• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成20年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

大石 裕之 議員

質問分類

代表質問

質問日:

09/30/2008

会派名:

民主党・無所属クラブ


質疑・質問事項:

1 富士山静岡空港について                      
 (1) 騒音問題                            
 (2) 交付金制度の創設                        
 (3) 空港施設の災害復旧                       
 (4) 制限表面部分の適正な取得                    
2 県立総合病院の不適切な預金口座問題について            
3 浜岡原発について                         
 (1) 超東海地震に対する安全性                    
 (2) 分岐断層                            
 (3) 地震と原発の安全についての公開討論会              
4 多文化共生社会と企業の責任について                
5 温暖化防止への県職員と県内市町村の取り組みについて        
6 医師不足問題への対応策について                  
 (1) 病院の機能分担とネットワーク化による地域医療の確保       
 (2) メディカルスクール構想                     
7 県立高校の調査書改ざん問題について                
8 不適格教師について                        
9 若手警察官の教育について



    ○議長 (天野 一君)  ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、 一番 大石裕之君。
            (一番 大石裕之君登壇 拍手)
    ○一番 (大石裕之君)  私は民主党・無所属クラブを代表して当面する県政の諸課題について、 知事並びに関係部局長、 教育長、 警察本部長に質問いたします。
     まず初めに、 富士山静岡空港についてのうち騒音問題についてお伺いいたします。
     私は、 昨年の九月議会の代表質問でも、 富士山静岡空港における騒音問題について質問をさせていただきました。 いよいよ開港まであと半年となり、 各航空会社からは具体的な運航ダイヤも発表され、 準備も仕上げの段階となり、 カウントダウンもそろそろ始まるのではないかと思っているところです。 私は、 空港開港とともに飛行航路直下となり、 これから起こるであろう騒音問題等県内で唯一と言える負の遺産を背負っていく町で生まれ、 またその地域の代表として選出された県議会議員として、 開港前の最後の機会でありますから、 最終確認の意味を込めて質問をさせていただきます。
     富士山静岡空港も、 開港のための完成検査とともに試験飛行も来月から始まる予定と聞いております。 今後、 航空機の運航に伴う騒音問題等は周辺自治体である牧之原市と島田市、 そして吉田町の二市一町と、 地元団体と県との間で結ばれた航空機騒音対策事業に係る協定書に基づき、 その運用方法を定める環境監視計画に沿いながら運用していくことになっていることは承知しております。
     現在までのところ協定書の基準に照らし合わせると、 騒音対策の対象となるうるささ指数  W値で七〇以上の区域において、 その対象となるのはわずか九戸でしかありません。 今まではある意味、 机上の空論の中、 あくまで予測であり想像の域を出ないものでした。 来月からの試験飛行に伴い、 実際に航空機が飛行を始めれば、 現実的な騒音問題やその予兆が発生し、 電波障害等のさまざまな問題が表面化することが予想されます。 開港後でもまた試験飛行時であっても、 そのような場合に地元住民の声がいち早く町や県などの行政に届き、 その意見や考えを組み入れることができる仕組みが非常に大切であると考えます。
     そこで、 試験飛行開始直前の今、 航空機騒音対策事業の協定書の運用方法をどのようにとらえ考えているのか、 また協定書の実効性を確保するための取り組みについてもお伺いいたします。
     次に、 交付金制度の創設についてお伺いいたします。
     この問題も一年前に質問をし、 またその後も地元自治体から要望として出されておりますが、 まさに開港が半年後と迫る中で話の進展がなかなか見えませんので再度改めてお伺いさせていただきます。
     富士山静岡空港は、 牧之原市と島田市との山合いに建設されております。 そして現在、 空港所在地である牧之原市と島田市、 それに空港周辺自治体として吉田町を含めた二市一町には、 空港対策関連事業として各種さまざまな事業が実施されております。
     そして、 空港の所在地であります牧之原市と島田市、 空港周辺自治体の吉田町は、 富士山静岡空港の影響をよくも悪くも大きく受ける自治体として、 これまで同じように歩んでまいりました。 しかし吉田町だけは空港が開港し、 飛行航路直下の町となり、 航空機騒音の影響や落下物の危険性がどれだけ高かろうとも、 空港所在地でないばかりに空港からの税収が一切見込まれない状況にあります。 このことにより空港関連の社会資本整備や地域対策などに苦慮するような事態があってはならないと考えます。 既に開港まで半年を切った状況であるにもかかわらず、 いまだこの問題に対する御回答を何ら得られてはおらず、 このままうやむやにしたまま開港を迎え、 泣き寝入りさせられてしまうようなことが決してあってはならないと考えています。
     空港周辺自治体である牧之原市、 島田市と同様に空港と調和ある発展を図り、 地元住民が不利益や不公平を招く、 またはそういった感情を抱くことのないよう継続的な交付金制度等を創設するなどの対策や、 少なくともその提示が空港の開港前までに必要ではないかと思われますが、 どのようにお考えかお伺いいたします。
     次に、 空港施設の災害復旧についてお伺いいたします。
     空港整備も最終段階に入ってまいりましたが、 県ではこの九月の定例会に一般会計補正予算として十億円余の増額予算が上程され、 このうちの四億円が空港施設の災害復旧費として計上されているところであります。 予算計上の理由としては、 豪雨によるアクセス道路に近隣する調整池ののり面などで地すべりが発生したため、 早急に復旧をするというものであります。
     アクセス道路三ルートが合流する箇所のことですから、 開港時の道路アクセスに支障が出ないように開港前までに復旧しなければならないことは理解できますが、 それにしてもまだ開港もしていない現段階で、 言うなれば空港本体も空港周辺整備もすべてが新設で新品の状態であるにもかかわらず、 災害復旧とはいえ、 なぜ今回四億円という金額を投入しなければならなかったのかということであります。
     今回の復旧工事箇所は、 地元でもよく知られている地すべり地域であり、 当然のことながらそれらを考慮した設計、 施工であったはずですし、 またそうでなければなりません。 ことしの三月二十五日に完成し同二十八日に完成検査が行われておりますが、 その後わずか二カ月余りで地すべりが始まっています。
     確かに、 完成検査以降の四月、 五月と雨の日が多く、 時間最大雨量も二十ミリを超える日もあり連続雨量もかなりありました。 それでも何十年に一度あるかないかという雨量ではありませんし、 同じように周辺にある調整池が何ら問題ないことを見ると、 今回の事態を招いた工事に問題があったのではと思わざるを得ません。 今回の調整池は約五・七億円で整備されたものですが、 それを早々に四億円で整備し直すということですから、 税金の使い方として十分に県民の皆様に御理解いただく必要があると考えます。
     そこで、 工事施工などに問題がなかったのか、 またなぜこのような事態になってしまったのか、 また次善の策はなかったのか、 県民に広く御理解いただくために御説明いただきたいと思います。
     次に、 制限表面部分の適正な取得についてお伺いいたします。
     富士山静岡空港は、 地元地権者の方々との用地交渉が滞り、 非常に残念なことに、 平成十八年度に個人の財産を強制的に収用するという地方空港では例がない強制収用が行われ現在に至っております。
     このとき収用委員会が明け渡しを求めた土地には大きく二種類の土地があります。 まず一つには、 旅客ターミナルや滑走路などのための空港本体部内の当該地部分。 もう一つは、 今回立ち木の存在が明らかになり問題となっている空港の西側制限表面部分です。 本来、 県が制限表面部分として取得して立ち木や土石などを除去するべき土地が、 今も取得されないままに取り残され、 そこには高さ十メートル以上もある立ち木が多数存在しているということです。
     この問題の指摘は以前からなされていましたが、 先日の報道のとおり今回やっと国と県がその存在を裁判の中で認め、 今月の二十二日の記者会見で石川知事も公式に認められました。 問題を正確に把握していただくために少し詳しく説明させていただきます。
     まず制限表面とは、 航空機の安全な航行を図るため、 航空法により空港周辺の一定の空間を障害物のない状態にすることを義務づけられています。 その空間の底面のことを制限表面といいます。 その制限表面部分にある強制収用の対象の土地は収用地と使用地とに分類され、 強制収用の対象になっていない土地は残地となります。
     収用地とは、 制限表面の上に出る土石の除去工事が必要となる部分で、 県が強制的に取得した土地です。 使用地とは、 制限表面の上に出る立ち木などを除去するために土地の使用権のみを県が取得した土地です。 残地とは、 本来の所有者が所有と使用を許された所有者固有の土地のことです。
     今回問題となっているのは、 この残地とされている部分に高さ十メートル以上もある立ち木が数十本存在しているのです。 なぜこのような問題が起きたのかといえば、 航空測量により測量が行われその結果大きな誤差が出てしまったことと、 収用委員会の審理の中でこの土地の所有者が制限表面内の各境界を正確に明示する必要性を訴えたにもかかわらず、 その訴えは退けられてしまったことが挙げられます。
     特に、 このような空港建設のための測量や強制収用のための測量などは、 慎重にかつ正確に行われなければなりません。 なぜなら航空機の航行の安全の確保のためでありますから、 人命がかかっているということです。 そして個人の財産を強制的に取得するということには間違いがあってはいけません。 必要最低限でなくてはなりません。 当然それ以外の部分では、 個人の財産は保障されなければなりません。 もしこの問題が事実であるならば、 県の測量や事業計画がずさんであったと言われても仕方がありません。
     今のままでは完成検査に合格できないばかりか、 そのことは同時に開港の期日にも影響してくるものと思われます。 これは県の一大プロジェクトとして大変大きな問題です。 開港を半年後に控えた今、 このような問題は一刻も早く解決し、 開港に向けて万全の準備を整える必要があります。 県も地権者に対しこれまでの経緯と現状を説明し、 これまでの対応に不備があったとするならば、 謝罪すべきは謝罪をし柔軟な対応をとるべきだと考えます。
     そこで、 今回の制限表面の取得の問題についての現状と原因についての認識、 その責任の所在、 また今後の解決に向けての取り組みについてお伺いいたします。
     次に、 県立総合病院の不適切な預金口座問題についてお伺いします。
     ことし一月、 金融機関から五年以上にわたり入出金のない預金口座の問い合わせが県立総合病院に寄せられ、 現在使用されていない預金口座が四口座あり、 平成二十年二月現在の残高が一千八十万七百六十四円あり、 平成十五年度以降の入出金はないことが確認されました。 八月八日に人事室より出された調査結果とその処分によりますと、 最終的に二名が懲戒処分で減給とのことでした。
     相変わらず繰り返されるこうした裏金問題は、 一体いつになれば一掃されるのでしょうか。 二〇〇三年九月議会以降の知事の答弁で、 その全容をほぼ解明できたものと考えていると何回も繰り返されながら、 その後も簿外郵券や警察の不正支出など後を絶たずに続出しているところを見ると、 結果的に内部監査のシステムや職員倫理の研修が機能していないと言わざるを得ないのではないでしょうか。
     最初のプール金問題では、 性善説に基づく自己申告、 疑わしきは罰せずという基本理念のもとに全庁調査をされ、 関係職員、 当事者の処分は一切されずに知事と副知事及び出納長、 教育長をそれぞれ減給処分とされました。
     今回の場合は、 当事者のみの比較的軽い処分となったわけですが、 全庁特別調査で虚偽申告を行い、 さらに通帳やカードを断裁し証拠隠滅を図り、 金融機関からの照会で初めて発覚したという事実は重いと言わざるを得ません。 私的流用がなく、 発覚しても返金すればそれでよしとする空気があるとすれば、 永遠にこの問題は解決していかないことでしょう。
     コンプライアンスという視点で言えば、 一般企業でこうした問題が発覚した場合、 当事者は当然のことながら懲戒処分、 責任者や社長も交代となる場合が少なくありません。 そういう意味で、 行政機関のこうした問題に対する処分は余りにも認識や実態が甘く、 それが後を絶たない温床となっていると言ってもよいのではないでしょうか。 今後は行政といえども社会通念に沿った処分を断行することこそ、 改革派知事といわれる石川知事の仕事ではないかと思う次第です。
     過去をたどれば、 知事は九六年、 二〇〇〇年、 二〇〇二年、 二〇〇三年、 二〇〇四年と五回にわたりみずからを処分されています。 これ以上そうしたことが繰り返されないよう裏金の連鎖を断ち切るためにも、 改めて過去からの公金不正問題に対する取り組みとその結果として何回も同じようなことが繰り返され、 今回もまた新たに問題が発覚してしまったことの御認識と知事御自身の責任について、 どう考えておられるのかをお聞かせいただきたいと思います。
     次に、 浜岡原発についてのうち、 超東海地震に対する安全性についてお伺いいたします。
     我が民主党・無所属クラブは、 本会議の都度、 浜岡原発の安全にかかわる問題について代表質問で知事と県当局の見解を求めてきました。 しかし残念ながら、 県の回答は国の調査を待つという姿勢に終始され、 県民の不安を解消するには至っておりません。 そこで今回は、 より具体的に県民の目線で質問させていただきたいと思いますので県民に向かって真摯にお答えをいただきたいと存じます。
     私は、 昨年の九月議会におきまして産業技術総合研究所  以下産総研と呼ばせていただきますが  活断層研究センターの藤原研究員と北海道大学・平川教授らのグループによる浜岡原発から東二キロ地域のボーリング調査で、 東海地震の約三倍もの地殻変動をもたらすマグニチュード八を超える超東海地震が、 この五千年間に少なくとも三回起きていた可能性が明らかにされたことを紹介し、 事実とすれば、 静岡県の防災対策も浜岡原発の耐震対策も大幅に見直す必要があるのではないかと県のお考えをお聞きいたしました。
     総務部長の御答弁は、 既に中部電力から新耐震指針に照らした耐震安全性の評価が報告され、 原子力安全・保安院の耐震・構造設計小委員会で検討中であるが、 このような大きな隆起をもたらす地殻変動を考慮することも検討項目になっているとされているので、 県としてもこの検討を注視し、 国の説明を受け、 改めて耐震安全性を確認したいと答弁されました。
     それから一年を経過していますが、 いまだにその確認の報告はございません。 地震はいつ起きてもおかしくないと言われておりますから、 安全対策は的確に迅速に行われなければなりません。 国の検討を受け、 安全性の確認はその後どのようになったのかお伺いいたします。
     次に分岐断層についてお伺いいたします。
     今申し上げましたボーリング調査で異常な地殻隆起の存在を発見した産総研の藤原氏らは、 最近の調査の分析から、 この地殻隆起がプレート境界から分岐した逆断層が東海地震に連動して起こしたものである可能性が高いことを発表されました。 また中部電力も総務部長の取り上げた昨年一月の国への報告書の中で、 産総研調査で発見された御前崎台地の地盤隆起を分析、 シミュレーションして藤原調査グループの分析結論と同様に、 分岐断層がプレート間地震に連動した可能性を推論しています。
     もし、 この産総研グループと中部電力の分析結果が正しいとすれば、 東海地震被災予想地区と浜岡原発の安全にとっては重大な事態となると考えられますが、 県当局はどのようにお考えになられているのか、 国の検討結果待ちということなのかお尋ねいたします。
     あわせて、 浜岡原発敷地内の分岐断層についてお伺いいたしますが、 中部電力が今まで浜岡原発の周辺には見当たらないとしていて、 最近の原発裁判でも強く否定していた分岐断層の存在を認めたことは、 今までの地震防災対策の見直しが必要になると考えられます。
     中部電力の浜岡原発の敷地周辺には分岐断層の存在はないという今までの主張は、 深部にわたるボーリング調査や海域調査に基づくものではなかったことが明らかになった今、 過去に多くの専門家から指摘されてきた浜岡原発敷地内H断層が分岐断層である可能性の調査及び敷地内地下の褶曲構造が活断層の連動と無関係か、 それらの調査を中部電力と国に強く求めることが、 県民の安全に責任を負う静岡県の務めではないかと考えますがお考えをお聞きいたします。
     次に、 地震と原発の安全についての公開討論会についてお伺いいたします。
     去る六月議会における我が会派の鳥澤県議の代表質問において、 東海地震と浜岡原発の安全性について公開討論会を求める声が非常に高いことを紹介し、 県のお考えをお尋ねしたところ、 知事は御答弁で開催を進める意思を示されました。 あれから三カ月、 開催の準備はどのように進行されているのかお尋ねさせていただきます。
     聞くところによりますと、 保安院は開催に積極的な言動とは裏腹に地元の熱意のなさを口実にして責任を静岡県に押しつけているようにも見られますが、 本当のところはどうなのでしょうかお答えいただきたいと思います。
     この際求められるのは、 国の動きを待つだけでなく、 静岡県が公開討論会の具体的な計画案を立て、 国が動かざるを得ない状況をつくることが必要だと思われますが、 知事と担当部局のお考えをお尋ねいたします。
     次に、 多文化共生社会と企業の責任についてお伺いいたします。
     今、 静岡県内の外国人登録者数は十万人を超えていて静岡県の人口の約二・六%にも上ります。 私の地元でも多くの外国人の方々が生活しており、 その数は働く場となる工場がふえるごとに比例して多くなってきています。
     そのような状況の中、 県では平成十八年度に静岡県多文化共生推進会議が設置され、 県内に在住する外国人と日本人が相互の理解・協調のもとに安心して快適に暮らす地域社会の実現を目指し、 いろいろな角度からの協議検討がなされてまいりました。 その静岡県多文化共生推進会議の提言を受け、 県内の外国人労働者とその家族が県内で生活するに当たり、 どのような労働環境を基盤としているのか、 企業側、 労働者側双方の実態を把握し多文化共生の施策の基礎資料を得るために、 外国人労働実態調査が行われ、 今年の三月にその報告書がまとまりました。 それを見れば、 以前に比べれば彼らの労働環境も大分改善されているとはいえ、 まだまだ厳しいことがうかがえます。 賃金の面でも、 日本人と比べまだまだ十分ではなく、 安価な労働力として期待している企業の意識がかいま見えてきます。
     外国人労働者を雇用する企業には、 それらの外国人が居住する地域や生活の場、 またはその環境に対し、 雇用している外国人はもとより周囲の日本人に対してまでも一定の責任があるのではないかと考えます。 報告書によると、 外国人労働者に対する教育や日本の生活、 文化指導などを実施している企業はわずか一割程度しかなく、 外国人労働者が日本の社会の中で生活するための実践的な指導はほとんど行われていないばかりか、 考えられてもいないことがはっきりわかります。
     そこで、 これだけ多くの外国人が生活している本県であるからこそ、 多文化共生における企業の雇用者責任について県が指導的役割を担う必要があると考えますが、 県の認識と今後の取り組みについてお伺いいたします。
     次に、 温暖化防止への県職員と県内市町村の取り組みについてお伺いします。
     今年度は洞爺湖サミットが開催され、 温暖化防止に対する機運が世界的に高まりつつあります。 七月四日にはこの本会議場においてG8北海道洞爺湖サミット記念シンポジウムin静岡県議会が開催されました。 私たち議員としても、 県民と一体となっての温暖化防止への気持ちを新たにいたしたところです。
     県では、 対外的には温暖化防止活動推進センターを中心にSTOP温暖化アクションキャンペーンやアースファミリー、 アースキッズの諸事業、 県みずからは静岡県庁地球温暖化防止率先行動計画に基づく省エネルギー行動やごみ削減の推進、 本館の屋上緑化、 公用車へのハイブリッド車の導入、 県有施設へのESCOの導入推進などさまざまな取り組みがなされており、 全国的にも先進的な事例としてそれなりの評価を得ていると聞いております。
     ところで、 先日のG8北海道洞爺湖サミット記念シンポジウムin静岡県議会において、 私たちは県民一人一人が家庭、 職場、 学校、 地域などのそれぞれの場において率先して行動を起こすという宣言をいたしました。 今、 私たちがその宣言どおりの行動を具体的にわかるように起こしていく必要があります。
     先ほど申し上げましたように、 県は施策として一昨年よりSTOP温暖化アクションキャンペーンを全県で展開しております。 今年度は千六百チーム、 八万人の参加を目標にしておりますが、 現在のところ九月十七日現在、 四百二十六チーム、 三万三百五十八人の参加にとどまっております。 ホームページでさまざまなチームのエントリーがされております。 個人の場合はわかりかねますが、 各企業が支店ごとや部門ごと任意のチームを結成して取り組んでおります。 庁内の取り組みと重なる部分もあると思いますが、 庁内での取り組みをエントリーしたり、 交通事故防止のためのセーフティーチャレンジラリー一五〇と同様に県の職員も率先して家族や同僚とチームで登録し、 それぞれが家庭で地域で取り組んでいる姿勢を県民に見せるべきではないでしょうか。
     できましたら、 知事御自身もキャンペーンに登録して率先行動を見せていただければと思うのですがいかがなものでしょう。 私自身も遅まきながら先日、 事務所の取り組みをエントリーさせていただきました。 議会も含めて県庁を挙げてこのキャンペーンへの参加を御提案する次第ですが、 県のお考えをお尋ねします。
     また、 先日の環境省の発表によりますと、 平成十九年十二月一日時点のデータではありますが、 全国の市町村の過半数が、 地球温暖化対策推進法で自治体に策定が義務づけられた実行計画をいまだ策定されていないと発表がありました。
     静岡県は、 大阪府、 島根県に次いで実行計画策定率は七六%で第三位となっておりますが、 未策定は十市町あります。 市町村合併の関係もあり、 一概に策定を推進できない理由があろうかと思いますが、 やはりすべての市町が実行計画を策定して取り組んでこそのものだと考えます。 調査後に策定が完了した市町もあり、 現在では未策定は九市町と聞いておりますが、 こうした市町に対し早期策定の呼びかけについてあわせてお尋ねいたします。  
     次に、 医師不足問題への対応策として病院の機能分担とネットワーク化による地域医療の確保について伺います。
     今、 医師不足が原因での医療崩壊が起こっていると日本全国から悲痛な叫び声が聞こえてきます。 日本の人口千人当たりの平均医師数は、 経済協力開発機構  OECD加盟三十カ国のうち、 二十七位と最低ランクにあります。 このOECDの平均的なレベルにするには、 まだ十四万人の医師が必要と言われています。 ここへ来て医師の総数は足りている、 ただ地域や診療科により偏在しているだけだと主張し続けていた日本政府も、 やっと医師不足を認め医学部の増員方針を打ち出してきました。
     このように、 先進諸国の中では最低ランクにある日本の中で、 我が静岡県の医師の数は皆さん御承知のとおり、 全国的にも低いレベルにあり非常に厳しい状況です。 特に小児科や産科・産婦人科の医師不足は、 全国の四十七都道府県別の人口十万人に対する医師数を見ても、 産科・産婦人科では三十八位、 小児科では四十四位と明らかに不足している状況にあります。 また県内の各自治体病院では、 慢性的な勤務医不足に襲われ、 連続三十六時間勤務などという声も聞こえ、 かなりせっぱ詰まった状況を実感させられるところです。
     今や医師不足問題は、 県民の生活に確実に襲いかかろうとしており、 一刻の猶予もない状況にあると感じております。 もちろん県もいろいろなメニューを用意して医師不足対策を積極的に進めていることは承知しておりますが、 現状をとらえ将来を見据えたときに、 これからの医療制度のあり方として二次医療圏の再編、 ネットワーク化は必要不可欠であり、 しかも早急に整備する必要があると考えられます。
     地域の基幹病院である自治体病院も、 総合病院として単独ですべての医療機関を持つことは困難になりつつあります。 これからは二次医療圏ごとにそれぞれの病院が役割分担、 機能分担をして全体として必要な医療を提供していくことが地域医療を守り、 また高度医療を提供できる最善の方法であると考えます。
     医療崩壊と言われる中、 県民は医療に関して大きな不安と、 ゆえに関心があります。 県がコーディネーターとしての役割を果たし、 病院の機能分担とネットワーク化を県民に安心な医療体制を提供するという責任感を持って早急に進めていく必要があると考えますが、 どのようにお考えかお尋ねいたします。
     次に、 メディカルスクール構想についてお伺いいたします。
     今も申し上げましたように、 医療崩壊の原因と言われるものは幾つも考えられますが、 主なところでは、 一九七三年に策定された一県一医科大学構想後の一九八七年からの医学部の定員数の削減、 二〇〇四年からスタートした新臨床研修制度や急激な医療費の削減、 医師の仕事量の増加と劣悪な労働環境、 また増加する医療訴訟の問題等々複合的にさまざま考えられます。
     この問題に対処すべく、 昨年末には県議会に静岡県医療水準向上推進議員連盟が立ち上がり、 さまざまな勉強会や講演、 また全国各地に視察へと精力的に活動を展開しているところでございます。 また一方では、 静岡市内に五年後の医大設立を目指して主婦や経済人が立ち上がり、 市民グループを設立して署名活動を展開し始めました。 静岡県は人口約三百八十万人の人口規模を誇る県ですが、 医大もしくは医学部は浜松医大ただ一校です。 人口百三十万人から百五十万人に一つの医大もしくは医学部と言われる考え方からすれば、 最低でももう一校は必要と言えます。
     私は、 医師不足に対応し、 また継続的な医師の供給システムとして医大もしくは医学部が県内にもう一校あるべきだと考えています。 そしてその大学は、 医学部以外の学部の卒業生を医師として養成する四年制の医師専門職大学院  メディカルスクールにできればすばらしいのではないかと考えています。 既に東京都はその構想に着手されていますが、 メディカルスクールは、 受験戦争を勝ち上がった偏差値エリートよりも、 人を診るための豊かな教養と目的意識を備えた人材育成に主眼を置き、 確かな臨床力を身につけた医師の養成を中心とした大学院です。
     確かに、 実現にはまだまだ高いハードルがあることも承知しておりますが、 医師不足対策としても有効であり、 また地域において新たな雇用も生み、 さまざまな経済波及効果も期待できる有益な事業であると考えますが、 メディカルスクール構想についてどのようにお考えかお尋ねいたします。
     次に、 県立高校の調査書改ざん問題について教育長にお伺いいたします。
     六月に起きた大分県での教員採用汚職事件では、 教育関係者のみならず全国の国民が、 まさかこんなところまで毒が回ってしまっているのかと衝撃を覚えた事件でした。 教員の採用や校長、 教頭のポストさえも金の対象になっているというひどい事件でした。
     県内におきましては、 教員採用に関して不正が行われたことはないと信じておりますが、 残念なことに県立高校の調査書の改ざん問題が発覚し、 教員に生徒の調査書の改ざんを指示した前校長が逮捕され、 その後の警察の捜査で、 前校長に現金を渡して調査書の改ざんを働きかけた疑いで地元の有力者である元市長までもが逮捕されるという、 前代未聞の汚職事件を起こしてしまいました。
     今回の事件の真相は、 今後司法の場で究明されることになろうかと思いますが、 教育委員会におかれましては、 今後、 このような事件が二度と起こらぬよう不正の入り込む余地のない公平公正な制度の構築に努めるとともに、 教育界の信頼回復に全力で取り組んでいただきたいと存じます。
     そこでお尋ねいたします。 校長という職は、 聖職として高い倫理観と良質な人間性が求められると思います。 今回の事件を受けて、 校長を登用の際の試験方法などに改善の必要があるのではないかと考えますがいかがお考えでしょうか。 また今回の事件の校長の任命権者として教育委員会にも当然責任があると考えますが、 教育者として子供たちや社会に対しどう責任をとられるのか、 そのお考えと対応についてお聞きいたします。
     次に、 不適格教師についてお伺いいたします。
     近年、 学校や教育現場に対し非常に厳しい視線が注がれております。 特に保護者の要求も複雑でしかも多岐にわたり、 一部では理不尽な苦情や要求が深刻化して、 教育の現場を混乱に陥れるような場合も見られます。 このような理不尽なクレーム等に対応するため、 県ではクレーム対応学校支援事業を今年度千三百万円の予算で実施しています。
     このように問題のある保護者がいる一方で、 ほとんどの教師がまじめに真剣に子供たちや保護者と向き合い、 教育や生活指導を行っている中にあっても、 不適格と言わざるを得ない教師がふえつつあるのも悲しい事実のようであります。 多くの保護者の方々と話をさせていただく中で、 そのような相談が非常にふえていますし、 そんなことをする教師がいまだに教壇に立っているのかと驚くこともあるほどです。
     ただ、 もちろん自分の子供に対して教師の対応へのひがみだったりねたみだったり、 個人的なエゴである場合もあるということは十分承知しております。 ただいずれの場合にしても、 早い段階でそれらの事実を把握し、 その問題が事実なのかどうかを見きわめた上で適正に対処する必要があると思います。 PTA、 校長、 教育委員会との三者で定期的な会議を実施し、 報告を義務づけるのも早期に子供たちを守り、 教師への指導も傷口が小さいうちに対処できる一つの方法かもしれません。
     今の県の指導力不足教員、 不適格教師への対応方法では、 現実的にはなかなかあぶり出されにくい形になっています。 なぜなら小中学校の校長が市町の教育委員会へその事実を通告してすべてが始まることになっているからです。 ほとんどの学校長はあと数年で定年となります。 できれば波風立てずに静かに最後まで勤め上げたいと思うのは人情です。 自分自身の指導力不足と見られることも避けたいでしょうし、 ほとんどの場合は、 ここのハードルをクリアできずに黙認されてしまうことも多いと思われます。
     県内のある定年されたばかりの校長に、 在任中に問題のあったある教師の話を訪ねると、 今なら言えるが、 彼は指導力不足・不適格教師だと思うとはっきりお答えいただきました。 このように現実と制度が合っていないのではないかと思われます。 被害者は子供たちになるわけですから、 そんな被害者を出さないために今の制度に対する認識と今後の取り組みについてお伺いいたします。
     最後に、 若手警察官の教育について警察本部長にお尋ねいたします。
     近年、 警察の不祥事が相次いでいる中、 警察に対する国民、 県民の信頼が揺らぎ始めているのではないかと老婆心ながら心配しております。
     私も、 多くの警察官の方々とお付き合いをさせていただいております。 そんな中で私には一つひっかかることがあります。 それは大体皆さん同じようなことを言われますが、 最近の若い警察官はだめ、 根性が足りない。 これくらいなら単なる愚痴で、 年を重ねた証拠かなと思えるわけですが、 自分たちがされてきた指導と同じことを今やったらみんなやめてしまうとか、 困難から逃げ出そうとするなどの声が聞こえてくるわけです。
     このことは、 警察官だけに見られる傾向ではもちろんなく、 現代の若者全体に言えることであると承知しております。 しかしながら国民、 県民の生命や財産を犯罪から守り、 そして安全な治安を維持する立場の警察官であるからこそ、 厳しい訓練や指導にも耐え、 肉体も精神も健全かつ屈強である警察官を育ててほしいと思いますし、 そうであると県民は信じたいわけです。
     最近では、 警察の仕事も多岐にわたるようになり、 慢性的な人手不足の中、 ハードワークを二十四時間こなさなければならない状況にあります。 しかも最近の傾向では、 総合病院のコンビニ診療と同様に警察がコンビニ苦情何でも相談所と化して、 何でもかんでもまず警察という状況に現場は振り回されて、 本来の業務に支障を来しているとも聞いております。
     特に、 新規採用に苦労されていることもあり、 新人や若者に対し現場レベルでは、 激務に追われ猫の手もかりたい中、 これ以上の人手不足を招きたくないばかりに、 一時に比べて非常に緩い指導になりつつあるとも聞いています。 もちろん度の過ぎた体罰的なものは許されませんが、 警察官という仕事に責任を持って当たれるための高次元の指導は当然必要であります。
     そこで、 最近の若者の傾向を踏まえた教育や指導についての現状と対策をお尋ねいたします。
     以上でひとまず私からの質問を終わります。 (拍手)
    ○議長 (天野 一君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  大石裕之議員にお答えをいたします。
     初めに、 富士山静岡空港についてのうち、 騒音問題についてであります。
     昨年八月、 県が地元と締結いたしました航空機騒音対策事業に係る協定は、 住宅防音工事や電波障害防止対策のほか、 開港後の騒音測定等の実施及びその運用方法を定める環境監視計画の策定に当たっての住民との協議を主な内容としております。
     まず、 協定に基づいて開港前に実施する住宅防音工事については、 現在対象となる住民の皆様と補助金交付の手続を開始しているところであります。 年度内には工事が完了する見込みであります。 また環境監視計画でありますが、 協定締結後、 騒音測定に係る回数や地点等を内容とする計画案を地元空港関係団体等にお示しし、 地元二市一町の住民の皆様の意見もお伺いした上でことし三月に策定いたしました。 今後は試験飛行に当たり、 住民へのチラシ配布や市町のウエブサイトにより周知徹底を図るとともに、 開港後の航空機騒音の測定地点について関係住民の意見を踏まえ修正していくことなど実効性のある対策を進めることとしております。
     県といたしましては、 引き続き地元の皆様の意見が反映されるよう地元空港関係団体及び周辺二市一町等と十分連携を図りながら、 航空機騒音等に係る調査や対策を着実に実施していく考えであります。
     次に、 多文化共生社会と企業の責任についてであります。
     外国人の労働環境をめぐる問題につきましては、 多文化共生の地域づくりを進める上での検討課題の一つとして、 静岡県多文化共生推進会議においても取り上げられ、 まず外国人の就労実態把握の必要性が挙げられました。 このため県では、 昨年度、 商工会議所や企業の協力を得て外国人の就労や生活の実態調査を行って、 この結果についての推進会議での議論を踏まえ、 現在商工会議所などの会議や研修の場を活用して調査結果とともに、 外国人の労働環境の実態とその改善の必要性に対する企業の理解の促進を図っているところであります。
     県といたしましては、 雇用者としての企業の責任についてさらに理解を深めていただきたいと考えておりますことから、 今後外国人労働者の雇用適正化憲章の制定など、 今月二日、 推進会議からいただいた提言の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
     次に、 医師不足問題への対応策についてのうち、 まず病院の機能分担とネットワーク化による地域医療の確保についてであります。
     医師不足の中、 県内の自治体病院においても休止あるいは廃止を強いられる診療科が生じており、 この対応策として各自治体病院等がそれぞれの得意な分野を充実させるとともに、 他の医療機関と連携を図ることで地域の医療資源を最大限に活用することが必要となってきております。
     しかしながら、 実際に病院の機能分担とネットワーク化を進めるに当たっては、 診療科の統廃合やこれに対する住民の理解、 医師派遣元である大学との調整など解決すべき多くの課題があります。 こうした課題は、 個々の市や町や自治体病院においては一朝一夕に解決できるものではないことから、 県といたしましては、 地域において行政や自治体病院、 郡市医師会などの関係者が協議を行う場を設けているところであります。
     今後とも、 地域医療の確保のため、 課題の解決に向けた具体的な方策の協議や調整を粘り強く行っていく考えであります。
     次に、 メディカルスクール構想についてであります。
     最近の全国的な医師不足につきましては、 本県におきましても非常に厳しい状況にあります。 そこでこれまでも国に対して浜松医科大学の定員増の要望を行うとともに、 奨学金の貸与や医療クラークの設置に対する助成などさまざまな医師確保対策を講じてまいりました。
     このたび国においては、 やっとと言ってもいいと思うんですけども、 安心と希望の医療確保ビジョンの中で医師養成数の増加方針を決定したところであります。 そういうような状況の中で、 大石議員の御紹介のありましたメディカルスクールのアイデアも、 医療関係者とか医療教育関係者から出てまいりました。 私もそのようなアイデアがあることを承知をしておりますし、 また東京都などではその設置についての検討をしているという報道も承知をしております。
     しかしながら、 メディカルスクールを含めて医師養成数を増加させる具体策、 例えばこれまでに打ち出されておりました既存の大学の医学部の定員増以外に、 新たに養成学校を認めるのかどうか、 医学部なり医科大学の新設を認めるのか、 これがいまだ明らかにされておりません。 いろいろ漏れてくる情報はどの程度の確度、 正確さであるかはわかりませんけれども、 既存の大学の収容定数増をまず優先して考えると、 そういうことだという情報もありますけども定かではありません。
     したがって、 本県としては国におきますどのような具体的な方針が固まってくるのか、 全力を挙げてその的確な情報をつかみ、 その上で適切な本県としての対応を図れるように一層努力をしていくつもりであります。 当面は緊急に効果の上がり得ると思われる医療クラークの設置であるとか、 あるいは医療の地域連携の強化による機能分担、 その他の緊急に用意できる方策、 県立総合病院にできるだけ医師を確保して、 これを地域の診療科の医師の不足しているところへ派遣をするなどですね、 緊急対策の充実も並行してやっていく考えであります。
     その他の御質問につきましては、 関係部局長、 教育長から御答弁を申し上げます。
    ○議長 (天野 一君)  岩ア空港部長。
            (空港部長 岩ア俊一君登壇)
    ○空港部長 (岩ア俊一君)  富士山静岡空港についてのうち、 交付金制度の創設についてお答えいたします。
     県では、 空港と地域の調和ある発展を図ることを目的といたしまして、 平成七年に隣接地域振興事業費補助金制度を設けて空港周辺自治体である島田市、 牧之原市及び吉田町等が行う地域振興事業に対して助成を行ってまいりました。 この制度では、 あらかじめ開港後五年間についても市や町の財政負担に対して必要な手当てを講ずることを定めておりますので、 開港後も関係市町の計画的な事業執行がなされるものと考えております。
     新たな交付金制度の創設については、 開港後も実施される隣接地域振興事業費補助金制度の進捗状況や効果などを見つつ、 空港所在地である島田市、 牧之原市と吉田町が抱える開港後の負担や関係自治体の公平性確保の観点をも勘案して、 検討を行うことが必要であると考えております。
     次に、 空港施設の災害復旧についてであります。
     県では、 空港の造成工事に先立ち、 地形改変に伴う防災対策の一環として合計十二カ所の調整池整備を順次進めてきたところであります。
     今回お諮りしております調整池の存在する地域は、 議員御指摘のとおり地すべりのおそれがあることを事前に承知しておりましたので、 その点を十分考慮して地すべり調査も実施の上、 設計を行い、 また施工に当たっても設計どおりの堅固な地盤であることを確認しながら、 慎重に工事を進めてまいりました。 したがって工事施工に問題はなかったと認識しております。
     しかしながら、 周辺の造成工事の進に伴いまして雨水の地下浸透が変化したことによって、 調整池完成後に新たな地すべり面がつくり出されたことが災害の原因と考えておりますが、 この点は設計時点においてはその変化を反映することは不可能であったと判断をしております。 事前に察知できなかったこととはいえ、 多額の復旧費が必要となったことに関しては反省すべきであると考えておりますが、 今後早急に復旧工事に取り組んでまいります。
     次に、 制限表面部分の適正な取得についてであります。
     空港西側周囲部の一部地域に制限表面を超える立ち木が存在しておりますが、 詳細については今後調査をすることとしております。 またその原因については、 事業認定取り消し訴訟との関係で、 現時点ではお答えできないことを御理解いただきたいと思います。
     県といたしましては、 現在その所有者の方に対して立ち木の除去についてお願いしているところであります。 また仮に立ち木の除去をしていただけない場合におきましても、 航空機運航上の安全確保について県として対応策を検討しているところであり、 今後必要に応じ所要の措置を講ずるとともに、 完成検査申請等の手続を進めていき、 開港に支障が生じないよう努めてまいります。
    ○議長 (天野 一君)  藤原総務部長。
            (総務部長 藤原通孝君登壇)
    ○総務部長 (藤原通孝君)  県立総合病院の不適切な預金口座問題についてお答えいたします。
     本県では、 平成十五年度に明らかになった事務所運営費問題等を踏まえ、 職員の倫理研修の実施、 内部監察組織や内部通報制度の設置、 さらには外部の有識者で構成する静岡県コンプライアンス委員会のアドバイスを受けながら、 職員の法令遵守の徹底と不正・違法行為の未然防止に取り組んでいるところであります。
     今回、 県立総合病院で発見された預金口座や現金は、 いずれも平成十年度以前に開設あるいは捻出されたものであり、 その費消につきましても平成十五年度以降は行われていないということでありまして、 県の一連の取り組みにより、 現在公金の取り扱いについては適正に執行されているものと認識をしております。 今回のケースは平成十五年度の全庁特別調査の際に明らかにされずに残っていたものであることは御指摘のとおりでありまして、 その際報告されなかったことにつきましては大変遺憾であるというふうに思っております。
     ただ、 このことにより今もなお不適正な経理が行われているのではないかという御心配を県民の皆様におかけしたと思います。 このことにつきまして深くおわび申し上げますとともに、 今後ともコンプライアンスに係る諸施策を推進し、 県民の皆様に信頼される県政運営に努めてまいりたいと考えております。
     次に、 浜岡原発についてのうち、 まず超東海地震に対する安全性についてであります。
     調査結果を発表された産業技術総合研究所の藤原氏自身も述べておられますけれども、 御前崎周辺の土地の大きな隆起現象は、 必ずしも超巨大な地震に結びつくものではないと認識しております。 またこの現象につきましては、 新耐震設計審査指針に基づき浜岡原子力発電所三、 四号機の耐震安全性評価の妥当性を審議しております国の耐震・構造設計小委員会が、 関心を持って中部電力に検討を指示し、 その説明を受けていることにつきましては、 本年六月議会でも御紹介したとおりであります。
     現時点におきまして、 まだ同委員会で耐震安全性評価に対する審議の結論を出すには至っておりません。 その結論が出ました段階で国からの説明を求め、 県としても必要に応じて事業者への要請等を行ってまいりたいと考えております。
     次に、 分岐断層についてであります。
     藤原氏が、 本年八月の日本第四紀学会で発表された内容は、 調査によって確認された御前崎周辺の隆起現象などを説明するために、 プレート内の高角度の逆断層を想定しているということでありまして、 東海地震との関連については言及しておられないというふうに認識しております。 また中部電力が昨年一月に国に提出した浜岡原子力発電所四号機の耐震安全性評価報告書では、 新耐震設計審査指針を踏まえて、 地盤隆起が見られる御前崎周辺に断層を想定して評価を行ったということでありまして、 プレート境界からの分岐断層が存在するとしたものではないと承知をしております。
     現在、 中部電力では、 新潟県中越沖地震で発生した事象を踏まえた国からの指摘に基づきまして、 浜岡原子力発電所の地下構造特性に係る既往の調査結果について、 信頼性の向上と知見の一層の充実を図るため、 敷地及びその周辺の地下構造特性調査を進めておりますので、 県としてはその結果が出た段階で国と中部電力に説明を求めてまいります。
     次に、 地震と原発の安全性についての公開討論会についてであります。
     昨年の新潟県中越沖地震において柏崎刈羽原子力発電所で発生したさまざまな事象や地震動の評価について、 現在国の委員会において真摯な討論と審議がなされている段階でございます。 またそれを踏まえて、 浜岡原子力発電所三、 四号機の新耐震設計審査指針に基づく耐震安全性評価の審議も、 現在公開で行われているところであります。
     これまでも、 原子力安全・保安院はこれら中央で公開のもと行われている審議が終了した段階で、 静岡県での説明会等を開催することを内諾しておりますので、 県としましては審議の終了を待って開催を求めてまいりたいと考えております。
    ○議長 (天野 一君)  稲津県民部長。
            (県民部長 稲津成孝君登壇)
    ○県民部長 (稲津成孝君)  温暖化防止への県職員と県内市町村の取り組みについてお答えいたします。
     地球温暖化防止の取り組みは、 我が国はもとより世界的な課題でありますことから、 県といたしましては、 平成十八年三月に静岡県庁地球温暖化防止率先行動計画を策定し、 県の事務事業に伴い排出される温室効果ガスの削減に努めてまいりました。 県職員が、 こうした職場で身につけた具体的な率先行動を家庭や地域においても実践し普及拡大していくことは重要であると考えております。 このため、 これまでも県庁エコオフィス推進会議や県庁新聞等を通じて、 職員のSTOP温暖化アクションキャンペーンへの参加を呼びかけており、 今後ともより多くの職員がこの温暖化防止活動に参加するよう促してまいります。
     また、 地球温暖化対策推進法に基づき策定が義務づけられている市町村の実行計画につきましては、 同法の施行後に県内のすべての市町村で実行計画を策定いたしましたが、 その後計画期間が満了したにもかかわらず、 現在九市町で改定がなされておりません。 市町村がみずからの事務事業に伴い排出する温室効果ガスを計画的に削減する取り組みは、 地球温暖化防止対策を推進する上で大変重要でありますことから、 引き続き計画の早期改定を働きかけてまいりたいと考えております。
    ○議長 (天野 一君)  遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長 (遠藤亮平君)  県立高校の調査書改ざん問題についてお答えいたします。
     県教育委員会といたしましては、 校長に登用する人物について学校教育法施行規則に定める校長としての資格を有し、 二年以上の教頭経験や原則三校以上の学校等への勤務経験を有することを推薦基準とし、 公立高等学校長等が推薦する者を候補者として選考してきております。
     この校長候補者の選考試験実施要項は、 平成十七年度末の試験から公表しており、 一次試験では書類審査のほか面接及び筆記試験を、 また二次試験では面接試験を実施して、 組織をリードするにふさわしい指導力と人格を備えた人物を選考してまいりました。 これまで面接試験には教育長である私のほか教育委員会事務局の幹部職員が当たってまいりましたが、 本年度からは新たに面接委員として教育委員に加わっていただくことで、 レイマンコントロール機能を一層高め、 公平性、 透明性の確保に努めてまいる考えであります。
     今回、 高い識見に基づき公平公正な立場で教育活動をリードすべき学校の責任者である校長が、 在職中にこのような事件を引き起こしたことについてはゆゆしき事態であり、 教育長として公立の学校に学ぶ生徒や保護者、 県民の皆様方に申しわけない気持ちでいっぱいであり、 その責任を強く感じております。
     今後は、 校長登用に当たって確かな資質を有する人物が選考できるよう一層の改善を図るとともに、 任命後の管理職研修を充実させるなどして、 より高い倫理観や使命感を発揮し学校教育をリードできる校長の育成を図り、 信頼の回復に努めてまいります。
     次に、 不適格教師についてであります。
     本県では、 授業や学級経営の指導力に課題のある者、 いわゆる指導力不足教員への対応につきましては平成十四年度から実施しており、 これまでに指導力不足教員として認定した二十人のうち、 五人が教壇から去っております。 またこれまでの申請の件数は少ないのではないかとの声を聞く中、 平成十八年十一月からは、 言動等教員としての資質に問題がある者にも対象者を拡大し、 校長が作成する申請書類の簡素化を図るとともに、 校長からの申し出がなくとも県教育委員会が問題ありと確認した教員を直接指名し再教育できるようにするなど、 制度を改善したところであります。
     現在、 管理主事等による学校訪問の結果や市町村教育委員会からの情報等をもとに、 対象となる教員を確認の上、 校長等との連携を図りながらさらなる実態把握に努めておりますが、 未熟な者がすなわち不適格な者ではないと考えておりますので、 経験の浅い教員を孤立化させることなく、 指導技術等を共有化することにより教員個々の能力アップを図るとともに、 学校の組織力を発揮させる体制づくりを一層進めてまいりたいと考えております。
     県教育委員会といたしましては、 議員御指摘のとおり指導力等に問題がある教員の存在は、 子供たちに大きな影響を及ぼしますので、 教職員倫理一一〇番や県民のこえ担当など通報・相談窓口の存在を広く県民にお知らせし、 保護者や地域の方々の声を随時受け付けることにより早期の把握、 早期の対応に努めてまいります。
    ○議長 (天野 一君)  原田警察本部長。
            (警察本部長 原田宗宏君登壇)
    ○警察本部長 (原田宗宏君)  若手警察官の教育についてお答えします。
     初めに、 現状についてでありますが、 本格的な大量退職時代を迎えて、 本年度には三百人余の新規採用が見込まれているなど新人警察官が急増しております。
     一方、 現下の厳しい治安情勢において複雑多様化する事案等に的確に対応するため、 第一線で職務執行を行う警察官には、 より高い能力と広い知識が要求されております。 こうした中で現場執行力を維持、 強化するためには、 これら新規採用警察官の早期戦力化を図ることが必要不可欠でありますことから、 警察学校や各所属においては、 警察官としての誇りと使命感などポリスマインドを醸成するための職務倫理教養や職務執行に必要とされる知識、 技能についての実戦的な教養のほか、 武道訓練等を通じて気力、 体力の充実にも努めているところであります。
     また、 警察学校において心理ケアを導入しているほか、 第一線警察署においては、 技能指導官や伝承官などを初めとするベテランやOBによる知識、 経験、 技能の伝承に努めているところであります。 これに加えて、 新人警察官の指導員には身近な目標としての年齢の近い若手警察官を積極的に指定することで、 新人警察官には早く一人前になるための自立心と目標達成意欲を高めさせるとともに、 若手指導員には指導上の経験の不足を補う自助努力と将来に向けての体験を蓄積させる等若手が若手を指導することで、 新人、 指導員双方の成長を促すなどそれぞれの資質等にも配慮しながら、 きめ細かな指導、 教養を行っているところであります。
    ○議長 (天野 一君)  一番 大石裕之君。
            (一番 大石裕之君登壇)
    ○一番 (大石裕之君)  再質問をさせていただきます。
     まず、 空港部長にお尋ねいたします。
     交付金制度の創設の部分なんですが、 開港後五年間については現制度で、 それ以降は実績効果等を見つつ公平性の観点も踏まえて検討していくということでございますが、 もう開港は目前に迫っているもんですから、 これ、 地域の人間といたしましては、 その後どうなるのか不安が残るという状況は決してよくないだろうと思っております。
     ですから、 そのじゃあ検討されるという具体的な時期、 タイムスケジュール的なものをお示しいただければと思います。 お答えいただければと思います。
     それと次に、 空港施設の災害復旧に関して質問いたします。
     今回の災害復旧はですね、 知事も議案説明の中で、 豪雨の定義、 豪雨による災害復旧だというようなことでお話がございました。 豪雨による災害復旧だということですべてが許されるということではもちろんありません。 豪雨の定義というものを私、 静岡気象台に問い合わせて調べました。 豪雨というのは、 一時間ごとまたは三時間ごとの少なくともどちらか一方が、 大雨警報の基準を超える場合というのが豪雨の定義だそうでございます。
     この大雨警報というのは各地域によって違います。 静岡空港の今回の調整池のある牧之原市の基準というのは、 平たん地で一時間六十ミリ以上、 それ以外は一時間八十ミリ以上というのが大雨警報の基準だそうでございます。 平たん地ではございませんので、 一時間に八十ミリ以上の雨が降った場合に大雨警報の基準ということになります。
     今回のこの工事の雨量を見てみますとですね、 最高でも一時間雨量三十八ミリでございます。 その次が二十九ミリということで豪雨というには遠く及ばない状況だと思います。 これは豪雨による災害復旧というよりも、 雨による災害復旧というかそういう状況にあると思いますので、 そこのところを改めてもらう必要があるのかなあというふうに思います。
     そして、 普通では今回のことはなかなかあり得ないんじゃないかというふうに思いまして、 私もちょっと調べてみました。 平成十八年の一月一日から平成二十年の九月、 今月の当初ぐらい現在で、 建設事業費が一億円以上の土木・農林・水産施設で、 建設後一年以内に災害復旧を要した箇所があるのかというのを調べてみました。 少なくともこのさっき言った十八年から現在まで、 この三年間には一カ所もありません。
     ということは、 今回のことは非常に異常事態であるということだと私は認識しておりますので、 先ほどの話では施工には問題がなかった、 設計にも問題がなかったということでございますので、 ということは管理者である県の責任だということを言っていただいたと認識しておりますが、 これはどこに問題があったかというのをしっかり明確にした上でないと次に生かせないと思いますので、 管理者である県のどこに問題があったのか、 もともとの設計というか依頼した中身が悪かったのか、 お金を削り過ぎたとか、 いろいろあるかもわかりませんが、 そこの認識をどう考えていらっしゃるのかお聞きいたします。
     そして、 これは知事にぜひお答えいただきたいと思いますが、 制限表面部分の適正な取得に関してでございます。
     この制限表面部分の今回の立ち木の問題もですね、 まず一点目、 知事はいつの時点に認識されましたのかということと、 その時点から裁判の中、 九月十一日に裁判がありましたが、 その中で県が初めてこの問題を認めたわけなんですが、 それの間にですね、 議会に報告もなければマスコミにも発表がなかったというのは、 それはどういう理由なのか。 そしてそれまでの間、 地すべり対策としてすべて対応されてきたと思うんですけれども、 その地すべり対策として対応されたという理由もあわせてお尋ねさせていただきたいと思います。
     それから二点目、 所有者に立ち木の除去をお願いしているというようなお話、 昨日の答弁でも何回かございました。 この立ち木の除去をお願いしているという、 この言葉だけとらえるとですね、 ここにある種のごまかしが非常に感じられるんです。 皆さんに誤解を与えてはいけないので確認をさせていただきたいんですが、 まず地権者の方によりますと、 県からの接触は八月三十日に知事が突然地元の町内会役員の方の案内で地権者の御自宅に出向かれたというのを最後に、 その後一切の接触はないということでございます。
     このときも結局、 地権者が不在で会えなかったということですが、 もともと九月十一日の裁判で立ち木の存在を認めるまでは、 県側はあくまでこの立ち木は問題なし、 空港の障害にはならないという前提ですべてを進めてきたわけですから、 制限表面部分の立ち木問題としての除去のお願いではなく、 あくまで地すべり対策としての除去をお願いしてきただけだということでございます。 制限表面部分の立ち木の問題としての除去をお願いしたことは一度もないはずなんです。
     県が初めて立ち木の存在を認めたのが九月十一日の裁判で、 知事の突然の訪問の八月三十日以降は接触が全くないわけですから当然そういうことになります。 地権者もそこの問題点をはっきりとさせてもらえない以上は、 うやむやの中では応じられないとこれまでされてきましたから、 ただ除去をお願いしてきたとだけ言われると、 議員の皆さんや県民の皆さんに大きな誤解を与えてしまうので、 除去をお願いしてきた、 それはどういう理由として除去をお願いしたのかということを明確にお答えいただきたいと思います。
     そして三点目でございます。 知事の記者会見で、 今回立ち木が伸びたから問題化したとおっしゃっておるというのを報道で確認しております。 それにはちょっと説明に無理があるというふうに思われます。
     あの立ち木は、 樹齢四十年から五十年近いヒノキでございまして、 ある県内の林業従事者に直接私お話を聞きました。 これぐらいの樹齢ですと、 環境が幾らよくても年に一メートルぐらいしか成長しないということですから、 時間的な問題で整合性に大きく欠けるんだというふうに思われます。 百歩譲って、 もし知事が記者会見で述べられたように、 木が成長したから新たに収用する必要が生じたというのであれば、 あの空港は山合いにある空港ですから、 今後も空港周辺で木が成長して新たに収用の必要が出てくる、 そういう可能性のある空港だということになるんでしょうかどうかお答えいただきたいと思います。
     四点目です。 今回の立ち木問題はですね、 空港の事業認可をめぐる裁判があるので測量ミスかどうかはコメントできないというふうに言われておりますが、 そうなりますと、 裁判が終了するまで県民に対して説明責任を果たさないということになってしまうのではないかというふうに思われます。 多額の税金を投入している事業でもありますので、 県民に対しての説明責任についてどのようにお考えになるのかぜひお答えをいただきたいと思います。
    ○議長 (天野 一君)  岩ア空港部長。
            (空港部長 岩ア俊一君登壇)
    ○空港部長 (岩ア俊一君)  大石議員にお答えいたします。
     まず一点目の、 交付金制度の今後の検討スケジュールについてでございます。
     本補助金制度につきましては、 あらかじめ開港後五年も含めまして事業を執行するということで企画立案されているものでございます。 当然開港後もさまざまな事業というものが今後予定されているものでございまして、 そういう開港後の具体的な事業等も見据えながら、 スケジュールを検討していくことが必要になっていくのではないかというふうに考えております。
     いずれにいたしましても、 先ほど答弁申し上げたようにいろいろな観点からの検討をする必要があると考えておりますので、 そうした検討の中でどのタイミングでどのように検討していくかということにつきましても考えてまいりたいというふうに考えております。
     それから次に、 災害復旧工事についてでございますけれども、 今回の災害復旧につきましては、 雨水の地下浸透経路というものが変化したと。 この部分について、 それによりまして新たに地すべり面が形成されるという想定外の事由でございます。 これにつきまして設計段階で設計の中に組み込めればよかったわけでございますけど、 なかなか現在の設計技術等からいたしまして、 ここまで想定することは不可能だったというようなことだというふうに承知をしております。
     いずれにいたしましても、 このように災害復旧がすぐに必要になったということは非常に申しわけないことであるというふうに考えておりますので、 しっかりと災害復旧工事に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
     それから次に、 立ち木につきましてこれを地すべり対策としてこれまでお願いをしてきたという点でございますけれども、 制限表面に抵触する立ち木等が存在する地域というのは、 いわゆる地すべりが十分に想定される地域ということでございます。
     私ども県といたしましては、 支障物件の除去に合わせまして地すべり対策としてやはりこの地域というものをしっかりと、 地すべり対策を講じておくことが地域の社会のためにも必要だろうということで、 地すべり対策の一環としても支障物件を除去していただけないかということで、 所有者の方にお願いをしてきたところでございます。
     また、 これまで地すべり対策としてもぜひお願いをしたいということで、 地権者の方々にいろいろお話はさせていただいたところでございますけれども、 具体的にどのタイミングでどのようなことをお話させていただいたかということにつきましては、 これにつきましては細かい調整中の事項でございますので、 詳細については答弁は控えさせていただきたいと思います。
     また、 支障となります立ち木が存在することになった理由でございますけれども、 測量後に立ち木が成長したという部分も一つの要因であるとは推定しておりますけれども、 それ以外の要因、 これにつきましては、 先ほど答弁させていただいたとおり、 事業認定取り消し訴訟の関係から現時点でお答えはできないということを御理解いただければと思っております。
     また、 いずれにいたしましても、 この事案につきまして事業認定取り消し訴訟の関係でお答えできない部分がございますけど、 当然事業認定取り消し訴訟で被告の主張でございますが、 そういうものがある程度固まった段階におきましては、 事業認定取り消し訴訟の関係で県民の方々にしっかり説明できるような状況になりましたら、 その段階で改めて質問をしていただければというふうに考えております。 (発言する者あり)
    ○議長 (天野 一君)  一番 大石裕之君。
            (一番 大石裕之君登壇)
    ○一番 (大石裕之君)  知事にぜひ御答弁をいただきたいというふうに思いますが、 先ほどの災害復旧の件でございますが、 私も現場を見に行きました。 これはですね、 約五・七億円で整備した調整池の四方のうち一面が崩れていて、 その復旧工事だけで四億円の工事費がかかってしまうという事態になっております。 今さら復旧工事は必要ないと申し上げるつもりはもちろんありませんが、 多額の税金が余分に必要になってしまったということですから、 二度とこのようなことがないことを強く要望をいたします。
     先ほどの空港部長の答弁もですね、 わかったようなわからないような感じだったもんですから、 これ以上突っ込んでも多分同じような答弁が返ってくるんだろうと想像ができますので、 これ以上こういうことがないように要望させていただきます。
     あと制限表面部分の適正な取得に関してでございますが、 今回のこの立ち木の問題はですね、 私自身も早く解決させるべきだともちろん思っております。 私が今回の質問で言いたいのは何かといえば、 問題の先送りはですね、 ある種の隠蔽体質が見受けられるんだと、 ごまかしで物事を進めようとすると結果としてこのようになってしまうということでございます。 ですからもっと誠実に事に当たってほしいということを申し上げたいわけでございます。
     今回、 一部の方はですね、 今回の問題を地権者の責任にしてしまおうとされている方々がおられるように、 いろいろ幾つか事象を聞いております。 これはしかし県が平成十八年度に強制収用を行って、 みずから立ち木の場所を残地として残したのは紛れもない事実ですから、 県側のミスは、 失態は明らかでございます。 裁判の状況はあるにしても、 謝罪するべきは謝罪をして謙虚な姿勢で話し合いに臨むべきだと考えます。 それが唯一円満な解決につながると確信しております。
     また、 そのことが計画どおりの開港に導き、 広く県民の利益になることだと思いますので、 ぜひとも知事が率先してそのように対応していただきますように要望させていただいて私の質問は終わります。 (拍手)
    ○議長 (天野 一君)  これで大石裕之君の質問は終わりました。
     以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
     次会の議事日程を申し上げます。 十月一日午前十時三十分会議を開き、 質疑及び一般質問を行います。
     本日はこれで散会いたします。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp