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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成21年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

小楠 和男 議員

質問分類

代表質問

質問日:

07/24/2009

会派名:

自由民主党


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について                      
2 マニフェスト実現のための方策について               
3 行財政改革について                        
 (1) 財源の確保                           
 (2) 公務員制度改革                         
  ア 天下り禁止                          
  イ 職員評価制度                         
  ウ 事務効率改善                         
4 九月補正予算の編成方針について                  
5 原子力政策について                        
6 子育て、 医療について                       
 (1) 乳幼児医療費助成制度                      
 (2) 救急医療体制                          
 (3) 医師の確保                           
 (4) 予防医学                            
7 産業政策について                         
 (1) ものづくり振興条例の考え方                   
 (2) 景気・雇用対策                         
 (3) 世界の大きな潮流を見据えた産業振興策              
8 社会資本整備について                       
 (1) これまでの社会資本整備への評価                 
 (2) 今後の社会資本整備                       
9 富士山静岡空港について                      
 (1) 基本的な考え方                         
 (2) 搭乗率保証制度                         
10 教育改革について                         
 (1) 一に勉強、 二に勉強、 三に勉強                  
 (2) 教育委員会                           
 (3) 公立、 私立所管一元化                      
 (4) 教職員の人材育成                        
 (5) JICAグローバル大学院                    
 (6) 地域学                             
 (7) 静岡式三十五人学級                       
 (8) 文化芸術     



    議長 (浜井卓男君)  ただいまから会議を開きます。
     議事日程により、 知事提出議案第九十六号から第九十八号まで及び第百五号から第百十一号までを一括して議題とします。
     質疑及び一般質問を行います。
     通告により、 四十三番 小楠和男君。
            (四十三番 小楠和男君登壇 拍手)
    ○四十三番 (小楠和男君)  皆さんおはようございます。
     私は自由民主党を代表して、 知事、 関係部局長、 教育長に伺います。
     まずは知事、 御就任おめでとうございますと申し上げておきます。 景気、 雇用、 地域医療など緊急の課題山積の県政運営に遅滞は許されません。 知事におかれましては、 県行政の仕組みを速やかに御理解いただき、 学究の徒として培われた広範な知識を生かした県政運営が行われることを期待するものです。
     私ども自由民主党は知事野党にはなりましたが、 県民の福祉の向上のために努力を惜しまないことを改めて申し上げるとともに、 今後の県政運営については施策の一つ一つを精査し、 是は是、 非は非として御意見申し上げるつもりであります。
     さて、 今回の川勝新知事の所信表明を受けての代表質問に臨むに当たり、 統一したルールに基づいた組み立てをすることにしました。 なぜなら私たち議会の人間も大多数の県民も、 新知事の県政に対する考え方をほとんど知らされていない。 それを明らかにしていくのが自由民主党の代表質問に与えられた使命であるとの認識を持ったからです。
     そのための材料は、 基本として出馬表明から今日に至るまでのさまざまな発言、 選挙公約であるマニフェスト、 二十一日の本会議における所信表明演説の三点のみとしました。 学者としての川勝平太氏には実に多くの著書や論文があります。 私も早速二冊ほど斜め読みをさせていただきましたが、 学者川勝平太氏の歴史観や我が国の根幹にかかわる憲法や安全保障などの国家観などは大変興味深く、 ぜひ議会の場でお聞きしたいところでありますが、 今回は新知事として県政にどのように取り組むのかを伺うことに専念し、 知事の歴史観や国家観につきましては九月以降の我が党の質疑の中で取り上げさせていただきたいと思います。
     初めに、 知事の政治姿勢について伺います。
     知事は、 選挙に際し民主党ほかの推薦を受け、 「知事選は政権交代の前哨戦と位置づけている。 静岡県知事選挙は静岡のためだけではない」 と話されていますし、 知事選の第一声でも 「日本には新しい風が吹いている、 静岡を変えることは日本を変えることになる」 と訴えられたように、 国政における政権交代を目指す民主党の先兵となるべく知事選挙に臨まれたのだと思いますが間違いないでしょうか。 事実選挙期間中も、 民主党の鳩山代表や岡田幹事長ら幹部が続々と応援に駆けつけ、 政権交代を全県下で訴えました。 民主党への政権交代に期待する風に乗った選挙結果だと思いますが、 どのように認識しておられるのか伺います。
     一方、 当選が決まると、 「もう戦いは終わった。 ノーサイドである」 とか、 就任後の記者会見で衆議院選挙への特定政党への支持についての質問に、 「考えていない。 みずからは動かない」 などと発言されています。 これらのメッセージは、 我々政治にかかわる者はもちろんのこと、 民主系川勝候補に一票を投じた県民はどのように受けとめればよいのかお伺いします。
     次に、 マニフェスト実現のための方策について伺います。
     今回の知事選でお示しになられたマニフェストは、 六本の柱、 約百項目の政策提言から成り立っています。 知事はこのマニフェストの発表に当たり、 「与えられた任期中にマニフェストに書いたことをやり抜く」、 つまり一期四年で実現させるとされました。 夏休みをかけて数値目標を盛り込んだ工程表をまとめるとの報道もありました。 この工程表の作成について、 具体的な内容、 スケジュールをどのように考えているのか伺います。
     次に、 行財政改革について伺います。
     その第一は、 財源の確保であります。
     知事の示されたマニフェストには、 医療の充実や教育改革などの多額の財源を必要とする提言が多数盛り込まれています。 しかしながら本県財政は、 平成二十一年度予算編成に当たっても、 県税収入の根幹をなす法人二税がリーマンショック後の景気後退により大幅な減収を余儀なくされる一方、 社会保障関係の義務的経費が増加することから、 県の貯金である基金を取り崩すとともに県の借金である県債の発行をふやさざるを得ないなど大変厳しい予算編成となりました。 本年度も景気の低迷によりさらなる税収減が予想されるなど財源の確保は容易ではありません。
     知事は、 マニフェストの中で予算の効率化により一般会計の五%  六百億円を捻出すること、 箱物の建設計画は白紙とし一年以内にゼロベースで見直す、 事業仕分けの結果を次の予算編成に反映させると公約していますが、 どれも具体性に欠けると言わざるを得ません。 知事は財源の確保についてどのようにお考えなのか伺います。
     また、 箱物とは具体的にどんな施設を指しているのか伺います。 さらに県民目線での箱物の費用対効果をチェックするとしていますが、 どのような方法を考えているのか伺います。 事業仕分けについて既にプロフェッショナルな機関と話をしているとのことですが、 具体的な名前をお伺いしたいと思います。
     その第二は、 公務員制度改革についてであります。
     まず、 公務員の天下りの禁止についてであります。 知事は、 県職員OBの外郭団体へのあっせんによる天下りの現状を洗い出し禁止すると言っておられます。 公務員の天下りの問題については中央でも議論されていますが、 勧奨退職の時期をおくらせるなどの効果は出ているもののいまだ抜本的な解決がなされてはいません。 幹部の国家公務員が勧奨退職と称して、 事実上大臣官房のあっせんによる天下りをしていることは周知の事実ですが、 多くの県民は国家公務員の退職制度と定年まで勤めるのが普通の県職員の退職制度の違いを理解されていないと思います。 あっせんと定年退職者の紹介について、 知事の見解を伺います。
     また、 外郭団体の役職員の募集については初年度から公募制を採用するとのことですが、 外郭団体は出資比率やその設立目的など実にさまざまな形態があり、 県以外の出資者からも役職員を受け入れています。 外郭団体を見直すことは大いに結構ですが、 これらの人材についても一律公募制をとるためにどのような方策を考えておられるのかお伺いします。
     次に、 知事は幹部職員  主査以上とされておりましたが、 評価制度を導入するとしておられます。 既に県では室長級以上の幹部職員に評価制度を導入しており、 今後知事部局のすべての職員に評価制度の導入をする方向で検討がされていると承知しております。 職員のやる気を高めるための評価制度の導入には大いに賛成ですので、 すべての県職員に対して早期の実施に向けての決意をお聞かせ願います。
     さらに、 県職員の給与については 「カットは職員のやる気に影響が出るので、 仕事量をふやすことで対応したい」 と討論会で話されましたが、 マニフェストには残業、 休日出勤の一割削減が盛り込まれています。 私なりに解釈すると、 職員給与はそのまま据え置き、 仕事量はふやすけれども残業と休日出勤は一割減らすとすれば劇的な事務効率の改善が必要になると思いますが、 知事はどんな手法で実現を図るおつもりか伺います。
     次に、 九月補正予算の編成方針について伺います。
     我が県では、 国の緊急経済対策が盛り込まれた十四兆円の補正予算に対応して、 六月補正として緊急経済対策や未来への投資、 県民の安心と活力の確保などに七百二十億円余の予算を組んだところです。 しかしながら国の補正予算により造成された基金を活用した事業は緒についたばかりであるとともに、 国の補正予算のうち内容未確定として計上を見送ったものもあると承知しております。 厳しい雇用環境や景気の低迷が続く中、 六月補正に引き続き積極的な補正予算を組む必要があると思います。 九月補正予算の編成方針について伺います。
     次に、 原子力発電に対する知事の基本認識についてお伺いします。
     国のエネルギー政策では、 原子力発電は総発電電力量の約三分の一を占める基幹電源であり、 地球環境対策にも貢献するなどから原子力発電を推進することとしています。 本県には昭和五十一年に第一号機が運転を開始した浜岡原子力発電所があり、 既に三十三年を経過しているところであります。 そこで、 知事は原子力発電に対しどのようなお考えをお持ちか伺います。
     また、 浜岡原発四号機では使用済み核燃料から製造されたMOX燃料を使用するプルサーマル計画がスタートし、 既に本年五月には燃料が搬入されています。 国の核燃料サイクル政策の一環であるプルサーマル計画について知事の所見を伺います。
     次に、 子育て、 医療について伺います。
     まず、 乳幼児医療費助成制度について伺います。
     乳幼児医療費助成制度は、 少子化対策の一環として子育て家庭の経済的負担の軽減を図るとともに、 疾病の早期治療を目的とした乳幼児の医療費を助成する市町に対し補助金を交付する制度として、 昭和四十八年に発足しました。 当初は零歳児からスタートしたものが改善を重ねながら、 平成十六年十二月からは未就学児  六歳までを助成対象とするなど拡大されてきたものであります。
     そうした助成制度に対して、 知事のマニフェストの中には 「乳幼児医療費助成制度を、 中学三年まで延長できるよう県内市町と協力します」 とあります。 子育て家庭の経済的負担を軽減するというねらいでは的を射ていると思われますが、 現在県が負担している約二十億円がさらに九年間の延長をすることになった場合、 県及び市町の負担はどの程度になると想定しているのか伺います。
     また、 乳幼児医療についてはさらなる県独自の助成制度を検討するとのことですが、 具体策について伺います。
     次に、 救急医療体制の整備充実についてお伺いします。
     現状の救急医療体制は、 医療の確保と重篤患者に対する適切な対応を主眼に限られた医療資源を効率的に活用するため、 県内各地域において救急医療空白地をつくらぬように、 初期、 第二次、 第三次救急医療施設として体系化し、 各施設がそれぞれの機能分担に応じた救急医療活動を行うようになっています。
     知事は、 マニフェストで 「現在市町に任されている夜間救急医療を含め、 東・中・西部のブロック化を進め、 救急医療空白地帯をつくらぬようなインフラ整備を進める」 とありますが、 どのような構想を描いておられるのか伺います。
     次に、 医師の確保について伺います。
     我が国の人口当たりの医師数、 医療費水準が主要先進国  G7中最低であり、 国民生活におけるセーフティーネットの最後のとりでである医療の現場が崩壊状態にあることは残念でなりません。 県下でも特に自治体病院の疲弊は著しく、 地域医療システムが機能不全に陥っています。 平成十六年にスタートした新たな臨床研修制度では、 医師の養成機関である大学病院でも研修医が激減し、 その補充のために派遣先の自治体病院から医師を引き揚げることになるなどまるでドミノ倒しの様相です。
     県では医師確保のため、 一昨年から医学生に県内での勤務を条件に奨学金制度を創設しましたが、 効果のあらわれるのはまだ先のことと思います。 知事はマニフェストで医師数を全国平均以上に改善するとされておられますが、 その方策について伺います。
     また、 医師確保とは違った視点と思われますが、 医療施設の偏在を克服するために東部地域に医科系大学  医学部やメディカルスクールの誘致を目指して一年以内に着手するとのことですが、 方策を伺います。
     次に、 予防医学への取り組みについて伺います。
     安心して暮らせる社会を目指して、 高齢者の健康・生きがいづくり、 スポーツ活動や仲間づくり活動の推進など、 高齢者自身の取り組みに対して支援や老人クラブ活動に対しての支援など、 これまでも多くの取り組みがなされてきました。 だれもが健康で明るい生活を実現するため、 治療から予防への視点を重視し、 食生活、 運動、 生活習慣などを正し、 病気にならない身体と精神をつくることは、 高齢化社会を生き抜かねばならない私たちにとって大きな関心事です。 知事の考える予防医学の具体的取り組みについてお伺いします。
     次に、 産業政策について伺います。
     知事のマニフェストには、 本県産業のうち農業と林業については多くの提言をされていますが、 同じ一次産業でも水産業については言及がなく、 流通、 卸、 小売や商店街などの三次産業についても触れられてはいません。 本県の特徴であるものづくりに代表される二次産業についても、 具体的な提言はものづくり振興条例くらいのものです。 産業政策についての偏りが心配されるところです。
     知事の提言の柱の一つである食と農の改革については、 学者としての川勝平太氏が提言し続けてこられた分野であります。 また、 森、 野、 川のあり方が日本の理想郷を静岡につくるとされる上で最も重要な県土づくりの基本でもあります。 そこに暮らす人々が森、 野、 川を守りつつ生計が成り立つきめ細やかな施策が必要であると考えます。 この分野については学者としての知事の提言を読み解き、 具体的な政策に踏み込むための時間をいただき、 九月議会で知事にお伺いしたいと思います。
     そこで、 ここではまずものづくり振興条例の考え方について伺います。
     また、 本県産業が直面している景気の悪化に伴う受注の激減や資金繰りの悪化などについてどのような対策を考えておられるのか伺うとともに、 企業業績の悪化に伴い非正規労働者のみならず正規労働者の雇用調整も進みつつあり、 来春の新卒者の就職も厳しい情勢にあります。 こうした厳しい雇用情勢を踏まえ当面の雇用対策にどのように取り組むのか、 また県民が安心して安定的に働くことができるように実効性のある雇用対策を推進する必要があると考えますが、 どのように取り組まれるのか伺います。
     また、 マニフェストには 「世界の大きな潮流を見据えた産業振興策として、 地域の文化力や魅力を上げるための地域資源を活用した一次、 二次、 三次産業を総合的に組み合わせた六次産業や日本型おもてなしによる観光・健康産業です」 とあります。 私には全く理解ができません。 御説明いただきたいと思います。
     次に、 社会資本の整備についてお伺いします。
     知事は社会資本の整備のうち、 いわゆる箱物については厳しい見方をされているようですが、 道路整備などについては寛容な姿勢であることがマニフェストから読み取れます。
     そこでお尋ねいたしますが、 石川県政のもとで、 この十年間に本県の社会資本整備に投下された投資的経費は総額二兆八千億円余。 内訳としては、 道路整備に約八千億円、 河川、 海岸、 砂防等に約四千二百億円、 都市計画、 区画整理に約二千五百億円、 港湾、 漁港整備に一千四百億円などとなっています。
     また、 整備された主な社会資本としては、 六月四日に開港した富士山静岡空港と周辺のアクセス道路網。 平成二十四年度に一部供用開始予定の新東名高速道路や、 清水港、 御前崎港等の港湾整備。 またワールドカップ開催地となったエコパスタジアム、 県内外から年間百万人を集客する浜名湖ガーデンパークの整備等、 交流人口の拡大と豊かな県民生活の確保と地域振興が図られました。 また安心・安全な県民生活の確保という面から、 県立静岡がんセンター、 太田川ダム、 沼津港水門も顕著な実績であります。
     これらは、 少子高齢化の進捗や厳しい経済環境のもとで成し遂げた偉大な成果であると私は認識するところでありますが、 知事におかれましては社会資本の整備についてどのような評価をなされているのか、 率直な御意見をお伺いいたします。
     次に、 昨年度策定された静岡県社会資本整備重点計画には、 平成二十年度から二十四年度にかけての魅力あるしずおか創造プランとして、 当面する社会資本整備について数値を挙げて目指すべき方向が示されています。 そしてその中には、 沼津駅付近鉄道高架事業、 東部コンベンションセンター整備、 巴川、 沼川における治水対策、 また伊豆縦貫自動車道、 中部横断自動車道、 三遠南信自動車道等の高規格幹線道路、 草薙総合運動場の再整備、 清水港、 御前崎港の整備等、 いわゆる箱物を含めて活力ある産業と交流を支え、 また県民の安全で安心な生活を支える基盤づくりとして、 待ったなしの整備が待たれる事業がメジロ押しであります。
     また、 これらについては、 議会でのたび重なる審議を経て予算措置がされ実施に向けて大きく踏み出し、 あるいは継続実施されている事業ばかりであります。 この際知事の今後の社会資本の整備に対する考え方についてお伺いいたします。
     次に、 富士山静岡空港についてお伺いいたします。
     知事は就任早々日本航空福岡便を利用し、 福岡県庁を訪れ麻生知事と会見し、 静岡―福岡便の利用促進についての協力要請をされました。 また一方就任直後の記者会見において、 この福岡便に適用されている搭乗率保証制度を見直す意向を表明されました。 このように知事は富士山静岡空港についての高い課題意識をお持ちであるということを前提として、 以下の質問をいたします。
     まず最初に、 昭和六十二年から二十二年間に及ぶ空港建設の経緯を踏まえ、 知事は空港は我が静岡県にとって必要不可欠の社会資本と考えその利活用を積極的に図るとするのか、 それとも空港の必要性はそれほど感じなかったがつくってしまった以上はその利活用を考えねばならないとするのか、 今後四年間の空港に関する諸課題に臨む知事の基本姿勢をまずお伺いします。
     次に、 二十二年間の建設過程においては、 空港建設地の地権者を初め多くの関係者の筆舌に尽くしがたい御労苦と御協力がありました。 また内外の就航路線開設につきましては、 県議会空港利活用促進議員連盟が強力な支援活動を行いました。 立ち木問題の報道に見られるようにとかく空港反対運動がセンセーショナルに取り上げられてきた中で、 空港開設について地道な支援協力体制をしいてきたこれらの諸活動に対していかなる評価をお持ちなのか、 知事のお考えを伺います。
     以上申し上げた富士山静岡空港についての基本姿勢を伺うのは、 今さらとか意地が悪いとかお思いになる方もおられるかもしれませんが、 かつて平成十五年から十六年にかけて、 民主党所属の国会議員を中心に結成された静岡空港は要らない国会議員の会が活発に活動し、 平成十六年五月には民主党の現代表である鳩山由紀夫氏も空港建設地を視察し、 「国会議員の会など多くの現職議員が静岡空港建設に反対している、 なぜ知事を初め一部の人が進めようとしているのか。 公共事業は一たん始めるとやめるのは難しいが、 やめる勇気を持つべきだ」 と述べ、 空港建設に強い反対の意思表明をされた経緯があるのです。 その鳩山氏が代表を務めている民主党の支援を受けた知事だからこそ、 あえて質問をさせていただくものです。
     次に、 日本航空福岡便の搭乗率保証の見直しについてお伺いします。
     この搭乗率保証制度が、 県側にとって片務的であり、 利用状況いかんによっては県に多大な財政負担が生じることになるという見直しの主張については我々も一定の理解をするものでありますが、 そもそもこの問題については、 さきの二月県議会で慎重審議の上、 附帯決議をつけて議決した経緯があります。
     東京便を持たない静岡空港のネットワーク確保に協力体制をしいた航空会社の努力をしんしゃくするとともに、 その見直しを論ずる前に、 まず官民挙げての利用率向上を図ることが喫緊の課題であると思いますがいかがでしょうか。 搭乗率保証制度の見直しについてのお考えを伺います。
     また、 福岡便に限らず昨日新たに就航したFDA三路線を含めた就航各便の利用率向上について、 今後どのような策をお考えなのか知事の所見をお伺いします。
     次に、 教育改革についてお伺いいたします。
     知事は、 静岡文化芸術大学の学長を初め、 これまで長年にわたり教育の場を歩いてこられましたので教育については深い考えをお持ちのことと思います。 マニフェストにおいて知事は、 「一に勉強、 二に勉強、 三に勉強」、 一の勉強は学校、 二の勉強は現場、 三の勉強は生き方で、 学校で学び、 仕事と生活から学び、 いかによく生きるかを求めるという運動をこの静岡から起こしていきたいというお考えのようです。 そしてこの運動は学校教育や教育行政改革にとどまらず、 文化や芸術をめで、 地域と地球を愛し、 自然への畏敬の心を持つ人間を育てていくという壮大なスケールの運動のようであります。
     また、 地域学というものを静岡の教育に取り入れていきたい、 さらには住む地域や家庭の経済環境等によって教育を受ける機会や教育の質に差があってはならない、 そのために世界的な視点を持つ教職員の人材育成や教育行政など子供に対する教育を総合的に見直し、 我が県から将来の日本を背負って立つ力強い青年を輩出すると論じられております。
     教育者でもあった知事は、 人材を育てていくことは大変難しい、 並大抵の努力だけではできないということをよく御存じだと思います。 また物をつくるのとは異なり、 短期間で育てることもできないということも言うまでもありません。
     そこでまず初めに、 「一に勉強、 二に勉強、 三に勉強」 という考え方をより具体的にお示しいただき、 具体的な施策としてはどのようなものになるのかお示しいただきたいと思います。
     次に、 教育行政の改革についてであります。
     知事は、 教育委員会の存在意義とあり方について再検討を考えられているようですが、 現在の教育委員会の存在意義をどのようにとらえられているのか、 またどのような考えのもとで再検討されていくのかお伺いします。
     次に、 公立学校と私立学校の所管の一元化について伺います。
     知事は、 マニフェストの中で公立学校と私立学校の所管の一元化を検討される考えをお持ちのようですが、 公立学校と私立学校は創立時のあり方が大きく異なります。 私立学校にはそれぞれ建学の精神があり、 教育に対する考え方もさまざまであります。 またこの建学の精神が、 子供たちの進路先の決定にも大きくかかわっていることも事実であります。 私は今現在、 公立、 私立学校の所管が分かれていることによる弊害があるとは考えにくいのですが、 知事が一元化を検討する理由をお伺いします。
     次に、 人材育成について伺います。
     知事は、 教職員の人材育成が教育行政を行う上で大変重要な要素を占めているとお考えのようですが、 この点については全く同意見であります。 昨今教員の指導力や適性といったことが議論されているわけでありますが、 この人材育成は一朝一夕にいくものではありませんし、 我が県の教育を担う教員の人材育成について、 どのような考えのもとで進めていこうとされているのかお伺いいたします。
     また、 JICAグローバル大学院という構想についてはどのようなものなのか、 改めてお聞かせいただきたいと思います。
     次は、 地域学についてであります。
     知事は、 地域学を教育に取り入れるという考えをお持ちですが、 我が県における地域学の定義はどのようなものであるのか、 具体的なものがあればお示しいただきたいと思います。
     また、 現在総合的学習が教育の中に取り入れられており、 さらにその地域学という実学を教育の中に取り入れていくとなれば全体的な授業構成にも大きな影響が出てくるものと考えられるわけですが、 この点についてはどのように考えておられるのか。 また地域学を教えるための人材の確保、 育成はどのように考えておられるのか伺います。
     次に、 静岡式三十五人学級について伺います。
     現在我が県においては、 中学校一、 二年生において三十五人を超える学級を複数有する学校を対象に三十五人学級を取り入れております。 対象校は、 学級数に応じた定数配置を行う少人数学級か、 非常勤講師を配置する少人数指導のどちらかを選択可能としておりますが、 知事のお考えでは八年後には全学年に少人数学級を適用する計画を立案するとのことですが、 財政面と人的資源、 教室確保といったハード面での課題についてどのような考えで取り組まれるのか、 具体的にお聞かせいただきたいと思います。
     さらに、 学校現場での教員の負担軽減のために勤務形態の見直しも考えられておられるようですが、 十分な財政的余裕がない中で人件費を抑えつつ勤務形態の見直しを行うことが可能であるのか、 基本的な考えについてお伺いします。
     次に、 文化芸術についてお伺いいたします。
     文化芸術に触れる機会をふやそうというお考えはわかりますが、 県内の美術館や博物館などの文化施設の入場料やコンサートなどの料金に対して、 補助や割引、 無料化といったことを実施するとなれば多額の負担増となるわけです。 ただ安くなれば大幅に入場者がふえるかといえば、 これも疑問です。 まず、 教育の中で  これは学校だけではなく家庭なども含めてでありますが  子供たちが文化や芸術に興味を持つようにすることが重要なのではないでしょうか。 その上で知事の考えておられるような施策の推進をするのであれば、 文化芸術に触れる機会がふえるのではないでしょうか。
     この点について知事の考えをお伺いして、 ひとまず私の質問を終わります。 (拍手)
    ○議長 (浜井卓男君)  川勝知事。
            (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事 (川勝平太君)  おはようございます。
     小楠議員にお答えいたします。
     私の政治姿勢についてであります。
     今回の選挙を通じまして、 七十二万人余の方々に御支援をいただいたことに感謝いたしますと同時に、 百万人以上の方々が他の候補者に票を投じられたことを重く受けとめております。
     今回の結果につきましては、 国民の社会経済に対する閉塞感、 これが先行する地方選挙の結果などに反映されまして県民の皆様の選択にも少なからず影響を与えたものと思われます。 そうした中で、 私の主張で県民の皆様に受け入れていただいた点があるとすれば、 それは私が一貫して訴えてきた改革の必要性と思いやりと活力に満ちた地域社会を創造するための政策を理解していただいたと同時に、 現場に赴き、 現場から学び、 現場に即した政策を立てようとする現場主義の姿勢を認めていただいたこと、 これなどではないかと考えております。 また応援をいただきました各政党におかれましても、 こうした県政に関する私の政策や姿勢に共感をしていただいたものと考えております。
     一方で、 知事という公の立場に就任し、 改めて知事の使命は県民三百八十万人の幸福の最大化のため、 県民の皆様の負託にこたえることと認識をしております。 主役はオール県民、 この考えに立ちまして、 今回の選挙におきまして他の候補者に託された県民の皆様の希望や夢も真摯に受けとめていかなければならないと考えております。
     それぞれの政策は県民主体の訴えで共通していた点もございます。 学ぶべきものは学ぶという姿勢で、 党派を超えて県民にとって何を一番優先するべきかを考えてまいります。 県民三百八十万人の知事として、 地域に立脚した視点による県政運営に努めまして、 「住んでよし、 働いてよし、 訪れてよし」 という日本の理想郷を県民の皆様とともにつくってまいりたいと考えております。
     次に、 マニフェスト実現のための方策についてでありますが、 現在作成を進めております次期総合計画というものがございますが、 政策提言してまいりましたマニフェストの内容をこれとすり合わせて任期の間で着実に成果を出していくために、 まずは実現への道筋としての工程表をお示ししましてその進捗状況を公開し、 県民の皆様と二人三脚で実現を図っていくという段取りを考えております。
     工程表の策定に当たりましては、 取り組みの優先順位や年次計画、 取り組みのための環境整備の状況などを検討しまして、 必要となる予算やその財源などを見定めた上でできる限り早い時期にお示ししてまいります。
     新たな総合計画には、 私が提言した地域づくりの考え方や政策の内容に加えまして、 今回の選挙を通じて学びましたさまざまな視点や御意見、 さらには識見を有する方々の御意見をも取り入れながら、 私の目指す日本の理想郷を静岡県につくるためのグランドデザインとして県民の皆様にお示ししてまいります。
     次に、 行財政改革についてのうち財源の確保についてでございます。
     景気低迷で県税収入の落ち込みが見込まれている厳しい財政状況のもと、 これまでの行政改革の成果に加えまして、 さらに今後四年間で約六百億円の財源捻出を図るとともに、 重点的な事業にそれを充てていくことは決して容易なことではありません。 そう考えておりますが、 従来からの財政運営の手法にも増して歳出の重点化、 効率化の手法を強化いたしまして目標を達成したいと考えております。 そのため事業仕分けなど効率的な予算執行を客観的に評価する制度の導入、 箱物建設計画のゼロベースでの見直しなどをマニフェストで掲げたところでございます。
     事業仕分けは、 国、 自治体が行っている事業について本当に必要なのか、 必要ならばどこが実施するべきかという視点に基づきまして、 外部の意見も取り入れながら見直しや改善を行うことを目的としております。 その実施につきましては、 国や他の地方自治体において実績のある第三者、 例えば 「構想日本」 でございますが、 その具体的手法や効果などについて現在調査検討を行っているところでございます。
     箱物の見直しにつきましては、 今後事業の重点化や事業仕分けなどを進めていく中で対象施設を具体的に示してまいりたいと考えておりますが、 見直しに当たりましては単に収支面のみならず、 その施設が県民に利用され県民満足度の高い施設であるかどうかという意味で、 県民目線に立った費用対効果を評価したいと考えております。
     次に、 九月補正予算の編成方針についてであります。
     本県では、 昨年度からのたび重なる国の緊急経済対策に呼応して、 緊急的な雇用創出や就業支援、 中小企業の資金繰り支援など幅広く雇用・経済対策に取り組んでまいりましたが、 現下の本県の景気は悪化のテンポが緩やかになってきてはおりますものの、 厳しい状況にあることには変わりありません。 特に雇用情勢につきましては、 五月の有効求人倍率が〇・四倍、 四カ月連続で過去最低を更新するなど厳しさを増しております。
     そこで、 去る七月二十一日、 私を本部長とする静岡県緊急経済・雇用対策会議を開催しまして、 全庁的な対応策を協議したところであります。 今後経済界や民間有識者をメンバーとする緊急経済対策諮問会議を早急に立ち上げて、 広く民間の御意見をも伺いながら県としての対策を迅速に取りまとめてまいります。
     九月補正予算の編成方針につきましては、 財源として国補正に伴う基金や国庫補助事業、 地域活性化・経済危機対策臨時交付金を活用しまして、 民間の御意見や現場のニーズを踏まえた雇用経済対策に重点を置きながら、 少子高齢化社会への対応、 人材育成、 安全・安心の実現や地球温暖化対策に資する施策など、 将来の本県の発展につながる施策にも積極的に対応してまいります。
     次に、 子育て、 医療についてのうち、 医師の確保についてであります。
     医師の不足を解消するためには、 国において抜本的な制度改革等を行うことが必要であると考えておりますが、 医師確保対策は喫緊の課題であり、 医師奨学金、 県立病院からの医師派遣、 公的病院を対象とした勤務医研修補助など、 本県といたしましても、 医師確保対策として効果があると考えられることはあらゆる手段を講じてまいる考えでございます。
     特に、 医師奨学金を拡充することが当面の医師確保に効果的であることから、 本年度は大学一校当たりの入学定員に相当する百人の貸与枠を設けるとともに、 新たに医科大学に奨学生の推薦枠を与える大学特別枠を設定いたし募集しましたところ一・五倍程度の応募があり、 審査の結果百三十九人に貸与したいと考えております。
     また、 東部地域への医科大学誘致についてでありますが、 医科大学の新設を認めるかどうかにつきましては、 現在のところ国が明確な方針を示していないことから、 新設だけでなく既存大学のキャンパス誘致も視野に入れて考えていく必要がございます。
     医科系大学の誘致に当たりましては、 教員の確保や附属病院が必要なことから、 静岡県保健医療計画における病床数との整合など多くの問題がありますが、 今後関係する方々の御意見や各大学の意向を確認しながら、 早急に方策を進めてまいりたいと考えております。
     次に、 産業政策についてのうち、 まず、 ものづくり振興条例の考え方についてであります。
     本県には、 家具、 楽器、 オートバイなど地域ではぐくまれたものづくりの産業が多くございまして、 その中から世界的な産業に発展したものが数多くあるなど国内有数のものづくり県であります。 また県内の企業家には、 私利私欲に走るのではなく、 社会に貢献すればいずれみずからに返るという報徳思想が根底にあり、 経済至上主義ではなく経済と倫理を両立するところ、 ここで雇用や地元を大切にする企業文化が先進的な産業をつくってきたと認識しております。
     一方、 産業の大転換が求められるときに当たり、 新しい技術や考え方に光を当て、 本県の持つ一次、 二次、 三次産業が結合して新たな価値を生むマーケットをつくる、 ものづくりのイノベーションが必要であります。 今後静岡のはぐくんできたものづくりの心と技術を大切にし、 県民がより幸せを感じることのできるものづくり振興条例をさまざまな方々の御意見を伺い制定し、 本県産業のさらなる発展に結びつけていきたいと考えております。
     次に、 世界の大きな潮流を見据えた産業振興策についてであります。
     昨年来の世界的な景気後退により、 外需に依存した我が国経済は大きな痛手を受け、 輸送用機器や電気機械が大きな割合を占める本県経済も多大の影響を受けており、 今、 産業構造を根本的に見直すときであると考えております。
     私は、 これからの産業振興の基本的な考え方として、 域外に開かれつつも域内で自己完結し得る多様な地域資源を生かした、 いわゆる地産地消を軸とした経済圏の形成が重要であると考えております。 今後も本県経済が発展していくためには、 外部からの力で動かされるのではなくて、 一次、 二次、 三次産業に携わる者が、 連携やいわゆるシュンペーターの言う新結合によって、 イノベーションすなわち技術革新を起こし、 みずから新しい静岡県経済をつくり出すことが必要であり、 観光・健康産業におきましても自然や地域資源を活用し、 みずから新たな商品やサービスをつくり出していくことが必要であります。
     県といたしましては、 こうした取り組みを支援することにより、 これまでのように海外需要に頼るのではなく内需を喚起し拡大する、 未来につながるものづくりを進めてまいります。
     次に、 社会資本整備についてのうち、 これまでの社会資本整備への評価についてであります。
     本県は、 富国有徳の理念のもと、 厳しい財政状況の中にもかかわらず選択と集中により社会資本整備を着実に推進し、 大交流時代の到来という明確な時代認識を持って、 本県の持つすばらしい魅力と可能性を高めたものと評価しております。 しかしながら地域自立の基礎、 産業活力の基盤、 さらには広域的な交流を促進するためには、 富士山静岡空港を生かす交通網や通信網など充実した社会環境のさらなる整備や機能強化が必要であると考えております。
     また、 三百八十万県民の安全・安心社会の実現のためには、 東海地震や風水害等に対する災害対策や身近な道路の渋滞緩和のための整備なども引き続き推進すべきものであります。 静岡を日本の理想郷としていくためには社会資本が必要不可欠であるとの視点から、 県民の皆様の声を聞きながらその整備に努めるとともに、 相互の連携を強化し、 本県の持つすばらしい場の力を引き出して、 「住んでよし、 働いてよし、 訪れてよし」 の静岡県をつくってまいる所存であります。
     次に、 富士山静岡空港についてのうち、 まず基本的な考え方についてでございます。
     富士山静岡空港は、 道路、 橋、 港などの他のインフラと連携して県勢の発展を支える重要な社会的インフラであると認識しており、 私が提唱する 「住んでよし、 働いてよし、 訪れてよし」 の日本の理想郷の建設を進めていく上でも強力なツールの一つであると考えております。
     また、 建設地決定から開港までの二十二年の間には、 整備計画の策定から用地取得、 さらに関係施設の建設整備に至るさまざまな場面において、 地権者の御協力はもとより、 県議会の空港利活用促進議員連盟による御支援など、 関係の方々の大変な御尽力があったものと承知しており、 空港建設にかかわってこられたすべての皆様に対し、 深く感謝申し上げるとともに、 改めて敬意を表するものでございます。
     しかしながら、 開港後一カ月余りが経過した現時点で、 早急に対応するべき課題の一つとして、 空港の利活用促進の取り組み強化を挙げざるを得ないと感じております。 私といたしましては、 今後とも引き続き、 県議会はもとより関係の皆様方の御支援と御協力を賜りながら、 空港の諸課題にスピード感を持って全力で取り組んでまいる所存であります。
     次に、 搭乗率保証制度についてでございます。
     福岡線のこれまでの搭乗実績を見ますと、 多額の運航支援金の負担も危惧されますことから、 制度の見直しを検討しておりますが、 それとともに現在目標搭乗率の確保に向けて全力で取り組んでいるところでございます。
     また、 FDAを含むその他の路線につきましても私みずからが積極的にトップセールスを行うこととしており、 昨日はFDAの初便で石川県と鹿児島県を訪問し、 小松空港では石川県の谷本知事、 福井県の西川知事とお会いするとともに、 来静されました熊本県の蒲島知事とも会談しまして、 相互に協力して利用拡大に取り組むことを確認したところでございます。
     本日も、 来静される鹿児島県の伊藤知事とお目にかかり、 交流拡大に向けた協力をお願いするとともに、 秋には福岡・熊本両県と石川県にふじのくに交流団を派遣して、 就航先と連携した利用促進の取り組みを強化してまいりたいと考えております。
     さらに、 今月十七日に私を本部長とする富士山静岡空港利活用戦略本部を設置しまして、 全庁的な空港利活用策の検討をスタートさせるとともに、 近く富士山静岡空港の魅力を高める有識者会議を立ち上げて県内外の有識者から御意見をいただきながら、 日本の表玄関としての富士山静岡空港の利活用、 利用促進を全力で図ってまいります。
     次に、 教育改革についてのうち、 まず、 一に勉強、 二に勉強、 三に勉強についてであります。
     地域における最高の宝は人であります。 心と体の調和した徳のある人の育成を目指しまして教育に力を入れてまいりますが、 一の勉強は学校における勉強  学びであります。 静岡式三十五人学級の継承発展等により基礎的学力の育成に努めるとともに、 退職教員、 スポーツ・芸術等の専門家等、 さまざまな外部人材を活用しまして豊かな情操や健やかな心と体をはぐくみ、 また学校支援地域本部や通学合宿を初め、 学校と家庭、 地域が連携しまして、 地域の子供は地域で育てる、 多くの人とのかかわりの中で子供を育てる体制づくりに努めます。
     二の勉強は、 豊かな自然、 文化、 産業等、 静岡の持つ場の力を生かし現場で学び続けることでございます。 子供たちが自然観察、 キャリア教育等の体験活動を通じて、 実社会という現場で生きていくために必要なことを身につけるとともに、 教える大人もまた教えること自体を学びの機会と考えともに学んでいく機運を高めてまいりたいと存じます。
     三の勉強は、 魂を揺さぶる芸術に触れてよりよい生き方を学ぶことでございます。 県民が文化芸術に触れる機会の充実を図るため、 美術館の入場料の無料化や読書環境の整備を進めまして一人一人の人生が豊かなものになりますように取り組むとともに、 県内各地の個性豊かで魅力あふれる文化を掘り起こしまして静岡県全体の文化力を高めて、 国内外からあこがれられる、 そういう地域になるよう努めてまいります。
     次に、 JICAグローバル大学院についてでございます。
     ボランティアとして世界各地に派遣されている青年海外協力隊の若者たちは、 現地の言語を身につけ生活、 社会、 文化などについて一生懸命に実地学習をしており、 現地の人たちと協働して生活環境や自然環境をよくする仕事をしています。 こうした活動は、 いわば私の言う第二の勉強  フィールドワークというものでございます。 そしてこれは、 大学院の修士レベルの高等教育として十分に学位に値するもので、 仮称ではございますが、 JICAグローバル大学院を設立して、 協力隊修了者に対して修士号を与えようというものであります。
     この構想は、 青年海外協力隊の活動を評価して社会的に認知することで、 日本の青少年が目指すモデル像を国際的に実践的に活躍して、 学徳が高くて心身ともにたくましい青年海外協力隊の若者たちの姿に一新していこうとするものであります。
     なお、 その他の御質問につきましては、 関係部局長、 教育長からお答えを申し上げます。
    ○議長 (浜井卓男君)  大村総務部長。
            (総務部長 大村慎一君登壇)
    ○総務部長 (大村慎一君)  行財政改革についてのうち、 公務員制度改革についてお答えをいたします。
     まず、 天下りの禁止についてでありますが、 本県には国と同様の早期退職慣行はなく、 職員は定年まで勤務ができる環境にございます。 また定年退職予定者の再就職に際しましては、 外郭団体からの求人に応じまして、 再就職を希望する者の中からその業務に必要とされる能力等を有している者を紹介いたしまして、 採用の可否は当該団体に判断をいただいておりまして国における従前の再就職の状況とは異なるものと認識をしております。
     しかしながら、 結果といたしまして長期的に県職員の退職者が同一の外郭団体ポストを占めているといった課題も見られまして、 今後県が出資する外郭団体に対しまして、 公募制による役職員の採用を、 知事のマニフェストに応じまして要請をしていくこととしたものであります。
     このための方策でございますが、 今後県が出資する外郭団体のうち、 県等に対しまして求人を行っている団体に対しては、 広く民間からも意欲を持った有能な方が応募できる公募制を取り入れていただくように要請をするとともに、 県といたしまして募集方法の助言や具体的な募集要項の作成支援など、 公募の実現に向けた努力を行ってまいりたいと考えております。
     なお、 本年の六月に国が示した第三セクター等の抜本的改革等に関する指針におきましても、 役職員の選任に当たりましては、 職務権限や責任にふさわしい人材を民間も含めて広く求めることが適当とされているところでございます。
     次に、 事務効率の改善についてでございます。
     業務の効率化につきましては、 県ではこれまでひとり一改革運動に積極的に取り組んでおりまして、 職員一人一人が身近なところから改革を実践し、 日常的にみずから考え行動する組織風土の醸成を通じまして、 事務効率の改善に努めてきたところでございます。 また本年度は新たに部局ごとに対前年比五%以上の時間外勤務の縮減目標を定めまして、 その目標の達成に向けて職員みずからが身の回りの仕事の内容ややり方を見直すことによりまして、 一層の業務の計画的、 効率的な執行ができるよう取り組んでいるところでございます。
     そこでさらに、 川勝知事からは、 「まず隗より始めよ」 という強い御指示もいただいておりますことから、 我々部局長も気持ちを新たにスピード感を持った事務処理に努めてまいりたいと思っております。
     また、 第三者の専門家や県民の皆様の目による事業仕分けの手法を早期に導入するなど、 県の仕事の中で本当に必要なものを重点的に予算を配分いたしまして、 不必要となったもの、 効果の薄いものにつきましてはさらに精査をして徹底的に排除をし、 これまで以上に無駄のない効率的な県政の実現に努めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。
    ○議長 (浜井卓男君)  岩瀬企画部長。
            (企画部長 岩瀬洋一郎君登壇)
    ○企画部長 (岩瀬洋一郎君)  原子力政策についてお答えいたします。
     我が国は、 エネルギー資源のほとんどを海外に依存しており、 県民生活の維持向上のためには、 地球温暖化問題に対応しながらエネルギーの安定供給を図ることが極めて重要と考えております。
     原子力発電は、 発電過程において二酸化炭素を排出せず、 少量のウランで一年間は燃料を取りかえずに発電できるなど環境面や安定供給の面でもすぐれております。 またプルサーマル計画につきましては、 使用済み燃料を再利用することで、 資源に恵まれない我が国にとってウラン資源の有効活用が図られるものと認識をしております。 国のエネルギー基本計画におきましても、 こうした点を踏まえまして核燃料サイクルを含む原子力発電の推進が位置づけられているところであり、 浜岡原子力発電所につきましても、 県民生活や産業活動に欠かせない電源としてこれを有効に利用していくことが重要と考えております。
     また、 原子力発電は、 運転に伴い放射線や放射性物質が発生いたしますことから安全がすべてに優先されなければならないと考えており、 県といたしましては、 今後とも事業者に対して徹底した情報公開により地元の理解や信頼が得られるよう求めてまいります。
    ○議長 (浜井卓男君)  大須賀厚生部長。
            (厚生部長 大須賀淑郎君登壇)
    ○厚生部長 (大須賀淑郎君)  子育て、 医療についてのうち、 初めに乳幼児医療費助成制度についてお答えいたします。
     乳幼児医療費助成制度は、 子育て家庭の経済的負担の軽減や疾病の早期治療を目的とした重要な福祉施策であると認識しており、 従来から対象者の拡大等制度の拡充とともに、 その統一化に努めてまいりました。
     中学三年生まで拡充した場合の県の単年度予算額は、 現行制度で試算いたしますと入通院とも対象とした場合は約四十億円となり、 またこれに対応する市町村の財政負担も約七十九億円に上ると推計されます。 このようにより一層の制度拡充は、 県・市町村とも多額の財政負担を要することや他の医療制度との関係にも配慮する必要がありますが、 現在の制度は改正後五年近くを経過し制度のあり方を再検討する時期に来ているものと考えます。
     県といたしましては、 まず現行の制度について十分検証を行った上で、 市町村の財政状況を踏まえながら県独自の制度についても検討してまいりたいと考えております。
     次に、 救急医療体制についてであります。
     本県では、 救急医療の最後のとりでとなる救命救急センターを東部、 中部、 西部地域に計七病院を指定することにより、 伊豆南部や北遠地域等の山間部を除く県内のほぼ全域から救急車両でのおおむね一時間以内の搬送を可能とし、 さらに二機のドクターヘリを配備することにより全県をカバーする体制を整備しております。
     しかしながら、 初期救急医療においては、 診療所を開業する医師の高齢化等のため在宅当番医制の維持が難しい地域があり、 第二次救急医療においても救急医療機関の不要不急の利用や救急患者の増加による医師の疲弊、 さらに医師不足により循環器科など一部の診療科の診療が困難な医療機関が存在するなどの課題があるのも事実であります。
     このため、 県といたしましては、 救急医療の適切な利用について引き続き県民に理解を求めますとともに、 県内の救急医療、 救急搬送の実態を十分検証した上で、 医師会、 医療機関、 市町村、 消防などと協議し、 第二次救急医療圏あるいは複数の圏域を含む東・中・西部の地域における救急医療機関の役割分担及び相互連携体制の確保など、 県民が安心して暮らせる救急医療体制の整備充実を推進してまいります。
     次に、 予防医学についてであります。
     県民の皆様がいつまでも健康で自立した生活を送るためには、 食生活、 運動、 生活習慣等を改善して健康を増進するなど、 予防に重点を置いた対策を強力に推進することが極めて重要であります。
     本県では、 多くの生活習慣病との関連が深い食生活の改善を図るため、 望ましい食習慣を実践する力を身につける食育を推進するとともに、 循環器病やがんなどの疾患と関連がある喫煙について健康への影響に関する知識の普及や受動喫煙の防止対策を図るなど、 生活習慣病予防対策を中心とした県民の健康づくり施策を展開しております。
     また、 本県は、 温泉、 海、 森林など豊かな資源に恵まれていることから、 温泉の入浴方法などを紹介し健康づくりを広める温泉マイスターの活用や、 温泉を利用した健康増進やいやしのサービスを提供するかかりつけ湯の促進による健康づくりに取り組んでいるところであります。
     今後は、 さらにこれらの健康資源を積極的に活用し、 産業振興や観光などの分野との連携を図り、 お茶を活用した食や森の散歩などの運動を取り入れた健康づくりプログラムを開発するなど、 本県の特色を生かした生涯にわたる健康づくりが実践できるよう取り組みを進めてまいります。
    ○議長 (浜井卓男君)  堀川産業部長。
            (産業部長 堀川知廣君登壇)
    ○産業部長 (堀川知廣君)  産業政策についてのうち、 景気・雇用対策についてお答えいたします。
     景気悪化に伴い受注量が急激に減少する中で、 新たな受注を求める中小企業の希望にこたえるため、 今年度受発注情報の掘り起こしを行う専門調査員をしずおか産業創造機構に増員するとともに、 県内外の元気な発注企業と中小企業との個別商談会をこの五月に開催したところであり、 九月以降も引き続き実施をいたしまして、 受注の確保拡大を図ってまいります。
     また、 売上高の減少など厳しい状況に置かれている中小企業に対しまして、 商工会などの経営指導員による経営改善の相談指導をきめ細かく行うとともに、 新たな商品開発などを目指す事業者が経営革新計画を実現できますよう、 必要な資金の調達や販路拡大を支援しているところであります。
     さらに、 中小企業の資金繰りを支援するため、 金融不安の影響が見え始めた昨年十月、 県制度融資の経済変動対策貸付の融資限度額を三千五百万円から五千万円に引き上げ、 さらに十二月には融資利率を〇・二%引き下げ一・五%としたところであります。 今年度に入りましてからも活発な利用が続いていますことから、 この六月に県制度融資の融資枠を三百億円拡大し二千三百億円としたところであり、 今後も中小企業の資金需要に適切に対応してまいります。
     雇用対策については、 離職者等に対し雇用を創出する緊急雇用創出事業とふるさと雇用再生特別対策事業に引き続き全庁を挙げて取り組むとともに、 先般設置した求職者総合支援センターにおいて、 離職者等に対しまして職業相談、 職業紹介と生活・就労相談を一体的に行っているところであります。 また、 離職者等が安定した雇用の場に再就職できますよう、 知識や技能を身につけるための職業訓練を充実してまいります。
     さらに、 厳しい就職環境にある新規学校卒業者については、 六月に採用の拡大について県内の経済団体や企業に対し要請を行ったことに加えまして、 県内外の大学への県内企業への就職情報の提供や就職面接会を引き続き実施していくこととしております。
    ○議長 (浜井卓男君)  衛門建設部長。
            (建設部長 衛門久明君登壇)
    ○建設部長 (衛門久明君)  社会資本整備についてのうち、 今後の社会資本整備についてお答えいたします。
     県では、 これまでも社会資本の着実な整備に努めてまいりましたが、 人口減少、 少子高齢社会の本格化、 国内外の交流の拡大、 さらには地球温暖化に伴う気象変動による災害リスクの増大など、 社会環境が大きく変化する中、 交通ネットワークのさらなる充実や地震・風水害対策など重点的に取り組む課題も多いことから、 今後とも計画的に社会資本の整備を推進していくことが重要であるというふうに考えております。
     整備に当たりましては、 ハード・ソフト一体となった戦略的対策、 多様な主体の参画・連携による協働、 既存の社会資本ストックを最大限活用した維持管理、 コストと品質の最適化による生産性の向上といった取り組みを行うなど、 効果的、 効率的な公共事業を推進することにより、 環境、 景観に配慮した安全・安心で活力ある静岡の実現に努めてまいります。
    ○議長 (浜井卓男君)  遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長 (遠藤亮平君)  教育改革についてのうち、 初めに教育委員会についてお答えいたします。
     今日、 教育界には多くの課題が山積しておりますが、 議会の同意を得て知事が任命しております教育委員には、 合議制の機関としてその識見に基づき大所高所から教育行政の基本方針等を決定していただいております。
     昨今、 教育委員会の必置規制の廃止や知事と教育委員会との関係等のあり方が問われている中、 知事とある程度の距離感が保たれている行政委員会としての現行制度は意義あるものでありますが、 今後知事と教育委員との意見交換の場を設けるなど、 意思の疎通も十分に図ってまいりたいと考えております。
     教育委員会制度の意義は、 政治的中立性の確保や継続性、 安定性の確保とともに、 地域住民の意向を反映することも大切なことであり、 その観点からも学校現場に出向いて開催している移動教育委員会を今後より一層充実するとともに、 教育委員協議会では次の教育計画となる静岡県教育振興基本計画を十分に練っていただくなど活性化を進めているところですが、 将来に向け教育委員会の所掌事務について精査しながら機能の充実を図ってまいります。
     次に、 教職員の人材育成についてであります。
      「教育は人なり」 の言葉であらわされますように、 教職員の人材育成は最重要課題の一つでありますので、 本県では教職員研修指針に基づき、 教職員個々のライフステージに応じて計画的、 体系的に総合教育センター等において研修を実施し、 教職員の人材育成に努めております。
     また、 広い視野と高い専門性を備えるために、 大学・大学院派遣、 民間企業等長期体験研修、 海外派遣研修等も実施しており、 これらにより、 本県教職員は確かな指導理論、 すぐれた実践力・応用力、 幅広い人間性や識見を身につけ、 児童生徒の指導に生かしております。 今年度指導主事を総合教育センターに集中配置して、 学校教育の核である授業力の向上に向け学校や教職員への支援体制をより強化したところであり、 今後は教員免許更新制の実施を踏まえ、 大学等と連携し地域や学校における研修の活性化を図る必要があると考えております。
     なお、 本県においては、 多文化共生の視点を持ち国際感覚豊かな教職員の育成は喫緊の課題でありますので、 青年海外協力隊への多くの教職員の派遣も含め、 児童生徒及び社会の変化に伴うさまざまな教育課題に対応できるすぐれた教職員の人材育成に努めてまいりたいと考えております。
     次に、 地域学についてであります。
     地域学とは、 自分の住む地域の文化、 伝統、 歴史、 産業などについて実践的、 体験的に学ぶことで、 みずからが生活する地域への誇りや愛着心をはぐくみ、 将来の地域づくり、 国づくりに貢献しようとする意欲と能力をつける学問と理解しております。
     学校においても、 日ごろの学習活動の中に地域のことについて学ぶ機会を積極的に設けることが大切であり、 現在多くの小中学校では、 社会科の授業や総合的な学習の時間などにおいて地域のことを学んでおりますので、 これをさらに深め発展させること、 高等学校においては学校が独自に設けることができる科目として、 例えば茶文化や駿河湾の恵み、 伊豆の文学など地域について学ぶ科目が多く設置されておりますので、 このような取り組みを深化、 拡充させることにより対応が可能と考えております。
     人材の確保育成につきましては、 学校支援地域本部などを核にしてより多くの地域住民との連携を密にし、 地域の企業等から学校へ講師を招聘する交流事業や、 地域に在住する退職教員を活用する事業等の充実にもあわせて取り組み、 地域からの学びを一層促進しながら人材の掘り起こしに努めてまいります。
     次に、 静岡式三十五人学級についてであります。
     静岡式三十五人学級編制における少人数学級を小中学校の全学年において実施し、 かつ常勤の講師ですべて対応した場合には試算として年間約三十四億円、 本務の教員で対応した場合には約七十二億円と巨額の経常経費が見込まれるため、 国への加配要望はもとより今後増加が見込まれる退職教員の人材活用、 非常勤講師の活用等、 あらゆる方策を工夫して実現可能な案を段階的に検討してまいりたいと考えております。
     教室確保といったハードの面の課題についてでありますが、 児童生徒数の減少に伴い余裕が生じた普通学級については、 国の余裕教室活用指針等に沿って、 学習方法、 指導方法の多様化に対応したスペース等に活用されておりますが、 一度転用した普通教室を再転用することや緊急的な普通教室の増設等で一定の対応は可能であろうと考えております。
     また、 教員の負担軽減につきましては、 学校支援地域本部の設置を市町教育委員会に働きかけ、 地域ボランティアによる支援や教員OB等外部指導者の活用を図るほか、 今年度四月に学校マネジメント向上プロジェクトを立ち上げ、 研究モデル校十二校を指定し業務の適正化や学校の情報化の推進などについて改善策の検討や実践を行っており、 それらの成果を全校に普及・浸透させてまいります。
    ○議長 (浜井卓男君)  丸山県民部長。
            (県民部長 丸山康至君登壇)
    ○県民部長 (丸山康至君)  教育改革についてのうち、 初めに公立、 私立所管一元化についてお答えいたします。
     新型インフルエンザ、 メディア上の有害情報、 いじめや不登校など生徒の健康と安全や生徒指導上の課題、 子育てに自信を失っている保護者に象徴される家庭での教育力の課題など生徒や教育を取り巻く問題は、 公立、 私立にかかわりなく横断的で多様化しております。 こうした課題に迅速かつ適切に対応するためには、 公立学校と私立学校がそれぞれ持っているノウハウや技術を共有することが大切であります。
     このため、 これまでも教員研修会への私立学校教員の参加、 生徒指導に関する研究成果の共有など教育委員会と知事部局が連携してまいりましたが、 私立学校にあってはおのおのが建学の精神に基づく教育を実践しておりますことから、 所管の一元化については、 私立学校の自主性、 自律性にも十分配慮し検討を進めていく必要があると考えております。
     次に、 文化芸術についてであります。
     感受性豊かな子供の時期に、 本物の文化芸術に触れて感動し刺激を受けるような体験を重ねることは、 人格を形成する上で大変重要であると考えております。 このため本県では教育委員会と連携し、 中学校単位で県立美術館と舞台芸術、 オーケストラなどを鑑賞するこどもたちの文化芸術鑑賞推進事業を初め、 学校や地域のホールへの巡回劇場や出前講座などを実施し、 子供たちが文化芸術に興味を持てるよう取り組んでまいりました。 また県文化財団やSPACでも、 演奏家が学校に出向いて実技指導する体験教室や、 親子で参加できる演劇教室、 子供たちの表現力を育てる異才・天才・奇才こども大会の開催など、 文化芸術に触れる機会の拡充に努めているところであります。
     県といたしましては、 こうした取り組みを一層充実させるとともに、 文化芸術との出会いをふやす一つの方法として、 県立美術館ではこの夏休み期間中の八月一日から三十日までの間、 すべての大学生以下の方及び小学校低学年以下の児童に同伴する保護者の観覧料無料化を試行的に実施したいと考えております。
    ○議長 (浜井卓男君)  大村総務部長。
            (総務部長 大村慎一君登壇)
    ○総務部長 (大村慎一君)  先ほど緊張の余り答弁を一つ漏らしまして申しわけございません。
     職員評価制度についてでございます。
     地方分権の時代におきまして、 多様化、 専門化する行政課題に的確に対応していくためには、 職員のやる気とやりがいを高める人事管理を通じまして、 職員の能力、 意欲を引き出し、 人材を有効に活用することが重要な課題であると認識をしております。 県では、 こうした人事管理の一環として、 平成十一年度から室長級以上の特定幹部職員を対象とした勤務成績評価制度を実施いたしまして、 評価結果を勤勉手当に反映する仕組みを整え、 本年四月からは御指摘のとおり、 その他の職員につきましても勤務成績の評価制度の試行を始めたところでございます。
     評価制度は、 評価期間中の勤務成績を的確にとらえる仕組みとして必要不可欠なものであると考えておりまして、 その結果を給与や人事配置等へ反映させることで勤務に精励した職員や実績を上げた職員に報いることとなりまして、 職員のやる気の向上にもつながるものと考えております。
     また現在国において、 地方公務員における任用、 給与、 分限その他の人事管理の基礎とする人事評価の導入について検討をされておりますことから、 そういった動向も踏まえながら試行している評価制度の結果を検証し、 できる限り早期の導入を図ってまいりたいと考えております。
    ○議長 (浜井卓男君)  四十三番 小楠和男君。
            (四十三番 小楠和男君登壇)
    ○四十三番 (小楠和男君)  再質問をさせていただきます。
     知事さん、 率直に申し上げます、 がっかりしました。 多分私だけじゃないと思います。
     知事がおっしゃられているとおりきょうこの議場にいる方だけでなく、 テレビカメラを通じ、 マスコミを通じ、 三百八十万県民が今の知事の答弁を見ます、 聞きます、 当局側の用意した原稿を棒読みするのも。 御自分が前向きな答弁をされたのは、 医師の確保についての奨学生の増加についてだけ。 御自分が提唱し、 莫大な財源がかかるとされた乳幼児医療制度の延長や静岡式三十五人学級については部長に答弁させる。 トップセールスのし過ぎで答弁調整の時間がなかったんじゃないですかというような皮肉も言いたくなるぐらいの中身です。 ひょっとしたら知事も、 おれにもっと言わせろと当局側に言ったかもしれませんね。 しかし現実は今の答弁です。
     知事は、 変革をする、 先ほどの答弁にもありました。 その知事の変革の気持ちを県民がとらえ、 投票行動に結びついたと御自分でおっしゃっていました。 今までと何にも変わらないじゃないですか。 四年間でできないことはいつまでたってもできないとおっしゃってました。 スタートでできないことが四年間でできるんですか。 私は本当に心配になりました。
     私は知事の演説は聞いていません。 選挙中の演説は、 聞くところによると立て板に水のごとく、 御自分の考えをとうとうとお話しになっておられる。 大変な饒舌だったというふうに伺ってます。 この議会での答弁も、 多分知事を応援した方々は川勝平太節を聞きたかったんじゃないんですか、 ということを冒頭申し上げた上で再質問に入ります。
     まず、 知事の政治姿勢についてであります。 「党派を超えて」 という言葉がありました。 これは知事以外の県知事候補を応援をした私たちやその他の政党の皆さん方に対する配慮だとは思いますが、 逆に心配になりますね。 先ほども言いました。 民主系の川勝知事を応援した方々は、 それでいいんでしょうか。 老婆心ながら少々心配になります。
     衆議院選挙について、 特に党派に偏った応援はしないとおっしゃられました。 少し気が早いようですけれども、 来年の今ごろにはもう私たちも県議会議員の選挙の候補者の名前が出始めます。 来るべき県議会議員選挙で、 民主党あるいは民主系の候補者から支援要請を受けたときに知事はどのように臨まれますか。 あるいは我々自民党の候補者からも知事に応援要請があるやもしれません。 それらについて知事はどのように臨まれるのか改めてお伺いします。
     次に、 財源の確保についてであります。 残念ながら負担増については、 先ほど申し上げたとおり部長に答弁をさせ、 財源の確保については知事みずからの答弁はありましたけども今までおっしゃっていることと何も進歩はありません。 具体的には何もございません。 四年間で六百億円、 年間百五十億円、 大変な数字です。 総務部長できるんですか。 答弁は今のは要りません。
     事業仕分けについて、 例えば 「構想日本」 という話が出ましたので申し上げますが、 「構想日本」 の加藤秀樹氏は私が非常に注目していた方でありまして、 七年ほど前になりますが私の主宰する会も講師として加藤氏にお越しをいただいたこともあります。
     昨年、 知事が学長を務めておられた静岡文化芸術大学で開催された浜松市の事業仕分け、 私も拝見させていただいております。 残念ながらほかにやってるとこ余りないんですね。 だから最初のスタートとして 「構想日本」 にお越しをいただいてお手本を見せてもらう、 それはよろしいかと思いますが、 浜松市で昨年行われた二日間、 六十一事業について事業仕分けがされています。 その当時の浜松市の事業の本数が六百本です。 約一割を仕分けをした。 そして浜松市はことしからどうしてるかというと、 外部の有識者と内部に六百の事業を振り分け、 それぞれ事業仕分けを行うという形でのスタートを切っています。
     一方、 県の事業本数、 今どれぐらいあると思いますか。 千三百事業です。 千三百事業を外部の方、 あるいは内部含めて事業仕分けをすべてする、 四年間で。 莫大な時間と労力がかかります。 この事業仕分けを実効あるものにし財源を生み出すために、 もう少し具体的に考え方をお聞きしたいと思います。
     次に、 公務員制度改革についてであります。 残念ながら知事から御答弁をいただけませんでした。 大阪の橋下知事が職員給与カットを掲げて当選をされ労使交渉が行われました。 マスコミに公開のもとで行われたのは皆さん見てらっしゃるでしょうか。
     知事は使用者側のトップです。 御自身が労使交渉に臨むかどうかは別にして、 使用者側のトップとして知事の意向を受けた人間が労使交渉に臨むというのが… (発言する者あり) 考えてます。 知事は六月十七日、 自治労静岡県本部との間で六項目の政策協定を結ばれてますね。 書いてあることは余り細かいことは申し上げませんが、 労働組合の方々の声を聞くこと、 それを私は悪いとは言いません。 しかしながら、 使用者側のトップが  公務員改革というのは行財政改革の中でも避けて通れない大変重要な部分です  その協定を結んだ知事さんが、 先ほどから出ております公務員制度改革、 天下りの問題、 評価制度の問題、 そしてこれらの問題にですね、 きちんとした対応ができるのか。 労使交渉の責任者としてどういう態度で臨まれるのか、 改めてお聞きをいたします。
     九月補正予算についてお話をいただきました。 産業部長から雇用対策についてのお話がございましたが、 これらの財源は私ども自民党、 公明党の与党による二十年度二回、 二十一年度当初予算そして補正予算、 四回にわたる景気対策の予算の成果であります。 ばらまきと酷評されました。 しかし株価を初め現在我が国の経済指標は徐々にではありますが上向き傾向を強めています。 私たちが、 政権与党が大変な努力をしてつくってくれた予算、 六月補正も行い、 さらに積極的に九月補正、 知事がつくった予算じゃないんです。 そのことを肝に銘じて予算編成に取り組んでいただきたいと思います。
     原子力政策、 企画部長の話なんか別に聞きたかないんですけどね。 わかり切ってます。 私たちはあなた方と同一歩調で今日までやってきたんですから。 午後の平成21の代表質問に同じ質問があるようでございますので知事さんがそこで答弁するならそれでも結構ですが、 もしそこでも企画部長に答弁させるつもりだとしたら、 原子力とプルサーマルに関して知事のお考えをこの場か午後、 どちらかで必ず明らかにしてほしいと思います。
     子育て、 医療については、 先ほども申しましたが部長の答弁にならざるを得なかった。 大変大きな財源が必要とされる乳幼児医療制度、 市町の協力が本当に得られるのかどうか。 今や市町は、 県が言うことならはいそうですかと聞くようなそういう時代ではありません。 対等です。 市町に対してどのように要請をしていくのか、 改めてお伺いをいたします。
     あわせて、 救急医療についても現在市町が担っている救急医療分野についてどのようにするのかという答弁がありませんでした。 救急医療についての市町についての考え方もあわせてお伺いをいたします。
     社会資本の整備について、 大変評価をしてる、 しかもまだ足りない部分はしっかりと整備していかなければならないということを知事はおっしゃいました。 県下くまなく回り現場主義でというお言葉が何度も聞こえます。 地域の要望は身近な社会資本の整備なんです。 救急車もいつ来るかわからない、 そんな地域が我が県にはまだあります。 ドクターヘリ、 夜間運航できません。 知事も認められたとおりです。 そういう地域に住んでいる方々が安心して暮らしていくための社会資本の整備、 積極的に進めていかれるかどうか、 もう一度知事にお伺いをいたします。
     JICAグローバル大学院についてお伺いします。 この構想は単なる修士号を付与するための認証機関なのか、 それとも教授陣や事務局スタッフを配し教室等も必要となるそういう施設整備が必要になるものなのか、 もう一度お伺いをします。 (拍手)
    ○議長 (浜井卓男君)  川勝知事。
            (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事 (川勝平太君)  小楠議員、 どうもありがとうございました。
     全庁を挙げて改革に取り組むという姿勢を示したつもりでございます。 部長会議あるいは局長会議、 頻繁に開催いたしまして、 今県庁の財産、 これまで持ってきた蓄積、 これを一生懸命学習しております。 同時に県庁の幹部の皆様方に私の姿勢を学んでいただいているということでございます。 私が一人ですべてできるというふうには思っておりません。 県庁のすぐれた人材と私との二人三脚でやっていくというのが筋であるというふうに思っております。
     それからですね、 次の地方選挙ですかどう動くかと。 言うまでもなく県議の役割は、 条例をつくるあるいはこの行政をチェックするということであります。 私はその行政の長に立っているわけでありますから役割は違います。 したがって応援に出るということはございません。
     それからですね、 (発言する者あり) これは筋の問題です。 選挙というには選挙の作法があります。 戦いは戦い、 終わればノーサイドというものでしょう。 私はその作法にのっとって、 今県知事として三百八十万人の県民の負託を受けていると、 これが私の役割でございますのでその役割に即した姿勢を貫くということでございます。
     それから事業仕分け。 今、 小楠議員の御指摘のように、 「構想日本」 におきましては全事業仕分けというところからスタートしたのでございますけれども、 今はその一部をするというそういうふうに変わられているのは御案内のとおりでございます。 それはしかし一方で、 県庁の仕事を受け持っている部局と、 それから第三者、 「構想日本」 のような第三者と、 それからオブザーバーというのがいますので必ずこれはマスターできると。 したがって静岡方式というものを打ち出すことができるというふうに信じております。 何も四年間、 あるいは一年からどれぐらいかかるか今お聞きしているところでございますけれども、 すべて第三者に依存する必要は全くありませんで、 我々の実力をもってすれば県民の方々の中でそのような事業仕分けに協力してくださる方が必ずいるものというふうに確信しておりまして、 一つ一つやり抜いていくということでございます。
     それから公務員制度改革でございますが、 これはまず隗より始めるということでございまして、 私はみずからが始めねばならないということで、 仕事量をふやして給料はそのままということはどうかという御指摘でございましたが、 私は七時に来るつもりですが県庁のドアが閉まっておりますので、 したがって今は八時に来ております。 そして私がどのような仕事をしているのかは、 私自身は見ておりませんけれどもホームページですべて明らかにしていただいているはずであります。 それは少なくとも県庁幹部の方々は皆心得ているはずで、 そのことがきっとスピード感を上げるに違いないというふうに確信しておりまして、 この私のスピード感を従前のものと比べるなりしていただいて御評価賜りまして、 本当にこの仕事の効率を上げることによって、 そしてそのコスト、 時間のコストも資金的なコストも下げられているかどうか、 ぜひ少しく温かい目でしかし公正な目でごらんいただければというふうに思います。
     それから予算編成についてですけれども、 これは今この補正予算がこの議会通りまして、 一方でこの不況ですので緊急経済対策のための諮問会議を有識者を交えて近々に立ち上げまして、 そしてその意見を聞きながらそれを九月の議会に予算編成に生かしていきたいというふうに念じております。
     それからプルサーマル、 原子力についてですけれども、 これは議員御指摘のとおり、 日本のいやあるいは世界のエネルギー源の、 今や幸か不幸か不可欠な一角を形成しているわけでございます。 したがってその技術に対してどのように態度をするかというのは極めて重要でありますが、 これは日本がその最高の技術をもって安全性を確保するという観点で臨むという以外にないというのが私の認識であります。 したがって使用済み核燃料というものが無駄にならないように、 プルサーマル計画はこれは目下進めるという考えでございます。
     しかし、 一方でその危険がございますので、 したがって学術委員会といいますか、 県内それから県外からですね、 いわば研究の対象でもございますので科学技術のいわば最高の成果の一つでもあります。 この技術を持たなくなると、 もし事故が起こった場合にそれに対して対処できない。 お隣の国々でも、 そのような技術の悪用といいますか平和利用でない利用の仕方もあり得るので、 日本といたしましては原子力技術の平和利用という安全性を確保するというそのような観点から、 開かれたそういう委員会のようなものを今構想しておりまして、 そういう委員会において現場の事情をよく知っていただきつつ今の日本の安全性にかかわる技術がどの程度のものか、 これを静岡県の人々にみんな知っていただくということが大事であるというふうに考えております。
     それから子育てあるいは医療のことですけれども、 これは小楠議員御指摘のように市町の御協力がなければあり得ませんですね。 ですからその子育て支援につきましても、 あるいは医療費の無料化につきましても、 県下の三十七の市町でばらばらでございます。 そうした事情を踏まえまして各市町と協議に入らざるを得ない。 したがってこうやりますと言っても相手のあることですから、 したがって今その協議を進めるという姿勢を持っておりますので、 その方向性ははっきりしております。 十五歳まで無料化に向けた方向性というのははっきりしておりまして、 子育てを安心してできないような行政というのは一体何なのかと。 安心して子供を産めない、 安心して子供を育てられないようなそのような県であってどうするのか。 したがってそこは最も重要であるというふうに考えております。
     したがって、 これは県と市町が争うべき筋のものではない。 お互いに協力するべきものです。 そのような姿勢で市町全部均等にするというのではなくて、 その個性、 実力、 違いますので、 政令市とあるいはその人口の少ないところでは実力が違いますから、 私の姿勢としましてはどうしても自分たちでできないところがございますので、 そういうところには県の目を向けるというこれが一番大切だと思っております。 すなわち相手方がございますので、 しばらくその明確なことを言うには時間をいただく以外にないということでございますね。
     JICAグローバル大学院でございますけれども、 これは御承知のようにJICAという日本のODAを担う機関が、 いわゆる青年海外協力隊というものがございまして、 そしてJICAというのはそのODAをつかさどる  政府開発援助をつかさどるわけですが、 この予算がですね膨大なものではありますけれども、 先進国はGDPの〇・七%という申し合わせをしている中で我が国はそれの半分にも達しないということでございます。
     それを何に使うかと。 これはいわゆる七十カ国ほどございます開発途上国の地域つまり日本の外務省などを置いていないところですね、 そこにJICAの事務局があるわけですが、 その事務局すらないところもございます。 そうした地域にボランティアの方が入ってる。 しかしそういう地域の人たちはですね、 日本に対するあこがれが非常に強いものです。 そうしたところに毎年千人の日本の青年たちが試験を受けてそして二年間行っておりますので、 常に二千人の青年たちが海外でそういう援助活動をしているとその実態はなかなか見上げたものです。
     私は藤田総裁のときに、 そのJICAの青年海外協力隊の実態と今後の方針にかかわる委員会の座長を仰せつかりまして、 そこでその実態について学びながらこういう青年たちをきっちりと顕彰していくということが大事だという確信を持ちまして、 そのような趣旨の報告書を提出しました。 しかしながらJICAの総裁というのは外務省のいわば天下り先でございますんで二、 三年ごとに総裁が変わります。 したがってその報告書も机の中に眠ったままではないかと思いますが、 しかしそのアイデアは死んでるわけではありません。
     特に現文科大臣、 私を文部科学大臣室に親しくお招き賜りましてそのときに歓談をしたのですけれども、 この話をしましたところその話もらったと。 それはしかし文科大臣がそれで決裁できる筋のものではなくて、 これは外務省管轄ですから、 ですから外務省と文部科学省とが共同しないとJICAの事業の青年海外協力隊の青年たちにその学位を与えることはできません。 しかし、 我が静岡県選出の代議士はその重要性を即座に認めた。 大したもんです。 (発言する者あり) 塩谷立さんね。 浜松のお祭りで、 はっぴを着て御一緒しました。 そういうわけです。
     これはですね、 彼らが日本にあこがれを持っている。 その日本という国それ自体がテキストなんです。 水産業、 林業、 農業、 いわゆる最先端の工業ではありませんで、 そういう一次産業それ自体が日本のレベルは彼らから見るとほとんど芸術です。 楽園です。 したがってこの大地それ自体がテキストになるわけですね。 それをどこで見せればいいか。
     小楠議員いかがですか。 私はですね、 この静岡県下が全域がテキストになるというふうに思っております。 単に教授が来てその紙切れを渡すというふうなものではありません。 県下全域で有為な青年たちがここで学ぶと。 そしてまた現地に帰る。 日本人と交流するというそういうものでございまして、 私は国連大学が日本に誘致されましたがそれこそそこは建物があって人がいるだけです。 それを超えるものになると確信しておりまして、 そうしたものがこの静岡県下に立地いたしますと県の教育の国際化というものが一気に図られるであろうというふうに期待しているわけでございます。
     ほぼ答えたかと存じますけれども、 抜けたところもあるかと思いますが、 大変ハート・ツー・ハートの質問をいただきましてうれしく思っております。 それが残念ながらこれまでの慣習というものがある。 これはですね、 それなりに尊重しなければならないと。 郷に入れば郷に従うという言葉がございますが、 一たん従ってみましてそれが県議の先生方の不興を買ったかということになりますと、 そのお励ましをいただきまして、 川勝平太流でこれからやってまいるということにいたしたいと思いますが、 この議会は御承知のように補正予算を通すということでございまして、 それと同時に私自身という者をよくごらんいただいて、 この程度でしかないということでですね、 いろいろと御理解と御支援を賜るということをお願い申し上げると同時に、 厳しい今のような御批判、 御叱正を賜りましてお互い県のレベルを上げていくと、 県民の幸せを図っていくということでここでは一致してると存じますので、 そういうその全体一番の大義のところでは 「和を以て貴しと為す」 と、 しかし争うべきとこは争う。 特に争うべきときにはそれは争うと、 その作法に従って争うというそういう関係でありたいというふうに念じている次第でございます。 (拍手)
    ○議長 (浜井卓男君)  四十三番 小楠和男君。
            (四十三番 小楠和男君登壇)
    ○四十三番 (小楠和男君)  ありがとうございました。
     私の質問で川勝平太を目覚めさせてしまったかもしれませんが、 これはよかったと思います。 やはり自分の言葉でしっかりとお話をしていただきたい。 それが我々議員にも県民にもしっかり伝わると、 そのように思う次第です。
     一点だけ申し上げておきます。 トップセールスの言葉が知事から随分出ています。 トップセールスならば県をあけてもいい、 県内にいなくてもいい、 そういうもんじゃないと思います。 まずは現場主義とおっしゃった。 しばらくはトップセールスも大事ですが、 県下の県民の声にしっかりと真摯に耳を傾けていただきたい。 それをあえて申し上げて私の質問を終わります。 (拍手)
    ○議長 (浜井卓男君)  これで小楠和男君の質問は終わりました。
     議事の都合により休憩します。

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