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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成17年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

前林 孝一良 議員

質問分類

代表質問

質問日:

09/28/2005

会派名:

公明党静岡県議団


質疑・質問事項:



    ○議長 (大橋正己君)  ただいまから会議を開きます。
     議事日程により、 知事提出議案第百四十九号から第百六十七号まで及び平成十六年度静岡県一般会計、 特別会計、 公営企業会計決算全部を一括して議題とします。
     質疑及び一般質問を行います。
     通告により、 二十九番 前林孝一良君。
            (二十九番 前林孝一良君登壇 拍手)
    ○二十九番 (前林孝一良君)  皆さん、 おはようございます。
     私は公明党県議団を代表して当面する県政の諸課題について、 知事並びに関係部局長、 教育長、 警察本部長に質問させていただきます。
     質問に先立ち、 一言申し述べます。
     八月八日、 参議院において郵政民営化法案が否決、 同日衆議院が解散され、 実質的な選挙戦に突入いたしました。 構造改革を推し進めるのか停滞させるのかが総選挙の争点でありました。 結果として選挙は自民党、 公明党連立与党の歴史的大勝利に終わり、 国民の意思は明白になりました。 衆議院の三分の二を超える圧倒的勢力が誕生したわけでありますが、 数を誇示することなく、 あくまで国民の暮らしの向上を目指した政策実現を期待いたします。 まずは郵政事業の民営化に決着をつけ、 これを入り口として構造改革をさらに推し進め、 国民の期待にこたえるべきであると訴え質問に入らせていただきます。
     さて、 突然起こり劇的な結末に終わった総選挙の前に七月に行われた知事選の影が薄くなってしまいましたが、 県民暮らし満足度日本一を目指すことを公約に掲げた石川県知事が四選を果たしたことに対し、 公明党県議団として改めて期待を込めてエールを送らせていただきます。
     今月初め、 国連開発計画は二〇〇五年版人間開発報告書を発表いたしました。 平均寿命や就学率、 GDPなどをもとに人間の豊かさをはかる人間開発指数で順位がつけられておりますけれども、 日本は調査が始まった九〇年と九一年、 九三年は一位、 バブル崩壊による経済の低迷で徐々に順位を下げ昨年までは五年間九位でした。 本年は百七十七カ国、 地域のうちで十一位となり、 初めてベストテンから転落いたしました。 ちなみに、 一位は五年連続でノルウェー、 二位はアイスランド、 三位はオーストラリアでした。
     本当の豊かさとは何かということが問われています。 戦後の経済成長で我が国はかつてないほどの物質的な豊かさを手に入れました。 日本はGDP五百兆円を超える世界第二位の経済大国となりましたが、 一方で人々は疲弊しさまざまな不安が社会を覆っております。 電通総研など各国研究機関が実施する世界価値観調査で、 自分が幸せと思う人の比率で日本は二十九位でした。 GDPは人の幸福をはかる物差しにはなり得ないことは明白であります。 自由な時間やストレスなど経済成長と引きかえに失われるものも少なくありません。
     ヒマラヤ山ろくにある人口七十万人の小国ブータンでは、 国民総幸福量という独自の国家目標を掲げて国づくりに取り組んでいます。 経済的な豊かさに加えて環境保護や伝統文化の維持発展などを重要視し、 環境や文化、 家族、 地域共同体のきずなまでを犠牲にするような経済成長は人間を幸福にはしないと先進国のGDP信仰を否定、 この考えに基づいて国づくりを進めた結果、 かつて外貨獲得のための木材輸出で国土の半分以下に減った森林面積は約七割にまで回復したといいます。
     県民暮らし満足度日本一を掲げる石川県政は、 このブータンの取り組みにも共通した精神を感ずるものであります。 生活者の目線で県民生活の向上を目指す我が党としても、 少数ながら石川県政をしっかり支えていきたいと考えております。 四年間のスタートに当たり、 我が会派の推進する財政健全化への着実な取り組み、 少子化対策、 介護予防対策、 中小企業対策などこうした政策をどのように実現していくおつもりか知事の決意を伺います。
     次に、 知事の時代認識について伺います。
     本年七月二十二日、 参議院本会議において、 国民が本や新聞など活字に親しみやすい環境をつくることを目的として文字・活字文化振興法が可決、 成立いたしました。 国民の活字離れ、 子供たちの読解力の低下が指摘されておりますが、 二〇〇三年のOECD国際学習到達度調査で日本の高校生の読解力は八位から十四位に後退しました。 趣味で読書をすることはないと回答した高校生は五五%に上り、 調査対象国中最下位でした。 暮らしの中で本を読んだり文章を書く機会が減ってきているのが我が国の実態であります。 文字・活字文化振興法は、 こうした事態に歯どめをかけることを目的として成立いたしました。
     文字で表現された文章を読んだり、 書いたり、 出版したりすることは、 文化芸術の基盤をなす重要な要素であります。 本年は県立中央図書館の前身である静岡県立葵文庫が設立されて八十周年に当たります。 葵文庫は徳川家の記念事業として渋沢栄一氏らの寄附を得て、 一九二五年  大正十四年、 駿府城内、 現在の青葉小学校に当たりますが、 この地に設立されました。 現在、 中央図書館では記念イベントを開催中でありますが、 中央図書館が所蔵する大切な資料の中に徳川幕府が幕末に集めた洋書の一群があります。 ヨーロッパの進んだ文化を吸収するために財貨を惜しまず収集した幕府の財産が静岡に残され、 明治初期の文明開化の基礎となり、 そして現在、 かけがえのない県民の財産として残されているわけであります。
     今月実施された日本教育社会学会では、 国立、 私立の大学生八百五十人を対象としたアンケート調査で、 小学校唱歌 「夏は来ぬ」 を半数以上が夏は来ないの意味と答えていたことが報告されたそうです。 活字離れは文化の衰退にもつながります。 個人がよりよい人生を送るための重要な基盤とも言うべき文字、 活字文化の振興について、 知事はどのようにお考えになられるのか所見を伺うものであります。
     次に、 財政健全化への取り組みについて伺います。
     本県歳入予算の大宗をなす法人二税を代表とする県税収入が、 バブル崩壊後の長引く景気低迷によって平成九年度の五千六十億円をピークに近年まで右肩下がりの減収傾向が続いてきました。
     本県では、 こうした歳入構造の転換期をとらえ、 平成十二年度の当初予算において財政健全化計画を策定し、 聖域なき事業の見直し、 施策の重点化を行うなどスリムで効率的な行財政システムへの転換を図るとともに、 経常収支比率を九〇%以下へ、 起債制限比率を一五%台に抑制、 県債残高二兆円程度を上限の三つの目標指標を定め財政健全化に取り組んできております。 このうち県債残高は平成十六年度末で約一兆九千五百億円、 起債制限比率は一二・六%となっており、 ともに今後とも減少する見込みであり、 二つの目標については十分達成しておりこの点については評価しています。
     しかし、 今回の知事選の中では県債残高の絶対額をとらえ、 県の財政が悪化しているとの声がありました。 県によれば、 将来に向けた社会資本を整備しつつ将来の返済能力を見きわめながら適正な県債残高規模をコントロールしているとのことですから、 県民にもっと理解してもらえるよう説明をしていくべきと思います。
     一方、 財政健全化の目標の一つである経常収支比率は平成十六年度は九一・九%となっており、 財政の中期見通しにおいても現在の国の三位一体の改革による地方財政対策をベースにしたケースでは年々上昇することが見込まれております。
     平成十六年度当初予算における三位一体の改革に名をかりた国による大規模な地方交付税の削減により、 多くの地方団体の財政経営を窮地に陥れたことは記憶に新しいところであります。 その後、 平成十七年度、 十八年度の二年間は地方団体の運営に必要となる一般財源の総額を確保する方針が示されておりますが、 国、 地方を通じた巨額の負債残高を考慮すれば平成十九年度以降の地方交付税の削減は避けられないものであり、 一方で、 社会保障関係費等の義務的経費は増加していくことが見込まれることから、 本県のみならずどの地方団体にとっても財政の硬直化を招き、 再び厳しい財政運営を強いられることが必至であります。
     地方交付税改革を含めた地方財政全体の今後のフレームについては、 今後、 国が策定するとしている中期地方財政ビジョンの中で明らかになっていくと思われますが、 こうした国の改革の進め方に対する知事の所見を伺います。
     また、 財政健全化の枠組みを堅持するために、 本県として財政の硬直化を回避するための方策をどのように考えているのかあわせて伺います。
     次に、 東海地震における広域受援体制について伺います。
     六月十一日、 静岡市清水区三保を主会場として第三回緊急消防援助隊全国合同訓練が開催されました。 前日の十日に全国から集結した三百八十六隊、 千九百五十三人の緊急消防援助隊員らにより、 遠距離送水訓練、 がけ崩れ下からの救出、 毒劇物対応訓練、 倒壊建物救出訓練などが繰り広げられ、 その模様を同僚議員とともに視察させていただきました。 中でも注目を集めたのは、 昨年十月二十七日、 余震が続く中、 土砂崩れ現場から二歳の皆川優太君を救出し全国にその名を知られた東京消防庁消防救助機動部隊、 通称ハイパーレスキュー部隊でありました。 東海地震の発生が予想される本県にとって、 厳しい訓練で鍛え抜いた全国のプロの支援をいただけると思うだけで心強く感じました。
     今回の訓練は東京以外の地域で初めて行われた全国訓練であり、 全国から本県への参集、 進出拠点に指定された足柄サービスエリア、 浜名湖サービスエリアへの集結訓練など今まで以上に実務的に行われた訓練でありました。 また県がことし四月に作成した東海地震応急対策要領に基づく静岡県広域受援計画を検証する訓練であったと聞いております。
     県の計画では消防、 警察、 自衛隊合わせて最大五万一千五百人の応援部隊が派遣されることになっていますが、 これらの部隊をいかに効率的、 効果的に振り分けることができるかがかぎになると考えます。 緊急消防援助隊の指揮権が消防組織法に位置づけられ、 装備についても徐々に強化されているとも聞いております。 大規模災害時における全国的な応援体制が整いつつある中で、 発災直後には災害の全体像を早期に把握する情報収集が必要であり、 その情報を参集してくる応援部隊に迅速かつ確実に伝達することが県の重要な責務であると私は考えます。
     このような点を踏まえ、 今回実施された全国合同訓練を現時点でどのように検証し、 評価しているのか伺います。
     次に、 県民の目線に立った広報について伺います。
     本年七月に、 小学校の四年生から六年生を対象としたこども県民だよりが創刊されました。 県にとって、 未来を担う子供たちに県への関心や愛着を持ってもらうことはとても重要なことであり、 またそのためには子供たちの目線に立った広報を行うことが必要であります。 今回創刊されたこども県民だよりは、 「大好き しずおか」 を基本コンセプトとして静岡県の誇れる自然や産物、 県の役割などを紹介していくこととのことですが、 子供たちに県への理解を深めてもらうにはまず、 静岡県に興味を持ち好きになってもらうことが大事であり、 そのようなコンセプトで子供たちの目線に立って制作される広報紙の発行は広報局の新たな取り組みとして高く評価できるものであります。 本県の未来を築く人材を育成するためにも、 今後とも全力で取り組んでいただきたいと思います。
     また、 ホームページは利用者が目的とする情報を容易に入手できる新しいツールとして急速に普及してきましたが、 県のホームページにおいても平成十六年度の年間アクセス件数は四千三百二十五万件に達しており、 利用者は県内外はもとより国外からも数多くのアクセスがあります。 こうしたことから、 ホームページは本県の観光情報や先進的な取り組み、 イベント等の最新情報をリアルタイムで発信することができる広報ツールとしても非常に有効なものであり、 開かれた県政推進のためにだれもが使いやすく親しみやすい工夫を施して積極的に活用すべきツールであると考えます。
     こうした視点で最近の県のホームページを見ますと、 他県には見られない本県の特徴が幾つか見受けられます。 本県のシンボルである富士山の生の姿を清水、 富士宮、 御殿場の三ポイントから生中継で見ることができる富士山ビューシステムや、 動画を活用して市場公募地方債に関する投資情報を提供している静岡県のIRなどは、 本県ならではの独自性を発揮した情報発信なのではないかと思っております。
     県では、 このほか昨年話題を呼んだ大阪のおばちゃんを活用した振り込め詐欺予防のテレビコマーシャルなど、 さまざまな広報媒体を使って県政情報を発信していますが、 社会が多様化、 複雑化し県民の求める情報も多岐にわたってきていることから、 より多くの県民に県政を理解し関心を持ってもらうためには県民の目線に立った広報が重要であると考えます。 今後、 どのように広報活動を進めていくのか所見を伺います。
     次に、 環境美化への総合的な取り組みについて質問いたします。
     七月十七日、 北海道の知床が屋久島、 白神山地に次いで我が国三番目の世界自然遺産に登録されました。 海と陸との相互作用が見られる希少な地域と評価されての結果でした。 もとより人気の高い観光地ですが、 世界自然遺産登録の宣伝効果が大きく、 ことしの夏は過去最高の観光客でにぎわったということです。 現地では既に観光客増によるオーバーユースが心配されており、 知床の原生的な自然にふさわしい利用ルールをつくることが検討されているそうです。
     八月十九日の県民の日こども県議会では、 たくさんの中学生がまさにこの場所で堂々と意見発表をしておりましたが、 中でも稲取中学校の鈴木江里子さんの 「静岡県の財産である富士山からごみをなくしたい」 との発言が耳に残りました。 ことしの夏、 富士山には約二十一万人が登山をいたしました。 ことしは、 十四日に富士宮口、 二十一日御殿場口、 そして須走口と、 三年ぶりに富士山クリーン作戦が実施されました。 計二千八百十四人が参加して清掃を行った結果、 収集されたごみは一トンを超えたということです。 以前に比べればごみの量は減ってきているとはいえ、 日本の象徴とも言うべき富士山の現状を知り非常に残念な思いがいたしました。
     南アルプスは貴重な高山植物が残されている地域で、 かつて環境省により世界自然遺産候補地の一つに挙げられたことのある自然の宝庫であります。 しかし、 開発を進め結果としてマナーの身についていない登山者が多く入山することになれば、 貴重な自然が荒らされることは間違いありません。 南アルプスを富士山の二の舞にすることはできません。
     七月中旬、 土肥から清水に向かうフェリーに初めて乗船いたしました。 天候に恵まれ富士山こそ望めませんでしたが、 駿河湾上から見る本県のすばらしい景色にしばし感動いたしました。 ところが、 目線を下げた瞬間目に映ったのは、 海面に浮遊するビニールやペットボトルなどたくさんのごみでした。 これには非常にショックを受けました。
      「地球を大切にしなさい。 それは親からもらったものではなく、 子供たちから借りているものだから」 ということわざがケニアにあるそうです。 知事の公約に、 富士山を世界遺産に、 自然環境日本一を目指しますとあります。 子供たちに返さなければならない本県の自然は余りにも汚されてしまっています。 世界遺産登録を語る前に、 まず本県の海、 山、 川をもとの姿に戻さなければなりません。 環境美化にどのように取り組んでいくのか県の所見を伺います。
     次に、 健康長寿日本一を目指した取り組みについて伺います。
     最初に、 たばこの害から県民の健康を守る施策についてであります。
     高齢者の人口がふえるにつれ老人医療費は年々増大し、 国の財政を圧迫する要因として心配されるようになりました。 本年三月に策定された静岡県老人医療費対策推進計画には、 病気を早期に発見し早期に治療することや病気にならないように健康の維持に努めることなどによって、 結果として老人医療費の伸びが適正化する、 そして生活習慣病予防対策の充実が必要であり、 全年齢を通して病気にならないよう健康増進に努めることが大切であると述べられております。
     静岡県立静岡がんセンターが開院されて丸三年になります。 本県のがん対策の中核を担う高度がん専門医療機関として重要な機能を果たしております。 全世界で二十数カ所しかないという陽子線治療装置を配備し、 本年三月までに約百六十人の患者さんが治療を受けたと聞いております。 がんは日本人の死因の第一位であることは事実ですが、 がんは不治の病ではないとの山口建総長の言葉に励まされた患者さんも多いことと思います。 世界最高水準のがん治療施設が本県に存在することは非常に心強い限りであります。 また女性のがん対策としてマンモグラフィの緊急配備が推進されており、 本議会でも県内十六機関、 十八台の配備のための予算が計上されているなどがん対策が国を挙げて進められていることは高く評価するところであります。
     しかし、 なってから治すよりなる前に防ぐという考え方を忘れてはなりません。 山口総長の話によると、 ヘビースモーカーが十人いたとして、 二人が肺がん、 一人が喉頭がん、 二人が心筋梗塞や脳卒中、 一人が肺気腫、 計六人が若死にをするそうです。 ちなみに、 残った四人はたばこに強い体質を持つ方だそうです。 世界の全死亡者の二十五から三〇%はたばこに起因し、 二〇二〇年までにたばこの消費量を半減させれば二億人が救えるとも言われております。
     特に女性の喫煙がふえていることが心配でなりません。 妊婦がたばこを吸うたびに胎児の心拍数が変化することが報告されています。 また母親が二十本以上喫煙するスモーカーの場合、 子供がぜんそくを発症する危険性は家族が非喫煙の約四・三倍に上がるということです。
     国レベルの対策は、 取り組み始めて二十から三十年おくれて死亡率低下につながると言われます。 日本のたばこ対策は国際的に見てもおくれていると言わざるを得ません。 先ほど引用した推進計画では、 分煙実施率について公共施設では現状の五八%を一〇〇%に商業サービス施設で四五・六%を六八%に高めたいとの数値目標を定めております。 ところが一般の職場における分煙の状況は把握されておらず、 また将来の分煙についても今後設定とされているだけです。 喫煙者のがん罹患率の高さは当然国民医療費増大にもつながります。 県としてがん予防のためのたばこ対策に積極的に取り組むべきであると考えますが当局のお考えを伺います。
     二番目に、 児童生徒の喫煙防止策について教育長に伺います。
     七月二十一日、 夏休み初日に警視庁と公立中学校、 都立高校が協力し、 警察官、 教員ら百三十人が参加して、 渋谷、 新宿など繁華街で合同補導活動を実施しました。 喫煙していた小学生が補導されたとの報道に驚かされました。
     たばこの持つ問題点はその毒性と依存性にあります。 喫煙を始めるとやめたいと思っても禁煙することが難しくなるということは、 喫煙を経験された多くの皆さんのよく承知しているところです。 特に、 吸い始める年齢が低ければ低いほどニコチン依存になりやすいと言われております。 要するに青少年には喫煙を始めさせないことが大切であると言えます。
     残念ながら我が国ではたばこの自動販売機が屋外至るところに設置されています。 これは外国には例を見ることができません。 青少年が自由に手が届くところにたばこが放置されています。 未成年者喫煙禁止法は存在していますが機能していません。 未成年にたばこを販売した業者が処罰されたということも聞いたことはありません。 たばこはできれば対面販売に限定するか、 自動販売機はせめて室内に設置し大人の目が届く配慮が必要であると考えます。
     県内公立学校で敷地内の全面禁煙に踏み切ったことに対しては一応の評価をいたします。 しかし、 正門のすぐ外でいかにもおいしそうに煙を吐き出している教師の姿はいただけません。 さらなる善処をお願いいたします。 喫煙防止のための教育をさらに充実させることが急務であると感じます。 高等学校保健体育教科書の喫煙と健康のサブタイトルには、 喫煙はスローモーションの自殺行為と表現されておりました。 山口総長も喫煙は非常に長い年限をかけてロシアンルーレットをやっているのと同じと述べております。 教育委員会として児童生徒の喫煙防止についてどのように考えておられるのか所見を伺います。
     次に、 若者の就労支援策の充実について伺います。
     七月三十日、 尾辻厚生労働大臣は八王子市で開かれたタウンミーティングに参加し、 若者たちと一対一で向き合っていきたい、 働く意欲を持ってもらうためなら少々金がかかっても惜しくないと発言しております。 政府は本年度ニート対策として若者自立塾などの施策をスタートさせましたが、 さらにその拡充に向けて動き始めております。
     本議会には引きこもり青少年自立支援事業費として四百万円の補正が計上されていますが、 これは引きこもりなど社会との関係が希薄な若者に対し、 他者とのかかわりや仲間との共同作業を通して若者の向上心を喚起し、 社会参加のきっかけや就労、 就学等を支援するという内容であり、 国が若者の就労という問題にいかに真剣に取り組んでいるかという姿勢をよく示しております。
     本県では昨年度、 我が会派の要望をもとに県内三カ所にヤングジョブステーションが設置され、 若年求職者に対して就職相談や職業紹介などのきめ細かな支援を実施しております。 設置された六月から本年三月までの十カ月で延べ六千三百人余が利用し、 若者の就職支援の拠点としての地位が定着しつつあります。 またこの八月から、 県東部、 中部において一泊二日の宿泊を含む若者就労支援セミナーが初めて実施されており、 その成果のほどが期待されます。
     本年度国が予算化した若者自立塾創出推進事業についての説明会には百人以上の参加者があり、 一次審査を経て六月三十日に二十の実施団体が決定されました。 本県でもこの事業への参加を申請した事業者がありましたが、 残念ながら不採用となっております。 平成十六年にはフリーターは全国で二百十三万人と言われ高水準で推移しており、 本県でも九万人余と推計されております。 こうしたフリーターやニートといわれる若者は、 自分のやりたい仕事がわからないという不安やコミュニケーションへの不安が焦りにつながっていると言われ、 職業にかかわる知識や技能を身につけることができず、 本人の能力不足から不安定就労を招くなど日本の将来に大きな不安を投げかけています。
     このほど県では六月に静岡県雇用戦略プランを策定し、 雇用情勢の分析を行い方向性を示されたところでありますが、 ニートやフリーターと言われる若者に対して県としては今後どのように就業支援の手を広げていかれるのか伺います。
     次に、 環境に配慮した農業の推進について伺います。
     BSE問題や鳥インフルエンザ問題をきっかけとして、 食の安全・安心に対する消費者の関心は年々高まってきました。 スーパーマーケットでは農産物や鮮魚の産地表示が徹底され、 消費者には国内産と外国産の選択もできるようになりました。 中には生産者の写真を掲げているケースも見られ、 生産者と消費者の距離が一気に短くなったと実感をしております。
     山形県東南部に位置する高畠町では、 今から三十年前に二十代前半の若手農業者四十一人が有機農業研究会を結成し、 化学肥料や農薬を一切使わず堆肥などの有機肥料による米づくりを始めました。 きっかけは農薬が農業者自身や環境に与える影響を憂慮したことだったということです。 除草剤を使わないため雑草が生い茂り、 夏の暑い日に死ぬほどつらい思いをしながら草取りをしたそうです。 つらい労働と収穫量の低さに仲間は次々に減っていきましたが、 安全な食べ物をつくりたい、 農薬により失われた環境を取り戻したいとの思いで試行錯誤を繰り返した結果、 平年を上回る収穫を確保したほか、 有機農業は異常気象に強いことを実証、 また首都圏の消費者グループとの販売ルートを確保することができ、 一時は半分に減った仲間も徐々にふえ、 現在では高畠町内約二千戸の農家のうち千戸以上が有機農業に取り組むようになったそうです。
     環境に配慮した、 環境との調和を目指した農業の推進は時代の要請です。 本年六月、 県は県環境保全型農業推進方針を全面改定いたしました。 十年後をめどに農薬と肥料の使用量の大幅削減やエコファーマー等が栽培した農産物の栽培面積を拡大する数値目標を盛り込んでいます。 また現状はわずか七%の農産物の販路を、 十年後には九〇%に拡大するとの大きな目標も掲げられております。 しかし、 環境に優しい農業を実践する農業者として認定されたエコファーマーは、 熊本県では七千五百余に上っていますが、 本県ではまだ千五百件余にすぎません。 現状にかんがみ、 県は環境保全型農業推進のため具体的にどのように取り組まれるのか御所見を伺うものであります。
     港湾整備事業のさらなる推進について伺います。
     清水港は一八九九年  明治三十二年の開港以来、 国際貿易港として百年以上の歴史を持つ特定重要港湾であり、 製造品出荷額等全国第三位のものづくり県である本県の産業経済を支える重要な柱であります。 清水港におけるコンテナ時代の幕あけは昭和四十五年に始まりましたが、 その後埠頭整備も着々と進み平成十五年には水深十五メートルの新興津第一バースが供用されました。 十五メートルの大水深コンテナバースは、 東京港、 横浜港、 名古屋港、 大阪港、 神戸港などのいわゆるスーパー中枢港湾以外では清水港と北九州港だけにあります。 取扱貨物量の増加を図るため地元の利用促進協会を中心に官民一体でポートセールスを積極的に続けてきた結果、 平成十六年のコンテナ取扱個数は外国貿易貨物で四十一万TEU、 内国貿易貨物も合わせると五十二万TEUで、 ともに初の大台を突破し過去最高を記録しました。
     現在、 北米、 欧州の基幹航路を初め東南アジアや近海等を結ぶ十九のコンテナ船が就航しております。 清水港は東名高速と国道一号のインターチェンジに近く、 交通アクセスがよく中部横断自動車道、 第二東名の整備も着実に進んでおり、 今後、 清水港の重要性はますます増していくことが予想されます。
     清水港は、 東京港、 横浜港を抱える東京湾と名古屋港、 四日市港を抱える伊勢湾に挟まれています。 スーパー中枢港湾では、 大水深岸壁を備えたコンテナターミナルの建設が進められるとともに、 コスト削減への努力が図られていると聞いております。 清水港では本年四月より、 大規模な港湾利用料の減免措置を導入し、 その成果もあって平成十七年上半期のコンテナ取扱個数は過去最高を記録しております。 その一方で、 増加する取扱貨物量にコンテナ施設が十分対応し切れるのかが懸念されるところであり、 清水港の一層の利用促進を図るためには、 新興津地区の第一バース背後ヤードの拡張整備に加え第二バースの早期着工、 供用が必要であると考えます。 県の御所見を伺います。
     次に、 少子化時代に対応した県営住宅のあり方について伺います。
     近年の急速な少子高齢化の進展は、 労働力人口の減少、 経済力の低下など二十一世紀の私たちの生活に深刻な影響が危惧されており、 こうした社会構造の変化に応じて、 現在、 次世代の子供を安心して産み育てられる生活環境の整備が強く求められています。
     さて、 県営住宅についてですが、 現在一万五千戸ある住宅のうち昭和四十年代に建設された約四割は設備や間取りの老朽化が進んでおり、 時代の要請に応じた対応が必要になっていると思われます。 このため県では、 安倍口団地を初め幾つかの団地で、 耐震性のあるコンクリートの躯体を残し、 現代的な間取りや設備の更新、 エレベーターの設置等のリモデル事業に取り組んでいることは承知しております。
     また、 公営住宅需要の高い中、 民間住宅の借り上げによる借り上げ型県営住宅も利便性の高い立地等から二十倍を超える高い応募倍率を示している団地もあり、 当選者からも大変喜ばれていると聞いております。 こうしたリモデルや借り上げ型県営住宅のように、 財政環境が厳しい中、 工夫によって時代のニーズを反映できる整備手法もあり、 今後もより一層これらの推進を図っていただきたいと考えます。
     そこで、 ユニバーサルデザインの導入など県営住宅における高齢化対策にはさまざまな取り組みが行われているのは承知しておりますが、 高齢化と並んで大きな社会問題となっている少子化対策についても県営住宅の担う役割は大きく、 今後若い世代が安心して子供を産み育てることができる環境の整備を積極的に展開していく必要があると考えております。
     まず、 入居の制度についてであります。 県営住宅は家賃が安く子育て世帯の経済的負担を軽減することができますが、 現状では応募倍率が高く入居しやすいとは言えません。 このため、 若いファミリー世帯が優先的に入居できるシステムなど、 子育て世代が入居しやすい制度をつくっていく必要があると思います。 また住宅の整備に加えポケットパークや保育所を敷地内に設けるなど、 入居後も子育て世帯が暮らしやすい環境づくりを進めていただきたいと考えております。 少子化対策を進めるためこうした県営住宅における子育て世帯への支援策について、 県としてどのように展開していくお考えか伺います。
     よりよい教育環境の構築ということについてという観点から、 教育長にお伺いいたします。
     先日、 保護者の無理難題というタイトルの新聞記事を目にしました。 保護者から寄せられる要望や苦情に解決困難や不条理なものがふえ、 学校が対応に苦慮しているという内容でした。 学習指導法、 生徒指導をめぐってのトラブルはもちろんのこと、 学校人事へ介入しようとするケースも少なくない。 また当事者の担任を通り越えて校長や教育委員会に直接持ち込む例がふえたということでした。
     ことしの春に関西で行われたアンケート調査によると、 保護者の要求に無理難題がふえたと感じている教師は八〇%、 中でも小学校は八九%に上ったそうです。 九〇%に上る教師が対応に難しさを感じると答えており、 教師にとって保護者との関係調整がかなりの負担になっている様子がうかがえます。 高学歴の時代にもなりましたし、 少子化の影響で子供への期待が大きい余り学校に過重な要望を押しつけるといった時代背景もありますが、 何と言っても教師を信頼しなくなった保護者がふえたことが最大の理由であると思います。
     不祥事を起こす教師が絶えないことは残念なことですが、 全体的に言って教師の質が落ちたとは思いません。 昔の教師の方が教育熱心だったとは言い切れません。 プライベートの時間を犠牲にしてまで児童生徒に尽くそうという教師はまだまだ数多く存在します。 ただ、 児童生徒は教師に父親の厳しさを求めない時代になりました。 むしろ、 兄や姉の優しさが求められ、 物わかりのいい教師がふえたことは事実かもしれません。
      「三尺下がって師の影を踏まず」 とか 「地震、 雷、 火事、 おやじ」 という言葉が生きていた時代はもう過去のものになりました。 磯野家のお父さん波平や長男カツオ君の担任の先生に親近感あるいは懐かしさを感じる世代の方もまだ数多いかもしれませんが、 今必要なのは権威を取り戻すことではなく信頼関係を築き上げることだと思います。 そのためには教師が教育のプロとしての自信を持つことが大切です。 少なくとも教育に関しては毅然とした態度で保護者に臨むことができるような教師を育て上げていただきたいと思います。
     児童生徒にとっての教育環境をよりよいものにするために、 教師の自信をどのように醸成するのか、 また教師集団の指導的立場にある管理職はどうあるべきなのか教育長のお考えを伺います。
     最後に、 交通事故防止への取り組みについて、 警察本部長に伺います。
     本年三月三十日二十二時、 藤枝、 磐田、 掛川、 浜名の国道一号バイパスが完全無料化されました。 国道一号現道の交通渋滞の緩和、 交通事故の削減、 沿道環境の改善を目的として、 国土交通省と県が日本道路公団からバイパスを買い取り無料化が実現したものであります。 静岡市駿河区手越に住む私にとっても島田市まで約三十分、 浜松市まで一時間強と県西部地域への所要時間が短縮され、 バイパスの利便性が高まるということで大変喜んでおりました。
     ところが、 四月二十二日と二十五日の両日、 藤枝バイパスにおいて連続して大型トラックの衝突事故が発生、 三人が死亡、 二名が重軽傷を負いました。 両事故とも未明に発生した事故であり、 便利になった反面、 危険性も増したと言わざるを得ません。 事故防止のためのさらなる取り組みの必要性を痛感いたしました。
     七月末に本年前半期の交通事故発生状況の報告がありました。 発生件数、 死者数、 負傷者数ともに前年より減少し、 事故防止への積極的な取り組みが着実に成果を上げているものと県警の御努力に頭の下がる思いがいたしました。 ただ、 高齢ドライバーが第一当事者となった事故件数が過去十年間で倍加しているということ、 また、 高齢者の死亡者が全体の四一%と依然として高い水準にあることは残念でなりません。 この報告を踏まえ、 本年後半期に交通事故防止のためにどのような取り組みをされるのか県警察本部長のお考えを伺います。
     以上で私の質問を終わりますが、 どうか前向きかつわかりやすい答弁をお願いいたします。 (拍手)
    ○議長 (大橋正己君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  前林議員にお答えをいたします。
     初めに、 私の政治姿勢についてであります。
     私は、 県政運営の基本理念として 「富国有徳 創知協働」 を掲げ、 物心両面の豊かさを持ち豊かさを有意義に生かす志を持った人々が活躍する本県の実現に向けて総合計画に百五十八の数値目標を明示し、 施策や事業をこれまで鋭意推進してきたところであります。
     四期目のスタートに当たりまして、 前林議員御指摘のようなさまざまな問題、 私も同じような問題意識を持っておるつもりであります。 そういう前提で、 県民暮らし満足度日本一の実現に向けて、 安心・安全、 健康長寿、 産業活力、 さらには自治体経営など十の分野にわたって、 日本一を目指す道筋をきっちりつけていきたいと考えておるところであります。 その道筋をつけるために、 現在総合計画審議会において現行の総合計画の中間検討をお願いしているところでありますけれども、 ここでのいろいろ御意見やまた全庁的に取り組みます戦略的な政策展開を通じて、 県民満足度を最大限高めていくことを目指しよりわかりやすい数値目標を明示した具体的な実施プログラムを取りまとめて、 明年度以降全力を挙げて推進する考えであります。
     次に、 私の時代認識についてであります。
     その時代認識の中で、 言語とか文字についての国民の力が衰えてきているんではないかという御指摘がございましたが、 私も昨今の世相を見ておりますと、 読書離れあるいは漢字能力の低下が感じられるところであります。 これは私の単に私一人の感想ではなくて広くこの面が各方面にも認識をされ、 多くの方々からもこのような傾向を放置することについて問題があるという指摘も出されている昨今でございます。 加えて、 今後さらに情報社会の進展を考えますとさまざまな情報を選別し活用していくための、 読み、 書き、 表現する能力、 いわゆる言語力がますます重要になってまいるわけでありますから、 現状の読書離れとか漢字能力低下ということは放置できない問題ではないかというふうに私も感じます。
     そこで本県では、 これまでに、 これに対して何とか県としても対応できないかということで、 さまざまな取り組みをしてまいりました。
     まず、 学校教育の場において、 読み聞かせや朝読書の実施など読書活動を活発に展開すると。 これが必要だという観点で取り組んでまいりました結果、 現状では県内の公立学校すべて、 小・中・高において読み聞かせとか朝読書が実施をされるに至っております。
     また、 県民カレッジを通じまして、 これまで読み聞かせボランティアを六千人強養成してまいりまして、 この方々が各地域で活躍を始めておるところであります。 こういう方々を通じて学校教育やあるいはその他の社会教育活動の面で大変この方々が活発に動き始めてくれておりますので、 今後の成果に期待をしているところでありますし、 一方で、 この読み聞かせに限らず図書館をもっと積極的に利用するように働きかけるべきであるというそういう運動を行っておられる県民の方々もたくさんおられるわけでありまして、 その方々が各地でお互いに情報交換しながら活発に動き始めておるところであります。
     こういうことを通じて、 本県内の読書活動の広がりと定着、 これに期待をかけておるところであります。
     また、 県の事業としてしずおか世界翻訳コンクール、 あるいは文化財団の事業としてしずおか連詩の会などを通じまして、 言語によって国内外に向けて日本文化あるいは日本の言語を通ずる文化の高さの発信をする、 そういう事業にも取り組んでまいりまして、 これも関係方面から高い評価をいただきつつあるところであります。 こういうことを通じて、 本県から高い文化の創造力、 これがはぐくまれることを期待をしているところでございます。
     こうした中で、 今回制定された文字・活字文化振興法の趣旨には共感を覚えるわけでありまして、 同法が目指します知的で心豊かな国民生活や活力ある社会の実現に向けて、 その言語力を高めることが非常に重要だという認識を共有しまして、 この面で大いに本県も努力をしていきたいと感じておるところであります。
     次に、 財政健全化への取り組みについてであります。
     交付税の削減の心配といいましょうか、 そういう予感を覚えるなど財政を取り巻く環境が一層厳しくなっておることは前林議員と認識をともにするものであります。 具体的には、 平成十六年度におきまして、 地方交付税の大幅削減が予算編成の大詰めの時期である年末に突如決定をいたしまして、 多くの地方団体に大変な混乱をもたらし物議を醸しました。
     本県では、 あらかじめこういうこともあり得るということを想定して、 もう前々から業務棚卸表を活用した行政評価に基づく事業の見直しや県債発行による将来の財政負担を見越した投資水準の設定、 計画的な定員管理など徹底した行財政改革に取り組んでまいりましたので、 このような事態に直面いたしましても慌てふためくことなく財政健全化債の発行も回避しながら健全財政を確保することができました。
     しかし、 これは単に一時的な一回限りの現象ではないわけで、 将来、 こういう方向へ向かって必ずや向かわざるを得ないということの一種の予告と私は受けとめておるわけであります。 したがって、 今後とも県みずからの努力として歳出をこれまで以上にスリム化していく必要があります。 そこで、 定着しつつあります新公共経営、 これをフルに活用して、 効率的で県民満足度の高い行政サービスの実現に努めながら、 加えて、 総務省から要請がございます集中改革プラン、 これを本年度中に策定をしなければなりませんので、 この集中改革プランを通じて行財政改革を一層強力に推進をし健全財政の枠組みを堅持してまいる考えであります。
     一方で、 交付税改革という名における交付税の総額の圧縮削減、 これは避けられないとはいうものの、 関係する方面、 特に地方団体あるいはそれを通じて住民、 国民にですね、 ある程度の将来の見通しを示す必要があると思うんです。 やみくもに出会い頭に切りつけるかのごとき交付税の削減というのは、 混乱ばかりもたらして決していい成果は出ない。 そうではなくて、 国民の皆さんにその必要性とその程度、 それからテンポ、 どのようなスピードで行うのか。 これについて政府が案を示し、 国民の合意形成をしながら改革に取り組むということが必要になります。 したがって、 こういう観点で静岡県が直接、 そして場合によったら全国知事会やあるいは地方関係六団体を通じて、 国に対してそのような将来見通しをきちんと示した上で改革をするよう政府に強力に働きかけていく考えであります。
     環境美化への総合的な取り組みについてであります。
     本県は豊かな自然に恵まれ県民はその恩恵を十分に享受してまいりましたが、 こうした自然を損なうことなく次の世代に引き継いでいくことは私たち今を生きる者の責務であると考えます。 このため 本県では、 美しい自然環境や快適な生活環境を保つために、 県内全市町村の参加を得て、 毎年度、 ごみゼロキャンペーンの実施、 河川や海岸、 道路等のごみの収集など県民への意識啓発を行う一方、 産業廃棄物等の不法投棄に対しても、 行政、 関係機関、 地域住民による監視、 パトロール等によりその未然防止と早期対応を図ってきたところであります。
     今後ともこのような環境美化をさらに徹底していくためには、 生産から消費まで社会経済活動全体を通じて環境への負荷の軽減に向けて、 県民総参加によるごみの発生の抑制、 再使用、 再資源化、 すなわちリデュース、 リユース、 リサイクルと言われるいわゆる3Rですね。 これを柱とする循環型社会の形成に努め、 県民暮らし満足度日本一、 その中の重要な要素の一つとして自然環境日本一にふさわしい静岡県を目指していく必要があると考えます。
     また、 自然環境日本一のシンボルとして富士山を世界遺産に登録できるように、 引き続き地元自治体や環境保全団体等との協働によって富士山及び周辺地域の総合的な環境美化に取り組んでまいる考えであります。
     次に、 若者の就労支援策の拡充についてであります。
     この点につきましては、 前林議員のお話にもありましたヤングジョブステーション、 これが昨年活動を開始いたしまして、 昨年はこのヤングジョブステーションを通じて三百六人の就職が実現をいたしました。 若者の職業意識を高め適性や能力に合った就職先の紹介や職業訓練を受けさせるというこのヤングジョブステーションの成果が三百六人、 多いか少ないかいろいろ評価は分かれるかもしれませんけども、 それなりの効果を上げておるというふうに私は感じております。
     今年度は、 その実績に基づきましていろいろ内容の拡充を図りました。 すなわち、 就職率が高かったプログラム、 これは個別指導を重視した継続利用プログラムでありますけれども、 これを時間数、 定員を大幅に増加をいたしました。 こういうことを通じてことしは支援体制の拡充を図りましたけども、 さらに今後ともその機能強化に努めますとともに、 一方で若者の職業能力を高めるために、 県の技術専門校における職業訓練体制の充実強化を図っているところであります。 加えて、 二〇〇七年に本県で開催されます技能五輪の世界大会、 これは若者の職業意識を呼び覚ますあるいは高い技能に対するあこがれを持つことを通じて、 きちんとした職業意識を持たせると。 そういう意味で大変意義のある事業だと思いますので、 こういう場も大いに活用しながらニートの発生防止に努めていきたいと考えます。
     また、 直接的なニート対策として、 ことしは前林議員お触れの若者自立塾が国の事業としてことしから実施をされますけれども、 本県でも独自の取り組みとして、 ことしとりあえず十名を募集定数として、 十日間の合宿セミナーを実施をすることといたしております。 十二月から実施をするわけでありますが、 このようなもし取り組みが効果があるということになってまいりますれば、 国の若者自立塾の導入を一方で図りながら、 この本県の取り組みも拡充をしていく必要があるかなというふうに考えておるところであります。 まずは十二月からの合宿セミナー、 これがどのような結果、 効果が出るか注目をしているところであります。 そのセミナーにつきましては、 十日間だけでそうその甚大な成果が出るとも考えられませんので、 NPOの協力を得て三カ月にわたる個別の就労支援、 アフターケアとしてそういうことも加味してまいります。
     また、 ニートを発生させないことがより重要であるという観点に立ちまして、 学校や家庭での対応を充実するために、 改善するために、 高校生や保護者に対する職業意識啓発講座なども実施をしているところであります。 今後とも、 国を初め市や町や関係団体などとの連携を強化し、 より計画的、 効果的な就労支援を図ってまいりたいと考えております。
     その他の御質問につきましては関係部局長、 教育長から御答弁を申し上げます。
    ○議長 (大橋正己君)  白岩総務部長。
            (総務部長 白岩 俊君登壇)
    ○総務部長 (白岩 俊君)  東海地震における広域受援体制についてお答えいたします。
     東海地震発生時において来援する警察、 消防、 自衛隊等の部隊を迅速かつ円滑に受け入れる体制の確保は極めて重要であると考えておりまして、 本年四月に静岡県広域受援計画を作成したところであります。 応援部隊の効率的、 効果的な活動のためには、 被災状況や道路状況等に関する情報を迅速かつ的確に応援部隊に提供することが何より重要であると考えております。
     今回の緊急消防援助隊全国合同訓練では、 被害情報に基づき被災地への部隊配備や進出ルートを決定するための県、 関係消防機関等で構成する緊急消防援助隊調整本部設置、 運営訓練を実施いたしました。 また進出拠点である足柄と浜名湖のサービスエリアでは、 派遣された県の職員が調整本部からの指示を各部隊に伝達し交通誘導を行うなど実践的な訓練も行ったところであります。 県の受け入れ体制、 関係機関と各部隊との連携体制、 指揮系統を検証する上で大きな成果が得られたものと考えております。
     今後とも、 緊急消防援助隊等の応援部隊が円滑に活動できるよう、 日ごろから地域防災局を中心に管内の被害予測や道路の危険箇所の把握などに取り組むとともに、 総合防災訓練や分野別訓練などのさまざまな訓練を通じて広域受援計画の検証を重ね、 受援体制の確立に万全を期してまいりたいと考えております。
    ○議長 (大橋正己君)  村松広報局長。
            (広報局長 村松靖則君登壇)
    ○広報局長 (村松靖則君)  県民の目線に立った広報についてお答えいたします。
     県民の皆さんの価値観やニーズが多様化するとともに、 さまざまな情報が飛び交う高度情報化社会にあっては、 県政や県事業の目的・内容をわかりやすくタイムリーに伝えることがますます重要になってきております。
     このため、 情報の受け手となる方々の年齢、 職業、 生活パターン等の属性や広報媒体の特徴を考慮しながら、 広報時期とその内容、 広報媒体等の検討を行うなどマーケティング手法を取り入れた広報に努めているところであります。 これまで県のホームページを利用者の視点に立って全面的にリニューアルするとともに、 本年度新たに小学校高学年を対象としたこども県民だよりやオピニオンリーダー向けの広報誌創知協働ニュースを創刊いたしました。 また主婦や若者をターゲットとした生活情報誌やフリーペーパー、 産業界向けのビジネス誌、 地域に密着しているコミュニティーFMやケーブルテレビなど各種の広報ツールを活用しております。
     今後とも、 県政への理解がより一層深まるよう各部局とも連携して、 県民の目線に立った広報を積極的に展開してまいりたいと考えております。
    ○議長 (大橋正己君)  川口健康福祉部長。
            (健康福祉部長 川口正俊君登壇)
    ○健康福祉部長 (川口正俊君)  健康長寿日本一達成に向けての取り組みについてのうち、 たばこの害から県民の健康を守る施策についてお答えいたします。
     たばこはがんを初めとする生活習慣病の重大な危険因子であり、 県民の健康づくりを推進するためには、 たばこ対策により積極的に取り組むことが必要であります。
     平成十五年五月に施行された健康増進法に受動喫煙防止が規定され、 本年二月にはたばこ規制枠組み条約が発効する等、 法的枠組みの整備も進んできております。 昨年度実施した公共の場所における分煙対策実施状況調査の結果によりますと、 この調査は商業サービス施設も含むものでありますが、 その結果、 分煙、 禁煙率が平成十二年度の四三・四%から五二・四%へ改善しており、 県民健康基礎調査からは男性の喫煙率が低下していることがわかりました。 しかし一方で、 分煙、 禁煙の実施率は施設の種類により差が大きく、 また女性の喫煙率が上昇する等の問題も生じております。
     このため県では、 これまでも未成年の喫煙防止や禁煙サポートの実施及び受動喫煙防止のため、 広く講演会の開催やテレビ、 新聞による啓発を行ってまいりましたが、 本年度は昨年度の調査結果を踏まえ、 家族連れの利用の多いファミリーレストランや食堂を対象に分煙、 禁煙の実施を重点的に働きかけるとともに、 経営者団体等を通じて事業所における分煙、 禁煙を進めていくこととしております。
    ○議長 (大橋正己君)  鈴木教育長。
            (教育長 鈴木善彦君登壇)
    ○教育長 (鈴木善彦君)  健康長寿日本一達成に向けての取り組みについてのうち、 児童生徒の喫煙防止策についてお答えいたします。
     平成十五年度、 県教育委員会に設置しました学校における喫煙問題検討委員会から三つの提言をいただきその実現に努めておりますが、 このうち第一の提言、 喫煙防止教育の充実につきましては、 従来、 中学校、 高等学校の教科、 保健体育を中心に教育活動全体を通して指導してまいりましたが、 平成十四年度からは新たに小学校の五、 六年生の教科、 体育でも喫煙の害を取り上げ指導しております。
     第二の提言、 たばこを手に入れにくい社会環境づくりにつきましては社会全体で取り組むべき課題でもあり、 販売協同組合等関係諸機関に対しまして販売方法等協力依頼を継続するなど取り組んでいきたいと考えております。
     第三の提言、 敷地内禁煙につきましては既にすべての公立学校で実施しているところであります。 これに関連しまして、 九月二十六日の新聞によりますと、 厚生労働省の調査結果では中高生の喫煙が大幅に減少したと。 例えば高校三年生男子で対二〇〇〇年の比較でありますが、 マイナス一五%ということであります。 そして、 その要因として教職員や来訪者の校内禁煙も影響したと、 このように報じられておりました。 教職員みずから率先垂範しての姿勢が子供たちの喫煙防止につながっていると評価をしております。 他方、 議員御指摘のような喫煙をする教職員のマナーの改善や節煙、 禁煙に向けた支援など円滑な実施に向け、 さらに努力していきたいと考えております。
     今後とも、 児童生徒の喫煙は心身の発育、 発達を阻害し、 薬物乱用への誘因行動ともなるという認識に立ちまして、 児童生徒を喫煙による健康被害から守っていきたいと考えております。
     次に、 よりよい教育環境の構築についてであります。
     議員御指摘のとおり、 本県においても近年、 保護者から寄せられる要望や苦情が増加している状況にあり、 子供や保護者の信頼にこたえるためには、 自信を持って教育活動を進めることのできる頼もしい先生の育成が重要であります。 この夏休みにも子供たちのために学習のおくれを取り戻すべく補習授業をしたり、 部活動や職場体験などの指導に汗を流してくれた教員が数多くいたことを見聞きし、 保護者の信頼につながっているものと頼もしく感じたところであります。
     また、 各校長は教員に学校運営の夢を語るとともに個別に面談を実施して指導上の課題を明確にするなど、 管理職として教員一人一人の意欲と資質の向上に努めているところであります。
     県教育委員会といたしましても、 教員としてすぐれた指導力、 特に授業力、 生徒指導力を身につけてこそ保護者に信頼され自信を持って対応できると考え、 そうした教員の育成を図るとともに、 保護者からの要望や苦情に耳を傾けその上で学校と家庭、 地域社会が連携をして、 子供にとってよりよい教育環境を構築できるよう全力で取り組んでまいります。
    ○議長 (大橋正己君)  北村農業水産部長。
            (農業水産部長 北村正平君登壇)
    ○農業水産部長 (北村正平君)  環境に配慮した農業の推進についてお答えいたします。
     本県では、 これまでも施肥量の削減など環境に優しい農業を進めてきましたが、 近年の環境問題への関心の高まりに対応し、 このたび、 具体的な数値目標を盛り込んだ新たな方針を策定したところであります。
     この方針では、 春野地域のお茶の有機栽培や御殿場地域の米のエコ栽培などの取り組みも含め、 自然と調和のとれた環境保全型農業を積極的に推進することとしております。 特にエコファーマーにつきましては、 点から面へと取り組みを広めていくため、 茶農協を初め温室メロン、 ミカンなど各作物ごとの出荷組合を対象とした組織的な認定を推進し、 認定者や栽培面積の一層の拡大に努めてまいります。
     また、 環境に優しい農産物を広めていくためには消費者の理解と支援が必要不可欠でありますので、 エコファーマーマークの活用や消費者と生産者の交流会、 情報交換会の開催などにより支援の輪を広げ、 こうした農産物の販売店舗の拡大につなげていきたいと考えております。 今後とも、 このような取り組みに加え農薬に頼らない防除技術や液体肥料を使用した効率的施肥技術などの開発普及を推進し、 より環境にやさしい農業の実現に努めてまいります。
    ○議長 (大橋正己君)  古川土木部長。
            (土木部長 古川博一君登壇)
    ○土木部長 (古川博一君)  港湾整備事業のさらなる推進についてお答えいたします。
     清水港のコンテナ取扱量は本年に入っても順調に増加を続け、 特に大規模な港湾施設使用料の減免措置導入後の四月から七月では前年同期比で五・五%増と大きな伸びを示すとともに、 本年七月には国内初となる北米、 中東コンテナ定期航路が既存航路の見直しにより新たに開設されたことなどから今後一層の増加が見込まれます。 既に昨年のコンテナ取扱量で見ても、 新興津地区では能力の上限に近い約十万TEUを、 また袖師地区でも過去最高となる約四十二万TEUを扱っており、 コンテナ施設の取扱能力は現在迫した状況にあります。
     このため、 新興津第一バースにおいて背後の施設整備を重点的に進めてきており、 本年度中にコンテナヤードを前年の二・五倍の五レーンに拡張し、 平成十九年度末までには七レーンのヤード整備を完了し、 専用ゲートも有するターミナルとして供用を図ることとしておりますので、 当分の間コンテナ取扱量の増加には対応できるものと考えております。
     しかしながら、 なお一層のコンテナ貨物需要にこたえるとともに、 今後投入が見込まれる大型船の寄港に対応するためには第二バースの増設が不可欠であると考えておりますので、 県といたしましては地元静岡市を初め経済界や港湾関係者などと連携し、 できる限りの早期着工、 供用を国に対し強く要望してまいります。
    ○議長 (大橋正己君)  山村都市住宅部長。
            (都市住宅部長 山村善敬君登壇)
    ○都市住宅部長 (山村善敬君)  少子化時代に対応した県営住宅のあり方についてお答えいたします。
     県は、 少子化対策において県営住宅の果たす役割が重要であると考えており、 入居制度の改善を強く国に要望してまいりました。 その結果本年度、 小学校就学前の子供がいる世帯については、 収入基準を月額二十万円から二十六万八千円に引き上げることができる政令改正が行われる見通しであります。 さらに、 公営住宅間の家族数と住宅規模のミスマッチに対する住みかえや若年ファミリー世帯が優先的に応募できる優先入居等、 事業主体が地域の実情を反映できる入居制度を現在国が検討中で、 近くガイドラインとして示されることとなっており、 本県におきましてもこうした状況を見ながら対応を図りたいと考えております。
     子育て世帯が暮らしやすい環境づくりにつきましては、 建てかえや全面的改善等の総合再生整備事業を推進する中で幼児遊園等の住環境整備を実施するとともに、 保育所等の福祉施設の導入については地元の市や町と連携を図りながら地域の実情を踏まえ検討していくこととしており、 今後も時代や地域のニーズに合った県営住宅の整備に努めてまいります。
    ○議長 (大橋正己君)  石警察本部長。
            (警察本部長 石和夫君登壇)
    ○警察本部長 (石和夫君)  交通事故防止への取り組みについてお答えをいたします。
     まず、 交通事故情勢を見てみますと、 本年上半期の死者数は百五人で昨年同期比十七人の減少でございましたが、 八月に交通死亡事故が急増いたしましたし特に旧盆期に集中発生いたしましたので、 八月二十二日から十日間、 県下全域に交通死亡事故多発警報が発令されたところでございます。 また九月に入りましてからも交通安全運動の初日に五人が亡くなるなどいたしまして、 昨日現在での死者数は百七十七人、 昨年同期比八人の減少となっているところでございまして、 交通事故発生件数と負傷者数合わせましたトリプル減を何とか維持している状況でございます。
     しかしながら、 例年十月から年末にかけまして交通死亡事故が急増する傾向にございますので、 年間死者数二百七十人以下というこの目標を達成するのは決して予断を許さない状況にあるところでございます。 なお、 昨年の十月から年末における交通事故死者数は年間死者数の三三%を占めておりまして、 特に高齢死者数は年間高齢死者数の三七%を占めているところでございまして、 夕暮れから夜間にかけての交通死亡事故、 形態では高齢者の横断中の交通死亡事故の増加が顕著なところでございます。
     そこで、 こうした交通事故情勢を踏まえまして、 十月一日から交通死亡事故抑止三カ月対策を推進することとしております。
     その重点の第一は、 思いやりパッシング運動の積極的な展開とそのための自治体、 関係機関、 団体と連携した広報啓発活動の強化でございます。 県内には横断歩道が約三万七千カ所ございまして、 その半数が信号機の設置されていない裸の横断歩道でございますけれども、 横断しようとしている歩行者がおりましても停止する車というのはまれでございまして、 車優先のような状況が見られるところでございます。
     そもそも交通事故防止の根本は運転者にあるわけでございますので、 横断歩道では歩行者が優先であるというイロハのイを定着させ、 また運転者全体の規範意識や安全意識を高めるために、 横断歩道における注意力の集中あるいは歩行者保護の徹底を図ります思いやりパッシング運動を積極的に展開しているところでございます。
     また昨年、 横断歩道上で二十四人が亡くなり八百三人が負傷しておりますけれども、 このうち高齢者の方の死者は十九人、 負傷者が二百六十四人というこういった実態を踏まえまして、 九月二十一日から十月三十一日までの間を横断歩行者妨害取り締まり強化期間に設定いたしまして、 思いやりパッシング運動の実効性を担保しているところでございます。
     その重点の第二は、 夕暮れ時から夜間における交通死亡事故の抑止でございます。 過去五年間の夕暮れ時の交通死亡事故発生状況を見てみますと日没後二時間以内に集中的に発生し、 高齢者の歩行中の事故が顕著でございますので、 交差点などの監視活動あるいは幹線道路における赤色灯を点灯しての流動警戒を始めまして、 交通事故に直結するような悪質、 危険性の高い違反に重点を置いた取り締まり、 このようなものを制服警察官に行わせまして、 そういった街頭活動を強化してまいる所存でございます。 ちなみに、 制服警察官による街頭活動というのは犯罪抑止の効果もあわせて期待しているところでございます。
     その重点の第三は、 飲酒運転の取り締まりの強化でございます。 本年八月末現在で飲酒運転事故が百七十三件発生しておりまして十四人が死亡しているところでございます。 特に酩酊度の高い酒酔い運転に起因する死者が大幅に増加しているところでございます。 そこで、 十一月及び十二月を飲酒運転取り締まり強化期間に設定いたしまして、 飲酒運転の取り締まりを強化してまいる所存でございます。
     なお、 飲酒運転事故の四三%が二十二時以降翌日四時までの時間帯に発生しておりますけれども、 これは一般に警察力が手薄だと思われている時間帯でございまして、 泥棒が活動する時間帯でもございますことから、 隣接警察署あるいは本部執行隊が連携をいたしまして各種の検問などを実施するなど徹底した検挙ができる体制を確立してまいりたいと考えております。
     その重点の第四は、 交通安全施設の早期整備でございます。 ちなみに、 東京都と政令指定都市の所在する道府県で見てみますと舗装道路百キロメートル当たりの信号機の整備率の平均は三十二基でございますが、 本年八月末時点で人口十万人当たりの交通事故死者数ワースト一位の広島が十七基、 二位の静岡が二十一基、 三位の宮城が十七基であるのに対しまして、 同じく人口十万人当たりの交通事故死者数の少ない方のベスト一位の東京が七十二基、 二位の神奈川が四十一基、 三位の大阪が六十五基というように交通安全施設の交通事故抑止効果は非常に高いわけでございますので、 既に予算化されている安全施設だけではなく道路管理者と連携を密にいたしまして、 交通環境の効果的な改善を図るための交通安全施設の早期整備に努めてまいりますので御理解をいただきたいと存じます。
    ○議長 (大橋正己君)  二十九番。
            (二十九番 前林孝一良君登壇)
    ○二十九番 (前林孝一良君)  御答弁ありがとうございました。 一点だけ再質問をさせていただきます。
     環境美化への総合的な取り組みについてに関連してでございますけれども、 私はこの六月に尾瀬を三十年ぶりに訪問してまいりました。 期待どおりの非常にすばらしい自然に触れて楽しいといいますか、 感動した一日であったわけでございますけども、 尾瀬に行って思ったのはこの三十年間にその整備が非常に進んでいる。 もうごみを捨てる気持ちになれないような場がそこにあるということなんですね。 そういう意味で日本人のこのマナーが悪いのは非常に残念なことなんですけども、 そういう日本人でもごみを捨てることができないような環境をまずつくっていくという考え方もあると思います。 そんな意味で行政の姿勢がそういう自然環境を守っていくことができるという観点から考えて、 やはりこの行政主導による環境美化への取り組みというものもあるんじゃないかと思いますけれども、 そんな部分について御答弁をいただきたいと思います。 よろしくお願いします。
    ○議長 (大橋正己君)  府川環境森林部長。
            (環境森林部長 府川博明君登壇)
    ○環境森林部長 (府川博明君)  環境美化のうち行政主導の環境美化の取り組み、 富士山の環境美化の取り組みについてお答えをいたします。
     ただいま富士山の環境美化につきましては大きく二つのジャンルに分けてありまして、 富士山憲章推進会議という静岡県、 山梨県それから国、 地元市町村、 その連携でやっている事業とですね、 それからふじさんネットワーク、 これは環境保全団体それから企業等の御参加をいただいてやっていることの大きく二つに分かれておりまして、 取り組みといたしましては環境負荷の低減ということで、 富士山のクリーンアップの事業それから富士山保全意識の高揚、 さらには、 富士山の自然林の復元とこういった事業に中心に取り組んでおります。
     そういった意味で、 行政主導ももちろんですし民間の力をおかりして協働事業とそれらをあわせまして、 両輪で今後も富士山の環境美化に努めてまいりたいとこのように考ております。 以上でございます。
    ○議長 (大橋正己君)  これで前林孝一良君の質問は終わりました。
     議事の都合により休憩します。

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