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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成29年12月静岡県議会定例会

櫻町 宏毅 議員(ふじのくに県民クラブ)の 代表質問 に対する答弁

(質問日:12/06/2017番目)
答 弁 者知事


○知事(川勝平太君) 櫻町議員におかれましては、昨日これまで十年以上の県政への御功績をたたえられまして自治功労者表彰を受章されましたこと、おめでとうございます。同じように阿部議員、宮沢議員、中沢議員、藪田議員、落合議員、竹内議員、十年以上の県政への御尽力に対しまして自治功労者表彰のはえある栄誉に輝かれましておめでとうございました。特に三十年以上の県政への御尽力に対しまして自治功労者表彰が与えられました岡本護先生、おめでとうございました。
 さて、櫻町議員にお答えいたします。
 次世代に引き継ぐ魅力ある静岡県についてのうち、次期総合計画に反映するべき課題についてであります。
 施策体系のあり方についてでありますが、ふじのくに県民クラブの皆様から八十七項目の大変貴重な御意見をいただきました。感謝申し上げます。いただいた御意見を計画案に反映いたしました。そのうち今回御質問のありました三点についてお答えいたします。
 第一点目、総合計画のあり方についてであります。
 議員御指摘のとおり、総合計画は県づくりの基本方針を示すものであります。県民の皆様と目指す姿を共有し、ともに地域づくりを進めていく基礎となるものであります。策定に当たりましては社会経済環境の変化などを十分に踏まえまして人口減少への対応や超高齢社会に対応した仕組みづくり、力強い経済、産業の実現など本県が直面する課題を明らかにいたしました。こうした直面する課題を克服し県民の豊かな暮らしを実現するために本県が目指すべき将来像として基本理念である富国有徳の美しい“ふじのくに”づくり、静岡県をドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点にを掲げております。この基本計画には本県が目指す徳のある人が物心ともに豊かに暮らす地域の実現に向け具体的な施策を盛り込んだところであります。
 二点目の行政経営と有徳の人づくりについてであります。
 総合計画に掲げる八つの政策を着実に推進するためには、効率的で持続可能な行政経営が不可欠です。このため行政経営を政策の一つとしてではなく計画の実効性を担保し八つの政策全てを支える政策の実効性を高める行政経営として位置づけまして、透明性の向上、県民参加の促進、健全な財政運営の堅持などに取り組んでまいります。基本計画では進捗をはかる数値目標及び取り組みの基本姿勢や方針を盛り込みまして行政経営の重要性を明確にいたしました。
 また、ふじのくにづくりの礎となるのは何といっても人材であります。このため基本理念の具体化の方向に未来を担う有徳の人づくりを掲げることにいたしました。引き続き高い志を持って地域の未来を担っていく人材の育成を目指してまいります。
 三点目、県民に理解されやすい用語についてであります。
 ふじのくには、県民の皆様に定着している平仮名の表現を継続いたします。基本理念につきましても誰でも努力をすれば人生の夢を実現し幸せを実感できる地域にするという考え方を県民の皆様に広く理解していただけるようわかりやすい説明に努めてまいります。
 今後とも、県議会を初め県民の皆様の御意見を賜りながら次期総合計画の策定に取り組んでまいりますので、県議会の皆様の御支援、御協力を賜りますようお願いを申し上げます。
 次に、若者が夢を持てる県内就職の実現についてであります。
 若年層の人口流出につきましては、進学等で東京を中心とした県外へ流出した若者がそのまま本県以外で就職することが大きな要因になっています。なぜ本県外で就職するのかについて若者の意見や考えをしっかりと聞き、それに応える対策を講じることが必要です。
 若者の意見としては、まず県内企業の情報がわからないということがございます。これにつきましては高い技術力を持つ本県企業の魅力などを的確に広く伝えていくことが重要です。このため県ではこの二年間で就職支援協定締結大学を十八校にまで広げました。また静岡U・Iターン就職サポートセンター、またしずおか就職ネット等々を通じまして県外に進学した学生に本県企業の求人情報はもとより、製品が業界トップクラスのシェアを占め安定した業績で成長を続けてきらりと光っている中小企業、小企業の存在などを発信しているところであります。
 加えて、学生にきめ細かく企業情報等を届けることが重要なことから、今月一日東京と名古屋に新たに学生情報収集員を配置いたしまして本県出身の学生が多い大学を精力的に訪問するなど県内企業の情報提供や学生と企業との橋渡しを強化してまいります。
 一方、県内大学に在学中の県外出身者に対し本県の魅力を伝え県内に就職してもらう取り組みも大切です。このためこの十一月に静岡大学などと連携いたしまして、県内十二の市町の参画を得て地域の特徴、魅力とともに企業情報や就職支援施策などを伝える相談会を静岡市において初めて開催いたしました。五十人の学生さんが参加いたしまして寄せられた声でありますが、ふだん気づかない地域の特徴を聞くことができた、各市町の企業の具体的な情報が得られた等々の意見が寄せられ大変好評でありました。そこで今後も積極的にこうした取り組みを推進してまいります。
 また、首都圏で就職した若者の中には静岡に愛着があっていつかは戻りたいという意見もあります。こうした若者がこれからの生き方を見直すのがまずは三十歳を迎えるころではないかと。論語に三十にして立つという言葉もありますが、この三十前後の層をターゲットに情報を有効に発信する必要があります。
 三十歳と言いましたが、四捨五入して三十ということで二十五歳から三十四歳まで、これまでこれらの年代の人たちはまだいろいろ試行錯誤する人生の段階ではないかということでございます。大学を卒業するのが二十二、三、それから二、三年たちまして、こんなはずではなかったということで従来であれば石の上にも三年、さらに頑張れということでございますけれども、今はやめていく若者も多いということであります。そうした中、夢のある大きな会社だと思って勤めたところが、ぼろぼろになってついにみずからの命を絶ったという、そういう本県出身者の若者もいました。ですから大会社イコール幸せということではないということは電通、東芝、東レ、三菱マテリアル等々大会社におきましてさまざまな品質不正等起こっております。ですからこの大会社イコール幸せ感というのを見直すであろう二十五歳から、また三十ぐらいになりますれば父、母のことを考え、また結婚も視野に入り、将来本当にこのままでいいのかということを見直す年齢で投票率もぐっと上がります。すなわちみずからの社会的な位置について考える時期になるわけです。そのときに三十になったら静岡県という一種の標語を掲げまして、静岡U・Iターン就職サポートセンターなどを核として多彩でポテンシャルのあふれる県内企業群とのマッチングの支援を強化していこうということで若者の三十になったら静岡県への第一歩を応援していこうというふうにしておりまして、目下経済界の方たちとお話しするとこれはなかなかおもしろいということで御理解をいただいているところでございます。
 県としましては、誰もが努力をすればみずからの夢を実現し幸せを実感できるドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点、美しいふじのくにをつくり一人でも多くの若者が県内に就職して活躍できるよう全力で取り組んでまいります。
 私は、若者が親元から一度は離れて独立したいという、それを足どめする必要はないと思っております。大事なことはいかに戻れる環境を整えてその情報を知らせておくことではないかという考えでこうした取り組みを今、進めているところであります。
 次に、南アルプスの水資源とリニア中央新幹線についてであります。
 リニア中央新幹線南アルプストンネルの工事に伴う大井川の流量減少問題を初めとする環境への影響につきましては、これまでも本議会の場で多くの議員先生から御質問をいただきました。その都度私はこれが大変重要な問題であるとの認識に立ちまして、JR東海に責任ある対応を厳しく求めると答弁を行ってまいりました。
 大井川では、この二十五年間に十六回もの取水制限が実施されています。ことしも八十七日間の取水制限が行われました。今年三月、トンネル工事で発生する湧水の全量を戻すことやJR東海との基本協定の締結などを求める利水団体からの要望を踏まえまして、県が立会人となり協議調整を始めたところであります。今年四月にはJR東海に対しまして環境問題全般にわたる問題点の解決に向けた知事意見書を提出いたしました。誠意のある対応を求めたところであります。
 しかし、JR東海から誠意ある回答を示していただけないことから、県内区間の工事契約を目前に控えていた十月十日の定例記者会見におきまして私は大井川の流量が減ることへの認識不足に対して猛省を促すべくJR東海に厳重に抗議をしたところであります。トンネル工事は万全の対策がなされなければ大井川の流量を減少させることは確実です。また本県の誇る貴重な財産である南アルプスの地形を改変し生態系を壊すものであります。現時点では本県にとって全くメリットのない工事であります。
 JR東海は、工事による大井川の流量減少分の水は全て戻すと主張しておりますが、河川流量は自然条件で日々変わります。トンネル工事による減少の程度を特定することなど不可能です。河川流量の減少を回避する確実な対策はトンネルでの湧水の全量を大井川に戻すということでしかありません。
 私の会見以降も、JR東海は大井川の流量減少問題に関して従来の主張を繰り返すのみで、本県へのメリットや自然環境の保全などへの対応を明確にしていない中で導水路トンネルや本体トンネルに関する工事契約を締結しており、その姿勢につきましては余りにも誠意がないものと考えております。
 JR東海がトンネル湧水の全量を戻すことは当然です。櫻町議員の体を傷つけると、後、直してやるから傷つけさせろというのと一緒でありまして、そうしたことは改めて治療してやるから傷つけさせろという、このようないわば恩恵を施すかのごとき態度というのはもう断固として許されない。私どもが利水者と一緒に要請する、要請するべきほどの水位のものではなくて、本来工事担当者が、責任者がそれを当たり前のものとしてするのが企業倫理というものではないかというふうに思っております。
 ちなみに、二〇二七年に工事が完了する予定でそのときには新幹線駅ができるだろうというふうなことで言われていますが、これはもう周知の共有事項なのです。平成二十三年の春に交通政策審議会中央新幹線小委員会の答申が出まして、二〇二七年のリニア新幹線開通の暁には既存の新幹線の活用法が変わると。その際には静岡県内に新駅を設置するということがうたわれているんです。その新駅というのは固有名詞が挙げられておりませんが、富士山空港の真下ということはこの小委員会を統括せられました家田先生ほか全員の共通認識であり、JR東海の今実質決定者である葛西さんの共通認識でもあり、そのことについて二〇二七年には駅ができるということで共通認識を持っているわけです。ただその後富士山空港が首都圏空港の補完空港になるとか大規模な広域防災拠点に指定されるとか、さらに御嶽山の噴火によって富士山の噴火も想定内になるとか等によりまして富士山空港の持っているポテンシャルが大きくクローズアップされ、どうせするならば前倒しでやってはどうかというのが私の態度でございまして、何かそれを駅をつくってくれるかわりに工事させてやるとか、そういう話ではないということだけはあらかじめ御理解賜りたいと存じます。
 ともあれ、JR東海に対しましては十全な環境保全措置と具体的な地域振興策の提示がない現状にありまして、工事着手を断固認めないという強い姿勢に立ちまして利水団体や流域の市町とも連携し不退転の決意に立って臨んでまいりたいと考えております。
 次に、今後の教育行政の推進についてのうち、本県教育の目指す人づくりの方向性についてであります。
 私は、知事に就任しまして以来一貫して富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりを進めてまいりましたが、基礎は一にも二にも人材であります。人材を育成するための柱が教育であります。
 ふじのくににおける教育の基本目標は、霊峰富士山の姿のように品格のある人格者、言いかえますと有徳の人の育成であります。現在策定を進めております次期教育に関する大綱におきましても明確にそのことを位置づけてまいります。
 ちなみに、来年は明治維新百五十年を迎えます。明治時代にあって世界遺産にもなった産業革命遺産群がございますが、非西欧圏で唯一政治的な独立を堅持して経済的な発展を成功したのは唯一日本であります。どうしてできたのかと。その基礎は一国の独立の基礎は一身の独立にあり、一身の独立の基礎はこれ学問にあると。その学問というのは実学であると。すなわち今日で言うところの洋学であります。工学とか法学とか経済学とか医学とかこうしたものであります。基礎には教育があったと。実用の教育があったということであります。今日は偏差値教育に偏しておりますが、そもそもはこれは実用の学問であったということであります。
 そうしたことから、次期県教育振興基本計画につきましては一国の独立が教育から始まるように、地域の自立は教育の自立から始まるという信念のもとで大綱に掲げる有徳の人づくり宣言、すなわち文武芸三道の鼎立、多様な人材を生む教育の実現、地域ぐるみ、社会総がかりの教育の実現を施策の大黒柱に据えまして策定することとしております。
 例えば、今申しましたごとくふじのくにづくりは相応の学問に基礎づけられねばならないということは、奈良時代前後からの日本は仏教を基礎にいたしまして鎮護国家という国づくりをいたしました。江戸時代の日本は儒学あるいは朱子学を基礎に徳治国家を目指しました。明治以降は今日我々が通常学問と言っている、それはしかし洋学と言うべきでありましょう。儒学や仏教とはまた全然違う体系を持っております。この洋学を基礎に西洋流の富国強兵国家を目指し成功してきたものであります。しかしそのほころびも見えてまいりましたし、その目標は達成したとも思います。
 新しい国づくりには相応の学問が必要であるということでございます。地域自立のためのふじのくにづくりには新しい地についた実学、今、我々はこれを技芸を磨く実学と言っております。もう少し具体的に言えば拠点校というのが静岡県にあります。これは大学進学校のことを意味しますが、しかし一方で農業高等学校、工業高等学校、商業高等学校、あるいは水産高等学校、裁縫、園芸、音楽、芸術等をベースにした公立学校が、いわば実学をする学校が四十二校もあります。こうしたものこそが今、光を当てられなければならないというふうに思っております。これらの卒業生が静岡県のものづくりを支えてきたということであります。
 次期教育振興基本計画におきましては、これまで学校で重視されてきた知性を高める学習――これはとても大事です――それのみならず技芸を磨く実学を奨励いたします。子供たちの学びの場となる魅力ある学校づくりを社会総がかりで進めてまいりたい、文武芸三道の鼎立を実現してまいりたいと。これは学問を大切にするのが文であります。武というのはスポーツを大事にするということ、芸は芸術を愛すると、この三つのことを全体として調和ある形にするというのが文武芸三道の鼎立の意味であります。
 論語に、吾十五にして学に志すという言葉がございますが、今年話題になったのは将棋の藤井聡太さんではないでしょうか。十四歳、中学生で二十九連勝しました。また五十勝六敗です。羽生さんを抜きました。もう十五にしてみずからは将棋の道に進むという人生がはっきりしています。あるいはスポーツにおきましては伊藤美誠さんどうでしょうか。中学生で世界チャンピオンになりました。あるいは今回永世七冠を達成されました羽生さんは小学校のときに何と将棋に志されたのですが、普通は八級から始めるのが十五級から始められたと、それほど弱かったということです。しかし中学になったころにはめきめきとその頭角があらわれてきまして、自分は将棋でいくということであります。十五ぐらいになればどういうふうに生きるかということがわかる年代だということではなかろうかというふうに思っているところであります。レールに乗った形で高校に行き大学に行って、そして大きな会社に勤めればいいと、これはもう今は過去の時代にしなくちゃならないということでございます。
 そうしたことから、私は子供たちの多様な個性を生かしてすぐれた才能を伸ばす実践的な教育を推進することにいたしまして、しっかりとした知識と技芸を身につけて新しい価値を創造して社会の持続的な発展に貢献するリーダーを養成してまいりたいと。もとよりグローバルな人材の育成も不可欠であります。
 今後も、教育委員会と私どもが総合教育会議の場で議論を深めまして富国有徳の美しいふじのくにの未来を担う有徳の人づくりを進め、新しい日本を切り開くための本県に根差した実学、学問によって教育における地方創生を実現してまいりたいと思っております。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。

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