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ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和2年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

阿部 卓也 議員

質問分類

代表質問

質問日:

12/04/2020

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について
(1) 新型コロナウイルス感染症対策
(2) リニア中央新幹線整備への対応
(3) 令和三年度当初予算編成
2 コロナ禍での地域外交について
(1) 外国人一〇〇人会議開催
(2) 韓国との地域外交
3 組織改編について
(1) 感染症防疫専任組織の常設
(2) デジタル局の新設
(3) 専門職職員の採用拡大
4 二十一世紀を担う環境政策について
(1) 次期環境基本計画
(2) リソーシング産業の育成
(3) 生物多様性の保全
(4) グリーンボンドの導入
5 駿河湾フェリーの今後の在り方について
6 サクラエビの資源保護について
7 水害対策の「流域治水」への転換について
8 新時代の教育改革について
(1) GIGAスクール教育に対応する現場人材の確保
(2) STEAM教育の公立高校への導入
(3) 教育長の描く新時代の教育改革の姿
9 信号機に頼らない交通安全対策について


○副議長(良知淳行君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、六十七番 阿部卓也君。
       (六十七番 阿部卓也君登壇 拍手)
○六十七番(阿部卓也君) 皆様こんにちは。
 私は、ふじのくに県民クラブを代表して通告に従い知事、副知事、関係部局長、教育長、教育部長、警察本部長に一括質問方式で質問及び提言いたします。
 初めに、知事の政治姿勢について伺います。
 激動の令和二年も師走となりました。間もなく年の瀬の風物詩となった今年の漢字が発表されますが、私が静岡県の今年の漢字を選ぶとしたらコロナ禍の禍――もしくはわざわいと読みますが――とニア工事問題で揺れる大井川の水、この二文字を選びます。偶然ながらこの禍と水の二文字は老子の思想にもつながるものがあると感じています。
 人類は長い歴史の中で多くの感染症と闘い何度かのパンデミックを乗り越えてきました。人類はパンデミックを生き延びるたびに飛躍的に科学技術や文化などの英知を伸ばし人類史を刻んできました。今回の新型コロナウイルスとの闘いでも科学者たちは僅か二週間で新型コロナウイルスを見つけゲノムの配列解析を実施し感染者を確認する信頼性の高い検査を開発しました。人類の英知を信じるならば今回もこのパンデミックを生き延び、さらなる進化を手に入れることになるでしょう。
 ただし、ユヴァル・ノア・ハラリがその著書で警鐘を鳴らすように最大の危険はウイルスではなく人類が内に抱えた魔物たち、すなわち憎悪と強欲と無知だという落とし穴はあります。
 老子は禍福倚伏という禍の中に福があり福の中に禍が潜んでいるという言葉を説いていますが、その相反する可能性が不安定に存在し顔を出すこのコロナ禍においては禍の中の福を見つけ福の中の禍を除くためにも政治が果たす役割は大きいと痛感しています。
 現在の状況を見ると責任の所在を押しつけ合い一方的な権利の主張、誹謗中傷などなどまさにハラリが指摘する人類の内なる魔物がかいま見えます。パンデミックとは単なる感染症ウイルスとの闘いではなくこの人類の内なる魔物との戦いでもあるのです。川勝知事はどのような信念と哲学を持ってこの戦いに臨まれているのか、心の内をお聞かせ頂きたいと存じます。
 あわせて、現在の患者の状況を見ると十二月三日現在で入院患者が百八十九人で確保病床数三百五十三に対して五三・五%となりました。さらに注目すべきはそのほかに自宅待機者が二百六十六人もおられて入院患者数と合わせると四百五十五人となり、現在の確保病床数どころか確保目標数の四百五十床を既に超えているという緊急事態になっています。
 今まさに一刻の予断を許さない医療体制を守れるか否かの分水嶺に来ていると感じていますが、この勝負の十二月静岡県から国へ提言すべきこと、静岡県が自ら判断し行動すべきこと、県内市町へ県としてすべき対応方針について現時点で整理されている状況並びに知事の所見を伺います。
 もう一つの漢字、水は上善如水、「水は善く万物を利して争わず衆人の悪むところに処る、ゆえに道に近し」であります。意訳すると、水は万物の命をつなぐ大切なものでありながら衝突や争いを避けて柔らかくしなやかに形を変えて流れ人の嫌がる場所であっても下へ下へと流れてゆく。これぞ人として最上の生き方であるということですが、これ一見すると謙虚、見方によっては卑屈にさえ感じますが老子の言葉は続きます。「天下の至柔は天下の至堅を馳騁し無有は無間に入る」つまりは柔らかくてしなやかな水は時には岩をも砕く力を持つ。また僅かな隙間があればしみ込む、つまりチャンスがあればそのチャンスを逃さない。実はすごい力を秘めた存在が水であり、人としてもかくあらねばならないと言っているのだと思います。
 現在静岡県がJR東海と粘り強く交渉している大井川の水問題は、まさに上善如水とできるか否かの話合いだと感じています。
 川勝知事に少々苦言を呈しますが、川勝知事の比肩できぬ勉強量、知識、現場に行き現場の声を聞く行動力、正義と勇気を大切にする心、イノベーションを起こす創造力はまさに世界に誇るふじのくに静岡県の知事の凜として立つ姿だと感じています。ただ時に奔放過ぎる言動や個人に対する直情的な強き言葉がそのリーダーとしての尊厳や資質を揺るがせてしまうときがあることも事実です。
 現在進行中のリニア中央新幹線工事は日本の誇る英知や技術力の塊でもあり、大井川流域の生活や地球の大切な財産でもある南アルプスの自然を守ることなど様々な要因が存在します。まさに川の流れに岩や障害物があるようなものです。時には曲がり時にはしみ込み時には岩をも砕くという選択を流れの中でリーダーはしっかりと考えてゆかねばなりません。
 川勝知事の思いの強さはよく理解できます。理解できるゆえにこのリニア問題が水を論ずる以上、正義と力を持ちながらも柔軟に低きに流れる上善如水の心境で事に臨んでいただきたいと切望いたします。まずは今後の知事のあるべき所作についての思いとリニア問題解決に向けての決意を改めてお伺いいたします。
 また、過日我が会派は長野県大鹿村のリニア工事現場の視察を行いました。長野県では既に工事が進行中ですが建設残土が用途、行き先が決まらないまま期限を超えて仮置場に積み上げられている現状、工事による水がれの危惧がある場所についても何らの補償問題などに関する協定がないだけではなく話合いすらも持たれていないという現状に愕然といたしました。このような状況を知れば知るほど静岡県民としてはJR東海さんに対する不信感が募るのは致し方ないことだと痛感いたしますし、静岡県がここまで表明してきた危惧は間違っていないという確信も深めた重要な視察となりました。
 さて、この長野工区、そして山梨工区ともに実は工区の範囲が静岡県内に入り込んでいます。一般的に各県工区は各工区ごとの決め事になると認識していますが、今回の大鹿村の現状を見て静岡県に入り込んだ工区部分の様々な対応について心配であります。早急にJR東海に詳細説明を求めるべきと感じますが所見を伺います。
 次に、令和三年度当初予算編成について伺います。
 コロナ禍での厳しい財政状況下においての令和三年度予算編成全般について会派として取りまとめた緊急版の予算要望、事業見直し提案を先日佐藤政策推進担当部長にさせていただきました。この中で大規模県事業の見直し対象のうち、特に遠州灘海浜公園野球場建設については経済界を含む地元要望も強く来年度基本計画策定を求めるものであります。また同じく県立中央図書館の新設も様々な工夫をしながら速やかな整備を求めるものであります。
 一方で、事業規模の縮小や事業費の削減が可能と思われる事案についての具体的提案もさせていただきましたが、これは予算編成においてのめり張りを例年以上にはっきりつけてゆくべきというメッセージでもあります。知事の予算編成方針についてお伺いします。
 次に、コロナ禍での地域外交についてお伺いします。
 九月議会代表質問で、コロナ禍でのウェブ等を活用した地域外交についての県の考えを伺いましたが今回はより具体的な今できる地域外交についての提言をさせていただきます。
 まずは、こんなときだからこそ多文化共生先進県を自認する静岡県としては地に足の着いた足元地域外交を実施すべきと考えます。具体的には県内外在住の外国人の皆様に呼びかけて外国人から見たコロナ禍の静岡県がどう見えてどう感じているのか、またコロナ禍の多文化共生や地域外交の在り方などについてアイデアとアクションを話し合う場としてのプラットフォーム――ふじのくにワールド百人会議をつくったらどうでしょうか。まちづくりの本質とは参加者自らが考え、そして他人任せにせず自分たちが行動し周りを巻き込んでまちづくりのムーブメントをつくることではないかと思います。それは外国人であっても同様です。また会議はオンラインでもできますのでこれならコロナ禍でもできると考え提言いたします。
 次に、韓国との地域外交についての提言です。
 日韓関係は現在も決して良好とは言えないと感じていますが、だからこそ逆に地域外交の出番だと考え対韓国地域外交について二つの提言をいたします。
 一つ目は、韓国は行政のデジタル化の先進国であり中央政府と地方自治体が一体的にデジタル化を進めてきましたので、静岡県が友好提携している忠清南道などに県のデジタル化を推進するに当たり情報提供、意見交換をお願いすべきと考えます。
 二点目は、政府間での日韓関係がぎくしゃくしているとはいえ実は両国の若者同士の間のわだかまりはあまりないように感じます。そこで県内の若者同士が様々な形で交流できる機会や意見交換会などを開催し、次の時代の日韓関係を静岡県から築いていくべきと考えますが所見を伺います。
 次に、組織改編について三点提言いたします。
 最初に、感染症防疫専任組織の常設について提言します。
 現在感染症対策については、健康福祉部の疾病対策課と部内の応援職員などで構成する新型コロナウイルス感染症対策チームによって対応に当たっていますが、疾病対策課は感染症以外の業務もあり、対策チームにおいては県の組織上正式に位置づけたものではないのでチーム内での決裁等の意思決定や契約行為ができないという課題があります。九月一日付で感染症対策担当理事が配置されましたが、今後継続して新たに生ずる課題に迅速に取り組むために指揮命令系統、権限なども備え感染症対策を一元的に担う専任組織を整備し直すべきと考えますが所見を伺います。
 次に、デジタル局の新設について提言をいたします。
 政府は来年九月にもデジタル庁の新設に向けて準備を進めています。静岡県としても時を同じくして県のICT化を一元的に担い国のデジタル庁に対応できる組織を新設すべきと考えます。
 我が会派では、十年ほど前から静岡県のICT化推進のためCIO補佐官導入や体制の強化について度々提言を繰り返してきましたが、現状を見るとこの分野の対応は鈍くいまだ不十分であると断言せざるを得ません。ゆえに今般の国を挙げてのデジタル化推進の波に乗り遅れることは許されず、県として抜本的な組織改革を断行すべきと強く申入れます。
 ただし、やみくもにデジタル局を新設すればよいというわけではなく、以下の五つの要件を踏まえての設置を計画すべきだと考えます。
 第一に縦割りの弊害などで組織の機動性が阻害されないようにすること。第二にCIO補佐官を常勤として民間や大学研究機関などから登用し同時に必要な人材を庁内外から登用しCIOチームを構成すること。第三に人事異動もスペシャリストの養成のための配慮をすること。第四にKPI――重要成果指標を設定し評価基準や問題点の洗い出し、原因分析などを明確にできる組織づくりをすること。第五に関係機関とも連携して県内のデジタル人材の育成策を強化していくこと。またデジタル局の新設に際しては近年世界電子政府ランキング上位である韓国は行政制度も類似しており参考とすべきです。
 また、ちなみに韓国はICT化推進の初期に情報通信大臣に情報分野の博士号も持つサムスングループの社長を登用しましたし、台湾ではオードリー・タン氏が起用されるなど適材適所の積極的な外部登用が実を結んでいます。何事も最初が肝腎という言葉があるように、スタートから大胆な組織構成となる改編を断行するよう強く要望し所見を伺います。
 次に、専門職職員の採用拡大についてでありますが、今述べたようにIT関連の専門職の採用は必須と考えますが各分野の専門職職員の採用は今後積極的に行っていく必要があると思います。
 例えば、コロナ禍における誹謗中傷対策や大規模自然災害時の法的手続などを想定したときに弁護士資格などの資格を持つ職員がいればスピーディーな対応が可能です。その他各分野の専門性を鑑みての採用計画を立てるべきと考えますが所見を伺います。
 次に、二十一世紀を担う環境政策について提言いたします。
 我が会派は、政策集団として直面する課題解決はもちろんですが常に次の時代をにらんだ政策立案について調査研究を重ねてまいりました。その中で今年特に力を入れているのが環境を軸にした次世代型政策です。
 コロナ禍の現在世界に目を転ずると、アフターコロナ時代を牽引するのはサーキュラーエコノミー――循環型経済政策だと言われています。欧州が先導していますが、SDGsを実践する経済政策プラス社会環境政策と理解頂くと分かりやすいと思います。また環境政策には当然ながら純粋に自然を守るための政策分野もございます。自然環境は一度失われてしまったら取り返しのつかない状況に追い込まれている事例も多く、地球が育んできた自然を人類の宝物として時には経済活動よりも優先して守っていくという英明なる価値観が世界の潮流となってきています。これらの環境関連の政策をいかに静岡県で具現化していくかを今こそ考えねばなりません。環境の世紀と言われる二十一世紀の政治を担う我々の責務であると痛感します。
 そこで、以下四点について提言をいたします。
 まず、令和三年度に策定作業に入る次期環境基本計画についてでありますが、今後の環境政策は地球レベルで考えかつ先ほど紹介した経済とも連動したサーキュラーエコノミーと完全にリンクしたものでなければならないと考えます。とすれば現在の環境基本計画を一部改定するというようなレベルではなく、かなり本格的な作業が必要であろうと我が会派の政策研究の中でも痛感しています。
 そこで、次期環境基本計画の策定作業についてはSDGsなどの世界の環境政策の潮流も見逃すことなく早めに作業に着手すべきと考えますが所見を伺います。
 次に、静脈産業、特にリソーシング産業の育成についてでありますが、経済産業省は五月、循環経済ビジョン二〇二〇を取りまとめ、その中で特に循環性の高いビジネスモデルへの転換のために静脈産業の果たす役割の重要さを説き、あらゆる使用済み製品を可能な限り高度な素材に再生するリソーシング産業の育成をうたっています。
 そこで提言ですが、静岡県としてこのリソーシング産業を育成するために分散する静脈産業群を、東京都などが整備したスーパーエコタウンなどを参考にふじのくにフロンティア事業なども活用して戦略的に工業団地にまとめリソーシング産業の育成をすべきと考えます。またまずは既存の工業団地の中に高度な技術力を持つリサイクル企業を組み込んでいくだけでも循環型産業形成の第一歩になると考えますが所見を伺います。
 次に、生物多様性の保全についてであります。
 本県は、生物多様性条約COP10に基づくふじのくに生物多様性地域戦略を二〇一八年に策定いたしました。伊豆半島、富士山、南アルプス等を特徴的な地域として環境保全に取り組んできたところですが、今年改訂された静岡県レッドデータブックでは絶滅危惧種が前回の九から十二に増加しています。SDGsのゴールフィフティーン、陸の豊かさも守ろうでは生物多様性保全とそのためのあらゆる資金源の確保などもターゲットとしており、本県としてよりよい資金調達手段も含めて綿密な対策を講じていく必要があると考えます。
 特に、南アルプスは氷河期から生き残った希少な動植物が生息しており二〇一四年にはユネスコエコパークに登録された世界的に希少な自然環境の宝庫です。近年はリニア中央新幹線の工事関連でより注目度が高まっていますが、この南アルプス地域の生物多様性を保全していくことは静岡県の責務でもあり、早急にこの南アルプス地域の保全のために調査研究や現地の環境保全策を講じることに特化した施策を組み立てるべきと考えます。所見を伺います。
 最後に、グリーンボンドの導入について提言いたします。
 循環経済はSDGsの様々なゴールに直結するテーマであり、主要な金融機関においてESG投資の対象として注目されています。その投資ツールの中に既に他県での導入事例があるグリーンボンドがあります。グリーンボンドによる資金調達の使途は気候変動対策、自然環境保全、生物多様性保全、環境汚染対策などがありますが、静岡県としては南アルプスの環境保全関連事業や林道整備、山小屋整備や気候変動による水害対策なども対象にできると考えます。静岡県の環境政策を世界に広くPRする意味でもグリーンボンドの導入を図るべきと考えますが所見を伺います。
 次に、駿河湾フェリーの今後の在り方についてお伺いいたします。
 我が会派ではコロナ禍による県財政の迫する状況を鑑み来年度予算編成に向けて心を鬼にしてより厳しい事業見直し作業を行ったところでありますが、駿河湾フェリーについても厳しい評価となりました。しかしながらこの路線は西伊豆の皆様にとって災害時は命の道となる重要な路線であることと、二〇一三年に我が会派の提案により日本でもごく珍しい海の道、県道二百二十三号認定を実現させ富士山世界遺産認定への一助となり、観光路線としての活路を開いたことに関しては今も高い評価と必要性を感じているところであります。
 そこで、この駿河湾フェリーに関してはまだまだ基本的な検証と工夫の余地が多いと感じていますので幾つかの具体的提案をいたします。
 第一に、近年乗船者の減少の大きな理由に伊豆縦貫道の延伸が上げられることは疑う余地もありません。今まで時間的短縮が一つの大きな魅力でありましたが、伊豆半島への高速道路での移動時間が短縮され高速代金プラスガソリン代と乗船料金を比較したときに人数によっては三倍もの料金がかかるのでは客足が遠のくのは必然です。現在の半額キャンペーンで客足が伸びているのはまさにその証明であり、キャンペーン終了後もしっかりと高速道路利用時料金との比較での検証を行い現在の車一台プラス人数分の料金方式の見直しなど通常料金の再設定が必要だと考えます。
 第二に、観光路線としての側面で考えると、海からの富士山の景観以外の魅力づくりとして美術館の企画展のように船そのものにテーマを設定して船旅がより楽しめる空間づくりをしたらどうかと考えます。静岡県の豊かさをヒントにすればアイデアは無尽蔵だと思います。
 第三に、乗船料以外の売上げをいかにつくり出すかです。静岡市―伊豆半島間の物流需要の洗い出しはもちろん物販収入、船室ラッピング、ネーミングライツ、マニア向けに船や港の老朽資機材の販売など稼げるものや稼げることを見つけて徹底的に展開すべきです。また船の耐用年数は残り六年程度とお聞きしていますが、その後の駿河湾フェリーをどうするかについても今から議論すべきです。
 経営状況が改善できないときは六年後撤退のシナリオも選択肢としなければならないと感じています。静岡県の駿河湾フェリー運航の黒字化に向けた考えとフェリーの船体寿命を見据えた今後の検討スケジュール、検討内容についてお考えを伺います。
 次に、サクラエビの資源保護について提言いたします。
 静岡県が誇る駿河湾の名産サクラエビの資源問題については誰もが心を痛めている問題であります。秋漁に関しての漁獲を見る限りやや復調の兆しはあるものの平常時の漁獲と比べると厳しい数値であることには変わりありません。この間の漁協の皆様の操業自粛や県の水産・海洋技術研究所等のサクラエビ資源管理のための努力には心から敬意を表します。
 ただ、現状を鑑みこの不漁の一因とされる気候変動による湾内海流の変化などのことを考えると資源保護のためにできることは考え得る限りしておくべきと思います。
 そこで提案ですが、現在水産庁におきましては平成三十年十二月に公布された新漁業法の下新たな資源管理システムを推進することとし、当面の目標と具体的な工程を示したロードマップを決定しています。令和三年度には資源評価対象魚種を二百種程度に拡大し、漁獲等情報収集のため水揚げ情報等を電子化するなどの体制整備をするとしています。
 そこで、この際水産庁に働きかけてサクラエビをこの資源評価対象魚種に指定していただき、国の予算や水産研究機関の御助力を得てさらなるサクラエビの生態研究と資源保護研究を深化させるべきと考えます。ただ漁業者には二百魚種指定イコールTAC規制――総漁獲可能量規制の対象になってしまうのではという心配があることも承知していますが、水産庁に確認したところ決してそのようなことはなく当該県との話合い、漁業者との話合いの上で作業を進めていくことであるので心配はありませんとのことですのでこの際二百魚種指定を早急に検討すべきと考えます。
 二百魚種については、来年度指定したら十年スパンで作業に入るので追加指定はなかなか困難だと思われますので即断即決が必要ですが所見を伺います。
 次に、水害対策の流域治水への転換について伺います。
 国は、激甚化する水害リスクに備えるため、これまでの河川管理者等の取組だけではなく流域に関わる関係者が主体的に水害対策に取り組む社会を構築する流域治水に大きくかじを切りました。県としても水害対策として流域治水に取り組むとの答弁は九月議会の我が会派の代表質問で頂いたところでもあります。
 これに会派としての思いを補足すれば、川勝知事が前回の知事選マニフェストに掲げ我が会派も平成二十九年九月の代表質問においてグリーンインフラの概念を取り入れた社会資本整備や土地利用、防災等の取組について提言しましたが、まさにこれが今SDGsにおけるゴールサーティーン、気候変動に具体的な対策をにも通ずる治水、防災から環境保全までを視野に入れた流域治水というさらに大きな概念となって水害対策の主役として登場してきた感を持っています。そういう意味では静岡県は当時から他県に先駆けて既に事業展開中の浜松市の馬込川水系の高塚川の事例など流域治水に取り組んできているわけで、今後は全県でさらなる具体的な事業展開を待望するものであります。
 そこで、お伺いいたしますが流域治水の三本柱である、一氾濫をできるだけ防ぐ、二被害対象を減少させる、三被害の軽減、早期復旧・復興を地域特性に応じて自治体や企業、流域住民など関係者と具体的な検討に入るべきと考えます。既にモデル的な取組となる高塚川がありますが、県としてさらなるモデル的な取組を精力的に行っていくべきと考えます。次なるモデル河川の指定についてどこを考えているのか伺います。
 また、悩ましいのは河川流域には既にまちが形成されているところが多いということだと思いますが、都市計画の法律改正なども踏まえ今後どのように流域治水の取組を進めていくのかお伺いいたします。
 次に、新時代の教育改革について伺います。
 教育界を取り巻く環境変化が著しい昨今でありましたが、今年は世界を襲ったコロナ禍により学校休業を余儀なくされ教育界もいや応なく教育のICT化とそれに伴う教育改革に早急に取り組まざるを得なくなりました。アフターコロナ時代にもICTを活用して現実の教室でもサイバー空間の教室でも一気に新しい教育が始まる様相を呈していますが、静岡県教育委員会においての準備状況やそもそも今までの教育界の常識を覆すような意識改革ができているのかを以下具体例を基にお伺いいたします。
 初めに、GIGAスクール教育に対応する現場人材の確保についてでありますが、文部科学省が提唱するGIGAスクール構想については県内全ての小中学校において整備を進めていることは承知しておりますが、九月議会で我が会派の沢田議員の質問において、ICT分野の民間企業や人材を取り込んで必要な人材確保や育成は急務であるとの提言に対して静岡県ICT教育推進協議会で協議を行っていくという答弁でありました。本日は十二月四日。そろそろ来年度の各級学校のカリキュラムや人事異動についての作業が始まる時期に差しかかっているとは思いますが、果たして来年度のICT教育の現場人材の手配及び育成は間に合うのでしょうか。現時点での進状況を伺います。
 次に、STEAM教育の公立高校への導入についてお伺いいたします。
 経済産業省は、先月かねてから民間と協働して準備を進めてきたSTEAM教育用未来の教室事業について中間報告を行いました。内容は現地に行くことが困難な場所をVR――仮想現実で体験ができるソフトや災害をテーマにした教材など多岐にわたりますが、疑似体験や様々な立場の人たちのインタビューを聞いたり話したりすることで当事者意識の共感を生み先端技術に対する興味や人間の持つ探求心を呼び起こすなど時代を担う人材育成のためにはとても有用なものがあります。
 さて、静岡県教育委員会ではこのSTEAM教育についての評価並びに位置づけについてどのように考えているのか。また教材を来年度公立高校の授業や感染症対策による家庭学習に際して導入していく準備をしているのか。さらにはSTEAM教育を導入するための公立高校の教育環境整備の進状況についてお伺いいたします。
 次に、教育長の描く新時代の教育改革の姿について伺います。
 昨年六月の代表質問においてエドテックについてお伺いしました。エドテックはエデュケーション――教育とテクノロジー――技術を組み合わせた造語ですが、私はテクノロジーを用いてこれまでの教育や学び方を変えていくことこそがエドテックの本質だと思っています。つまりデジタル技術を活用した教育のイノベーションです。
 前述したとおり新時代の教育の形であるGIGAスクール構想もSTEAM教育もエドテックであると思います。今まさに教育の姿が大きく音を立てて変わっていく渦中にあるのだと実感いたします。
 一方で、日本にはいまだ昔ながらの教育を尊重する風潮が根強く残っています。例えば教育にテクノロジーを使うと人間味がなくなる、漫画やゲームまがいの教材は教育ではない、名門校の部活動は聖域だ、公立高校が上で私学が下などというような強い既成概念があるように感じます。私は個人的にはそのような学びの中で育ってきた世代でありこの既成概念を全否定はしませんが、時代が大きく変化している今静岡県の未来を担う子供たちの教育を考えたとき県議会議員としてはこの既成概念至上主義には疑問を持たざるを得ません。テクノロジーや新しい思想や感性が教育にもたらす新たな可能性と選択肢を知り教育現場に活用することは激動の時代を生きる子供たちの人生をより豊かにできると私は思っています。
 そこで、木苗教育長にお伺いします。木苗教育長はこのテクノロジーと教育の関係、新しい概念や感性の可能性についてどのような御所見をお持ちで、またそれを具体的にどのような形で新時代の教育改革の姿として描かれておられるのかお伺いします。
 また、現在の教育委員会の持つ体質で昔ながらの固定概念にとらわれ過ぎてこの時代の流れに沿った教育改革を阻むものがあるや否や、教育長の率直なお考えをお伺いいたします。
 最後に、信号機に頼らない交通安全対策について伺います。
 我々県議会議員が日常の地域活動をする中で警察関連の御要望を頂く上位にはほぼ間違いなく信号機の設置要望があると思います。しかしながら静岡県は東西に広く交通の要衝である東海道のど真ん中に位置することもあり、全国十位の六千八百五十四基の信号機があり新規の設置が認められづらい状況にあります。また既存の信号機の維持管理コストも莫大であり予算のおよそ半分が信号機の電気料や回線料などの稼働費に要しており、さらには信号機のLED化は大きく遅れており全国四十六位でもあります。
 このような状況下で静岡県の交通安全対策を考えたときに、信号機に代わる安全対策としてゾーン30やハンプ、シケイン、自発光標識、カラー舗装、ラウンドアバウトなどの道路管理者は知っていても一般県民の皆様にはなじみがない方策の認知度を高めたり、交通安全イコール信号機設置だけではないということを警察官自ら県民の中に出かけていって説明し御理解御協力を得るべきだと思います。またICT技術を活用した安全施設の設置についても取組は緒に就いたばかりではありますが、静岡県の高度な技術を持つ民間企業などとも連携してさらなる研究開発及び展開を進めていただきたいと考えます。
 さらには、超高齢化時代に突入した日本では高齢の歩行者が増え高齢者ドライバーが増えることでさらに交通事故は増加することが予想されますので、道路管理者や運輸業界等とも連携し各種安全対策を周知して効果的な対策を講じていくこと、新たな技術を取り入れた安全施設の整備も必要であると考えます。警察本部長の見解を伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(良知淳行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) ふじのくに県民クラブを代表しての阿部卓也議員の堂々たる物論に感じ入りました。数々の御質問並びに建設的な提言に加えて私に対する苦言も呈してくださり、思い当たる節もございまして深く自省をして改めてまいりたいと思っております。
 まず、私の政治姿勢についてのうち、新型コロナウイルス感染症対策についての御質問にお答えいたします。
 感染症の世界的な流行をはじめ地震、風水害等の災害、気候変動による食料難など人類が今さらされている逆境においてこそ我々は一人の人間としてまた共同体の一員として静岡県民の一人として、そして日本国民の一人としてその真価が問われているのであります。議員はイスラエルの若手の歴史家ユヴァル・ノア・ハラリさんの御著書を読まれたとのことでございますが、驚嘆すべき本でございまして進化論的な観点に立っていると思いますが人間が動物からホモサピエンスを経て神になるというふうに考えているというふうに受け取ることができました。
 人類がなぜホモサピエンスになったのかと、それはコグニティブ・レボリューションですか、彼の言う認知革命によるとこれは旧約聖書に言うところの知恵の実を食べたということではないでしょうか、それが神の怒りを買いしかも原罪とされ人類の祖先は楽園から追われたと。その中に恐らく強欲とか無知とか憎悪というものもはらまれていたのでしょう。しかし旧約聖書は神の怒りを中心にしていますけれども新約聖書の基になったイエス・キリストは人類の愛を説いています、仏教は利他を説いています、儒教は仁愛を説いています。強欲に対しましては困っている人に対する共感を、そしてまた無知に対しては英知を磨くこと、そしてまた強欲に対しましてはむしろ利他の心を我々は併せて持っているというふうに信じております。
 今年は偶々ベートーベンの生誕二百五十年ですけれども善への信頼、正義への信頼、それを実現しようという人類の勇気をたたえる精神というものは脈々と今日の現代人にも受け継がれているのではないかと思います。
 こうした視点から、私は今年四月コロナに関わる最初の全国知事会の中におきまして我が国の生命科学分野における世界最高水準の研究人材、また世界最高水準の科学技術を活用して治療薬、ワクチンの開発で世界の人々の安全と安心の提供に貢献するべきであるということを国に訴え、以来再三再四この点を提案して今日に至っております。具体的には国内製薬会社や研究機関への治療薬、ワクチンの早期開発、製品化に幅広く活用可能な基金の創設を求めるものであります。基金不足のために、投資不足のために海外にワクチンを依存せざるを得ないようになっているのが現状じゃないでしょうか。
 現在、新型のコロナウイルスのワクチンは欧米の製薬会社などが治験の最終段階にあるなど先行しておりますが、国内での研究、開発の加速化は今後の新たな感染症や治療法が未解明な病気の克服にもつながりますので引き続き提言してまいります。
 我が国の新型コロナウイルス感染症対策は、国と地方自治体が連携し感染拡大防止と社会経済活動の両立ということに取り組んでまいりました。これは強制力を持たない法令や感染症対策の経験不足ということもありまして医療提供体制が迫して、この両立への葛藤の中で厳しい対応が迫られているのが現状です。今般の新型コロナウイルス感染症の拡大による甚大な影響は国民の生命のみならず経済、社会、さらには人々の行動、意識、価値観にまで及んでおりましてまさにこれは国難というレベルであります。これらの状況に照らせば国民を疫病から守る防疫は防衛、防災と並ぶ国防の三本柱と言うべきであると存じます。休業要請や補償、入院患者対策など国と地方自治体の役割分担が目下のところ曖昧であります。外出自粛など社会活動の私権制限の課題も明らかになりました。こうして現行法制の枠組みは限界を迎えているという認識を持っております。このことから国は早急に防疫対策のよりどころとなるべき理念や対応方針等を明示した感染症に関する基本法等の整備を検討するべきであると存じます。
 また、感染症に関わる業務は複雑多岐にわたっています。現在の感染症のような世界規模の蔓延への対応には高度な専門性が求められます。防疫体制の抜本的な強化に当たりましては我が国でも、アメリカ疾病予防管理センターの例がございますのでこれらを踏まえまして発生時の対応、公衆衛生、医療体制、研究活動等々が一体となった平時でも機能する組織を構築して感染症医療に精通した人材の育成を進めるなど新たな防疫体制を整備することが必要であります。これらの国の施策に対する提言は、何度も開かれております知事会等を通じて全国の都道府県知事にも御賛同を賜り認識を共有しながら国に対して要請を続けてまいります。
 本県の現下の感染状況はまさに第三波の真っただ中にあります。クラスターの連鎖が広域で発生しており医療提供体制を迫させる大変憂慮するべき状況であります。私は県民の皆様の命を守るため医療提供体制の確保に最優先、お医者様を最も大切にする、最後のよりどころと見るということでございます。これを最優先で取り組んでいるところであります。感染者数の増加に合わせた病床の確保を進めますとともに軽症者、また無症状者の宿泊療養施設を拡充し医療提供体制への負担の軽減につなげてまいります。また感染リスクの高い行動の抑制など県民、事業者の皆様の御協力を得ながら感染防止行動の徹底に全力で取り組んでまいります。
 さらに地域により感染状況に差があります。また現場に精通するのは地元市町ですからその地元市町と危機感を共有することが大切です。こうした形で全体の方針を決定し現場の実情に応じた適時適切な判断に努め、地域の感染拡大防止と医療提供体制の確保に向け市町と密接に連携をしてまいります。
 次に、リニア中央新幹線整備への対応についてであります。
 私はこれまで大井川流域の多くの方々の御意見に耳を傾けてまいりました。流域の首長の皆様方と意見を交換することをはじめ地元市町議会、商工会議所、商工会、自治会の代表、各種の団体が知事室に足を運んでこられ、リニア工事による水問題では一歩も譲らぬようにという強い要請を受けております。
 大井川流域住民の皆様は、トンネル工事に伴って大井川の水が減ったり地下水に影響が出ますと日常生活に支障を来しますし産業活動ができなくなります。将来の暮らしがどうなるか分からないという不安を抱えておられるわけです。何かあったときの補償が欲しいということではないということであります。住民の皆様が真に求めておられるのは大井川の水に影響が出た後に何かするかということではなく影響が出ないようにするということであります。
 問題解決に当たりましては、大井川の水資源や南アルプスの自然環境の特殊性を踏まえた適切な環境影響評価の実施、また地元に寄り添った姿勢と分かりやすい説明を事業者であるJR東海に引き続き求めてまいります。また広く会議を興し万機公論に決すべしという五箇条の御誓文の第一条のこの精神にのっとりましてJR東海との対話の状況などは広く皆様に公開するとともに、記者会見あるいは動画配信などで県内外に本県の考え、また南アルプスの特殊性、希少性を広く伝えてまいりたいと考えております。
 水の問題は命に関わる問題ですから決して譲ることができません。絶対に譲れないという姿勢をこれまでも、またこれからも貫いてまいります。
 リニア中央新幹線南アルプストンネルは約二十五キロでございますが、JR東海はこの区間を山梨、静岡、長野の三工区に分け工事を行うとしております。このうち静岡県内の工事の延長は約十・七キロメートルとなります。その全てを静岡工区とするのではなくそのうちの一・八キロメートルは山梨工区、長野工区で実施することとしており、両工区の山梨県内、長野県内では既に工事が着手されております。これらに対しまして議員の御指摘のとおり上善は水のごとしという老子の知恵にも学び、またほかに中国の古典には水は方円に従うあるいは知者は水を楽しみ仁者は山を楽しむとあります。知者、すなわち学徳が高いことが大切であると。また仁者、思いやりを持つことが大切であると。水と山は山水で一体です。我々にとって山は南アルプス、水は大井川です。この両方を守らなければならないという姿勢であります。
 JR東海が設置した工区に制約されるのではなくトンネル工事により本県内の水資源、南アルプスの自然環境には影響を及ぼすことがないように議論、対話を行っているところでこれを続けます。
 そうした中JR東海は昨年八月、先進坑がつながるまでの工事期間中山梨、長野両県へトンネル湧水が流出し一定期間は水が戻せないと表明しました。しかし国の有識者会議や県の専門部会におきましてどれくらいのトンネル湧水が流出するのか、流出するトンネル湧水をどのように戻すかについてまだ納得できる説明はございません。今後国の有識者会議におきまして県外へ流出するトンネル湧水についても議論が行われると存じますが、そのためには山梨工区、長野工区の静岡県外の区間も含めどのような工事が行われるのかを確認し工事の進状況やそこで生じている問題、一部御指摘頂きましたけれどもこれらを把握する必要があると考えております。
 JR東海に対しましては、山梨工区、長野工区の工事の状況等につきましても詳細な情報の公開を求め県民の皆様の不安が払拭されるように努めてまいります。
 次に、令和三年度当初予算編成についてであります。
 令和三年度の財政収支試算におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による税収減等によりまして財源不足額が本年度当初予算の二百四十億円から三百五十億円に拡大する見通しです。財源が限られている中、令和三年度当初予算編成におきましては例年にない知恵と創意工夫が求められております。厳しい財政状況ではありますが感染症対策は最優先です。そしてそれとともに経済再生、生活者・事業者支援など県民の皆様の生命、暮らしを守ることに全力で取り組みます。さらにコロナ後を見据えフジノミクスによる経済の拡大、ふじのくにライフスタイルの創出により新しい静岡県づくりにも取り組んでまいります。当初予算編成におきましてはこれらの施策に必要となる経費に財源を重点配分いたします。
 また、県立中央図書館、遠州灘海浜公園篠原地区野球場などの施設につきましては、総点検を踏まえた見直しの方針に沿ってウイズコロナ、アフターコロナ時代にふさわしい施設の在り方を検討し整備を進めてまいります。その一方、優先度の低い施策は大胆に削減するビルド・アンド・スクラップ、私の敬愛するシュンペーター的に言えばクリエーティブ・ディストラクション――創造的破壊でございますがこの精神でもってこれまで以上に思い切った選択と集中を進めてまいります。これは昨年度策定した予算編成五箇条、これを練ったのは佐藤政策推進担当部長でございますがこれの柱にもうたわれております。加えましてイベントの見直しやリモート化による施策の見直しなどの見直し方針により徹底した歳出の削減に取り組みます。
 貴会派から御提言を賜りました三つの政策の柱、すなわち環境・SDGs、多文化共生、女性・若者、これら三つの政策の柱や規模の縮小や予算の削減を求める事業などの事業見直し提言、これらを参考にしまして事業の優先化と重点化を図り例年以上にめり張りのついた予算を編成してまいります。
 次に、コロナ禍での地域外交についてのうち、外国人百人会議開催についてであります。
 本県の地域外交は、徳のある豊かで自立した国際的に存在感のある地域を目指し重点国・地域を中心に交流のネットワークの構築、深化に取り組んでまいりました。現在新型コロナウイルスの感染が拡大しておりますので海外との対面による――フェース・ツー・フェースによる交流事業の多くが中止もしくは延期を余儀なくされておりますが、積極的にウェブを活用いたしまして関係の維持ないし情報発信に努めております。
 例えば、これまで孔鉉佑中華人民共和国駐日本国特命全権大使、またリドワン・カミルインドネシア共和国西ジャワ州知事など各国の要人とのウェブ対談を実施いたしまして今後の交流継続などを確認しております。このほか毎週県内企業や観光事業者などへ海外の最新情報の提供、海外駐在員事務所による現地に展開する県内企業の要望を踏まえたセミナーの開催等々ウェブのメリットを生かした取組を進めているところであります。
 一方、人口減少、少子高齢化等により経済成長が鈍化しておりますが、今後も本県の活力を維持するために海外の人材や外国企業を取り込むことは海外とのネットワーク、情報を有する地域外交の重要な役割であります。特にコロナ禍の現状では国内の大都市圏に集住している外国人からも選ばれるふじのくにとなるための環境整備が必要と考えております。
 国内の企業ではありますけれども、世界的企業であるトヨタが富士山の麓に「ウーブン・シティ」を設置すると、来年の二月二十三日から建設を始めるということをお決めになったことはこれは本県が選ばれる、言わば地域であるという条件を備えているということのあかしではないかと思っています。
 このため、議員の御提案も踏まえまして世界から憧れられる地域であるという自信を持って対面とウェブを併用し定期的に在住外国人のお声を聞く機会も設けてまいりたいと思います。具体的には本年度中に県内外にお住まいの外国人から本県が選ばれる環境整備に関する知見を得て人、企業、技術・サービスなどの海外の活力を効果的に取り込んでいくためのプラットフォームを立ち上げます。さらにインターネットを活用し大都市圏在住の外国人を対象に本県が取り組むべき環境整備の課題を明らかにするアンケート調査を実施し今後の施策に生かしてまいります。多文化共生が基本的な姿勢で、県内にいらっしゃる方は国籍、文化、肌の色、宗教、一切差別しないで県民として一緒に生活できるようにするというそういう姿勢でまいります。
 県といたしましては、コロナ禍におきましても多文化共生施策と連携しながら地域外交が目指す姿の実現に向けて新たな視点、手法を取り入れた施策を推進し県民の皆様や県内企業が多くの恩恵を享受できるよう着実に地域外交を展開してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○副議長(良知淳行君) 出野副知事。
○副知事(出野 勉君) 二十一世紀を担う環境政策についてのうち、生物多様性の保全についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、本県では平成三十年三月本県の多彩で豊かな自然を後世に継承していくためのふじのくに生物多様性地域戦略を公表し、その中で伊豆半島、富士山、浜名湖等とともに南アルプスを県内の特徴的な地域として様々な取組を推進しております。その中でも南アルプスはユネスコエコパークに登録されている世界の宝であり三千メートル級の山々が連なる雄大な姿、氷河期からの遺存種や固有種が多く生息する生物多様性に富んだ魅力があります。こうした魅力を国内外に向け積極的に発信するとともに、その保全に万全を期す必要があると認識しております。
 このため、県では今年度世界に誇る豊かな自然環境を県民、国民が自ら保全していくための取組の一つとして次の世代を担う高校生をふじのくに生物多様性地域戦略推進パートナーに委嘱し、南アルプスに生育する絶滅危惧種でありますタカネマンテマの種子を増殖するプロジェクトや、南アルプスを守るお話としてその魅力や保全についてユーチューブで配信するなどの取組を開始しております。また今後は現地を訪れたことがない方々へも南アルプスの魅力や価値を分かりやすく情報発信し生物多様性の保全等の重要性を理解していただくとともに、お花畑を鹿の食害から守る柵を設置するためのボランティア活動等様々な形での参加を促す取組が必要であると考えております。
 加えまして、ユネスコエコパークの自然環境を守らなければならない核心地域は標高が千七百メートルを超える高所であり、また都市部からアプローチがしにくいことからそれらの魅力の全てを把握するためのさらなる調査研究が必要であります。
 また、こうした取組を着実に進めるためには県民、国民の皆様の御理解と専門家の知見やボランティア等の協力はもとよりその活動を支える財源の確保も必要でありますことから、十一月十九日に個人向けふるさと納税のメニューに南アルプスの自然環境の保全等の取組を追加したところであります。さらに企業版ふるさと納税につきましても早期の受付開始に向けた準備を進めております。
 県といたしましては、ユーチューブ等による情報発信に加え多言語によるホームページやSNS等を活用し南アルプスの魅力と保全の重要性を国内外から幅広く御理解頂くとともに、ふるさと納税等による財源の確保に努め人類共有の財産であります南アルプスを後世に残すための仕組みを構築してまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 長谷川地域外交担当部長。
○地域外交担当部長(長谷川 卓君) コロナ禍での地域外交についてのうち、韓国との地域外交についてお答えいたします。
 日本国内では新型コロナウイルス感染症の拡大により、特に行政分野でのデジタル化への課題が浮き彫りとなりましたことから、本県におきましてもデジタル化の推進は一層加速させる必要があります。
 一方、デジタル先進国である韓国では二〇〇〇年代から国と地方公共団体共通のシステムによる住民サービスを提供してきました。こうしたことから友好交流先である忠清南道に県の韓国駐在員を派遣しシステム標準化に係る業務プロセスの見直しや行政手続の計画的なデジタル化等の調査を行うとともに、オンラインによる両県道の担当者間の意見交換会を行うなど参考となる情報の入手に努めてまいります。
 また、県では将来の日韓関係を担う青少年の交流が大切であると考え、これまでも大学生の相互訪問や意見交換会を実施してまいりました。コロナ禍により現在は両国の往来が困難となっておりますが、今年度も音楽やダンスなどポップカルチャーを切り口とした本県と忠清南道の若者によるオンライン交流会を開催することとしております。
 県といたしましては、こうした忠清南道との地域間交流を通じて韓国との互恵・互助の精神に基づく地域外交を進めてまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 杉山経営管理部長。
○経営管理部長(杉山浩一君) 組織改編についてのうち、感染症防疫専任組織の常設についてお答えいたします。
 組織改編に当たりましては、日々変化する行政需要に迅速かつ的確に対応するため、翌年度の体制について予算編成の動向も踏まえつつこれまでの組織形態にとらわれずに将来を見据えた戦略的な改編を行うこととしております。現在感染症対策につきましては関係所属を中心とする専任チームや専任の部理事の配置等により健康福祉部全体で対応する体制を整備し、知事を本部長とする静岡県新型コロナウイルス感染症対策本部の下全ての部局が連携し対応に当たっているところであります。
 一方、依然として新型コロナウイルス感染症の患者が増加している中、新たに生ずる行政需要を的確に把握し感染症の発生に迅速に対処できる組織体制の整備は来年度の組織改編における大きな課題であると認識しております。
 県といたしましては、これまでの感染症対策における組織的な課題を検証し新たな課題への対応も見据えた上で感染症等による危機発生時において迅速に対応できるよう専任組織の設置を前提に検討を進めているところであります。
 次に、デジタル局の新設についてであります。
 本県は、高度情報化推進本部長である副知事をCIOとし外部有識者をICT戦略顧問として専門的な知見を取り入れながら静岡県高度情報化基本計画に基づきデジタル化を進めてまいりました。しかしながら今般のコロナ禍におきましては感染拡大防止を図る非対面、非接触で行う手続のオンライン化などをはじめデジタル化の必要性が再認識されたところであります。これに対応するためにはシステムの刷新や更新、様々な分野で開発が進むAI、IoTなどの高度な新技術の導入、巧妙化かつ悪質化するサイバー攻撃へのセキュリティー対策など幅広い分野の専門家と連携していくことが求められております。
 こうしたことを踏まえ、CIOである出野副知事の下に複数分野の外部有識者によるデジタル戦略顧問団を新たに設置するなど全庁を挙げて関連施策を強力に推進するための組織体制につきましてこれまでの考え方にとらわれずに検討を行っているところであります。
 次に、専門職職員の採用拡大についてでございます。
 近年、本県におきましては新型コロナウイルス感染症対策や児童虐待対応など行政需要の多様化、複雑化に伴い行政活動の様々な場面で幅広い法律的な視点からの検討、対応が求められております。こうした課題への対応に当たりましては、例えば児童相談所の法的問題に迅速かつ的確に対応するため、昨年度から八人の弁護士を非常勤特別職として設置し緊急事案でも随時相談できる体制を整えております。また行政全般の課題につきましては顧問弁護士制度を設け五人体制で多様できめ細かな対応ができるようにしているところであります。
 県では、専門的な行政ニーズに対応するため、公務の部門では得られにくい高度な専門性を要する部門につきまして必要に応じ随時任期付研究員や民間職務経験者の採用を行っているところであります。
 今後も、公務を遂行する上で必要となる高度な専門知識を有する職員につきまして積極的に採用を進めてまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(市川敏之君) 二十一世紀を担う環境政策についてのうち、次期環境基本計画についてお答えいたします。
 現在の第三次静岡県環境基本計画の改定版を二〇一六年三月に策定して以降、国際的には同年十一月に気候変動対策の新たな国際的枠組みであるパリ協定が発効されたほか、昨年六月のG20大阪サミットでは海洋プラスチックごみ対策に関する大阪ブルー・オーシャン・ビジョンが参加国で共有されました。
 一方、国内では二〇一八年四月に国が策定した第五次環境基本計画におきまして環境、経済、社会を統合的に向上させる必要性が示され、本年十月には菅総理大臣が二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする脱炭素社会の実現を目指すことを表明するなど環境をめぐる国内外の状況は大きく変化しております。
 こうした国内外の動向を踏まえるとともに、議員御指摘の循環型経済政策であるサーキュラーエコノミーの考え方を取り込む等環境と生命の世紀と言われる二十一世紀にふさわしい長期的視点に立った環境政策の方向性を打ち出していく必要があると考えております。新たな環境基本計画の策定は来年度を予定しておりますが、既に課題の整理や県民意識の調査などには着手しております。
 県といたしましては、本県の恵み豊かな環境を将来世代に継承できるよう県民の皆様をはじめ企業、団体などの皆様に御意見を伺いながら関係部局と連携し次期環境基本計画を策定してまいります。
 次に、リソーシング産業の育成についてであります。
 県では、廃棄物の発生や資源の消費をできるだけ抑え再生可能な資源を有効に活用する循環型社会の形成を推進しており、使用済み製品を可能な限り再活用できるような素材に再生するリソーシング産業の育成は今後ますます重要になると認識しております。
 県内にはプラスチックや金属が複合的にラミネートされた紙パックを溶解分離し再生紙を生産している企業があります。また工業団地の中でプラスチックの原料となる再生ペレットを製造する企業や使用済みの繊維を固形燃料化している企業もあり、資源循環の取組が産業界に広がりつつあります。
 エコタウンにつきましては、東京都のように沿岸の工業地帯にリサイクル施設を集中的に立地させたもののほか、愛知県のように地域の産業特性に応じ施設が分散して立地しているものもございます。近年問題となっているプラスチックごみや食品ロスなどを排出する企業が立地する工業団地にそれらを資源化する企業が進出することは双方の企業にメリットがあり循環型社会の形成にも大きく寄与するものであります。
 県といたしましては、関係部局や市町と連携してこうした企業の進出を促しリソーシング産業の育成につなげてまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 佐藤政策推進担当部長。
○政策推進担当部長(佐藤典生君) 二十一世紀を担う環境政策についてのうち、グリーンボンドの導入についてお答えいたします。
 環境、社会、企業統治という投資先の取組を考慮して行われるいわゆるESG投資は世界的に拡大しており、その中で環境問題解決のために発行される債券であるグリーンボンドの国内発行額は二〇一九年には前年比約一・五倍の八千二百三十八億円と過去最高となっております。本県は来年度策定する次期環境基本計画に気候変動対策や循環型社会の形成、生物多様性に関する施策を掲げることとしており、これらの施策の財源としてグリーンボンドを発行することは本県の環境に関する積極的な取組を国内外に発信することにつながります。さらにグリーンボンドの発行は県の資金調達手段にとどまらず、県内の企業や県民の皆様がSDGsに関心を持ち様々な環境対策に取り組んでいただくための機運醸成につながる有効な手段であると考えております。
 一方、グリーンボンドは対象事業が明確に環境改善効果をもたらす建設事業に限定されますし、外部確認機関による評価や環境改善効果の継続的なレポートに係る追加費用も必要となります。このためグリーンボンドの導入につきましては次期環境基本計画の策定に併せ費用対効果なども踏まえて検討してまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 植田スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(植田基靖君) 駿河湾フェリーの今後の在り方についてお答えいたします。
 駿河湾フェリーにつきましては、現在新型コロナウイルス感染症の影響により将来的な利用動向が不透明な中ではありますが業務や経費の見直し、様々な利用促進策、中期的な収支見通し等を盛り込んだ経営改善戦略の策定に一般社団法人ふじさん駿河湾フェリーと県、環駿河湾地域の三市三町が連携して取り組んでおります。この中で議員から御提案がありました乗船料の在り方、船旅がより楽しめる空間づくり、乗船料以外の売上げを創出するための取組につきましても検討を進めております。頂いたアイデアも踏まえ黒字化に向けて実効性のある改善策を取りまとめてまいります。
 例えば、高速道路料金との関係等を踏まえた料金設定に加え駿河湾をテーマとした県内大学等と連携した船上企画や県内企業による船内限定商品の開発、小中学生のための船上教育プログラムの充実などフェリーへの乗船そのものが目的となるような取組を進めてまいります。また運賃以外の収入確保に向けて一般社団法人の旅行業登録を生かした魅力ある旅行プランの企画、販売や環駿河湾地域の物流への活用なども検討してまいります。
 船舶の耐用年数も踏まえた将来的な見通しにつきましては、まずは経営改善戦略におきまして感染症の影響による厳しい経営環境を乗り越えて安定的な事業運営を確保するために必要な取組を取りまとめるとともに、駿河湾フェリーの経済波及効果など事業存続の意義や必要性につきましてもしっかりと検証することが重要であると考えております。
 県といたしましては、フェリー事業が将来にわたって持続可能なものとなるよう経営改善戦略を年明けをめどに取りまとめ、県民の皆様の御理解を頂きながら三市三町や関係団体等と連携し経営改善に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 志村農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(志村信明君) サクラエビの資源保護についてお答えいたします。
 このたびの漁業法の改正により水産資源の管理は科学的な根拠に基づいて資源評価を行った上で資源管理目標を定め、その目標の水準まで資源を回復させるべくTAC管理、すなわち漁獲可能量を定めて数量管理を行うことが基本となりました。国内で唯一駿河湾でのみ操業が行われているサクラエビにつきましては現在のところ漁獲可能量という数量を掲げてはおりませんが、漁業者の自主的な取組として操業時期や海域等の制限といった資源管理を続けているところであります。現在行われている秋漁におきまして漁獲量に一定の回復傾向も見られることから、今後もこうした取組により適切な資源管理体制を継続していくことが望ましいと考えております。
 サクラエビを資源評価の対象とするよう国に要望することにつきましては、将来漁獲可能量による管理につながるという漁業者の懸念もございますが、一方では議員御指摘のとおり資源評価の対象となることにより国から調査研究に対する支援を得られる可能性もありますことから国や漁業者等と調整していくことが必要であります。
 県といたしましては、今後ともサクラエビに係る漁業者等の御意見も踏まえ国との調整を行いながら現場の実情に即した効果的な水産資源の管理体制を構築できるよう関係者を支援してまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 長繩交通基盤部長。
○交通基盤部長(長繩知行君) 水害対策の流域治水への転換についてお答えいたします。
 本年六月、国は流域に関わる関係者が主体的に水害対策に取り組む流域治水に転換する方針を示すとともに、都市再生特別措置法等を改正し市街化調整区域内の浸水ハザードエリアにおける開発許可の厳格化や居住を誘導する区域で行う防災対策の強化など安全なまちづくりのための総合的な対策を講じることといたしました。
 県では、国が示した方針に基づき令和元年東日本台風などで浸水被害が発生した十四地区におきまして氾濫による被害を減少させ早期に復旧するための具体的な対策を水災害対策プランとして取りまとめることとし、本年度は馬込川上流域、安間川流域、小石川・黒石川流域などの八地区で検討を進めているところであります。今後は県や関係市町により地区ごとに設置する流域治水協議会におきまして校庭や水田などを活用した雨水貯留機能の拡大や水害リスク情報の空白地帯の解消、リスクの低いエリアへの居住の誘導などの具体的な対策案を検討し流域の地形や土地利用の状況等を踏まえた実効性のある対策メニューを決定してまいります。
 県といたしましては、頻発化、激甚化する水害に対しまして国や市町、県民の皆様など流域のあらゆる関係者と連携し土地利用に関する都市計画の手法も活用しながら流域治水の取組を展開し安全で安心な県土づくりを進めてまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 長澤教育部長。
○教育部長(長澤由哉君) 新時代の教育改革についてのうち、GIGAスクール教育に対応する現場人材の確保についてお答えいたします。
 児童生徒が自ら積極的に未来を切り開いていく力を育むためにはICTを活用した教育を進める必要があります。県教育委員会ではICT機器の整備と並行して教員が機器を効果的に使いこなすために必要となる人的支援の充実や資質能力の育成を進めております。
 具体的には、外部人材を活用し平成二十九年度からICT支援員を各県立学校に配置し機器の運用や授業準備を支援しており、加えて今年度は新たに端末を配備した学校にGIGAスクールサポーターを派遣し初期設定をはじめとするきめ細かいサポートに努めております。また新たにグーグル社などと連携し他県の効果的な事例など民間企業が持つ最新の情報に基づく研修を多くの教員が視聴できるeラーニングにより実施しているほか、ICTを活用した指導に知見のある教員が教材の使い方や授業の進め方を解説した動画を広く配信するなど教員の指導力の向上を図っております。
 来年度の人事異動では、ICTの活用にたけた教職員を本人の特性や意欲などを踏まえて学校現場へ適正に配置し教員同士の授業研究をより活発に行い学校全体の指導力の底上げを図ってまいります。さらに静岡県ICT教育推進協議会におきまして市町教育委員会の指導主事を対象としたクラウド活用研修を開催しており、今後は市や町全体のICT支援業務を受託できる企業の情報共有を進めるなど県全体の現場人材の確保に努めてまいります。
 県教育委員会といたしましては、民間のノウハウを積極的に活用し各市町とも連携して高いスキルを有する現場人材の確保・育成を主導的に進め、GIGAスクール構想が目指す教員に対応できる体制を一層強固なものにしてまいります。
 次に、STEAM教育の公立高校への導入についてであります。
 科学、技術、工学などの各分野の学習を実社会での課題解決に生かしていくための教科横断的な教育を行うSTEAM教育は、従来の科学技術教育と理数教育を統合、体系化した教育であり幅広い分野で新しい価値を提供できる人材の育成のために必要であると考えております。
 文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール指定校である浜松工業高校におきましては、工業科の情報技術基礎、課題研究などの科目で理科、数学などの視点を加えた学習を行いものづくりに対する科学的な視点を持った人材の育成に取り組むなど専門高校を中心に取組を進めております。また普通科では文部科学省のワールド・ワイド・ラーニングコンソーシアム構築支援事業におきまして三島北高校が中心となって県内三つの高校と連携してミネソタ大学STEAM教育センター等を訪問したほか、エネルギーや食糧など持続可能な社会の構築をテーマにした課題解決型の学校設定科目を開設するなどイノベーション人材の育成に取り組んでおります。
 本年度中に全ての県立高校にタブレット端末等が整備されますことから、議員から御紹介のありました未来の教室における学習コンテンツなど効果的なデジタル教材の活用を促進するとともに、各学校が編成する教育課程におきまして教科横断的な学習を充実し家庭学習にも対応できるよう努めてまいります。
 県教育委員会といたしましては、STEAM教育の考え方を取り入れ様々な視点から物事を考察し探究する学習を充実させることにより複雑で予測困難な時代であっても世界で活躍できる資質、能力を有する創造性豊かな人材の育成に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) 新時代の教育改革についてのうち、私の描く新時代の教育改革の姿についてお答えいたします。
 インターネットもパソコンもなかった時代の教育は、教員が児童生徒に一律の内容を一斉にかつ一方向的に伝えることが効果的な指導方法と考えられておりました。しかしながらデジタル技術が社会に急速に普及してきた現在におきましては、過去の固定概念にとらわれずそれに適した新しい教育の在り方を常に追求し続けることが必要であります。
 エドテックなどの手法は、児童生徒の習熟度に応じた学びの提供や効率的かつ双方向的な授業展開、家庭や学校外でも学べるオンラインの授業など学びの質を大きく向上させる可能性を有しております。こうしたテクノロジーの活用を推進するためには受動的な一律、一斉、一方向の授業から子供たちの主体的な学びを促し支えていく方向に大胆にスタイルを変えていくことが求められております。
 そのためには、研修やAIなど先端技術の活用に係る実証実験の普及などを通じた教員の意識の改革とスキルの向上が必要であります。また新しい学び方を模索する時間的余裕を生み出すため、事務作業のデジタル化など教職員の働き方改革を大胆に進める必要があります。さらには同学年の児童生徒が標準的な授業時間数を一律に履修することを前提とした現在の制度など教員が授業時間の使い方を工夫する際の制約になるものにつきましては見直しを進めていくことが必要となります。
 県教育委員会といたしましては、従来の教育のよさを継承しながらもデジタル技術をはじめとした新しい概念を取り入れる上で必要な教員の資質向上や時間的余裕の確保、制度の見直しなどに積極的に取り組み、児童生徒一人一人の力を最大限に引き出す教育の実現に向けて私が先頭に立って新時代の教育改革に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 山本警察本部長。
○警察本部長(山本和毅君) 信号機に頼らない交通安全対策についてお答えをいたします。
 県警察では、厳しい財政状況の下長期的視野に立った信号機整備の在り方を検討しますため有識者や道路管理者、交通関係団体、地域住民などを委員とします持続可能な信号機の整備の在り方に関する検討会を開催しまして先般報告書を取りまとめたところであります。この報告書では信号灯器のLED化などによるコスト縮減のほか、必要性が低減した信号機については代替の安全対策を講じた上で撤去していくことも重要な取組の一つであるとされたところであります。こうした代替の安全対策としましては自発光式などの視認性に優れた道路標識による一時停止規制の実施や道路管理者と連携したカラー舗装やハンプの施工などが考えられるところであります。
 報告書におきましても警察自らが代替の安全対策を説明する立場にあると提言されているところでありまして、警察署の交通規制審議会をはじめ各種会合において県民に周知しますほか、必要に応じまして地域住民を交えた説明会や現場点検を実施をし地域の交通実態に即した安全対策を地域住民や関係機関と一体となって検討する中で信号機に代わる安全対策についても理解を得ていきたいと考えております。
 また、ICT技術を活用した交通安全施設につきましては、現在警察庁や総務省が主導します5Gネットワークの構築に交通信号機を活用するための調査研究に県警察も参画をしております。この調査研究は交通管制の高度化に向けまして信号機のネットワーク化に5Gを活用しようとするものでありまして、県内での実証実験に通信キャリアや県内の交通管制システムメーカーなどと共に協力しているところでございます。
 県警察といたしましては、今後とも関係機関などと連携をし持続可能な信号機の整備を実現するための取組を推進してまいりたいと考えております。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 六十七番 阿部卓也君。
       (六十七番 阿部卓也君登壇)
○六十七番(阿部卓也君) それぞれ御答弁ありがとうございました。
 それでは、要望を二点、再質問を五点させていただきます。
 まず、要望でございますがリニア問題、知事の御答弁のとおり補償が欲しいのではなくて問題が起きる前に水を守ることだと、これは全くの正論であると思います。申し述べたように県の対JR東海への対応、姿勢は間違っていないと思いますので今後も粘り強く交渉を続けていただきたいと思いますし、知事がここまで知事のリーダーシップで引っ張ってきていただいたので途中で投げ出すことなくこのリニア問題を県民のためにすばらしいゴールに導いていただきたいと強く要望をいたします。
 コロナ関連についてですが、コロナ対応について今地方のいわゆる先ほど申し上げたように政治の力、知事のリーダーシップ、地域ごとの分析力、スピード感、こういうものが非常に注目をされています。聞くところによると本日この後コロナ対策本部会議が開催されるようでありますが、先ほど午前中の自民党からの代表質問でもありましたように時間短縮営業なども含めて医療現場の現状、それから今後のシミュレーションなども含めてぜひよりよい医療体制を守る方策を打ち出していただきますよう要望を申し上げます。
 再質問を申し上げます。
 まず、デジタル局でありますが、答弁の中でCIO顧問団をつくり庁内で検討していくという答弁がありました。これ今までも同じような答弁、非常にあやしい。CIO補佐官、まず端的にそれでお聞きしますが、そもそもデジタル局をつくるのか、CIO補佐官を常駐をするのか、外部人材の導入をするか否か、それから申し述べた五つの要件についてどう考えるのか、CIO出野副知事の答弁を求めます。
 次に、リソーシング産業についてお聞きをします。
 促すということでありましたが具体的には何をするかだと考えます。まずは県内の先進的な取組をするリソーシング産業をバックアップして工業団地への組み込みなどを進めていくことを提案いたしましたが、これをするのか否かお聞きをします。
 三番目に、サクラエビについてお聞きをします。
 二百魚種に入れるか否かを検討していくということでありましたが、これ時間が限られていることでありますのでもし入れ込む、水産庁にお願いするということであれば現時点でどのような工程表を考えているのかお伺いをします。
 グリーンボンド、それから環境基本計画についてお伺いします。
 今朝の報道によると、四月―十一月期のESG債の民間企業の割合が全体の企業債の一割になったという報道がありました。これは先ほど申し述べたようにグリーンボンドをはじめとするESG債の導入というのは県の大きなPRになりますし、ぜひ前向きに検討すべきだと思って提案をいたしました。答弁の中で次の環境基本計画に基づいてということでありましたのでそもそも環境基本計画を抜本的につくり直す必要があるというふうに申し上げましたが、それについての答弁がちょっとあやふやでありましたので明確にどのような時期、環境基本計画を考えているのかお聞きをします。
 最後に、教育改革についてお聞きをします。
 教育長にお聞きするんですが、教育長の任期は残り半年ほどだと思っております。私学はこの令和三年度の四月から幾つも新たな動きがスタートをすると認識をしています。それに対して公立高校は具体的に何をするのかあまり見えません。そこについて教育長、どのように認識をされているのか。
 それからまた、意識改革が必要ということは御認識を頂いているようでありますが、一つ二つ教育長が考える具体的な意識改革とはどのようなことなのか御紹介を頂きながら、それをまた校長会等できちんと議論をしていかれるのか否かお聞きをしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(良知淳行君) 杉山経営管理部長。
○経営管理部長(杉山浩一君) 組織改編につきまして、私のほうからデジタル局について御回答させていただきます。
 まず、デジタル局の設置でございますが、これは設置するということで検討しております。なお設置所属でございますが、やはり分野や組織の垣根を越えて全庁的に展開する必要があるものですから知事直轄というところで考えておるところでございます。
 また、CIOの補佐官につきましてですが、これは先ほど来申し上げましたようにコロナ禍でいわゆる産業それから医療、福祉、教育、交通、至るところにデジタル化を進めていく必要がございますので専門家集団ということで先ほど申しましたデジタル戦略顧問団というのを考えているところでございます。この顧問団はCIOに対して直接お話をしながら戦略を練ってそれを基にCIOが各部局長に強力に指導を進めていくというふうに考えているところでございます。
 次に、人材の育成等についてでございますが、これは班長級等につきましては現在五年というスパンを考えております。ただ新しく組織をつくりますのでそこは成果に合わせて柔軟に考えてまいりたいと思っております。
 また、KPIにつきましては現在も計画の中でKPIは定めているんですが分かりにくいという御指摘もございます。どういう成果があったのかというところで、デジタル化の直接のものではなくて県民満足度の向上という視点からKPIを再度改めてつくり直すという所存でございます。
 最後に、人材育成等関連機関との協働でございますが、これにつきましてもCIOの指揮の下で各部局と連携しながら例えば経済産業部とかにおきましては既に人材育成に着手しておりますのでそういうところと連携しながら進めてまいるというふうに考えているところでございます。以上でございます。
○副議長(良知淳行君) 市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(市川敏之君) まず、リソーシング産業の育成につきまして具体的に何をするのかという再質問にお答えいたします。
 リソーシング産業を育成してまいりますという中でですが、まずは現在でも市町と定期的に連絡会というものを行っておりますのでそこでプラスチックごみや食品ロスなどを再生するリソーシング産業の育成の必要性、あるいは各市町にある工業団地における排水事務所のニーズですとか求められるリソーシング産業の種別の情報等ですね、こういう情報共有から始めてまいりたいと考えております。
 続きまして、グリーンボンドに係る再質問にお答えいたします。
 いろいろ先ほど申し上げたとおり、環境をめぐる社会情勢とかが非常に変化しておりますので、抜本的な改正をという御提案につきましてはかなり状況が変わっておりますので結果的にはそういうものになるであろうというふうに考えておりますが、実際策定作業を今事前の意見照会などをしておりますけれども、来年でございますのでそういう御意見もしっかり反映させてまいりたいと考えております。
 また、スケジュールどうなっているんだという御質問につきましては、まずは庁内組織で静岡県環境政策推進委員会でもございますが、これで私の部だけではなく関係部局と連携して作成作業を進めてまいります。現在環境を取り巻く状況や課題を整理していると先ほど申し上げましたが、今後来年二月に静岡県環境審議会を開催する予定でございますので次期計画の策定について諮問させていただき同審議会の専門家の御意見も頂戴しながら、さらにその審議会に企画部会というものをつくっていただいて一年かけて御審議をしていいものをつくっていただく予定でございます。
 さらに、来年度の後半にはパブリックコメントあるいは議会にもしっかりお諮りした上で御意見を頂きながら策定してまいりたいと考えております。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 志村農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(志村信明君) サクラエビの再質問についてお答えいたします。
 評価対象魚種に要望するということになりますと、やはりその前にまず漁業者の皆さんとよく御理解を頂いて進める必要がございます。その中でいわゆる国の制度の考え方等を説明してしっかりとやってまいるという必要がございます。
 現在サクラエビの秋漁が操業中でございますので、その操業が終わる十二月二十三日以降をめどに関係者の皆様と協議をしてまいりたいと思っております。以上でございます。
○副議長(良知淳行君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) 御質問ありがとうございました。
 私のほうからですけれども、具体的な改革に当たって現場の声を聞くということなんですけれども、これにつきましては私は小学校、中学、高校の校長会というのがありますけれどもそういうところへは出るようにしていますし、じかに校長先生方ともお話ししましてですね、そして方向性というものを考えていくというふうにしております。
 それから、私自身はそういう中で、これまで静岡式三十五人学級ございますけれどもこれも全国に先駆けて取り組んできましたし、本県オリジナルのふじのくにグローバル人材育成基金、これを創設いたしましてちょうど教育長になってすぐだったんですが子供たちの海外、子供たちと言うとあれですけれども高校生、大学生も含めてですけれども、できるだけ海外に行ってもらおうというようなことで今その発表会もやっておりますし多くの企業がこれに参加してくださっています。大変ありがたく思っております。
 なお、今後どうするんだというようなお話もありましたけれども、国際バカロレアプログラムの県立高校への導入実現、これについては川勝知事からも積極的にやるようにというようなお話も頂いておりますのでそういうようなことで、さらに在留外国人あるいは不登校児童生徒が増加しておりますので現在の県立学校あるいは静岡県の教育にない、よりよいものを積極的に取り入れていって改革といいますかより静岡県が国際的にも認められるような、そういうような教育体制をつくっていきたいとそういうように思っております。以上です。
○副議長(良知淳行君) 六十七番 阿部卓也君。
       (六十七番 阿部卓也君登壇)
○六十七番(阿部卓也君) 御答弁ありがとうございました、それぞれ。
 まず、デジタル局については設置をするということで明快な答弁を頂きました。ぜひいいものをつくっていただきたいと思います。
 それから、サクラエビはまず漁業者のことがまずは第一だと思いますので、よくしっかりと丁寧に水産庁とも連絡を取って連携をして話合いを進めていただきたいと思います。
 グリーンボンド、環境基本計画については、これ重要な政策の柱になってくると思いますのでしっかりと議論をして制度設計をお願いをしたいと思います。
 それから、二点再々質問をいたしますがリソーシング産業についてです。これは産業という名前がついているように経済産業部との連携も経済産業省がビジョンを出しておりますのでこれらを参考にして連携してやるべきと思っていますが、それについてどのような見解でおられるかお聞きをしたいと思います。
 もう一点、教育長に再々質問をいたしますが、先ほど来申し上げている中で意識改革としてやはり大変言いづらいとは思うんですが、こういう部分はやはり言い方によっては古きよき伝統かもしれないけれどもここはもう既に意識改革をするべきときに来ていると教育長が実感されていることがあれば最後にお伺いをしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(良知淳行君) 市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(市川敏之君) リソーシング産業の育成に向けた再々質問にお答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、工業団地にそういう産業を誘致すること等につきましては当然その企業立地等を所管しております経済産業部等と連携してよく調整して進めてまいりたいと考えております。
○副議長(良知淳行君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) 先ほどもちょっと触れましたけれども、私新しいものをというか今までのものはどういうように問題があったのか、ならばそれを分析してそして今の先生方あるいは生徒さんにとって将来プラスになるというようなものであればそれを積極的に取り上げると、そういうようなことを目指してやっております。よって今までと同じことをやるということはほとんどありませんのでそういうような姿勢でやっております。以上です。
○副議長(良知淳行君) これで阿部卓也君の質問は終わりました。(拍手)
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。

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