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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成21年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

小長井 由雄 議員

質問分類

代表質問

質問日:

02/19/2009

会派名:

民主党・無所属クラブ


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について                      
2 富士山静岡空港について                      
3 浜岡原発について                         
 (1) 一、 二号機の廃炉                        
 (2) 三、 四号機の耐震安全性                     
 (3) 六号機の新設                          
4 過疎地域の集落対策について                    
5 環境行政の総点検と再構築について                 
6 新型インフルエンザ対策について                  
7 有機農業の推進について                      
8 離職者に対する職業訓練について                  
9 森の力再生事業について                      
10 草薙総合運動場の再整備について                  
11 学校の安全維持について                      
12 警察行政について                         
 (1) 体感治安の向上                         
 (2) 犯罪被害者支援      



    ○議長 (天野 一君)  ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、 三十番 小長井由雄君。
            (三十番 小長井由雄君登壇 拍手)
    ○三十番 (小長井由雄君)  私は民主党・無所属クラブ所属議員を代表し当面する県政の諸課題について、 知事並びに関係部局長、 教育長、 警察本部長にお伺いします。
     最初に、 知事の政治姿勢について伺います。
     先月三十日、 石川知事は緊急の記者会見を行い、 富士山静岡空港開港延期問題をめぐり、 障害物の除去請求権を定めた航空法第四十九条に基づく手続に入る方針を明らかにするとともに、 みずからの給与を三〇%、 三カ月の減給にすると表明されました。 知事は昨年末にも期末手当を一〇〇%減額しており、 これらの減給により 「富士山静岡空港の開港延期に伴う責任はこれで果たしたと思う」 と述べています。 開港延期問題は県側の測量ミスにより生じた重大な問題であり、 これでけじめをつけたとされても大多数の県民は納得しておりません。
     そこで、 期末手当と給与の減額により、 開港延期の責任問題は終わったとする根拠と妥当性についてお伺いします。
     知事は、 平成五年の就任以来ことし七月で四期十六年の任期満了を迎えます。 この間みずからの給与減額は、 財政状況を考慮しての給与減額一回を含め食糧費等の不正支出二回、 裏金問題二回、 不適切な金券管理問題一回と今回で七度目にも上り、 期末手当の減額処分は財政状況を考慮しての減額も含めて三回目となります。 戦後歴代の静岡県知事では、 山本知事が唯一、 財政状況を考慮しての給与減額をされていますが、 それ以外には石川知事を除いてお一人も減額処分は行っておらず、 その回数も異常なまでに多いのであります。 また昨年十二月には、 県監査委員から県政史上初めて、 当初想定していなかった特定の案件で空港部と空港建設事務所に対する行政監査が実施されています。 いずれも、 県政史上最多、 県政史上初めてのことであります。
     このことについて知事はどのように認識されているのかお伺いします。
     今回の立ち木などの支障物件問題の原因は、 航空測量のミスであったことは県も認めているところであります。 これにより本来なら収用しなければならない土地を収用せず、 逆に収用すべきでない土地を収用してしまったことが判明しており、 この誤って余分に収用した土地は、 地権者に返還する方針であるとのことです。 土地収用法の執行に当たり、 このような事態を招いた例は他に聞いたことがなく異例の事態であります。 これまで他の県施行の公共工事に協力してきた県民も、 もしかしたら必要のない土地まで提供してきたのではないかという疑念を抱き信頼を失いかねない問題であります。 この件に関しても責任は重大なものがあります。 知事はこの問題をどのように考え、 どう責任をとられるのかお伺いします。
     次に、 富士山静岡空港の完全運用に向けてと搭乗率保証について伺います。
     二月十一日に知事は地権者との直接協議に臨まれました。 その席で地権者は、 石川知事が 「その職を辞することによって県民に対し事業の責任者たる知事の責任を明確に示す」 ことにより、 「制限表面上の支障となることが確認されたすべての物件について、 速やかにそれらの除去を行う」 との申し入れを行いました。 この申し入れで、 県民の注目する富士山静岡空港西側の高さ制限を超える立ち木などを除去し、 二千五百メートルの完全開港を知事がおっしゃるとおり、 みずからの政治責任として早期に実現させることができる状況がつくられました。
     しかし、 十六日には地権者からの申し入れを拒否し、 逆に航空法に基づく法的手続に入るための申し入れ書を届けようとして受け取りを拒否されたということであります。 早期の完全開港を目指す中、 法的手続に入っていけば、 完全開港はいつになるのか予想もつかず話し合いにも支障を来すのではないかと思います。 今後の見通しをどのように考えているのかお伺いします。
     次に、 搭乗率保証について伺います。
     県は、 日本航空の静岡―福岡便において搭乗率が七〇%を下回った場合、 片道一席当たり一万五千八百円の運航支援金を支払う搭乗率保証を実施すると発表しました。 平成十八年度に国内の福岡発着二十四便のうち搭乗率七〇%を超えているのは福岡―石垣便七二・四%と福岡―出雲便七〇・七%の二便だけで、 羽田―福岡便でさえも六二・六%であり、 七〇%の搭乗率がどれだけ高い数字なのかわかります。 また二十四路線の搭乗率の単純平均は五九・三%となっていますから、 この単純平均の搭乗率であった場合の補償額を計算してみると、 開港日からの十カ月で四億円を超える額となります。 もちろんこの搭乗率保証が十一月末の見直し時には廃止されることを望みますが、 逆に大きく膨らみ県の財政を圧迫することになりはしないかと心配します。
     今後、 搭乗率保証を継続するかどうかの判断の基準は何か、 搭乗率保証廃止への見通しとあわせてお伺いします。
     また、 現在唯一搭乗率保証を実施している能登空港では、 年間目標搭乗率を定め、 目標を下回った場合は航空会社に保証金を支払い、 目標を上回った場合は航空会社が地元の関連業界に販売促進協力金を支払うという搭乗率保証制度が設けられています。 地元と航空会社とがリスクとリターンを共有するこの制度について、 富士山静岡空港においてはどのように考えられたのかお伺いします。
     県はこれまで日本航空に対して夜間駐機便の運航に伴い発生する追加的経費の補助を決めています。 今回は日本航空の福岡便に限っての搭乗率保証の導入でありますが、 今後、 他の航空会社に対してはどのような姿勢で臨まれるのかお伺いします。
     次に、 浜岡原発について伺います。
     昨年十二月二十二日、 浜岡原発一、 二号機廃炉と引きかえに六号機を新設するという中部電力の報告を受け、 知事は記者会見で極めて興味深いコメントを出されました。 毎日新聞によると、 「原発は余り歓迎されない施設、 今後新設は断るべきだと考えていたが、 一、 二号機廃炉での新設ということで、 前提条件が違うので検討に値する」 と発言されたと伝えられました。 また静岡新聞では 「時代の要請に、 ある部分合致する」 と一定の理解を示した上で、 「安全性についての検証が大前提になる。 五号機により本県内の発電能力が電力需要を上回る状態となった。 一種の迷惑施設的なものを、 それなりに請け負っている」 とも発言されたと報じられています。
     極めて興味深い御発言でした。 原発を余り歓迎されない施設、 一種の迷惑施設と思われていることを知り、 遠い存在がぐっと身近に感じられました。 県民の大多数も日常、 知事と同じ不安を原発に感じているのです。 だからこそ原発の安全性を徹底して究明する責任が県にあるのだと思います。
     浜岡原発一号機は、 七六年三月の運転開始から三十三年経過しており、 二〇〇一年十一月の水素爆発による配管爆裂事故により運転を停止して以来七年間余動いていませんから、 実働二十六年です。 二号機も七八年十一月の運転開始以来三十年を経過しており、 配管亀裂漏水事故などトラブル続きで二〇〇四年二月の運転停止以来五年間とまったままですから、 これも実働二十五年です。 国や電力会社の言う原発の寿命六十年の半分はおろか二十五、 六年での廃炉でありました。
     これまで国と中部電力は一、 二号機とも東海地震に絶対安全だと説明してきており、 県民は今回の一、 二号機の廃炉決定により、 三、 四、 五号機の耐震も本当に大丈夫なのかと心配しています。
     そこでまず一、 二号機の廃炉についてお伺いします。 廃炉になった一、 二号機には、 広島原爆の二千発以上の放射能が蓄積されているといいますが、 原子炉の安全な解体は可能なのでしょうか。 商業軽水炉では日本初の解体工事となるそうですが、 その技術は開発されているのか、 現在わかっている範囲でお答えください。
     次に、 三、 四号機の耐震安全性について伺います。
     中部電力はこれまで一、 二号機は三、 四号機に匹敵する耐震性能があると言ってきました。 したがって三、 四号機の安全を保証する補強工事には一、 二号機で予定していたように、 三千億円程度はかかるのではないかと考えます。 しかし実際にはそんなにかかっていないと聞いていますが、 本当に安全性は保たれているのかお伺いします。
     次に、 六号機の新設について伺います。
     マスコミ各紙や多くの地震・地質専門家は、 押しなべて 「東海地震震源想定域の真上に当たる浜岡に新規の原発は建設すべきでない」 と慎重論を唱えております。 知事は十二月二十二日の記者会見で、 六号機建設問題について 「一、 二号機廃炉と置きかえなら検討に値する」 とコメントされた上で、 「何よりも安全の確保が大前提だ」 と念押しをされました。
     そこでお尋ねしますが、 中部電力の発表した浜岡原発東側の六号機建設予定地は、 産総研調査チームが発見した、 おおよそ一千年周期の大きな地盤隆起により形成された御前崎隆起段丘に隣接する地盤であることをどう評価されるのかお伺いします。
     さらに、 知事は地元四市の合意を最優先されてきましたが、 県民の安全が第一であることから、 地元合意の前に県が責任を持って安全確認をすべきと考えますが、 知事の考えをお伺いします。
     次に、 過疎地域の集落対策について伺います。
     日本の国土は、 その七割近くを豊かな森林に覆われており、 過疎地域はこうした森林を含め国土面積の五四%を占めており、 静岡県においても県土の二三%が過疎地域とされています。 このような地域は、 下流域における土砂災害の抑止、 安全な食料や水の供給、 電力の供給、 二酸化炭素の削減、 さらには自然環境の保全など、 国民全体が安心して安全に暮らせるための公益的役割を果たしている地域でもあります。 数年前の試算では、 この公益的役割は年間一兆九千億円に相当するとされており、 都会に住む人たちは実は過疎地域からの大きな恩恵を受けているのであります。
     ところが、 過疎地域の集落の多くでは、 人口の減少と高齢化の進展によりさまざまな問題が生じており、 今後さらに深刻化するものと思います。 このような中で、 総務省は昨年八月過疎問題懇談会の過疎地域等の集落対策に関する提言を踏まえ、 集落対策の基本的な考え方、 推進・実施方法、 国による支援等について各都道府県に通知したところであります。
     また、 高度経済成長政策による人口移動の結果、 人口が過密な地域と過疎の地域に分かれる傾向が顕著にあらわれたことに対して制定された過疎法が、 一九七〇年以来十年ごとに切りかえられており、 その有効期限が迫っています。 過疎法の切りかえ時期を迎え、 地域の自立と国土の均衡ある発展に向けた議論が真剣になされるべきときだと考えます。
     静岡県では昨年二月県と過疎市町村とで静岡県過疎地域対策検討委員会を設置して、 過疎対策や緊急時の医療対策、 防災対策等も含めた集落対策のあり方について検討を重ねてきたということであります。 県内の過疎地域の現状と見通し、 そして今後どのような対策を講じていくのかお伺いします。
     次に、 環境行政の総点検と再構築について伺います。
     気候変動に関する政府間パネル――IPCCが二〇〇七年二月に発表した地球温暖化に関する第四次報告では、 今後百年の間における気温の上昇を、 環境の保全と経済の発展が地球規模で両立する社会においては約一・八度、 化石エネルギー源を重視しつつ高い経済成長を実現する社会では約四度としています。
     地球温暖化では、 異常気象の頻発と気候システムの急激な転換といった影響を引き起こし、 生態系への影響や数億人規模の水不足の一層の悪化、 農業への打撃など、 私たちの経済・社会活動にさまざまな悪影響が複合的に生じる可能性も指摘されております。 折しも世界が昨秋以降、 百年に一度といわれる大不況に陥る中、 先月二十日に就任したオバマ米国大統領は、 環境・エネルギー分野に政府主導で集中投資し雇用を生み出すという、 これまでにない環境を前面に出した新しい視点での施策を打ち出しました。
     地球規模での環境問題が深刻化する中で持続可能な社会を実現するために、 市民の生活、 事業者の事業活動、 行政の施策がそれぞれ環境保全に十分配慮していかなければなりません。 とりわけ環境行政が担う役割と責任は大きいものがありますが、 これまで環境基本条例やそれに伴った環境基本計画などの制定、 そして環境行政組織の整備といった基本的な枠組みを整えてきたところであります。
     しかし、 それにもかかわらず国や自治体が取り組んでいる環境行政と、 ますます拡大し深刻化する現実との間には大きなギャップがあります。 地球温暖化問題や生物多様性の確保など人類の生存にかかわる問題が顕在化している中で、 自治体が目指すべき持続可能な社会とは、 地球規模から身近な地域にわたって環境が持続的で、 その上に人間社会も持続可能となる社会だと考えます。
     人間中心主義から環境中心主義に方向を転換して環境の持続性を最優先とする環境政策を強力に実行していくために、 環境部門の体制と管理の充実強化を図るとともに、 これまでの環境行政の枠組みや政策において何が不足しこれからの環境行政には何が求められているのか、 総点検と再構築が必要ではないかと考えますが御所見を伺います。
     次に、 新型インフルエンザについて伺います。
     本県における新型インフルエンザ対策では、 対策本部や医療専門家会議の設置と保健医療対策行動計画を策定し、 それに基づいた抗インフルエンザウイルス薬の備蓄などを進めてきたところであります。 これまでたびたび国、 自治体での広報やマスコミにより、 新型インフルエンザとはどのようなものか報道されてきました。 しかし発生の混乱状況はだれもが未経験であり、 県民の多くもどのような事態になるのか具体的なイメージがわかないというのが実情だと思います。
     先日、 厚生労働省の研究班があらゆるタイプのインフルエンザに効く可能性があるワクチンを開発し、 動物実験段階での効果を確認したとの報道がありました。 治療薬タミフルへの耐性ウイルスの大量出現が問題となっているときに、 これまでのインフルエンザウイルスへの対策とともに新型インフルエンザに対しても期待されますが、 人間への安全性の確認など実用化には数年かかる見通しとのことであります。 果たしてこれから出現するウイルスに有効であるのか、 また有効であるとしても新型インフルエンザ発生に間に合うのかどうかもわかりません。
     国は、 平成十七年に策定した新型インフルエンザ対策行動計画を、 感染の拡大を可能な限り抑制し社会・経済を破綻させないという視点に立って改定作業を進めていましたが、 一昨日、 行動計画が改定されたという報道がありました。 本県における新しい行動計画の策定も、 国の改定作業を見ながら作業を進めるものと思いますが、 本県における新型インフルエンザ対策の取り組みについて幾つかお伺いします。
     正確な情報の共有は最低限必要なことであります。 国内外における新型インフルエンザの発生に関する情報収集と、 庁内及び市町村、 企業、 県民等への情報提供体制はどのようになっているのかお伺いします。
     新型インフルエンザ対策においては、 市町村が果たす役割と企業、 学校、 県民の行動も重要な位置を占めるのではないかと考えます。 しかし全国の市町村を対象としたアンケート調査によると、 対策委員会等を設置し実際に活動している市町村は六%にすぎず、 また中小・中堅企業を対象としたアンケートでも、 対策に取り組んでいる企業の割合は二八・六%にすぎません。 このような状況を踏まえ、 市町村、 企業、 学校、 県民がどのように行動するよう求めていくのか伺います。
     さらに、 先月成田空港で、 けいれんや高熱などのインフルエンザの症状に加え失禁などのある乗客が到着したため、 新型インフルエンザの可能性を考慮した対応をとったということであります。 実際は、 密輸するために覚せい剤を詰め込んだ袋を飲み込み、 その一部が腸の中で破れたことによる急性中毒だったということでした。
     静岡県でも、 六月四日から開港する富士山静岡空港において、 国外から感染症などの侵入の可能性が心配されますが、 新型インフルエンザへの防疫体制はどのようにとるのかお伺いします。
     次に、 有機農業の推進について伺います。
     日本における有機農業のスタートは、 化学肥料、 農薬、 農業機械、 ビニールハウス、 農地の基盤整備などの近代技術の農業がおおよその普及をして、 その問題点も明らかになってきた一九七〇年ころで、 同時に農薬による環境や食品汚染などの事件も続発し健康被害への危惧も高まってきた時期であると言われます。
     当初は、 有機農業の重要性は認識できても生産方法は確立されておらず、 また流通・消費の仕組みもなく、 生産者と消費者の連携という形での取り組みが展開されました。 しかし安全な食べ物を求める消費者の取り組みは次第に広がり、 有機農産物は生協などでも取り扱われるようになり、 生産者側もグループや農協としての取り組みとして広がっていきました。 近年では生産性重視の農業から環境保全型農業が奨励されるようになり、 有機農産物や化学肥料、 化学農薬を慣行の五割以上低減する特別栽培農産物などについての表示ガイドラインの制定や有機農産物の日本農林規格の制定、 第三者認証制度の発足などを契機に、 有機農業をビジネスとしてとらえた取り組みも活発化しております。
     このような中で、 国は平成十八年に有機農業推進法を施行し、 平成十九年には有機農業の推進に関する施策を総合的に講じるために必要な基本的な事項を定めた有機農業の推進に関する基本的な方針を公表したところであります。 静岡県においても、 さまざまな課題を抱えながら有機農業に取り組んでいる農家が少なからずある中で、 有機農業推進法に基づき静岡県有機農業推進計画の策定に向けて検討しているということであります。
     有機農業を推進する上で課題となる農業者が有機農業に容易に従事することができるようにすること、 また生産した農産物の流通販売にも積極的に取り組めるようにすること、 さらに有機農業で生産された農産物に対する消費者の需要に的確にこたえられるようにすることについて、 どのように推進していくのかお伺いします。
     次に、 離職者に対する職業訓練について伺います。
     アメリカのサブプライムローン問題を発端とする金融恐慌と世界同時不況が日本経済を直撃し、 製造業の大規模な減産に伴い、 派遣社員などの非正規労働者を中心に契約打ち切りや解雇が急速に広がっております。
     厚生労働省は、 昨年十月からことし三月までに職を失う非正規労働者は全国で十二万四千八百人に上ると発表しました。 また製造業への派遣・請負でつくる業界二団体の試算では、 三月までに製造業で働く派遣・請負労働者四十万人が失業するとの見通しを明らかにしています。 さらに大和総研が一月九日にまとめたリポートでは、 正規・非正規を合わせ、 昨年十二月からことし十一月までの一年間で二百七十万人もの雇用が失われる可能性があるとの衝撃的な予想をしています。
     しかし、 非正規労働者の雇用を守るために、 過去何年も最高益を更新したときに蓄えた内部留保の一部を労働者に振り向けようとする企業は見られず、 失業者があふれ雇用不安がかつてないほど広がっているにもかかわらず、 「国内消費が上向いてくれることに期待したい」 と述べ、 消費と内需を一層冷え込ませる原因を、 みずからもつくっていることには鈍感な企業のトップもいるようであります。
     本県における二月の金融経済動向は、 日銀静岡支店長が 「経験したことがない下降局面に突入している」 と言うほどで、 個人消費はさらに弱まり、 生産はさらに大幅に減少、 雇用・所得環境は悪化のテンポが増しているということであります。
     昨年十月からことし三月までの非正規労働者の期間満了、 解雇による離職者は四千五百八十三人に上り、 製造業での雇いどめは拡大傾向にあり、 さらに内定取り消しは県内でも大学生等十二名、 高校生五名の発生となっております。 有効求人倍率も全国的に見れば静岡県はまだよいほうでありますが、 一昨年十二月に一・一七倍あったものが昨年末には〇・八二倍に低下し、 正規社員に限れば〇・六二倍で非常に低い水準になっています。
     本県においては、 一月補正予算で雇用・就業機会の創出を図るなどの緊急雇用対策を実施したところであり、 今後についても国の第二次補正の交付金を原資として造成した緊急雇用創出事業臨時特例基金等を活用して、 雇用・就業機会の創出に取り組んでいくとのことであります。
     このように、 緊急の雇用・就業機会の創出は必要であり図られなければなりませんが、 失業した人たちが今後将来にわたり安定的な雇用につくことも何より重要であります。 そのためには離職者が技能・技術を身につけることができる効果的な職業訓練が必要であると考えますが、 県の取り組みについてお伺いします。
     次に、 森の力再生事業について伺います。
     県土の六四%は森林で、 これまで各地の篤林家らによって積極的に植林され、 杉、 ヒノキを中心に森林資源が蓄積されてきました。 しかし木材価格の低迷などによる森林経営意欲の低下に伴い森林の荒廃が進行して、 森の力が大きく失われてきております。
     県はこれまで静岡県森林と県民の共生に関する条例を施行し、 森林との共生社会の実現のための取り組みを示した静岡県森林共生基本計画を策定するなど森林の再生整備に取り組み、 さらに先進的な施策として平成十八年四月からもりづくり県民税を財源とした森の力再生事業を実施してきたところであります。
     この事業は、 従来の間伐事業と異なり、 林業振興を目的としない整備手法であるため、 森林所有者が戸惑いや不安を感じたり、 整備後の十年間は森林を適切に管理する協定書の締結を義務づけられていることから県や市町の関係者は大変苦労したと聞いています。 しかし事業開始から三年が経過して、 県や整備者がこれまでに約四百回にわたる説明会を開催するなどの努力の結果、 列状間伐などの整備手法について森林所有者の理解が進み、 今年度末には累計で約三千四百ヘクタールの森林が整備されるに至るということであります。
     この事業の財源となっているもりづくり県民税の課税期間は、 条例において平成二十二年度までと定められておりますが、 行政、 森林所有者、 事業体が一体となって森林との共生を進める有意義な事業であり、 当初計画どおり十年間は事業を進めてほしいと考えます。 森づくりは時間のかかる仕事であり、 この事業の整備効果も直ちにあらわれるものではありませんが、 整備後三年を経過し森の力が回復している兆しがあること、 またこの事業の雇用創出によって山村の振興にも寄与していると聞いております。
     そこで、 この事業の直接的効果である森の力の回復状況と事業の波及効果、 さらに県民の理解を深めるための方策についてお伺いします。
     次に、 草薙総合運動場の再整備について伺います。
     静岡県草薙総合運動場は昭和三十二年の国民体育大会の開催を機に施設が整備されました。 その後、 昭和三十八年に都市公園として開設されてから半世紀が過ぎ、 施設の老朽化や耐震化への対応のおくれが心配されているところであります。
     県は、 昨年二月に伝統あるスポーツ拠点にふさわしい水準の運動施設と都市公園として求められる緑地・オープンスペースを整備するとの基本方針のもとに、 平成二十年度からおおむね五年間における再整備構想を取りまとめたところであります。 それによると公園全体としては運動施設面積が都市公園法施行令のほぼ上限に達しており、 公園用地を拡大しない限り施設の新設・拡張は不可能であること、 草薙球場と体育館は法的に求められる耐震性能を満たしていないこと、 施設の増設による緑地・オープンスペースが不足していることなどの課題があるとされています。
     しかし、 草薙総合運動場は県民スポーツの中心であり、 大会運営や交通の利便性にも恵まれ、 多くの県民、 競技関係者、 地元の皆さんからも施設水準を高めた早期の再整備を望む声が寄せられております。
     公園用地の拡張については、 隣接する学校法人第二静岡学園用地を移転した県立静岡工業高校の跡地と交換して公園区域に編入するということで交渉を進め、 また耐震基準を満たしていない草薙球場は、 施設水準を高め、 より快適に利用できることを考えながら基本設計に取り組んでいるとのことであります。 さらに収容人員三千三百二十七人の規模を誇る体育館は竣工後四十年以上経過し、 耐震性の問題だけでなく雨漏り対策や空調設備の設置、 電光掲示板の増設など課題も多く、 現在、 補強計画の作成のために実際に地震波を入れて構造面に問題があるかどうかの調査を行っているとのことであります。
     これまでの知事の議会答弁では、 草薙球場は公認野球規則が充足することを前提に現地での改築が最適であるということで考えていくとのことであり、 また体育館については 「公園の中で改築するのか、 公園の外に移転するのかについても選択肢の一つ」、 「どこかに都市公園としての機能を持った場所を整備し、 飛び地という便法もあるかもしれない」 との考えを述べておられます。 緑地・オープンスペースの不足対策として第二静岡学園用地が確保されてきたとしても、 再整備計画を実施していこうとすれば緑地空間のニーズを十分に満たすまでいかないのではないかと思います。
     こうした中で、 昨年十二月に静岡市から、 経済界、 住民自治組織、 体育関係団体の代表者からの要望に基づいて、 草薙体育館の東静岡地区の市有地への移転誘致と多目的アリーナ施設としての建設要望が出されたところであります。
     そこで、 静岡学園高校との用地交換交渉の進捗状況と、 体育館の耐震・構造調査の結果はどうであったのか。 また静岡市からの要望を受けて、 草薙体育館の東静岡地区への移転と多目的アリーナ施設としての建設についてどのように考えるのかお伺いします。
     次に、 学校の安全維持について伺います。
     近年、 学校の内外において相次いで起こった小学生殺傷事件や学校施設事故、 いじめ、 虐待、 不審者問題など、 子供たちにとって安心・安全は切実な問題となっています。 二〇〇六年に災害給付が行われた学校管理下での子供の災害は二百十六万件にも達し、 その内容においても大きな社会問題になっております。
     こうした中で、 事件事故の発生を未然に防ぎ、 児童生徒・教職員の安全確保と、 万が一事件事故が発生した場合には被害を最小限にとどめて事後処理に当たり、 教育活動・学習活動を正常化し、 再発を防ぐとともに児童生徒の心のケアに当たるという危機管理体制の確立は、 学校の安全や学校教育にとって重要な課題であります。 そしてこのような危機管理の推進には、 施設整備の充実や教職員と保護者、 関係機関による体制づくり、 さらには安全教育の実施などの取り組みが必要だと考えます。
     これまで学校の安全については、 法制上、 責任主体と学校安全基準が不明確なまま、 現有職員でカバーしているという現場任せの状況で学校現場にしわ寄せされてきました。 しかし学校の安全維持は、 国、 自治体の独自な責任や学校安全の専任職員の設置、 財政措置の義務、 さらに学校安全基準の制定遵守義務、 学校災害救命システムの確立などが必要だと言われています。
     国は、 中教審の答申を受けて、 学校における教育活動が安全な環境において実施され、 児童生徒等の安全の確保が図られるよう従来の学校保健法、 学校給食法の一部を改正し、 新たに安全についての規定を設けて、 財政措置や国、 地方公共団体の責務をある程度明確にした学校保健安全法を制定し、 本年四月より施行します。
     学校保健安全法の学校安全に関しては、 子供の安全を脅かす事件事故及び自然災害に対応した総合的な学校安全計画の策定による学校安全の充実、 学校における危険発生時の対処要領の策定による的確な対応の確保及び警察等関係機関や地域の住民・団体との連携による安全な体制の強化が規定されています。 法の改正により、 今後、 児童生徒の安全の維持がどのように図られるのかお伺いします。
     最後に、 警察行政について伺います。
     初めに、 体感治安の向上についてであります。
     静岡県警は、 平成十五年十二月犯罪の増加に歯どめをかけ安心して暮らせる安全な社会の確立を目指して、 静岡県警察緊急治安対策プログラムを策定し、 平成十八年末を目途に取り組まれてきたところであります。 この間、 刑法犯認知件数が一万件以上減少するなど成果が上がりましたが、 平成元年との比較では、 なお二倍近い水準にあり、 交通事故数も減少したとはいえ高齢者の関係する死亡事故は相変わらず多い状況にありました。
     このようなことから、 犯罪の発生を抑制し検挙の向上、 体感治安の向上を図るために、 平成二十一年までの三年間を目途に治安再生に向けた静岡県警察治安再生プログラムを策定し、 ことしは推進三年目に入るということであります。 プログラム推進により一年目の刑法犯認知件数は前年比四千七百四十九件の減少、 そして昨年は二千五百二十六件の減少となり、 交通事故発生件数も平成十九年は八百九件で、 昨年は千九百三十四件の減少となりました。 県警が目標としている年間の刑法犯認知件数五万件以下、 交通事故発生件数三万九千件以下も達成しているということであります。
     また、 交通事故死亡者数も平成十九年には百八十八人で五十四年ぶりに二百人を下回り、 昨年は二百十人に増加したとはいえ、 昭和二十九年以来二番目に少なかったということで治安再生プログラム推進の成果が上がっているものと思います。
     しかし、 全国的に発生している銃器・刃器を用いた凶悪事件の続発、 静岡駅前の金融業者刺殺事件や沼津市内の住宅街における殺人事件、 郵便局やコンビニを対象にした強盗事件、 相次ぐ振り込め詐欺の発生などもあり、 県内で犯罪被害に遭うのではないかと感じている不安層は、 県民世論調査の結果で見ると七三%にも上っていることから、 県民の体感治安の回復までには至っておらず、 一層の取り組み強化が望まれます。
     本年は、 静岡県警察治安再生プログラム推進の最終年となっておりますが、 犯罪や交通事故を減らし県民の体感治安を向上させるために、 どのように取り組んでいかれるのかお伺いします。
     次に、 犯罪被害者支援について伺います。
     現在、 多くの犯罪被害者及びその遺族や家族が身体的、 精神的、 経済的被害を受けるだけでなく、 二次的被害を受けるなどして苦しんでいます。 犯罪被害者保護の声を受けて、 国は平成十七年四月に犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための犯罪被害者等基本法を施行しました。
     静岡県の平成二十年における犯罪被害者支援の対象となった殺人、 強盗致傷、 性犯罪等の身体犯の発生件数は三百七十件でありました。 国民のだれもが犯罪被害者になる可能性が高まっている中で、 国、 地方自治体、 国民それぞれが犯罪被害者の視点に立った責務を果たすことが求められています。
     犯罪被害者には最初に警察が接し、 その後も捜査等を通じて被害者の苦しみや怒りを肌で感じていることから、 損害の回復、 経済的支援の推進と精神的・身体的被害の回復や防止するための支援策について、 その役割は重要なものがあると考えます。
     静岡県においては、 昨年一年間で交通事故を含め延べ千三百四十三件の被害者支援を行ったということでありますが、 犯罪被害者支援の実績と課題、 今後の取り組みについてお伺いします。 (拍手)
    ○議長 (天野 一君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  小長井議員にお答えをいたします。
     初めに、 私の政治姿勢についてであります。
     富士山静岡空港開港遅延に対する私の責任いかんということでありますが、 私はこの問題に対しては次のように考えてまいりました。
     責任の内容としては、 二段階といいましょうか、 二つあると。 一つは、 開港遅延をせざるを得なかったとはいえ、 長年にわたって多額な経費を投入して取り組んできたこの富士山静岡空港、 まずはともかく供用開始をする。 今回のこの支障物件によって利用ができないということはないようにしなければいけない。
     もし、 それがですね、 できない、 不可能だということであれば、 それは私の責任はもう大変重大で即刻辞職をすべきようなそういうことに私はなると。 しかし二千五百メートルの完全運用でないとはいえとにかく運用開港することができると、 二千二百メートルで暫定的に運用が認められると。 その上でなおかつ航空会社も、 当初就航を予定しておった航空会社はもとより、 その後においても就航が期待されておった航空会社も、 次々に二千二百メートルの滑走路を前提に、 しかもILSという精密運用でなくても支障なく就航できるとこういうことになってまいりました。
     そういうことについて、 きちんと実現を果たし、 この二千二百メートルといえどもこの富士山静岡空港をとにかく利活用して当初の目的を可能な限り達成する、 それにまず全力を挙げていくということ、 そうすること。 したがって完璧な形で仮にこの開港ができなくても、 今のような状態に持っていくということが私の責務であり、 それが着々実現しつつあると。 そのことでまずこの責任のうちの一つの項目は果たしつつあると。
     あとは県民の皆様に思いもかけぬ遅延、 三月開港予定と言っていたことが、 突如というような形で開港を延期せざるを得なくなった、 そのことによってこれまで三月開港を前提にさまざまな準備行為を行いつつあった県内外の関係の多くの方々に、 有形無形のいろんな御迷惑をおかけした、 こういうことに対する私は迷惑の程度をできるだけ軽減するためのさまざまな努力をする一方で、 迷惑をかけたという事実はあるわけでありますので、 これに対するいわゆる懲戒――自身に対する懲戒、 これは避けられない。 これはすべきであるとこう考えてきたわけでございます。
     じゃあその懲戒をどの程度にするかということについては、 少なくとも暫定運用について、 暫定運用といえども曲がりなりにもまあまあというレベルでこれがいけそうだという見通しがつき、 かつもともとの目的である二千五百メートルでの完全運用、 これについては昨年の九月までに至る過程でも十分いろいろ検討した結果、 この事態がもし九月末までにうまくいかなければ、 そのすぐ先にですね、 解決するっていうことは期待をしつつもですね、 しかしそれが必ずそういうふうに実現するという見通しがないと、 最悪の場合いろいろ想定するとこれは相当期間結論が出るまでにはかかると。 そうするとそれへの道筋をきちんとつけると、 完全解決へ向けての長い道のりへの正式なステップを踏む、 その道筋をつけることがまずは必要だと。 それをいつ行うか、 その見きわめをつけた段階で私は自身に対する懲戒という意味の措置を講ずる。 すなわち暫定運用といえどもとにかくこれを、 暫定運用という不十分な形の中ではベストの姿を実現するというその努力、 そしてその結果を出すということ、 それと懲戒と、 この二つの意味合いで私は責任問題を考えてきたところでございます。
     今回の給与の減額条例も、 そういう意味で私自身に対する懲戒という行為を私の立場に立つ者に対してみずから行う場合には、 この給与の減額あるいは賞与も含めた報酬の減額という手段しか形をあらわしにくいということで、 今回の措置を講じたところでございますので御理解を賜りたいと思うわけであります。
     なお、 私は過去四期十六年の間に、 小長井議員が詳細に御披露いただいたような幾つかのみずからへの懲戒をしてまいりました。 これは歴代知事がだれもやってなかったようなことだということで、 大変私自身としてもそのことを厳粛に受けとめなければいけないと思いますが、 なぜそのような事態になったかということをいろいろ考えてみますと、 昨今、 社会経済の状態が急激に変わってまいりまして、 それまで見過ごされてきたといいましょうか、 まあ黙認されてきたような、 あるいは逆に言うと積極的に社会経済を円滑に運営するためには積極的に必要だとされておった行為が、 ある時点から急に何というか基準が変わってですね、 これはだめだと、 けしからんという一種のパラダイムの変換に伴って、 さまざまな不祥事と言われるものが発生してまいったわけであります。
     その過程で私は、 なぜたび重なる懲戒を課さなければいけなくなったかを振り返って考えてみますと、 そのとき一遍にですね、 それにかかわった人間を断罪するということをやれば、 それは一遍で終わったかもしれません。 結果として見るとですね。 しかし組織の中で長い年月見過ごされてきたものをですね、 あるとき突然予告もなく締め切って、 過去にさかのぼってその行為を断罪するということはできるだけ避けなければいけないんじゃないかと。 組織のモラルの維持とか、 あるいは今までよかったと思ったのをいきなり断罪されるということは、 少なくとも社会経済活動を円滑に行う上で、 予定が立たないという社会こそ恐ろしい社会になるわけでありますから、 したがって事後に向かってはもうルール、 基準が変わったんだから、 事後に向かってもし新しい基準に違反するような行為を行った者については厳罰で対処する。
     しかし、 過去のものについては、 もう明らかに違法行為であるというものについてはこれは断罪をせざるを得ないけども、 そうでないものについては一定の懲戒によって、 今後への反省の糧にさせるという方法がいいということで、 私はやった結果ですね、 いろいろな調査が徹底しなかったということもあって、 新規に発生したものはなかったはずでありますけども、 全部調べ尽くされないものが後にあれこれ出てきて、 その都度私自身の戒めをしたということであります。
     したがって、 これは県民の皆様から見れば管理者として非常に不徹底な態度だということかもしれませんが、 まあ私の心境としては、 一人だけいい子になって、 果たしてその後の組織のモラルを確保するという上で、 本当にこれが正しい管理者のあり方かと。 これは甘んじて私はその戒めを受けなきゃいけない。 そういう知事ならば県民として御免こうむるということであれば、 これもやむを得ないという私は覚悟でその都度対処し、 新しいルールに従って以後不祥事は出さないという考えで取り組んできたつもりで、 その後について新たな事態が発生して私が懲戒したということはないと存ずる次第でございます。
     そういうことについて、 これは懲戒が何度もあったということは歴史に残ることでありますので、 これは甘んじて私はその不名誉は受けざるを得ないわけでありますけれども、 個人的な主観的な何というか考え方、 その態度の基本にあった考え方は以上のようなものでございます。 これは別に御理解をいただこうというつもりはありませんが、 そういう事情があったということだけ御披露いたしたいと思うわけでございます。
     なお、 監査委員による行政監査につきましても、 これは口幅ったい言い方かもしれませんが、 監査委員の本当の機能がこういうことで発揮されてもいい例証だと、 私は歓迎しているところでございます。 県といたしましては今回の監査にも全面協力をしているところであります。
     また、 土地収用に関する御質問でありますけれども、 こういうようなことがあったら、 すべて今まで土地を提供した方、 あるいはこれから土地を提供する方もこんなけしからんことがしょっちゅうあって信用されないんじゃないかと、 こういうお話でありますけども、 少なくともこれまで任意の用地交渉によって土地を提供していただいた方はもとより土地収用法を適用した場合でも、 必要とする事業用地とそうでない土地との境界の確定には、 必ず地権者の御了解とほとんどの場合が立ち会いをいただいて、 納得いただいて境界が確定されてきております。
     今回のこの空港事業の事案については、 残念ながら地権者の御理解、 御協力を得られなくて測地測量ができなかったということが、 そもそものこの今回の測量誤差の発生のもとにあると私は存じているわけでございます。 したがって事後、 今回と似たような事例があったときにはどうするかというのは、 今回を反省材料としてその誤差がないように作業しなければいけませんけれども、 少なくとも今回の事例については、 過去の事例に悪影響を及ぼすような事態ではなかったということだけは私は確信しているところでございます。
     去る二月十一日に地権者の方と直接お会いすることができました。 私から、 当該取り過ぎてしまった土地については地権者に返還する意思があることをお伝えいたしました。 今後、 地権者の意向も伺いながら、 協議して解決させたいというふうに思っております。
     次に、 富士山静岡空港についてであります。
     去る二月十一日に地権者から新たに申し入れをいただいた事項につきましては、 二月十六日私の果たす責務から考えて、 申し入れをそのまま受けかねる旨回答いたしました。
     私としては、 本県の今後の発展のためにまずは六月の開港に万全を尽くすとともに、 一日も早い二千五百メートル滑走路での完全運用を実現することが、 県民の皆様から私に課せられた責務であると考えております。 このためにも地権者の御理解を得て支障物件を除去することが必要であり、 今般、 航空法に規定する除去請求手続を開始いたしましたが、 まずは話し合いによる解決を求めることとし、 引き続き誠心誠意協議に取り組んでまいります。
     そもそも航空法に基づく今回の除去請求手続、 すなわち航空法第四十九条第三項は、 まずは話し合いによる解決を前提にしておるところでございますので、 そこから入ることとしたところでございます。
     次に、 福岡線の搭乗率保証制度は、 新幹線との競合がある中で、 開港当初から一日三便もの経営資源を投入することに伴う航空会社のリスクを軽減するための特別なインセンティブとして実施するものでございますが、 運航支援金の支払いに一定の歯どめをかけるために、 開港後、 半年程度経過した十一月末時点で所要の見直しを行うこととしております。
     見直しの内容でありますが、 その時点の実績に応じて航空会社と協議して決定されるということになるわけでありますが、 仮に十一月末時点で目標搭乗率を下回る見込みとなる場合には、 まずは需要喚起策の充実に努めるとともに、 さらに必要があれば運航規模の見直しを含めた措置、 すなわち減便なども含めてですね、 検討していくべきものであると考えます。
     また、 能登空港においては、 需要喚起策の一環として目標搭乗率を上回った場合には地元が航空会社から協力金を受け取る制度を導入しているわけですが、 本県の搭乗率保証は航空会社のリスクを軽減させるインセンティブとして実施するものでありますので、 目標搭乗率を上回った場合には、 航空会社に対して空港の一層の利便性向上のために、 増便とか機材の大型化こういうものを求めていく考えであります。
     福岡線以外の路線につきましては、 一昨日全日空から搭乗率保証に関する御意見を承りましたので、 今後、 各航空会社の御意見も踏まえて路線ごとに対応を協議したいと考えております。
     県といたしましては、 引き続きその他の支援策も活用しながら、 就航先への交流団の派遣や観光キャンペーンの実施などの官民一体となった利活用促進策によって、 福岡線を含むすべての路線において十分な利用者を確保できるように全力で取り組んでまいります。
     次に、 環境行政の総点検と再構築についてであります。
     環境行政につきましては、 現在、 県の総合計画において 「環境の世紀を拓く持続可能な社会づくり」 を県政の主要施策として掲げて、 複雑多様化する環境問題の解決に向け、 環境基本計画に基づいて積極的に施策を展開しているところであります。 計画の推進に当たりましては、 副知事、 関係部局長で構成する環境政策推進委員会において的確な進捗管理を行うとともに、 社会資本の整備やイベント開催等において環境に配慮した率先行動の促進に努めているところであります。
     国においては、 昨年七月の北海道洞爺湖サミットの開催を契機に、 将来世代からも時代の転換点として評価されるように、 二百年先を見据えて自然共生社会や循環型社会と統合した低炭素社会づくりに向けた本格的な第一歩を踏み出したところであります。
     本県におきましても、 次期総合計画の策定とあわせて、 現行の環境基本計画について全般的な見直しを行って、 社会経済全体の生産性の向上を図る観点から、 環境保全と経済発展の両立の実現など新たな視点を取り入れ、 持続可能な社会を目指したより実効性のある新たな環境基本計画を策定してまいります。
     次に、 離職者に対する職業訓練についてであります。
     離職を余儀なくされた方が早期にしかも安定的な雇用の場に再就職するためには、 社会や産業界が求める人材と求職者が有している能力をマッチングさせていくことが重要であると認識しております。 あるいは社会、 産業界が求める人材に国民の能力を、 求職者にそのような力をつけさせるということも重要であると考えます。
     派遣労働者などの非正規労働者の場合は、 これまで職業能力開発の機会に恵まれていなかったと考えられることから、 このような方に対して社会経済の変化や求人ニーズに適切に対応した知識や技能を身につけるための職業訓練を行うことが非常に重要だと考えております。 このため県では技術専門校や民間教育訓練機関を活用して、 離職者を対象とした職業訓練を実施しているところでありますが、 その定員をことしは七百九人でありますが、 来年度は本年度の約倍強の千五百五十四人に拡大することとしております。
     特に、 雇用の受け皿として期待される介護分野については八十人を二百二十五人に、 IT分野においては九十人を三百三十人に増員をいたします。
     介護分野については、 来年度三%の介護料の改定があるということから、 これをできるだけ介護人件費に回すということが期待されておりますけれども、 昨今、 福祉・介護の分野の方々から伺いますと、 この分野に就職してももう低賃金でどうしようもないというイメージが非常に幅広く行き渡っているせいか、 子供がこういう分野に就職しようと思っても、 学校とか親が、 学校が就職指導の際、 あるいは親が相談を受けた場合に、 そんな分野に行くのはよしなさいというような傾向が見られて非常に困ってるということを関係者からも伺っております。
     したがって、 この分野における待遇改善は急務であると思いますし、 一方で適切な進路指導、 これもあわせてお願いしていかなければいけないと思っております。 そういう観点で、 職業訓練成果を再就職に結びつけるために技術専門校に配置をしております巡回就職指導員、 これを今年度二人から来年度は六人に増員をいたします。 また県内三カ所の就職相談センターの就職サポーターを十一人から十五人に増員するとともに、 離職者等を対象とした就職面接会などを開催して啓発に努めたいと考えております。
     今後とも、 労働需要が見込まれる分野を中心とした職業訓練に取り組むとともに、 ハローワークなど関係機関と連携し、 一人でも多くの離職者が早期に再就職できるよう努めてまいります。
     その他の御質問につきましては、 関係部局長、 教育長から御答弁を申し上げます。
    ○議長 (天野 一君)  藤原総務部長。
            (総務部長 藤原通孝君登壇)
    ○総務部長 (藤原通孝君)  浜岡原発についてのうち、 初めに一、 二号機の廃炉についてお答えいたします。
     原子炉の解体工事につきましては、 日本ではこれまでに日本原子力研究所の動力試験炉を昭和五十六年から平成八年までの期間をかけて安全に解体撤去した実績があり、 また現在は新型転換炉 「ふげん」 や我が国初の商業用原子力発電所である東海発電所の廃止措置が、 国の安全審査を経た上で開始されていると承知をいたしております。
     一、 二号機の廃炉につきましても、 これらの経験が十分に生かされ安全に解体撤去されることを強く期待しているところであります。
     次に、 三、 四号機の耐震安全性についてであります。
     浜岡原子力発電所三、 四号機について中部電力では、 基準地震動を一千ガルとした耐震裕度向上工事を国が平成十八年に新耐震設計審査指針を示す以前から行っており、 この工事の効果も加味して新指針に基づく耐震安全性評価を実施しております。 現在この評価について国の審査を受けているところでありますので、 県といたしましてはその状況を注視しております。
     また、 県ではこの耐震裕度向上工事について第三者の評価を受けるよう中部電力に求めており、 現在その評価が進められているとの報告を受けております。 これらの審査や評価の結果、 必要があれば中部電力に対し所要の対応を求めてまいります。
     次に、 六号機の新設についてであります。
     原子力発電所は、 耐震設計審査指針に基づき、 その場所で想定される最大の地震動に耐え得るよう設計、 建設されることとなっております。 こうしたことから今後六号機の設置許可申請がなされる場合には、 国において予想される東海地震や御前崎台地の隆起など周囲の地形・地質なども踏まえ、 その設計の妥当性についての審査が行われるものと認識をいたしております。
     また、 六号機の新設につきましては、 地元の意向が最優先でありますので、 事業者が安全性の確保を前提に地元の理解をいただくことから始めるべきものと考えております。 県といたしましては、 そうした中で示される地元の動向、 意向を見守りながら適切に対処してまいります。
     次に、 過疎地域の集落対策についてであります。
     県内では、 過疎地域自立促進特別措置法に基づき八市町の全域あるいは一部地域が過疎地域となっております。 これらの地域は他の地域と比べて人口減少や高齢化の進行が著しく生活や産業基盤が脆弱でありまして、 厳しい状況にあるものと認識をいたしております。 また昨年十二月に発表されました将来推計人口におきましても、 今後このような傾向が一段と進行するものと予測をされておりますことから、 維持の困難な集落の増加、 森林の荒廃、 耕作放棄地の増加等につきまして強く危惧しているところであります。
     このため県では、 過疎地域に対し、 市町村と連携をいたしまして、 道路、 集落排水等の生活基盤の整備、 バス路線の維持対策等の推進や過疎地域ならではの豊かな自然、 特産物や地域イベント等の情報を発信するブログサイト 「ゆとりすと静岡」 を活用した交流居住の推進などに引き続き取り組んでまいります。
     またさらに、 現行過疎法の――これ御指摘のとおり平成二十二年三月失効いたしますが  この三月失効に対応した静岡県過疎地域対策検討委員会での検討を踏まえまして、 新たな過疎法の制定や地域の実情に応じた集落の維持活性化対策の推進について国等に働きかけますとともに、 静岡市と浜松市が共同設置しております中山間地対策共同研究会に県も参加し、 集落点検の実施や集落支援員の設置等について研究を進めてまいります。
     県議会におかれましても昨十二月の県議会で意見書等の議決をいただいております。 今後も幅広く御意見を伺いつつ取り組んでまいりたいと考えております。
    ○議長 (天野 一君)  大須賀厚生部長。
            (厚生部長 大須賀淑郎君登壇)
    ○厚生部長 (大須賀淑郎君)  新型インフルエンザ対策についてお答えいたします。
     本県では、 平成十七年に設置した知事を本部長とする県の対策本部のもと、 保健医療体制の整備や抗インフルエンザウイルス薬の備蓄などを進めてきたところでありますが、 新型インフルエンザ対策は特に発生初期における迅速な対応が重要であると考えております。
     まず、 情報の収集と提供体制についてでありますが、 厚生労働省の緊急通報メールや国立感染症研究所、 在外公館からの情報など多面的な情報収集ルートを確保しており、 発生時には速やかに市町村の関係部署や報道機関などへ情報を提供する体制を整備しているところであります。
     また、 市町村、 企業、 学校、 県民の行動につきましては、 現在策定中の行動計画におきましてうがいの励行や不要不急の外出の自粛、 食料等の備蓄、 学校の休校措置、 さらには県や市町村が早急に対応すべき事項などを示しますとともに、 ライフラインの確保を初めとした社会機能の維持を図るため事業継続計画の策定を事業者に求めていくことなどを考えております。
     次に、 富士山静岡空港での対応についてでありますが、 新型インフルエンザにおきましても他の感染症と同様に空港内にある国の検疫所と県の保健所が連携し、 患者の搬送と対応する病院への入院措置、 接触者に対する疫学調査などを行い、 感染拡大防止に向けて適切な対応を図ることとしております。
    ○議長 (天野 一君)  杉山産業部長。
            (産業部長 杉山栄一君登壇)
    ○産業部長 (杉山栄一君)  有機農業の推進についてお答えいたします。
     本県では、 有機農業を環境保全型農業の一形態として位置づけ、 これまで天敵を活用した病害虫の防除技術の開発等を行うとともに、 平成二十年度から県内三地区で有機農業の郷づくり推進事業に取り組んでいるところであります。
     また、 有機農業推進法に基づき県が取り組む施策を具体的に示した静岡県有機農業推進計画については、 今月末の公表を目途に策定作業を進めております。 この計画においては、 有機農業では病害虫による品質や収量の低下が起こりやすいことから、 県は有機農業に取り組む農業者が実践している技術に県や国の研究機関で開発された技術を組み合わせ、 茶、 水稲、 野菜などの栽培指針を作成するとともに、 普及指導の強化を図ることで農業者が有機農業に容易に従事することができるよう支援することとしております。
     また、 農業者が有機農業により生産した農産物の流通販売に積極的に取り組めるようにするため、 農業者が地元の量販店や農産物直売所などと行う意見交換会や農場見学会を支援するとともに、 ふじのくにしずおかフードフェアなどを活用して、 農業者と食品関連業者等との商談の場の設定に努めてまいります。
     さらに、 有機農業で生産された農産物に対する消費者の需要に的確にこたえるため、 本年三月に有機農業に対する消費者の理解と関心の増進を目的としたシンポジウムを開催するとともに、 来年度は有機農業の郷づくり推進事業に取り組んでいる島田市、 富士宮市における現地交流会の開催や、 有機農業に取り組む農業者やその生産物等を紹介する冊子の作成配布などを行うこととしております。
     今後とも、 静岡県有機農業推進計画に基づき、 市町村や関係団体と連携して有機農業の推進に努めてまいります。
    ○議長 (天野 一君)  衛門建設部長。
            (建設部長 衛門久明君登壇)
    ○建設部長 (衛門久明君)  森の力再生事業についてお答えいたします。
     この事業は、 特に県民の協力によるもりづくり県民税を財源としておりますことから、 事業の執行状況や効果について、 外部有識者による森の力再生事業評価委員会の検証を受けながら進めております。
     荒廃した人工林の森の力を回復するため、 林内に下草や多様な広葉樹を発生させ混交林化を目指しており、 整備から二年後の調査では、 下草が表土を覆う割合が平均一五%から四一%に、 樹木の種類も十八種類から五十七種類に増加し期待した効果があらわれておりますが、 混交林化をより確実にするためには、 場合により追加の植栽などの手入れが必要と考えております。
     また、 この事業を契機として、 これまで延べ十万人の就労機会の創出や約六十人の新規雇用、 約四万立方メートルの県産材の新たな活用、 さらには身近な竹林や里山を自治会が持続的に管理する取り組みなどにつながり、 山村地域の活性化や循環型社会の構築にも寄与するなど、 その効果が徐々に広がりつつあります。
     県といたしましては、 これまでにも県民だよりを初め市町村長や商工団体との意見交換会などを通じて税や事業内容の広報に努めてまいりましたが、 今後はさらに広く事業の有効性への県民の皆さんの理解を深めるため、 県内各地でのタウンミーティングや体験ツアーの開催を通じ、 県民の協力を得ながら着実に荒廃した森林の再生に努めてまいります。
     次に、 草薙総合運動場の再整備についてであります。
     初めに、 第二静岡学園との交渉の状況でありますが、 昨年度末、 交渉を進めるための基本協定を取り交わし、 本年度は用地及び物件調査を実施したほか補償内容や移転の時期などについて交渉を進めてまいりました。 この結果、 用地取得及び物件補償の基本的な考え方について理解が得られたことから、 平成二十一年度の取得に向け交渉を進めてまいります。
     また、 草薙体育館につきましては、 再整備基本構想の中でも現体育館の機能を引き続き確保していくこととしておりますが、 近年老朽化が進み耐震化の問題も指摘されておりますことから、 本年度は詳細な耐震診断を実施し、 補強対策が必要であるとの調査結果を得たところであります。
     昨年末には、 静岡市及び関係団体から、 草薙体育館を東静岡地区へ移転誘致する要望書が出されたところでもあり、 高度化する施設水準への対応を含め、 引き続き広く関係者から意見を伺った上で、 総合計画の見直し等も踏まえましてこの方向性を検討してまいります。
    ○議長 (天野 一君)  遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長 (遠藤亮平君)  学校の安全維持についてお答えいたします。
     学校において、 安全・安心の確保は第一に優先されるべきものであり、 すべての児童生徒が教育を受ける上で最も基本的かつ不可欠なことであります。
     新たに改訂された学習指導要領の総則には、 安全に関する指導が盛り込まれ、 学校保健安全法には学校設置者の責務や地域の関係機関等との連携等についての体制を整備することが追加されるなど、 指導の充実や学校安全へのそれぞれの果たすべき役割が明確になってまいりました。
     県教育委員会といたしましては、 今後、 県内すべての小学校区に配置しているスクールガードリーダーの増員や新たに中学校教諭に対する防犯教室研修会の実施、 また高等学校への交通安全指導員の配置などにより、 警察等関係機関や地域との連携による体制の強化や指導者の資質向上を図るとともに、 このたびの法改正の趣旨に基づいた学校安全計画を各校が早急に策定するよう指導してまいります。
     また、 学校安全教育活動全体を通して、 安全に関する情報を正しく判断し安全のための行動に結びつけることのできる児童生徒の育成を目指すなど、 一層の学校安全の推進に努めてまいります。
    ○議長 (天野 一君)  原田警察本部長。
            (警察本部長 原田宗宏君登壇)
    ○警察本部長 (原田宗宏君)  警察行政についてのうち、 初めに体感治安の向上についてお答えいたします。
     議員御指摘のとおり、 平成十九年から取り組んでまいりました静岡県警察治安再生プログラムは本年一月で二年が経過し、 昨年の刑法犯認知件数や人身交通事故件数なども一昨年に続いて減少するなど、 これまで推進してきた各施策の成果が着実にあらわれているのではないかと考えております。
     しかしながら、 全国同様本県におきましても、 重要凶悪事件の発生や振り込め詐欺の続発など犯罪情勢は依然として厳しく、 加えて昨年の金融危機から始まった世界的な不況や社会情勢における不安定要因が、 今後の治安情勢に少なからず影響を与えるのではないかと懸念されるところであります。
     こうした情勢の中で、 治安再生プログラムはことし実施目途の最終年を迎えるわけでありますが、 体感治安向上のためには、 社会に不安を与える殺人、 強盗等の凶悪事件の徹底検挙や社会的弱者をねらった振り込め詐欺事件等に対する諸対策を着実に進めることはもちろん、 これまでの施策や仕事のやり方に安住せず積極的に見直し改善を加え、 各種施策を一層強力に推進し犯罪の減少傾向を一層堅調なものとすることが重要であると考えているところであります。
     また、 県民、 企業への情報提供、 関係機関等を通じた広報活動を積極的に展開するとともに、 犯罪の変化に機敏に対応しスピード感を持った先手先手の防犯活動、 検挙対策、 そして犯罪に強い社会システムをつくるための各方面への働きかけを的確に推進してまいりたいと考えております。
     次に、 犯罪被害者支援についてであります。
     犯罪被害者支援は、 犯罪被害者自身を初め各方面の尽力により大きく進展してきたところであります。 また殺人や性犯罪、 交通死亡事故、 ひき逃げ事故の御遺族や被害者の受ける精神的打撃は極めて大きく困惑の度合いも強いことから、 特にきめ細かな支援を行っております。
     支援の具体的内容としては、 捜査経過の説明、 「被害者の手引」 の交付による刑事手続などの説明、 事情聴取、 捜査書類等の作成または作成時の付き添い、 病院への付き添いや医師との連絡、 被害者家族への説明・連絡、 各種相談への対応などの活動のほか、 警察に提出する文書料や性犯罪被害者の初診料等の公的負担、 犯罪被害給付制度に基づく給付金の支給などの経済的支援も行っております。
     課題についてでありますが、 犯罪被害者支援は、 犯罪被害者等基本法が示すとおり国、 地方公共団体及び民間の被害者援助団体などが相互に連携をとりながら行うべきものであり、 県、 市町などに取り組みの充実強化を図っていただき、 相互に連携協力して、 より一層被害者の立場に立った支援活動を展開していきたいと考えております。
     また、 犯罪被害者等が、 犯罪等により受けた被害から立ち直り再び平穏に過ごせるようになるためには、 警察や国、 地方公共団体による施策を十分に行うことのみならず、 被害者を取り巻くすべての人々の理解と配慮、 そしてそれに基づく協力が重要でありますので、 広報啓発活動を推進し、 被害者が置かれた現状等に対する県民の理解の増進と配慮・協力の確保に努めてまいりたいと考えております。
     県警察といたしましては、 今後も被害者や関係者の声に耳を傾け、 関係機関・団体とともに、 これまでに構築している各種施策・制度を適切に推進し、 真に実効の上がる被害者支援に取り組んでまいる所存であります。
    ○議長 (天野 一君)  三十番 小長井由雄君。
            (三十番 小長井由雄君登壇)
    ○三十番 (小長井由雄君)  土地収用法でですね、 土地を余分に収用してしまったという問題でございますけれど、 返還に向けて地権者と協議を進めていくということでございますけれど、 現状ですね、 土地は大分もう変形してしまって場所もわからないと、 確定できないというような状況になってるというようなことも聞いておりますけれど、 その辺についてはどんなふうに今後していくのかお伺いいたします。
     それから搭乗率保証でございます。 航空会社のリスク軽減のためということでございますけれど、 七〇%というのはですね、 どういう根拠でこれを決められているのかということ、 そしてまた搭乗率保証に関しましては、 私は最初からやる必要はないんじゃないかなというような気もします。 途中までやって、 かなり搭乗率が悪いということであれば、 またその段階でですね、 県のいろんな施策展開の間、 一年間ぐらいは搭乗率保証して航空会社に減便をやめてくれというような言い方もできるんではないかなと思いますし、 また静岡―福岡便でしたら、 需要予測でいくと二十四万人ということでございますので、 搭乗率保証というような制度をとらなくても十分航空会社を説得できたんではないかなと、 航空会社にそういうお話ができたんではないかなというふうに思いますが、 その辺の点についてお伺いさせていただきます。
     それから浜岡原発でございますけれど三、 四号機の耐震性ということです。 耐震性の工事を行ったということでございますけれど、 一、 二号機と同程度の耐震性を持っているというようなことでずっとこれまで来ておりますので、 一、 二号機は三千億かけて免震装置等も含めた工事をするというようなことを言っていたかと思います。 その辺についてですね、 三、 四号機免震装置ということは言われておりませんが含めてですね、 安全性は大丈夫なのかどうなのかお聞かせをいただきたいと思います。
     それから知事は、 再三にわたりまして地元の合意、 地元の合意ということをおっしゃるわけでございます。 そしてまた安全性ということを強調されます。 安全性ということを強調されるということでですね、 これはまず県が率先してこの安全性を確認するということも必要ではないのかなというふうに考えますが、 その辺についてお伺いさせていただきます。
    ○議長 (天野 一君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  小長井議員にお答えいたします。
     土地収用法の過収用の部分どうするのかという話でありますが、 これはこれから地権者と十分話し合って対処したいとこういう考えでございます。
     それから搭乗率保証の問題でありますけれども、 いろんなお考え、 例えば小長井議員がいろいろお述べになったようなお考えもあろうとは思います。 いろんな交渉の過程でいろいろやりとりした結果、 日本航空側における福岡路線三便、 三便ということについてのリスクについて、 何らかの備えがないと就航しにくいということから、 このようなことになったわけであります。
     ただ、 青天井でこういうことをやるっていうことも問題がありますので、 とりあえず半年間の措置としてその後の状況を見てその次をどうするか、 先ほどもちょっと御答弁いたしましたけども、 減便するっていうことも含めて、 この七〇%を下回った場合にはいろいろ考えていかなきゃいけない。
     また、 七〇%を超えて順調に推移した場合に、 その後はですね、 増便とかあるいは機材の大型化などを働きかけなきゃいけないと思いますし、 そういう過程でのいろんな状況を見てバランスの中で決まってきたものでありまして、 方程式でぱっと出てきたような数字というふうには理解をしておりません。 向こうがリスク軽減のための最低限のラインということで、 得心がいった数字だというふうに私は受けとめておるところでございます。
     さればといって、 これが必ず七〇%を下回って補てんが発生するというわけでもありません。 今後関係各方面の御協力もいただきながら、 この七〇%ラインを上回るような利活用、 これにもあわせて全力を挙げて取り組む考えであります。
     浜岡原発の問題については総務部長から御答弁申し上げます。
    ○議長 (天野 一君)  藤原総務部長。
            (総務部長 藤原通孝君登壇)
    ○総務部長 (藤原通孝君)  浜岡原発についての再質問にお答えをいたします。
     まず、 三、 四号機の安全性は大丈夫なのかと、 こういう御質問であります。
     三、 四号機について一千ガルということで耐震裕度工事を行って、 今、 国の審査を受けていることは先ほど申し上げたとおりでありますが、 まさにその安全性が本当に大丈夫なのかということを現在審査されているものと認識をいたしております。
     また、 これも先ほど御答弁申し上げましたが、 第三者の評価についても受けるように中部電力に求めたところでありまして、 現在その評価も進められているということも報告を受けているということでございます。 ですのでこれらについては今後とも国の審査をきっちり見守り、 また第三者の評価についてもお話を伺いながら、 安全性を確認していくということになるというふうに考えております。
     また、 安全性を県が率先して確認すべきではないかという点についても、 累次知事からも御答弁をこの県議会の場でもしておったかと思いますが、 やはりそれぞれの立場といいますか、 持てるノウハウで答えていくべきものというものがあると思っております。
     我々としても、 こういった一連の過程をしっかりと公開の場で説明を受けたり、 あるいは疑問点を質問したり、 あるいは国に対しても要望したり、 もちろん中電に対しても安全性についてきっちり説明するように求めたりといったようなことを繰り返してきておるわけでありまして、 それぞれの国の立場、 県の立場、 さらに地元市町村、 あるいは事業者の立場それぞれにあろうかと思いますが、 まずは事業者がきっちりと安全性を説明をするというのが第一点、 さらにそれを審査すべき立場にある国がきっちりと見ていただくというのが第二点、 我々としてはその過程をできる限り県民の皆様に、 あるいはもちろん地元の皆さんにオープンな形でやっていっていただけるように求めていくと、 これが県の考えでございます。
     引き続き、 こうした考えに基づいて地元の合意、 あるいは安全性というものを最大限尊重すると、 あるいは大事にするという観点から取り組んでまいりたいと考えております。
    ○議長 (天野 一君)  三十番 小長井由雄君。
            (三十番 小長井由雄君登壇)
    ○三十番 (小長井由雄君)  もう一度搭乗率保証についてお伺いをさせていただきます。
     航空会社のリスク軽減の最低限の数値だというのが七〇%だというふうにお答えいただいたかと思うんですけれど、 これだけではですね、 七〇%を切った場合は税金から払うということでございますので、 なかなか県民の皆さんの納得できる説明ではないのかなと。 七〇%というのは何か根拠があるのかどうなのか、 その辺を確認して七〇%と決められたのかどうなのか、 その辺をもう一度お聞かせをいただきたいと思います。
     それから需要予測でいきますと二十四万人ということでございます。 三便でですね、 例えば三百六十五日あれば二十九万三千四百六十席のうちの二十四万人ですから、 八一・七%の搭乗率になるわけでございますね。 そうしますと航空会社とのいろんな話し合いの中で、 先ほども申し上げましたが、 こういった需要予測をもとにですね、 搭乗率保証というのは設けなくてもやっていけるんじゃないかと、 もう少し飛行機も出せるんじゃないかというようなことも話できたんではないかなと、 そんなふうに思いますが、 その辺のところにつきましてもう一度お聞かせ願います。
    ○議長 (天野 一君)  岩ア空港部長。
            (空港部長 岩ア俊一君登壇)
    ○空港部長 (岩ア俊一君)  目標搭乗率への七〇%の数値でございますけれども、 同種の機材を使用しています類似のほかの路線の事例を参考に福岡路線について想定されます費用の見込み、 それと旅客一人当たりの実収の見込み運賃をもとに算出いたしました損益分岐点搭乗率、 これに基づきまして設定をさせていただいたところでございます。
     ただ、 開港前の現時点におきましては、 富士山静岡空港の実績値がないものですから、 他路線の事例によることが最適の方法であると考えております。
     なお、 能登空港、 米子空港など既に同制度を実施しておりました空港におきましても、 いずれも初年度は七〇%を目標搭乗率に設定をしているところでございます。
     次に、 需要と航空会社との関係でございます。 私ども需要予測二十四万人、 福岡線につきましては存すると思っております。 また最初の平成十七年度の全国幹線旅客流動調査によりますれば、 本県と福岡県との旅客流動は三十七万人で、 このうちかなりの部分を私どもの空港に取り込むことができると考えてございます。
     一方、 航空会社のほうは航空会社のほうで、 そのときどきの経営状況でございますとか、 全国展開、 また国際的に経営戦略をとっておりまして、 そこら辺が経営戦略というその一環として静岡路線について何便就航するのかということを御検討されておると思いますので、 そこのところはなかなか立場が違うところでございますけれども、 私どもとしては福岡線三便につきまして、 需要喚起を講じまして七〇%以上の搭乗率達成に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
    ○議長 (天野 一君)  これで小長井由雄君の質問は終わりました。
     以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。

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