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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成21年2月静岡県議会定例会

渥美 泰一 議員(自由民主党)の 代表質問 に対する答弁

(質問日:02/18/2009番目)
答 弁 者知事


    ○議長 (天野 一君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  渥美議員にお答えをいたします。
     初めに、 県政運営の基本方針についてであります。
     私は、 県政運営に当たりましては、 県民の皆様だれもが安心して暮らし、 将来に向かって明るい展望を抱くことのできる社会を築くために、 「富国有徳 創知協働」 を県政の基本理念に掲げて、 これを具体化させるため、 県民暮らし満足度日本一の実現に向けて諸施策に取り組んでまいりました。 しかし次期総合計画策定の準備段階に入ったこの今の時期に、 世界経済が急激に変動して景気は日を追って悪化をしております。 いつ底を打ちどのような形で回復に向かっていくのか、 その見通しもつけられない状況でございます。
     このような時代を迎えた中で何が大事かというと、 私は、 緊急に対処しなければならない事象へ素早く対応するということがまず求められると思います。 加えて一方で、 先行き不透明という言葉が常套句のように使われますけれども、 実はよく見ていくと、 見通しがつかないのはいついかなる形で景気が底を打つか、 その時期とかタイミングですね、 これがよくわからないというのがそのわからなさの本筋にあるように思うんです。 今後時代がどのような方向へ向かっていくかということについては、 例えばグローバル化であるとか、 あるいは交流人口の拡大であるとか、 あるいは知的な活動、 これにより経済的な価値がシフトしていわゆる知価社会になるとか、 私は現在の世界を覆い尽くしているような不景気の中でも、 方向性が、 それが間違っておって別の方向へ進んでいくんじゃないかということではないというふうに思うわけであります。
     したがって、 そういうように考えるならば、 本県が今まで追い求めてきた富国有徳の魅力ある静岡県の実現に向けての諸施策、 これがさらに強力に幅広く展開される必要があると考えるわけであります。 問題はそれを実行するだけの財政力、 財政的な基盤がこれから伴ってくるかどうか、 これが非常に問題視されると、 こういうことではないかというふうに考えておるわけでございます。
     したがって、 次期総合計画の策定に当たりましては、 時代の動きを冷静に注視をしながら社会経済全体の生産性の向上を共通の視点として、 私は三つの視点、 すなわち豊かさの維持向上、 それから安心・安全社会の構築、 そして地域力の向上、 この三つが相互に関連いたします。 これらに係る政策の柱を打ち立て、 それが相互にうまく連携し好循環させていくということを基本的な方針としていくべきであるというふうに確信をしております。
     加えて、 施策の展開に当たっては、 県民生活が直面する喫緊の課題にスピード感をもって対処するということ、 これは極めて大事になりますけれども、 さらには本格的な人口減少社会の到来や地球規模での大競争時代への対応を図っていくために、 短期、 中期、 長期といった時間軸を考慮して、 健康で心触れ合う安心社会づくりを初め、 新しい産業の創出、 交流人口の拡大などに結びつく諸施策について知恵を絞り、 本県の将来を見据えた地域づくりに取り組んでいく必要があると考えるわけであります。
     したがって新しい総合計画は、 こうした考え方に立って、 視野を広くそして深くかつ遠くを見据えて、 望まれる社会の仕組みや広域的な交流を促進する都市機能の整備などについて研究を急ぎ、 総合計画審議会や県議会の御意見を伺いながら、 現行の総合計画の期限である平成二十二年度末を待たずに前倒ししてでも新たな計画を策定し、 そちらに移行すべきではないかと考えております。
     ところで、 次期知事選挙についての御質問がございましたが、 私自身は、 今まで申し上げましたような大変変化の激しい時代に当たって、 まだまだ県政のお役に立ち得るんではないかと主観的には思っておりますけれども、 そうしたことが客観的に許される状況にあるかどうか、 いましばらく時間をいただいて十分に情勢を見きわめた上で、 時期を失しないように決断してまいりたいと考えております。
     次に、 経済情勢悪化の影響に対する本県の取り組みについてであります。
     百年に一度と言われる世界の金融資本市場の混乱によって実体経済の弱体化が進み、 我が国の景気も急速に悪化し、 県内の産業活動や県民生活へ深刻な影響を与えております。 このため本県では、 二十年度――本年度に入ってから七回にわたって経済対策連絡会議を開催し、 国の対策を踏まえた中小企業や農林漁業者への支援、 雇用対策などその時々の状況に応じた取り組みを決定し、 特に先月三十日の会議では、 将来にわたり安定的な雇用・就業の機会の創出を図るための当面及び中長期の雇用対策の基本方針を確認いたしました。
     今後、 国の第二次補正予算――二十年度の第二次補正予算ですね――に盛り込まれました緊急雇用創出事業など二つの交付金による九十九億円の基金造成と、 これを活用した事業を実施することによって平成二十一年度には県と市町村合わせまして三千三百人余の雇用創出を図るほか、 就職相談体制の強化などの就職支援、 経済変動対策貸付の融資枠の大幅な拡充などの中小企業の支援、 さらには国の交付金を活用した安心こども基金などによる事業の実施を通じまして、 生活対策を含めた緊急雇用経済対策を実施していく考えであります。
     また、 雇用対策を円滑かつ効果的に推進するためには、 県とか市町村、 行政が幾ら頑張っても限りがあるわけであります。 そこで今年度中に公労使から成る産業労働懇談会や雇用対策審議会などを開きまして、 その場を通じて経営者団体や労働団体、 関係行政機関の意見を伺うと同時に歩調をそろえていろいろな活動を行えるように取り組んでいきたいと考えております。 今後の経済、 雇用情勢について十分注視しながら経済対策連絡会議を有効に活用し、 全庁を挙げてこの緊急事態に対応してまいります。
     次に、 平成二十一年度当初予算についての御質問のうち、 まず予算編成の考え方についてであります。
     平成二十一年度当初予算は、 景気後退に伴いまして県税の大幅な減少が見込まれる中で、 社会保障関係費や公債費などの義務的経費が増加するなど厳しい財政環境のもとでの編成になりました。 しかしながら、 この厳しい経済環境を克服し地域の安定的な発展を図ることが私に課せられた責務であると考え、 自民党県議団初め県議会各会派からの御提言も踏まえながら、 次の三つの基本方針を設定して県民暮らし満足度日本一へと飛躍し得る政策を戦略的に展開する予算編成を行いました。
     まず、 基本方針の第一でありますが、 県民生活を守る緊急雇用・経済対策を機動的に実施するということであります。 このことに伴いまして、 予算編成の内容としては、 近年にない厳しい雇用、 経済情勢の中で、 切れ目のない雇用対策や中小企業等への支援を行う必要があるということから、 県独自に先行実施した一月補正予算に続きまして、 二月の補正予算で国の地域活性化・生活対策臨時交付金を活用し、 早期に事業着手が可能な道路等の維持補修事業を計上いたしますとともに、 二十一年度当初予算では離職者等の再就職支援や中小企業の新事業分野進出への助成などの緊急雇用・経済対策事業を取りまとめました。
     次に、 基本方針の第二でありますけども、 こうした厳しい財政環境でも必要な行政サービス水準を確保するということであります。 具体的には、 医師の奨学金貸付枠を前年度の十人から百人に拡大するなどの医療・福祉サービスの充実、 中学校一、 二年生に対する静岡式三十五人学級編制の導入など教育の質の向上に取り組み、 さらには生活の安心・安全確保として、 道路交通の円滑化や河道拡幅、 土砂災害対策などの豪雨対策を行う緊急事業を新たに実施することといたしました。
     基本方針の第三でありますけれども、 社会経済全体の生産性の向上に向けた戦略的施策の展開であります。 将来にわたり本県の豊かさを維持向上させていくために、 ことし六月に開港をいたします富士山静岡空港も活用して産業競争力の強化、 循環型社会の形成、 都市的機能の高度化などに資する施策の展開も盛り込んだところでございます。
     次に、 財政の中期見通しについてであります。
     平成十二年度から導入いたしました財政健全化に向けた三つの目標は、 本県の財政運営の健全性の確保のため有効に機能してきたものと考えております。 平成十九年度決算で見ますと、 全国でいずれも低いほうから起債制限比率第八位、 経常収支比率第五位という水準を保っております。
     一方、 自治体財政運営のより一層の透明化や早期健全化のための仕組みを導入するための地方公共団体の財政の健全化に関する法律が二年前でしたか定められまして、 この法律によりまして健全化の判断基準が、 従来言いならわされておりましたものを改めまして、 例えば起債制限比率については実質公債費比率であるとか、 また将来負担比率、 これも健全化判断基準に新たに導入するというようなことに変わってまいりました。
     このため、 平成十二年度から掲げてまいりました三つの目標の一つである起債制限比率につきましては実質公債費比率を導入することによりまして、 公債費による財政負担の度合いをより厳格にとらえる方向に変えます。 また将来負担比率を新たに採用することによりまして、 外郭団体や第三セクターに対する一般会計等の負担見込み額なども、 将来の債務の中に加えて債務の全体像をあらわすことにいたしました。 この二つの新たな指標、 すなわち実質公債費比率と将来負担比率、 これを加えて、 これまでの経常収支比率と県債残高、 これを合わせた四つの指標で今後の財政健全化指標とすることにしたところであります。
     今後の財政運営でありますけれども、 世界経済が低迷して一般財源総額が一定という前提を置いて試算いたしますと、 平成二十二年度以降の財源不足額は五百億円程度という大変高い金額  多額のところでずっと推移するということでありますので、 社会保障関係経費等の義務的経費の増嵩が一方で確実に進んでまいります状況をにらんでみると財政の硬直化が心配をされます。
     このような厳しい財政状況が想定されるところでありますけれども、 医療、 福祉、 教育など県民に身近で必要不可欠な行政サービスの水準を維持されるということも強く一方で求められてまいります。 したがってそのために必要な一般財源の確保はどうしても不可欠になってまいります。
     そこでどうするかということになるわけでありますけれども、 当然のことながら歳出のスリム化や歳入の確保、 社会経済全体の生産性の向上などによって、 県の経済力、 産業力、 すなわち財源を生み出す力を強めるという努力を最大限する一方、 それでも賄い切れないような巨額な財政支出がこれからどうしても続いてまいると、 五百億円という不足額をどのようにして埋めるかというのは、 今申し上げました歳出のスリム化とか歳入の確保、 あるいは経済力の向上といっても、 県でなし得るものは非常に限界があることは否めません。 しかもこのような状況に置かれておるのは本県だけではないわけでありまして、 財政の健全度で言えば全国トップクラスにある本県ですら今の状態ということは、 日本列島全体がもう財政破綻状態に追い込まれるということを暗示しているわけでございます。
     したがって、 我が国全体で国、 地方を通ずる行政水準のサービスと負担のあり方について、 両方をどういうバランスをとったらいいのか、 そこを真剣に考えて、 必要ならば国民の負担増もお願いするというところへ向かっていかないと、 我が国はこれからにっちもさっちもいかない大変な状態になると。 その意味で行政にかかわる者の責務は、 そのようなことについてもいかに県民――有権者の理解を得るような努力をするか、 その責務も重大だと思いますし、 一方で県の段階で幾らこのようなことを言っても最終的には国民負担は法律で決められるものでありますので、 国政のあり方、 これが本当に重要になってきてるというふうに思います。
     その意味でまた有権者の責任も問われるんじゃないかと。 今後の総選挙を初めいろいろな選挙を通じて、 やはり国民自身が自覚をしてこういう問題に真剣に取り組むことが期待される、 望まれるというふうに私は存じます。 県レベルで、 全国知事会なども通じながら積極的にそういう面での活動も重要な時期に来ているんじゃないかというふうに感ずる昨今でございます。
     次に、 原子力発電所のリプレース計画についてであります。
     本県では、 エネルギー資源の有効活用と環境への負荷の少ない安定的なエネルギーへの転換を図るという観点とともに、 県内の電力需給のバランスを踏まえて引き続き電源立地に協力していくということを基本姿勢としてまいりました。 また一方、 個々の立地でありますけれども、 これは地元の考え方がまずは基本でありますので、 事業者において安全性の確保を大前提に、 地域の実情なども十分配慮して地元の理解と同意を得ることが何よりも必要と考えておるわけであります。
     したがって、 今回の全国で初めての原子力発電所のリプレースとなる計画につきましても、 このような電源立地に対する考え方のもとに、 県としては事業者や国に対して徹底した情報公開などによって、 住民の皆様を初めとした本県の信頼を獲得することを前提に、 特に御前崎市及び隣接三市との密接な連携をとって地元理解を獲得すると、 こういうことが大事だと考えます。 そのことをもう事あるごとに主張すると同時に、 御前崎市、 隣接三市と連携をとりながら、 そのようなことがきちんと維持されると、 実現するという前提でこの問題に取り組んでいきたいと考えております。
     一、 二号機の廃止ですが、 仕組み上は中部電力が今後原子炉等規制法に基づいて廃止措置計画を策定して国の認可を受けることから始まってまいります。
     県といたしましては、 計画の認可申請に先立って、 廃止に係る工程や炉の解体方法、 放射性廃棄物の処理方法などについて基本方針を定め、 県民、 特に地域住民に示し理解を得ることから始める必要があると考え、 中部電力にそのことを求めているところでございます。 また国に対しても県の考え方を伝えるとともに、 事業者への適切な指導やできるだけ早い時期に使用済燃料再処理施設を稼働させること、 高レベル放射性廃棄物の最終処分場の建設場所を確保することを願い出ておるところでございます。 今後とも安全を第一に、 徹底した情報公開のもとで一、 二号機の廃止が進められるよう注視してまいります。
     次に、 富士山静岡空港についてのうち、 まず開港への取り組みについてであります。
     県民の共有財産であり、 本県の発展を担う重要な社会資本である富士山静岡空港については、 既に空港基本施設は完成し、 現在、 国による工事完成検査が行われております。 検査はこれまで順調に進んでおり、 今後、 合格通知をいただいた後、 供用開始届の提出、 航空路誌への掲載手続を進めて六月四日の開港を迎えたいと考えております。
     県といたしましては、 このような手続に加えて開港を万全の状態で迎えることができるように、 引き続きアクセス道路の整備や交通アクセスの確保に努めていくほか空港の円滑な管理運営や利活用の促進、 需要の拡大を図るべく、 来年度、 静岡空港管理事務所への人員配置を充実するとともに、 空港部に需要拡大策を一体的、 効率的に推進する体制を整備することといたします。 空港部全体では規模が縮小されますけども、 再編成によってそのような体制に模様がえいたします。
     また、 開港後において、 就航する各路線の安定的な需要の確保と新しい路線の獲得や便数の増加を図るべく、 二十一年度においても空港利活用促進のための支援策を拡充したいと考えております。 具体的には、 チャーター便、 パック旅行、 団体利用送迎バス等への助成など、 これまでのメニューに加えて、 二十一年度は教育旅行に対する助成や県内市町村が実施する空港利活用促進事業に対する助成制度を新たに設けたいと考えております。
     また、 これまで日本航空との間で協議を継続してまいりました総合的運航支援策の一つとして、 福岡線に対する搭乗率保証制度を導入したいと今議会にもお諮りしているところであります。 福岡線につきましては、 新幹線との競合がある中で開港当初から一日三便もの経営資源を投入することに伴う航空会社のリスクを軽減させるための特別なインセンティブとして、 仮に実績が目標搭乗率七〇%を下回った場合に運航支援金を支払う搭乗保証を行うものであり、 そのための債務負担行為の議案を本議会にお諮りしているところであります。
     県といたしましては、 こうした支援策を活用しながら、 引き続き就航先への交流団の派遣や観光キャンペーンの実施などによる需要喚起策と、 県内市町や富士山静岡空港利用促進協議会等の関係団体と一体となった利活用促進策に全力で取り組んでまいります。
     次に、 完全運用についてであります。
     富士山静岡空港は、 二千五百メートル滑走路での完全運用が必要とされる空港であり、 その速やかな実現が県政の重要な課題でありますことから、 これまで地権者に対してできる限りの誠意をお示しし支障物件の除去をお願いしてまいりました。 また昨年末には、 本年六月に二千五百メートル滑走路として開港を目指す最後のタイミングと考えて地権者に対し改めて除去をお願いいたしましたが、 残念ながら御理解をいただけず、 ことしに入りましても早期解決が困難な状況は変わっておりません。 このため完全運用を実現していく上で、 行政として使用可能な法的措置を講ずることも必要であると考え、 先月末、 航空法に基づく除去請求手続に入る方針であることを表明したところであります。
     その後、 去る二月十一日には私が直接地権者にお会いして改めて支障物件の除去をお願いする機会がありました。 その際にきちんと航空法に基づく除去請求手続を開始する旨もお伝えいたしましたが御理解いただけず、 地権者からは新たな申し入れもいただきました。 私としては、 私の果たすべき責務から考えて申し入れをそのままお受けしかねると考え、 一昨日その旨を地権者に回答するとともに、 航空法第四十九条三項に基づく除去請求手続を開始をいたしました。 今般、 手続を開始したとは言いましても、 この条項はまず話し合いにより解決に向け協議をすることが前提となっておるわけであります。 県といたしましては、 今後とも話し合いによる解決が完全運用への早道であること、 また円満解決を期待する関係者のお気持ちも踏まえ、 地権者から支障物件除去の御理解をいただくことによって一日でも早い完全運用を実現できるよう、 引き続き全力で取り組んでまいります。
     次に、 魅力ある観光地づくりについてであります。
     少子高齢化が一段と進み人口減少社会がいよいよ現実のものとなる中、 地域の住民が誇りと愛着を持つことのできる活力に満ちた地域社会を実現するためには、 観光振興による交流人口の拡大と地域経済の活性化が有効であります。 そのため観光関係者はもとより農林水産業や商工業関係者、 住民など地域が一体となって、 観光客がその土地ならではのおもてなしに感動を味わうことができる魅力ある観光地づくりに取り組むことが何よりも重要であるという御指摘をいただきましたが、 私も同感であります。
     このため、 これまでにもいろいろ関係者にも働きかけ、 いろいろな動きを促してまいりましたけども、 そういうことの一つの成果として奥浜名湖地区など県内十一地区を観光おもてなし推進モデル地区に指定して、 おもてなしガイドの育成など地域ぐるみで取り組む活動を支援し、 おもてなしの活動を全県に広げることができるようになってまいりました。 これがまだ成果が顕著に上がるという段階ではありませんけども、 やっとそういう動きが出てまいりました。
     また、 地域の観光地づくりを牽引する人材を育成する地域観光カリスマ育成講座の開催、 旅行商品企画や広報の研修、 地域で造成した旅行商品のメディアを通じた情報発信、 各地域がみずから行う旅行商品造成への助成などの支援も行って、 全県挙げての観光振興に取り組む活動を行っているところであります。
     こうした取り組みのまたもう一つの成果として、 奥浜名湖観光連絡協議会では地域の関係者が連携して富士山静岡空港を利用した地域の歴史・文化をめぐる旅行商品の造成を進めるなど、 着実に具体的な成果となってあらわれてきております。 さらに浜名湖周辺地域において訪れる観光客の滞在を促進するために、 県、 浜松市、 湖西市、 新居町と観光、 商業、 農業等の関係者が協働して、 花、 自然、 歴史、 食等を活用した浜名湖観光圏の実施計画を策定いたしまして、 今月二十日に国に認定申請をすることになりました。 本県の主要な観光マーケットである首都圏などに加えまして、 このような富士山静岡空港を利用して国内外から多くの観光客が本県を訪れることができるような仕掛けを用意することによって、 交流人口の拡大が期待をされるわけであります。 今後とも全県を挙げての取り組みが一層盛り上がりますように取り組んでまいります。
     次に、 地域医療の確保についてであります。
     医師不足に対応するため、 これまで県といたしましては、 県立病院医師の公的病院への派遣や医療クラークの配置支援などさまざまな施策を講じてきたところでありますが、 状況はさらに深刻さを増しており大変危機感を抱いております。
     こうした厳しい状況下で、 このたび静岡県医療対策協議会から具体的な施策提言をいただきましたので、 これを実現すべく来年度予算においては医学生奨学金の大幅な拡充を初め勤務医に研修の機会を設ける病院へ支援すると、 こういうことによって病院の魅力を高めると、 病院の勤務状態――条件ですね――状態についての魅力を高めることによって医師を獲得しやすくなると言われておりますので、 そういう支援を組み込むとか、 公的病院幹部を対象とした医療経営人材の養成など医療関係のための施策を二十年度――本年度の二倍以上の額を計上して取り組むこととしたところであります。
     これらの対策を着実に進めるとともに、 今後は関係者の協力を得て効果的な医師配置のための調整を行う場の設置など、 特に医療対策協議会などを中心にそういう調整の場を設置をいたしまして、 新たな施策にも積極的に取り組んでまいりたいと考えます。
     昨今の医師不足問題に関連して、 県内の医学生、 医師の養成機能が少な過ぎるんじゃないかと、 したがって医大の開設をすべきだと、 これが抜本的解決になると、 そういう声が大変強く出てきております。 私もそれは大変有効な方策だと考えますけども、 前提としてそれが許されるならばということですね。 許されるっていうのは、 制度的に許されるならばこれはすぐにでも取り組むべき課題だと思っているのでありますけれども、 今、 我が国においては国策として医科大学の増設は一切、 ここ数十年認めてきておりません。
     ただ、 昨今の全国的な医療問題を背景に、 平成二十年度の入学生について十一の大学について十名ずつ、 すなわち百十人の定員増が認められ、 来年度はさらにそれが拡充されて、 平成二十年度では選に漏れた浜松医科大学も十名の枠を認められることになりまして、 既存医科大学の入学定員増、 これは平成二十年度から一部スタートしたわけであります。 今後さらにこれが、 医師の養成をどのようにするかということを考えた場合には、 中長期的な医師の需給状況、 これの見通しが非常に重要になるということから、 国においてもこういう点を踏まえていろいろな議論が交わされるようになってきております。
     その結果、 既存の医科大学の一部の定員増にとどまらず医大の新増設ですね、 そういうことが認められるということになれば、 すぐにでも静岡県も何らかの形でそれを実現すべく準備はいろいろしていくと、 研究をしていろいろ対応を図っていくと。 各方面のいろんな情報収集とか、 そういう意思があるとか、 希望の表明とか、 いろいろな手だてを講じて、 万が一医療政策が変わった場合、 医学教育政策が拡充という方向へ変わった場合には対応できるようにしていくことは必要だと思うのでありますけれども、 今現在はその門が開かれておりません。 そのことも十分考えて、 医科大学ができれば何でもいいんだと言わんばかりの言説は、 かえって地道な、 しかも直ちにやらなければいけないいろいろな政策を展開する上で障害にもなりかねないことでありますので、 この辺は十分に慎重に対応しなきゃいけないというふうに考えておるところでございます。
     新設医科大学ができても、 実際に戦力としてそれが医療現場に出てくるためには最低十五年かかるわけですね。 そうすると、 新しく大学をつくるとなるとどんなに急いでも三年、 四年はかかるわけでありますので、 何だかんだしてると新設医科大学から医療現場に戦力として出てくるまでには二十年近く先になっちゃうと。 こういうことでありますから、 それよりも何よりも要するに背に腹はかえられませんので、 他県のことをおもんばかる以前に静岡県にとにかくたくさん来てもらうような有効な政策を思い当たるものはどんどんやっていくということでやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
     したがって、 二十一年度予算の編成の過程では、 いろいろ考えられるものをかなり金額的にも踏ん張って計上したわけでありますけども、 今後は、 新年度に入って、 これもいいじゃないかと思われるものがあれば、 必要に応じて例えば予備費を認めていただいてこれを活用して即実施するとか、 そういう非常に臨機応変、 迅速な対応も必要かと存ずる次第でございます。
     その他の御質問については、 関係部局長、 教育長から御答弁を申し上げます。

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