• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成21年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

林 芳久仁 議員

質問分類

代表質問

質問日:

09/16/2009

会派名:

平成21


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について                      
 (1) 静岡県の目指す方向                       
 (2) 県内三十七市町 (首長) との協調体制づくり            
 (3) 今後の地方分権に対する知事の期待感               
 (4) 市町への権限及び財源の移譲                   
 (5) 県民と現場で語る方策                      
 (6) 知事の定例記者会見                       
 (7) 知事と職員の信頼関係の構築                   
 (8) 県と市町の人事交流及び省庁への職員派遣             
2 来年度の予算編成の取り組みについて                
 (1) 県税収入見込み                         
 (2) 歳入の確保対策                         
3 行財政改革について                       
 (1) 集中改革プランの成果                      
 (2) 行財政改革の今後の取り組み方針                 
4 駿河湾を震源とする地震について                  
 (1) 対応の検証                           
 (2) 水道施設の被害軽減に対する支援                 
5 中小河川の局地的豪雨対策について                 
6 静岡県の地域振興策について                    
7 中山間地域の施策展開について                   
 (1) 中山間地域の産業振興                      
 (2) 中山間地域の農地や森林の管理                  
 (3) 中山間地域の土地情報の整備                   
8 教育行政について                         
 (1) 全国学力テストの調査結果                    
 (2) 新学習指導要領の全面実施                    
 (3) 公立高校の再編整備と専門教育の充実               
9 消費者行政の充実について                     
 (1) 消費生活相談員の処遇                      
 (2) 消費生活相談員のスキルアップ                  
10 交通安全施設の整備促進について



    ○副議長 (堀江龍一君)  質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、 二十八番 林 芳久仁君。
            (二十八番 林 芳久仁君登壇 拍手)
    ○二十八番 (林 芳久仁君)  私は平成21会派を代表しまして当面する県政の諸課題につきまして、 川勝知事並びに関係部局長、 教育長、 警察本部長に順次お伺いをいたします。
     質問に入る前に、 去る八月十一日早朝の駿河湾を震源地とする地震は、 県内最大震度が六弱で静岡県としては実に六十五年ぶりの大型地震でありました。 地震によりお亡くなりになった方の御冥福をお祈り申し上げ、 けがをされた皆様と建物の損傷及び農産物の被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。 道路、 港湾等の復旧工事も続いており、 一日も早い復興を望むものであります。
     また、 八月の八日からの台風九号は、 近畿、 中四国に大きな被害をもたらし多くの方がお亡くなりになりました。 御冥福をお祈りし被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。
     それでは質問に入ります。
     川勝知事が七月七日就任以来二カ月ちょっとたちました。 その間、 空港利活用でのトップセールス、 七月二十一日には初の所信表明を行い、 六月議会が一カ月おくれて開催され、 八月七日に閉会をいたしました。 休む間もなく八月十一日の静岡県を襲う大型地震への災害復興対策の対応、 インフルエンザ対策等々目まぐるしい日々が続き、 引き続き九月十一日からの九月議会が今回開催されております。 当分の間、 休みを取ることもできませんが、 県民のためさらなる御奮闘をお願いいたします。
     初めに、 知事の政治姿勢についてのうち、 静岡県の目指す方向について伺います。
     静岡県は日本のど真ん中に位置し、 経済力をあらわす直近の統計では製造品出荷額は平成十九年で全国第三位、 年間県民一人当たりの所得、 平成十八年度でも第三位、 企業立地件数は平成十九年、 二十年と二年連続全国第一位となっております。 また県民視点の生産指標では、 県民雇用者の労働分配率は平成十八年度では四十一位、 雇用者一人当たり県民雇用者の報酬は平成十八年度では二十四位、 県民の就業率は平成十七年でありますけれども第一位と。 県民所得に占める民間法人企業所得の割合は平成十八年度で第一位となっております。 総合的に他県に比べ恵まれた県と言われております。 ただ地域ごとの景気動向には差があり、 市町での行政サービスの内容も格差が出ていることも事実です。 市町の財政状況も悪化し子育て支援、 医療体制、 福祉対策サービス等で格差は広がりを見せています。 静岡県も全国上位の経済力であるが県民へのサービスがイコールしてないことも事実です。
     そこで、 世界の成長都市としてはヘルシンキ、 トロント、 アムステルダム、 シドニー、 ストックホルムなどが挙げられ、 恵まれた生活環境にあります。 またクリエーティブな職につく人として、 建築家、 美術専門家、 エンジニア、 科学者、 芸術家、 作家、 上級管理職、 アナリスト、 医師、 金融、 法律家等が挙げられ、 創造的な人材確保と恵まれた生活文化環境にあることがすぐれた成長都市のあかしとも言われております。
     県内の地域経済の明暗を分けるものとして、 国際性、 貿易、 情報、 人材、 すぐれた産業集積  技術・工学、 恵まれた生活文化の環境、 社会のオープン性が必要と多くの専門家が指摘しております。 本県の目指す方向として、 特に中枢機能の維持強化、 要は本社機能・学術機能の充実、 国際性の強化、 自然環境と都市機能としての田舎の良さと都市の便利さ、 文化を充足させる、 さらに風土の再生も不可欠と思います。 改めて静岡の目指す方向が、 さきに述べた状況を踏まえ、 知事がおっしゃっている 「日本の理想郷―ふじのくに」 ということも当てはまると思いますけれども、 改めて知事の所見をお伺いいたします。
     次に、 県内三十七市町との協調体制づくりについてであります。
     知事は現場に出て、 見る・聞く・話をするを柱に、 市町が抱える問題または共通課題に広域的に対応し、 また個々の対応を含め必要上の支援を行うことをより求められていると思います。 特に防災対策、 医療問題、 観光、 都市計画、 農林漁業の振興、 地域振興策、 子育て、 高齢者対策、 雇用対策、 景気対策等々、 さまざまな課題が山積みであり早い対応が必要であります。 また地方分権論議が進む中、 権限移譲の推進や建設事業費の負担金問題もあり、 より一層市町との協調体制が不可欠であると考えます。 従来は政令市とのトップ会談の開催や、 地域ごとに開催するサミットにおいて首長との意見交換が行われてきたほか、 年二回ぐらい市長会、 町村会が主催する会合に出席するなど協議の場が設定されてきたところであります。
     早速川勝知事は、 早々九月の三日に首長との意見交換会を開催されております。 今後はテーマ別、 地域別の開催を念頭に、 円卓会議を定期的に開催をするという旨発言されておりますが、 改めて三十七の首長との協調体制づくりについて知事の所見をお伺いします。
     次に、 今後の地方分権に対する知事の期待感についてであります。
     さきに行われた総選挙の結果、 きょうじゅうに政権交代が実現し今後民主党主体の政権運営が行われることとなります。 民主党は総選挙のマニフェストにおいて、 政権構想五原則の一つとして 「中央集権から、 地域主権へ。」 を位置づけ、 中央政府の役割は外交、 安全保障などに特化し、 地方でできることは地方に移譲することを主要政策として掲げるなど地方分権を重視する姿勢を示しております。
     川勝知事自身も、 さきの知事選におけるマニフェストで、 地域主権日本一を目指すと明示されておられるところから、 国における新たな政権の地方分権に対する取り組みに対してどのように期待し対応されていかれるのか、 お尋ねをいたします。
     次に、 市町へのさらなる権限及び財源の移譲についてであります。
     先ほど山田議員のほうからもお話がありましたけれども、 前石川知事も各市町への権限移譲を進めてこられ、 件数では全国でもトップクラスにあり全国的に評価されておりますが、 川勝知事もマニフェストにできる限り市町に積極的に移譲したいということであります。 国からの地方分権がより加速することが予想される中、 当面法律の範囲内で、 市町が必要としている権限及びこれに伴う財源について首長との協議の場でも議題として出されると思いますが、 改めて市町へのさらなる権限及びこれに伴う財源の移譲について知事の所見をお伺いをいたします。
     次に、 県民と現場で語る方策についてであります。
     県はこれまで県民との対話活動について、 知事みずから県民と意見交換する知事広聴ふれあいトークを昨年度は十回、 また知事以外の幹部職員によるタウンミーティングを本庁で百回、 出先で百回実施しているほか、 ホームページや郵便を利用した県民の声の収集、 個別訪問やインターネットモニターによる県民意識調査等の実施など県民との関係強化に努めてこられ、 一定の成果も得られたことも事実です。
     しかし、 市町と異なりまだまだ県民と県行政の距離はあり、 より身近に信頼を得ていくためにも知事の役割は大であると県民も期待を強くしているものと思います。 本年六月に実施した県政世論調査の速報結果を見ますと、 県政の仕事について関心がある方が五七%、 一方で不満のある方が四四%、 これ前年比六・六%の増となっております。 そこで県民との対話について当面これまでのやり方を継続していくのか、 現場主義の川勝流のやり方を考えておられるのかお伺いをいたします。
     次に、 知事の定例記者会見についてであります。  
     知事の定例記者会見は記者クラブと当局の共同で月二回開催しております。 この会見は知事として、 報道関係者は無論でありますが県民にも川勝知事の言葉でアピールできる絶好の機会でもあります。 事務方が準備した案件内容以外に、 県民に約束したマニフェストの進捗状況について会見の場で一つずつ発表を行ってほしいと思いますし、 県民もそれを望んでいると思います。 知事は早速さきの定例記者会見で、 知事の退職金の返納をということで今議会にその条例が提出されております。 これは知事選においても公約の一つとなっていることも事実であります。 そういう意味で、 このマニフェストの進捗状況の会見について知事のお考えをお伺いをいたします。
     次に、 知事と職員の信頼関係の構築についてであります。
     知事と職員の信頼関係を強く築くことは、 知事の理念に即した県政運営を行う上で大切なことであります。 知事自身も常にチーム川勝でいくと強調していますが、 一般的には知事は幹部職員といろんな場面で直接接触はあるものの、 若手職員や中堅職員と接する機会は多くないものと思います。 しかし、 若手職員や中堅職員もチーム川勝の一員として、 県民の幸せを願う思いを共有し考えを知事と近いものにしていくことが必要であります。 忙しいスケジュールではありますが、 ぜひ積極的に若手職員や中堅職員との対話の場をつくってほしいと思いますが、 知事の所見をお伺いをいたします。
     次に、 県と市町の人事交流及び省庁への職員派遣についてであります。
     初めに、 県と県内の市町村との間では昭和五十三年に県・市町村職員交流実施要綱が定められて以来、 本年度までに県から市町村へ千百六十八人、 市町村から県へ千六百五十一人、 合計二千八百十九人の人事交流が行われてきました。 本年度は県から十七市七町へ二十九人、 十八市七町から県へ三十六人、 合計六十五人が交流をしております。 職員の人事交流により、 県と市町を隔てる壁がなくなっていくとともに、 県全体でプロの行政マンとして士気が高まり行政の生産性の向上に結びつくことが期待されることから、 こうした若手職員の交流を一層進めることが必要と思いますが知事の考え方をお伺いをいたします。
     一方、 本年度は県から省庁へ二十五人派遣されております。 省庁への派遣は、 国と県の関係を緊密にするため一つの有効手段と思いますが、 今後地方分権が急速に進展していくと、 国と県のあり方についてもさまざまな面で見直しが必要となると考えます。 そこで今後国への職員派遣について縮小していくのか、 現在の人数的な状況を維持していくのか、 知事の考え方をお尋ねをいたします。
     次に、 来年度の予算編成の取り組みについてのうち、 県税収入の見込みについて伺います。
     川勝知事就任以来初めての二十二年度予算編成を行うことになりますが、 県民の生命財産を守り安心して暮らせる県土づくりに汗をかき、 しっかりした予算編成の中身になるよう三百八十万県民も期待しております。 今後限られた財源の中で、 できる限り県債発行を抑えつつ新たに事業仕分けも本格的に始まる中にあって、 市町からの要望は多く出され、 また各種経済団体、 福祉・教育関係団体からも強い予算要望が出てくるものと予想されます。 二十二年度の予算編成においては、 より一層の歳出削減を余儀なくされることもあわせ、 さらなる工夫と努力が求められます。 一方歳入面においても、 昨今の厳しい経済状況の中で県税収入を中心として予断を許さない状況と感じております。
     そこで、 まずは二十一年度の歳入見込みのうち、 県の法人二税の見通しについて現状をどう見ているのか、 また市町の税収見通しを県としてどのように見ているのかお伺いをいたします。
     次に、 歳入の確保対策についてであります。
     当然のことながら無駄の排除は徹底的に進める必要がありますが、 さらに人員の適正化の推進  一般職の削減計画、 職員給与の抑制等により歳出の見直しを進める一方、 県税収入の見通しが厳しい中で歳計現金及び積立金の運用益の拡大策、 利用見通しのない県有財産の売却の推進等、 また県は平成十六年度にしずおか国際園芸博覧会においてイベント宝くじを発売し、 収益もあったこともあわせ歳入確保にも努め、 できるだけ早い時期に県のプライマリーバランスの確立に努める必要があります。 つきましては、 来年度の歳入確保対策の基本的な考え方について知事の所見をお伺いをいたします。
     次に、 行財政改革についてのうち、 集中改革プランの成果について伺います。
     県は、 常に行革の姿勢で自治体経営に積極的に取り組んでいると伺っております。 本年度は、 行財政改革大綱に基づき作成した平成十七年度から五年間の実施計画である集中改革プランの最終年度を迎えております。 現在まさに行財政改革を推進中といった状況ではありますが、 計画達成の見込みについてどう見ているのかをこの五年間の成果を含めてお尋ねをいたします。
     次に、 行財政改革の今後の取り組みについてであります。
     私は、 静岡県が自治体経営日本一を目指していくことは当然のことと思いますし、 そして行財政改革につきましては、 本県がこれまでの取り組みを検証した上で今後もより一層進めていく必要があると考えております。 現在の集中改革プラン後の新たな行財政改革プランを作成していく考えはあるかについて知事の所見をお伺いをいたします。
     また、 県は従来より行財政改革を進める主な取り組みとして、 行政の生産性を高めることを行ってまいりました。 県民の視点に立ち少ないコストで成果を上げる質の高い行政サービスを提唱し、 ひとり一改革運動、 業務棚卸表、 県立大学及び三病院の独立行政法人化、 指定管理者制度の積極的な導入、 窓口サービスの充実等数多くの成果を上げてきております。
     今後とも行政の効率性を高めていき、 県民にも見えるような行政サービスの向上に努めていくことが大切であります。 これからの予算を編成するに当たり、 歳入面を考えると厳しい予算編成が続いていくと予測されますが、 限られた予算の中で行政の生産性を上げ質の高いサービスを提供していくためにどのような取り組みを行おうとしているのか、 これにつきましても知事の所見をお伺いをいたします。
     次に、 駿河湾を震源とする地震についてのうち、 対応の検証について伺います。
     先ほども山田議員の質問にもございましたが、 八月十一日の午前五時七分の駿河湾を震源とするマグニチュード六・五の地震があり県内最大震度は六弱を記録しました。 改めて地震の恐ろしさを強く感じるとともに、 予想される東海地震は今回の百八十倍のエネルギーになると専門家が伝えており、 防災対策の必要性も再認識したところであります。
     気象庁では、 今回の地震速報は初期微動  P波の検知から三・八秒後に緊急地震速報を発表したとしています。 震度六弱を記録した伊豆市で四秒程度の猶予があったとのことで、 気象庁は海底地震計の観測データが発表の迅速化に役に立ったと言えると分析しています。 県の当日の動きを見ますと五時七分に地震発生後、 知事及び関係職員が速やかに登庁し、 五時三十分に災害対策本部が設置されました。 このように迅速に初動態勢が確保されたことは、 日ごろの訓練の成果として関係機関から評価をされております。
     そこで、 県対策本部と市町の対策本部や県警対策本部との間でそれぞれの情報のやりとりに関する連携はスムーズに機能したかどうかについて伺います。 また市町を含め、 初動態勢やその他の検証結果として、 課題を残した事項があったかどうか伺います。
     また、 県内地域にある自主防災組織は、 震度の割には被害が少ないことで住民の避難等はほとんどなく、 防災役員が地域を巡回し被害状況を調べ市町へ通報した以外は、 特に自主防災組織としての役割はなかったと聞いておりますが県の見解はどうか伺います。
     さらに、 今回の地震の被害状況をあらわしたマップの作成を検討したいとのことです。 県内六大学、 報道機関などで構成するしずおか防災コンソーシアムの協力を得たいと聞いておりますが、 今回の地震の特徴がまとまれば今後の効果的な地震対策に生かすことができるものと考えます。 今後の作成スケジュールについてどのような見通しなのかお伺いします。
     また、 今回の地震の被害で水道施設の被害の軽減に対する支援についてお尋ねします。
     揺れの大きかった地域を中心に十五の市町の約七万二千戸において断水の被害が発生しました。 幸いなことにおおむね早期の復旧がされたと聞いております。 今後、 水道施設の被害の軽減等に向けた市町等、 水道事業者に対する県の支援についてあわせて伺います。
     次に、 中小河川の局地的豪雨対策について伺います。
     近年全国各地の中小河川流域において、 局地的豪雨による大規模な水害が頻発しております。 ことしも八月八日から台風九号の影響で近畿、 中四国に大きな被害をもたらした豪雨は、 特に八日から十日夕方までの雨量は兵庫県佐用町で三百四十九ミリ、 徳島県那賀町で七百八十三ミリ、 岡山県美作市で二百五十二ミリに達し、 死者二十五人、 不明者二人、 家屋を初め自動車、 道路、 農産物、 水産、 山林などに甚大な被害が出るなど局地的豪雨の恐ろしさを改めて痛感した次第です。
     局地的豪雨はゲリラ豪雨とも呼ばれておりますが、 極めて局地的に雨を降らせ、 かつ雨雲の発生から降雨のピークまでの時間が非常に短いため、 現在の技術では事前に発生場所の特定や雨量の予測は困難と言われております。 特に中小河川では、 流域が小さく河川延長も短いことから、 降った雨が短時間で流出し急激に水位が上昇しやすい状況にあります。
     県内においても七夕豪雨以来、 各中小河川において人的、 床上・床下浸水等、 豪雨のたびに被害が続いております。 河川整備も順次進めてきておりますが、 市街地における農地の減少などによる遊水機能の低下や森林整備も相当な年月がかかることで保水力も低下している等々、 雨の流出速度は一層速まる傾向にあるとともに、 今後地球温暖化の進行に伴う気候変動の激化により、 中小河川における洪水被害の拡大が懸念されます。
     そこで、 多くの中小河川を管理している県には、 局地的豪雨の増加に対して適切な河川管理を行い被害の軽減を図る対策が強く求められておりますが、 今後どのような取り組みをされていくのか、 お伺いをします。
     次に、 静岡県の地域振興策について伺います。
     県は、 市町村の広域化、 事務の効率化に対応しながら地域の振興を図るため、 平成十七年度に県内四カ所に地域支援局を設置したところであります。 地域支援局では、 単独の市町村では解決が困難な地域課題の掌握に努め、 課題解決のため調査や対応策の提案、 市町村の取り組み支援などを行い豊かで魅力ある地域づくりを進めてきたところであり、 交通、 過疎化、 少子高齢化、 防災、 防犯、 産業振興、 観光振興、 環境保全、 人づくり、 まちづくり、 医療体制など、 各地域が抱えるさまざまな課題に対して市町村と協働して取り組んでいると承知しております。
     また市町村や各種団体が取り組んでいる地域づくりへの県の支援策として、 地域支援推進事業費補助金、 地域づくりアドバイザー派遣事業、 コミュニティ施設整備事業、 交流・定住推進事業などが用意されているほか、 財団法人自治総合センター、 財団法人地域活性化センター、 同じく財団法人で地域総合整備財団などによる各種支援制度も整えているところであります。
     そこで、 地域支援局の取り組みや各種支援策による効果と、 今後どのように魅力ある地域づくりを支援していくのかあわせて伺います。
     次に、 中山間地域の施策展開について伺います。
     平成の大合併が進み、 県内の市町村は現在三十七市町となりました。 合併後は当然のことながら人口規模も拡大し、 面積的にも山間部から都市部まで広いエリアを管轄することになります。 その上で、 経済社会情勢の変化も念頭に置きながら、 福祉、 医療、 防災、 産業振興などさまざまな行政ニーズに対して地域みずからが的確に対応し、 それぞれの地域を発展させることが求められております。 このため地域経営のあり方や手法などについて、 地域みずからが多面的に分析、 研究し、 施策を展開していくことが不可欠であると思います。
     こうした中で私としては、 市町村が施策を検討する際には中山間地域の視点を忘れてはならないと思いますし、 県も一定の考え方、 方向性を示す必要があると思います。
     中山間地域では、 昭和五十五年の県内の中山間地域に住む人口は三十九万人でありましたが、 平成十七年には三十六万人に減少しており、 高齢者比率も一二・四%から二六・五%に上昇しております。 さらに平成四十二年の推計では、 中山間地域の人口は二十七万人に減少し高齢者比率は三八・三%に増加すると推計されております。
     このような人口減少は、 集落の消滅や無住化を引き起こし農業や林業などの地域の特色ある産業が消滅するだけでなく、 これまで集落の住民によって維持管理された農地や森林が荒廃し、 国土の保全、 水源涵養、 景観面などにおいて大きな影響を及ぼすことが懸念されます。 こうしたことを未然に防ぐためには、 直ちに都市と中山間地域の共有の課題として、 行政だけではなく住民を巻き込んだ強力な施策が必要であると考えます。
     そこでまず、 中山間地域の産業振興についてであります。
     知事は、 六月議会の所信表明において、 先人が守り育ててきた静岡の美しい景観は自然の恵みを活用した農林水産業に裏打ちされたものであり、 「水、 緑、 大地を大事にしない文明は必ず滅びる」 と発言されてきましたが、 中山間地域はまさに水と緑の宝庫であり、 知事がマニフェストに掲げた森と山の文化が持つ場の力を生かすためには、 そこに人が住み持続可能な農林業が営まれることが必要であります。
     県内でも市場の動向を見据え、 付加価値のある産物を生産し販売まで取り組む元気な地域もありますが、 年々担い手の高齢化が進み、 今後もこうした取り組みが継続できるか大変心配されます。 したがいまして、 中山間地域における農林業を将来にわたり持続、 活性化させるためには、 豊かな価値ある自然を生かし、 都市の住民との交流や定住化を促進し、 都市住民を中山間地域に引き込むことが重要であると考えます。 こうした中で、 既存の特色ある農林業に加え新たな産業が芽生えることも期待されますが、 知事の考え方をお伺いをいたします。
     次に、 中山間地域の農地や森林の管理について伺います。
     今までも多面的機能として、 国土の保全機能、 水源涵養、 災害防止、 自然環境保全、 良好な景観の形成、 文化の伝承機能、 保健休養機能など農地や森林の持つ公益的機能への評価は広く理解され、 その機能の維持へのさまざまな取り組みから定住対策等に公費を投入してきました。 しかしながら現実的には、 限界集落と言われる高齢化と人口減少が著しく進んだ集落の存在が顕在化しており、 中山間地域の集落のすべてでは今後も定住を継続することは難しく、 従来の定住対策だけでは中山間地域の課題も解決に至ってないのが現状であります。
     今後とも多面的機能を維持するためには、 集落機能の一層の効率的な利用に向け拠点となる集落への重点的な投資を行うなど、 社会的コストの低減を図りつつ農地や森林の資源を管理していくことが重要であると考えますが、 県の見解をお伺いをいたします。
     次に、 中山間地域の土地情報の整備について伺います。
     今日、 農地や森林の所有者の高齢化、 相続の発生、 居住地が遠方等の理由により土地の境界や所有者がわからないという状況が発生し、 今後営農活動の継続や森林の間伐など適切な管理に支障を来すことが懸念されております。 農地や森林の適切な管理を図っていくためには土地の境界、 所有者、 地番等の土地情報の明確化を図ることが喫緊の課題であると考えますが、 その取り組み状況と今後の促進方策について見解をお伺いをいたします。
     次に、 教育行政についてのうち、 全国学力テストの調査結果について伺います。
     去る八月五日の全国紙の新聞朝刊に、 「親の年収で正答率に差」 の記事を見て考えさせられる思いでありました。 記事をごらんになった方も多いかと思いますが改めて内容を紹介させていただきますと、 親の年収二百万円台の世帯と千二百万円以上の世帯では、 昨年の全国学力テストの平均正答率  小学校六年の国語Bと算数Bに約二〇ポイントの差が出ていることが文部科学省委託調査でわかったとのことであります。
     一方で、 年収にかかわらず、 親がニュースや新聞記事について子供と話をする、 家にたくさん本があるなどとして回答した世帯の子供ほど学力が高い傾向が見られたと。 文部科学省の委託を受けたお茶の水女子大学の耳塚研究グループが、 昨年十二月から今年の二月に全国五つの政令市の小学校百校を対象に保護者約五千八百人にアンケートし、 昨年四月のテスト結果の関係を調べた内容で、 基礎問題A、 活用問題Bのいずれも年収が高い世帯の子供ほど正答率が高い傾向にあり、 最も差がついたのは算数Bで二百万未満の世帯は四二・六%、 二百万円台は四五・七%に対し、 千二百万円以上千五百万未満の家庭では六五・九%、 千五百万円以上も六五・六%に達した結果になっています。 塾や習いごとなど学校以外の教育支出と学力に相関があり、 全く支出のない世帯は月五万円以上支出する世帯と比較し二十三から二十七ポイント低かったとあります。
     しかしながら、 年収に限らず学校内の学習意欲をいかに児童生徒に植えつけさせるか、 教員の力量が問われる一面も大いにあると思います。 一部の調査結果としても親の年収で左右されるような結果であってはならないし、 学校での学習指導をより平均的に底上げに力点を置いた教員の意識改革が求められると思います。 今後この調査結果に関係なく、 県としての学力向上策について改めて教育長の所見をお伺いします。
     次に、 新学習指導要領の全面実施についてであります。
     文部科学省において、 平成二十三年に小学校、 平成二十四年から中学校の学習指導要領が変わります。 改訂の主な内容を見ますと、 小学校では外国語活動の導入、 これは高学年に導入する。 それから理科教育の充実、 五大栄養素の指導、 古典の重視で図書の準備が必要ということです。 中学校では武道の必修化、 理科教育の充実、 伝統音楽、 伝統文化。 また小学校の授業時数は、 国語、 社会、 算数、 理科、 体育の時数を六年間で三百五十時間程度ふやす。 一週間当たりのこま数を低学年で週二こま、 中高学年で週一こま。 中学校では国語、 社会、 数学、 理科、 外国語、 保健体育の時数を三年間で四百時間程度ふやす。 週当たりのこま数は各学年週一こま増加となっています。
     そこで、 二十三年、 二十四年の完全実施に向け、 指導面、 人事面、 予算面でどのような準備をしていくのか、 教育長の考え方をお伺いします。
     次に、 公立高校の再編整備と専門教育の充実について伺います。
     県教育委員会では、 静岡県立高等学校第二次長期計画を策定し高校の再編整備を進めているところであります。 現在までに、 平成十八年度に開校した浜松大平台高校から本年度に開校した遠江総合高校まで四地区の再編整備が行われ、 平成二十二年度には伊豆総合高校が開校する予定であります。 さらに平成二十五年度には、 清水庵原地区では県立庵原高校と静岡市立清水商業高校を一つの市立高校に、 静岡地区では県立静岡南高校と静岡市立商業高校を一つの県立高校に再編整備する計画が発表されております。 また志太榛原地区、 天竜地区、 引佐地区においても、 今後具体的な再編整備の計画が進められていくと伺っております。
     この第二次長期計画では、 各学科の体制整備の基本方向として、 それぞれの学科別の受け入れ割合として普通科六五%程度、 職業に関する専門学科二五%程度、 総合学科一〇%程度とする方向で検討するとしております。
     さて、 高校の再編整備は、 生徒の学習環境を維持改善する意味ではやむを得ない面もあると考えますが、 一方本県は農林水産業や製造業によって発展してきたものづくりの県であり、 本県の農林水産業や製造業の発展を一層進めるためには、 都市部における若手後継者の育成やそのための環境づくりは重要であり、 高校における専門教育の充実はなくてはならないものと考えております。
     再編整備を進める上において、 第一次産業の底上げや商工業の担い手の育成につながるような視点を持った魅力のある高校整備のための計画が必要であると考えますが、 教育長の所見を改めてお伺いをします。
     次に、 消費者行政の充実についてのうち、 消費生活相談員の処遇について伺います。
     消費者庁がこの九月一日に発足しました。 消費者庁は、 重大な消費者事故の原因となった商品等の流通禁止や回収命令ができるほか、 各地の消費生活センターや保健所、 警察からの情報を一元的に集め各省庁と連携して問題に対応するなど、 消費者行政の司令塔としての役割が期待されております。 中央においてはこのように体制が整いつつありますが、 今後は地方の消費者行政の強化が課題となってくると思います。
     そこで、 消費生活相談員の処遇についてでありますが、 相談員の位置づけ及び低賃金さらに雇いどめなど、 現場の人員体制に問題があることは国会でも再三指摘されております。 全国の消費生活センターのほとんどが非正規雇用であると言われていますが、 本県においても同様の実態があると思われます。 消費者庁設置後、 消費者行政を抜本的に強化するためには、 最先端の現場である消費生活センターの相談やあっせん等を行う消費生活相談員が安定した雇用形態の下で、 専門性を十分発揮し安心して業務に従事できることが重要であります。 そのためには全員正規雇用することが必要でありますが、 さまざまな課題もあると思われますことから、 当面業務の専門性に見合った処遇となるよう改善を図ることが必要であると思いますが県の見解を伺います。
     次に、 消費生活相談員のスキルアップについてであります。
     消費者庁の発足に伴って消費生活センターには消費者から相談がこれまで以上に多く寄せられ、 またその内容も多岐にわたり複雑化することも予想されます。 これに対して消費者の立場から十分な対応を図るためには、 消費生活相談員のスキルアップが不可欠であると考えます。 そのために県においては、 相談員の研修やスキルアップのためにどのような対応をとられていくのか伺います。
     最後に、 交通安全施設の整備促進について警察本部長にお伺いをします。
     車を運転していていつも思うことでありますが、 夜間特に雨天時には、 横断歩道などの道路標識がはっきり見えにくく、 非常に危険だと感じる場所、 場面がたくさんあります。 県内においても、 標識にランプをつけたり塗料に反射材を入れたり、 夜間では見やすく横断歩道が整備されるところもありますが、 多くは予算的にも割高なのか県内全域への普及はなお時間がかかるものと思われます。 しかしながら横断歩道や標識などが高輝度化されれば、 ドライバーの注意を引き、 交通事故防止に大きな効果が期待できるものではないかと考えます。
     そこで、 警察が設置する信号機や規制標識、 規制標示などの交通安全施設の反射効果を高める、 いわゆる高輝度化の現状と今後の取り組みについて伺います。
     このように、 交通事故を防止するためには、 交通安全教育や交通安全指導の強化とともに、 運転者自身の交通安全意識の高揚を図るために交通安全施設の整備促進が極めて重要であると考えます。 悲惨な交通事故を一件でも減らし、 かつ円滑な道路交通を確保するためにも、 交通安全に多大な効果がある交通安全施設の整備について県警は今後どのように取り組んでいかれるのか、 あわせてお伺いし一たん質問を終わります。 (拍手)
    ○副議長 (堀江龍一君)  川勝知事。
            (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事 (川勝平太君)  林議員にお答え申し上げます。
     初めに、 私の政治姿勢についてのうち、 静岡県の目指す方向についてであります。
     本県は、 県議御指摘のとおり日本の真ん中に位置しております。 東西文化が交流し、 それらが調和してつくり上げられた日本の縮図とも言える地域であります。 人々が、 そこから多くを学ぶことができるいわば道場のような場所の場、 場の力を秘めており、 特に日本一の富士山を初め伊豆半島の景観、 駿河の文化、 遠州のものづくり、 大井川や天竜川筋の美林といった多様な地域性が見事に調和した、 いわば和の文明が輝く日本の理想を実現し得る地域であるというふうに認識しております。
     そこで私は、 「富国有徳の日本の理想郷―ふじのくに」   静岡県のことでございますが  これをつくるということを県政運営の基本理念といたしまして、 本県の潜在力を生かすことで経済や社会、 行政のシステムが変革する力を本県内部から絶え間なく生み出す仕組みを構築することを目指しまして、 その実現のための具体的な施策や取り組みを各部局に指示しているところでございます。 もちろん自分でも実践しているつもりでございます。
     今後、 この検討成果を新しい総合計画の中に静岡モデルと呼ばれるような仕組みとして盛り込んでいきたいと考えておりまして、 林議員から御指摘いただきました都市の持つ生活環境や利便性、 自然環境、 学術、 文化、 風土などに関する視点も踏まえ、 「住んでよし、 働いてよし、 訪れてよし」 の日本の理想郷をつくってまいります。
     次に、 県内三十七市町との協調体制づくりについてであります。
     三百八十万人の県民の皆様すべてが安心して暮らすことができ、 また本県を訪れる方々も魅力を感じるふじのくに静岡県をつくるためには、 政令指定都市を含めて県と市町とが連携していくことが極めて重要であります。 その際、 政令指定都市の静岡市と浜松市は、 県と同等な力を持つ自立した地域であるということである一方、 他の市町は自立に向けた支援が必要な場合もあることを踏まえる必要がございます。 そこで去る九月三日、 県市長会、 町村会主催の会議に参加いたしまして、 市長、 町長にお目にかかり、 県政や各団体のさまざまな課題について御意見をちょうだいし意見交換を行ったところでございました。
     今後は、 県・政令指定都市サミットや、 東部、 志太榛原・中東遠地域でのサミットの開催に加え、 地域主催の伊豆半島六市六町首長会議や市長会・町村会主催の会議に、 知事と市町長との円卓会議として参加し、 政策協議を行いたいと考えております。
     市町の首長さんが、 一人一人知事室に来ていろいろな陳情をなさるというのもこれまでの一つの慣例であったかと存じますが、 それはまあ言いたい放題ということになりかねません。 しかしながら、 円卓会議の席上ですとそれぞれが牽制し合える。 また同時に、 公共の席で何が必要であるかということを他の市町の方に御理解賜れるということがございます。 例えば、 前回の一つの成果はどの地域も医師の不足で非常に困っておられる。 ですから仮に新しい医学部を誘致する場合、 自分の市町にという御希望は切なるものがあります。 しかし最後に、 市長会全体の共通認識として、 いわゆる誘致合戦はやめようという申し合わせもできました。 そうしたことが前回の  まだ名前はございませんでしたが  円卓会議における成果の一つであったと思っております。
     次に、 今後の地方分権に対する私の期待感についてでございます。
     これからの社会のあり方として、 住民に身近な行政サービスについては、 民意を十分に反映しながら基礎自治体である市町が自主的に決定し、 中心的な役割を担っていただく、 そのような地域主権型社会を構築していくことが重要である、 これが私の基本認識であります。
     この点におきまして新しい民主党政権は、 地域のことは地域が決めるとして、 地域主権を主要政策に掲げ国民の視点から改革を進めていくとされていますので、 中央集権型から地域主権型の国へという流れが加速していくことを強く期待しているところでございます。 しかしながら税財政改革とか国の出先機関改革、 国と地方の協議の場の法制化など、 今後さらなる議論を踏まえて、 地域の意見が適切に反映されるよう注視していかなければならない重要な課題がございます。
     したがいまして、 地域主権日本一を実現するために、 まずは住民の皆様がボランティアの精神を大いに発揮していただきまして、 基礎自治体である市町が自立できる環境を整えてくださいということをお願い申し上げるとともに、 また一方、 国に対しましては、 対等協力の関係のもとで陳情には参りません。 地域主権のために国政に出られた、 例えば民主党の国会議員の先生方が地域主権のために何をしているのかということをお聞きしに行くと。 何をされているかと何をしてこられたか、 それに対して我々がまた何ができるかというような対等協力の関係のもとで、 権限の移譲や仕事に見合った税財源の移譲など、 全国知事会が設置を要望している  仮称でございますけれども  地方行財政会議等の場を通じて意見を申し述べてまいりたいと考えております。
     先ほどの山田県議からの地域分権に関するブロックについて御答弁申し上げましたけれども、 さらに敷衍いたしますれば、 この地域が最終的にどういうものになるのかというビジョンを描く必要があります。 ふじのくにというのは富士山というものを軸にした国づくりということであります。 それは当然に山梨を含むでありましょう。 富士山文化圏というものがございます。 そうすると山の文化圏といえば立山文化圏もございましょう、 白山文化圏もございましょう。 そうしますと北陸、 中部、 東海、 これは山の国というようなイメージができ上がる。 それは首都圏が野の国というイメージと、 いわば比較対照される形で風土性を持った地域単位になれるであろうと。 そこにおけるインフラストラクチャーというのは、 いわば平野におけるインフラと深山幽谷のある山の国とでは違ってまいります。 そういう地域のことをよくわかっている者同士が地域づくりをしていくと、 地域のことは地域で決めていくということでございまして、 野の国、 山の国、 瀬戸内海を囲む地域は津々浦々、 海の国と、 北海道、 東北は深い森に恵まれておりますから森の国などというような、 そういう新名称をも夢を持って語ることができる時代が早く来ればいいというふうに思っております。
     次に、 市町への権限及び財源の移譲についてであります。
     住民に対する行政サービスを住民に身近な基礎自治体である市町で完結するためには、 市町の自治能力を強化するとともに市町への積極的な権限移譲を推進する必要がございます。 こうした考え方に基づきまして、 本県におきましてはこれまで計画的な市町への権限移譲を積み重ねてまいりました。 全国に誇る実績を上げてきたところでございます。 例えばこの九月から旅券の発給や交付の窓口がすべての市町に設けられ、 県民の利便性が大きく向上することになっております。 そうしたことなど富士山静岡空港の開港とあわせて、 住民により身近な国際交流の一層の進展が期待されております。
     一方、 国における地方分権改革の動きを見ますと、 都道府県から市町村への権限移譲を含めた地方分権改革推進委員会の勧告を受けて、 政府による地方分権改革推進計画の策定及び新地方分権一括法案の上程が見込まれるなど大きな転換を迎えることが予想されております。
     県といたしましては、 県民にとって便利で効率的な行政サービスの実現という観点から、 市町の自治能力に応じた移譲を原則としつつ個々の市町の要望にも積極的に応じていくことにより、 権限、 財源、 人材の三位一体による一層の権限移譲に取り組んでまいります。 さらに市町におかれましても、 NPOやボランティアなどそうしたところにゆだねられることはゆだねられるようにしていただきたい、 ボランティア精神を発揮していただきたい、 地域住民と協働で地域の自立に取り組まれること、 これが地域主権の一番の基礎であります。 それを期待しております。
     さて、 県民と現場で語る方策についてでございます。
     私は、 静岡県のそれぞれの地域が持つ場所の場、 場の力を引き出すために  場力ですね、 現場に赴き、 現場から学び、 現場に即した政策を立てるという現場主義をみずからの基本姿勢とし、 それを実践しております。 そのために本年度の知事広聴におきましては、 特に高齢化や過疎化などの問題を多く抱えている地域をまず訪問する、 現場の実情や課題などをさまざまな分野の方から幅広くお聞き申し上げて意見交換すると。 そしてその場で解決できることは解決できるようにすぐに対処をするというふうにしております。
     今月九月九日には、 第一回知事広聴 「平太さんと語ろう」   川勝は読みにくいので平太さんで結構でございますので   「平太さんと語ろう」 ということでどなたからも気軽に、 「平太さん、 こうしてほしい」、 「こういう問題がある」、 「こういうことを知っているか」 ということで、 そのような気楽な車座会議をいたしました。 西伊豆地域において傍聴の方も参加していただくオープンな形で開催したところでございます。
     また、 幹部職員が地域に出向きまして県民と直接意見交換する県政さわやかタウンミーティングや、 担当職員が現場で県の事業を説明する出前講座など、 これらの事業を積極的に展開するなど全庁を挙げまして現場の声に耳を傾けていただくということを原則にする。 県民の立場に立った県政運営を行ってまいりたいと思っております。
     次に、 私の定例記者会見についてでございますが、 ありがとうございました。 この件、 大事にしておりまして、 県政のさまざまな情報をマスコミの報道を通じて県民の皆様へお伝えすることは、 まことに重要なことであると考えております。
     私が県民の皆様にお示し申し上げましたマニフェストの進捗状況につきましては、 就任以来取り組んでおります富士山静岡空港の利活用や福岡線の搭乗率保証への対応、 さらに県立美術館入館料の無料化、 知事交際費の公開など随時定例記者会見で発表いたしてまいりました。 また今回の九月県議会にお諮りしております災害復旧や地震防災対策の強化を初めとしまして、 マニフェストを反映させた観光振興対策の推進案、 子育て支援策  しずおか 「富2 (じ)、 3 (さん) っ子」 応援プロジェクト事業費など、 補正予算につきましても臨時の記者会見で説明したところでございます。
     今後とも議員御指摘の県民ニーズにも対応していくため、 県議会において政策の取り組みを御報告申し上げますとともに、 定例記者会見を初めとしたさまざまな機会を通じて、 マニフェストの取り組み状況を含めた県政にかかわる重要事項や、 社会の出来事に対する私の思いを県民の皆様にお伝えしてまいりたいと考えております。
     次に、 私と職員の信頼関係の構築についてでございます。
     職員一人一人が、 県民の幸せを願う思いを知事  私と共有していただき、 施策の立案や日常の業務執行にそれを体現していくためには、 林議員御指摘のとおり私と職員全体との信頼関係の構築が大切でございます。 そのためには、 幹部職員に加えて県政の最前線で活躍している若手、 中堅職員の皆様に対し、 私の基本姿勢あるいは職員の皆様に期待することを直接語りかけ、 また職員の皆様から提言していただく機会を設けることは大変有効な手段でございます。
     既に昼食を食堂でとっておりますが、 そういうところで職員の方々と  特段に待ち合わせするわけではございませんけれども  いらしてる方とお話をしたり、 女性幹部職員の方々を知事室にお招きいたしましてお話を承る。 知事公室の雰囲気が暗い、 それは女性が少ないからだとかいうような意見を承ったり、 あるいは託児所を各企業の皆様に設けていただきたいと言いながら、 この本庁にそれがないではないかと。 それはそうではございません。 まずそれから始める。 言い出しっぺは、 まずみずから実行しなくてはなりません。 そうした事柄はやはり県庁の皆様からじかに声を聞かないとわからない面がございます。
     こうした職員の皆様と直接話す場を日常的に設けるよう努力しておりますが、 さらにどのような取り組みができるか速やかに検討し実施してまいりたいと考えております。 最近の例で言いますと知事公室には十八人  二十人近い方々が一緒に仕事をしてくださっているんですが、 机ごとに四、 五人程度ずつお集まりいただきまして、 何でもかでも遠慮なしに言っていただくということをいたしますと、 私が早く来過ぎて遅くい過ぎるので困ってる職員がいますよ、 それから私が何事もやっていくので、 副知事との分業関係がうまくいっているか心配しているとか言われまして、 もう早速副知事の両氏と語る場を設けたり、 いろいろと改良するためにはやはり本当にその場で働いている方の御意見を承るのが一番いいということで、 大体これまで百人ぐらいの職員の方とお目にかかれたかなと。 全員まだ名前と顔が一致しませんけれども、 合計二千人ほどがこの本庁で働かれていますので、 今の割合でいくと二カ月で百人ですから一年で六百人と、 そうすると三年で一千八百人でございますから、 そういうわけで全員の方とお食事をしたり話を交わせるという機会ができるのかなと期待しているところでございます。 そのようなことで職員との意思疎通をさらに図ってまいりたいと思っております。
     次に、 行財政改革についてのうち、 今後の取り組み方針についてでございますが、 今年度は集中改革プランの最終年度でありますが、 県政は常に効率的かつ効果的に運営される必要がございます。 そのためこれまでの行財政改革の成果と課題を踏まえまして、 厳しい財政環境や一層多様化、 高度化する県民ニーズへの的確な対応を目指し、 新しい行財政改革プランの策定に取り組んでまいります。
     行財政改革の主な取り組みとして、 今年度は事業の必要性や実施主体などについて県民の皆様の参加を得ながら、 第三者の視点から皆様方の見てられる前で事業を徹底的に見直すという事業仕分けを行います。 不必要なものを排除して必要な施策に重点的に取り組むという、 そういう方向を目指してまいります。 来年度からはこの手法を生かした本県独自の手法をも開発してまいりたいと。 事業全般の見直しを行うなど、 無駄のない機能的かつ能率的な行政運営を行ってまいりたいと思います。
     また、 議員御指摘の行政の生産性向上につきましては、 業務の質を向上させる手法として、 既に本県に定着しております業務棚卸表を新たな視点で活用することを検討しながら、 あわせて県民の皆様が県政に関心をお持ちいただき自主的に参加していただけることができるよう、 業務全般についてより一層工夫に努めてまいりまして、 質の高い県民サービスを提供してまいりたいと念願しております。
     次に、 中山間地域の施策についてのうち、 中山間地域の産業振興についてであります。
     これは極めて重要な問題でございます。 本県の中山間地域は、 豊かな自然や美しい景観に加えて高品質で農芸品とも呼ぶにふさわしいお茶、 ワサビなど、 こういう農産物を育てる技術、 地域の食材を生かした食文化など、 多くの資源に恵まれております。
     中山間地域の産業を振興するためには、 このような資源を二次、 三次の産業と結びつけて新しい産業を起こすとともに、 地産地消を軸として県内全体を一つの経済圏  ふじのくに、 これをつくると。 ふじのくにづくりという地域づくりを通して新しい国のモデルをここから提供していくという、 そういう考え方を持って需要と供給とを一体的に創造する、 いわば新結合というシュンペーター流の構想を生かしていくということが重要でございます。
     また、 子ども農山漁村交流プロジェクトは推進いたします。 これは学校の教室だけでなくて、 自然、 現場で学ぶということを子供たちに体験してもらうためであります。 そして県内に眠っている資源を将来を担う子供たちの教育によって生かしていくなど、 都市と農山漁村との交流の真価は、 これまで以上に今重要になっております。
     さらに、 豊かな自然や空間を生かした、 いわば家、 庭一体  家庭の復活と。 一九五五年に日本住宅公団ができて2DKという言葉が日本中に広まることになりましたが、 それは住まいを箱とする、 そういうライフスタイルの始まりであったと思います。 その結果、 家と庭のうち庭が家から分断された、 家庭が崩壊したということに照らしますと、 家には広い家、 広い庭、 農園などが一体となった新しいスタイルができるかどうか、 この地域ではふじのくにでは必ずできるというふうに思っております。 そのような新しいライフスタイルを提案いたしまして、 これを産業振興や都市との交流につなげ、 奥座敷とも言うべき中山間地域の魅力を高めたいというふうに思っております。 そういう地域にも好めば住めると、 選択肢をふやす、 住んでよし、 訪れてよし、 そこで働いてよしという 「日本の理想郷―ふじのくに」 を県民の皆様とともにつくってまいりたいというふうに思っております。
     そのためにも、 例えばこれは後で教育長のほうから御答弁申し上げますけれども、 天竜林業高校のような、 日本で唯一の林業高校でございます。 そうしたところをどのように今後励ましていくかというようなことを考えねばなりません。 天竜川の北、 大井川の北、 そして伊豆半島の例えばこの間参りました松崎町であるとか、 あるいは西伊豆町といったようなところ、 こうしたところで広聴会を開く。 そして私は、 日本の林業が今、 国政の失敗によりましてほうっておかれておりますけれども、 また世界の潮流が変化いたしまして今、 材木の需給が逼迫しております。 これは中国における、 あるいはいわゆるBRICsと言われるところにおける、 特にロシアとかインドとか中国といったようなところの材木需要が大変高まりまして、 日本の木材を活用する、 ある意味で好機が到来しているということでございます。
     そうした中で、 本県の木材が百万立米ずつ毎年利用可能なものがあるにもかかわらず実際は三十万立米しか使っていない、 七十万立米が毎年蓄積されているのです、 何十年間も。 それを活用しないでほうっておいている。 森が泣いてます。 ですからそれを使う。 使う方策をしなくちゃならない。 使うための技術を磨いてきたのが、 例えばこの天竜林業高等学校でしょう。 そこで働いている先生でしょう。 そういうところを活用していかねばなりません。
     そういうことから、 この中山間地域というものは新しいフロンティアになる。 さらに言えば、 先ほどの地域分権の日本における山の国づくりというふうにいたしますれば、 この太平洋側と日本海側が結ばれねばなりません。 そうするとフロンティアは太平洋側だけにあるのではない。 むしろ内陸にある。 ふじのくにのフロンティアはふじのくにの内部にある。 そしてリニア新幹線があと十五年後に通るときには、 ひょっとするとここは、 東海道は置いてきぼりにされかねません。 ですから縦の線をしっかり今からつくっていくことが大事で、 我々は目を奥大井であるとか、 あるいは川根本町、 南アルプスの方面、 あるいは天竜、 水窪、 そうしたところに目を向けねばなりません。 そういうことから言いまして林県議の御指摘のように、 中山間地域につきましては、 「日本の理想郷―ふじのくに」 づくりにおいて最も重要な施策の対象になるというふうに思っております。
     あまた御指摘賜りましたけども、 他の御質問に関しましては関係部局長から御答弁させていただきます。 どうもありがとうございました。
    ○副議長 (堀江龍一君)  大村総務部長。
            (総務部長 大村慎一君登壇)
    ○総務部長 (大村慎一君)  五点ほどお答えをいたします。
     まず、 知事の政治姿勢についてのうち、 県と市町の人事交流及び省庁への県からの職員派遣についてお答えをいたします。
     県と市町の人事交流は、 県と市町の職員が異なる職場での実務を通じまして資質の向上を図るとともに、 県と市町相互の連携と協力によりまして権限、 財源、 人材の三位一体の移譲の基礎をなす取り組みでもございます。 これまでに交流をいたしました県と市町では、 合わせて延べ二千八百十九人の職員がおりまして、 お互いに理解をすることによりまして、 県と市町のよき橋渡し役として大いに研修の成果を上げてきていただいております。 今後も市町と連携をとりつつ、 交流の実績の少ない市町には働きかけを強めるなど、 交流の拡大に努めていきたいと考えております。
     次に、 省庁への本県からの職員の派遣につきましては、 今年度も厚生労働省ですとか環境省を初めとする国の省庁等へ二十五人の職員を派遣いたしまして、 国全体の行財政運営に携わることによりまして、 新たな幅広い視野と高い専門的知識ですとか技術を有する人材の育成に取り組んでいるところでございます。 このため今後ともこうした派遣の効果を検証いたしまして、 定員上可能な範囲内で、 国や海外、 民間企業等への派遣研修もあわせて実施をしていきますとともに、 民間経験者ですとか任期付職員の採用などいろいろな手法も組み合わせることによりまして、 県の未来を担う幅広い視野と先見性、 創造性を備えた人材の確保に努めてまいりたいと考えております。
     次に、 来年度の予算編成の取り組みのうち、 まず県税収入の見込みでございます。
     県税収入の七月末までの調定額は、 世界的な景気悪化の影響を受けまして前年同期比で一四・一%の減となっております。 中でも主要税目であります法人二税は、 三月決算法人の製造業、 特に輸送機械などの輸出関連業種を中心に大幅な減収となっておりまして、 前年同期比で四八・八%の減とほぼ半分ということで非常に厳しい状況でございます。
     今後の見通しにつきましても、 三月決算法人の十一月中間申告分の減収が見込まれるといったことがありまして、 法人二税を中心として県税収入等は、 当面の年間見込みでは現段階で約四百五十億円の減収となるということで当初予算を大きく下回るものと見込んでおります。 このうち九月補正予算におきましては、 法人二税と法人税収の減少に伴い減収となります地方法人特別譲与税、 この二税と譲与税合わせて、 現段階で先ほどの四百五十億のうち確度の高い三百三十億円を減額計上させていただいているというところでございます。
     一方、 県内の市町の税収につきましてでございますが、 固定資産税や個人市町村民税といった比較的現段階で安定した税目が中心でありますが、 本年度の税収は景気悪化による法人市町村民税の減収などによりまして、 前年度の決算との比較では六・七%の減、 金額にしてこちらもちょうど同じなんですが約四百五十億円の減収ということで見込まれておりまして、 県と同様市町につきましても厳しい状況にあるというふうに認識をいたしております。
     次に関連して、 その歳入の確保対策でございますけれども、 平成二十二年度の県税の収入につきましては現時点で見通すことはなかなか難しいんですけれども、 現在の経済状況を踏まえますと大変に厳しいということを認識をいたしております。 したがいまして今まで以上に歳入の確保に向けた取り組みを進めるということ、 それから歳出の削減とあわせてプライマリーバランスの確立の努力が必要であると考えております。
     そこで、 最初の質問にも関連するのですけれども、 何よりまず地方自治、 地方分権の基本である県税収入の着実な収納ということについて市町と協力して取り組むことによりまして、 納税者の税負担の公平性の確保を図る必要があると考えております。
     これはどういう意味かと申しますと、 特に県税の中でも県民税の収納は市町村民税と一体で市町が収納の主体となっておりますので、 収納率が低い市町が多いというような場合ですと、 県民の会費とも言われる県民税がきちんと確保できないということになります。 実際県税の収納率は、 個人県民税を除きますと全体で九八・七%現在ありますけれども、 個人県民税は九一・八%でありましてもちろん市民税も十分確保できないということになりますし、 厳しい経済状況下でも頑張って納税をしていただいている納税者の方と、 所得があっても滞納されてるような方との負担の公平性が図れないということになってまいります。 ですから市町と協力して県としても取り組んでいく必要があるということでございます。
     また、 歳入につきましては、 未利用財産の売却ですとか特定目的基金のさらなる有効活用、 それから利用可能な県債の確保、 こういったことにも取り組んでまいりたいと考えております。
     なお、 御指摘の宝くじの収入という点ですが、 最近の景気の低迷や市場の飽和状態などがありますので、 そもそも近年その収益金が減少傾向にありますが、 まずはジャンボ宝くじを初めとする主力の宝くじの販売促進に努めていくということが重要であると考えております。
     議員御指摘のとおり、 五百四十四万人余り来場者を集めた浜名湖花博では、 イベント開催経費の一部でもこの経費を担おうということでイベント宝くじを活用した実績がございます。 現段階では具体的なイベントの予定がございませんが、 今後浜名湖花博のように宝くじ発行の収益の分岐点を超えられるような大規模なイベントの開催が予定された場合には、 イベントの宝くじの活用も検討してまいりたいと考えております。
     次に、 行財政改革についてのうち、 集中改革プランの成果についてでございます。
     集中改革プランの取り組み状況につきましては、 四年間で七百五項目の改革に取り組みましてほぼすべての計画が達成できる見込みでございます。 主な成果といたしましては、 本庁組織等の再編ですとか業務の民間委託の推進、 地方独立行政法人制度の導入など民間能力の活用にも積極的に取り組みまして職員数の適正な配置に努めた、 こういったことなどによりまして一般行政部門では四年間で四百五十七人を削減いたしましたほか、 外郭団体につきましても四団体を廃止し、 常勤役職員を二百十三人削減するなど簡素で効率的な行政運営に努めてまいりましたところでございます。
     また、 不断の事業見直しと改善による歳出の削減ということで取り組みまして、 実質の公債費比率は全国九位、 経常収支比率は全国五位ということで常に健全で効率的な財政運営となるように努めているところでございます。
     さらに、 ひとり一改革運動による改革、 改善は十万件を超えておりまして、 県から市町に権限移譲した法律数も午前中にも申し上げましたが百二十本と、 全国一の取り組みということになっておりますので、 いろいろとさまざまな改革を今後もやってまいりまして生産性の高い行政運営と県民満足度の向上に積極的に取り組んでいくと、 これまでもやってまいりましたし、 これからも取り組んでいくというところでございます。 今年度はこの集中改革プランの取り組みの最終年度となるわけでありますが、 引き続き現状と成果を十分に把握してプランに基づく行財政改革の着実な推進を図ってまいりたいと考えております。
     次に、 静岡県の地域振興についてでございます。
     なかんずく地域支援局でございますが、 地域支援局につきましては、 市町を初め管内企業や地域づくりの団体と地域の課題について直接対話をし各部局との連携で迅速な解決に努めますとともに、 現下の厳しい経済情勢の中、 管内の景況の動向を中小企業対策、 中小企業の動向、 こういったことを雇用対策に反映させるなど、 機動的な活動を展開しているというところでございます。
     また、 地域の振興を図るために、 企画調整費ですとか御指摘の地域支援推進事業費補助金、 こういったものを活用して各地域の実情に応じた取り組みを支援をしております。 例えば南伊豆地域では、 地域支援局が里山生活応援クラブといったものの立ち上げを働きかけまして情報発信を行う、 これも協働で行うような体制が整備されてきておりますし、 例えば吉田町では、 日中韓相互のスポーツ交流と富士山静岡空港を核とした地域振興のために、 グラウンドゴルフの国際大会が開催されたといったことがございます。
     いろんな事例はございますが、 今後も本県の各地が持つ場の力を引き出すためには、 県といたしましてもこれまで以上に現場主義に徹して、 地域づくりに取り組んでいくことが重要と考えておりまして、 先ほども知事が答弁いたしました全庁挙げて現場の声に耳を傾ける、 そういったことの中でその最先端として地域支援局の現場での機動性を十二分に生かしながら、 地域づくりにみずから積極的に取り組む市町や企業、 団体、 こういったものを支援してまいりたいというふうに考えております。 以上です。
    ○副議長 (堀江龍一君)  小林危機管理監。
            (危機管理監 小林佐登志君登壇)
    ○危機管理監 (小林佐登志君)  駿河湾を震源とする地震についてのうち、 対応の検証についてお答えいたします。
     初めに、 情報の連携等の検証につきましては、 早朝にもかかわらず地震発生から約一時間で初動態勢が確保でき、 市町などとの情報のやりとりも円滑に行うことができました。 また防災要員の参集にも大きな支障はありませんでしたが、 東海地震では今回とは比較できない大規模な災害の発生が想定され十分な要員が参集できないことも考えられますので、 できるだけ少人数での円滑な初動の立ち上げが可能となるよう、 午前の山田議員の質問への知事からの答弁にもありましたように、 今後の訓練内容に工夫を凝らしてまいります。
     なお、 本部は立ち上がったものの一部市町において職員の参集状況に問題があったとのお話も伺っておりますので、 県で実態を把握して改善が図られるよう働きかけてまいります。
     自主防災組織につきましては、 県内での組織率はほぼ一〇〇%で東海地震などの大規模災害時には地域における共助のかなめとなるべき組織でありますが、 今回は地震による被害が比較的軽微でありましたのでその活動も市町本部への被害報告など極めて限定的なものとなりました。
     なお、 この組織につきましては、 ここに来て少子高齢化の影響などにより一部で組織の弱体化が懸念されるようになってきております。 このため県では、 本年度地域の防災を支える担い手となる人材を育成する研修を大幅に拡大したほか、 自主防災組織の実態調査を行い組織が直面している課題や問題点を洗い出し、 その維持強化を図ることとしております。
     被災状況のマップの作成につきましては、 本年四月に設立したしずおか防災コンソーシアムの研究者を中心に今回の地震被害の調査研究の準備を始めておりますので、 県といたしましては、 なるべく早い時期に、 これらの調査研究の成果をマップ化するなどして今後の地震対策に生かしてまいりたいと考えております。
    ○副議長 (堀江龍一君)  丸山県民部長。
            (県民部長 丸山康至君登壇)
    ○県民部長 (丸山康至君)  駿河湾を震源とする地震についてのうち、 水道施設の被害軽減に対する支援についてお答えいたします。
     今回の地震による水道施設の被害は、 緊急遮断弁が機能し一時的な断水となったものが大部分でありますが、 一部の市町では、 老朽化した管路の破断による断水が発生し復旧までに三日を要したところもございます。
     このような状況を踏まえ、 県といたしましては水道事業者に対し、 国の補助制度や県の大規模地震対策等総合支援事業を活用して速やかに水道施設の耐震診断を実施するとともに、 計画的な耐震化を図るよう引き続き働きかけてまいります。
     次に、 消費者行政の充実についてのうち、 まず消費生活相談員の処遇についてであります。
     県の消費生活相談員につきましては、 現在の業務内容等を総合的に判断して非常勤職員として任用しておりますが、 国民生活センター等が認定する消費生活相談に関する専門資格を有することや、 事業者からの聞き取りや指導という業務内容を考慮して、 資格を条件としていない他の非常勤職員に比べ有利な処遇としております。 しかしながら九月一日から施行された消費者庁設置関連法に関する衆参両院での附帯決議におきまして、 消費生活センターの設置、 相談員の配置・処遇等の望ましい姿などについて検討を求められておりますことから、 県といたしましても今後の消費生活相談の状況や国の動向などを踏まえ、 必要な検討をしてまいりたいと考えております。
     次に、 消費生活相談員のスキルアップについてであります。
     消費生活相談員には最新の専門知識が必要なことから、 これまでも県及び市町の相談員を対象とした研修会や事例検討会などを開催してまいりました。 特に今年度からは関係法令の改正などに対応した専門的な研修会を例年以上に開催するとともに、 国民生活センターなどが開催します研修会へも積極的に参加できるよう所要の措置を講じたところでございます。 さらに相談員が困難な事案への助言を求めるため、 弁護士などの専門家を一名から六名に増員し各県民生活センターに配置するとともに、 事例検討会にも参加をいただきより実践的な検討会といたしました。
     今後とも、 複雑化、 多様化する消費生活相談に適切に対応できますよう相談員のスキルアップを図るとともに、 県及び市町の消費者行政の一層の充実強化に努めてまいりたいと考えております。
    ○副議長 (堀江龍一君)  衛門建設部長。
            (建設部長 衛門久明君登壇)
    ○建設部長 (衛門久明君)  中小河川の局地的豪雨対策についてお答えいたします。
     昨年来、 全国各地で発生した豪雨災害では、 水門の操作や住民の避難活動による初動態勢のおくれなどによりまして被害が拡大したことから、 県ではことしの三月に局地的豪雨対策のロードマップを策定し、 態勢配備の迅速化や地域防災力の向上など、 中小河川の特性である早い出水に応じた新たな被害軽減対策に着手したところであります。
     具体的には、 今年度創設いたしました緊急豪雨対策事業などにより、 河道の狭窄部  いわゆる狭い部分ですが  狭窄部の拡幅や合流する水路への逆流防止施設の整備に加えまして、 初動態勢の迅速化のため携帯メールを利用した職員への雨量情報の配信の試行を行うとともに、 水防活動や住民避難の実効性を高めるための現地映像を一般の市民の皆さんにリアルタイムで提供する次世代土木総合防災情報システムの整備などに取り組んでおります。
     県といたしましては、 今後も計画的な河川整備を着実に進めるとともに、 市町などとも連携した流域での流出抑制対策や地域防災力を高めるための支援策に局地的豪雨対策の視点を加え、 水害に強い地域づくりに努めてまいります。
     次に、 中山間地域の施策展開についてのうち、 まず中山間地域の農地や森林の管理についてであります。
     本県の美しい農村景観は、 先人が農林業を営む中で守り育ててきたものであり、 集落の人口が減少する中にあっても担い手を支援し、 これまでどおり農地等の固有の資源を良好に管理する必要があります。 このため県では、 農道や林道等の整備などによる生産性の向上と、 集落道路や集落活性化施設の整備による拠点集落の機能向上を推進するほか、 棚田保全活動等の都市との交流活動を促進してまいりました。
     このような中、 小山町湯船地区において、 農作業体験を通じてニートと呼ばれる若者の自立支援に向けた水田の利用が始まったほか、 静岡市の清水区大内地区におきましては、 竹林の整備や広葉樹の植栽を通じて花と緑を楽しめる里山の利用に向けた取り組みが始まるなど、 都市住民のニーズに合わせた新たな農地や森林の活用事例が生まれてきております。
     県といたしましては、 引き続き拠点集落の機能の向上に努めるとともに、 都市と中山間地域の新たな結合を促進いたします一社一村しずおか運動などを展開し、 多様な活用の方策を生み出すことにより農地や森林の適正な管理に努めてまいります。
     次に、 中山間地域の土地情報の整備についてであります。
     山村部における土地情報の明確化を図る地籍調査の進捗

    率でございますが、 本県では平成二十年度末現在で九・九%と低い状況にあり、 地権者の不在村化などにより土地境界の確認も困難になりつつあります。 このため平成十七年度から、 現地に精通した森林組合等の協力を得ながら簡易な測量により、 おおむねの境界を調査する山村境界保全事業を活用して境界保全対策を鋭意進めてまいりました。 しかしながらこの事業の成果では登記に反映されないため、 新たに基準点測量をこの簡易測量に追加することによりまして登記が可能となるよう、 国に対し地籍調査作業規程の改定を提案をいたしました結果、 おおむねの理解が得られましたことから、 現在川根本町において、 国、 県、 森林組合等が連携して、 具体的手法の検証に取り組んでいるところでございます。
     県といたしましては、 こうした調査手法の活用により作業の迅速化を図りながら、 中山間地域の農地や森林の持つ公益的機能が発揮されるよう土地情報のより一層の整備促進に努めてまいります。
    ○副議長 (堀江龍一君)  遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長 (遠藤亮平君)  教育行政についてのうち、 初めに全国学力テストの調査結果についてお答えいたします。
     議員御指摘のように、 お茶の水女子大学の耳塚研究グループの調査で家庭環境の違いによって教育格差が生じているという報告がありましたが、 県教育委員会といたしましては、 公教育を担う者としての責務は、 日々子供たちにとってわかりやすい授業、 魅力ある授業を展開することにより、 どの子供にも確かな学力を保障することであると考えております。
     そのためには教員の授業指導力の向上が何よりも肝心であると考え、 本年度組織再編を行い、 総合教育センターに指導主事を集中し教員の研修体制の強化を図ったところであります。 すべての教員がこれだけは少なくとも持ってほしいと考えられる指導技術を身につけ、 より魅力ある授業ができるよう指導主事による学校訪問の機会をふやし直接教員を指導したり、 静岡県版カリキュラムの活用及び新学習指導要領に対応した同冊子の改訂を行うなど、 教員研修の充実に努めております。 さらに児童生徒一人一人にきめ細かく指導をするため、 小学校一年生学級支援や静岡式三十五人学級編制を導入し、 教育環境の整備にも努めているところであります。
     今後ともすべての子供に確かな学力を育成するため、 教員の授業指導力向上に努め信頼される学校づくりに邁進してまいります。
     次に、 新学習指導要領の全面実施についてであります。
     まず指導面につきましては、 昨年七月から本年八月にかけて教職員を対象に、 新学習指導要領における改訂及び移行のポイントを周知するための説明会を延べ十五回実施してまいりました。 今後もそれらの内容が各学校における教育課程や授業に反映されていくよう、 学校訪問等を通じ指導してまいりたいと考えております。
     次に、 人事面につきましては、 本年度十二学級以上の小学校を対象に、 算数などの先行実施に伴う授業時数増への対応として二百八十四人、 理科専科の体制をとっている学校への対応として十五人の非常勤講師を配置するなどの支援を行っており、 今後も教員の負担増とならないよう配慮してまいります。
     また予算面におきましても、 本年六月に新学習指導要領の全面実施に向けた教材や図書の緊急整備に関する説明会を市町村教育委員会に対して行い、 国の補助制度である理科教育設備整備費等を活用して教材等の整備を進めることを指導してまいりました。 県教育委員会といたしましては、 新学習指導要領の全面実施に当たり各学校の教育活動が円滑に実施できるよう支援してまいります。
     次に、 公立高校の再編整備と専門教育の充実についてであります。
     県教育委員会では、 少子化が進む中、 平成十二年及び平成十七年の二度にわたり策定した長期計画に基づき県立高校の再編整備を進めており、 最初の長期計画の完成年度である来年の平成二十二年度には、 計画していた五地区十校すべての再編整備が完了して、 各学科の受け入れ割合も普通科六七%、 専門学科二七%、 総合学科六%と着実に目標に近づいております。
     また、 農業、 工業、 商業などの専門学科につきましては、 地域バランスに配慮するとともに、 産業教育審議会の答申等を踏まえ社会の変化に的確に対応し、 有為な人材の育成につながる魅力ある学校となるよう学科改善等に努めているところであります。
     県教育委員会といたしましては、 第二次長期計画における具体的な再編整備計画の実施の緒についたところでありますが、 関係者の御理解と御協力を得る中、 各学科の受け入れ割合の基本方向を踏まえつつ、 平成二十七年度までに再編整備を着実に進めてまいりたいと考えております。
     なお再編整備に当たりましては、 再編前の各学校の特色や伝統を生かすことが大切であると考えております。 先ほど知事のお話にもありましたが天竜林業高校も再編整備の対象校となっておりますので、 この再編整備に当たりましては林業科の特色を生かすということを原則として考えておりますし、 議員御指摘のとおり、 当該地域における第一次産業の底上げや、 商工業の担い手の育成につながるような視点にも留意して再編整備を進めてまいりたいと考えております。
    ○副議長 (堀江龍一君)  原田警察本部長。
            (警察本部長 原田宗宏君登壇)
    ○警察本部長 (原田宗宏君)  交通安全施設の整備促進についてお答えいたします。
     初めに、 交通安全施設の高輝度化の現状と今後の取り組みについてであります。
     まず信号機につきましては、 従来の電球式からLED式の灯器を使用して高輝度化を図っております。 本県では平成十二年度から導入し、 主に交通量の多い幹線道路等を中心に車両用灯器は全体の約七・五%、 二千八百灯、 歩行者用灯器は同五・七%、 千九百灯を整備しております。
     標識につきましては、 反射効率が非常に高い反射シートを使用した高輝度道路標識と、 標識自体にLEDを組み込んだ自発光式道路標識があり、 自発光式道路標識については平成六年度から一時停止標識と横断歩道標識を重点に約一万枚を整備し、 高輝度道路標識については一時停止標識初め通行どめ標識などを対象に平成十四年度から約三万枚を整備しております。 一時停止標識における整備率は、 自発光式と高輝度道路標識合わせて約三七%になっております。
     さらに道路標示の高輝度化につきましては、 標示塗料の中に大型のガラスビーズを混入させて反射効率を高めることにより、 夜間特に雨天時に運転者から見えやすい標示となることから、 平成三年度からはみ出し禁止のセンターライン、 平成十九年度からは横断歩道に導入しておりまして、 現在までにセンターラインは六百五十一区間八百六十キロ、 全体の約三五%、 横断歩道は八百九カ所で全体の約二%を整備しております。
     これらの高輝度化につきましては非常に交通安全に有効なものであると考えておりますことから、 今後も交通事故の発生状況、 県民の要望等を踏まえて積極的に整備してまいりたいと考えております。 またLED価格の低下など市場動向に注意を払ってコストの削減に努め、 一層の整備を図ってまいる所存です。 今後とも高齢化社会のさらなる進展や自転車の通行環境整備等を踏まえ、 道路管理者と連携して交通安全施設の一層の整備を図ってまいります。
    ○副議長 (堀江龍一君)  二十八番。
            (二十八番 林 芳久仁君登壇)
    ○二十八番 (林 芳久仁君)  幾つかの再質問をさせていただきたいと思います。
     一つは市町への権限とそれに伴う財源移譲についてでありますけども、 知事の決意は強く感じられましたけども、 市町は住民の窓口で毎日接するわけですけども、 その中でもやっぱり早く権限とそういうものを欲しいという部分があろうかと思いますが、 これからの進め方なんですけども、 市町との協議会というかもちろん首長会議の中でもそういう権限移譲というものはありますけども、 具体的にはその協議会を設置してどういうものが市町村として欲しいのか、 それをいつまでに欲しいのか、 あるいは財源はどうなるのかということを具体的に詰めていくについてどういう進め方を考えているのか、 ちょっとその辺も改めてお伺いしたいと思います。
     それから、 若手、 中堅職員との関係でありますけども、 既に知事は実施をしておられるということで大変心強く思いました。 しかし人数的には二千人本庁でありますけども、 これ三年ぐらいかかると、 百人ぐらいやれば。 しかし本庁、 出先もあるわけですけども約五千六百人いるわけで、 それは幹部職員除いて特に若手職員、 中堅職員ということであれば半分ぐらいになるということでありますけども、 形式にならないような工夫も十分考えておられると思いますので、 ぜひ積極的に三年間で若手、 中堅職員を全部対応するという決意で、 これからの取り組みをよろしくお願いしたいと思います。 これは要望にかえさせてもらいます。
     それから歳入確保対策についてでありますけども、 先ほど歳入の確保についていろいろ基金の運用とか使用してない県有地の売却とか、 あるいは市町とも含めて収納率のアップとかいろいろ方策はたくさんあるわけですけども、 先ほど私が申し上げました十六年の宝くじの実績もあるわけですけれども、 そういう面も含めてイベントとかそういうものについて、 なかなかこれからも縮小じゃなくて、 できるだけ有効なイベント等含めて県民にも理解していただいて、 宝くじの発行という部分でやはり研究会を持っていただくということも私は必要じゃないかと。 検討ということもありましたけど、 検討というのは余りやらないじゃないかなということがありますので、 研究会を設置するということをぜひ提案したいと思うんですが、 改めてこの点について総務部長のほうからお伺いします。
     それから地域振興策についてでありますが、 先ほどいい事例も発表がありましたけども、 どうも支援策、 国を含めて多くの支援策が用意してありますけども十分活用されてるとはちょっと思いませんけども、 活用しにくい支援策なのかあるいは活用する側の地域、 団体等の積極的な姿勢が見られないのか、 その辺ちょっとあわせてもう一度御答弁をいただきたいなと思います。
     それから教育問題についてのうち新学習指導要領でありますけど、 先ほど教育長のほうから人的予算というのがありましたけど、 文科省もすべてこの新学習指導要領の対応について、 非常勤講師を二〇一〇年度までに一万八千九百人増員したいということでありますけども、 県もすべて非常勤講師で補充を行っていくのか私は非常に疑問だと思いますし、 やはり正規の職員として対応すべき部分だと思いますけども、 この辺についてこの新学習指導要領の中での県負担分、 あるいは市負担分はどの程度  特に教材のですね  どの程度になるのか。 それから人事面について、 ぜひ非常勤講師ではなくてできる限り正規の教員を採用していくということについて、 改めて教育長の答弁をお願いします。 お金も確かにかかりますけどやはり子供は大事でありますので。
     それから高校再編成について知事の考えをちょっとお伺いしたいんですが、 先ほど教育長のほうからありましたけども、 基本的には学校の再編成について私は異論がありませんけども、 川勝知事は人材育成と地域計画、 産業構造形成をトータル的に考えると発言されてますが、 まさに高校再編成の目的であるより魅力ある学校づくりの土台だなと私は思うんで、 改めて知事のこの高校再編成についての考え方についてお伺いさせてもらいます。
     それから教育長には、 先ほど天竜林業の問題が出ましたけども、 ぜひやはり就業したときに役に立つ、 そういう場でなきゃいけませんし、 当然機械類あるいは本当に就業したときに役立つ資格  インストラクターだとかですね、 それから樹木医とかそういう部分で、 現場での体験というかそういうのが私は大事になると思いますけども、 そういうものをやはり総合学科できちっと植えつけていただくということが必要でありますので、 改めてその総合学科についての考え方、 再度お伺いさせていただいて私の質問を終わります。
    ○副議長 (堀江龍一君)  川勝知事。
            (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事 (川勝平太君)  六つの再質問をいただきまして、 そのうち知事のほうからは一つ答えればよろしいということでありますが  専門家が答えるということでありますけれども  その一つが高校再編についての私の考え方でございますが、 ともかく少子化の中で、 従来の高校では箱物が大き過ぎるので効率的に高校経営をしていかなくちゃいかんということで、 これは本県だけじゃなくて全国的に再編等が進んでいるということでございます。 それはわかると。 これはもう県議も言われました。 ただしこれは十分に人数合わせであってはならないということで、 その歴史を考慮し、 また卒業生のお気持ちも勘案し、 そしてその高等学校が果たしている役割というものを見なければならないと思っております。
     そうした中で、 具体的に例えば天竜林業高等学校と二俣高等学校の場合ですけれども、 天竜林業高等学校の場合にはこれが唯一林業学校として期待されているわけですが、 二俣、 これは普通学校ですね。 これと合併することについては、 もう少し慎重であってほしいなとは思っているんです。 それは教育長あるいは教育委員会が努力してこられたことに対して異を唱えるということではないんですけれども、 ただ林業の振興というのはこれまた大きな県の施策の一つです。
     そうしますと振興させるにはどうしたらいいか。 そうすると森林組合の元会長先生などのお話を伺いますと、 やはりこれは貯木場をしっかり持たないとできない。 一年間乾かさんといけませんから。 それと現在の林業というのはこれはもう手動ではありませんね。 重機を使わなくちゃならないと。 そうした重機を使うようなカリキュラムが、 この林業高等学校でなされてるかというとそうなっていないですね。 そうした情報にかんがみますと、 一度私そこの現場にといいますか、 広聴会のようなものをそこで開いて、 皆さんの御意見を賜り、 実情を理解しないといけない面もあるかなと思っていながら今、 今日に至ってると。
     また、 吉田高等学校と大井川高等学校の場合も大井川のほうに吸収されるということですが、 吉田高等学校の歴史もあり、 同窓会の方々のお話を聞くとそれはそれとして十分に理解できるものがあります。 ここが難しい。 吸収合併すればいいというものではありません。 ですからいわば犠牲になるほうの高等学校に対して、 将来その地域をどうするかと、 卒業生の方にとっても十分に自分のアイデンティティーが崩れない形で生かされるということが大事です。 それの提案をあわせてしないといけないと思いますね。
     高等学校の例ではありませんけれども、 近代の学校というのは明治の学制で始まるわけですが、 日本で一番最初にいわゆる近代的な小学校がつくられたのは京都です。 いわゆる番組小学校と言われるものですが、 明治二年からつくられておりますけど、 これは町衆の人たちがつくったわけです。 そのど真ん中に、 京都のまちの真ん中に、 ちょっと名前忘れましたけれども四条堀川のところにあります。 そこがどうなったか。 これは明治二年からありますし、 そこの町内の人たちはそこで生活してるもんですからものすごい深い愛情があるわけです。
     そこが現在何になったか。 漫画博物館です。 三十万冊の漫画がそこにありまして、 校庭は芝生になってレストランやカフェがあって、 もう日本が誇る漫画がずらっと並んでるし、 そこで博士論文を書くためにドイツとか海外から研究者が来ているという、 漫画の問題出てきましたけどね。 それはサブカルチャーとして漫画それ自体が重要であるということと、 ああいう博物館をつくるというのは別のことでございまして、 ともかくそういう新しい潮流に、 日本の文化に対する新しい課題にこたえる形でその施設が生かされたということで、 多くの人がお越しになるということで卒業生はとても喜ばれてるわけです。 その知恵をあわせて出さないと、 やはり多くの人に失望といいますか悲しみを与えることになると思っているのであります。
     それから、 あともう一つぐらい答えたいと思います。 それは若手職員との交流、 これは漫然とお目にかかってるんじゃないんですよ、 もちろん。 霞が関のいわばミニチュアとしての県庁があるわけですね。 霞が関は日本最高のシンクタンクと言われます。 農水省に入る厚生労働省に入る、 あるいは文科省に入る、 それぞれ中で動きますけれどもそれのプロパーになります。 総務省に入る国交省に入る、 そのプロパーでこちらに来られてるわけです。
     ところが、 こちらは御承知のように三年ごとに部署が変わりますね。 これがそれでいいかということを一人一人聞いてるんです。 六十になって定年迎えたときに、 何もかも全部知ってるけれどもどこにも役に立たないというふうなことでは気の毒でしょう。 一方でゼネラリストも必要です。 他方でスペシャリストも必要です。 ですから県庁というすぐれた職場において、 みずからが体験したことが生かされるようにするにはどうしたらいいかということを聞くには、 御本人から聞くのが一番早いです。 人事担当の偉い方に聞くにも増して、 御本人がどうしたいかということを聞いていくのが一番いいということで実はお目にかかってるんです。
     ですから私はこの県庁がいずれなくなると思っています。 こちらにいらっしゃる若いお母さんお父さんのお子さんが私の年齢になったときには、 もう恐らく現在のような形で四十七都道府県は存在していることはまずないでしょう。 そういう中長期的に、 この県庁に働いてきた人たちがどういうふうにして今後、 県の地域文化のあるいは地域経済の発展に尽くすことができるかと。 そのために存在してるわけですから、 そういうふうな人材をどのようにつくり上げていったらいいかということで、 なるべく多くの人にお目にかかって人事のローテーションを考えるという、 その参考の情報源にしてるということであります。
     大まかには、 やはり今のように二、 三年ごとに変わるというのはなかなかのメリットもございます。 いろんなことに通用しますから。 それは最初の十年  大体二十二、 三で入りまして三十二、 三になりますね。 その次は例えばそれを二倍にすると。 三年を二倍にすると六年です。 そうすると四十ぐらいになります。 四十になると不惑、 それなりにもう自立しなくちゃいけません。 そしてその四十になった後は十年間どこかの部  産業部なり厚生部なりに入ってその中で動くと。 そうすればその人は厚生なり産業におけるエキスパートになるでしょうと。 残り五十からいわゆる理に従う還暦を迎えるときまで、 このときまではスペシャリストとなるのか、 やっぱり最後の自分の人生をどのように送っていくかっていうこと、 みんな考えるに違いありません。 五十天命を知るときになったときに、 まだ五十三で五十六で動くようなことではぐあいが悪いし、 全体として一応スペシャリストを育てると、 本人の希望を生かせるというようにはなってるんですが明快ではありません。 そういうようなことに気づきましたので、 そういう問題意識を持ってなるべく多くの職員にお目にかかろうというわけであります。 数こなそうというのが目的ではありません。 どうもありがとうございました。
    ○副議長 (堀江龍一君)  大村総務部長。
            (総務部長 大村慎一君登壇)
    ○総務部長 (大村慎一君)  三点お答えをいたします。
     まず権限移譲、 三位一体の市町への権限移譲でございますが、 具体的にどのように進めていくかという点でございますが、 まず対象の事務についてでございますが、 今まで本県では基本的な方針として、 市町の規模ですとかそれから実情に応じて段階的に権限を移譲してくということで、 その上で積極的に取り組んできたということでございます。
     大体見てみますと、 当然整理するには、 法律も含めて、 また特例の条例に基づくものも含めて大幅に移譲しているわけでございますが、 それが特例市ですとか十万人規模の市ですとか、 その他の市また町というふうになってきますと、 だんだんその規模に応じて現段階では、 段階的に移譲対象先が減ってまいります。 例えば具体的に言いますと、 NPO法人の設立認証といったようなものにつきましては政令市には移譲が行っておりますけれども、 まだ特例市とか十万市には行ってないといったようなことでございます。
     ですから、 まずステップの一ということでいきますと、 既に大規模な市に移譲している事務で小規模の市町から受け入れの希望があるといったものにつきましては、 県とそれから市町の関係部局の間で、 できれば今年度中をめどに調整を行って可能な事務については、 そういったものは先行的に移譲したいというふうに考えております。 ですからこれは今まで大きな規模の団体には移譲していたけれども、 規模の小さい団体には移譲してなかったというものについては、 これは我々はできるんだと移譲をしたほうがいいという御希望さえいただければ、 我々としてはぜひ先行移譲していきたいというのがまず第一ステップでございます。
     第二段階として現在国のほうで進められております第二期地方分権改革、 これは地方分権改革推進委員会で議論しておりますが、 新しい政権でどういった御判断をいただくかということも当然あるわけでありますが、 そういった中で一つの課題として基礎自治体への権限移譲ということも当然ございます。 国から県、 また県から市町村ということで、 どのように国全体として法改正も含めて判断していくかということをきちんと見据えまして、 その上で平成二十二年度  来年度にはできれば新たな権限移譲のための計画を策定して、 国全体の中に位置づけて我々も権限移譲を着実に進めていきたいということで、 おおむね大体こういった二段階の移譲を考えているところでございます。
     それから次に宝くじのお話をいただいております。 これはなかなか本県だけで発行しているわけではありませんので、 全国とか関東・中部のブロックくじというのがありますので、 そちらの協議会の中でよく議論していかなきゃいけないんですが、 ちょっとお時間いたいだいて宝くじの制度からお話をしたいんですが (発言する者あり) よろしいですか。 じゃ、 よろしければそれはやめまして、 御賛同いただいたということで時間も時間ですし。 要するに発行主体が本県だけではありませんで、 関東・中部・東北のブロック宝くじということとそれから全国の宝くじとありまして、 その中で限定的にイベントくじというものを発行してもいいということで協議会の中で決めたわけですね。 ですので本県だけ勝手にとはいかないもんですから、 そこはよく相談をしていきたいということで御理解をいただきたいと思います。
     それから三点目でございますが、 地域振興の補助金の関係であります。 これは先ほど御説明しました地域支援推進事業の補助金という点でいきますと、 これは例えば二十一年度は三事業三団体に助成していたり、 二十年度は六事業六団体に助成をしたりしておりますが、 このほかにも当然いろいろな市町への助成金、 地域振興の支援というのがあるわけでありますが各部局でやっております。
     これについて、 それこそ予算編成ですとか、 それから事業仕分けやってまいりますので常によくニーズを検証しまして、 もし十分使われていないものがあればそれはどういう点が課題なのかと、 ニーズが十分でないのか使い勝手が悪いのか、 はたまたPRが不十分なのか、 そういったことを十分検証いたしまして、 いずれにしましても地域振興のためでありますので、 十分に予算が使われるように頑張っていきたいと思っております。 以上でございます。
    ○副議長 (堀江龍一君)  遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長 (遠藤亮平君)  三点再質問があったかと思いますけれども、 まず第一点目の今回の文科省は新しい学習指導要領を進めるに当たり手当てをしたのが非常勤であると、 本県ではそれを正規の教員にできないのかというお話でありましたけれども、 非常勤一万八千九百人というお話がありましたが、 本県に何人非常勤が充てられるかわかりませんけれども、 それをやっぱり本県として正規で雇うということは、 文科省も厳しい財源の中で非常勤一万八千九百人を確保するのはやっとのことであったと思うんですね。 そういう中で本県がその非常勤分をいただいたのを正規に雇い直すといいますかね、 それはなかなか難しいことなんだろうなというふうに思います。
     ただ新しい学習指導要領の中で、 例えば理科とか数学の充実、 また英語活動の導入等があります。 そういう点で、 小学校の先生方の分野で、 本年度もう新しい試みとして、 理科枠といって小学校の中で理科を専門に教える先生方というのを枠で取って、 正規の教員としてもちろん採用するということですから、 これからは英語活動等が入ってくれば、 今は中学校との教員の交流でそういうのに対応しておりますけれども、 将来的には小学校の中に英語枠等を設けて、 新しい学習指導要領に十分対応できるような体制をつくるということは可能かなというふうに思っております。
     二番目の教材等について市と県の負担の割合はというお話でありましたけれども、 市町村立の小中学校はあくまでも市町村の設置ということでありますので、 教材等についても原則的にやっぱりこれは市町村が負担すべきものであります。 したがいまして県としてできることは、 国の補助金等が出てくればそれをうまく使うよう早目にお知らせするとか、 有効に活用するようにということの助言ができる範囲なのかなとこんなふうに思っております。
     三点目の総合学科これについてでありますけれども、 総合学科はその生まれがいわゆる普通科高校と専門高校、 これのよいところを取ってつくっていこうということで設けられた学科であります。 そしてこの総合学科は、 生徒たちが通える範囲内に一校は設けたいなということで、 この第二次の長期計画の中でも一〇%程度とこういうふうに位置づけられているわけであります。
     議員おっしゃった就業したときの資格取得とか就業体験、 これが非常に価値があることなんだからこの総合学科の中で進めたらどうかというお話でありますけれども、 総合学科の中にはいろいろな系列が設けられておりますので、 その系列の中でそういう資格を取ることも考えられますし、 今インターンシップというのを長期の中でやるとか、 すなわちそれは毎週土曜日にやっていこうねとか、 例えば長期休業中に集中してやっていこうとか、 いろいろな形で学校が工夫してやっておりますので、 当然総合学科においても、 就業体験というのは大事な分野の一つだというふうに考えておりますので、 これからさらにそういうものを充実させていくという方向でまた指導していきたいというふうに思っております。 以上です。
    ○副議長 (堀江龍一君)  これで林芳久仁君の質問は終わりました。
     以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
     次会の議事日程を申し上げます。
     九月十七日午前十時三十分会議を開き、 質疑及び一般質問を行います。
     本日はこれで散会します。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp