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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成16年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

野澤 義雄 議員

質問分類

代表質問

質問日:

09/28/2004

会派名:

平成21


質疑・質問事項:



    ○副議長 (八木健次君)  ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、 三十九番 野澤義雄君。
            (三十九番 野澤義雄君登壇)
    ○三十九番 (野澤義雄君)  平成21を代表して、 当面する県政の諸課題につきまして、 知事並びに関係部局長、 教育長、 警察本部長に伺います。
     最初に、 九月補正予算について伺います。
     景気は堅調に回復しているとともに、 雇用環境も厳しさが残るものの改善しているとされています。  しかし、 先行きについては原油価格の高騰など不安定な要素も多く、 世界経済の動向にも十分に留意する必要があると言われています。 我が国の財政状況は依然として公債依存の体質から抜け切れない状況にあり、 早期の安定した財務体質への転換が強く求められています。 また地方財政を取り巻く環境はというと国の三位一体改革の工程が依然として示されていないことなど、 不透明、 不安定な財政状況にあり、 引き続き、 より堅実な財政運営をしていく必要があります。
     九月補正予算の編成に当たって、 平成21として、 財政健全化の着実な推進を基本としつつ、 健康・福祉施策の充実、 産業振興・雇用対策の推進、 地震・災害対策の推進、 道路等生活基盤整備の推進、 交通安全対策・治安対策の充実を当面の安心・安全で豊かな静岡県の実現に向けて取り組む緊急課題として申し入れをしたところです。
     そこで、 今回九月補正予算をどのような考えのもとに編成したのか、 また健全財政の確保に当たって配慮した点はあるのかまず伺います。
     知事の政治姿勢のうち、 全国知事会の役割について伺います。
     去る八月十八日、 十九日の両日にわたり新潟県で全国知事会が開催されました。 今回の知事会は、 政府が三位一体の改革の一環として、 この六月の骨太の方針二〇〇四で、 平成十八年度までに国から地方に三兆円規模の税源を移譲する方針を打ち出し、 その前提となる国庫補助負担金の削減案の取りまとめを地方側に要請してきたことを受けて、 知事会としての意見集約をするために開かれました。 会議では義務教育関係の補助金の取り扱いをめぐって、 十八日深夜まで激論が交わされ、 結局翌日の採決で義務教育費国庫負担金を含む三兆二千億円余りの補助金削減案が決定されました。
     全国知事会は都道府県間の連携と地方自治の推進を目的として設立され、 これまで国への陳情の取りまとめ等の連絡調整を行う存在であったものが、 近年は積極的に政策提言を行う 「闘う知事会」 に変貌したとも言われています。 今回の補助金削減案の取りまとめに至る経緯も、 こうした流れで見ることができ、 政府から投げかけられた難しいボールを多数決とはいえ地方団体の意志をまとめ、 国に投げ返したことは高く評価されるべきと考えます。 特に、 今回の三位一体の改革の議論では、 結果的に国と地方による協議機関の設置にまでこぎつけ、 知事会の代表が政府と直接議論する場ができるわけで画期的なことと思います。
     このように、 全国知事会の機能が現実の動きとして少しずつ変わってきていますが、 知事は、 さきの新潟の会議を含め最近の知事会をどのように評価しておられるのか。 また政令県構想を提唱するなど熱心な地方分権論者である知事として、 これからの知事会にどのような役割を期待しているのか伺います。
     改革案の中の義務教育費国庫負担金改革について伺います。
     さきの全国知事会の討論の内容の中で、 特に義務教育費国庫負担金について賛否両論激しく議論を闘わせることとなったと聞いています。 会議で示された改革案は、 二兆五千億円ある義務教育費国庫負担金のうち、 中学校分の八千五百億円を平成十八年度までに廃止し、 税源移譲する国庫補助負担金の対象に含めるというものでした。 廃止に反対する知事は、 「義務教育は国が財源を負担して責任を持つことが必要、 教育に関する本質論を行うべき」 との考えを訴え、 一方、 廃止に賛成する知事からは、 「財源論と教育論は別問題、 確実に税源移譲につながるものだから対象とすべき」 との意見が出たとの報道がありました。 最終的には、 反対派の意見を付記することを条件に中学校分八千五百億円を三兆二千億円の移譲対象補助金に含める原案どおり決着したところです。
     この問題について、 我が会派平成21は教育の機会均等は憲法や教育基本法の要請であり、 義務教育におけるナショナルミニマムの水準確保は国の重要な責務であり、 それを支える仕組みとして歴史的に見て義務教育費国庫負担制度が存在しているものと認識しております。 こうした背景から国民の間では、 一般財源化された場合には、 税源の偏在性から財源を確保できない自治体が生じ、 教育条件に格差が生じるのではないかと不安視する声も上がっております。
     そこで、 石川知事にお聞きしますが、 知事は全国知事会の義務教育費をめぐる議論についてどのように感じられたか、 また御自身の考えはどのようなものかについてお答え願います。
     次に、 知事のトップセールスについて伺います。
     去る八月二日に県のホームページMyしずおか日本一が更新されました。 このホームページは、 静岡県の魅力の再発見とイメージの向上を図ることなどを目的に、 農産物の年間生産量、 工業製品の年間出荷額など、 本県が日本一の地位にあるものを集めインターネット上で紹介しているものです。 今回は本県が日本一の項目が過去最多の百十六項目となっています。 しかし、 そうしたことにただただ喜んでいるということではいけないわけでありまして、 お茶などの農産物も国内外における産地間競争は近年一層厳しさを増しており、 今後とも静岡ブランドを維持していくためにはさまざまなマーケティング戦略が必要になってきています。
     このような状況の中で、 去る六月に知事が行った米国訪問では、 ファルマバレー構想をにらんだ企業誘致活動が広く展開され、 本県の可能性をPRする知事みずからの営業活動に興味を示した企業も多かったと聞いております。 「課長十回、 平百回、 社長が出向けば一回で商談成立」 というのが営業の世界の常識とか言われておりますが、 知事みずからが直接関係者にPR活動を行う、 いわゆるトップセールスは極めて効果が高いものと考えます。 つい先ごろ行われた県債の発行に際してのIR活動や花博のPRキャラバンなど、 知事のこうした姿勢は大いに評価いたします。
     しかし、 本県には農産物のメロンやミカンを初め、 県産材、 あるいはひな具や繊維製品などといった全国的にも高いレベルの産品が多数存在しております。 知事自身の御努力を認めつつ、 またその職務が激務なことも重々承知の上で、 知事のトップセールスも、 これからはさらに幅広い分野にわたり戦略的に実施していくことが重要だと考えますが知事の所見を求めます。
     次に、 富国有徳のくにづくりとイベントについて伺います。
     昨日までの入場者が四百七十五万人余。 現在開催中の浜名湖花博は、 記録的な猛暑で夏場には一時期厳しい状況を迎えたものの、 さわやかな陽気や本格的な花の季節を迎える中で会期終盤に向け一層のにぎわいが期待されるところです。
     本県では平成五年に石川県政のスタート以来、 シアターオリンピックス、 伊豆新世紀創造祭、 東海道四百年祭、 しずおか緑・花・祭、 ワールドカップサッカー、 わかふじ国体、 そして今回の花博など、 次々と大規模なイベントを開催されてきました。 これらいずれのイベントも、 本県の県民文化の向上や地域のにぎわい創出に貢献し、 また本県の魅力を国内はもとより広く世界に向け発信するなど、 その果たした役割は大いに評価されてよいと思います。
     しかし、 こうしたプラスの面とは逆にイベントの計画、 立案がかなり早い時期からのものもあったため、 その後年々厳しくなる財政状況の中、 開催や運営に当たり予算面で随分無理をしたものもあったのではないかと思いますし、 県財政全般も窮屈な運営を強いられる場面もあったのではないかと思います。
     何事にも長所、 短所はつきものですが、 大規模イベントについて知事はどのような認識を持っておられるのか。 また、 これまで実施してきたさまざまなイベントをどう評価し、 今後本県が目指す富国有徳のくにづくりの中でイベントをどのように位置づけ、 展開していかれるのかお考えを伺います。
     次に、 静岡空港についてのうち、 用地の取得について伺います。
     公共事業の適正な執行を図るため国土交通省の公共事業評価委員会において、 計画から十年を経た公共事業について再評価の審査が行われており、 静岡空港については本県の事業監視委員会から提出された取り組みの状況や全国的な航空ネットワークの視点から、 継続の判断をこの三月に得たところです。
     このことを契機に、 平成十八年度開港に向けて建設が一層の進捗を見るのではないかと思われますし、 私たち平成21は航空ネットワークが地域の将来を左右すると思われる近未来において、 静岡空港はそのための必要な社会資本と認識し早期に開港してその機能を発揮することを期待しています。 ただし、 用地については話し合いによる円満解決をかねてから主張してまいりましたが、 いまだ四世帯の所有する土地が取得できず暗礁に乗り上げた状態です。
     これまでの本会議の答弁でも、 残る地権者に対して生活・生業に対する不安を払拭するような話し合いの機会を設けて理解をいただくよう努めていきたいとの答弁がありました。 現場での職員の苦労も含め当局のこれまでの努力は承知しておりますが、 硬直状態とも言えるような今の状況を踏まえ話し合いによる円満解決に向けて、 さらにできる努力にはどのようなものがあるのでしょうか。
     一方で、 知事は用地取得の見通しが立たない場合、 この秋が終わるころには土地収用法に基づく事業認定申請の手続に入るとの発言をされています。 イメージから申し上げますと反対派のピケを権力が強制排除などという過激な闘争シーンが思い浮かびます。 もっとも全国の土地収用にかかわる事例を見ますと、 そのような事例は少なく手続に従って粛々と行われるのが大半のようでありますが。
     いずれにしても、 県民の夢や希望を乗せた静岡空港は、 当初から負のイメージを持つなどということは避けなければならないと思います。 仮に手続に入ったとしても、 限りなく円満解決への道を探るべきと思いますが当局にその決意を伺います。
     静岡空港の民間活力の導入について伺います。
     今月二日、 静岡空港の運営会社の設立に参加を予定している県内の民間企業と県との間で、 初めての会合が持たれました。 これは空港の運営に民間の創意工夫を取り入れようと県が経済界に対して行った空港運営会社設立の要請に呼応するもので、 実現に向けて大きな一歩を踏み出したと言えます。
     民間の知恵と力を積極的に導入することで、 空港施設の維持管理の低コスト化やサービスのレベルアップが図られ、 利用者の利便性の向上と効率的な経営が期待できます。 昨年来の空港運営会社の設立をめぐる報道には、 空港施設内にアジアを商圏とするアウトレットモールを併設するといったアイデアなどを紹介するものもあり、 行政では持ち得ないノウハウで新しいスタイルの空港運営が行われる可能性も出てまいりました。 今回、 会合に参加したのは運営会社設立に向けて中心となる三社を含む県内企業十社ですが、 県内にはほかにも多彩なノウハウを持つ優良な企業が多く存在します。
     静岡空港をより県民に身近にするためにも、 こうした企業になるべく多く参加してもらうことが望ましいと考えますが知事のお考えを伺います。
     また、 空港は航空機の運航や施設の保安面において、 極めて高度な安全性が求められる施設です。 一概に民間活力の導入といっても、 どこまで県が責任を持って管理運営し、 どこからを民間にゆだねるかについては十分検討の上、 事に当たる必要があると思われます。 県はターミナルビルの建設も運営会社にゆだねる意向のようですが、 空港施設の管理運営における官と民の役割分担についてどのように考えておられるのか伺います。
    次に、 男女共同参画基本計画の進捗状況について伺います。
     最近、 割と食事の支度をしたり家族のものを洗濯する機会があります。 やってみると、 これが意外と楽しいことがわかりました。 こんなことで女房どもに威張られたら、 かなわんなとも思いますし、 ひとり暮らしの息子にそのことを話せば、 男だって家事をやるのは当たり前と言わんばかり。 そういえば、 今どきの若い娘さんたちはやたらと元気がいいし、 小学校の運動会などでは仲よく夫婦そろって応援。 まるで男女共同参画を絵にかいたようです。 どうやら私たちおじさんが最後のむなしい抵抗をしているようであります。
     国において、 平成十一年に男女共同参画社会基本法が施行され、 相次いで県と多くの市町村で条例が制定され、 特に県では条例をもとに基本計画のハーモニックしずおか二〇一〇が策定され、 男女共同参画社会の実現に向けた環境整備は着実に進んできております。
     しかし、 本年六月に県が実施した県民意識調査によれば、 性別役割分担意識にとらわれない人の割合は三七・九%と平成十四年度の調査に比べ一・八ポイント低下するとともに、 全国の四七%を一割程度下回る状況にあるなど、 県民の意識改革は進んでいないと言わざるを得ません。 また県と市町村の審議会等委員の女性比率はいずれも全国平均を下回っており、 女性の政策・方針決定過程への参画という面でもおくれをとっている状況です。
     そこでまず、 計画はできても県民の意識や参画の実態に進展が見られない現状を県としてどのように認識しておられるのか伺います。
     また、 取り組みの実効性を高めるには、 さまざまな施策の進捗状況などを客観的に評価し、 その結果を広く県民に示しながら、 施策にフィードバックすることが重要ではないかと思いますが、 折しも県では本年度から男女共同参画施策の検証・評価制度を導入しようとしていますが、 それらを具体的にどのように施策に反映させていくのか伺います。
     次に、 家庭における子育て支援の推進について伺います。
     平成十五年の人口動態統計によりますと、 合計特殊出生率は全国で一・二九、 本県でも一・三七と史上最悪の状況が続いており、 この少子化は長期的に見れば最大の政治課題と言っても過言ではありません。
     私の周辺でも、 子供が一人といった若いお母さんが意外と多いことに気づきますが、 話をしてみると経済的にゆとりがあればもっと子供が欲しいといった希望を持っている人が多いようです。 安心して子供を産み育てるためには児童手当の充実なども必要と思われますが、 特に乳幼児の医療費負担軽減は必要と思われます。 この時期には日常的、 また予期せぬときも含めて、 たびたび医者の世話になることも多く医療費もばかになりません。 医療費が家計に占める割合を軽減することが、 経済的支援の面でも有効と考えますが県の取り組みを伺います。
     また、 核家族化や都市化が進展する中で、 従来のおばあちゃんの知恵を生かした子育てや家族みんなで面倒を見たりすることなども減ってきているため、 子育ての知恵や情報などが極端に少なく、 悩んでいる母親も多いと聞いています。 子供は将来を担う貴重な宝であり社会全体で健やかに育てていかなければなりませんが、 まず第一に家庭における子育て支援が重要であると考えます。 そのためには子供を持つ親の不安や負担を軽減し、 ゆとりを持って子育てができるよう、 家庭での子育てをきめ細やかに支援する体制の充実が求められていますが県の対応を伺います。
     次に、 震災時の廃棄物処理対策について伺います。
     ことしは台風の当たり年とかで、 これまでに既に七個の台風が上陸して各地に深刻な被害をもたらしています。 被災された方には心よりお見舞いを申し上げます。
     七月には新潟県や福井県が豪雨災害に見舞われ、 家屋や家財道具を失った方々の悲惨な状況が報道されておりましたことは、 まだ記憶に新しいところです。 特に、 報道の映像の中で道路や空き地に排出された家財道具や畳などの災害廃棄物の山が印象に残っています。 新潟県では被害の大きかった三条市を中心に六万トンのごみが排出され、 福井県でも福井市を中心に市内で出る家庭ごみの半年分に当たる六万トンに迫る量のごみが排出されたと聞きました。 この大量のごみの山の処理に当たる住民、 行政、 ボランティアの方々の御苦労ははかり知れないものがあると思いますし、 国の補助金や特別地方交付税の充当により補てんされるとはいうものの、 莫大な処理経費は自治体にとって大きな負担となるものであり、 こうした視点からも自然災害の厳しさを改めて認識するところです。
     さて、 本県の東海地震対策の中でも、 こうした新潟県や福井県などの災害を他人事として見過ごすのではなく、 教訓として生かしていかなければならないと思います。 東海地震の第三次被害想定によれば、 倒壊や焼失による瓦れきや一般家庭などから出る生活系のごみ、 合わせて実に三千六百万トンと言われており、 この膨大な量の廃棄物を衛生面、 環境面や再利用を含めた中で的確に処理するとなれば、 十分なスペースの仮置き場が必要となります。 市町村と県が協力しながら仮置き場などの確保も年々充足しつつあると聞いていますが、 そこで震災時の廃棄物処理対策について、 仮置き場の確保を含め処理体制がどのように整ってきているのか伺います。
     次に、 農水産業の振興についてのうち、 農水産物の機能性に関する試験研究の取り組みについて伺います。
     健康増進は今後の福祉社会の推進に向けての最も重要なテーマであり、 本県でも四K施策の一つとして重点的な取り組みがなされているところです。
     本県特産の農水産物におきましても、 お茶の渋み成分に含まれるカテキン類には、 発がん抑制、 老化抑制、 コレステロール低下作用、 血圧上昇抑制効果などの多くの効能があることが、 大学等の研究により明らかにされています。 また、 うまみの成分であるテアニンには、 すぐれた精神安定作用があることが広く知られています。 温州ミカンには、 ベータクリプトキサンチンが大量に含まれており、 皮膚がんと大腸がんに対する抑制効果があることが動物実験で明らかにされています。
     また水産物では、 マグロ、 イワシなどの魚に血栓の予防や血液中の脂肪分を低下させる作用を持つエイコサペンタエン酸や脳や神経組織の発達機能を維持する作用を持つドコサヘキサエン酸が豊富に含まれていることが既に明らかになっています。
     これら数多くの健康によいと言われるすぐれた機能性を持つ本県の農水産物が、 消費者から注目を受け購入されることにより、 消費の拡大につながることになれば、 農水産物の生産振興に果たす役割は極めて大きなものになると考えます。 それには、 これらの成分が確実に効能があるといったことを立証するための、 さらなる試験が必要となるだろうと思われます。 県の試験研究機関での研究、 関係機関との連携などに加え県民挙げてそれを立証するなどというのはどうでしょうか。
     本県は全国有数の長寿県という実態を見ますと、 そうした身近にある機能性食品をふんだんにとっていることも原因の一つとなっていると思われます。 そこでもう少し発展させて、 例えばお茶農家にはお茶を、 三ケ日などのミカンの町の人にはミカンを、 焼津の人にはマグロやイワシをふんだんにとっていただいて健康との因果関係を調査していく。 その結果、 お茶やミカンを多くとった地域では、 やっぱりがんの発生が少なかったよとか、 焼津の人は血液さらさらで頭がいいなどということになれば、 消費の拡大は間違いないし生産振興にも大きな役割を果たすのではないでしょうか。 県における本県農産物の機能性に関する研究の状況と今後の取り組みについて伺います。
     県産米の生産流通戦略について伺います。
     国は水田農業の未来を切り開くことを目的として、 米政策大綱を定め本年度から需要に即した売れる米づくりを基本目標とする新たな米政策を展開しています。 また食糧法の改正により、 米の流通が自由になるなど、 長年国が価格形成に関与してきた米においてもいよいよ本格的に市場原理が導入されることになりました。
     この新たな政策を受け、 全国各地で独自の発想や創意工夫による売れる米づくりの取り組みが進められており、 品質重視でばらつきのない米づくりに取り組む秋田県の農協や台湾へのヘルシー米輸出をもくろむ島根県の産地など、 市場の動向をキャッチした米づくりや新たな市場開拓の取り組みが展開されていると聞いています。
     本県は消費量の三分の二を他県から購入する典型的な消費県であり、 総務省の統計では静岡市は米の購入量、 支出金額がともに全国トップレベルであり、 全国の米産地の売り込み攻勢の格好の標的となるものと思われます。 新たな米施策が展開され産地間競争が始まった今年度から三カ年が、 全国の米産地の今後の勢力図を描く極めて重要な時期であるとも言われています。
     このような状況の中で、 本県におきましても昨年度、 静岡産米の生産流通戦略を策定し、 消費者ニーズの高いコシヒカリや、 農業試験場育成の 「なつしずか」 の作付面積の拡大などを通じて、 地産地消に基づく売れる米づくりを推進すると伺っておりますが、 このような県の取り組み方針や戦略を一刻も早く稲作農家や消費者にまで浸透させることが重要であると考えます。 県は激烈な産地間競争が予想される中、 静岡県産米の生産流通戦略の目標達成に向けて、 具体的にどのような施策を展開していこうとするのか伺います。
     水田営農の担い手の育成について伺います。
     WTOの農業交渉は去る八月一日に枠組み合意に至りました。 その結果、 農産品はさらなる関税率の削減が求められ、 米などの重要品目についても一定の関税引き下げが将来避けられないだろうとの関係者の一致した見解です。
     国はWTOやFTAでの交渉の進展を視野に入れながら、 国内農業の再編と国際競争力の強化を目指して、 プロ農家に助成を集中する日本型の直接支払いの検討を加速化したと伝えられています。 また平成二十二年までに、 水田面積の六〇%を担い手が耕作することを目標に、 認定農業者や集落経営体などに農地の集積や補助金を集中することで、 効率的かつ安定的な経営体を育成することとしております。
     本県の水田農業の現状を見てみますと、 中遠地区を中心に十ヘクタール以上の大型稲作農家も増加の傾向にあるとはいうものの、 まだまだ一ヘクタール以下の小規模農家が大半を占め、 農地の集積には課題が山積みしていると言えます。 今後は当面する産地間競争の激化に対応するとともに、 中期的には米価の低下も視野に入れ、 水田農業の抜本的な構造改革を進めることがこれまでにも増して重要になると考えられます。 既に磐南地区の水田百九十ヘクタールを稲作農家十七名に集積する取り組みや細江町の水田貸借、 作業受委託組織の育成などの活動が見受けられるようになりましたが、 まだまだ緒についたばかりという印象はぬぐえません。
     県は国内の産地間競争ばかりか国際競争をも求められる中、 増加しつつある大型稲作農家をいかにして効率的かつ安定的な経営体に導いていくのか、 また大型稲作農家のいない地域の水田営農をどのような方向に導いていこうとしているのか伺います。
     次に、 土木行政についてのうち、 渋滞解消への取り組みについて伺います。
     本県は我が国の交通の大動脈である東名高速道路、 国道一号が通過し、 東京、 名古屋、 大阪の三大都市圏をつなぐ重要な位置にあることから、 通過交通が多く、 静岡市や浜松市などの主要都市付近や天竜川などにかかる長大橋付近を中心に大きな渋滞が発生し、 私たちの日々の暮らしに多大な影響を及ぼしています。 また伊豆地域などでは休日等に観光交通が幹線道路に集中して各所で大きな渋滞が発生し、 観光で訪れる方のみならず地元住民の円滑な移動を阻害しています。
     国が平成十四年度に試算した渋滞による本県の損失金額は、 全国平均のほぼ二倍の年間約五千億円にも達しており、 これは東京都、 愛知県、 大阪府、 埼玉県、 神奈川県に次ぐ全国ワースト六位となっております。 このような状況を踏まえ、 県は渋滞解消や緩和を図り産業や経済の発展に資するため、 現在、 第二東名自動車道を初めとする高規格幹線道路や国道一号バイパスの整備の促進に向けて取り組むなど、 大変頑張っていると認識しているところであり、 今後もより一層の努力をお願いするものであります。
     一方で、 私たちの身の回りを見てみますと暮らしに密着した身近な道路においても、 渋滞や混雑は依然として多く通勤通学時のバスのおくれによる時間のロスや、 のろのろ運転のいら立ちなどから不注意となり事故に至るなど、 快適で安心な暮らしを実現していく上で渋滞に起因する支障が生じています。
     そこで、 暮らしに密着した県道など身近な道路の渋滞の解消や緩和について、 これまでの取り組みの状況並びに今後の対応について当局の考えを伺います。
     河川災害防止への取り組みについて伺います。
     先ほども申し上げましたとおり、 ことしは次々と台風や豪雨に見舞われ、 全国各地で例年になく大規模な被害が頻発し、 死者・行方不明者や家屋への浸水被害などが多数出ました。 ことしの被害の特徴は、 犠牲者の中で災害弱者と呼ばれる高齢者がその多くを占めていることです。
     新潟、 福井の豪雨災害では、 死者・行方不明者十六名のうち十名が七十五歳以上の高齢者であり、 避難がおくれたことによる溺死と思われる方が約半数を占めております。 マスコミもこうしたことに注目し、 多くの犠牲者を出した自治体と、 早目の避難行動により人的被害を未然に防いだ自治体との防災に対する取り組みの差を指摘する報道をするなど、 これまでになく洪水時の避難誘導態勢、 災害時の情報提供など、 地域における防災力が問われています。
     近年、 地球温暖化の影響からか、 雨の降り方が異常になってきているような気がいたします。 静岡市では昨年七月に続く二年連続の記録的豪雨となり、 新潟や福井では想定外の豪雨により、 県管理河川の堤防が決壊し被害が甚大なものとなっております。 こうした状況から、 国では緊急の堤防の安全点検を各県に指示したと聞いております。
     そこで、 異常気象時の情報提供について、 県の果たす役割と取り組みの状況及び本県における堤防の緊急点検の状況と、 それを踏まえた今後の対応について伺います。
     次に、 都市緑化の推進について伺います。
     私の住むところは、 十分過ぎるほどの緑に恵まれており、 暑かったことしの夏でも夜になれば涼しい風が入り、 エアコンは一度も使いませんでした。 しかし、 都市に住む方は恐らくエアコンなしではもはや生活できなくなってきているのではないでしょうか。
     都市におけるヒートアイランド現象が社会問題となっている中で、 環境に対する国民の意識が高まり、 緑化の推進など、 自然環境と調和した快適な都市空間の実現が求められています。 県ではヒートアイランド現象の緩和策として、 屋上緑化や壁面緑化に対する補助制度を設けているほか、 都市公園整備に対する助成など、 都市緑化の推進に取り組んでいるところでありますが、 これらの推進を図る上で、 公共施設の緑化ばかりでなく、 住民の緑化意識の向上や緑化技術の普及啓発が重要と考えます。  今年度は本県において、 浜名湖花博に合わせてさまざまなイベントが行われており、 第二十一回全国都市緑化しずおかフェア関連事業では、 都市緑化の推進を図るために、 秋篠宮同妃両殿下の御臨席を賜り、 全国の都市緑化関係者が参加した全国都市緑化祭や市民による緑のまちづくりを目指して浜松市内で開催された都市緑化フェア記念フォーラムなど、 都市緑化関連イベントが多く行われました。 これら一連のイベントは、 浜名湖花博の期間中に行われたことにより、 これまで他県で開催された都市緑化フェアでは見られないものとなり大いに盛り上がったと聞いております。
     そこで、 このようなイベントの開催で得られた成果を本県の都市緑化の推進にどのように生かしていくのか伺います。
     次に、 県西部地域における光技術関連産業集積に向けた取り組みについて伺います。
     本県西部地域におきましては、 繊維、 楽器、 オートバイなど、 我が国経済を支える産業群を形成しており、 近年では自動車関連産業が地域経済を牽引しております。 これらの産業は地域資源や地域の持つ技術や人材の基盤の上に築かれたもので、 今後とも当地域が発展していくためには、 不断の技術開発による技術の高度化と新たな技術に対応できる人材養成が必要であることは改めて言うまでもありません。
     県におきまして、 光技術を将来の先端的な基盤技術として、 地域結集型共同研究事業や知的クラスター創成事業などに取り組んでおられることは、 地域特性を踏まえたものとして高く評価するとともに期待をしております。
     特に近年、 計測、 通信、 加工、 医療、 農業など、 幅広い分野に応用可能な光レーザーを使った製品が我々の身の回りにあふれております。 例えば家電として普及しているCDやMDプレーヤー、 レーザープリンターを初め、 顕微鏡や光ファイバー通信など、 主に計測や通信分野での応用が図られておりますが、 これらのレーザーは出力が一ワット以下のものですが、 今後国産の大出力半導体レーザーシステムの開発が進めば応用分野はさらに広がるものと考えられます。 半導体レーザーは既存のレーザーに比べ、 投入した電力をレーザー光に変換する効率が高く、 ランニングコストが十分の一以下と大幅に軽減でき、 小型で使いやすいものとして、 溶接、 切断、 穴あけ、 模様づけなど、 自動車部品製造などに幅広く活用できるものと期待されていると伺っています。
     そこで、 光技術関連産業の振興、 特に半導体レーザーを活用した地域企業の実用化、 製品化への取り組みへの支援の状況と、 これらの技術を普及するための人材育成をどのように進めていこうとしているのか伺います。
     次に、 天竜養護学校の高等部教育について伺います。
     本県の病弱養護学校は、 東部養護学校川奈分校と天竜養護学校の二校あり、 高等部が設置されているのは天竜養護学校だけです。
     病弱養護学校に在籍する生徒は、 以前は結核などで入院治療をしている者が多かったのですが、 ここ数年の顕著な傾向として心身症傾向の生徒の割合が増加していると聞いています。 虐待等により心身症等の様相を呈する児童生徒が多く見られたり、 さらには情緒面の不安定さやコミュニケーションがうまくいかないといった問題を抱えたり、 何らかの神経疾患による不登校の状態にある者など、 個別に対応しないと集団生活が円滑に行われないといった子供が増加し、 医療と連携した教育を必要とする児童生徒がふえている現状があります。
     天竜養護学校では、 天竜病院との連携を図りながら教育が行われており、 高等部卒業後は専門学校や大学に進学する者もふえるなど、 医療と教育の連携が病気の改善に大きく貢献しているものと考えます。 また保護者からは、 天竜養護学校は、 子供だけでなく親の気持ちも理解し支えてくれる存在であるという声も聞いており、 まさに病弱教育の成果がうかがえるものです。
     静岡県教育計画人づくり二〇一〇プランの中でも、 「一人一人の状況を的確に把握し、 医療と福祉との連携を図りながら、 より専門的な教育を行うことにより、 明るく元気で安全な生活を送る態度を育てる」 と明言されており、 天竜養護学校はそれを確実に実践していると言えます。
     そこで、 天竜養護学校の高等部の受け入れについて伺います。 病院で治療を受けながら、 高等学校の学習をしたいと願う生徒がふえていると聞いています。 現状では一学年定員九人の高等部において入学希望者が多く、 三学年とも九人以上の生徒が在籍しているとのことですが、 この状況を踏まえ教育委員会はどのような対策を検討しているのか伺います。
     最後に、 事業所に対する防犯対策について伺います。
     ことし上半期における県内の刑法犯の発生件数はおよそ三万件で、 その七七%が窃盗犯であると聞いています。 その中で、 県内の事業所をねらった窃盗犯の状況を見ると、 東部の天井に穴をあけて侵入し、 釣り道具を使用してパソコンなどの家電製品を盗んだ事件、 市役所の窓ガラスを割って現金を盗んだ事件、 西部でのカー用品店の出入り口にコンクリート片を投げつけて壊し、 中のカーナビなどを盗んだ事件など、 いずれも荒っぽい手口であり、 犯罪の組織化、 凶悪化がますます進んでいる実態を見るにつけ、 盗みもここまでやるのかと大変な危機感を持たざるを得ません。 未解決の事件に関しては、 犯人を早急に検挙し厳罰に処することを期待します。
     しかし、 事業所は夜間は無人が多く、 中には現金や高価な商品があるとしたら、 そのことを承知で事業者がそれなりの心構えや対策をとることにより、 被害を未然に防いだり最小限に食いとめることは可能であり、 その努力も当然求められることと思います。
     本県においては四月に静岡県防犯まちづくり条例が施行され、 県、 県民、 事業者の責務が明確となり、 これらの者が一丸となって防犯まちづくりを推進して、 安心・安全な暮らしができる社会に向けてスタートしたところです。 条例制定から半年を経過しようとしている今日、 個人や地域での防犯意識の高まりや取り組みは徐々に広がりを見せているようでありますが、 事業所についてはその活動、 取り組みといったものがなかなか私たちには見えてきておりません。
     そこで、 警察から事業所に対する防犯対策は、 具体時にどのようなもので、 その進捗状況はどうか、 さらに今後の取り組みについて伺いまして、 一たん私の質問を終わります。 (拍手)
    ○副議長 (八木健次君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  野澤議員にお答えをいたします。
     初めに九月の補正予算についてであります。
     九月の補正予算につきましては、 当初予算を年間総合予算として編成したこと、 また補正予算として活用可能な財源も限られていたことから、 必要最小限度の規模にならざるを得ないということで臨んだわけでございます。 編成作業の過程で、 平成21初め議会各会派からの申し出もちょうだいいたしまして、 これらを踏まえながら、 緊急に実施をする必要のあると判断されたものに絞り込んで予算案を編成した次第でございます。
     具体的には、 県有建築物の耐震性能の公表に伴い必要となった耐震化事業でありますとか、 あるいは乳幼児医療費助成の対象年齢拡大などの福祉医療費助成制度の改正とか、 県立総合病院のPETセンターの整備、 あるいは緊急地域雇用創出特別交付金の中小企業枠を活用した雇用創出事業とか、 今後の合併を踏まえた出先機関の再編成の中で必要となってまいります地域防災局――仮称でありますが――この体制に必要な施設整備、 あるいは通学路整備などの交通安全対策や災害対策に重点化した県単独生活環境整備事業など緊急の課題に対応した予算案となっております。
     補正予算を賄う財源でありますけれども、 あくまで健全財政の枠組みを維持するという中で、 来年度以降の財政運営も考慮しながら県債の活用を極力抑制するとともに財源調整のための基金の取り崩しは行わないことといたしまして、 国庫支出金、 繰越金、 増額決定された普通交付税などを活用して編成したところでございます。
     次に、 私の政治姿勢についてのうち、 まず全国知事会の役割についての問題であります。
     地方分権の推進が大変重要な課題となっている現在、 全国知事会の責務は極めて大きく、 知事の力を結集しながら体制や活動を強化し諸課題に取り組んでいく必要があると考えております。 昨年来、 全国知事会ではこうした状況を踏まえ、 政策提言型、 情報発信型の組織に変えるための自己改革に取り組むとともに、 知事会会長直属の研究会などを設けて機動的な政策提言活動を活発に行っており、 地方行財政をめぐる厳しい環境変化にそれなりに対応しているものと感じております。
     しかし、 これまでの過程をもう少しつぶさに振り返りますと、 例えば私が直接責任者の一人としてかかわりました自然災害の被災者住宅再建支援制度、 これの政府への改善要望、 それを受けての政府の決定に対する知事会としての評価並びにその評価を受けての基金の拠出などをめぐりまして、 知事会四十七都道府県の中の意見が必ずしも全会一致に至りませんで、 たび重なる会合の末、 多数決で、 四十六対一の採決で、 とりあえず基金の積み立てを決定したわけであります。
     しかし、 全国知事会としては仮に多数決で決めても、 例えば各都道府県の支出を伴うようなものについては強制力はございませんので、 反対に回った団体の最終的な意思決定、 これは予算案を議会に提出し議会で承認をされて初めて拠出が可能になるわけでありますけれども、 そういうことについて全国知事会としては踏み込むことができませんので、 ただ全国知事会として四十六対一で決定をしたと、 その決定の重みをどうその一つの反対していた団体が受け取るか静観をせざるを得ないわけでありましたけれども、 まあどうにかこの団体も最後は補正予算を計上して、 知事会側の要請にこたえるということになるようでありますので、 結果としては全国知事会として全団体が、 この災害支援制度の拡充について歩調をそろえて前に向くということになったわけでありますけれども、 実はこういう結論に至るまでにかれこれ二年余かかっているわけであります。
     この全国知事会が、 基本的には権利能力なき社団でありますし、 それの強制力を構成メンバーに及ぼし得ないという限界も感ずるわけであります。 三位一体改革の問題に係る政府からの要請にこたえた地方団体側の意見提出に当たっても、 いろいろな面で意見が分かれました。 これは多数決と、 それから反対意見を併記するということでもって乗り切ったわけでありますけれども、 今後、 これから分権型社会がどんどん進むにつれて、 全国知事会が全会一致で何か事を決めて何か行動するということが、 ますます難しくなるじゃないかという気配を色濃く残したことになっております。
     分権ということになってまいりますと、 当然そういうことは起こり得るわけでありまして、 これは、 嘆かわしいことではないのかもしれませんけれども、 まだ完全な分権社会になっていない途中段階で、 意識の面ではもうそれぞれの自己主張を絶対改めないと、 仮に全体で決定しても従わないというような、 そういうことも発生するような状態の中では、 これからなかなかこの全国知事会の運営も大変になるんじゃないかなという感じもいたします。
     しかし、 あきらめたら事は成就いたしませんので、 今後ともできるだけ分権の問題に関しては全会一致で政府と対応していけるように努力をしていきたいと思います。 私も十一年、 この全国知事会にかかわっておりますけれども、 当初のころと比べるとさま変わりしているという感じは痛感をいたします。 今後、 どのような変化をしていくか、 ある意味では楽しみでもあるわけでありますけれども、 期待される機能がちゃんと発揮できるように努力をしていきたいと考えております。
     次に、 義務教育費国庫負担金改革でございます。
     これについては、 もう既に地方団体の決定をする過程の山場でありました八月十八、 十九日の全国知事会議の様子は、 衛星放送を通じて全国の自治体にもすべてこの経過が放送され、 関心のある方々はこれをごらんになられたというようなこともきっかけになりまして、 大変関心を持ってこれは見守られておりました。 加えて結論が出て国に提出をした結果、 文部科学省、 あるいはこの問題に関心を持つ国会議員の方々から大変大きな反響が出てまいっておることは事実でございます。
     これに対して、 これからいろいろ議論が交わされて、 いい結論、 地方団体側からすると期待したような結論が出ることを望むわけでありますけれども、 この問題の議論の中で、 私は教育水準の保障と財源調達の仕方は本来別の問題としてとらえるべきであるというのが、 まずは議論の出発点であります。
     この義務教育費国庫負担問題については、 過去に大変似たような、 ほとんど似たような状態に陥って議論が詳細に闘わされております。 特に戦後の昭和二十四年のシャウプ勧告を契機にして、 この義務教育の国庫負担をどうするか、 大変激しい議論が国会で闘わされて今日に至っております。 そのころの議論を振り返ってみますと今日始まりました議論と全く同じ議論、 賛成側も反対側もですね、 全く同じ論旨で議論が闘わされておりまして、 歴史っていうのはどういうことなのかなと。 我々はとかく過去にあったことは教訓として次の局面に移るんだというふうに歴史を見がちでありますけれども、 五十数年たってみても当時と全く同じ議論に物すごいエネルギーを使ってやってるわけです。
     状況が変わっておれば、 それもそれなりに意味があるわけでありますけれども、 議論の発端になりますいろんな条件、 状況は余り変わっていないのに、 同じような議論がされてるということに気づいて、 何となくやる気じゃなくて、 非常に悲しい気持ちに襲われるわけでありますけれども、 そんなことを言って負けてはおられませんので同じ議論の蒸し返しであっても、 もう一度きちんと発言をして、 より分権に即した体制の実現に向けていきたいと思います。
     要は三位一体改革ということでありますから、 仮に義務教育について国庫補助負担金が廃止されても、 これは個別の文部科学省による財源の付与という仕組みから、 総務省は所管しますけれども地方税と地方交付税のトータルで、 財政トータルとして保障すると。 個別の分野ごとの支出保障じゃなくて、 それも含んだ総トータルとして地方財政総トータルとして保障する、 そういう仕掛けに変わる。 すなわち直接的な保障から間接的な保障に変わる。 間接的な保障の中で、 それぞれの自治体がどのような見識でもって与えられた財源を活用するか、 これこそ分権の理念に即した体制であるわけです。
     そういう中で、 本当にどういう現実が発生するのか、 それはそれぞれの自治体の責務であります。 加えてこと義務教育については国と地方団体が同じように責務を持っているわけでありますから、 国は国として本当に義務教育がある一定のレベルで保持されなければならないとするならば、 やることはいっぱいあるわけでありまして、 今日まで本当にやるべきことを本当にやっていたのかなと。 お金の面はただ配るだけの話です、 計算をして。 それでもって義務教育を支えてきたっていうのは、 えらい言いがかりじゃないけど言い分だなというふうに思えるわけであります。
     私はカリキュラムの決定から教科書の検定、 あるいは実際の学力が本当にどこの地域におっても最低限のレベルが保たれているかどうかの検証など、 国として義務教育の責務を負うと言うならばやるべきことはいっぱいありますけれども、 本当に戦後の六十年間近い義務教育制度の中で、 そのようなことが文部科学省によって十分達成されてきたかどうか、 相当反省をしていただかなきゃいけない部分もあると思うんです。 それは、 そういう状態だから、 お金を配る権限がなくなったら余計だめになるなんていうんじゃなくて、 お金を配ろうが配るまいが、 実はやるべきことはちゃんとやられたかどうかと。 お金がちゃんと配られておるから、 この程度でとまったっていうふうに評価するような問題ではないように思うわけでございます。
     そういうことでありますので、 今後も過去においていろいろ闘わされた議論はもう一度私自身としても振り返って整理をした形で、 世に問うべきときはどんどん問うようにしていきたいと考えております。
     次に、 知事のトップセールスの問題についてであります。
     大交流時代を迎えて国内外にわたる地域間競争が激化する中で、 本県の特色や魅力を幅広く知ってもらうためのPR活動は何よりも大切であると考えております。 このような活動の中で、 いわゆるトップセールスというのは、 学術文化、 観光、 経済の交流、 空港や港の活用など多岐にわたって行われております。 この重要性につきましては、 先般、 私がアメリカを訪問した際に改めて痛感をしたところでございます。 またIR活動を通じてもそのようなことを痛感をしております。
     そしてまた、 昨日はアメリカの中西部地域と日本との交流の会議、 これは主として民間人同士の力によって過去三十五回開催されて今回は三十六回目、 日本で行われたわけでありますが、 その座長を務めております茂木友三郎キッコーマンの会長の方からの要請もございまして、 私もいい機会だからと思って出席をいたしてまいりました。
     私が六月に訪問いたしましたネブラスカ州などもこの中西部地域に入るわけでありまして、 同州知事は残念ながら今回は欠席でありましたけれども、 カンザスとかアイオワとかウィスコンシンとか、 その州の知事が出席しておりました。 日本側からは、 私以外に千葉県の知事と埼玉県の知事、 三人が出席をいたしまして、 それぞれにスピーチの機会をいただいて本県のアピールも私はそれなりにできたと思うのでありますけれども、 そういう場を通じて直接いろいろな影響力ある方々に情報を発信するということも、 極めて大事であるというふうに痛感をしております。
     今後、 いろいろな機会をとらえて本県のさまざまな特性とかすぐれている点、 これを大いにPRを先頭に立ってやってまいりたいというふうに思います。 その際に打ち出し方ですね、 俗に言うプレゼンテーションの仕方、 これも非常に重要であるということをいろんな経験を通じて痛感いたします。 この面ではまだまだ我流で見よう見まねでやってるんでは限界があるなということを感じますので、 今後、 プレゼンテーションをどういう場でするかによって、 専門家の助言とかアドバイス、 あるいは力添えなどももらいながら、 効果的なPR活動をする必要があるなというふうに感じているところでございます。
     次に、 富国有徳のくにづくりとイベントについてであります。
     富国有徳の魅力ある地域づくりを実現するためには、 多くの人々の知恵を集めて新しい価値を創造していくことが重要でありますとともに、 県民、 NPO、 各種団体及び企業等との協働による取り組みが不可欠であります。 この具体的な実践の場の一つとして、 イベントは大変有効な方策であると考えております。 イベントの開催により、 本県の魅力の国内外への情報発信や地域のにぎわい創出などに加えて、 特に県民と行政の協働による取り組みについては、 伊豆新世紀創造祭への参加団体がNPOを結成して新たな地域づくりを進めたり、 あるいは一連のイベントを支えるために誕生したボランティア活動がさまざまな分野に広がり活発に行われるなど、 イベントで培われたノウハウやエネルギーは着実に受け継がれ地域の活力となってきております。
     現在開催中の浜名湖花博においても、 生産者や造園関係者、 ボランティアなどとの協働により、 すぐれた展示と高品質のサービスが提供され、 高い評価を受けるとともに花卉産業の振興に向けた取り組みは着々と地域に根づいておると実感しております。 今後も、 ねんりんピックやユニバーサル技能五輪、 国民文化祭などを通じて、 イベントの持つ情報発信効果や経済波及効果、 さらに人材育成効果などさまざまな効果をより有効に発揮させることによって本県の活力を高め、 魅力のある地域づくりの実現を目指してまいりたいと考えております。
     特に、 地域の魅力の中でこれから非常に私は重要になってくる要素として、 その地域を訪れた人にとってみて、 あらゆる観点で洗練されているかどうか、 あるいはしゃれているかどうかという言葉で言いかえてもいいかもしれません。 あるいは最近の英語を活用すればクール――格好いいっていうんでしょうかね、 そういう感じをいかに与えるかっていうのは極めて私は重要だというふうに思います。 我々が、 じゃ例えばパリを訪れたときなんか、 何となくそういうイメージがありますね。 これはあこがれにつながっていくわけでありまして、 あこがれるところには人々がどんどんどんどん押しかけるわけであります。 喜んで押しかけるわけです。
     我々は今後、 大交流時代の中で人々の交流を強制的にここへ引き寄せることはできません。 魅力で引き寄せる。 魅力の要素が何かっていうと、 歴史的な非常に深みのあるとか、 たくさん遺跡があるとか、 こういう要素もございますが、 これはある意味では地域的な資源として努力のしようもありませんがね、 今後、 我々がさらにその上でするとすれば、 努力によって魅力を高め得るものは何かっていうと、 私は非常に洗練されていること、 しゃれていること、 クールであること、 こういう要素が非常に大事だと思います。 イベントはそういう意味の魅力を磨き上げるに格好な機会であるというふうに思います。
     木村尚三郎先生が人がたくさんやってくるということになると、 自分の家内は私だけと暮らしているときには化粧しないのに他人様が来るっていうと化粧すると、 きれいになると、 木村先生の例えですよ。 例えばそういうふうに見られるように、 必ずやはり外の人に対しては何か魅力を持たそうっていう我々は装いをしますよね。 イベントの場合、 そういう効果が非常にあるわけで、 これが積み重なっていくと知らず知らずのうちに他から見ても、 もうこの地域は一段と他と違ってスマートだな、 クールだな、 洗練されてるなっていうふうになってくると思います。
     そういう目で最近あちらこちらで地域の特産物を加工して販売したり、 あるいは飲食店で出したりとかいうことが盛んに行われておりますけれども、 これを見てまいりますと、 そういう経験を積めば積むほど洗練されてくるということが如実に比較して感ぜられるわけであります。
     私は静岡県全体のイメージがこういうことを積み重ねていくことによって確実に上がってくると。 それは例えば昨年の国体あるいは障害者スポーツ大会、 これを通じても他県の人に対して、 私はすごい静岡県の洗練された力を、 魅力をアピールできたように、 他県から来場した人のいろんな感想ですね、 これをいろいろお話を通じて反応をうかがってそういうふうに感じた次第でございます。
     今回の花博もおかげさまで非常にすぐれた内容で順調に推移しつつありますけれども、 この中身を見ましても四年前の淡路花博と比べて、 私は単に花の数が密度が多い高いだけにとどまらずに、 全体のしつらえとか運営が物すごい程度が上がっていると、 これは向こうのいろんな反省をいろいろ我々うかがって、 その教訓を生かしたわけでありますけれども、 そういうことが実現をしてきたのも、 一方でいろんなイベントをずっとやってきたことも相まっておるというふうにも思うわけでございます。 今後ともこういうことに着目しながらイベントそのものが効果があると同時に、 その波及効果の方が私はもっと大事だということを考えながら、 立派にやり遂げてまいりたいと考えておるところでございます。
     次に、 空港についてのうち、 まず用地の取得の問題であります。
     空港建設にいまだ御理解をいただけない、 もともとの地権者四世帯の方々に対し今月初めにお手紙を差し上げました。 地権者の御自宅に伺って、 お話し合いをするきっかけをその場でお願いしたいという内容のものでありましたけれども、 先ごろ回答が、 返事が届けられまして、 「手紙、 来訪等による話し合いについての依頼はやめてほしい」 というものでございました。 こういうふうに大変厳しい状況でございまして、 今後、 どのようにこの状況を打開するか、 まだなかなか名案も見つからない状態でありますけれども、 私としては時間の許す限り、 ぎりぎりまで地元を初め関係の皆様の御協力をいただきながら、 円満解決に向けて努力をしていくつもりでございます。
     しかしながら一方で、 いたずらに時間を経過して開港時期をおくらせるということも許されないと考えますが、 それじゃいつまでになったら具体的な土地の取得に向けての認められておる土地収用法事業認定手続をするのかということが焦点になってこようと思いますけれども、 十一月までにはその判断をせざるを得ないと考えております。 くどいようですけども仮にそうした手続に着手した場合であっても、 話し合いによる用地取得の道は閉ざされておるわけではありません。 あるいは私の方から閉ざしているわけではありませんので、 今後、 話し合いによる円満解決の努力は並行して進めていく考えでございます。
     次に、 民間活力の導入であります。
     空港運営会社の設立に向けまして、 去る九月二日の打合会に出席した県内企業十社の実務者により構成されるワーキンググループの場で、 今後、 空港運営会社の事業範囲等について具体的な検討作業が行われることになっております。 県内企業の参加につきましても、 今後、 具体的な申し出があれば、 こうした場を通じて関係者間で検討が行われることになるものと考えられますが、 県といたしましては多彩なノウハウを有する優良な企業が、 出資という形式に限らず、 さまざまな形で空港運営会社に参画され、 空港運営のより一層の効率化が図られることを期待しているところでございます。
     また、 静岡空港は空港整備法に基づいて県が設置、 管理するものであり、 滑走路やエプロン等の空港基本施設について最終的な管理責任は県が負うということになっております。 その前提のもとで、 具体的な業務について可能なものは極力空港運営会社にゆだねていきたいというふうに考え、 そういう線に沿って検討しているところでございます。
     ターミナルビルについては、 航空旅客や航空貨物に対して利便を提供する施設でありまして、 他の地方空港では第三セクターが建設し管理運営を行っております。 静岡空港については、 空港運営会社が建設及び管理運営を行うことを想定しているところであります。 すなわち第三セクターでないと認められないというものでもありません。 直営で行っても民間に委託してもよろしいと。 民間に委託する場合の民間は、 全くのどこか応募して会社を選ぶ場合もありましょうし、 第三セクターをつくってやる場合もありましょうし、 今回は本県の場合はそういう方式をとらないで県内の関係者に会社をつくっていただいて運営していただこうと、 そういう方式をとったところでございます。
     県といたしましては、 今後ともこうした基本的な考え方を念頭に置くとともに他空港における実務の取り扱い事例等も参考にしつつ、 官民の役割分担の具体化に向けて十分な検討を進めてまいりたいと考えております。
     次に、 家庭における子育て支援の推進についてであります。
     少子化が進行する原因の一つとして、 子育ての経済的負担の重さが指摘されておりますことから、 子育て家庭に対する経済的支援の充実、 とりわけ医療費負担に対する支援は有効な施策と考えております。 県ではこれまで子供の疾病の早期治療を促すとともに、 子育て家庭の経済的負担を軽減するため乳幼児医療費助成制度の充実に実施主体である市町村とも協力して努めてまいりました。 今般も平成十六年十二月から、 通院についても助成対象を未就学児までに拡大するなど、 制度のなお一層の拡充を行うこととし、 これに要する経費を九月補正予算でお願いしているところであります。
     一方、 核家族化や都市化が一層進んでいる中で子育ての世代間伝承が十分に進まず、 子育てに関する的確な情報も得にくいことから、 育児に不安を抱く母親への支援が強く求められております。 こうしたことから母親の負担を少しでも解消するために、 県内百三十三カ所の地域子育て支援センターで子育て相談に取り組むとともに、 乳幼児を持つ親とその子供が気軽に集い、 交流を図るつどいの広場事業などを推進するほか、 養育が困難になっている家庭に対して訪問により育児や家事の援助を行うなど、 家庭での子育てに対するさまざまな支援を進めてまいります。
     県といたしましては、 次代を担う子供の健やかな成長と子育てが大切にされる安心社会を目指すため、 現在策定を進めている次世代育成支援対策推進法に基づく県の行動計画に、 家庭で子育てが安心してできるさまざまな施策を盛り込み確実に推進してまいりたいと考えております。
     次に、 県西部地域における光技術関連産業集積に向けた取り組みについてであります。
     光技術は、 ものづくり産業を初め医療、 環境、 農業など多様な分野に応用できることから、 既存産業の技術の高度化や次世代を担う新産業の創出に大いに寄与できるものと考えております。 平成十二年度から開始した地域結集型共同研究事業は四年目を迎えて、 レーザーシステムの試作機が完成するとともに地元企業が各種半導体レーザー溶接システムを製造、 販売するなどの成果が上がっております。
     県といたしましては、 浜松工業技術センターに設置したレーザーシステムの産業応用研究を進めますとともに、 レーザーの新分野への活用を目指す地域企業に対してはレーザー使用を開放し、 実用化に向けた研究が円滑に進むよう技術的支援を実施しているところであります。 さらに、 今後新製品の開発を目指す企業に対しましては、 各種研究助成制度や制度融資の活用の促進に努めてまいりたいと考えております。
     また、 光技術関連産業の集積を図るためには、 レーザーに習熟した人材の養成が必要でありますことから、 浜松工業技術センターでは、 昨年度、 二百名以上の地域企業の技術者に対して実習を行っております。 今後さらに人材のすそ野を広げるために、 地元の高校やテクノカレッジの生徒も対象に加えてまいりたいと考えております。
     その他の御質問につきましては、 関係部局長、 教育長から御答弁申し上げます。
    ○副議長 (八木健次君)  後藤生活・文化部長。
            (生活・文化部長 後藤和英君登壇)
    ○生活・文化部長 (後藤和英君)  男女共同参画基本計画の進捗状況についてお答えいたします。
     本県では市町村の条例や計画策定が年々高まるなど、 男女共同参画社会実現に向けての枠組みづくりは全国と比べても着実に前進しておりますが、 県民の意識改革や参画の実態は、 以前よりは進んでいるものの不十分であると考えております。 県では、 これまでも多種多様な情報誌やトップセミナーなどを通した啓発に努めてまいりましたが、 県民意識の向上等の成果が満足できるものではないため、 今後はさらに、 しずおか男女共同参画推進会議や市町村等と連携し原因の解明を図るとともに、 啓発対象の絞り込みや手法の一層の工夫など、 より戦略的な取り組みに努めてまいります。
     次に、 検証、 評価の施策への反映でありますが、 施策の進捗状況や目標数値の達成度などの県の内部評価をもとに、 男女共同参画会議に外部評価をお願いし、 この九月二十一日に、 「ある程度の成果は認められるが十分でなく、 積極的な取り組みが必要」 との評価や新たな課題や不足する施策に関する多くの御提言をいただきました。 今後、 評価の低い項目につきましては、 関係部局や民間団体のより一層積極的な取り組みを促していくとともに、 女性のチャレンジ支援や男性相談の実施などの御提言につきましても具体的施策に反映させてまいります。 また、 この評価結果は今年度初めて発行する男女共同参画白書の中に盛り込み、 県民の皆様に公表することとしております。
    ○副議長 (八木健次君)  花岡環境森林部長。
            (環境森林部長 花岡志郎君登壇)
    ○環境森林部長 (花岡志郎君)  震災時の廃棄物処理対策についてお答えいたします。
     震災時に発生する廃棄物を円滑に処理するため、 阪神・淡路大震災を教訓に、 平成七年から九年にかけて市町村が迅速かつ的確に処理するためのマニュアルの策定や広域的な支援体制として中部九県一市や関東一都九県の災害応援協定が締結されております。 また平成十三年三月には、 県内市町村間において廃棄物処理に係る災害時等の相互援助協定も締結され、 毎年実施している防災訓練の結果などをもとにしてマニュアルの改訂も行っているところであります。
     震災時の廃棄物のうち膨大な量が見込まれる瓦れきへの対応につきましては、 震災後の復旧に大きな影響を与えますので、 昨年七月の宮城県北部地震発生後、 現地調査を行いましたが、 改めて仮置き場の確保の重要性を確認したところであります。 平成十五年度の仮置き場調査によりますと県全体ではほぼ充足するものの地域別の偏りが見られますので、 引き続き市町村と連携しながら適正な仮置き場の確保に努めてまいります。 さらに地震発生後、 廃棄物の収集、 運搬や処分を速やかに行うため、 現在、 協力要請を行う民間団体との協定締結に向けて準備を進めておりますが、 今後とも震災時の廃棄物処理に万全を期すよう一層の努力を行ってまいります。
    ○副議長 (八木健次君)  北村農業水産部長。
            (農業水産部長 北村正平君登壇)
    ○農業水産部長 (北村正平君)  農水産業の振興についてのうち、 初めに農水産物の機能性に関する試験研究の取り組みについてお答えいたします。
     本県におきましては、 農水産物の機能性活用技術の開発を重点推進事項として位置づけ、 その機能と活用面の研究を積極的に推進してまいりました。 これまでに、 お茶に含まれるテアニン、 ガンマーアミノ酪酸の効果の実証、 ベータークリプトキサンチンを多く含むミカンの選別技術の開発、 温室メロンの高血圧予防効果、 さらにマグロやカツオに多く含まれるドコサヘキサエン酸、 タウリン及びレシチン等の機能性の解明と利用法などを研究し実用化を進めているところであります。
     機能性の疫学的検証につきましては、 昨年から三ケ日町において、 ミカンの機能性成分が健康に及ぼす効果の検証を、 国、 医学系大学、 町が共同で進めておりますように、 本県農水産物の消費拡大のために大変効果的であると考えております。 県といたしましては、 今後とも本県農水産物が持つ機能の解明や成分含有量を増強するための栽培法の開発、 新商品の開発を継続して推進するとともに、 疫学的検証の推進を視野に入れながら、 国や大学、 民間企業等と連携した研究が実施できるよう検討してまいりたいと考えております。
     次に、 県産米の生産流通戦略についてであります。
     県といたしましては、 本年三月、 主産県のトップブランドに匹敵する産地育成と地産地消を生かす販路拡大を柱にした静岡県産米の生産・流通戦略を策定したところであり、 この具体化によって米の生産流通に競争原理を導入した新たな米政策に対応することとしております。
     米の産地育成につきましては、 既に森町や御殿場市など県内各地でおいしさや安全・安心にこだわった米づくりが始まっておりますので、 この一層の技術研さんや生産拡大を支援し県産米の牽引役として育成するとともに、 収量より食味を重視した栽培法を全県に浸透させることで、 県産米全体のレベルアップを図ってまいりたいと考えております。
     またこの十一月には、 全国でも初めての全国お米まつりを本県で開催するなど、 戦略的な情報発信により県民の皆様に県産米に対する興味や関心を高めていただき、 あわせて生産者と消費者、 販売業者等の情報交換を促進するサポーターズクラブの活動を通じ、 生産消費の双方の顔が見える関係づくりを進め着実な販路開拓に努めてまいります。
     次に、 水田営農の担い手育成についてであります。
     本年四月、 将来の担い手を明らかにした地域水田農業ビジョンが五十九市町村で策定されたところであり、 それぞれの地域において水田農業推進協議会が中心となって、 担い手育成への取り組みが始まっております。 県といたしましては、 各地域のビジョンの実現に向けて農地保有合理化事業や経営体育成基盤整備事業などを活用し、 担い手の規模拡大や生産性の向上を支援してまいることとしております。
     特に、 水稲作付規模十ヘクタール以上の農家を早急に百戸以上とすることを目標に、 県内八農協に配置した農地集積マネジャーによるきめ細かな権利調整を進めるなど、 一層の農地の集積を支援するとともに、 これらの大型稲作農家等を対象とした経営改善講座を通じて経営の多角化や法人化を促進し、 米価の変動にも対応できる安定的なビジネス経営体に育成してまいります。
     一方、 大型稲作経営の育っていない地域におきましては、 園芸作物に水稲を組み合わせた中規模複合経営体や茶工場などを母体とした集落ぐるみの営農組織の育成を支援し地域の水田を健全に維持するとともに、 将来の水田営農の担い手として育成してまいりたいと考えております。
    ○副議長 (八木健次君)  櫻井土木部長。
            (土木部長 櫻井克信君登壇)
    ○土木部長 (櫻井克信君)  土木行政についてのうち、 初めに渋滞解消への取り組みについてお答えいたします。
     県ではバイパスや長大橋の整備など、 主に道路ネットワークの充実を図ることにより渋滞の解消に努めてきたところでありますが、 近年、 沿線の都市化などにより、 生活に密着した道路におきましても交差点の渋滞が顕著になってきましたことから、 平成十三年度から右折レーン設置など、 少ない投資で大きな効果が得られる手法を用いた交通円滑化緊急対策事業を四年間の期限を定めて実施しているところであります。 昨年度末までに三十六カ所の交差点で工事が完了し、 引き続き今年度十九カ所で工事を進めているところであります。 このうち事業効果を検証した三十一カ所では、 平均の渋滞長が約六百十メートルから約百七十メートルに七割以上減少するなど、 大きな効果が得られたところであります。
     しかしながら、 複雑な形状や連続する交差点などの中には、 なお対策が必要な箇所が残されておりますことから、 現在、 県ではすべての土木事務所に渋滞対策協議会を設置し計画の段階から公安委員会や地元市町村などと連携して検討を進めており、 今後はその結果を踏まえ引き続き身近な道路の渋滞解消に積極的に取り組んでまいります。
     次に、 河川災害防止への取り組みについてであります。
     県では河川の拡幅や堤防の強化などの施設整備を引き続き進めてまいりますが、 異常気象時など施設整備水準を上回る洪水が発生した場合には、 住民の避難が必要となりますので、 その判断のもととなる降雨や河川水位の情報を迅速かつ正確に提供することが重要と考えております。
     このため、 本県では全国に先駆けて昭和六十年度に水防情報システムを整備し、 その後、 平成十年度に、 このシステムの機能向上を図り市町村の水防活動や避難勧告に必要な情報の収集及び提供を行ってまいりました。 昨年四月からは、 これらの情報をインターネットや携帯電話で県民の方が直接入手できるよう、 サイポスレーダーの愛称をつけましたシステムを運用しており、 昨年度一年間で延べ二十五万人を超える方々の利用がありました。 今後、 このサイポスレーダーの周知にさらに努めますとともに、 現地映像や他機関の防災情報などを市町村や県民の方々にリアルタイムで提供できるよう、 さらなるシステムの充実を図ってまいります。
     また、 八月に実施しました県管理河川堤防約八百キロメートルについての目視による点検では、 緊急対策が必要な箇所はありませんでしたが、 堤防が決壊した場合に甚大な被害が発生するおそれのある箇所につきましては、 本年度中に改めてレーダー探査による地質調査など詳細な点検を実施し必要な場合には堤防補修を行ってまいります。
    ○副議長 (八木健次君)  田邉都市住宅部長。
            (都市住宅部長 田邉義博君登壇)
    ○都市住宅部長 (田邉義博君)  都市緑化の推進についてお答えいたします。
     第二十一回全国都市緑化しずおかフェアでは、 全国都市緑化祭、 都市緑化フェア記念フォーラム及び都市緑化植物園連絡会議などが開催されたほか、 また同時期に公園レクリエーション世界大会in浜松が開催されました。 今回の都市緑化フェアでは関連イベントを含め、 約六カ月間という長期にわたって開催されたことで多くの方々の注目と参加を得ることができ、 都市緑化活動についての情報発信や技術交流が行われ、 専門家だけでなく広く県民の都市緑化に対する理解の促進が図られたところであります。 また、 行政、 県民、 関係団体の三者が直接会する機会を得たことで、 これら関係者が緑化について認識を共有できたことは、 本県の都市緑化を推進していく上で大きな契機となりました。
     県といたしましては、 公共施設と民有地の緑化を推進するための緑の基本計画に基づく市町村の施策を支援するとともに、 行政、 県民、 関係団体がネットワークを形成できる環境を整備し、 緑化手法や事例などの情報提供や住民参加による緑化活動を促進することにより、 官民一体となった総合的な都市緑化を進めてまいりたいと考えております。
    ○副議長 (八木健次君)  鈴木教育長。
            (教育長 鈴木善彦君登壇)
    ○教育長 (鈴木善彦君)  天竜養護学校の高等部教育についてお答えいたします。
     天竜養護学校高等部の教育成果について、 保護者の方々から高い評価をいただいているとのことを大変ありがたく承りました。 今後とも期待にこたえるべく、 医療、 福祉等関係機関と連携しつつ努力してまいりたいと考えております。
     一方、 議員御指摘のとおり、 同校においても近年、 心身症等の生徒を中心に生徒数の増加傾向が顕著になっております。 県教育委員会では、 現在、 静岡県における特別支援教育のあり方に関する検討委員会を設置し本県養護教育全般について今後のあり方を検討しておりますが、 病弱者の教育についても、 差し迫った課題を有していると理解をしております。 天竜養護学校高等部においては、 生徒が定員を大幅に超えて在籍していることを踏まえ、 その対応について入学希望状況等を精査しながら検討してまいりたいと考えております。
    ○副議長 (八木健次君)  高石警察本部長。
            (警察本部長 高石和夫君登壇)
    ○警察本部長 (高石和夫君)  事業所に対する防犯対策についてお答えをいたします。
     警察では各事業所における自主防犯活動を強化いたしますために、 犯罪の防止に役立つ情報の提供を初め、 防犯責任者の配置、 従業員に対する防犯教育や防犯訓練の実施、 防犯設備や防犯機器の充実などの指導や支援を強化しているところでございます。 特に、 静岡県では平成十四年七月、 各事業所における防犯対策を推進することを任務といたします職場防犯管理者制度を全国で初めて立ち上げたところでございまして、 これは侵入窃盗の約三割が発生しております事業所に対する防犯対策というものに対する新しい試みだということで、 全国の注目を集めているところでございます。 また、 この職場防犯管理者の皆さんには、 各警察署単位で職場防犯管理協会、 その統括機関といたしまして県段階の組織を設置していただきまして、 金融、 コンビニ、 量販店、 遊技場などの業種ごとにきめ細かな防犯対策を推進していただいているところでございます。
     さらに、 警察からは議員御指摘の天井に穴をあけて釣り道具でパソコンを盗んだ事件というような特異な手口の犯罪や、 あるいは今後、 連続して発生するおそれのある犯罪などにつきまして、 その手口の概要や効果的な被害防止対策などの情報を職場防犯管理協会に対してリアルタイムで提供しているところでございまして、 同協会ではそうした情報に基づきまして、 本年一月から八月までに六十四件の防犯情報の発信を行っているところでございます。 また職場防犯管理者の指導力の向上を図りますため、 事業所における自主防犯活動の進め方などをまとめました手引きを作成、 配布いたしますとともに、 最新の防犯設備の紹介などを内容といたします職場防犯スクールを開催しているところでございます。
     こうした事業所に対する防犯対策の結果、 各事業所では機械警備の導入、 金庫の固定などの自主防犯活動への取り組みが活発になってまいりまして、 事業所を対象とした事務所荒らし、 出店荒らし、 金庫破りなどの侵入窃盗の発生は減少傾向を示しているところでございます。
     具体的に申し上げますと、 職場防犯管理者制度が設立されました平成十四年における事業所を対象といたします侵入窃盗の発生は二千七百六十三件でございましたけれども、 翌年の平成十五年には二千五百九十三件と、 百七十件、 約六%の減少となっております。 また本年八月末現在では千四百七十四件でございまして、 昨年同期と比べまして二百八十六件、 約一六%の減少となっています。
     現在、 職場防犯管理協会には五千四百七十二の事業所が加入しておりますが、 まだまだ少のうございます。 今後も職場防犯管理者制度の拡大充実を図りますとともに、 各事業所に対する防犯対策を強化してまいりますので御理解のほどよろしくお願いを申し上げます。
    ○副議長 (八木健次君)  これで野澤義雄君の質問は終わりました。
     以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
     次会の議事日程を申し上げます。
     九月二十九日午前十時三十分会議を開き、 質疑及び一般質問を行います。
     本日はこれで散会します。

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