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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成20年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

小長井 由雄 議員

質問分類

代表質問

質問日:

02/29/2008

会派名:

民主党・無所属クラブ


質疑・質問事項:

1 地方財政健全化法について                     
2 限界集落について                         
3 消防の広域化について                       
4 東海地震対策について                       
5 浜岡原発について                         
 (1) 安全性の確保                          
 (2) プルサーマル計画の導入                     
6 富士山静岡空港について                      
7 NPOと行政の協働について                    
8 食に関する諸問題について                     
 (1) 食の安全                            
 (2) 地産地消の推進                         
 (3) 小規模農家への支援                       
9 難病対策について                         
10 新型インフルエンザ対策について                  
 (1) 危機管理体制                          
 (2) 医療体制                            
11 地球温暖化対策について                      
 (1) エネルギーの地産地消                      
 (2) 環境ビジネスの振興                       
12 道路特定財源制度の改革について                  
13 確かな学力の育成について                     
14 サイバー犯罪について



    ○副議長 (吉川雄二君)  ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、 三十番 小長井由雄君。
            (三十番 小長井由雄君登壇 拍手)
    ○三十番 (小長井由雄君)  民主党・無所属クラブを代表して当面する県政の諸課題について、 知事並びに関係部局長、 教育長、 警察本部長にお伺いいたします。
     初めに、 地方財政健全化法の施行と県内市町村の財政状況について伺います。
     昨年六月に地方公共団体の財政の健全化に関する法律が成立し公布されました。 施行は二〇〇九年四月となっておりますが、 実質赤字比率、 連結実質赤字比率、 実質公債費比率及び将来負担比率並びに地方公営企業の資金不足比率の五つの財政指標の公表等に関する規定については本年四月一日から施行され、 二〇〇七年度決算に係る数値の公表がすべての市町村に義務づけられることになっております。
     地方財政健全化法は市町村の財政状況を他の団体と比較可能な形で明らかにするものであり、 これによって議会や住民によるチェックという自治本来の機能が一層発揮され、 財政規律の強化が図られることが期待されるところであります。
     県内の市町村の財政状況を見ますと、 経常収支比率、 財政力指数等これまでの主な財政指標では比較的良好な水準にある団体が多くあります。 しかしながら、 中には下水道事業、 病院事業等公営企業の経営が大変厳しい状況にある団体も見られるとともに、 三位一体の改革による地方交付税の削減の影響を受け、 政策的な経費に充てられる一般財源が減少するなど次第に財政の弾力性が失われてきている団体もあると聞いております。
     そこで、 県では地方財政健全化法に照らし県内市町村の財政状況をどのように認識されているのか、 また地方財政健全化法の趣旨を踏まえ、 今後市町村に対してどのように指導を行っていくのかお伺いします。
     次に、 限界集落について伺います。
     限界集落とは、 六十五歳以上の高齢者が集落の半数を超え、 冠婚葬祭を初め生活道路の補修管理等の社会的共同生活の維持が困難な状況にある集落のことであります。 このような集落の出現は、 居住地や耕作地を拡大し続けてきた我が国の歴史から見れば、 拡大・拡張から縮小・撤退へ向かう大きな転換点を象徴するものであります。 したがって、 限界集落に関する議論は集落問題というだけでなく、 我が国のこれからのあり方、 国と地方のあり方という議論につながるものであります。
     二〇〇六年に行われた国土交通省の調査では、 過疎地域市町村において六十五歳以上の高齢者が半数以上を占める集落の数を七千八百七十八集落、 今後消滅するおそれのある集落は二千六百四十三集落とし、 このうち今後十年以内に消滅するおそれがあると予想される集落は四百二十三集落と予想しています。 この調査では過疎地域や消滅集落の実態と問題点も報告されています。 過疎化が進み集落が崩壊することによる空き家や廃屋の増加は、 景観上も危機管理上も大きな問題です。 また農地、 森林の荒廃は国土保全の観点からも公益的機能の低下につながり、 今後に大きな問題を引き起こすと懸念されます。
     このようなことから、 限界化が進んでいる集落の限界化の抑制に早急に取り組まなければならないと考えます。 特に緊急時の医療体制の確保、 災害防止、 交通や情報通信網の整備などが住民の生活を維持し、 集落を維持するための限界化抑制の基本的な条件であり、 集落がどんなに限界化しても保障されなければなりません。 このことについてどのように取り組まれるのかお伺いします。
     集落機能が低下していく過程で、 機能が急速に低下し消滅へと向かう臨界点があると言われます。 そして政策支援を含めた外部からの働きかけは、 この臨界点までが勝負どころだと言われております。 集落へ対策を講じるにしても早目の施策展開が必要だと考えますが、 当局の御見解をお伺いします。
     次に、 消防の広域化について伺います。
     県内消防本部の現況は二〇〇八年一月現在、 二十七消防本部で県内すべての市町村を管轄しております。 このうち静岡市、 浜松市の消防本部は管轄人口が三十万人以上ですが、 十万人未満の消防本部が十三あります。 この中で管轄人口が最も少ないのは東伊豆町消防本部で一万四千人余、 管轄の面積では最も狭いのは清水町消防本部で八・八四平方キロメートルとなっています。 また予算面から見れば、 二〇〇六年の県内消防本部の予算額は合計五百三十八億円で、 その七割近くを人件費が占めるという状況にあります。
     近年の災害の大規模化、 住民ニーズの多様化など消防を取り巻く急速な環境の変化に伴い、 小規模な消防本部においては、 出動態勢、 保有する車両などの住民サービス面や組織管理、 さらに財政運営面での限界が指摘されるなど消防の体制としては必ずしも十分ではない状況にあると言われております。 これを克服し的確に対応できる体制を整備するために、 市町村の消防の広域化による常備消防の規模を拡大することで、 スケールメリットを実現することが有効であると言われております。
     静岡県では、 消防本部の管轄人口の減少と高齢者の増加による救急出動の増加、 さらには地域消防を担っている消防団員の減少などの問題を抱えており、 消防の対応力と消防力の強化が問題となっております。
     このような課題に対処する目的で消防の広域化を推進するために、 現在、 静岡県消防広域化推進計画の策定作業を進め、 このほど東部、 中部、 西部の三圏域での広域化ということで検討委員会の意見集約がなされたということであります。 住民の生命、 身体及び財産を守る責務のある消防のあり方は県民にとって大きな関心事であります。
     そこで、 今後、 広域化を進めていく上での問題点について伺います。
     まず、 広域化を進める上で常備消防を実効性のある体制へと整備し、 市長、 町長、 市町村の部局や消防団、 自主防災組織などと消防の連携協力体制の充実が重要と考えますが、 この点をいかに図っていくのか。 また消防業務に対する首長の責任と権限はどのようになるのかお伺いします。
     次に、 圏域の中に人口集中地域と過疎地域が混在しており、 山村地域では消防団員の減少と高齢化により弱体化が進み中心部と周辺部との格差の問題が起きていますが、 ここをどのように埋めていくのか、 また消防救急無線のデジタル化を進めるには指令センター設備の整備などに多額の費用を要すると思いますが、 その財政的な措置についてはどうなるのか、 さらに広域化のスケールメリットによって生まれる人員、 予算の余剰はどのように活用されるのかお伺いいたします。
     次に、 東海地震対策について伺います。
     静岡県の東海地震対策は、 百年から百五十年の周期でマグニチュード八クラスの大地震が発生しており、 現在はこのクラスの地震がいつ起きてもおかしくないほどに切迫しているという地震学の分析に基づくものであります。
     ところが、 昨年経済産業省の外郭研究機関、 産業技術総合研究所による御前崎地区の地質調査の結果は、 千年から千五百年周期で超巨大地震が静岡県を襲っていたのではないかという可能性を明らかにし、 より広範囲な調査を行う必要があると指摘しております。 そこから、 近く予想される地震は安政東海地震型ではなく、 ペルー沖やスマトラ沖で発生している超巨大地震ではないかという予測が生まれてきました。 このことについては、 昨年の九月議会において我が会派の大石議員がその重大性を指摘したところでありますが、 静岡県はこの問題についてどのように検討されたのかお伺いします。
     次に、 浜岡原発の安全性の確保について伺います。
     原子力発電所は活断層の上への建設が禁止されていますが、 浜岡原発はプレート境界という大断層の真上に建設されてしまいました。 またこの大断層からは多数の枝分かれ断層が派生しております。 浜岡原発の近辺には海域を含めてこうした枝分かれ断層の存在が指摘されておりますが、 詳細な調査は実施されておりません。
     中越沖地震では断層の過小評価が問題となっておりますが、 静岡県としてこの枝分かれ断層と超巨大地震の痕跡があるといわれる地区の詳細な地質調査の実施を、 国と電力会社に強く要求するべきだと考えますがいかがでしょうか。 もし国や電力会社が実施しようとしないならば、 県が独自に早急に取り組むべきと考えますが、 いかがでしょうか、 県のお考えをお伺いします。
     次に、 プルサーマル計画の導入についてであります。
     先日、 地元四市の市長は、 市民の代表である市議会での意見の取りまとめを待ってプルサーマル計画の受け入れを表明しました。 これに続いて知事も 「地元の理解が得られれば県としても異存はない」 と記者会見でコメントし、 昨日の本会議における答弁で 「プルサーマル計画の実施を了承する」 との考えを表明されたところであります。 地震に関連しては、 四市の市民だけにとどまらず静岡県民の多くが浜岡原発への不安を抱いており、 知事も県議会の意思を聴取してから県としての考えを表明するべきではなかったかと思います。
     そこでお伺いします。 静岡県議会は昨年の九月議会において、 全員一致で 「浜岡原子力発電所の徹底した安全確保を求める意見書」 を採択し、 柏崎刈羽原発の被災経験をもとに浜岡原発の安全確保をさらに見直すことを求めました。 国への意見書であるとはいっても、 柏崎刈羽原発が調査中の現段階で新たにプルサーマル計画の導入を承認することは、 県議会意見書の軽視になるのではないかと考えますが、 御見解をお示しください。
     これまでにプルサーマル導入が検討された県では、 県主催で賛成、 反対の学者、 専門家による公開討論会を開催し、 県民に公平な情報を提供する努力を示していると聞いております。 静岡県も正式な了承の前に県内の何カ所かで公開討論会を実施できなかったのかと思いますが、 御見解をお伺いします。
     次に、 富士山静岡空港について伺います。
     富士山静岡空港は建設地決定から二十年、 着工以来十年を経て、 来年三月の開港まで一年と迫りました。
     一九九五年に発表した静岡空港基本計画では開港時の需要予測を七路線百七十八万人としましたが、 二〇〇三年には需要予測をやり直し国内四路線一日十四便で年間百六万人が見込まれるとし、 新たに海外九路線でも三十二万人、 計百三十八万人の利用客と予測しました。 県では、 開港に向け国内外へのエアポートセールスなど就航先の確保に向けた取り組みや観光客誘致に向けた商談会なども行ってきたと伺っており、 その取り組みにより昨年までに国内線三路線六便、 国際線では韓国アシアナ航空によりソウル間を一日一往復の就航が表明されたところであります。
     しかし、 これだけでは県の開港時需要予測には満たないと思います。 そこでこれからの一年間、 需要の拡大に向けどのような取り組みをしていくのかお伺いします。
     昨年十一月には着陸料を国内線は期限を決めずに当分の間三分の二とし、 国際線は就航促進のための優遇策として開港からおおむね三年間は国内線の半分とする旨のパブリックコメントが行われ、 この内容を含む空港条例が本会議に提案されております。 さらに二〇〇八年度予算では、 旅客ターミナルビル使用料や夜間駐機便の宿泊費補助などの航空会社への優遇策がとられました。 そしてチャーター便運航支援やパンフレット制作費の補助、 観光オフシーズンのパック旅行への補助、 団体利用送迎バス費用の補助など航空会社以外への補助も予算化されております。
     航空会社による地方空港の路線廃止や見直しが相次ぎ、 地方空港の運営は厳しさを増している状況ですが、 開港前からこのように優遇策、 補助金ずくめでは、 県は空港の健全な運営に自信がないのではないか、 将来的に赤字経営になるのではないかと県民に不安を与えることになります。 この点について御所見をお伺いします。
     昨日の知事の答弁では、 航空会社に一定の搭乗率を保証する搭乗率保証を検討しているということであり、 さらに修学旅行などへの補助事業も検討すると伝えられており、 路線の確保、 利用客確保の厳しさを感じさせるところであります。 県は空港施設の維持管理費を賄うためには年間百万人の利用が必要だとしておりましたが、 今後の見通しについてお伺いいたします。
     次に、 NPOと行政の協働について伺います。
     一九九八年三月にボランティア活動を初めとする市民の活動を支援する目的で特定非営利活動促進法  いわゆるNPO法が成立してから十年になります。 この新しい非営利法人制度が創設されたことにより、 全国に法人格を取得する団体が急増し、 その後活動範囲の拡大に関する改正や税制上の優遇策の改正などを経て、 NPO法人は増加を続けております。
     昨年末現在、 法の施行後十年間で全国に三万三千三百八十九法人が設立認証されております。 本県においてはことし一月末現在で七百四十八法人が設立認証を受け、 県内三十八市町村においてさまざまな分野で活躍しており、 さらに設立申請件数もふえ続けているということであります。
     社会の急速な転換期の中で、 行政には全体の奉仕者として公平性、 平等性の確保が求められ均一で安定的なサービスの提供を目指しますが、 NPOは機動性、 柔軟性を生かしきめ細かなサービスを提供することができます。 また企業は利潤の追求を前提にしていますが、 NPOは利潤の追求という制約にとらわれず必要と考える社会的な使命の達成を優先できます。 このように一定の目的や価値観のもとに課題の解決に柔軟で迅速に取り組むことができ、 先駆的、 創造的な活動を展開できるところにNPOの存在意義があります。
     コミュニティー機能が低下する社会にあって、 また個人の自立と自己責任が一層求められている中で、 時代に対応した個性豊かな活力ある地域社会の構築に向け、 行政、 企業、 NPOがそれぞれの存在意義を認識し協調、 連帯していくことが求められていると思います。 中でもNPOと行政との協働は、 より効率的で県民本位の公共サービスを提供するため、 これまで介護・移送・配膳サービスなどの保健・医療・福祉分野、 公共施設や公園を管理運営するまちづくり分野などで行われてきました。
     時代の潮流が大きく変化する今、 地域社会の新たな課題や持続可能な社会に向けた取り組み、 そして多様化、 複雑化する県民ニーズに的確に対応していくことが求められています。 そのためにNPOと行政は相互の自主性、 主体性を尊重しつつ互いに理解し合い、 役割、 責任を分担しながら協働していくことがますます重要ではないかと考えます。
     今後、 協働を推進していくためにはどのような課題があると考えているのか。 またそれらについてどのような取り組みをしているのかをお伺いいたします。
     次に、 食に関する諸問題について伺います。
     まず、 食の安全についてであります。
     食肉加工会社ミートホープや観光土産の 「白い恋人」、 「赤福」 などの品質表示や期限表示の偽装発覚と、 さらには海外からの輸入食品・農産物の残留農薬問題や輸入牛肉の牛海綿状脳症  BSEなど消費者の信頼を揺るがせる事件が続発しており、 食品に対する不安が増大しております。
     国の食品の安全確保対策は食品安全基本法や食品衛生法により定められております。 自治体はこれらの法律に基づいて、 事業者に対する監視指導や区域内に流通する食品の検査、 地域住民や事業者への情報提供などの業務を担っています。 また輸入食品については、 国内流通後において各自治体が監視や検査を行うこととなっています。 中国製冷凍ギョーザから相次いで農薬が検出されるなど食の安全に対する不安が広まる中で、 本県として今後どのような監視指導体制をとっていくのかお伺いします。
     次に、 地産地消の推進について伺います。
     最近の食の安全に関しての世論調査によると、 水際での監視強化や原材料の生産国明示といった規制強化を求めるよりも、 国内の農業を見直し食料自給率を高めることを望む方が圧倒的に多い結果となっております。 このことは消費者がその品質、 安全に目を光らせることのできる、 できるだけ近い生産地の食品を選択したいと考えているということであります。 地元で生産されたものを消費する地産地消は県民に身近なものになり始めていますが、 地産地消をさらに拡大するため県はどのように取り組んでいるのかお伺いします。
     次に、 小規模農家への支援について伺います。
     消費者が価格の安さや入手の容易さよりも安心な食品を求めようとする中で、 小規模であっても安全な食材を提供する生産者を保護する流れは、 ヨーロッパなどでは急速に強まっているということであります。
     静岡県では現在農業の規模拡大を進めております。 規模の大きな農家は販路を大手スーパーなどの流通網に乗せることが可能でも、 中山間地などの規模の小さな農家ではそういうわけにはいきません。 地産地消はまさに小規模農家向きの取り組みと言うことができます。 また食料の総重量と輸送距離を掛け合わせたフードマイレージが世界第一位という日本の現状からすれば、 温暖化対策としての観点からも有効であります。 さらに安全な農産物を供給する有機農業も小規模な農業で取り組めるものであります。
     食の安全を求める現在の風潮はヨーロッパのように小規模農家の追い風とできるはずです。 中山間地を中心とした規模の拡大もままならない小規模農家への支援について、 県はどうお考えか伺います。
     次に、 難病対策について伺います。
     難病は一九七二年の難病対策要綱において、 「原因不明、 治療方法未確立であり、 かつ後遺症を残すおそれが少なくない疾病、 経過が慢性にわたり、 単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、 また精神的にも負担の大きい疾病」 と定義されております。
     現在、 全国的規模での研究が必要な疾患は百二十三疾病あり、 原因究明と治療法の確立に向けた研究が行われています。 ところが、 原因不明、 治療法も未確立の疾病は近年も増加し続け、 国の難病指定の四十五疾病の患者だけでも全国に約五十八万人おり、 指定以外の七十八疾病でも原因不明の病気で苦しんでいる方々が数多くおられます。
     しかし、 このうち医療費の公費負担助成の対象とされている難病等は国指定が四十六疾病で、 県指定が三疾病だけであります。 原因もわからず治療法も定まらない、 完治する希望も持てない状態で、 療養生活の長期化による経済的な不安感や安心して療養できる施設の数の不足など、 高齢者対策にも障害者対策にも該当しない患者とその家族を支援する施策が不十分であります。
     難病患者が適切な医療を受けることができるよう、 難病患者の医療の確保と医療の提供体制の整備、 さらに長期の療養により医療費が高額となる患者の医療費負担の軽減や、 保健医療福祉に関する情報の提供など医療と保健、 福祉の双方が連携を図りながら支援していく必要があると考えます。 難病患者の生活の質を高め、 患者やその家族が安心して療養生活を送ることができるよう、 難病医療体制のより一層の整備充実を図る必要があると思いますが、 当局の考えをお伺いします。
     次に、 新型インフルエンザ対策について伺います。
     新型インフルエンザの出現は、 WHOや国連、 また多くのインフルエンザの専門家の見解では 「もはや時間の問題だ」 と考えられており、 出現直後の世界的な大流行  感染爆発が危惧されております。
     今日、 新型インフルエンザが出現した場合には最大で世界三十億人が感染し、 一九一八年から一九二〇年にかけて大流行したスペインかぜと同じ弱毒型との想定でも、 最大で一億四千万人が死亡すると言われております。 我が国の流行規模の想定では全人口規模の二五%が発症し、 そのうち最大で約二千五百万人が医療機関を受診し、 約二百万人が入院、 約六十四万人が死亡すると推計しております。 これを受けて、 静岡県は最大で約七十三万六千人が医療機関を受診し、 約六万人が入院、 約一万九千人が死亡するとの想定をしているところであります。
     しかしながら、 オーストラリアの権威あるロウイー研究所からは、 今回出現が予想される強毒性の新型インフルエンザの感染爆発で、 日本における死亡者は二百十万人にも達するであろうとの推計が出されています。 さらに、 新型インフルエンザによる経済的被害についても、 世界経済の損失は約四兆四千万ドル  約五百十四兆円に達するであろうとの発表をしています。 日本でも第一生命経済研究所により最初の一年だけでもGDP四%、 二十兆円減との試算がされています。
     厚生労働省は、 二〇〇五年に新型インフルエンザ対策行動計画を作成し、 昨年三月には新型インフルエンザが発生した場合の政府・公的機関等の対応をまとめたガイドラインを決定したところであります。 人的にも経済的にも甚大な被害を出すことが予想されている新型インフルエンザの出現に備えるため、 各方面において早急な危機管理体制づくりが必要であります。
     そのためには、 国の指示を待たずに県が率先して多くの機関と密接に連携をとり、 発生の早期感知や感染拡大の防止、 適切な医療の提供など効果的な初動体制をとることが重要だと考えます。 さらに、 発生後における急激な患者の増加による医療機関の混乱や社会機能の低下、 破綻などの二次被害の発生が心配されます。 この二次被害を防ぐためには、 県民に対し集会や外出を控えるなどの徹底した行動制限を求めることや、 そのための生活関連物資の備蓄を呼びかけるなど、 県民に対し必要な情報を適切に提供して協力を求めることが必要です。
     そこで、 まず県は新型インフルエンザに関して、 発生を想定した行動訓練の実施も含めどのように危機管理体制を整備していくのか、 また県民に対する啓発をどのように進めていくのかお伺いします。
     次に、 新型インフルエンザの患者が大量に発生することが想定されている中で、 県は医療機関の受け入れなどの医療体制をどのように考えているのか、 その対策についてお伺いします。
     次に、 地球温暖化防止対策について伺います。
     地球温暖化をとめることが人類が生存していくための最大の課題であることは、 今や世界の共通した認識であります。
     昨年二月に公表された気候変動に関する政府間パネル  IPCCの第四次評価報告書では、 気候システムの温暖化には疑う余地がなく、 それは人間の活動による二酸化炭素など温室効果ガスの増加により、 もたらされた可能性がかなり高いと結論づけ、 今世紀末の平均気温は最大で六・四度、 海水面は五十九センチ上昇すると予測しています。
     静岡県では、 平成十七年度における温室効果ガスの九割以上がエネルギー消費に伴う二酸化炭素排出量で占められており、 このことからエネルギーの効率的な利用や化石燃料にかわる新たなエネルギーの導入が課題になっていると思います。
     そこで、 まずエネルギーの効率的利用形態であるエネルギーの地産地消について伺います。
     温暖化対策として節電が叫ばれていますが、 火力発電の発電効率は三九%で残り六一%が利用されずに排熱となり、 さらに送電ロスが四%と六五%ものエネルギーロスがあり、 最終的に電力として利用されるエネルギーは三五%にすぎないと言われております。 このような遠方の発電所からの送電はエネルギー効率や温室効果ガス削減の面から非合理的とも言えますが、 我々の生活はこの仕組みに頼らざるを得ないのが現状であります。
     今後、 エネルギー供給での二酸化炭素を削減するためには、 化石燃料にかわる再生可能なエネルギーの一層の導入が必要不可欠であると考えます。 風力・太陽光発電などの自然エネルギーの導入や、 廃食用油を利用したBDFや未利用の有機性資源によるバイオマスの利活用など、 その地域で調達、 使用するいわゆるエネルギーの地産地消は、 二酸化炭素の排出もなく供給過程での損失も少ないことから、 温暖化防止対策やエネルギー確保対策の両面から極めて有効であると考えますが、 県の対応をお伺いします。
     次に、 環境ビジネスの振興について伺います。
     今日の環境問題は、 企業への規制と負担の強化という一九六〇年代の環境対策だけでは立ち行かない問題となっています。 市民、 消費者も当事者であり、 行政が規制をかけ強制してもすべてが解決できるレベルではなく、 企業も市民もある程度の負担を覚悟して取り組まなければならないのであります。
     こうした中で、 環境ビジネスの拡大を図ることにより、 市場システムを活用した環境対策が重要性を増しています。 企業や家庭におけるエネルギーの効率的利用いわゆる省エネルギー対策については、 企業では高効率の機械装置の導入や設備改修、 家庭では省エネ性能の高い家電製品への買いかえなどが主なものとして挙げられます。 これらは燃料費や電気料金等の経費削減にもつながることから、 製品や技術の提供など既にビジネスとして確立されているところであります。
     一方、 バイオマス燃料などの新エネルギーにおいては、 研究開発や実証試験段階にあるものが多く、 今後、 商業ベースでのビジネスとして確立させていくことが温暖化対策を推進する上で効果的であると考えられます。
     そこで、 このような新たな業種が環境ビジネスとして確立していくためにはその普及啓発やマーケットの拡大などが必要であると考えますが、 県の対応をお伺いします。
     次に、 道路特定財源制度の改革について伺います。
     道路特定財源制度は一九五四年に揮発油税収の使途を限定したことに始まる制度であり、 既に五十四年が経過しています。 一九七五年前後に暫定税率を設けたこともあり、 二〇〇七年までに国、 地方で百五十五兆円の税収を得て、 総額で約三百五十兆円の道路整備事業を行ってきました。 そして政府は、 今国会に今後十年間で五十九兆円の事業を行う財源として、 暫定税率も維持したままの道路特定財源制度を十年間延長する租税特別措置法改正案を提出したところであります。
     この制度を創設した当時の道路状況は、 当時の道路延長の一割強に当たる約一万六千キロが自動車交通不能の区間を含んでおり、 自動車の大型化、 重量化、 高速化が進む中でこれに耐えられない状況にありました。 また道路整備に数十年を要する見通しであったことから、 戦後の早期復興に向けたこの政策選択は当時としては適切であり、 結果として我が国の高度成長を実現する要因となったことも認めるところであります。
     道路整備は我が国の社会資本整備の根幹であることは言うに及びません。 しかし、 今回の道路特定財源に関する議論は、 道路整備のみを優先的に取り扱う特定財源制度を維持し続けるのか、 それとも道路のみを聖域化することをやめ、 福祉、 教育、 環境など他の政策分野の中から国民のニーズとオープンな議論によって、 税金の使い道を決めていく新たな国家に転換していくのかどうかという議論であります。 単に道路整備のあり方やガソリン価格にとどまることではなく、 この国の将来のあり方の選択につながる大変重要な問題であります。
     例えば、 現在大きな問題となっている医師不足対策には、 二〇〇八年度予算における政府の医師確保対策としてわずか百六十一億円が予算計上されているにすぎません。 しかし、 道路特定財源制度を廃止すれば数兆円の予算の使い道が自由化されることになり、 これを道路に使うのか、 社会保障に使うのか、 あるいは教育に使うのかを行政、 議会そして国民、 住民が決めることができます。
     同じ医師不足対策でも、 地方によっては医師のいる地域に一刻も早く到着できるように道路整備が優先される地域もあれば、 医師のいない地域や不足している地域に直接医師を派遣することが適切な地域もあります。 あるいは、 より険しい地域では道路よりもドクターヘリなどの配置や着陸場所の整備が必要な地域もあると考えます。
     戦後復興を目的に緊急、 暫定の制度として設けられたこの道路特定財源の一般財源化を通じて、 「この国を本当に変えるのか、 変えないのか」 という根本的な課題が今問われているものであります。 行政、 議会そして国民の議論を通じて、 最も時代に適し、 最も地域に適した形での税金の使い道を決めることにより、 税金を最大限効果的に使うことができるようになると思います。
     今回の道路特定財源の一般財源化の議論は地方の独立運動だと言っても過言ではありません。 地方分権推進の大きな一歩へとつながる道路特定財源の一般財源化に対する意義と必要性について、 地方の立場からの御見解を伺います。
     次に、 確かな学力の育成について教育長に伺います。
     昨年四月、 四十三年ぶりにいわゆる全国学力状況調査が実施されました。 結果を見ると小学校の国語、 算数、 中学校の国語、 数学において 「知識」 に関する問題では相当数の子供たちが今回出題された学習内容をおおむね理解していること、 「活用」 に関する問題では 「知識」 の平均正答率には及ばないものの比較的良好な状況にあるということがわかりました。
     これは、 静岡県が 「確かな学力」 育成会議の提言を受け作成した静岡県版カリキュラムの効果があらわれているのではないか、 そして県版カリキュラムの趣旨、 活用方法の普及・浸透が図られている要因としてコーチングスタッフの存在が挙げられるのではないかと思います。 応用力を含めたすべての学力の基本となるのは、 やはり基礎学力つまり確かな学力であり、 その定着と向上のために不可欠な教師の授業力アップを支援するために、 コーチングスタッフの活躍に大きな期待を寄せているところであります。 そして来年度からは高校においてアドバイザリーティーチャーが新たに導入されるとお聞きしております。
     そこで、 二〇〇五年度から始まったコーチングスタッフについて、 これまでの評価と今後の方針についてお伺いします。
     次に、 サイバー犯罪について県警本部長に伺います。
     情報化社会の進展に伴うインターネットのもたらす利便性により、 社会や日々の暮らしのあり方が大きく変わりつつあります。 しかし、 一方ではインターネットの技術を悪用した新しい形態の犯罪が増加しており、 未然防止、 被害拡大防止などのサイバー犯罪対策が必要となってきております。 警察白書によれば、 サイバー犯罪の検挙数は増加の一途をたどっており、 二〇〇六年中は四千四百二十五件と実に前年比四〇%、 千二百六十四件の増加で過去最高となっており、 この五年間で約三・三倍にもなりました。
     静岡県においても、 県警が昨年一年間で受理したサイバー犯罪に関する相談件数は千六百五十二件で、 前年より四百八十二件の増加と四年ぶりに増加に転じたということであります。 中でもインターネット・オークションや詐欺、 悪徳商法、 パスワードを盗まれたとされる不正アクセスに対する相談が急増したということです。
     インターネットの利便性と匿名性を悪用してゲーム感覚のように凶行を企てるのは、 不気味と言うほかありません。 ネット社会がさらに進むことを考えると犯罪の温床化の防止は急務であります。 しかし、 どんな有害なサイトでも憲法の保障する言論の自由や通信の秘密との兼ね合いもあり、 未然防止には限界があることも承知しております。
     県警では、 静岡県警察サイバー犯罪対策推進要領を定めるなどして防止対策を推進していると聞いておりますが、 サイバー犯罪に対する認識及び取り締まりなどどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
     以上の質問に、 適切なる御答弁をいただきますようお願いいたします。 (拍手)
    ○副議長 (吉川雄二君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  小長井議員にお答えいたします。
     初めに、 富士山静岡空港についてであります。
     富士山静岡空港の就航路線につきましては、 全国的には地方路線が相次いで廃止されるという厳しい状況であるにもかかわらず、 開港の一年以上も前から航空三社による就航表明がなされたことは富士山静岡空港の持つ潜在力が高く評価されたものと考えております。 一層の需要拡大を図り、 より多くの路線を確保するため、 国内線につきましては鹿児島を、 国際線につきましては中国、 台湾及び香港を重点地域として、 引き続き就航先との交流拡大や観光商品開発に取り組んでまいります。
     また、 静岡県内の企業である鈴与が小型航空事業を始めるということであります。 この事業で富士山静岡空港利用に当たって、 県に  今具体的な支援要請はありませんけれども  国内便、 各地にいろいろ路線を張るに際して、 それがうまく実現できるように要請があれば県としてもこれにできるだけこたえていって、 この利活用促進にも貢献してもらうようにしたいと考えております。
     このような航空会社や旅行会社等への支援策につきましては、 多くの路線就航を実現し富士山静岡空港の持つ潜在力を顕在化するため必要不可欠なものであります。 他空港でも効果を上げておる事例に照らして、 それらを参考にしながら、 本県としても支援策をまとめて来年度予算に計上し議会にお諮りしているところでございます。
     そのような支援策が功を奏してこの富士山静岡空港の就航先や便数がふえてくれば、 もともとの潜在力が顕在化することは疑いありませんし、 今、 考えておる、 当初何年間か必要と思われる支援策もやがて不必要になっていくと期待しているところであります。
     したがって、 利用客数の今後の見通しでありますけれども、 他空港において支援策などを効果的に活用して関係者が一丸となって利用拡大に取り組み、 開港後五年程度で利用客数を倍増させた空港があります。 例えば福島空港とか岡山空港でありますが、 こういうことでもありますので富士山静岡空港においても開港前はもとより開港後においても、 県を初め富士山静岡空港就航促進協議会や関連企業、 団体、 県民が一丸となって利用を拡大し、 十分な旅客を確保できるように全力を挙げて取り組んでまいります。
     次に、 食に関する諸問題についてのうち、 食の安全についてであります。
     本県では、 県民への安全・安心な食品の提供を目標に、 平成十四年度にしずおか食の安全推進のためのアクションプランを策定いたしまして、 これに基づいて関係部局が連携の上、 各種施策を積極的に推進してまいりました。 具体的には、 続発する期限表示の改ざんやノロウイルス食中毒の再発防止対策として、 四万二千余の営業施設を対象に業種別・規模別の食中毒発生リスクに応じた監視指導計画を立案しまして、 食品衛生監視専門班による立ち入りや消費生活部門等との合同監視をより重点的、 効率的に実施をしてまいっております。
     なお、 今回の食品による一連の薬物中毒事案では、 県民からのさまざまな相談に応じた食の総合相談窓口が十分機能したと考えております。 その中で有害物質の検査につきましても本県の環境衛生科学研究所で迅速に対応したところであります。 今後ともアクションプランを着実に推進するとともに、 健康被害のおそれのある事案等につきましては県民に対する迅速かつ的確な情報提供によって、 食の安全と消費者の信頼確保に努めてまいります。
     次に、 新型インフルエンザ対策についてのうち、 危機管理体制についてであります。
     人から人へ感染する新型インフルエンザは、 一たん発生すると大規模な健康被害が生ずるだけでなく、 日常生活や産業活動を初め県民生活に広く影響を及ぼすおそれがあります。
     昨年から日本ではしかの流行が大きく報道されております。 昨年台湾に参りましたときも、 このことが向こうで話題になりまして、 台湾の方々が日本へ行くとはしかになるから大変だってことで旅行を取りやめてしまったと、 非常に旅行業者も影響を受けたっていうようなことが話題になっておりました。 はしかですらそういうことでありますので、 仮にこの人から人へ感染するような新型インフルエンザが日本で発生したとなると、 もうはかり知れない国民生活や経済への影響が心配されるわけであります。
     このため、 平成十七年十一月に  二年ちょっと前ですね、 私を本部長とする対策本部を設置するとともに、 患者への医療提供等の対策を中心とする行動計画を策定するなど体制の整備に努めたところであります。
     今後は、 発生後の患者が増加していく各段階ごとに医療機関に加え県民や行政機関、 その他関係機関などが取るべき行動をまとめた総合的な行動計画を、 二十年度前半にも作成する予定であり、 この計画に基づいて県民に対し、 食料の備蓄や集会の自粛などの行動制限への協力も含めた啓発を行ってまいる考えであります。 またそれぞれの関係機関が計画に定めた役割を果たすために、 発生後の対応を想定した訓練が必要と考えております。 政府や関係省庁が行う総合訓練に職員を派遣し情報収集に努めておりますが、 今後も国と密接に連携を図りながら図上訓練等で検証してまいります。
     県といたしましては、 県民の安全と安心を確保するため今後とも新型インフルエンザ対策のより一層の充実に努めてまいります。
     次に、 地球温暖化対策についてのうち、 エネルギーの地産地消についてであります。
     太陽光や風力、 バイオマスなどを活用した新エネルギーを中心とするエネルギーの地産地消は、 地球温暖化対策やエネルギー自給率の向上に大きく貢献するものであり、 大変有効な取り組みであると考えております。
     県では、 これまでしずおか新エネルギー等導入戦略プランに基づいて、 新エネルギーの普及啓発、 率先導入に努めてきたところでありまして、 太陽光発電や風力発電は着実に増加してきております。 また今年度は関係部局や事業者等で構成するバイオディーゼル燃料推進部会を組織し、 バイオディーゼル燃料の普及に努めるとともに、 県の率先的な取り組みとして県庁本館屋上に太陽光発電設備を設置をいたしました。
     さらに、 重点的な取り組みとして、 家畜排せつ物等によりますバイオマス発電や温泉熱などを活用する天城エコタウン構想とか、 森林資源からの水素を活用する大井川水系エコバレー構想の具体化に向けた検討を進めているところであります。
     今後とも、 市町村や関係団体等と連携を図りながら地域資源を活用したエネルギーの地産地消の拡大に向けて、 積極的に取り組んでまいる考えであります。
     次に、 道路特定財源制度の改革についてであります。
     道路特定財源を廃止して一般財源化したら、 いろいろなところに使えるじゃないかと、 またそれぞれの行政主体ごとに選択肢が拡大をしてより適切な住民や国民のニーズにこたえるじゃないかと、 こういうお話でございましたが、 そう事が運ばないんじゃないかっていう心配の方が大きいと思います。
     なぜかといいますと、 これを廃止すればですね、 当然その消費税、 この特定財源の継続の問題についてすら、 消費税とどういうふうにこの存在を考えるのかということについて厳しい議論があり、 結果的にその負担と受益の関係が明確にわかるということで、 一種の二重課税的な状況でありながら道路特定財源が存続してると、 こういうことでありますので、 これをやめて何に使うかわからないっていうことで、 今の税率を仮に維持しよう、 あるいは暫定税率を廃止して本来の税率で維持しようとしてもですね、 消費税との関係が必ず問題になってきて、 これは大きな問題になり、 そう簡単には一般財源化になるような税制がその石油関係税だけを対象に存続するということは保障されませんね。
     それと、 道路特定財源についてはもうつくらなくてもいい道路をどんどんつくってるっていう報道があちらこちらでありますけれども、 少なくとも本県で考えれば、 そういう実感は一つもありません。 ときどき報道される、 こんな道路はもう過剰投資じゃないかと思われるような印象の報道がありますので、 そういうところの投資はやめてもらってこっちに回してもらいたいと、 幾らでも使ってあげるとそういう気持ちすらするわけですね。
     例えば、 救急医療のためにかねてより伊東市から、 亀石峠の道路改良についてもうしつこいほど長年にわたり強い要請があります。 ところがこの亀石峠の道路の改良をしようと思いますと、 莫大な投資がかかる上に、 これまでの間に曲がりなりにも一応その伊東市側から亀石峠へ来る道路は二車線道路になっております。 したがって、 今の仕組みでいくと改良済みということになりますから、 改良済みの道路にそのような財源を投入する、 これをもう一遍ですね、 例えば中腹にトンネルを抜いてさらにもっと利便性を向上させるということになるんだったらば、 そんなに金があるんだったらほかの地区の道路補助はつけませんよと、 こう来られちゃうんですね。 したがって、 何年も手がついてないわけでありますけども、 改良されてるといえども、 まあ日光のいろは坂ほどではありませんけれども、 あのいろは坂をもうちょっと長く変えたようないろは状態になっておって、 これは救急搬送のときに非常に問題になってるわけですね。
     特に、 心臓病とか脳障害で救急搬送するときに、 そのような湾曲状態のところを上っていくということは非常に問題があるということでありまして、 まだまだそういう意味では道路に財源を投入して、 救急医療とか、 あるいは都市の人にとってはいやしを、 中山間地の人にとってみれば一種の活性化を、 あるいはまさかというときの生命線として、 改良してもらいたい道路はごまんと言っていいほどあるわけであります。 したがって、 その辺のニーズをどのように全部洗い出して負担との関係を考えるか、 こういうことを考えていきますと、 少なくとも本県で考えた場合には今の仕組みは非常にありがたい有効な仕組みであるというふうに考えるわけです。
     しかし、 全国的に見ると、 いろいろな批判を浴びるような事例がもしあるとすればですね、 今回がいいチャンスでありますので、 徹底的にそういうものを全部洗い出して検証してどのようにするか、 時間をかけて結論を出すべきではないかというふうに思います。
     もちろん、 十年は必要ありませんね。 今回十年延長しようってことでありますから、 私は検討期間は二、 三年あれば十分できると思うんですけれども、 しかし、 例えば本県で考えれば、 少なくとも五年ぐらいの期間は今のペースを前提にしていかないとさまざまな支障が出てくることが予想されますので、 そういう意味ではその経過措置的にですね、 五年ぐらいは今の仕組みを継続する、 その間にそれこそ真に必要とする道路は何かということについて判定基準をきちんと用意をし、 みんなが納得できる基準でもって選別すると、 それでそれに対する財源をどのように調達するか、 その仕組みを構築し直す、 これは私は結構な話だと思いますので、 ぜひ国会における議論がそのような方向で進んで、 いい結論に到着するように期待しているところでございます。 どうか御理解をいただきたいと思います。
     その他の御質問につきましては、 関係部局長、 教育長から御答弁を申し上げます。
    ○副議長 (吉川雄二君)  藤原総務部長。
            (総務部長 藤原通孝君登壇)
    ○総務部長 (藤原通孝君)  まず、 地方財政健全化法についてお答えいたします。
     同法につきましては、 いまだ指標の細部が明らかになっていない部分がありますけれども、 現時点で算定可能な範囲で県内市町村の状況について検討いたしますと、 地方公営企業の資金不足の影響により、 早期健全化段階やあるいは公営企業の経営健全化段階に至る団体が生じる可能性というものはありますものの、 法施行後直ちに財政再生団体となるような市町村はないものと見込んでおります。
     しかしながら、 議員御指摘のとおり県内の市町村も今後ますます厳しい財政運営を余儀なくされていく中で、 公共サービスを住民の方々に安定的に提供していくためには、 一方では地方財政制度全体の議論といたしまして、 国に対して地方税の充実や地方交付税の機能の堅持などを強く訴えていくことが必要であります一方、 個々の市町村の財政運営におきましても財政規律の一層の強化を図り、 住民や企業との適切な役割分担を通じて行政運営全体の最適化を実現していくことが重要となっていると考えております。
     このため県といたしましては、 市町村に対し地方財政健全化法への的確な対応はもとより、 新たな公会計制度に基づく財務書類の整備、 公表を進めるなど住民の方々に対しまして客観的でわかりやすい財政情報を積極的に提供して、 一層の自己規律のもとで健全な行財政運営を行うよう助言を行ってまいりたいと考えております。
     次に、 限界集落についてであります。
     県では、 過疎地域や中山間地域等の条件不利地域に対し、 市町村と連携を図りつつ道路や集落排水等の生活基盤の整備や産業振興のほか、 僻地医療確保対策、 バス路線の維持対策、 さらには集落単位での水路の維持管理等の共同活動への支援など、 住民生活や集落維持のための各種事業の推進に努めてきたところであります。
     一方、 いわゆる限界集落におきましては、 農林業等の担い手の減少や、 これに伴う農地・森林の荒廃等の諸問題が顕在化しつつありますけれども、 こういった限界集落といわれるものはそれぞれ置かれている環境が異なり、 またその規模も小さいということもございまして、 こうした集落を維持していくためには、 集落対策の基本的な主体である市町村と十分に協力しながら地域の実情や住民ニーズを踏まえたきめ細かい対応をとることが重要であると考えております。
     国におきましても、 地方再生戦略に基づく新たな事業等も計画されておりますけれども、 今後県といたしましても、 本年二月  今月ですが、 県と過疎市町村とで設置いたしました静岡県過疎地域対策検討委員会におきまして、 現行過疎地域自立促進特別措置法  現在の過疎法が失効いたします平成二十二年度以降の過疎対策とあわせて、 緊急時の医療対策あるいは防災対策等も含めた集落対策のあり方について検討してまいります。
     次に、 消防の広域化についてであります。
     消防の広域化につきましては、 昨年七月に市町村、 消防機関の代表、 学識経験者などで構成する消防広域化検討委員会を設置いたしまして、 これまで四回開催いたしました。 推進計画の原案をまとめたところであります。 この原案におきましては、 本県の消防を三圏域に分け、 消防本部や通信指令業務の集中化により生み出された人員を、 消防署所の救急隊員などの増員や専任化へと振り向けるということで、 第一線の現場職員の充実を図り消防力を強化することを基本的な考え方としております。
     この消防の広域化に当たりまして、 市町村、 消防団あるいは自主防災組織等との関係が希薄になるという懸念がございましたけれども、 原則として消防署につきましては今のまま残すということを基本方針としておりまして、 基幹消防署を定め、 現在消防本部が持っております権限の移譲を徹底するといったような署の権限強化といった手法をとることにより、 対応することができると考えているところであります。
     また、 広域化後の消防業務に対する市町村長の責任はどうなるのかという御質問がございましたが、 この市町村消防の原則というものは引き続き堅持されるということでありますので、 市町村長は消防について全く責任がなくなるということはございません。 その責任の果たし方としてどういう手法をとるかということでございますが、 その権限については一部事務組合や広域連合、 事務委託といった広域化後の消防の運営形態によって異なってくるというふうに考えておるところでございます。
     議員御指摘のように広域化された圏域内における署所、 あるいは人員の適正配置、 経費負担等検討していくべきさまざまな課題がありますので、 来年度から圏域ごとに県も参加いたしまして協議機関を設けて、 構成する市町村が中心となりまして地域の実情を十分踏まえた上で、 その具体化に向けて広域消防運営計画といったものを策定することとしておりまして、 その策定に取り組んでまいりたいと考えております。
     次に、 東海地震対策についてであります。
     昨年八月の日本第四紀学会におきまして研究者グループにより、 過去一千年から千五百年間隔で御前崎周辺に大きな隆起をもたらす地殻変動が発生していたという可能性につきまして、 一つの仮説として発表があったということでありますが、 この仮説に基づき、 この研究グループにおかれましても、 今後より広範囲な調査を行い地殻変動の分布や地震との関連を明らかにするとされています。
     県といたしましては、 こうした研究者の調査結果にも十分関心を持って情報把握に努めてまいりますが、 現時点では切迫性が指摘されております東海地震対策を着実に推進することが、 最も緊急かつ重要な課題であると考えているところであります。
     次に、 浜岡原発についてのうち、 まず安全性の確保についてであります。
     中部電力では、 一昨年九月に改定されました耐震設計審査指針に基づいて浜岡原子力発電所三、 四号機の耐震安全性評価を行い、 その結果を昨年二月までに国に報告をいたしました。 その評価に当たって中部電力では、 海溝付近にある枝分かれ断層はもとより、 その他敷地周辺海域の断層についても解析と影響の検討を行ったところであります。
     また、 東海地震についての御質問の中にもありました研究者グループの調査結果につきましては、 必ずしも超巨大地震に結びつくものとはされておりませんけれども、 現在浜岡原子力発電所三、 四号機の報告書の妥当性を審議しております国の委員会におきましても、 この御前崎周辺の隆起に係る調査結果に関心を持っているということでありまして、 中部電力にも必要な説明を求めていると承知しております。
     県といたしましては、 現在行われております国の審査が終わった段階でその説明を聞きまして、 必要があれば中部電力に、 浜岡原子力発電所の耐震安全性確保のための対策を求めてまいりたいと考えているところであります。
     次に、 プルサーマル計画の導入についてであります。
     浜岡原子力発電所四号機でのプルサーマル計画につきましては、 これまで国からの説明やあるいは本県の原子力対策アドバイザーの意見なども伺いまして、 県といたしましても、 従来のウラン燃料を使用した場合と同様の安全性が確保されていると認識しているところであります。 また浜岡原子力発電所は耐震設計審査指針に基づいて設計、 建設され、 さらに耐震裕度向上工事の実施により耐震安全性は十分に有しているものと考えております。
     先ほども申し上げましたとおり、 現在国において新指針に基づく浜岡三、 四号機の耐震安全性評価に対する審査と、 柏崎刈羽原子力発電所で起きた事象に係る調査・対策委員会というものが開かれております。 この中で、 浜岡原子力発電所の耐震対策の向上に必要な知見あるいは事象が判明してまいりました場合には、 中部電力に対しては早急に対応するように、 また国に対してはその指導監督の徹底を求めてまいりたいと考えております。
     また、 県ではこれまでも国あるいは中部電力に対しまして、 地元住民を初め県民の皆様が計画について十分理解が得られるよう、 情報の提供と説明会などの開催を求めてまいりました。 こうしたことを受け、 国あるいは中部電力によって地元四市を中心に数多くの説明会、 シンポジウム、 公開討論会などが開催されておりまして、 今回、 地元四市の計画受け入れ表明につながったものと受けとめております。
    ○副議長 (吉川雄二君)  稲津県民部長。
            (県民部長 稲津成孝君登壇)
    ○県民部長 (稲津成孝君)  NPOと行政の協働についてお答えいたします。
     NPOと行政による協働はさまざまな分野に広がり一定の成果も出てきておりますが、 NPO活動や協働についての行政職員等の理解が十分でないこと、 協働を仲介する人材や出会いの場が不足していること、 組織・運営基盤が脆弱なNPOが多いことなどの課題が挙げられます。
     このため県では、 協働のノウハウなどをまとめた協働ガイドブックを活用した行政職員の研修会や、 行政やNPOなどの関係者を対象としたNPO協働推進人づくり塾などを開催し、 意識改革や人材の養成を図っているところであります。
     さらに、 県内三カ所にある県のNPO活動支援センターにおいて会計講座やマネジメント講座などを開催してNPOの自立を支援するとともに、 本年十一月には全国の自治体やNPO等の関係者が一堂に集まるNPO活動推進自治体フォーラムを開催し、 NPOと行政の交流や出会いの場を提供することとしております。
     今後とも、 多様な県民ニーズにこたえるため、 NPOと行政の協働がさまざまな分野でさらに一層進むよう取り組んでまいります。
     次に、 地球温暖化対策についてのうち、 環境ビジネスの振興についてであります。
     バイオマス燃料や太陽光発電などの新エネルギーを中心とした環境ビジネスの伸展は地球温暖化対策にも大きく寄与しており、 今後とも新たな製品や技術が実用化され普及することが重要であります。
     このため、 平成十年度から民間企業や関係団体と連携し環境関連の技術や製品を紹介するしずおか環境・森林フェアを開催し、 毎年百を超える企業等が出展するとともに三万人を超える県民が来場するなど、 環境ビジネスの市場拡大を支援しております。 また県の呼びかけにより、 企業はもとより関係団体、 研究機関、 自治体などで結成された静岡県環境ビジネス協議会において、 会員相互の情報交換や研究会の開催など、 環境関連の最新技術や製品の創出と普及啓発を図っているところであります。 さらに大井川エコバレー水素プロジェクト研究会等において、 地域資源を活用した新エネルギーの実用化に向け最新情報を提供するなど積極的な支援を行っております。
     今後とも、 このような取り組みを通じて市場拡大の支援や普及啓発など環境ビジネスの振興に努めてまいります。
    ○副議長 (吉川雄二君)  杉山産業部長。
            (産業部長 杉山栄一君登壇)
    ○産業部長 (杉山栄一君)  食に関する諸問題についてのうち、 初めに地産地消の推進についてお答えいたします。
     地産地消の推進は、 新鮮で安全・安心な食材の供給を通じて、 食を支える農林水産業に対する県民の理解を促進し、 豊かで健全な食生活を実現する上で大変重要であります。
     このため県では、 平成十四年度に生産から流通、 消費に至る五十五の関係団体で構成するしずおか地産地消推進協議会を設置し、 この協議会を中心に生産者と消費者の顔の見える関係づくりを基本とした、 県民参加のしずおか地産地消運動を展開しております。 具体的には、 消費者を産地に招いての交流会の開催、 量販店における地産地消フェアの実施、 県産食材を利用したふるさと食品の開発、 飲食店における地産地消メニューの提供、 ファーマーズマーケットなどの農産物直売所の開設など、 県内各地で地産地消の取り組みが行われております。
     今後とも、 県民参加の地産地消運動を展開するとともに、 食育の推進や学校給食での県産食材の利用、 観光業など他産業との連携強化を図り、 地産地消の拡大に積極的に取り組んでまいります。
     次に、 小規模農家への支援についてであります。
     県では、 中山間地域などにおいて小規模であっても多くの方々が意欲を持って農業に取り組めるよう、 農道や小規模な圃場整備などのほか、 地元で生産された新鮮な農産物等の直売施設整備に対し助成をしているところであります。 また中山間地域等直接支払制度の活用により、 静岡市諸子沢では集落全体で地元でとれた赤カブやシイタケなどの加工品の販売に取り組んでおり、 また小山町湯船では減農薬、 減化学肥料による特別栽培米の生産を共同で行うなど、 県内各地で小規模農家が協力した取り組みが始まっております。
     県といたしましては、 今後とも直売施設の整備や中山間地域等直接支払制度を活用した地域ぐるみの取り組みを、 各農林事務所の普及指導事業の重点対象として位置づけ、 市町村や関係団体と連携し、 小規模であっても意欲を持って農業に取り組む方々に対し支援を行ってまいります。
    ○副議長 (吉川雄二君)  藁科厚生部長。
            (厚生部長 藁科一仁君登壇)
    ○厚生部長 (藁科一仁君)  難病対策についてお答えいたします。
     県では、 これまで難病患者の自立、 家族の生活の質の向上や生活基盤の安定を図る観点から、 居宅生活支援や訪問相談などの支援を行うとともに、 約一万九千人に対し医療費の助成を行い、 経済的負担の軽減を図っているところであります。 さらに、 医療体制につきましては、 平成十九年度から浜松医大を難病医療拠点病院に指定し難病医療専門員を設置するとともに、 身近なところで医療を受けることができるよう三十九の協力病院と拠点病院を合わせた四十病院のネットワークにより、 医療体制の充実に努めております。
     また、 福祉の面からは、 平成十七年十二月静岡市清水区に開所した難病相談支援センターにおいて、 NPO法人静岡県難病団体連絡協議会との連携協働により、 患者や家族の日常生活の相談、 就労支援や患者会の活動支援、 地域交流活動の促進に努めております。
     今後とも関係機関と協働し、 難病患者の生活の質の向上に努めてまいりたいと考えております。
     次に、 新型インフルエンザ対策についてのうち、 医療体制についてであります。
     保健医療に係る行動計画では、 新型インフルエンザが海外で発生した段階においては、 県内各保健所に相談窓口を設置し医療相談に対応するとともに、 二次医療圏ごとに確保した入院治療を担う病院への誘導を行うこととしております。
     また、 国内で発生した段階では、 入院中の患者への感染を予防するため、 病院ではなく診療所において新型インフルエンザが疑われる患者の治療に当たることとしております。 さらに流行が拡大した段階ではすべての医療機関で対応することになりますが、 入院を要する重症以外の患者は在宅で治療することとなりますので、 その支援体制が確保されるよう引き続き地域の医療専門家会議等において関係機関の連携について協議してまいります。
     なお、 県においては、 国の計画に沿って抗インフルエンザウイルス薬であるタミフルを三十一万人分備蓄しており、 国においてもタミフル耐性でも有効なリレンザを百三十五万人分備蓄し、 流行拡大における治療薬の確保を図っているところであります。
    ○副議長 (吉川雄二君)  遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長 (遠藤亮平君)  確かな学力の育成についてお答えいたします。
     コーチングスタッフは、 平成十七年度からの三年間で、 小中高等学校すべての学校を訪問し指導主事による訪問の数倍の量に当たる研究授業を参観、 指導してきており、 各教員の教科指導力の向上が図られるとともに、 教員の授業公開に対する抵抗感が取り払われ、 授業改善の取り組みが飛躍的に進められてきたと考えております。 しかしながら、 小学校では授業展開に悩みを持った教員への重点的支援が、 また中学・高校では五教科以外の教員にも支援が必要であることなど、 事業を推進していく上で課題が明らかとなってまいりました。
     そこで、 来年度から小学校においては授業展開力、 中学校においては音楽、 美術等の技能四教科に焦点化して、 退職校長等が授業アドバイザーとして訪問指導することとしました。 また高等学校においては農業、 工業、 商業等の教科にも対象を広げ、 教科指導力がすぐれた現職教員をアドバイザリーティーチャーとして指名し若手教員に対してみずからが公開授業を実施して模範を示すとともに、 若手教員の勤務校を訪問し授業を見てアドバイスに当たるなど、 見直しを図ったところであります。 今後もこの事業に加え、 指導主事による学校訪問、 教育委員会主催の研修会等により、 教員の教科指導力の向上に取り組んでまいります。
    ○副議長 (吉川雄二君)  原田警察本部長。
            (警察本部長 原田宗宏君登壇)
    ○警察本部長 (原田宗宏君)  サイバー犯罪についてお答えいたします。
     高度通信ネットワークを悪用して市民生活の安全を脅かすサイバー犯罪は年々増加の一途をたどり、 県内では平成十九年中九十二件、 六十六人を検挙しており、 五年前の平成十四年に比べ件数で約六倍、 人員で約七倍と大幅に増加し、 その手口もフィッシングにより入手した他人のID・パスワードを使用した不正アクセスなど悪質化しております。
     サイバー犯罪の取り締まり等につきましては、 平成十六年に三十四名体制の静岡県警察サイバー犯罪対策室を設置して情報の集約と各署に対する捜査指導・支援を行うとともに、 サイバー犯罪捜査専科の実施などにより取り締まり体制の強化と捜査技術の向上に努めております。
     また、 都道府県警察の枠を超えて敢行されるサイバー犯罪に効率的、 効果的に対応するため、 現在数事件において他府県警察と合同捜査を推進しているほか、 ネット上の違法・有害な情報を監視するため警察本部の関係部門や県下各署においてサイバーパトロールを実施しております。 このサイバーパトロールでは、 これまでインターネット・オークションを利用した偽ブランド品、 わいせつDVDの販売事件などを検挙しているところであります。
     サイバー犯罪の被害者とならないための対策につきましては、 サイバーセキュリティ・カレッジを昨年は小学校、 中学校等で約一万人を対象に四十八回開催するとともに、 子供を違法・有害情報から守るためのフィルタリングの導入を促進しております。
     また、 国レベルの仕組みですけれども、 インターネット利用者からネット上の違法・有害情報を受け付け、 サイト管理者に削除を要請する事業を行うインターネット・ホットラインセンターというところが設けられておりまして、 その積極的な活用についても広報しているところであります。
     このほか、 法に触れるまでに至らない他人を誹謗中傷する情報などにつきましては、 当事者を指導して管理者に対し削除要請しております。
     県警では、 今後とも関係機関・団体と連携しつつ、 社会に不安と脅威を与えるサイバー犯罪の取り締まりと被害防止対策を徹底してまいります。
    ○副議長 (吉川雄二君)  小長井由雄君。
            (三十番 小長井由雄君登壇)
    ○三十番 (小長井由雄君)  まず、 道路特定財源制度についてお伺いをいたします。
     地方自治体、 いろいろある財政支出項目の中で、 地域の実情と他の支出項目とを比較した上で、 道路予算にはどの程度配分しどの道路を優先して建設するかと、 こういうことを自治体が決定するのが基本だというふうに考えます。
     地方自治体は独自に決める範囲を広げること、 だれが決定するかということ、 こういったこともルールを変えていくということが地方分権の意義ではないかなと、 私はそんなふうに考えるわけでございますが、 知事のお答えを聞いておりますと道路についてだけは分権は要らないというように聞こえなくもないものですから、 その辺のところをもう一度お伺いをさせていただきたいと思います。
     それからプルサーマルですけれど、 地元四市で説明会を行ってきたということでございますが……
    ○副議長 (吉川雄二君)  小長井由雄君、 時間です。
    ○三十番 (小長井由雄君)  なぜ広く県下全域でできなかったのか、 できないのかをお伺いいたします。
    ○副議長 (吉川雄二君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  小長井議員にお答えいたしますが、 道路特定財源の存廃と地方分権の問題は必ずしも同一線上の議論ではありません。 仮に、 私は道路特定財源がなくなったら、 もう非常に多額な道路ニーズに対する財源がなくなるということを申し上げたわけでありまして、 分権でなくて中央集権がいいっていうことを言ったわけではありませんので、 議論の混同がないようにお願いしたいと思います。
    ○副議長 (吉川雄二君)  これで小長井由雄君の質問は終わりました。
     以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
     次会の議事日程を申し上げます。 三月三日午前十時三十分会議を開き、 質疑及び一般質問を行います。
     本日はこれで散会とします。

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