目指し、昨年度からしずおか木材流通マスタープランの策定を進めてきております。このマスタープランでは三つの方向が示されておりまして、一つは小規模森林の集約化や高性能林業機械を活用した林業の生産性の向上、 二つ目は流通経路の短縮や需要と供給のミスマッチを解消するための流通拠点の整備、三つ目は外材工場の県産材への転換などによる製材加工体制の整備であります。
     このマスタープランに沿って、来年度は林業と工業の連携による林業ロボットの活用等の効率的な生産システムの開発支援、 大手住宅メーカー等の需要に対応した大規模流通・加工拠点整備のための構想策定などに取り組んでまいる考えであります。 さらに、もりづくり県民税を財源として進めております森の力再生事業や国が強力に進めようとしております森林吸収源対策事業などと連携しつつ、林業から住宅産業に至るまでの県産材の生産流通の力強い流れをつくり出し、県内林業・木材産業の活性化の実現に努めてまいります。
     次に、ファルマバレープロジェクトの第二次戦略計画についてであります。
     これまでのファルマバレープロジェクトの取り組みにつきましては、昨年九月外部の専門家から成る第一次戦略評価委員会から「医療の質の向上と研究開発の分野では多くの成果が生まれているが、地域経済の活性化などについてはさらなる努力が必要である」という評価書をいただきました。
     この評価結果を踏まえ、今月有識者から成る第二次戦略検討委員会が行った今後のプロジェクトの基本的な考え方や施策、事業の方向に係る提言に基づいて、県として第二次戦略計画案を策定して公表いたしました。
     この計画案では世界一の健康長寿県の形成を目的とし、患者・家族を中心とする考え方など、本来尊重されるべき普遍的な価値観を医療の分野においても再び確立することを目指します。またそれを達成する手段として、健康増進、疾病克服と県民の経済基盤の確立を両輪として位置づけ、具体的には世界レベルで進められている研究開発の成果を診断技術の開発や治療薬に結びつけていくことなどによって、富士山ろくに健康関連産業の集積を図るとともに、住む人も訪れる人も快適と感じる地域を実現していくことを目指しております。
     来年度からの四年間はプロジェクトの成長期と位置づけ、世界をリードする研究開発、新産業の創出と地域経済の活性化に加えて、プロジェクトを担う人材の育成、市や町との協働によるまちづくり、世界に向けた展開を五本の戦略として位置づけて、 各戦略ごとに目的、数値目標、具体的施策や施策ごとの実施スケジュールを盛り込みました。
     県といたしましては、県民の皆様からの御意見もいただいた上で三月中にファルマバレープロジェクト第二次戦略計画を決定することとしております。
     その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から答弁を申し上げます。
    ○議長(芦川清司君) 谷空港部長。
            (空港部長 谷 和実君登壇)
    ○空港部長(谷 和実君) 富士山静岡空港についてのうち、基本施設の管理方針についてお答えいたします。
     富士山静岡空港は、滑走路やエプロンなどの基本施設や駐車場等の管理を可能な限りターミナルビルを運営する空港運営会社に委託し、民間主導の一体的な管理による利便性と効率性の向上を目指しており、その有力な手法の一つとして指定管理者制度の導入も研究しているところであります。
     航空法においては、法令で定める保安上の基準に従って飛行場の設置者が施設を管理することが求められておりますことから、施設の安全確保や緊急時の対応、使用料金の設定などについて県が責任を持つ体制を確保し、施設の軽易な補修・改良、点検、清掃、警備などを空港運営会社に委託することとし、国とも連絡をとりながら県と会社との役割分担を具体的に調整しているところであります。
     また、保安基準の設定や管理業務の実施要領の作成につきましては、他空港の現場に職員を派遣しての実務研修の実施、全国の空港職員を対象とした研修への参加など人材養成にも留意しつつ、空港運営会社も参画した管理運営推進チームを空港部内に設置し、国や専門家の助言も受けながら作成を進めているところであり、今後、実務上の課題をさらに精査してまいります。
    ○議長(芦川清司君) 大村生活・文化部長。
            (生活・文化部長 大村義政君登壇)
    ○生活・文化部長(大村義政君) 空港の開港を見据えた取り組みについてのうち、国内遠隔地からの観光誘客についてお答えいたします。
     富士山静岡空港の開港は、北海道や九州などの国内遠隔地から多くの観光客を本県に招き入れる好機となりますので、来年度は県内観光関係者と協力してこれまでの札幌市に加え福岡市でも観光説明会や商談会を開催するとともに、PRイベントや多様なメディアを活用した効果的な観光情報の発信を行って本県の認知度を高めてまいります。
     また、空港開港の一年前となる平成二十年三月には、北海道と九州の旅行業者約百名を本県に招いて空路を利用した魅力的な旅行商品づくりと販売を促進する販売促進会議を開催いたします。この会議では本県の持つさまざまな観光資源や富士山静岡空港の魅力を紹介するとともに、現地視察や商談会も予定しており、北海道と九州、それぞれの地域の嗜好に応じた観光ルートづくりが現地旅行業者と県内観光地との間で精力的に展開されるよう準備を進めております。さらに、空港と観光地を結ぶ交通アクセスの充実や静岡ならではのおもてなしなど、県内観光地と一体となった受け入れ態勢の整備にも努め、空港開港後には国内遠隔地から多くの観光客を迎え入れられるような取り組みを進めてまいります。
    ○議長(芦川清司君) 杉山商工労働部長。
            (商工労働部長 杉山栄一君登壇)
    ○商工労働部長(杉山栄一君) 競争力のあるものづくり産業の振興についてお答えいたします。
     人口の減少や経済のグローバル化が進展し地域間競争が激化する中で、本県が全国有数のものづくり県としてさらに発展するためには、国際競争力を有し付加価値の高い製品づくりを行う多彩な産業が県内にバランスよく集積することが重要であると考えております。このため、今後成長が見込まれる健康・医療、食品、光・電子技術産業等の集積を目指す静岡トライアングルリサーチクラスター形成事業を推進するとともに、その事業のもとで行っている各種の研究の成果については今後とも来年度再編される工業技術研究所が中心となり、県内企業へ広く普及してまいります。
     また、新製品、新商品開発に意欲的に取り組む中小企業や創業者に対しましては、経営革新計画の承認などを通じた研究開発への助成や県制度融資による金融支援などにより、引き続き既存産業の技術の高度化や新事業の創出に努めてまいります。
     また、来年度は中小企業基盤整備機構と連携し、しずおか産業創造機構の中に、新たに総額九十億円の地域活性化基金を造成しその運用益により、中小企業が行う産学官連携による研究開発事業や農業や観光分野との異業種連携による新商品開発事業などに対し、きめ細かく助成していくこととしております。
     さらに、来年度、国が創設予定の地域資源を活用した中小企業の新商品、新サービスの開発、市場化を総合的に支援する地域資源活用プログラムにつきましても積極的に活用してまいりたいと考えております。
     また、ものづくり産業の振興のためには、ものづくりを支える技能、技術の継承と人材育成が重要でありますことから、本年十一月に開催するユニバーサル技能五輪国際大会などを通じ、技能、技術の重要性を広く県民に理解していただくとともに、テクノカレッジにおける職業訓練や産学官連携による人材育成事業などにより人材の育成に努めてまいります。
    ○議長(芦川清司君) 村松農業水産部長。
            (農業水産部長 村松靖則君登壇)
    ○農業水産部長(村松靖則君) 農業・農村の振興についてお答えいたします。
     近年、安全・安心な食料を供給するとともに、自然景観や伝統文化による安らぎや潤いの場を提供し、国土を保全するなどの農業・農村の役割の重要性が再認識されてきております。
     農業が活力ある産業として、また農村が魅力ある地域として発展していくためには、生産構造の改革、生産性の向上などに主体的に取り組んでいくことが重要であると考えているところであります。このため経営感覚にすぐれたビジネス経営体の育成に努めてきたところであり、今後ともこの流れを一層加速していくとともに、試験研究機関の再編による新品種や新技術の効率的な開発、「紅ほっぺ」などの特徴ある農産物のブランドの確立、地域の実情に応じた戦略的な産地形成などに積極的に取り組んでいくこととしております。
     また、農村における自然環境の保全や伝統文化の継承には県民の参加や協力が必要でありますことから、新たに地域ぐるみの協働の組織を立ち上げ、花を活用した景観形成の推進や交流の拡大などにより固有の魅力を生かした農村づくりを推進してまいります。今後とも、食と農の基本条例の理念を踏まえ、他産業と密接な連携を図りながら県民の期待にこたえる農業・農村の振興を図ってまいります。
    ○議長(芦川清司君) 古川土木部長。
            (土木部長 古川博一君登壇)
    ○土木部長(古川博一君) 浜松市への道路管理の移譲についてお答えいたします。
     県では、国・県道の管理を浜松市に円滑に移譲するため、本年度、市から実務研修職員七名を受け入れるとともに、県からも技術職員等五名を派遣しているところであります。一昨年十一月に設置した道路管理事務移譲県市連絡会において、道路の維持管理や異常気象時の対応などを踏まえた組織体制づくりの助言等も行ってきたところであります。
     さらに、政令指定都市に移行するこの四月からは、権限移譲に関する基本協定に基づき、静岡市への二十九名の派遣事例を参考に浜松市の地域特性も十分加味しながら道路行政に精通した職員を派遣することとしております。また当面の浜松市域の高規格幹線道路等の整備に充てるため、高規格幹線道路等整備促進費交付金を交付してまいります。
     県といたしましては、これらを通じて市民の暮らしや産業活動に支障が生じないように努めるとともに、三遠南信自動車道を初めとする高規格幹線道路や関連アクセス道路などの整備を浜松市と連携して進めてまいります。
    ○議長(芦川清司君) 山村都市住宅部長。
            (都市住宅部長 山村善敬君登壇)
    ○都市住宅部長(山村善敬君) 本県の住生活基本計画についてお答えいたします。
     本県における住宅政策については、平成十二年度に策定した住宅マスタープランに基づき各種施策を展開してきたところでありますが、住生活基本法の施行に伴い、現在静岡県住生活基本計画となる新たなマスタープランを策定しているところであります。
     計画では、十年後の本県における住まいのあり方を見据え、住宅を取り巻くさまざまな社会経済動向の変化に対応するとともに、東海地震対策という本県固有の課題への対応や温暖な気候風土などの特性の活用に留意しながら「安全・安心・快適住空間しずおか」の実現に向け、豊かさが実感できる住生活を目指すことを基本理念としております。
     また、ストック活用重視、市場重視、まちの要素としての居住政策の三つの新たな視点から、次世代に継承できる安全で良質な住宅ストックの形成や環境に貢献する快適な住まいづくりなど五つの基本目標と耐震化率や省エネルギー対策率など十三の成果指標を定め施策を展開するとともに、これらについて評価、検証を行いながら五年後に計画を見直すこととしております。
     策定後は、県民の皆様や住宅関連事業者等に広く啓発し、計画に基づきセーフティネットとしての公営住宅の供給を初めさまざまな住宅施策を推進するとともに、市や町に対し住宅の耐震化の推進や住宅相談体制の整備など具体の取り組みを図るよう積極的に働きかけてまいります。
    ○議長(芦川清司君) 山田企業局長。
            (企業局長 山田 寧君登壇)
    ○企業局長(山田 寧君) 工業用水道事業の役割と健全経営についてお答えいたします。
     工業用水道事業は、本県の産業発展に貢献してきた製紙、化学、繊維、自動車産業などにおいて不可欠なインフラとして大きな役割を果たしてきておりますことから今後も良質で安価な水を安定して給水することにより、企業立地における本県の優位性を維持していきたいと考えております。
     このため、組織の簡素化やコストの削減に努めることにより、会計全体では黒字を確保しておりますが、過重な水源費負担などもあって、採算性を個別に確保することは企業局の内部努力だけでは困難であります。そうしたことから赤字幅が大きい工業用水道の料金改定を今議会にお諮りしているところでありますが、生産活動に与える影響を考慮して改定額を抑制いたしました。その結果、工業用水道事業を経営する全国四十一都道府県の中で安い方から八位という低廉な料金を引き続き維持できると見込んでおります。
     また、好調な経営状況にある東駿河湾と富士川の工業用水道については、企業の節水努力にこたえるため、要望に応じて契約水量を減量することとしており、これにより多くの企業にとって料金引き下げに相当する大幅な負担軽減効果があると見込んでおります。今後とも、安定給水に向けて適時に適切な投資を行うとともに、健全経営を確保できる範囲内でユーザーの生産コスト縮減にこたえてまいりたいと考えております。
    ○議長(芦川清司君) 遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長(遠藤亮平君) 教育基本法改正後の教育のあり方についてのうち、初めに学校教育の方向性についてお答えいたします。
     教育基本法は教育の基本理念を定める法律であり、学校教育に関係する内容等については今回の改正に基づく関係法令の改正や教育振興基本計画の策定などを経て、より具体化されていくものと認識しております。
     また、今回新たに規定された「教育を受ける者が、学校生活を営む上で必要な規律を重んずるとともに、みずから進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視」することや「学校、家庭及び地域住民との連携協力」などは、本県教育計画「人づくり」二〇一〇プラン後期計画とその方向を一にするものであります。とりわけ学校教育の方向性については、このプランにおいても「『こころざし』を持った子どもの育成」を掲げており、今後とも学校が子供たちの夢を力強く支え、はぐくむ場となることを目指し、一層の静岡の教育改革に取り組んでまいります。
     次に、特別支援教育の推進についてであります。
     養護学校の施設整備につきましては、議員御指摘の特別支援教育を推進するための盲学校、聾学校及び養護学校基本計画を踏まえ、下田市立下田小学校内に平成二十年四月開校を目標に小・中学部の分校を設置し、また田方農業高等学校内に平成二十一年四月開校を目標に高等部の分校を設置してまいりたいと考えております。
     また、浜松地域におきましては、平成二十一年四月開校を目標に浜松市立浜北養護学校の県立移管を実施する予定であります。さらに静岡北養護学校の本校及び清水分校の施設狭隘化を解消するため、再編される清水工業高等学校跡地への養護学校新設に向け来年度は地質調査及び基本設計を実施する予定であります。
     今後とも共生・共育を一層推進するとともに、盲・聾・養護学校が地域におけるセンター的機能を十分に発揮し、市や町の支援システムと連携して、特別支援教育を充実するよう努めてまいります。
    ○議長(芦川清司君) 五十嵐警察本部長。
            (警察本部長 五十嵐邦雄君登壇)
    ○警察本部長(五十嵐邦雄君) 静岡県警察治安再生プログラムについてお答えをいたします。
     平成十六年から三年間にわたり静岡県警察緊急治安対策プログラムの諸施策を推進してまいりました結果、刑法犯認知件数や交通事故死者数が減少するなど一定の成果は上がりましたが、重要凶悪事件や振り込め詐欺の発生など犯罪情勢は依然として厳しく、治安の回復は県民の求めるレベルには達していないと言わざるを得ません。
     そこで、治安再生への道筋を確実なものとし県民の体感治安の向上を図るため、今後さらに三年をめどに重点的に取り組んでいく総合的治安対策として改めて静岡県警察治安再生プログラムを策定いたしました。
     その重点施策は、安全・安心なまちづくり、重要犯罪等に対する捜査の強化、組織犯罪対策、来日外国人犯罪対策、テロ対策と諜報事案対策、サイバー空間の安全確保、人優先の交通安全対策、治安基盤の強化の七点で、いずれも現在の治安情勢をかんがみるに必要不可欠な項目であり、これを基本として、プログラム記載の推進施策等への取り組みと第一線現場における警察諸活動を通じ、成果の検証も行いながら安全・安心な社会の確立を図ってまいる所存であります。
     また、本プログラムは、既に実施中のしずおか防犯まちづくり総合推進プログラムや第八次静岡県交通安全計画とも連動した数値目標を設定しておりますので、その推進に際しましては警察による体感治安の向上に向けた不断の努力はもとより、自治体、住民組織を初め関係機関、団体との連携強化にこれまで以上に配慮し県民の安心感の醸成に努めてまいります。
    ○議長(芦川清司君) これで中谷多加二君の質問は終わりました。
     議事の都合により休憩します。

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