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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成21年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鈴木 利幸 議員

質問分類

代表質問

質問日:

12/07/2009

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 日本の理想郷しずおかへの取り組みについて             
 (1) 工程表と全体像                         
 (2) 静岡県富士山の日条例                      
2 行財政問題について                        
 (1) 来年度の税収見通し                       
 (2) 平成二十二年度当初予算編成                   
 (3) 事業仕分け                           
 (4) 核燃料税の更新                         
3 景気対策について                         
4 富士山静岡空港について                      
5 新型インフルエンザ対策について                  
 (1) 正確な情報提供                         
 (2) ワクチン接種への支援                      
6 高齢者施策について                        
 (1) ひとり暮らし高齢者などの認知症対策               
 (2) 外国人が介護職員として活躍するための支援            
7 本県における元気あふれる力強い農業の構築について         
8 静岡県の道づくりについて                     
9 生活環境の保全への取り組みについて                
10 公立高校の再編整備について                    
11 子供と女性を犯罪から守る対策について  



    ○議長 (浜井卓男君)  ただいまから会議を開きます。
     議事日程により、 知事提出議案第百四十四号及び第百五十号から第百七十一号までを一括して議題とします。
     質疑及び一般質問を行います。
     通告により、 三十六番 鈴木利幸君。
            (三十六番 鈴木利幸君登壇 拍手)
    ○三十六番 (鈴木利幸君)  皆さんおはようございます。 インフルエンザにより私の後援会、 来ておりません。 寂しい限りでございます。
     私は自民改革会議を代表しまして当面する県政の諸課題について、 知事並びに関係部局長、 教育長、 警察本部長にお伺いします。
     質問に入る前に、 新会派を立ち上げた目的を少し話しておきたいと思います。
     我々は、 自由民主党の所属県議会議員として誇りと自覚を持ち、 議会人として静岡県の発展のため、 県行政に対するチェック機関としての議会本来の使命を全うする、 明るくて元気で行動力のある政策提言集団として活動してまいりますので、 これまで同様よろしくお願いします。
     初めに、 日本の理想郷しずおかへの取り組みについてのうち、 まず工程表と全体像について伺います。
     九月定例会の代表質問で我が会派の山田議員が政策実現のための工程表についてただしたところ、 知事から新しい総合計画の策定や来年度予算編成等の政策形成の取り組みとすり合わせをしながら作業を進め、 できる限り早い時期に全体像を示すとの答弁がありました。 その答弁から二カ月半、 知事就任から五カ月が経過しましたがいまだ工程表や全体像は示されておりません。
     現在は将来を見通すことが大変厳しい局面にありますが、 県境や国境を越えた地域間競争が厳しさを増す中で、 本県が発展していくためには、 国内外との活発な交流や地域の均衡ある発展を促す社会基盤の整備とともに、 安心・安全な社会を支える医療や福祉、 教育などの内需型産業や、 新しい産業の育成による外需や為替などの変化に強い経済構造への転換、 さらには県民に夢を与える新たなプロジェクト事業を進めることも必要であります。
     そこで、 知事にお聞きしますが、 どのように本県を日本の理想郷にしようとされるのか、 工程を含めてお答え願います。
     次に、 静岡県富士山の日条例について伺います。
     知事はこれまで、 日本の象徴である偉大なる富士山を抱いた地域、 それが静岡県であるという観点から、 ふじのくにを県づくりのキーワードとされており、 富士山の日の制定には県民に対する知事の強いメッセージが込められているものと理解しております。 すべての県民が富士山について理解と関心を深めることは、 豊かな恵みをもたらす富士山を後世に継承するというだけではなく、 県民が誇りと責任を持ってふじのくにづくりを担っていくためにも意義のあることであると思います。
     これまで本県は富士山にかかわる施策を山梨県と協力して展開してきました。 静岡県富士山の日条例の基本理念として位置づけられている富士山憲章は、 平成十年十一月に両県が共同で制定したものであります。 しかし今回の本県の富士山の日制定については、 山梨県の一部に反対があり、 これからの両県の協力体制を心配する声も聞きます。 世界文化遺産登録を初め富士山にかかわる両県のさまざまな共同事業を円滑に進めていくことが、 今後ますます重要になっていくと思います。
     そこで、 山梨県との連携についてどのように考えているのか知事の所見を伺います。
     次に、 行財政問題のうち、 まず来年度の税収見通しについて伺います。
     平成二十一年度の県税収入等は、 年明け以降の急速な景気悪化の影響を受け企業収益が大幅に減少したことなどにより、 法人二税を中心に当初予算を四百五十億円程度下回るとの見込みが九月議会において示されたところであります。 しかし最近の急激な円高の企業収益への影響を考えると、 本年度また平成二十二年度の県税収入等については、 さらに厳しいものにならざるを得ないと懸念しております。 また最近公表された景気動向によると、 経済対策の効果などから景気は持ち直してきているものの、 緩やかなデフレ状況にありと言われているところであります。
     このような状況の中で、 県として平成二十二年度の県税収入等をどのように見込んでいるのか伺います。
     次に、 平成二十二年度当初予算編成についてであります。
     去る十月、 県より平成二十二年度当初予算の財政収支の試算が公表されました。 この試算によりますと、 世界的な景気後退等により県税収入の大幅な落ち込みが予想される中で、 平成二十二年度の財源不足額は六百二十億円が見込まれるとのことであり、 これは本年二月に県が公表した財政の中期見通しで見込んでいた財源不足額四百八十六億円を百三十四億円も上回る大変厳しいものとなっております。
     現在の景気の動向を見ますと景気は下げどまりつつあるとされていますが、 有効求人倍率を見ますと全国が〇・四四倍、 本県の有効求人倍率はその全国の水準をさらに下回る〇・四倍、 県西部はさらにそれを下回っており依然厳しい状況が続いており、 長いトンネルから出るのはまだ先になるものと感じております。 また国においては、 政権交代に伴い大幅な政策の見直しが検討される中で、 去る十月に各省庁から再提出された概算要求額が過去最大の九十五兆円を超える規模となっており、 税収の見込みによっては新規国債発行額は今年度の四十四兆円を大きく上回ることが懸念されるなど財政状況は大変厳しい状況にあります。
     本県の財政状況は先ほどの景気動向に加え、 国の地方財政対策によってはさらに財源不足が拡大する懸念が十分にあります。 しかしながらこうした厳しい環境の中にあっても、 本県の将来の発展を考えるならば、 これまで取り組んできた財政健全化の枠組みを堅持しつつ、 現下の危機的な雇用情勢等への緊急的な対策、 医療・福祉・子育て支援などの県民の安心・安全の確保、 道路や河川等の社会資本の整備などめり張りのきいた施策展開をしていかなければなりません。
     そこで、 このような大変厳しい財政環境の中で知事はどのような方針で予算編成に取り組んでいくのか伺います。
     次に、 事業仕分けについてであります。
     本県において事業仕分けが十月三十一日から十一月二日の三日間にかけて実施されました。 これまでに市町村を中心に全国で四十を超える自治体が実施されており、 また先月には国の行政刷新会議においても国の約四百五十事業を対象にした事業仕分けを行うなど、 現在非常に注目されている取り組みであります。 知事は就任当初からこの事業仕分けを本県で導入することで、 県の仕事の中で本当に必要なものに重点的に予算を配分し、 不必要なもの、 無駄なものは徹底的に排除するため、 すべての事業について徹底的に見直すとしておりました。
     今回の事業仕分けでは三日間で七百名を超える多くの県民や関係者等が見守る中、 事業担当者である県の職員と外部有識者や公募で選ばれた県民委員から構成される仕分け人との間で、 対象となる百一事業について熱い議論が交わされました。 その結果、 廃止すべきとされたものが十二件、 県でなく国や市町、 民間などが行うとされたものが二十件、 改善すべきだとするものが五十三件など多くの事業に見直しを行うべきとの評価がなされました。
     しかし、 この事業仕分けの手法や評価結果については本当に大丈夫か、 これでよいのかと首をかたげたくなるようなところが幾つかあります。 例えば三十分間という短時間の中で、 事業が必要とか県がやるべきではないといった重要な議論がしっかりできるのだろうかと思います。 また外部仕分け人という本県にゆかりのない方々や公募により選出された一部の県民という五人の少数意見により、 県民のためになる結論が本当に出せるのか、 仕分け人そのものの仕分けも必要と考えます。
     私は、 県の事業はさまざまな成り立ちや経緯を踏まえて県当局と議会とが時間をかけてつくり上げてきたものであり、 単純な理念、 理由で設定されているはずがないと考えています。 その意味ではこの事業仕分けという手法ではとても十分な議論や評価ができないと考えますし、 少々荒っぽい無責任で危険なやり方ではないかと考えます。
     知事は、 今回の事業仕分けの実施を通して結果を真摯に受けとめると述べておりますが、 そもそも事業仕分けの手法、 仕組みについて私が課題とした点を含めてどのように評価しているのか、 そして事業仕分けの結果が本当に県民の意見としての結果であると思われているのか伺います。 また実施によって県においてはどのような効果があったと考えているのか伺います。
     次に、 核燃料税の更新についてであります。
     去る九月定例会において知事から、 本年度末で期限切れとなる核燃料税の更新について検討していくとの答弁があり、 今定例会では核燃料税の税率を現行の一〇%から一三%に引き上げ課税期間を五年間とする条例案が提出されております。
     そこで、 地元四市は課題も多いとお聞きしていますので地域振興には力を入れていただき、 今後五年間の税収をどの程度見込むとともにどのような事業を実施する予定であるのか伺います。
     次に、 景気対策について伺います。
     昨年夏の欧米金融市場の混乱に端を発した金融危機による世界的な景気後退から脱し、 世界経済は回復の軌道にあるとされております。 政府が十一月二十日に公表した月例経済報告では、 「景気は持ち直してきているが、 自律性に乏しく、 失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある」 との基調判断が示され、 当面厳しい雇用情勢が続くと見られるものの、 海外経済の改善などを背景に景気の持ち直し傾向が続くことを期待されるとしています。
     また、 日本銀行静岡支店が十一月十七日に公表した最近の静岡県金融経済の動向では、 「在庫調整の進捗や経済対策効果から、 県内の景気は下げどまりつつある」 としております。 県内企業では、 東南アジアに事業所を持つところは販売が上向き業績見通しを上方修正するところもあるようですが、 多くの企業は依然として厳しい状況が続いていると聞いています。
     これまで県におきましては、 七月二十一日に第一回の、 八月十二日に第二回の緊急経済・雇用対策会議を開催し、 これらの協議結果を受け緊急経済対策の実施などを内容とする九月補正予算を編成し対策を進めてきました。 一方、 鳩山内閣はおくればせながら十月二十三日に、 年度内に十万人の雇用創出を目指す緊急雇用対策を取りまとめ、 去る十二月四日には七兆円規模とも言われるデフレ対策などを内容とする追加経済対策を打ち出したところであります。
     こうした状況を踏まえ、 県としては県内経済の活性化や雇用機会の創出に努めているとのことですが、 具体的にどのように取り組んでいるのか伺います。
     次に、 富士山静岡空港について伺います。
     空港部は廃止されましたが、 早急に廃止したことの是非は問いませんが、 JAL撤退には県民は空港存続に非常に不安を持っています。 貴重なインフラ整備でありますので、 FDAに頑張っていただく前にしっかりとした空港の将来のあり方を協議していただきたいと思います。
     さて、 富士山静岡空港が開港して半年がたちました。 開港直後は霧などによる視界不良での欠航や他空港へのダイバートが発生し、 これからどうなることかと気をもみましたが、 八月二十七日の完全運用以降は、 ILS導入もあって台風による欠航が一回あっただけで胸をなでおろしたところであります。 路線の就航状況を見ますと国内六路線一日十便、 国際二路線週十八便、 さらにチャーター便も台湾を初め香港、 マカオ、 中国、 スイスと多くの国へ飛んでおり、 地方空港のスタートとしては上出来と評価いたします。 これからますます利活用に向けた取り組みが重要であり、 我々議員としても積極的な利用を進めようと考え行動しています。
     知事は、 就任後直ちに、 御自身を本部長とする富士山静岡空港利活用戦略本部を立ち上げ、 全庁を挙げて空港の利活用促進に取り組むとともに、 八月には富士山静岡空港の魅力を高める有識者会議を設置し、 県内外の学識経験者などからアドバイスをいただいたと聞いております。
     そこで、 これまでの検討を踏まえ、 どのように富士山静岡空港の魅力を高め、 県民の皆様に一層利用していただくことはもとより、 国内外から多くの方に訪れてもらえるような空港にしていこうと考えているのか伺います。
     次に、 新型インフルエンザ対策のうち、 正確な情報提供について伺います。
     この春、 メキシコに端を発した新型インフルエンザにつきましては全世界に広まっており、 国内の流行は大きく広がりを見せ、 本県でも十一月二十三日から二十九日の一週間の定点医療機関当たりの患者発生数が県全体の平均で三七・七四と引き続き警報レベルを超え、 本格的な流行となっています。
     こうした中、 県は感染が拡大することを防ぐため、 「うつらない・うつさない」 をキーワードにさまざまな媒体を活用して広報に努めることにより、 みずからが感染せず他人にうつさないという基本的な対処方法を繰り返し周知するとともに冷静な対応を呼びかけています。 しかしながら県民の不安の声を伝える報道を見るにつけ、 どれだけ正確な情報が伝わっているのかについては心もとないものがあります。 県で設置した県民の疑問や不安にこたえるための相談窓口には、 毎日たくさんの問い合わせが入ってきていると聞いています。 相談に答えることも重要ですが、 県民にとって必要な情報を積極的に発信していくことはさらに重要なのではないでしょうか。
     そこでまず、 県民の安心・安全を確保するために迅速で正確な情報提供が必要と考えますが、 県の所見を伺います。
     次に、 ワクチン接種への支援について伺います。
     十月からの医療従事者を皮切りに、 十一月には基礎疾患のある方や妊婦の方、 小学校低学年以下の小児に対して新型インフルエンザワクチン接種が始められたと聞いています。 しかしながらワクチンは任意接種のため小児など二回接種の人では六千百五十円の費用負担が生じ、 昨今の厳しい雇用情勢においては所得の低い方々にとって大きな負担となるものと思われます。 このため今議会には、 所得の低い方々に対する接種費用の軽減措置を行う市町に対して、 費用の一部を助成する経費を盛り込んだ補正予算案が提案されています。
     しかし、 本来国が実施するとされた接種事業でありながら市町の負担により接種費用の軽減を行うことは、 非常に厳しい財政状況の中で市町に新たな財政負担を生じさせることになり、 すべての市町で円滑に実施できるのか不安も生じます。 国や県は所得の低い方々に対するワクチン接種がすべての市町で円滑に行われるよう、 どのような支援を行おうとしているのかあわせて伺います。
     次に、 高齢者施策についてのうち、 ひとり暮らし高齢者などの認知症対策についてお伺いいたします。
     高齢化は年々進行していますが、 とりわけひとり暮らし高齢者の増加は著しい状況です。 本県の六十五歳以上の高齢者人口が、 平成十一年から十年間で約一・四倍に増加したのに対して、 ひとり暮らし高齢者数は約二・五倍に急増したと聞いております。
     高齢者のひとり暮らしには、 急な病気などの緊急時の対応や災害発生時等の避難対応などさまざまな心配ごとがあります。 特にひとり暮らしによる閉じこもりなど活動性や積極性を失うことから、 知らないうちに認知症に陥ってしまい、 周りが気づいたときには既に重い要介護状態になってしまうのではないかとの心配は深刻です。 この心配はひとり暮らしだけでなく高齢者の二人暮らし世帯にも考えられることです。 認知症はだれにでも起こり得る脳の病気で、 八十五歳以上の高齢者の四人に一人は認知症の症状が見られるとも言われております。 今後も高齢化の進行とともに認知症高齢者の増加は避けられない状況にあります。
     そこで、 高齢になっても最後まで自分らしく生きたいとだれもが望んでいますが、 仮に認知症になっても安心して暮らしていけるようにするために、 県はどのように取り組んでいるのか伺います。
     次に、 外国人が介護職員として活躍するための支援についてであります。
     私が住む浜松市は県内でも群を抜いて外国人が大勢生活している地域で、 昨年十二月末現在で三万三千人余の外国人登録者がおり、 県内の外国人登録者の三三%を占めています。 外国人の多くは地元の自動車産業などの製造業に就労している人たちですが、 昨年秋のリーマンショックに端を発した百年に一度と言われる経済不況のあらしにより、 多くの方々が失業し路頭に迷うこととなったのであります。
     このような中、 浜松国際交流協会では、 職を失った人たちを対象として介護職への就職を目指す介護のための日本語教室を開催しました。 その取り組みの一環として、 ことし二月から三月にかけて県の事業として実施された離職者介護現場体験教室に参加した三十人のうち、 十三人の方が特別養護老人ホームなどの介護現場に雇用されたと聞いています。 この教室を企画した担当者は、 「スキンシップの得意な外国人は、 人の体をさわることに抵抗がないし、 何より明るい」 と外国人ならではの強みを語っています。 また実際に雇用した施設のオーナーは 「最初はお年寄りと会話できるか不安だったが、 日本人と変わらぬまじめな働きぶりで、 同僚にいい刺激を与えている」 と大変高く評価していると聞いております。
     また、 先ごろ県が実施した調査では、 県内で八十二人の外国人が介護現場で働いており、 回答のあった約半数の事業所で今後機会があれば外国人を雇用したいとしており、 今後とも介護現場に外国人はふえていくものと思われます。
     私は、 ますます高齢化が進み介護が必要な人がふえ続けていく将来、 介護現場では人材が今以上に不足することが明らかなことから、 外国人にホームヘルパーなどの介護の資格を取得してもらい、 外国人を積極的に受け入れていくことが必要だと考えています。
     そこで、 県では外国人が介護の場で活躍していくための支援について、 どのように取り組んでいくのか御所見をお伺いします。
     次に、 本県における元気あふれる力強い農業の構築について伺います。
     この季節になりますと一九九三年の米の自由化を思い出します。 ことしは政権交代があり、 あのときと同じで歴史は繰り返すといいますが、 まさに要望活動も大変だった思い出もよみがえってきます。 野党自民党に陳情しても与党でなければ役に立たないなと感じながら要望し、 お役人さんは手のひらを返した態度で対応していました。 まさしく同現象であります。
     そのような中で、 農業者に戸別所得補償を掲げ、 農村で票を稼いだ与党民主党は、 まず米からモデル事業を始めると言っております。 戸別という意味をしっかり考えないと税金の無駄遣いの一番手に挙がります。 なぜなら農家も戦後経済成長により兼業農家、 中核農家、 大型経営体と大きく分けて三段階くらいに農家はなっています。 一番裕福な農家は一軒の農家で農外収入がある兼業農家であります。 農業だけで、 農業所得だけで生活している農家が一番苦しんでいます。 戸別補償を進めるなら農家の仕分けもしなければ税金の無駄遣いであります。 戸別所得補償はヨーロッパのような国民のコンセンサスのとれた国でなければ成功しないし、 ジャンクフードが蔓延している日本の食文化では理解されません。
     そのような中で、 本県の基幹産業であるお茶は先々月でことしの取引が終了しましたが、 シーズンを通じて価格は著しく低迷し、 一番茶から秋冬番茶まですべての茶期で減産・相場安という異常事態に見舞われています。 単に景気悪化による消費低迷という理由で片づけられないほど、 茶業をめぐる情勢はかつて経験したことがないような厳しさを増しています。
     また、 ミカンについては、 十二月に入り本格的なシーズンを迎えました。 昨年のミカンは景気低迷などの影響で他の果実が低価格に苦しむ中、 比較的安定した価格で推移し、 特に私の地元であるJAとぴあやJAみっかびなどの本県産は品質の高さが評価され、 全国トップクラスの販売価格で取引されました。 しかし販売数量は予想外に少なく、 生産者の所得は期待したほどではなかったと聞いています。 加えて本年は表年と言われるなり年であるため、 需要を上回る供給が見込まれることから、 価格が低迷するのではないかと生産者は心配しております。 さらに昨年からの重油価格の高騰や肥料、 農薬などの資材高騰による生産コストの増加が経営状況を悪化させ、 財務状況が回復しない中、 落ちついていた重油価格が値上がり傾向にあり、 今後の燃料や資材の値上がりが懸念されています。
     こうした中、 先般、 国や県で事業仕分けが行われ、 その結果、 不要と判断された農業関係の事業もありました。 事業仕分けに法的拘束力はないと言われていますが、 農業者や関係団体にはこうした厳しい農業生産環境に置かれている今こそ国や県の支援を期待しており、 仕分け結果は農業生産の衰退につながるのではないかと動揺が広がっています。
     知事のマニフェストにある食と農の改革を進めていくに当たっては、 食の基礎である農業生産部門を強化することが必要です。 そのためには品質の高い農産物を大規模に低コストで生産する企業的な経営体を育成するとともに、 こうした経営体を核とした農業生産構造への転換を図り、 元気あふれる力強い静岡県農業を構築していかなければならないと考えております。 県はどのように取り組んでいくのか伺います。
     それから、 知事も十二月十八日に大田市場でトップセールスを行うと聞いていますが、 農産物の価格決定が競りではなく、 量販店が需要供給での価格決定ではなく消費者の声を利用して決定し、 土づくりから収穫までのとうとい時間をかけた農産物を量販店の経営戦略のもと安く買いたたき、 売り上げの低下している部門の穴埋めにしているのが現状の農畜産物の価格決定であります。 しっかりと見てきてください。
     次に、 静岡県の道づくりについて伺います。
     今年度から道路特定財源の一般財源化を初め、 高速道路の無料化やガソリン税等の暫定税率の廃止に向けた動き、 さらには政府の公共事業費の縮減、 特に道路事業についてはより一層の圧縮の方針が出され、 今後の道路整備を取り巻く状況は極めて厳しくなっております。
     しかし、 道路は県民の日々の安全・安心な暮らしを支えるとともに、 産業の振興や交流の拡大による地域の活性化を促進し国民に活力を生み出す根幹的な社会基盤であり、 今後とも質、 量ともに充実を図っていく必要があるとの県民の声は極めて大きいものがあります。 また県が積極的に取り組んでいる富士山静岡空港の活用の面からも、 整備の進む新東名高速道路や中部横断自動車道、 伊豆縦貫自動車道、 三遠南信自動車道などの広域インフラを最大限に生かした道路交通ネットワークの構築が必要であります。
     県は昨年度、 今後の道づくりの計画を策定し、 政令指定都市の静岡市、 浜松市と道路の課題を共有して、 効果的、 効率的に道づくりを進めていくとしております。 その計画の中でも課題が明らかにされていますが、 本県の道路は依然として各地で著しい交通渋滞が見られ交通事故も多発し、 さらには橋梁の耐震化も途上であり、 大雨による通行どめなどでの地域の孤立を避ける災害対策もなかなか進まないなど、 本当に多くの課題が残っております。 このような状況を見るとき、 急速に少子高齢化に移行しつつある今、 道路という真に必要な社会基盤を早急に整備することがまさに緊急的課題であると私は考えております。
     そこで、 昨年度県が策定した計画に対して現在の進捗状況はどうか、 また財政状況がますます厳しさを増す中、 今後の道づくりをどのように進めていくのか伺います。
     次に、 生活環境の保全への取り組みについて伺います。
     二十世紀は科学技術の世紀と言われ、 科学技術の目覚ましい発展により世界は大きく変化を遂げてきました。 また物理、 化学、 生命科学等の学問の急速な発展と技術の飛躍的な進歩により、 豊かで便利な生活と長寿を得てきました。 しかし一方で、 科学技術の進歩により世界で約十万種、 日本でも五万種を超える化学物質が生み出され、 中には有害物質や環境への影響が十分にわかっていない物質も含まれていると言われております。
     二十一世紀となった現在、 こうした有害化学物質やごみ処理の問題、 また化学物質を起因とする地球温暖化などが、 複雑そして多様な環境問題となっております。 特に地球温暖化防止は世界的な喫緊の課題となり、 我が国は政府が新政権のもと温暖化ガスの排出量を二〇二〇年までに一九九〇年比二五%減という野心的な目標を掲げ、 産業界を初めとしてさまざまな議論がなされているのは皆様御承知のところかと思います。
     こうした地球規模の課題はもちろん重要な問題であり、 次代を担う子供たちのためにも解決をしていかなくてはならないものでありますが、 私は我々にとって最も身近な環境、 つまり空気、 水、 土壌といった生きていく上で必要な生活環境、 自然環境を守る、 保全するというところも、 もっと意識していく必要があるのではないかと考えております。
     空気、 水、 土壌はあらゆる生物が生きていく上で必要不可欠なもので我々が守るべき共有の有限な資源でありますが、 科学技術の進歩が生み出した化学物質がこれらの中に含まれているのは事実でありますし、 こうした物質が時に健康被害をもたらしたり環境破壊などの公害問題として歴史の一つとなったこともまた事実であります。
     現在、 国では人の健康を守り生活環境を保全する上で、 維持されることが望ましい基準として環境基準を定め、 県や市が常時監視を行っております。 県が公表した静岡県内における平成二十年度の大気環境基準、 水質環境基準の達成状況を見ますと、 工場や自動車から排出される一酸化炭素や二酸化硫黄の大気中の濃度は環境基準を下回っており、 水質においてもほぼ基準値以下となっておりますが、 光化学オキシダントはすべての観測地点で基準を超えており、 県民の方が健康被害を受けたとの報告があるなど心配な状況も見受けられます。 県民が便利な生活をしていくためには化学物質はなくてはならないものであることは間違いありませんが、 いかに人々の健康や生活を守りながら利用していくかが大切であると考えております。
     そこで、 県ではこうした化学物質からの生活環境の保全に対し、 どのように取り組んでいるのか伺います。
     次に、 公立高校の再編整備について伺います。
     少子化の進行は深刻な状況であり、 浜松市を中心としたいわゆる西遠地域も、 平成元年には約一万三千人いた中学校卒業者が今春は約八千人となり、 この二十年の間に五千人、 約四割も減少しました。 ものづくりのまち浜松の将来にとって、 その担い手である若者の減少は大きな問題であると認識しております。
     県教育委員会では、 このような少子化の進行の中で、 高校の適正規模を確保し教育の質の維持改善を図るため、 平成十二年二月に静岡県立高等学校長期計画を策定しました。 そして平成十八年には、 農業経営高校と浜松城南高校の再編整備によって浜松大平台高校が誕生したのに続き、 下田高校、 科学技術高校、 遠江総合高校が開校し、 来春伊豆市に誕生する伊豆総合高校の開校をもって、 長期計画で示された五地区十校の再編整備計画は予定どおり完了すると伺っております。
     この十月には、 平成十七年三月に策定した静岡県立高等学校第二次長期計画で新たに示された引佐高校、 気賀高校、 三ケ日高校の三校の再編整備による引佐地区新構想高校  仮称  の設置場所と開校予定年度が発表されております。 浜松市北区に立地するこれらの高校は、 普通科、 専門学科など特色に富み、 地域の人材を育成するという重要な役割を担っています。 新しく整備される高校がこれまでの三校の実績や地域の思いを受け継ぎ、 すばらしい学校になることを期待しておりますが、 県では引佐地区新構想高校についてどのような学校とする計画であるのか伺います。
     また、 第二次長期計画で示された他の地区の再編整備について、 現在の状況と新構想高校設置に向けた基本的な考えについて改めて教育長に伺います。
     最後に、 子供と女性を犯罪から守る対策について警察本部長に伺います。
     去る十月九日の新聞朝刊に、 県警の子ども・女性安全対策係についての記事が載っておりました。 その内容は、 「今年四月の発足から半年がたち、 強制わいせつや痴漢などで二十七人を検挙するとともに、 声かけや盗撮などで二十三人に警告をするなどの成果があった」 とあり、 子供と女性を犯罪から守るための取り組みについて成果が上がっていることが紹介されておりました。 こうした県警の活動に対し県民の一人として感謝申し上げるとともに、 より一層の活躍を期待するものであります。
     また、 県警では十月一日から、 子供や女性への声かけや不審者情報を携帯電話やパソコンにメール配信するサービスを開始し、 開始一カ月で登録者が三千人を超えるなど順調に浸透しつつあると伺っております。
     原田本部長が着任した際の抱負を思い起こしますと、 「お年寄りや子供など弱者を食い物にする犯罪対策に力を入れる」 と述べておられていたと思いますが、 まさにこのときに言われた方針どおりの対策が強化されていることのあらわれではないかと感じます。 しかし犯罪情勢を見ると、 子供や女性が殺人などの凶悪事件の被害者になった事件が数多く発生しているほか、 最近千葉県や広島県において女子大生が何者かに残忍な手口で殺害、 発見された事件などが発生しており、 世界一安全な国と言われる日本の安全神話が崩れつつあるのではないかと危惧しているところであります。
     子供や女性などのいわゆる社会的弱者を守り、 安全・安心を肌で感じることができる安全社会の実現に向けた各種対策を推進していくことは非常に重要であります。 それには警察を初め県、 市町の行政機関が地域の防犯ボランティアなどと連携協働して、 県民の防犯意識を高め自主的な防犯活動を促すことにより、 犯罪の芽を摘み犯罪被害に遭わないまちづくりを推進していく必要があります。 少子高齢化が問題となっている我が国に限らず万国共通で子供は未来を担う社会の宝であり、 女性なくして子供の誕生はありません。 この両者が安全で安心して生活できる世の中こそ健全な国家、 理想の国家と言えるのではないでしょうか。
     そこで、 県警が取り組みを強化し始めた子供や女性を犯罪から守る対策について伺い、 私の質問を一応終わります。 御清聴ありがとうございました。 (拍手)
    ○議長 (浜井卓男君)  川勝知事。
            (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事 (川勝平太君)  鈴木利幸議員にお答え申し上げます。
     初めに、 日本の理想郷しずおかへの取り組みについてのうち、 工程表と全体像についてであります。
     全体像でございますが、 現在 「富国有徳の理想郷ふじのくに」 のグランドデザインとなる、 新しい総合計画の策定を進めているところでございます。 この計画は、 理想像として 「住んでよし、 訪れてよし、 働いてよし、 学んでよし」、 それに加えまして、 安全で安心、 産んでよし、 そして育ててよしという理念を掲げております。 それらを掲げられ得るのは、 それはこの地域が持っている場の力への確信があるからでございます。
     その場の力を最大限に活用いたしまして、 国内各地との交流は言うまでもありませんが、 アジアとの交流も拡大していくと。 そして県全体でイノベーションの運動を起こしてまいりたい。 従来の弱肉強食的な市場原理、 その背景にあるミクロ経済学、 価格だけに基づく行動規範といったようなものでもなく、 また、 お上といいますか、 政府だけに頼るケインズ主義的な財政手法でもなく、 むしろこれまで孤高と言われていたシュンペーターという埋もれた経済学者の理念、 この方が経済発展の理論における基礎概念とされたのが起業家精神、 その中身はイノベーションでございます。 これを軸に据えた新しい価値の創造をしてまいります。
     その場合に、 やはり現場に入る、 現場に学ぶ、 現場から発想するという現場主義に基づく視点を重視した戦略的な取り組みというものを、 県の特に私自身の姿勢といたしまして、 自立し豊かで徳のある地域づくりを目指してまいりたいと思っております。
     この総合計画は、 おおむね十年間の道筋を示す総合計画の基本構想を本年度中に定めてまいりたいと思っております。 ふじのくにづくりに向けた、 いわば十年間をホップ・ステップ・ジャンプに分けるといたしますと、 当初の四年間はホップに当たる取り組みということになります。 これを今度当初の四年間に取り組もうとする内容を基本計画として取りまとめることにしておりますが、 県議会の皆様の御意見も伺いながら、 来年度中には新しい総合計画を策定してまいります。
     私が提言しておりますマニフェストの内容につきましては、 そこに盛り込んでいくことが最も自然ではないかというふうに考えているところでございます。 来年度は特に交流人口の拡大を重点テーマに戦略的に政策展開を図ることにしております。 多様な交流の促進、 ふじのくにの魅力の向上、 交流基盤の整備などに重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
     次に、 静岡県富士山の日条例についてでございます。
     この条例の制定趣旨は、 富士山が世界に誇るべき国民の財産であることを県民が自覚をし、 富士山を愛する多くの人々とともに富士山を後世に引き継ぐことを決意いたして、 富士山憲章の理念の一層の普及促進を図ろうとするものでございます。
     静岡県と山梨県とは、 これまでも富士山に関するさまざまな取り組みにおいて、 それぞれの立場を尊重しながら協力関係を築いてまいりました。 両県が連携して進めております取り組みには、 富士山の環境保全活動や世界文化遺産登録の推進のほか、 観光振興の観点から富士山を軸とした観光客の誘致、 富士山静岡空港の利活用等、 富士山を介して両県のつながりは多岐にわたっております。 こうした実績を踏まえまして、 富士山を大切にするという思いを共通認識として意思疎通を図りながら連携をさらに進めて、 広域的な盛り上がりの中で富士山を後世に引き継ぐための県民運動がより促進されるように努めてまいりたいと思っております。
     去る十月二十九日に本県と山梨県横内知事、 神奈川県松沢知事と三県サミットを開催いたしましたが、 その席で意見交換をいたしまして、 私のほうからこの富士山の日を定めたいというふうに申し上げましたところ御理解を賜りました。 ただ山梨県知事は、 既に平成十年の富士山憲章を踏まえて、 平成十三年に河口湖町が富士山の日を定められました。 二月二十三日でございます。 そのときにやや足並みの乱れがあってその後遺症がまだあるので、 もう一度それをまき直してやっていくことについてやや難しさを感じるという御懸念を漏らされました。
     一方、 松沢神奈川県知事のほうからは、 大変結構なことだと。 ただ神奈川県としては鎌倉の文化遺産への登録を抱えているので、 その前に富士山を世界文化遺産にすることについて、 その有力な手段としての富士山の日の制定に神奈川県全域を挙げて取り組むにはやや困難を感じるけれども、 静岡県知事がそれを積極的に進められることに対しては賛意を表するということをいただいております。
     それから、 私のほうでよく富士山の見える日を調べていただきました結果、 昨年、 平成二十年につきましては二月が八九・六%で最もよく見える月であるということがございます。 そうしたこともございまして、 私としましてはやはり自然に学ぶという姿勢、 人間が自然をコントロールできるのだというそういういわば思い上がりといいますか、 その前提にあるのは一つの宗教的な信念ではないかと思いますけれども、 その宗教観の背景にある人格神というものを軸にした世界解釈というものがあると思いますけれども、 それと対した形で見たときに本県は地震、 噴火、 津波、 台風等、 人間の力を超えるものに対する経験が豊富にありますために自然に対して敬けんになるという、 そういう心の形をつくり上げてきたと思います。 そうしたもののシンボルが富士山でもあり、 同時にそれが人の心に畏敬の念をつくり上げるとともに、 その美しさに対して美意識が涵養されて芸術を生んできたということでございます。
     本県はそうしたすばらしい環境といいますか自然に囲まれているがために、 それを間々当然と受けとめるところがございますので、 富士山憲章が制定されまして後も、 山梨県の側はこれを契機にして大きな運動を起こしていこうということで、 町が富士山の日をつくられたりいたしましたけれども、 本県はどちらかというと運動はそのまま起こってこなかったということでございます。
     しかし、 新しい世界文化遺産への運動がもう最終的な盛り上がりをせねばならない時期に来ている中で、 やはりここでこの日本じゅうに大きく訴えるという意味もございまして、 それは日本じゅうに富士と名のつく山がたくさんあって、 見立て富士として日本の一部であると、 自分たちの地域にも日本のシンボルがあるというようなこともございますので、 そうした自然への畏敬の念を培うという意味にもおきまして、 本県がまずこの富士山の日を制定することによってその運動の発信源になりたいという思いもございます。
     次に、 行財政問題についてのうち、 平成二十二年度当初予算編成についてでございます。
     来年度の予算編成に当たりましては、 景気の低迷による県税収入の大幅な減少によりまして多額の財源不足が見込まれております。 また最近の急激な円高による今後の景気動向の本県への影響が不透明な状況であります。 大変厳しい財政環境下での予算編成にならざるを得ません。
     このような状況の中でも鈴木議員御指摘のとおり、 財政健全化の枠組みは維持しつつ将来の本県の発展を見据えた施策の展開が必要であります。 そのためにまずは県庁全体で政策的予算の一五%減の効率化目標を達成し、 財源不足を解消するためには事業仕分けにおける議論を踏まえつつ、 内部管理経費の見直し、 投資的経費、 経常的経費にわたる事業の重点化・効率化、 民間委託等の一層の推進などに取り組むとともに、 未利用財産の売却や県有施設への民間広告の掲示など歳入確保に取り組んでまいる所存でございます。
     これらの見直しによりまして財源を確保した上で、 医療、 福祉、 雇用、 教育など県民の安心・安全の確保や、 真に必要な社会資本の整備による地域の活性化に取り組むとともに、 富国有徳の理想郷の実現に向けた第一歩として、 先ほど申し上げましたごとく、 まずは交流人口の拡大を重点テーマとして、 各種施策の実現に取り組んでまいりたいと思っております。
     次に、 景気対策についてであります。
     昨年来の世界的な景気後退はおさまりつつあると言われておりますが、 我が国の景気は持ち直し傾向が続くことが期待されつつも、 一方デフレ、 円高・株安などの影響が見られて、 景気が下押しされるリスクも存在すると考えられます。
     県内の景気も、 在庫調整の進捗や国、 県の経済対策効果から下げどまりつつはありますものの、 まだ十月の有効求人倍率は〇・四倍、 過去最低の水準にございます。 雇用情勢は依然として冷え込んだ状態が続いております。
     このため、 これまでも私を本部長といたします緊急経済・雇用対策会議を適宜これまでに三回開催いたしました。 県内経済や雇用情勢について情報共有を図りながら、 貸付融資枠の拡大などの中小企業などへの支援や民間企業などからの提案による雇用の創出、 また伊豆スカイラインの通行料金値下げによる観光産業の支援、 地震などの影響に対する首都圏での緊急観光キャンペーン、 誘客対策を含めまして、 全庁挙げて取り組んできたところでございます。 現下の厳しい雇用情勢を踏まえまして、 去る十二月三日の第三回の緊急経済・雇用対策会議におきましては、 雇用創出のためのさらなる取り組みについて決定するとともに、 国の追加経済対策への対応についても徹底を図ったところでございます。
     引き続き国の動向や経済情勢などを注視しつつ、 また情報収集に努めながら全庁連携のもとで適時適切な対応に努めてまいります。
     次に、 富士山静岡空港についてでございます。
     富士山静岡空港の開港から半年が経過いたしましたが、 国際二路線を含む八路線の定期便を初め、 これまでに台湾を中心とした香港、 マカオなど九十二便のチャーター便が就航しております。 十一月末の搭乗者数は三十万人を超えております。 大変多くの方々に御利用をいただいて感謝しております。 また空港では地元の方々による物産展などのイベントも開催され、 にぎわいの創出に一役買っていただいているところでございまして、 現在でも連日多くの見学者が訪れております。
     こうした中、 空港の利用促進を図るために、 富士山静岡空港利活用戦略本部会議、 有識者で構成する富士山静岡空港の魅力を高める有識者会議を設置いたしまして、 空港の利用促進に関する職員提案などの募集も行い、 さまざまな施策に関する検討を進めてきたところでございます。
     これまでにアクセスバスの増発、 総合案内所の機能強化、 そのほかタッチパネル式情報端末の設置、 空港見学者を対象としたツアー相談会の開催など実施してまいりました。 今後さらに富士山静岡空港発着ツアー相談員の配置や、 若者を中心に編成したキャラバン隊による空港PRなどのさまざまな取り組みも行うことにしております。
     先般の有識者会議では石雲院展望台や空港周辺地域の利活用などの御提案をいただきました。 私といたしましては、 この美しい茶畑や緑豊かな自然環境に恵まれた地域の魅力を生かした取り組みが重要であると考えております。 県民の共有財産である富士山静岡空港、 まさに訪れてよしの理想郷の実現のために必要不可欠な社会インフラでございますので、 今後も引き続き空港はもとより周辺地域も含めて、 その魅力を引き出すことにより利用者の拡大に努めてまいります。
     全体この地域を、 ティー、 フルーツ、 フラワー、 そうしたものが見事に組み合わされたガーデンシティーとしてイメージされ、 それが共有されるとすばらしいことだと思っております。 一番奥地には豊かな南アルプスといいますか、 奥大井がございます。 ここは人が植えた樹木がございます。 これは人が植えたもので原生林ではありません。 いわば人の手の入った自然はガーデンと言います。 そのガーデンはフォレストガーデンと言ってもいいと思います。 フォレストガーデンからフラワーガーデンに至る、 あるいはお茶のように園芸  ホーティカルチャー、 これもいわば園芸というガーデンでございます。
     そういう意味でこの地域をガーデンシティーとして位置づけていくと、 そうしたものがどういうものかというものをミニチュア的なモデルとして示せるのが牧之原周辺ではないかと、 牧之原の空港周辺ではないかというふうに考えておりまして、 そのあたりを重点的に回りまして最初は  第一回目は空港で、 第二回目は石雲院で、 第三回目は牧之原で開きました。 これは諮問会議  魅力を高めるための有識者会議であります。
     第四回目は今度コンベンションセンターを要請されておられる島田市の場所でも、 またその近くのお茶の郷の設計をなさった、 この次、 静岡文化芸術大学の学長に予定されております熊倉先生をお招きなどして、 いわば全国レベルでこの地域の魅力向上を図ってまいりたいと考えているところでございます。
     次に、 本県における元気あふれる力強い農業の構築についてであります。
     静岡県は全国一の農産物の品目数を誇っております。 百六十七品目で第二位は百六十品目の鹿児島県でございます。 まさに食材の王国であるということであります。 だれもがおいしいと思い高くても買いたいという、 ふじのくにの農芸品と呼ぶにふさわしい高品質な農産物を生産しておりますことは県議の御指摘のとおりであります。
     これは、 天の恵みと言うべき温暖な気候と優位な自然条件に恵まれているだけではなくて、 多くの篤農家の進取の気質と高い技術、 努力のたまものでございます。 農は国の基本でございます。 本県の農業をさらに発展させていくためにはまずつくる側がしっかりしなくてはいけない。 新しい需要を生み出す新品目の導入  イノベーションですね、 高品質な農産物を使った新しい商品のイノベーション、 開発を進めていくとともに、 農芸品をつくり出すそうした技術とマーケティング力を持つビジネス経営体が核となったような農業構造というものに変えていくことが必要であります。
     県といたしましては、 品質や生産性を飛躍的に向上させる新技術の開発に加えまして、 トップセールス、 国内外の一流食材が集まるメッセへの出展支援などによりまして、 ビジネス経営体が生産するふじのくにの農芸品という形でのブランド化を推進するとともに、 農業の経営理念などを教えるアグリビジネススクールを開催いたしまして、 ビジネス経営体の育成に引き続き取り組んでまいります。
     これはいわばつくる側のものなんですね。 しかし一方で、 いかにすばらしい物をつくってもそれを使わねばなりません。 まさに食文化ということが問われると思います。 生産をしても消費がなければこれはつくった物が無駄になりますし、 その意味で生産は消費に従属するとすら言える。 消費というのは消費の仕方というのがある。 仕方というのはスタイルです。 そのスタイルが私はこれから大きな可能性を秘めていると。 どのようにその食材を楽しむかという、 この楽しみ方はこれは文化力にかかわってくると思っております。 これがうまくいきますといわば食材は王国なので、 王国としてすばらしいものがありますので食の都たり得ると。 食材をどう組み合わせ、 それをどう楽しませるかというその工夫が要ると思っているわけでございます。
     そうした意味におきまして、 つくる物よし、 食べる物よし、 つくり方よし、 食べ方よしというような、 そういうその食材の王国を必要条件とした十分条件としての食の都づくりというのを進めてまいりたい。 そしてその名人に対しては、 これを供給側を励ましたということで農業功労賞とでも言うのでしょうか、 フランスがやってるようなレストランのシェフに農業に貢献したという表彰を与える。 それはつくる側よりも使う側ですね。 こういうその一次産業をベースにした三次産業、 こうしたものが一体になることが大切で、 私はこの地域にそういう食材を上手に活用したスタイルが生まれてきますと、 人が訪れてくると。 人が訪れていけばおのずと経済効果が出てきます。
     そうしたことから、 その食と農の改革を進めてまいりたいと思っておりますが、 この地球温暖化の問題は先ほど議員御指摘のとおりでありまして、 地球環境の異変に伴う食料の問題も必ず出てくるという意味におきまして、 私は第一次産業は二十一世紀のフロンティアになると確信しております。 静岡  このふじのくには食材の王国だけでなくて食の都というものとしてそのモデルになるという高い目標を掲げてまいりたい。 高い志と技術、 チャレンジ精神を持って農業に取り組む方々と御協力を申し上げて、 元気あふれる力強い農業王国になってまいりたいというふうに思っております。
     その他の御質問につきましては、 関係部局長、 教育長から御答弁申し上げます。
    ○議長 (浜井卓男君)  大村総務部長。
            (総務部長 大村慎一君登壇)
    ○総務部長 (大村慎一君)  三点お答えします。
     行財政問題についてのうち、 初めに来年度の税収見通しについてお答えいたします。
     本年十月末の県税の調定実績で見ますと、 主要税目であります法人二税  法人県民税と法人事業税でございますが、 こちらが景気悪化に伴う企業収益の減少などによりまして、 前年同期比で五〇・五%の大幅な減となっております。 また消費に関連する税目であります不動産取得税、 軽油引取税なども前年を下回っておりますので、 県税全体でも前年同期比では一五・七%の減と非常に厳しい状況でございます。
     また、 景気は持ち直しをしてきていると言われてはおりますけれども、 一方で雇用情勢の一層の悪化ですとか海外の景気の下振れの懸念、 デフレの影響などによるリスクが存在しておりまして、 その先行きについては不透明と言わざるを得ません。 さらに最近の情勢を見ますと、 為替市場はやや持ち直しが見られるものの急激な円高傾向にありますし、 輸出関連企業を中心に業績悪化の懸念が強まっていることですとか、 一方で政府税制調査会におきましては軽油引取税や自動車取得税などの暫定税率の廃止が検討されているという状況にもありますので、 こういったことを考慮しますと税収を取り巻く環境は依然として厳しいというふうに考えざるを得ません。
     こうしたことから、 平成二十二年度の県税収入等の見通しにつきましては、 現時点では具体的な数値を御答弁として申し上げる段階にはございませんけれども、 本年度の収入見込み額、 これも厳しいわけですが、 それをさらに下回るものというふうに予想せざるを得ないという状況にございます。
     次に、 事業仕分けについてでございます。
     事業仕分けは、 外部の評価者から御意見をいただいて、 客観的で新鮮な視点から予算における事業の見直しを行うという手法でございます。 また公開の場で議論を実施することによりまして、 県の事業予算に関するわかりやすい情報を県民に提供でき、 また透明性も高まると考えております。
     今回実施をした事業仕分けでは、 対象事業の八割以上に何らかの見直しの指摘がなされておりまして、 こういったことから県事業の新たな改善の契機となり、 また県政に関する関心を大いに高めただけでなく、 議論を通じて日々の仕事のやり方の変革や常に県民の立場に立って事業を考えるという、 その原点を再認識するなど職員の意識改革にも多くの成果があったと考えております。
     そこで、 これが県民の意見としての結果かという点でございますが、 すべてではないにせよこれはまたやはり県民の御意見、 声であることも事実であろうと考えております。 一方で必ずしも議論に十分な時間をかけることができなかった事業があるとか、 効果の数値化が難しいといわれる文化あるいは教育分野の事業などを含めまして、 仕分けの結果に対してはさまざまな御意見があることも承知をいたしております。
     ただ、 そもそも自治体における事業仕分けは、 予算編成の前段階で県民委員も含めていろいろな御意見をいただいて検討の参考とする手法でございます。 つまり議会における御審議、 決定という代表制の民主主義のシステムというものをしっかりと維持をした上で、 現代的な要請の中で県民の皆様との双方向をプラスアルファで補完する任意の取り組みであるというふうに考えております。
     したがいまして、 今回の結果や御意見につきましては、 予算編成の過程で再度事業内容を検討し、 最終的には知事が判断した上で予算を県議会にお諮りしてまいるものでございます。 その意味で役割や責任の所在も明確であるというふうに考えております。
     次に、 核燃料税の更新についてでございます。
     核燃料税の更新につきましては、 平成二十二年度以降の五年間に原子力発電所の立地に伴います、 そしてそれに必要となる財政需要の総額ですとか、 他県の課税状況などを踏まえまして、 その税率を現行の一〇%から一三%に引き上げた上で延長する条例案をお諮りしているところでございます。
     そこで、 この向こう五年間の税収ですが約百六十九億円と見込んでおりまして、 この税収をもとにして浜岡原子力発電所の周辺地域における環境放射線監視センターの運営や核燃料輸送警戒警備などの原子力安全対策、 沿岸漁場や農道の整備などの生業安定対策、 避難路となる幹線道路の整備などの民生安定対策を実施いたしまして、 引き続きこの地域の安全と振興を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
    ○議長 (浜井卓男君)  大須賀厚生部長。
            (厚生部長 大須賀淑郎君登壇)
    ○厚生部長 (大須賀淑郎君)  新型インフルエンザ対策についてのうち、 初めに、 正確な情報提供についてお答えいたします。
     県では、 本年四月の新型インフルエンザの発生以来、 県民の不安を解消し安心して生活していただくためには正確な情報を周知することが何よりも重要であると考え、 多様な手段により広報に努めてまいりました。 特に県民の関心が高い県内の発生状況、 感染予防策、 ワクチン接種に関する情報をマスコミの協力を得て速やかに提供するとともに、 「うつらない・うつさない」 を対策の基本として十月十九日からテレビ・ラジオCMを放送したほか、 ホームページ、 県民だより、 ポスター等さまざまな媒体により広報を行っているところであります。 しかしながら感染の拡大に伴いまして、 御家族の発症といった個別具体的な相談や全国的に供給量が不足しているワクチン接種に関する問い合わせが増加いたしております。
     県といたしましては、 このような個別の相談に対応するため本庁及び七カ所の保健所の相談窓口を十月十三日から再び二十四時間体制とし、 いつでも相談いただける体制といたしました。 今後とも県民への情報提供に当たりましては、 市町や関係機関、 マスコミとも連携し、 最新の情報が迅速かつ正確に行き届くよう努めてまいります。
     次に、 ワクチン接種への支援についてであります。
     新型インフルエンザワクチンの接種は、 重症化の防止などを目的として国が定めた実施要綱等に基づきまして、 妊婦や基礎疾患のある方から優先順位に従って実施しているところでありまして、 あわせて接種の円滑な実施を図るために、 所得の低い方々に対する費用負担軽減を行う市町への助成措置を講じることといたしまして、 今議会にお諮りをしているところでございます。
     このワクチン接種に係る費用負担につきましては、 国が二分の一、 県が四分の一、 市町が四分の一を負担する制度になっておりまして、 また市町の負担に係る経費につきましては、 特別交付税により措置されることとされておりまして、 市町の財政負担に対し配慮をされているところでございます。 今後とも医療関係者や市町の協力のもとワクチンの接種を円滑に進めまして、 死亡者や重症者の発生をできる限り減らしてまいりたいと考えております。
     次に、 高齢者施策についてのうち、 まずひとり暮らし高齢者などの認知症対策についてであります。
     認知症対策は早期発見、 早期対応が大変重要でありますことから、 県ではさまざまな診療科目の開業医に認知症対応力向上研修を実施をいたしまして、 日ごろの診察を通じて早期発見を図りますとともに、 県内百二十一カ所の地域包括支援センターの相談窓口では、 保健師などの専門職員が早期の対応に努めております。 また四万人を超える県民が認知症サポーターとなり認知症を理解するとともに、 認知症の方を温かく見守り優しく接していただいております。 今後は紙芝居教材を活用した小学生向け講座の実施などを通じまして子供たちにもサポーターになっていただき、 高齢者を大切にする社会づくりに取り組んでまいります。
     なお、 認知症を発症した場合、 比較的軽度な方には作業療法士などによる認知症短期集中リハビリテーションが有効なことから、 実施施設を昨年度の十カ所から今年度は七十六カ所にふやし身近な場所でサービスを利用できるようにしたほか、 在宅が困難になった方が入所する認知症高齢者グループホームは過去三年間で五百十三床ふやしまして、 対象者の状態に応じてきめ細かなサービスが提供できるよう努めております。
     県といたしましては、 今後も地域包括支援センターを中核として切れ目のない支援体制の構築を図るとともに、 介護基盤緊急整備基金を活用して認知症高齢者グループホームなどの一層の整備促進を図り、 高齢者が認知症になっても安心して暮らしていける地域づくりに積極的に取り組んでまいります。
     次に、 外国人が介護職員として活躍するための支援についてであります。
     高齢化の進展に伴いまして介護需要の一層の増加が見込まれる一方、 少子化による労働力人口の減少が想定されており、 介護現場への外国人の就労は今後ますますふえていくものと思われます。 このため県では、 外国人介護職員が介護保険施設で働きやすくなるよう応対マニュアルを作成したほか、 外国人にとって作成が難しい日本語の介護記録を母国語の例文を選択して作成することができる介護記録システムの開発など、 外国人が介護現場で働きやすい環境づくりを支援する取り組みを進めております。
     また、 外国人介護職員が職場に定着し、 より質の高い介護サービスを提供できるようになるためには、 ホームヘルパー等の資格を取得していただくことも大変重要であります。 今後雇用された失業者が働きながらホームヘルパー等の資格を取得するための事業に取り組んでいくこととしておりますが、 この事業は外国人を雇用した場合も対象となりますことから、 利用促進を働きかけ外国人が介護職員として活躍できるよう積極的に支援してまいります。
    ○議長 (浜井卓男君)  衛門建設部長。
            (建設部長 衛門久明君登壇)
    ○建設部長 (衛門久明君)  静岡県の道づくりについてお答えいたします。
     県では、 道づくりの計画において、 平成二十年度から五年間に取り組む道路重点計画を取りまとめており、 その中で道路整備の成果目標を設定し毎年事業効果を検証することとしております。
     平成二十年度末における道づくりの計画に対する進捗状況は、 渋滞対策の実施により県民一人当たりの渋滞損失時間が年三十五・六時間となる見込みで、 平成十九年度末に比べて〇・八時間減少するとともに、 東海地震等に備える橋梁の耐震補強についても、 緊急輸送路にある古い基準で整備された橋の耐震整備率が三二%と五ポイント進捗するなどの成果が得られております。
     しかしながら、 交通事故対策や地域の孤立対策など県民の皆さんの多くの要望をいただく中、 財政状況が厳しいことから優先度の高い箇所から整備を進めているのが現状であり、 さらに国の道路事業予算の縮減による県内基幹道路ネットワークの整備のおくれも危惧されております。
     県といたしましては、 計画のさらなる推進を図る必要があることから今後とも必要な財源の確保に努め、 選択と集中の視点に立って計画の目標達成に向けて道づくりを進めてまいります。
    ○議長 (浜井卓男君)  丸山県民部長。
            (県民部長 丸山康至君登壇)
    ○県民部長 (丸山康至君)  生活環境の保全への取り組みについてお答えいたします。
     本県において、 化学物質排出把握管理促進法に指定されました三百五十四種類の化学物質の届け出総排出量及び移動量は、 県の指導や企業の削減努力等もありまして、 最新の公表年度であります平成十九年度におきましては、 ピーク時の平成十四年度に比べ二六%減の二万三千六百三十三トンと年々減少してきております。 また大気、 水質などの環境基準もおおむね達成しておりますが、 化学物質を排出する事業所に対する近隣住民の不安の解消も大切でありますことから、 県では事業者に対し環境への取り組みの報告、 工場見学、 意見交換等のリスクコミュニケーションを積極的に実施するよう指導しております。
     なお、 その発生メカニズムから全国的にも環境基準の達成が困難な状況にあります光化学オキシダントにつきましては、 濃度が高くなりやすい五月から九月には監視体制を強化するとともに、 本県独自の濃度予測システムを活用し、 テレビ、 ラジオ等マスコミを通じて情報発信するなど被害の拡大防止に努めております。
     県といたしましては、 引き続き県民が安心して暮らせる生活環境の確保に向けまして、 企業に対し排出量の削減や排出基準の遵守を指導するとともに、 常時監視や県民に対する的確な情報提供等に努めてまいります。
    ○議長 (浜井卓男君)  遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長 (遠藤亮平君)  公立高校の再編整備についてお答えいたします。
     県教育委員会では現在平成十七年に策定した第二次長期計画に基づき、 五地区十二校の再編整備の実施に向けて準備を進めております。
     議員御指摘のとおり引佐地区新構想高校につきましては、 本年十月に現在の引佐高校の校地に設置することを決定し、 あわせて平成二十七年度の開校を発表したところであります。 この高校では三校のこれまで担ってきた役割を踏まえ、 普通科に加えて実学系の学習ができる専門学科等を併置し、 地域の発展に貢献できる人材を育成する高校として充実を図ってまいりたいと考えております。
     また、 天竜地区新構想高校につきましても平成二十六年度の開校を目途に、 現在の天竜林業高校の校地に校舎等を設置し、 あわせて二俣高校のグラウンドも当面活用することを八月の教育委員会定例会において決定、 公表したところであります。 吉田高校と大井川高校の再編により整備する志榛地区新構想高校につきましても、 本年度中に設置場所を決定し開校年度も公表したいと考えております。
     県教育委員会の新構想高校に向けての基本的な考え方といたしましては、 これから高校で学ぶ生徒にとってよりよい教育環境を整えることを第一に据え、 関係者の御意見も伺いながら、 各学校がこれまで果たしてきた役割や培ってきた教育の伝統を生かしつつ、 次代を担う人材を育てる魅力ある高校となるよう具体的な検討を進めてまいります。
    ○議長 (浜井卓男君)  原田警察本部長。
            (警察本部長 原田宗宏君登壇)
    ○警察本部長 (原田宗宏君)  子供と女性を犯罪から守る対策についてお答えいたします。
     子供や女性を性犯罪等の被害から守るため、 県警察では一般的な検挙、 保安施策のほか、 御質問で触れていただきましたように大きく二つの対策をとっているところであります。
     対策の一つは、 先制・予防的活動を専門的かつ継続的に行う子ども・女性安全対策係の設置による予防活動の強化であります。 警察本部に対策係を設置して、 性犯罪等の前兆と見られる声かけやつきまとい等を認知した段階から重大な犯罪に移行しないように、 行為者特定のための必要な捜査等を行い法令違反があれば確実に検挙措置を講じ、 法令違反に至らない場合であっても指導・警告措置を講じるなど先制的な活動を行っております。
     対策の二つは、 学校や防犯ボランティア団体との連携強化であります。 この種事件の予防は警察のみで達成できるものではなく、 個人や学校関係者等の自助努力、 地域社会の取り組み、 自治体などと連携した犯罪の発生しにくいまちづくりを推進することが求められております。 特に親元から離れて単身で暮らしている大学生、 短大生等の女子学生に不安を与える凶悪事件が県外で発生しております。
     このような犯罪被害から守るため、 しずおか防犯まちづくり県民会議のメンバーとして、 県内所在の大学にも加盟していただくなどして各学校と連絡を密にし、 女子学生の通学路及び学校施設、 女子寮などの周辺において学校管理者や自治体等と連携をした取り組みを強化するなど防犯環境を整備しております。 学校には学校周辺の警戒、 不審者情報の提供を求め、 女子学生に対する防犯対策を積極的に推進してまいりたいと考えております。
     また、 本年十月一日から開始したエスピーくん安心メールの運用状況でありますが、 これまでに二百件以上の情報を配信するとともに、 登録者数につきましても四千人を超えるなど一定の成果があらわれています。
     今後とも必要な情報を積極的に配信するとともに、 子供や女性を犯罪から守る対策を徹底してまいりたいと考えております。
    ○議長 (浜井卓男君)  鈴木利幸君。
            (三十六番 鈴木利幸君登壇)
    ○三十六番 (鈴木利幸君)  一点要望させていただきます。
     力強い農業についてでございますが、 知事にお話しますと気持ちよくしゃべりますので要望とさせていただきますが、 私は農芸品ていう名前はあんまり好きじゃございません。 今、 ミカン出荷停止でございます。 お茶でも  新聞にはありませんが  お茶経営で命を絶たれた人もおります。 そんな中で農芸品という話は出していただきたくはございません。
     私も日本農業は、 ヨーロッパの農業が基本だと。 知事の前の文芸大の木村尚三郎さんが好きでしたのでいろいろ本を読みましたが、 確かにヨーロッパの農業は日本の農業政策に合っていると思っておりますが、 やはり知事、 忙しいとは存じますが、 私も現場から発信するというのが、 私の政治生命でございますので、 知事も時間があったら、 もう少し新しい現場を見ていただきたいと思います。 キーポイントは土づくりでございます。 以上で要望を終わります。 (拍手)
    ○議長 (浜井卓男君)  これで鈴木利幸君の質問は終わりました。
     議事の都合により休憩します。

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