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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

曳田 卓 議員

質問分類

代表質問

質問日:

06/29/2015

会派名:

ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について  
 (1) 内陸のフロンティアを拓く取り組み  
 (2) 戦略物流の推進  
 (3) MICEの推進
 (4) 空き家を活用した移住・定住の促進  
2 安全で安心な暮らしの実現について  
 (1) 健康寿命日本一の推進  
 (2) 総合防災訓練  
 (3) 危険ドラッグ乱用防止対策の強化  
 (4) 振り込め詐欺等特殊詐欺に対する取り組み  
3 就業環境の整備について  
 (1) ワーク・ライフ・バランスの推進  
 (2) 障害のある人への就労支援  
4 農地集積バンクの活用について  
5 静岡県の道路行政について  
 (1) 地方創生の核となる道の駅の取り組み  
 (2) ラウンドアバウトの取り組み  
6 静岡県の教育行政について  
 (1) 義務教育  
 (2) 静岡式三十五人学級編制の継続とさらなる充実  
7 マイナンバー制度について  
 (1) 制度の周知  
 (2) 制度導入に伴う個人情報の保護


○副議長(杉山盛雄君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、三十番 曳田 卓君。
       (三十番 曳田 卓君登壇 拍手)
○三十番(曳田 卓君) 私はふじのくに県議団を代表し当面する県政の諸課題につきまして通告に従い、知事並びに関係部局長、教育長、警察本部長に一括質問方式にて質問いたします。
 初めに、知事の政治姿勢についてのうち、内陸のフロンティアを拓く取り組みについて伺います。
 昨年度、市町が主体となって進める取り組みへの重点的な支援を行うため内陸のフロンティア推進区域制度が創設され、先月の第三次指定により二十市町四十区域となりました。新東名高速道路インターチェンジ周辺地域などでは工業団地の造成が進み、私の地元沼津市では市民農園を備えた住宅団地が計画され豊かな暮らし空間の実現に向け動き出しています。
 さらに、取り組みの内容の充実に向けて新たなライフスタイルの実現の場の創出を目指す三地区が採択されておりますが、県は今後どのように内陸のフロンティアを拓く取り組みの具体化を推進していくのか伺います。
 次に、戦略物流の推進について伺います。
 本県は、東名高速道路、新東名高速道路や駿河湾港、富士山静岡空港など充実した陸・海・空の交通ネットワークを有し、広域物流にとって大変恵まれた地域であります。また物流は経済活動の血液と言われ、産業界のみならず現在では県民の生活にも深いかかわりのある重要な産業であります。しかしながら昨年四月には消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の影響で貨物の遅延が発生するなど輸送能力不足の事態がさまざまな形で顕在化しており、私たちが今までのように思いどおりに物が届くといったサービスを享受できなくなるだけでなく、企業活動にも重大な影響を与えるおそれがあると危惧しています。
 このような中、県は本年三月にふじのくに戦略物流ビジョン後期計画を策定し、本年度は四つのプロジェクトチームを立ち上げてこれまで以上に戦略物流を推進することとしていますが、具体的にどのような方策で重点的に取り組むこととしているのか伺います。
 次に、MICEの推進について伺います。
 我が国の人口は平成二十年をピークとして一貫して減少が続くなど本格的な人口減少社会を迎えており、本県もその例外ではありません。こうした中、地域の活力を維持し、さらに活性化していくためには、交流人口を拡大させ定住人口の減少を補っていく必要があります。本県は世界遺産富士山や同じく世界遺産登録の可能性が高まった韮山反射炉を初め伊豆半島ジオパーク、ユネスコエコパーク南アルプス等、世界に通用する観光資源が県内各所に点在しております。県ではこうした観光資源を有効活用し富士山静岡空港の就航先である中国、韓国、台湾の観光市場の開拓を精力的に進めており、昨年一年間の本県の外国人宿泊客数は過去最高の約七十六万人に達するなど一定の成果をおさめております。
 一方、企業などのミーティングや企業報奨旅行、いわゆるインセンティブ旅行市場は近年成長著しいとも言われ、実際、独立行政法人国際観光振興機構によるインセンティブ旅行支援実績人数は平成二十五年度は約八万三千人であり、震災前の平成二十二年度の約七万人の約一二〇%となっております。さらに平成二十五年度上半期の国別割合を見ますと台湾、韓国、中国、タイなどのアジア諸国が九〇%以上を占めるなどアジアでの市場拡大がうかがえます。記憶に新しいところでは六千人を超える中国人がパリへ社員旅行をしたことが話題になりましたが、このような事例からも明らかなように、企業ミーティングやコンベンションなどを総称したMICEの誘致は、その経済効果の観点からも極めて地域経済に与える影響は大きいと言われております。
 こうしたことを踏まえますと、MICE、とりわけ企業ミーティングやインセンティブ旅行の誘致に積極的に取り組むべきと考えますが、県の所見を伺います。
 次に、空き家を活用した移住・定住の促進について伺います。
 平成二十五年住宅・土地統計調査によれば、全国の空き家の総数はこの二十年間で一・八倍に増加しており、本県においても空き家は平成二十年から平成二十五年の五年間で約四万戸増加しております。近年、中山間地のみならず市街地においても空き家の増加が問題となっており、こうした空き家を移住者に提供することにより移住者を呼び込むという取り組みは、まさに移住・定住の促進と空き家の対策の両方に有効であると考えております。私もこの五月に都内有楽町駅前の交通会館内にある静岡県移住相談センターを訪問いたしました。その際、静岡県空き家バンクの情報は移住を検討するに当たり非常に重要な要素であるということを相談員からも聞いたところであります。本年度、県は移住・定住対策業務を文化・観光部から県民の暮らしに直結しているくらし・環境部に移管しており、空き家の対策と移住・定住政策の一体的な展開が図られ促進されることを期待しております。
 そこで、今後県は空き家を活用した移住・定住の促進についてどのような形で取り組んでいく考えであるかを伺います。
 次に、私どもの会派で作成した政策集の四つの理念「命」「豊」「人」「礎」のうち、まず「命」に関する質問をしたいと思います。
 安全で安心な暮らしの実現についてのうち、健康寿命日本一の推進について伺います。
 本県は日本一の健康長寿県として全国から注目を集めております。昨年の厚生労働白書では健康長寿社会の実現に向けた自治体の取り組みとして本県の健康づくり施策が都道府県で唯一掲載されるなど、先進的で効果的な取り組みが高く評価されております。
 その一方で、平成二十六年度の健康に関する県民意識調査によりますと、日常生活の中で健康のために意識して体を動かす生活をいつもしている人は三割に満たず、同じく平成二十六年度の特定健診の受診率は五割に満たないなど、日ごろから健康について考え積極的に健康づくりに取り組む県民の意識をより一層高める余地があるものと思われます。
 また、本県の医療費は平成二十三年度の国民医療費によりますとその総額は一兆三百億円を超えており、これは平成二十七年度の県の一般会計予算一兆二千三百九十七億円に匹敵するものであります。また年々増加する医療費は県内の各医療保険者の財政を圧迫する大きな問題となっております。
 前回の一般質問でも取り上げましたが、日ごろからの健康づくりの取り組みは疾病の発症を予防するとともに健やかで豊かな生活を送る上で大変重要であり、また定期的な健診の受診は疾病の早期発見、早期治療につながり重症化の予防に欠かせないものであります。
 先日、NHKの報道でも受診率の向上を図ることを目的に運動や検診などの健康づくりに取り組んだ人がポイントを受け取って商品券に交換するという健康ポイント制度が紹介されておりました。また私の地元の沼津市のある飲食店からは、健康診断の受診票を持っていくと割り引きするという取り組みが始まったと聞いております。
 日本一の健康長寿県たる本県としましては、今以上に健診受診率を引き上げるとともに、県民が健康について関心を寄せ積極的に健康づくりに取り組むことができる環境を整備することが必要であり、それにより健康的で活力ある社会を実現することで医療費の抑制に寄与するよう期待するところであります。
 国では、本年五月に可決成立した医療保険制度改革関連法において医療保険者による健康づくりの取り組みにインセンティブを与え個人の健康努力を促進する方向を明確に位置づけました。
 今後県は、健康寿命のさらなる延伸を目指していく上で、県民が健康を自分自身の課題として捉え主体的に健康づくりに取り組むため、どのように健診受診を促進し健康づくりの施策の普及を図っていかれるのか、所見を伺います。
 次に、総合防災訓練について伺います。
 県では、発生が予想される東海地震や南海トラフ巨大地震に備え、例年総合防災訓練を実施しています。この訓練は総合的に地震対策に取り組むため昭和五十四年から九月一日の防災の日を中心として実施されており、本年で三十七回目となります。その年ごとに県内各地を順番にメーン会場としており、昨年度は賀茂地域において地域全体が孤立することを想定し航空機や船舶を活用した機動的な救援活動の検証などが行われました。また一昨年度は富士宮市、富士市において、大規模地震に続き富士山において噴火の予兆が出たことを想定した訓練が行われました。
 このような取り組みは、会場となる地域だけでなく地理的な状況が類似する他の地域の防災対策にも役立つものであります。このため毎年訓練のメーン会場を変えて総合防災訓練を実施する意義は大きいものと考えます。本年度は八月三十日に焼津市と藤枝市をメーン会場として実施すると聞いています。今回も、この地域の状況に応じて新たな視点に基づいた訓練が実施されることを期待しております。
 そこで、今年度の総合防災訓練においてどのような効果を目指し、どのような訓練を行うのかお伺いをいたします。
 次に、危険ドラッグ乱用防止対策の強化について伺います。
 危険ドラッグの乱用は興奮や幻覚、錯乱や意識障害を招き、第三者を巻き込んだ交通事故や事件などが多発し全国的に大きな問題となりました。昨年度は全国の状況と同様に県内におきましても危険ドラッグの使用者による交通事故や健康被害が発生しております。
 このような状況の中、私どもの会派は危険ドラッグの規制条例の制定を求める要望書を提出し、昨年十二月には知事指定薬物の指定制度を盛り込んだ静岡県薬物の濫用の防止に関する条例が制定され、規制や取り締まりが強化されております。現在、県内に六店あった危険ドラッグ販売店を全てなくすことができましたが、インターネットで検索しますと多くの危険ドラッグを販売するサイトが存在しており、合法ドラッグ、合法アロマなどと称して堂々と販売されているのが現状であります。つまりインターネットの通信販売を利用すれば県民が容易に危険ドラッグを購入できる環境が依然として残っている状況であります。
 私は、危険ドラッグの乱用を根絶するためにはまず販売者への対策としてインターネットで販売されている危険ドラッグに対する取り締まりの強化を図り、このようなサイトをなくしていくことが必要であると考えております。また同時に危険ドラッグは覚醒剤や麻薬などの乱用につながるゲートウエードラッグとも呼ばれ、危険ドラッグを買わない、使わないという需要を根絶する対策を進めることも必要であります。このため県民に向けては有害性を説き、危険ドラッグには一切手を出さないという意識を浸透させていくことも重要であると考えています。
 そこで、インターネットによる危険ドラッグ販売防止対策と危険ドラッグの乱用防止のための普及啓発について、県の考え方と取り組みについて伺います。
 次に、振り込め詐欺等特殊詐欺に対する取り組みについて伺います。
 高齢者が被害者となる振り込め詐欺等の特殊詐欺事件が新聞やテレビなどで連日大きく取り上げられております。平成二十三年度以降この特殊詐欺の被害が悪化の一途をたどり、昨年の被害額は全国で初めて五百億円を超え、県内でも前年から減少したとはいえ実に十億五千万円が特殊詐欺の被害に遭っていると聞いております。もとより県警察では、この特殊詐欺に対して平成二十五年十二月から県内の金融機関の協力を得て全国に先駆けて導入した預手プランを効果的に推進し多額の現金を振り込もうとする高齢者などの犯罪被害を水際で防止し、さらにはだまされたふり作戦を展開して被害者宅を訪問した詐欺被疑者を待ち受けて逮捕するなど、大きな成果を上げているものと承知しています。
 しかしながら、本年に入り本県でも特殊詐欺が再び増加傾向にあると聞いております。高齢化社会を迎えた我が国において、家族を思う気持ちにつけ込みその資産を標的とするこの特殊詐欺は目下最大の治安問題の一つとして位置づけられ、高齢者を初めとする被害者をこの卑劣な犯罪から守る取り組みがより一層求められるところであります。
 そこで、これまでの県警察における特殊詐欺に対する取り組みと、こうした状況を踏まえ今後いかに特殊詐欺対策を講じていくのか、警察本部長の所見を伺います。
 次に、政策テーマ「豊」に対する質問として、就業環境の整備について伺います。
 ワーク・ライフ・バランスの推進についてであります。
 総務省の労働力調査によれば本県の労働力人口は減少傾向にあり、平成二十六年の推計値は約二百万人で対前年増減では五千人の減少となっています。人口減少が進む中で本県の経済の持続的な発展を図るためには企業が活力を維持し社会全体の生産性を高めていくことが必要であり、人材を確保・育成し労働力人口を維持することが重要であります。そのためにも誰もが安心して生き生きと働き仕事と生活の調和が選択可能となるワーク・ライフ・バランスの実現が必要であると考えます。
 国が平成十九年に策定した仕事と生活の調和憲章では、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取り組みを明日への投資としており、働く意欲のある一人でも多くの方に労働参加していただくため、企業が果たすべき役割としてワーク・ライフ・バランスの実現に向けて職場環境の整備などに積極的に取り組むことを掲げています。
 しかしながら、現在の労働者を取り巻く環境を見ると県内の正規労働者の年間総実労働時間は二千時間前後で高どまりし、長時間労働が常態化しており年次有給休暇の取得率は五〇%にも達していません。また総務省の就業構造基本調査によれば、本県の二十五歳から四十四歳の子育て世代の就業していない女性のうち六二%が就業を希望しているという結果が出ていますが、このような長時間労働を前提とした働き方のままでは就業を望む子育て中の女性の労働参加は困難です。こうした状況を改善しワーク・ライフ・バランスが実現すれば、子育て支援にとどまらず、働く意欲のある高齢者にとってもメリットがあると思います。
 労働力人口の維持が大きな課題となっている今こそ、働き方を見直すことにより健康で豊かな生活のための時間が確保されるとともに、働く意欲と能力のある誰もが多様な働き方に挑戦できる機会が提供される社会を実現させていくことが必要であると考えます。
 県として、ワーク・ライフ・バランスの推進にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、障害のある人への就労支援について伺います。
 平成二十六年六月一日現在の県内民間企業における障害者雇用率は一・八〇%であり、前年の一・七二%から〇・〇八ポイント上昇したものの依然として法定雇用率二・〇%を下回っており、法定雇用率を達成した企業の割合も四七・六%と半分に満たないのが現状であります。
 このような中、静岡労働局が五月に公表した数値によりますと、平成二十六年度の県内のハローワークを通じた障害者の就職件数は前年度比二・〇%増の二千四百六十一件で、四年連続で過去最高を更新しております。中でも精神障害者の方の就職は一・三%増の八百四十八件と最多であり、初めて身体障害者の就職件数を上回ったとのことであります。これは精神障害者の雇用が平成三十年から義務化されることを受け企業側の理解と取り組みが進んだ結果であるとともに、行政やさまざまな支援機関の取り組みが効果を発揮していることによるものと考えます。
 大切なことは仕事をしたいと願う障害のある人が生きがいを持ってできるだけ長く働くことであり、働くことを通じて地域で自立した生活を営むことであると考えます。そのためには就労前の職場実習や職業訓練といった支援も大切であるとは思いますが、就労後の支援はより一層重要であります。障害のある人が雇用の場において生き生きと活躍し、ひいては貴重な労働力として本県の産業を支えることのできる働いてよしの静岡県の実現のために、障害のある人への就労支援についてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、農地集積バンクの活用について伺います。
 我が国が超高齢化社会到来を迎えようとしている中、農業においても従事者の平均年齢は六十六歳を超え、リタイアする農業者の増加に伴い農業構造の脆弱化が危惧されています。将来にわたり安定的な農業生産を行っていくためには担い手への農地集積や農業への新規参入を促進し、農業の強化が求められております。
 このため、農地中間管理事業の推進に関する法律を制定し、平成二十六年度から各県が設置した農地中間管理機構による担い手への農地利用の集積・集約化を進めておりますが、本県においては沼津市などが先駆的に取り組んだところではあるものの、その面積は十五ヘクタールであり国が示した本県の年間集積目標面積に対して一%も満たしていない結果でありました。つくれば売れるという時代であれば規模拡大したい農家は傾斜地などの条件が不利な農地であっても借り受けたかもしれませんが、農産物価格が低迷し規模拡大しても簡単に所得向上に結びつかない現在は、条件のいい農地でなければ借り受けが進まないとも聞いております。
 県は、国の公表結果をどのように捉え、今後、農地中間管理機構による農地集積をどのように進めていくのか伺います。
 次に、静岡県の道路行政についてのうち、地方創生の核となる道の駅の取り組みについて伺います。
 道の駅は平成五年に登録制度が創設されて以降、年を追うごとにその数をふやし、現在全国に一千五十九カ所、県内では本年四月に私の地元沼津にオープンしたくるら戸田など二十三カ所が登録されています。また沼津市商工会が原・浮島地区グランドデザイン構想を策定し、その中で国道一号沿いの原地区に道の駅するが原宿の整備構想を掲げています。
 ドライバーの休憩施設として生まれた道の駅は、各地域の特産物や観光資源を生かした積極的な取り組みにより独自の進化を遂げ、今では年間の売り上げが全国で二千億円を超えるなど地域の創意工夫と努力によって、まちを生かして人を呼び、仕事を生み出す地方創生の拠点になりつつあります。また大規模災害の発生時には道路利用者の一時避難場所や広域支援部隊の拠点などになり得るなど、防災拠点としての機能にも注目が集まっています。そして国内外から多くの方々をお迎えする時代の中、道路情報に加え多様な地域の魅力を提供できる道の駅は地域の拠点としてますます重要な役割を担うものと考えています。
 そこで、道の駅における県の取り組みについて伺います。
 次に、ラウンドアバウトの取り組みについて伺います。
 一般的にラウンドアバウトと呼ばれる環状交差点は、四年前の東日本大震災の折に電力供給が停止し各所で交通の混乱が生じた教訓から停電時でも安全な通行を可能にする交通処理方法として注目を集め、平成二十五年六月には環状交差点の通行方法を定める道路交通法が改正されました。本年五月の時点で十五都府県四十五カ所の交差点が環状交差点に指定されており、この中には焼津市の市道交差点など県内における三カ所も含まれています。ラウンドアバウトは我が国では導入の初期段階に当たり通行にふなれなドライバーが多いことなどの課題はあるものの、既に海外では欧米を中心に普及しております。私も実際に運転をしてみましたが戸惑うことなく安全に通行することができました。今後ラウンドアバウトが各地で普及し通行方法の周知などが進めばこうした課題も解決していくものと考えます。
 そこで、今後の県のラウンドアバウトの取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、政策テーマ「人」に関する質問についてであります。
 静岡県の教育行政について伺います。
 まず、義務教育についてであります。
 我が国の義務教育は憲法、教育基本法、学校教育法等に基づき制度化され、児童生徒が一定水準の教育を受けることのできる制度を構築しています。義務教育においては全ての子供が対象であり、親の所得格差、考え方の多様化などさまざまな要因により、例えばいじめ、不登校、粗暴行為などの問題行動、学習意欲や学力の低下といった多くの課題を近年抱える状況が全国的に見ても続いています。
 こうした状況において本年四月、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ地方教育行政における責任の明確化、迅速な危機管理体制の構築、首長との連携強化を図ることを目的に、新しい教育委員会制度がスタートしました。
 この新教育委員会制度において木苗教育長がリーダーシップを発揮し教育行政を進めていかれることと思いますが、義務教育での指導経験がない中、義務教育における一定水準の教育の維持向上と課題の解決に向けて教育長として本県の教育行政にどのように取り組まれていくのか所見をお伺いいたします。
 次に、静岡式三十五人学級編制の継続とさらなる充実について伺います。
 財務省は、財政制度等審議会において今後九年間で教職員数を約四万二千人削減できるという試算を示しました。これは子供の数の減少に伴う教員の自然減に加えてさまざまな教育課題に対応するための加配教員をも合理化減するという案であります。しかし少子化という理由で機械的に教職員数を削減してよいのでしょうか。
 本県は、全国に先駆け静岡式三十五人学級編制として小中学校の少人数学級化を進め、平成二十五年度に国の制度とあわせて義務教育全学年の実施に至りました。この静岡式三十五人学級編制は何としても継続、充実していかなければならない施策であると考えます。
 静岡式三十五人学級編制には二十五人という下限があるため、県内では三十六人以上の学級が存在していたり、級外の教員が減少したりといった制度面でさらに充実すべき課題もあると伺っています。さらに本年度の静岡式三十五人学級編制に必要な教員八百四十八人は、県単独措置四十五人を除いた全てに国の加配教員を充てています。仮に国の加配教員が減るようなことになれば、静岡式三十五人学級編制は制度として立ち行かなくなるおそれがあるのではないでしょうか。
 そこで、国の少人数学級化の流れが停滞し国の加配教員が減る可能性がある中、静岡式三十五人学級編制の継続とさらなる充実についてどのように考えているのか、教育長の所見を伺います。
 次に、政策テーマ「礎」に関する質問として、マイナンバー制度について伺います。
 まず、制度の周知についてであります。
 社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー制度では、国民一人一人が行政サービスの垣根を越えた共通の個人番号を持つことにより社会保障、税制度の効率性、透明性が高まるとともに、国民にとっても利便性の高い公平公正な社会が実現すると期待されています。マイナンバーは行政サービスで利用するほか個人所得の確定申告や民間事業者の雇用保険の届け出、所得税の源泉徴収事務などでも扱うことになるため、個人や民間事業者の理解と準備が不可欠であります。
 ことしの十月には各個人へのマイナンバーの通知が開始され、来年一月からは社会保障や税の手続などで利用が始まりますが、報道などによると国民の認知度は低く民間事業者の対応も進んでいないようであります。また先般の日本年金機構の個人情報の大量流出事件により、マイナンバー制度に対する懸念や不安が大きくクローズアップされてしまったように思われます。
 制度の周知が急務であるとともに、県民の利便性が向上するというメリットについても正確な理解を得られる必要がありますが、県としてどのような取り組みを行っていくのか所見を伺います。
 最後に、制度導入に伴う個人情報の保護について伺います。
 タブレット端末やスマートフォンの普及によって、場所と時を選ぶことなく最新の情報を入手したりショッピングをすることができるなど、非常に便利な社会となったことを実感することができるようになりました。一方で個人本人の氏名や住所などの個人情報が本人の知らないうちにインターネット上に流出してしまうというリスクが増加していることも事実であります。
 今回のマイナンバー制度の導入により、県においてもさまざまな情報をマイナンバーにより効果的に利活用することが可能となりますが、そうした情報には住所や氏名、生年月日のほか所得金額や人に知られたくない情報も含まれることになります。県民の中にはこのような個人情報を県のどのような機関がどのような業務に利用するのか、さらに万が一にも情報が漏えいすることはないのかといった漠然とした不安を抱いている方が多いことも事実であります。さきにも述べた年金情報流出事件を目の当たりにすれば、その不安はさらに増したのではないでしょうか。
 けさのNHKニュースでは、情報セキュリティーの強化や自治体間の監視体制の強化を進めるなどの報道がありました。県は今定例会に静岡県個人情報保護条例の一部を改正する条例を提出されておりますが、マイナンバー制度の導入に向け個人情報保護についてどのような取り組みを行っていくのか所見を伺います。以上について答弁を求めます。(拍手)
○副議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 曳田議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、内陸のフロンティアを拓く取り組みについてであります。
 炯眼の曳田議員は既にお気づきかと存じますけれども、内陸のフロンティアを拓く取り組みというのは三つの戦略から成っています。中山間地、内陸のフロンティアを拓く、沿岸都市部のリノベーション、そして両者を結ぶ地域連携軸というものでございます。これは一九九八年に策定された二十一世紀の国土のグランドデザインにおける四つの戦略のうち三つを本県に適用したものです。
 この全体五回つくられた国土計画は、一回目と二回目がそれぞれ拠点開発とか大規模プロジェクトは成功しましたけれども、それ以降の国土計画は全て画餅に終わっているということがございます。そこに書かれているのは多自然居住地域の創造、都市部のリノベーション、地域連携軸の形成、そして広域国際交流圏の形成ということでございました。広域国際交流圏の形成というのは時期尚早ということで私は入れませんでしたが、現在の時点を考えますと、十八にもなるような国際クラスの世界クラスの地域資源がある中で、五つの地域がそれぞれの交流圏たり得るというふうにも思っているわけでございます。
 そして、四つの目標を持っております。これは本県の内陸のフロンティアでございますが、まずは三・一一を受けて防災・減災機能を充実させるということですね。二つ目はそれとあわせて経済成長を促すと。これは新産業の創出であるとか産業の集積というのが入っています。それから三つ目は議員御指摘のとおり豊かなライフスタイル、さまざまなライフスタイルの選択肢を提供するということですね。それから四つ目はそうした暮らしの基盤をきっちりと整備するということでございます。こうしたものを我々はずっとPRしてきたわけですが、すぐに国のほうで総合特区として認めてくださいました。
 一方、それにだんだん、その重要性に気づいてくださった市町の方たちがございまして、我々は今や県が認定するいわゆる推進区域というものがございまして、二十市町四十区域が推進区域に指定されるまでになりました。しかしどちらかというと内陸高台部が中心に広がっているということです。しかしこれは安全な国、安全な地域をつくるためのプロジェクトでございますので、沿岸都市部への配慮というのは初めから不可欠なものと考えてきたわけでございます。そして沿岸都市部の地域資源を生かした新産業の創出や新しいライフスタイルを実現する取り組みなども、さらに充実していく必要があるというふうに考えております。
 このため、今年度新たに内陸フロンティア多様化モデル創出事業を創設し、充実が必要な分野で質の高い地域づくりの計画を積極的に支援しているところであり、乳幼児から中学生まで一貫して地域の文化に根差した教育環境を整備する、伊豆市文教ガーデンシティの計画が進められております。
 ガーデンシティーという言葉は、沿岸都市部におきましては例えば吉田町がシーガーデンシティというふうに言われていますし、空港の近辺では空港ティーガーデンシティと。そしてまた、ガーデンシティーという言葉は三島市もお使いになられて、全体として三十五市町が美しい緑とそれから生活景観に彩られているガーデンシティー群の集まりという、そうしたものになることが理想であります。
 さて、この五月に行いました推進区域の第三次指定におきましては、沿岸部の未利用地を整備し地元企業等の農業参入を促す農業経営塾を開催する磐田市の取り組み。また新しいライフスタイルに対応する市民農園や直売所を備えた地域農業の拠点を整備する菊川市の取り組みなど、新しい視点を持った取り組みが生まれてきております。
 そして、今後とも推進区域に対する有利な補助制度等の活用促進や土地利用調整等にかかわるきめ細かな相談対応などによりまして、多様な取り組みの早期具体化を進めます。内陸フロンティア推進コンソーシアムを初め民間や市町と連携し、県内全域で新しい産業の創出と集積、自然と都市機能が調和したガーデンシティーの形成に取り組み、安全で安心できる、魅力あるふじのくにの実現に邁進してまいります。
 次に、戦略物流の推進についてでございます。
 新東名高速道路は三年前の四月十四日に一年以上前倒しで開通いたしました。私どもはそれを見越しまして三年前、三月にふじのくに戦略物流ビジョンを策定いたしました。これは新東名を念頭に置いたものであります。その後、首都圏中央連絡自動車道や特に東駿河湾環状道路の整備が順調に進捗いたしまして、景気回復に伴うトラックドライバーの不足など本県の物流を取り巻く環境が変化いたしましたので、そこで本年三月に後期計画を策定し、重点的課題に対しましては官民一体となったプロジェクトチームを立ち上げ効果的な対策を実施していくこととした次第でございます。
 まず、物流サービスの停滞を招き産業活動に大きな影響を及ぼすおそれがあるトラックドライバー不足につきましては、事業団体や国の関係機関と連携し荷主と物流事業者とのパートナーシップの構築、女性ドライバー、現役を退いたドライバーなどの人材活用の仕組みづくりに取り組んでまいります。
 また、平成二十九年度に中部横断自動車道が開通する見込みです。その開通後、山梨県、長野県との物の流れが変わります。清水港の存在感が一段と増すことになると思います。また同時に人流も、こうした山梨や長野といった日本の奥座敷というか中庭とでも申しましょうか、そうしたところから海のある地域に来られる人たちもふえてくるであろうということでございます。ともあれ清水港や富士山静岡空港の利用によるメリットを荷主や物流事業者に正しく情報発信するポートセールス等を一層精力的に実施いたしまして、新しい物の流れの創出に努めてまいります。
 そのほか、災害時における広域物流拠点の円滑な運営、人口減少社会を見据えた地域を支える持続可能な物流システムの構築等々につきましても、官民連携いたしまして課題の解決に邁進いたします。
 今後とも国の機関、市町、物流事業者、経済団体等が一体となりまして物流をめぐるさまざまな課題の解決に積極的に取り組み、県内に物の流れを呼び込むことによる産業の振興と地域経済の活性化を図り、物流立国ふじのくにの実現を目指してまいります。
 ちなみに、この後期計画というのは生産から消費まで物の流れで見ると。私は生産も物の流れの一環であると。そして最後はその物を使わないといけませんので、ものづくりとものづかいは一体的に見たほうがいいと。本県の中で使われるものは本県の生産物であることが望ましいと。このような地産地消を促すという、そうした観点も実は後期計画の中に理念としては入っているということでございますので、あわせて御利用賜ればと存じます。
 次に、MICEの推進についてであります。
 MICEは旅行単価が高く地域への経済波及効果が期待されます。また参加する各界のオピニオンリーダー等による開催地についての国内外への情報発信効果も大きゅうございますので、地域の振興に大きく寄与するという認識を持っています。
 県では、「プラサ ヴェルデ」のオープンをMICE誘致の絶好の機会と捉えまして、昨年度は全県で国際会議十四件、五百人以上の大規模な会議やイベントは八十五件。これらを誘致いたしまして、東部地域コンベンションビューローと協力し県内のMICE受け入れ可能な施設等を紹介する「SHIZUOKA MICE Guide」を作成いたし国内外に公表いたしました。
 また、MICEのうち特に海外からの企業ミーティングやインセンティブ旅行の誘致につきましては、海外駐在員事務所と連携を図り商談会やファムトリップ等を実施いたしまして海外の企業や旅行会社等のキーパーソンとの関係づくりも推進しています。
 こうした取り組みの結果、昨年度は台湾、韓国、タイの企業、団体が合計で十一件、約一千五百人、延べ約二千三百五十泊のインセンティブ旅行が県内で実施されたところです。本年は台湾の靴メーカーによる五百人規模のインセンティブ旅行も伊豆で実施されることが決定しています。
 今後とも、世界遺産富士山を初めとする美しい景観や豊富な食材等の観光資源とあわせてすぐれたMICEの受け入れ環境を効果的にPRし、県内各地のコンベンションビューローとも連携をしながら企業ミーティングやインセンティブ旅行の誘致に積極的に取り組んでまいります。
 次に、空き家を活用した移住・定住の促進についてであります。
 移住者にとりまして最も重要なことは、働く場と並んで住まいの確保です。静岡県では中山間地での田舎暮らしの希望者などを対象にした静岡県空き家バンクを平成二十三年九月に開設いたしました。現在九市町がバンクに参加し、掲載物件は四十件、開設以来の成約件数は六十八件とそれなりの成果を上げています。中山間地等での需要は立地条件にも左右されますが全体的には非常に大きい。例えば藤枝市の中山間地では現在百人が待機なさっているということです。物件が出るとすぐに居住者が決まる状況です。空き家所有者が物件を賃貸あるいは販売に供するようにいかに誘導するかが課題です。
 一方、移住希望者のニーズは多様です。子育てに最適な緑豊かな中小都市に生活の基盤を移したいとか、東京圏での仕事は変えないで県東部地域で物件を購入し通勤したいといった希望もございまして、中山間地のみならず都市部も含めた県内全域において空き家を移住希望者に的確に提供していく環境を整える必要があります。
 このため、去る四月二十日には公益社団法人静岡県宅地建物取引業協会並びに公益社団法人全日本不動産協会静岡県本部と協定を締結いたしました。この協定によりまして不動産情報の提供、空き家バンクの運営や空き家等の対策について官民が相互に連携協力していくこととなったわけでございます。また民間団体や企業で構成する静岡不動産流通活性化協議会に設置されました空き家対策部会に参加して、中山間地域に限定されていた空き家バンクの市街地への拡充、効果的な情報の提供等々、空き家の活用方法や流通促進策の検討を始めたところです。
 御案内のように、国のほうでもいわゆる空き家対策法というのを昨年の秋に導入されました。日本に空き家が何と八百二十万戸もあると。日本の世帯数が仮に一世帯一戸だとしますと大体四千五百万世帯ですので、四千五百万分の八百二十万ということですから六軒に一戸は空き家というすさまじい状況でございます。そうした中で長く放置されているために不衛生になったり環境を害したり、あるいは景観上問題があったり。そうした空き家は特定空き家としてその建物のみならずその敷地も含めて行政が関与していいということになっているわけでございます。我々は、こうした負の空き家に対する対策も国のこの法律を活用して実行していくと同時に、やはりせっかくつくられた空き家、人が住んでいたところですからこれを有効活用すると。こういう姿勢で臨んでまいりたいと。
 今後は、県外移住者に対する空き家リフォーム支援や空き家を県外IT企業等の移転の受け皿とする方策等に検討を進めるほか、特に芸術家などもやはり自然豊かなところがいいということで、芸術家村とでも称するような、そうした地域もつくっていいのではないかとすら思っております。市町と連携して官民一体となって空き家を活用した移住・定住対策に取り組んでまいる所存であります。
 続きまして、安全で安心な暮らしの実現についてのうち、健康寿命日本一の推進についてであります。
 静岡県では、健康寿命日本一の延伸を総合計画後期アクションプランの重点取り組みに掲げました。市町や企業、関係団体と緊密に連携し健康寿命の延伸に向けて全力で取り組んでおりまして、その取り組みの成果が、ありがたいことに企画広報部のお金を使わないで全国のテレビや新聞、一般の週刊誌にまで取り上げられるまでになりました。広報はこうでなくてはいけないと。広報に金を使うんじゃなくて、向こうのほうから勝手にしていただくというぐらい魅力的な事業を展開すること。それ自体が最終的に広報になると、こういう姿勢でやっているわけでありますが、健康寿命はそうした中で成功している事例であります。
 県民みずからが健康を保ち病を未然に防ぐためには健診の受診は大変重要ですから、県では特定健診とがん検診の同時実施、土日健診による受診機会の拡大等々、県民の皆様が受診しやすい体制の整備や受診促進の啓発を進めているところであります。また民間企業が行政と連携して健診の受診者に特典を付与するなど新しい取り組みも始まっています。こうした取り組みで特定健診の受診率は年々上昇しているのを喜んでいます。
 健康づくりの普及策としましては、健康づくり活動により店舗で特典が受けられる健康マイレージ事業を行っており、今年度二十四市町で実施するなど県民の皆様による主体的な健康づくりの取り組みが一層拡大しております。
 また、県内約五十六万人分の特定健診データの見える化を進めてきたことで、市町みずからが詳細に地区別分析を行い、高血圧有病者の多い地区での減塩指導や喫煙率の高い地区での禁煙教育等々、健康課題を踏まえた地域の自主的な健康づくりの動きも広がってまいりました。
 県といたしましては、今後とも県民の皆様が健康づくりに取り組みやすい環境の整備に努めますとともに、このたび七十六歳までを壮年とするふじのくに型人生区分を出しました。新聞でも好意的に報道され、また社説も出ておりますが、曳田議員は御年六十一歳ということは壮年中期であります。壮年後期は七十六歳まででございますので、ますますこれからも御壮健であっていただきたいと存じますが、このふじのくに型人生区分によりまして高齢世代の若返り意識を誘導する必要があると。なぜ六十五歳で高齢者と言われなくちゃならんと。そう思っている人がたくさんいらっしゃると思います。ですから実態としまして決して勝手に言っているのではなくて、お医者様あるいは学会等のそうしたデータに基づきまして、明治時代には平均寿命四十歳です。私が生まれたころは五十歳です。今は男女とも八十歳以上です。ですから本当に日本人の健康は若返っていますので、それに即した形で人生区分を見、そして日本のいわば健康寿命延伸のリーダー役になってまいりたいと思っております。活力あふれる地域社会を目指し、「生まれてよし 老いてよし」のふじのくにの実現に取り組んでまいります。
 次に、農地集積バンクの活用についてです。
 なるほど、平成二十六年度に国のほうで小規模で分散した農地を借り入れ中間保有し集約して担い手に貸し付ける公的機関、この農地中間管理機構を制度化されたわけですが、本県における農地中間管理機構の初年度の取り組みが、借り受け規模は五百三十ヘクタールありました。ところが先ほど御指摘のとおり、実際に貸し付けた面積は十五ヘクタールというりょうりょうたる数字になったことを残念に思っておりますが、実際はこうした集積事業はこれまで農協がなさってきてくださいまして、貸し手と借り手の間の取引によって農地集積が図られてまいりまして、担い手への集積面積は平成二十六年度末までに県内農地の三九%に当たる二万七千ヘクタールとなっているわけでございます。
 ただ、この中間管理機構の活用が不十分であるということですので、機構では本年度から出し手の掘り起しとか集約の調整を行う職員を増員すると。今三人ですから五人増員しまして八人体制といたします。そして東部、中部、西部の三カ所に配置いたしまして、五月には掛川市において百十七人から借り受けた四十二ヘクタールの水田を稲作を行う一つの農業生産法人に貸し付けております。こうして徐々に広まっているわけでございます。
 それから、議員の地元の近くの沼津の西浦、内浦地域におきましては県が農道やかんがい施設の整備を進めております。これらの基盤整備が完成しますと農道が長井崎中学の方向に延びていきます。そしてそこは高台でございますので、内浦、西浦地区の沿岸部で場合によっては津波に襲われかねないということでございますので、強制はしません。移りたい人は自分の土地を売る必要はありません。定期借地の手法を使いまして上部に移り住めると。したがって二つ家を持てると。場合によってはですね。そういう無理のない形での移住を促進し、また上のところは非常に美しゅうございますから、恐らく絶景と言うべきだと。日本一の絶景と言っても過言でないぐらい美しいところに住めるということでもございまして、こうしたことを進めていくのにも機構を活用させていただきたいと。この機構は本年度から基盤整備の進捗に合わせて順次約五十ヘクタールのミカン園を担い手に集積することというふうにしております。
 また、本県には一万二千ヘクタールもの、いわゆる耕作放棄地がありました。今はそのうち二千六百ヘクタール余りを耕作地に変えましたが、しかしもうその半分ぐらい、六千ヘクタールぐらいはもう使い物になりません。したがってこれも中間管理機構を利用いたしまして、農業委員会の判断を受けてのことではございますけれども、こうした耕作放棄地、不在地主のところに対して適正に措置を講じていこうと思っております。一つはそれを非農地化すると。もうほとんど山林あるいは傾斜地ということでもはや農地に変えるのは不可能だというところもございますので、なるべく早く静岡県の大地を生き生きとしたものに変えるという考えを持っております。
 私どもといたしましては、農地の集積・集約をするために必要な基盤整備に取り組むとともに、市町と連携して機構の活動を支援し、意欲ある担い手が規模を拡大して農地の効率的な利用と生産性の高い農業を行うことができるように努めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(杉山盛雄君) 外岡危機管理監。
       (危機管理監 外岡達朗君登壇)
○危機管理監(外岡達朗君) 安全で安心な暮らしの実現についてのうち、総合防災訓練についてお答えいたします。
 今年度の総合防災訓練は焼津市、藤枝市をメーン会場とし、「地域を守る志太のチカラ〜『自助・共助』と『公助』をつなぐ減災スクラム〜」をテーマに二百七十八の自主防災組織等の約十万人の参加を得て地域の防災資源の活用、自主防災組織と警察、消防、自衛隊等の連携を目指し、さまざまな訓練を実施いたします。
 具体的には、自主防災組織による初期消火や避難所運営を初め、高速道路の藤枝パーキングエリアの緊急開口部や大井川焼津藤枝スマートインターチェンジ予定地からの広域応援部隊の進出、市立病院へのDMATの派遣、民間病院における災害時医療救護などの訓練を行います。
 さらに、航空自衛隊静浜基地への避難者の受け入れ、倒壊家屋や事故車両からの負傷者の救出と搬送、孤立集落住民によるヘリコプターの着陸誘導などの連携訓練のほか、初めての取り組みとして津波救命艇の活用や避難ビルからのヘリコプターによる救出訓練を行います。
 県といたしましては、今後とも地域の状況を踏まえた総合防災訓練を実施し、県民の防災意識と地域防災力の向上を図ってまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 安全で安心な暮らしの実現についてのうち、危険ドラッグ乱用防止対策の強化についてお答えいたします。
 インターネットによる販売を防止するためには、監視の強化と取り締まりの徹底が大切であると考えております。県では販売サイトから買い上げ検査を実施し、違法成分が検出された場合は国や検査機関などと連携して販売サイトの排除に努めております。また今年度からはサイバー監視用のパソコンや処理能力の高い検査機器を整備するなど監視体制の一層の充実強化も図ったところでございます。
 危険ドラッグの乱用防止につきましては、乱用者の多くを占める若者への啓発が重要です。県内の小学生から高校生までを対象に行っている薬学講座や大学生等に対する薬物乱用防止講習会において危険ドラッグの有害性や違法性についての内容を重点的に取り入れ、危険ドラッグに手を出さないという意識を徹底させてまいります。今年度も、全国に先駆けコンビニ大手四社と連携しデリバリー取引の情報提供や若者向けのポスターを掲示するなど、危険ドラッグ乱用防止対策の新たな強化を行ったところでございます。
 今後とも、警察本部や国、全国の自治体などとも密接に連携し危険ドラッグの撲滅に全力で取り組み、県民の健康と安全を守り安心な社会の実現を目指してまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 西川警察本部長。
       (警察本部長 西川直哉君登壇)
○警察本部長(西川直哉君) 安全で安心な暮らしの実現についてのうち、振り込め詐欺等特殊詐欺に対する取り組みについてお答え申し上げます。
 最初に、特殊詐欺の現状についてでございます。
 ことしの大きな特徴といたしましては、認知状況では五月末現在で百十六件でございまして前年同時期と比べて約三割増加いたしておりますが、被害額では約二億八千万円でありまして約五割減少しているということが挙げられます。また手口的には投資等をうたった高額被害の特殊詐欺が大幅に減少いたしておりまして、かわっていわゆるオレオレ詐欺あるいは医療費等の還付金詐欺が増加いたしたということが挙げられます。
 このような現状を踏まえまして、特殊詐欺の検挙及び抑止対策についてお答えを申し上げます。
 まず、検挙対策についてでございます。
 新たな対策といたしまして、この春、捜査第二課に特殊詐欺の取り締まりに特化した捜査室を増強いたしました。また、だまされたふり作戦等の現場捜査を担当する専門部隊を設置したところでございます。これによりまして県内外での現場捜査力がアップし、発足以来約三カ月で四事件を現場において検挙いたしたところでございます。
 また、特殊詐欺が暴力団の重要な資金源の一つとなっているという現状から、暴力団等の取り締まりを担当いたします組織犯罪対策部門でも捜査第二課と連携をいたしまして情報の集約、分析を行い、暗躍する暴力団等の中枢幹部の摘発を行っているところでございます。
 次に、抑止対策についてでございます。
 金融機関の窓口での声かけを強化する目的で、全国に先駆けて平成二十五年の十二月より高齢者が高額現金を引き出す際、預金小切手を勧奨いたしますいわゆる預手プランを実施いたしておりまして、昨年は約四億三千万円の被害を防いだところでございます。このほか犯人グループから押収した名簿に登載されていた方のお宅を直接訪問させていただきまして注意を促すといった対策、また各種会合等、あらゆる機会を捉えた広報活動等を鋭意推進しているところでございます。
 また、増加いたしております送付型の手口に対しまして、全国に先駆けて日本郵便株式会社東海支社と連携させていただいて、ゆうパックの送付状に防犯シールを貼付するという取り組みを本年六月十五日から島田警察署の管内で試行いたしております。これはシールを剥がすという一手間をかけていただくことによりまして冷静になっていただくこと、あるいは郵便局の窓口職員等による声かけを強化していただくことなどを目的としているところであります。
 今後も引き続き関係機関との連携強化に努めまして、特殊詐欺を抑止するため諸対策をより一層推進してまいります。以上でございます。
○副議長(杉山盛雄君) 篠原経済産業部長。
       (経済産業部長 篠原清志君登壇)
○経済産業部長(篠原清志君) 就業環境の整備についてのうち、ワーク・ライフ・バランスの推進についてお答えいたします。
 本県の平成二十五年の年次有給休暇取得率は三八・三%で全国の四八・八%と比べて低いことから、県民の日を中心に八月を年次有給休暇取得の重点期間とし国や関係機関と連携して県内企業等に休暇取得促進を働きかけているところであります。
 また、経営者の自主的な取り組みを促すため、経営者等を対象とした先進企業の視察研修に加え、新たに公募により企業を選定してアドバイザーを派遣し、仕事の効率化や女性の雇用環境の整備などについて具体的に取り組んでいただくこととしております。
 一方、次世代育成支援対策推進法で行動計画の策定が努力義務となっている従業員数百人以下の県内中小企業百社に対して、今年度から社会保険労務士を派遣し休暇の取得促進や仕事と子育ての両立等を盛り込んだ計画の策定を支援してまいります。
 県といたしましては、今後とも仕事と生活の調和がとれた就業環境の整備に取り組み、一人一人がやりがいや充実感を感じながら働くことができる社会の実現に努めてまいります。
 次に、障害のある人への就労支援についてであります。
 県は、障害のある人の就労を促進するため、企業を対象にセミナーの開催や先進的な職場を見ていただく見学会を行っております。また障害のある人の仕事の悩みや不安について相談を受け助言するジョブコーチを派遣しており、御本人や御家族、企業の方々からも職場で自立して働くための解決策を示すことができる心強い存在として信頼を得ております。
 さらに、具体的な就労につなげるために企業と障害のある人とのマッチングを行う雇用推進コーディネーターを配置し、平成二十六年度の一年間で二百三十三人の方を就職に結びつけることができました。加えて障害のある人の離職を防ぐためには企業内における障害者雇用の仕組みづくりが重要でありますことから、今年度、障害者雇用の経験や専門知識が豊富な方をアドバイザーとして企業に派遣し働きやすい環境の整備を進めております。
 県といたしましては、今後とも就労意欲を持つ障害のある人が生き生きと働き続けることができる働いてよしのふじのくにの実現に向け、取り組みを進めてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 静岡県の道路行政についてのうち、地方創生の核となる道の駅の取り組みについてお答えいたします。
 道の駅は、道路利用者に快適な休憩と道路及び地域に関する情報を提供する施設として全国各地に設置され、地域の創意工夫により個性豊かなにぎわいの場として多くの方々に利用されております。
 県ではこれまで、道の駅の観光マップへの掲載や周辺の観光情報の発信、スタンプラリー等の取り組み支援をすることにより、道の駅の認知度を高め利用促進を図ってまいりました。また東日本大震災の教訓を踏まえ、県管理道路沿いの全十二駅において非常用電源設備や大型モニターの設置などによる防災拠点化を進めており、今年度完了する予定であります。
 さらに昨年度、地方創生に向けた先駆的な取り組みを関係機関が連携して総合的に支援する重点道の駅制度が創設され、県内ではくるら戸田など八駅から成る伊豆道の駅ネットワークが選定されました。県では本年度より道の駅を活用した一層の地域振興を図るため、社会資本整備総合交付金を活用し周辺道路の改良や案内標識等の設置を実施することとしております。
 県といたしましては、引き続き中部ブロック道の駅連絡会等の場を通じて国、関係市町等と連携しながら情報発信を初め周辺道路の整備など多くの方々が利用しやすい環境整備を進め、地方創生の核となる道の駅の利用促進に努めてまいります。
 次に、ラウンドアバウトの取り組みについてであります。
 ラウンドアバウトは、交差点における衝突事故を減らし信号待ちをなくすとともに、停電時等における交差点処理機能の維持などさまざまな効果が見込まれております。県内では焼津市が昨年度、半年間の社会実験を経て焼津市関方の市道交差点をラウンドアバウトに変更いたしました。
 県では昨年四月、公安委員会や外部有識者等から成る静岡県ラウンドアバウト検討委員会を設置し、事故の発生状況や用地の制約などの現場条件等を踏まえて導入候補箇所の選定を行い、今年度、県道富士富士宮線の富士宮市上井出地内の信号交差点において試験導入を実施することとしております。本格導入に当たっては交通量のほか通行の安全性、円滑性や維持管理の容易性、経済性等の観点から国が示した基準に沿って評価を行い導入の可否を判断してまいります。
 県といたしましては、今回の試験導入により得られる効果や課題等を整理するとともに全国における導入事例等も参考にしながら、他の道路における適切な箇所へのラウンドアバウト導入について関係市町や公安委員会等と連携しながら引き続き推進してまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 静岡県の教育行政についてのうち、義務教育についてお答えいたします。
 現在、少子高齢化、高度情報化、グローバル化など子供たちを取り巻く環境の急速な変化が指摘されています。こうした中、義務教育における教育水準の維持向上は本県でも極めて重要な課題であると認識しております。議員が御指摘のとおり、私は義務教育における指導経験はございませんが、可能な限り学校を訪問し現場の声を丁寧に聞き取るとともに、公立小中学校を設置管理する各市町教育委員会と密接に連携しながらオール静岡の体制で本県の義務教育の充実に向けさまざまな施策を講じてまいりたいと考えております。
 私自身は、およそ教育というものは褒めて育てる。このことが基本と考えております。例えば学力向上における取り組みなどについても、課題ばかりに目を向けるのではなく子供たちの学びの過程を大切にし、一人一人のよさを価値づけるような教育を推進していきたいと考えております。また保護者や地域の方々とも情報を共有し、子供の教育には地域一丸となって取り組むという考えのもと、社会総がかりによる教育を推進してまいりたいと考えております。
 次に、静岡式三十五人学級編制の継続とさらなる充実についてでございます。
 本県におきましても、平成二十一年度から全国に先駆け国の加配教員を活用した静岡式三十五人学級編制を実施し、平成二十五年度には義務教育九カ年の全ての学年で少人数学級を実現いたしました。さらに現在、国の加配教員を補うものとして教員四十五人を県単独で措置するなど、その充実に努めております。このように導入以来既に六年が経過し、本県の学校現場では少人数学級による指導が確実に定着してきております。
 議員御指摘のとおり、財務省からは今後九年間で約四万二千人の教職員数を削減できるという試算が示されました。仮にこれが実施された場合、本県の制度の根幹が大きく揺らぐことになります。そのため六月十日に全国都道府県教育長協議会が、翌十一日には全国知事会が小中学校の加配教員の確保と拡充を目指す緊急要望を国へ提出いたしました。
 県教育委員会といたしましては、加配教員の確保と定数改善に向け引き続き国に対し強く要望するとともに、学級を持たない級外教員の減少については非常勤講師の配置を工夫するなど、今後とも静岡式三十五人学級編制がより充実し安定的な制度となるよう取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 白井企画広報部長。
       (企画広報部長 白井 滿君登壇)
○企画広報部長(白井 滿君) マイナンバー制度についてのうち、制度の周知についてお答えいたします。
 マイナンバー制度は、行政にとって事務の効率化が図られるだけではなく、県民の皆様にとりましても福祉や税等の手続で住民票や課税証明書などの添付書類が削減されるほか、パソコンやスマートフォンを通じて児童手当などみずからが受給可能な各種給付の案内を受けることができるなど利便性が向上する仕組みになっております。制度の導入に当たりましては、こうしたメリットも含め制度全般について幅広く広報を行っていく必要がありますことから、県ではこれまでホームページに制度の説明を掲載するとともに、市町の実務担当者に対する説明会を開催するなどの取り組みを行ってきたところであります。
 今後、来年一月の制度開始に向けて県民だよりによる広報や市町、経済団体と連携した事業者向けの説明会の開催、自治会を通じた住民への制度の周知などを行ってまいります。さらに、住民に身近な市町が制度のメリットも含め広報を的確に実施できるよう、住民向け説明会開催への協力や職員に対する技術的助言など市町に対する支援を行い、マイナンバー制度の円滑な導入に向けて準備を進めてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 伊藤経営管理部長。
       (経営管理部長 伊藤篤志君登壇)
○経営管理部長(伊藤篤志君) マイナンバー制度のうち、制度導入に伴う個人情報の保護についてお答えいたします。
 マイナンバー制度の導入により行政事務の効率化と県民の利便性が向上する一方、情報の取り扱いや情報流出についての懸念や不安の声があることも事実であります。県では個人情報保護条例を制定し、県が保有する個人情報の適正な取り扱いに努めているところでありますが、マイナンバー制度の導入に伴い新たな個人情報保護対策を講じることとしております。
 情報の取り扱いに関しましては、個人番号を含む個人情報を取り扱う事務ごとに継続的にリスク評価を実施し、その結果を公表いたします。また本人が委任した代理人にも、その求めに応じて情報を開示し情報の内容や取り扱いを確認できる方法を取り入れることなどを内容とする静岡県個人情報保護条例の一部を改正する条例を今定例会にお諮りしております。加えてシステム面では個人番号を含む個人情報にアクセスできる職員を制限するとともに、操作履歴の管理を行うなどの措置を講じてまいります。
 情報流出に関しましては、今回の年金情報流出事件を教訓として新種のウイルスであっても早期に検知、削除し外部への情報流出を未然に防ぐ仕組みを導入してまいります。
 県といたしましては、県民の皆様に信頼される制度の導入に向け関係部局と連携し万全な対策を講じ、個人情報の一層の保護に努めてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 曳田 卓君。
       (三十番 曳田 卓君登壇)
○三十番(曳田 卓君) それぞれに御答弁いただきありがとうございました。ぜひ答弁のごとく着実に事業の実施をお願いしたいと思います。
 特に、その中でも五点ほど要望させていただいて、再質問を三点させていただきます。
 まず要望の一つ目は、知事からMICEの推進について大変力強い答弁をいただきました。国土交通省が六月十二日に認定した外国人旅行者向けの広域観光周遊ルートに本県を含む中部九県の昇竜道――昇る竜の道ですね。これは日本列島の地図を見ますと、ちょうど静岡からこういうふうに日本海へ抜ける道が、まるで竜が昇るような道ということで昇竜道と名づけられたようですけれども、二〇一四年に約四百五十万人だった外国人の延べ宿泊者数を二〇一七年、三年後に六百万人にふやす目標だということでございます。やはりこの国のベクトルに乗って、ぜひとも外国人の誘客を含むMICEへの取り組みを強力に推進していっていただきたいというふうに思います。
 要望の二つ目は、ワーク・ライフ・バランスの推進であります。
 人口減少対策が叫ばれている中、まずは家庭生活の充実、それから安心して子供を産み育てる環境が大変に重要と考えます。昨年施行された家庭教育支援条例にも、事業者は従業員の仕事と家庭生活の両立が図れるよう必要な就業環境の整備等に努めるものとするとあるとおりで、県が非常に積極的にそういう中で企業に立ち入って事業者との連携を図って、よりワーク・ライフ・バランスの推進に努めていっていただきたいというふうに考えます。
 要望の三つ目は、教育についてでございます。
 先ほど教育長から、褒めて育てると。私も本当にそのとおりだと思っております。それで、教育水準の維持向上と課題解決に向けた取り組みについて、ぜひそういう精神で新しい教育行政を推進していっていただけることを強く要望いたします。
 また、静岡式三十五人学級編制につきましては、三十六人以上学級を解消し制度がとにかく安定的、継続的なものとなるよう、県単独措置の教員を増員してでも取り組んでいただきたいと思います。そしてさらなる少人数学級の実現につきましては、昨年十月に静岡県教職員組合とPTAの皆さんが二十二万人の署名をもって、将来的にさらにきめ細かな教育を実現すべく三十人以下学級の実現を目指し、教育長並びに経営管理部長に対し要請を行いました。ぜひともこの意を酌み取っていただき、今後とも全国に誇れる施策を展開していっていただきたいというふうに思います。
 それから要望の四つ目でございますけれども、障害のある人への就労支援についてであります。
 私の地元沼津市では、障害のある人に対して就労支援を行う会社や障害のある人を雇用した上で専任の相談員が作業内容の教育や生活面までも指導しているという企業がございます。障害のある人が自立した生活を営むことができるよう、多くの県内企業への理解促進に努めることと就労支援への取り組みを今後もぜひ強力に進めていただきたいというふうに思います。
 最後、要望の五つ目でございますけれども、道の駅についてでございます。
 先ほども述べましたけれども、道の駅は特産物の販売や観光情報発信、防災拠点機能などから、まちを生かして人を呼び仕事を生み出す地方創生の拠点になると期待されております。地域の拠点として重要な役割を担う道の駅について今後も取り組みを進めていっていただきたいと思っております。
 それでは再質問をいたします。
 知事から先ほど内陸のフロンティアの取り組みについて答弁いただきました。私どももなかなか、理解するんですけれども、どうも県民目線から見ますといま一つわかりにくい部分があるなと。せっかくこの言葉、いわゆるフロンティア。アメリカの西部開拓史の歴史における、要するにフロンティアスピリットというイメージが私ども、ございます。それから大きなスローガンでございますけれども、第三十五代アメリカ大統領のジョン・F・ケネディは、その就任演説でニューフロンティア精神を掲げ、「国家がなんじに何を成し得るかを問うのではなく、なんじが国家に何を成し得るかを問え」と未来への希望を国民に示したわけです。まさにフロンティアを拓く取り組みは県民に新たなる未来への希望を掲げていると思います。
 ぜひ県は県民の先頭に立ち、県民とともにスピード感を持って新たな県土の建設を目指すことを推進していっていただきたいんですけれども、実は今国会で農地転用をめぐる自治体への権限移譲を促進する農地法改正案が六月十九日に衆議院で通過しているわけです。いわゆるこの内陸のフロンティアの精神のもとに、今後土地利用についてどうしてもそこのところが、内陸フロンティアという言葉が、非常にきれいなんだけれども具体的に、要するに農地の活用をどういうふうにしていくかと。つまり土地利用をどういうふうにしていくかということがどうしても県民目線から見ると気になるところでございます。そういうところを再度県民に、もしわかりやすく答弁できるようでしたらお願いをしたいというふうに思います。
 それから、再質問の二つ目は健康寿命日本一の取り組みについてでございます。
 先ほど答弁がございました、県が行っている特定健診データの見える化。これは、市町を初めとした県内の医療保険者が被保険者の健康を保持増進し医療費を抑制するために行う事業に対してという説明がございましたけれども、具体的にどのような効果を与えているのか、改めてお伺いをいたします。
 再質問の三つ目は、振り込め詐欺等特殊詐欺に対する取り組みについてでございます。
 先ほど答弁の中でございました特殊詐欺の撲滅に向けた取り組みの中でも、特に日本郵便東海支社と連携した防犯シールの活用は、抑止対策の次なる一手として現金送付型の特殊詐欺防止に極めて有効であると考えます。振り込め詐欺等の特殊詐欺の撲滅は我が県のみならず全国における最重要課題であり、その対策は急務であります。県警察においてはこの取り組みをどのようにして展開していくのか、改めて警察本部長に伺います。以上、答弁をお願いいたします。
○副議長(杉山盛雄君) 曳田卓君、ただいまの土地利用の件につきましては、再質問の範囲を超えておりますので答弁は求めません。御承知おき願います。
 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 内陸のフロンティアの取り組みに関しまして、再質問いただきましてありがとうございました。フロンティアという言葉は横文字ですのでなるべく使わないほうがいいのですが、しかしアメリカのフロンティアスピリット、西部開拓が、いわゆる未開地を開拓していくと。これがマニフェスト・デスティニーだということで、日本でも西部開拓の歴史は西部劇などを通じて我々に子供のころからよく知られたものでありました。
 また、小渕総理が「二十一世紀日本の構想」懇談会というのを立ち上げられて、そのときにその報告書をまとめた、私もその座長の一人だったんですけれども、「日本のフロンティアは日本にある」という総理じきじきの御高閲になる報告書がまとまったということもございました。
 一方、今まで日本のフロンティアというのは、長く鎖国をしていましたから、海外に日本の新天地があるという見方が多かったわけですね。そうした形で国は臨海工業地帯だとか太平洋工業地帯をつくってきたというところがあります。
 一方、その見返りといいますか、その犠牲になったのが北海道や東北やその他日本の広い意味での田舎ですね。そうしたところは過疎化が進んだということです。しかし本当にそこに魅力がないのかというと、あるということで、そこが本当の日本の帰っていくべきところだということで、臨海から内陸へと。しかも臨海部が集中しているゆえに津波に襲われて多くの人が犠牲になったということがございまして、内陸高台部に移ろうということで、実はそこが本当に日本のふるさと、原型を取り戻す場所だということで、そうしたこれまでの経緯も踏まえて内陸のフロンティアを拓くということにした次第でございます。しかし今やもう推進地域も四十に広がりまして、もう相当に広まっているというふうには思っております。しかし不十分なところがまだあるかもしれません。
 内陸のフロンティアにおける最大の問題は農地転用の問題です。この農地転用について総合特区を認めていただいて、そうすると農水省と交渉権を与えられるということだったわけですね。しかしながらありがたいことに今まで二ヘクタールから四ヘクタールの間は県がということだったんですが、今後は四ヘクタール超についても国と相談すれば農地転用が可能ということになりまして、だんだんと農地転用しないと実はそこのフロンティアを拓くことができませんので、そういう意味で内陸のフロンティアの問題と農地を非農地に転換するといった問題は関連しておりますので、その意味で、今先生からもございましたけれども、あえてこの点についても十分に留意した形で、内陸部の豊かな、しかし自然景観の豊かなところはきれいなところでありますから、決して乱開発はしないと。美しい景観とマッチした形で、工場においてもあるいは住宅地においてもつくると。そういう動きは小山町あるいは三島、その他もろもろのところで今起こっておりますので、それなりに浸透はしているなと思っておりますが、さらにこの点につきましては三百七十万の県民の方たちが誰にもわかる形で広報ができるような、そういう取り組みを推進してまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 山口健康福祉部長。
○健康福祉部長(山口重則君) 健康寿命日本一の推進についてお答えいたします。
 県では、特定健診データの分析結果を健康課題別にマップ化し、市町ごとの健康課題を明らかにすることに使っております。この健康課題というのは糖尿病とかメタボ、それがそれぞれ県内の各市町においてどのような状況にあるのかというのを地図に落とすというような形で情報提供しております。また医療保険者別にそれぞれの健康課題――これも糖尿病とかメタボなんですが――健康課題の状況をレーダーチャート化しまして健康チャートというものを作成し提供しております。
 このように、一目見ればそれぞれの市町や健康保険者にとってどのような健康課題がどのような状況になっているのかというのをわかるようにいわゆる見える化した情報の提供によりまして、それぞれの市町や各健康保険者において対応すべき健康課題の優先順位を明らかにしたりとか、どの健康課題の対応を重点的に行うのかというようなことを非常にわかりやすく示すことにしております。それによりまして、それぞれの市町や医療保険者ごとに行われています健康づくりの具体的な取り組みにつきまして非常に効果的に行われるようにしています。なおかつこの健康課題が非常に緊急性を帯びているものにつきましては、それにつきましては重点的に行うと。優先順位も明らかにするような形に使われております。
 これらの取り組みによりまして、それぞれの市町や医療保険者で行われる健康づくりにつきまして非常に効果的なおかつ重点的に行われるような取り組みに使うようにしております。以上でございます。
○副議長(杉山盛雄君) 西川警察本部長。
○警察本部長(西川直哉君) 防犯シールを活用した特殊詐欺対策の今後の展開についてお答えを申し上げます。
 この防犯シールでございますが、ゆうパックの宛先を記載する欄に張りつけてございまして、記入するときに剥がさないといけないわけですけれど、そこに大きく「ちょっとまって『現金送って』は詐欺です」と記載をされておりますので被害者に思いとどまっていただけるんじゃないかというようなことで、現金送付型の特殊詐欺被害の防止対策として極めて有効であると期待しておるところでございます。
 この施策、本年の六月十五日から始めたばかりでございまして、現在、島田警察署管内郵便局、コンビニなど、ゆうパックを取り扱っていただいている店が百二十二カ所ございますが、この全部において試行を開始したところでございます。
 今後は、この試行の状況を見て郵便局を初めとした関係機関の御意見、御要望などを踏まえながら順次県下全域において拡大を図ってまいりたいというように考えております。以上でございます。
○副議長(杉山盛雄君) 曳田 卓君。
       (三十番 曳田 卓君登壇)
○三十番(曳田 卓君) それぞれ御答弁いただきありがとうございました。ぜひそういう形でもって、また政策を推進していっていただきたいというふうに思います。
 私、最後に今度の質問を通じて思うのは、財政の要点は要するに「入るを量りて出ずるを為す」の故事のとおり、県の総合的な収支を明らかにして県民の最大限の幸福を実現することにあると思います。いわゆる特殊詐欺の撲滅は県民の財産を守るための目下の急務であります。県民の健康増大は県民全体の希望であります。教員の加配は将来の県を担う人材育成のかなめであり、まさに国家百年の大計に匹敵する事業であります。県民が健康であり続けられるよう健康寿命日本一の取り組みを強力に進めることで、先ほど一兆円と言いました、私。一兆円です。県予算です。やはり一兆円の医療費の削減を初め関連する効果によって県の歳出が削減され、それにより特殊詐欺撲滅や教員の加配に向ける予算ができるならば、懸案事項の解決に大きく前進すると思うわけであります。まさに病気になったら病院に行けばよいという考え方ではなかなかうまくいきません。自分の命はやっぱり自分で守るという思いで県民一人一人があしたからでも今からでも始められる行政改革であります。
 もう一点は、当局関係者におかれては、県民の健康は我々が守るんだというぐらいの気概を持って、ぜひともこういう形の中での財政の運営を進めていっていただけたらと思います。ぜひこの理想、理念を掲げて行政執行に当たっていただくことを強く要望して私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

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