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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成18年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鈴木 利幸 議員

質問分類

代表質問

質問日:

12/06/2006

会派名:

自由民主党


質疑・質問事項:



    ○議長(芦川清司君) 質疑及び一般質問を行います。
     通告により、十八番 鈴木利幸君。
           (十八番 鈴木利幸君登壇 拍手)
    ○十八番(鈴木利幸君) 皆さんおはようございます。
     私は自由民主党を代表して当面する県政の諸課題について、知事並びに関係部局長、教育長、警察本部長に質問いたします。
     初めに、県のあり方について伺います。
     まず、政令指定都市誕生後の県土づくりであります。
     私の地元浜松市を来年四月から政令指定都市とする政令が去る十月二十七日に公布されました。昨年七月に浜松市が周辺十一市町村と広域合併しその後の政令市を目指しての地域の取り組みが実り、人口約八十二万人、長野から愛知県境まで達する政令指定都市としては最大面積規模の都市がいよいよ誕生します。今後政令指定都市移行を契機として多彩なレベルの高い行政サービスやまちづくりを進め一層の発展を遂げられることを、地元の県議として期待しているところであります。
     さて顧みますと、我が国において地方自治のあり方に関する根本的な改革が求められる中、知事はいち早く新時代にふさわしい国と地方のあり方に関する最適な内政の機能を示すとともに、その再配置、再構築を図る内政構造改革を提言されました。この中で、将来の本県の市町像を二つの政令指定都市と政令指定都市並みの権限を持つ広域連合に再編することが望ましいとする具体的な構想が示されています。今日の県内における政令指定都市の誕生や市町村合併の進展、さらには市や町への積極的な権限移譲も知事が目指す内政構造改革の確実な取り組みの一端であると受けとめています。
     さて、こうして来年度からダブル政令指定都市体制が現実のものとなり、両市の人口や面積、道路延長などが県全体の四割を占めることとなる中、県行政の体質改善は避けられないものと思います。今後新しい自治構造をいかに確立し行財政改革を着実に進めることができるか、また県と政令指定都市が連携して県全体としての行政能力の強化を図ることができるのか、その成果がまさに問われることとなります。このため、これまでの取り組みを一段と加速させるとともに、知事が掲げる地域の暮らし満足度日本一の実現に向け県が真に果たすべき役割や機能に選択と集中を進め、政令指定都市との適切な役割分担のもと連携した行政運営を行い県民生活の充実を図っていかなければなりません。
     こうした折、去る十一月二十三日には知事が浜松市、静岡市の両市長に呼びかけ、県と政令指定都市のトップ会談が開催されました。地方分権時代において県と政令指定都市がそれぞれの立場で協力し合いながら行政を推進することは重要であり、その第一歩としてトップが一堂に会し本県の将来の発展ビジョンについて意見交換することは、時宜を得た大変意義深いものと評価するとともに、今後の取り組みを大いに期待しています。
     そこで県は、二つの政令指定都市とどのような関係のもとで地域の暮らし満足度日本一を目指し今後の地域づくりを進めていくのか、また新時代にふさわしい内政構造改革を進める本県としては今後どのような県土を目指した取り組みを進めていくのか、知事の御所見を伺います。
     次に、地方間の交流拡大戦略であります。
     「地方の活力なくして国の活力なし」を政権公約に掲げて安倍新政権が誕生してから既に二カ月余りが経過しました。就任直後の会見で総理は、人口減少や財政危機など我が国が直面する諸問題について安定した高い経済成長を実現することでこれを乗り切っていきたいとし、今後重点的に取り組むべき課題を三つ掲げました。人材の育成、イノベーションによる生産性の向上、そして社会や経済をオープンにして新しい活力を呼び込むこと、この三つであります。
     私は総理が指摘された事項はそのまま本県にも当てはまり、今後さらに一段上の発展を目指す上で大変重要な視点だと考えます。人口の減少の本格化に伴い個人が能力を高めてこれを十分に発揮することが求められるようになり、人材の育成は大きなテーマであります。また技術革新や新たな成長産業の創出などイノベーションによって生産性を高めていくことも重要であります。さらにこれからは地域が横並びでひとしく発展することが難しくなるため地域が狭いエリアの中の競争に終始する事態も考えられますが、こうしたときこそ内向きにならずオープンな視点で他の地域と広く連携や交流を行い、これを地域活性化のエネルギーとしていく姿勢が必要であります。特に本県の場合には東西交通の要衝に位置し古くからさまざまな交流をばねに発展してきた歴史があり、他の地域との積極的な交流は大変重要な意義があると思います。
     こうした中、去る十月二十六日、本県と神奈川、山梨の三県の知事が一堂に会して初の三県サミットが開催され、県域を越えた連携を確認し合ったと伺っています。時宜を得た有意義な取り組みであり、今後行政間の連携にとまらず県民相互の理解と交流が拡大し、さらに三遠南信地域についてもこうした動きが広がることを期待しています。また道州制の動きや地域間交流の重要性をいま一度考えてみますと、こうした隣接県との交流促進とともに、これからは平成二十一年三月の富士山静岡空港の開港も視野に入れて国内遠隔地との交流拡大についても積極的に取り組んでいくことが重要だと考えます。
     こうした折、私はある知人からの話で鹿児島県のホームページを見て鹿児島県と岐阜県の交流協定の存在を知るとともに、本県もかつて新潟県と観光交流協定を結んだことを知り、県が主体となってしっかりとした交流基盤を構築することの重要性を認識しました。
     既に本県では富士山静岡空港のポートセールスの一環として沖縄県、北海道、鹿児島県に知事や議会も参加した交流団を派遣し交流の拡大を図ってきた実績があります。私はこうしたこれまでの取り組みを一過性に終わらせることなく、さらに活発な交流に拡大、発展が図れるような新たな仕組みを県が主体となって戦略的に構築していく必要があると考えますが知事の御所見を伺います。
     次に、本県の行財政運営について伺います。
     初めに、本庁組織の再編であります。
     さきの九月定例会において我が党の須藤議員による質素で効率的な組織の構築を求めた質問に対し、知事が「県庁の本庁組織について、広域的課題や行政需要の変化に総花的ではなく戦略的に取り組むことができる組織のあり方として、現在の十部の再編成を検討している」と答弁されました。今回、部設置条例の提案はこれを受けてこれまでの十部を見直して七部とし、県民部、厚生部、産業部、建設部といった新たな部を設置するものであり、組織の簡素化、名称のわかりやすさの点では評価しています。
     一方、本県は豊かな自然環境を生かした農林水産業の展開に加え県内各地域の製造業を中心とした多彩で特色のある産業の集積などにより、一人当たりの県民所得が全国第三位、製造品出荷額等が全国第三位など全国トップクラスの豊かさを誇る雄県であります。今回の本庁組織の再編は単に組織を大くくり化し部の数を減らすだけではなくこうした本県の魅力や豊かさをさらに飛躍させるものであるべきと考えますが、そのためにどのように行政運営が変わるのか、またどのような成果が期待されるのか伺います。
     次に、平成十九年度当初予算編成であります。
     小泉政権下で真の地方分権の確立を目指して行われた三位一体の改革は国から地方への国庫補助負担金が四兆七千億円削減される一方、地方への税源移譲は三兆円にとどまりました。税源移譲の対象となった国庫補助負担金の中には社会保障関係経費や義務教育費の国庫負担金などが含まれており、引き続き国の関与が残るものが多く必ずしも地方の自由度が高まる結果とはなりませんでした。
     また、本年七月に閣議決定されたいわゆる骨太方針の中では、地方における歳出・歳入一体改革に向けた取り組みとして地方交付税の改革についても示されたところでありますが、具体的な事項については年末までの国の予算編成の中での議論にゆだねられた部分が多く地方の行財政運営の先行きに不透明感が漂っている状況であります。このような状況のもと平成十九年度当初予算の編成作業が進められていますが、先日県が公表した部局調整案の概要によると来年度の財源不足額は四百七十六億円に上るとのことでした。平成十八年度当初予算時での財源不足額は三百四十一億円でしたので、単純に比較すると財源不足は百三十五億円も拡大したことになります。
     こうした中、健全財政の枠組みを堅持する一方、県民暮らし満足度日本一を着実に推進するために平成十九年度当初予算をどのような方針で編成していくのか伺います。
     次に、富士山静岡空港について伺います。
     まず、国際線の路線確保に向けた取り組みであります。
     利用者にとって利便性の高い富士山静岡空港を目指し、県ではより多くの路線・便数の確保を今年度の空港事業の最優先課題として知事みずからが先頭に立ち、アジア地域を中心とする航空会社等へのエアポートセールスに積極的に取り組んでこられました。その結果、アシアナ航空と大韓航空の開港時からの就航意欲を表明している韓国を初め中国や香港などの航空会社から富士山静岡空港への就航について強い関心が示されているとの報告や報道に接するにつけ大変心強く感じ、開港に向けてますます期待が膨らんでいきます。
     一方、航空会社が実際に路線就航を決定するのは通常就航の一年前と言われておりますが、その期限まで残り一年余りとなってきました。今後これまでの取り組みの成果をもとに富士山静岡空港へのより多くの路線・便数の就航を確実なものとするために、どのような取り組みを展開されるのか伺います。
     次に、旅客ターミナルビルであります。
     旅客ターミナルビルはビジネスや観光で富士山静岡空港におり立った方を最初に迎える空港の顔であり、国内外に活動を広げる県民のための利便のかなめとなる施設です。富士山静岡空港株式会社はビルの備えるべき機能、竣工期限などの県からの要請を踏まえながら基本プランを取りまとめているとのことですが、まずどのような内容になるのかお伺いします。
     また、旅客ターミナルビルの整備をするために数十億円はかかろうかという初期投資の資金を確保することが大きな課題となると考えられます。この資金確保については、知事は運営会社から正式な支援要請はないが全国の事例を研究していること、ターミナルビルの公益性にかんがみて資金にかかわる支援の要請があれば適切に対処していくとの答弁をされております。本当に県は支援するのか、ターミナル整備の資金計画についてお伺いします。
     次に用地確保であります。
     平成十六年十一月の土地収用法による事業認定申請からはや二年、さまざまな手続や県収用委員会での十分な審理を尽くして先ごろ富士山静岡空港の本体部に関する裁決が出されました。来年一月十日には権利が県に移転するとのことであります。今回の裁決により現在の所有者には期限までに土地上の物件を移転することが義務づけられており、県では現在行われている補償金払い渡しの際等に期限までに物件を移転するよう地権者に説明、お願いをしているところであります。待ちに待った開港に向けて速やかにスムーズに明け渡しが行われることを期待しておりますが、これまでの経緯等を考えると甘い観測は慎まなければならないような思いもあります。
     本県議会には空港整備事業用地を土地収用法等に基づいて取得するための補正予算も上程されておりますが、今後どのように実際の用地取得を進めていかれるのか、知事のお考えを伺います。
     次に、元気が出る力強い農業の推進について伺います。
     昨年の十二月県議会におきまして静岡県民の豊かな暮らしを支える食と農の基本条例が制定されました。この条例に基づき県や関係機関が全力を挙げて農業の振興に取り組んでいくことを期待しているところであります。
     しかし、先般、平成十七年の農業産出額が公表され、これによりますと静岡県全体の農業産出額は二千五百十六億円で前年に比べ八十九億円、率にして三・四%減少しています。ここ二年増加傾向にあった産出額ですが平成十七年は大きく減少し過去三十年間で最低水準となりました。品目で見ますと、お茶が五十一億円の減、果実では三十一億円の減など特に本県特産品が著しく減少しています。この産出額の減少は販売価格の低下が大きく影響していると聞いており、価格低下により農業者の生産意欲が減退し産地の元気がなくなってくるのではないか、さらには農業従事者の減少や高齢化も毎年進み、このままでは本県農業の生産力に大きな影響を及ぼすものと危機感を持っています。
     本県農業を将来にわたり力強い産業として発展させていくためには、新しい品種や新技術開発と導入が重要であります。他県におくれをとらぬよう産学官の連携のもと積極的な取り組みが必要です。特に茶やミカンなどでは機能性を生かした付加価値の高い商品や加工による新しい商品の開発など新たな需要を生み出す取り組みが望まれます。
     最近民間で開発された電磁波を利用して凍結時に細胞を壊さない冷凍技術なども注目されており、このような最先端技術の積極的な活用にも取り組んでほしいものです。そしてこれらの先端技術を農業経営に生かすことができるビジネス経営体の育成や農地の集積、生産基盤の整備などやるべきことは数多くあります。さらにブランド化への取り組みも重要であります。平成十六年からのトップセールスにより、市場関係者から「静岡県も知事が来てくれてやっと本気になった」との声も聞かれています。
     近年、国の農政改革を初めとして企業の農業参入や農産物の輸出促進などにより、農業が大きく変わろうとしています。こうした変化の中、国内外の競争に負けない元気あふれる力強い静岡県農業を構築していかなくてはなりません。県は今後、元気が出る力強い農業を推進するためどのように取り組んでいくのか伺います。
     次に、浜松地域における新産業の創出についてであります。
     県西部地域においては輸送用機器を中心に工作機械メーカーなどが好調な生産を続けており、浜北新都市などの工業用地の販売も順調に進んでいると聞いています。しかしながら好調な経済の中で、ホンダが九州へオートバイの生産拠点を移すほか、スズキ、ヤマハも浜松市内から工場を市外へ移転するということが続いており、地元ではものづくりのまち浜松の将来を案ずる声も大きくなってきています。この背景には浜松市内での安価で大規模な工業用地の確保が困難な状況にあると聞いておりますが、浜松地域のものづくりの基盤技術を生かした付加価値の高い製品づくりを今後とも続けていくためには、新事業、新産業の創出を今まで以上に進めていく必要があります。浜松地域では、発光ダイオードを使って機能性成分を増大させながら早く苗を育成させることにより農業の高付加価値化を目指す動きや宇宙産業へ進出しようとする企業なども出てきています。
     県では平成十二年から昨年まで地域結集型共同研究において小型で高出力の半導体レーザーシステムの開発を行い既に製品化され販売されているものもありますが、一層の産業化を目指した取り組みが必要と考えます。また平成十四年度から知的クラスター創成事業においてイメージング技術、画像関係の技術開発を産学官連携により進めており成果も数多く出てきているようでありますが、将来の浜松地域を担う全く新たな産業や輸送用機械を含めた既存企業にとっても新たな飛躍となるような新技術がこれまで以上にこの地域で生み出されることを期待しています。
     そこで、浜松地域の新産業の創出についてどのような取り組みがなされているのか、また知的クラスター創成事業については今年度終了するということなので来年度以降の対応をどのように考えているのか伺います。
     次に、認定こども園への対応についてであります。
     近年の急激な少子化の進行や家庭、地域を取り巻く環境の変化に伴い就学前の子供の教育や保育等に関するニーズは多様化しており、さまざまな課題が指摘されています。
     まず、保育所や幼稚園が保護者の多様な就労形態に対応できないということであります。子供は保護者の就労の有無で利用施設が限定されるため保護者の離職によってせっかくなれた保育所を退所しなければならない、あるいは常勤就労したいが預けている幼稚園では勤務時間や通勤時間に対応し切れないという事態などが起きています。また地域によっては保育所と幼稚園が別々となっているため集団が小規模化してしまい、子供の健やかな成長にとって大切な集団活動や異年齢交流が困難となっている状況もあります。さらに例えば平成十六年の財団法人こども未来財団のアンケート調査結果によりますと、妊娠中または三歳未満の子供を育てている母親が社会から隔絶され孤立しているように感じている、また不安や悩みを打ち明けたり相談する相手がいないと答えているように、多くの子育て中の保護者は日々自分の子育てに不安を感じ悩んでいるのであります。
     このような課題に対応するため平成十八年六月、就学前の子供に関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律が成立しました。この法律においては、親の就労状況等にかかわらず教育、保育を総合的に提供するととともに、地域のすべての子育て家庭への支援事業を実施する施設を認定こども園として県が認定することとしています。
     さて、今議会に上程された認定基準に関する条例案によりますと、認定こども園には幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型という四つの類型があるとしていますが、いずれの類型にあっても提供する教育、保育は良質なものが確保されるべきであります。また市や町は次世代育成支援対策推進法に基づき次世代育成のための行動計画を策定し、保育所の新設や地域子育て支援センターの設置、また保育所における緊急・一時保育の実施など子育て支援体制の整備に積極的に取り組んでおり、これらの施策との整合性を図っていく必要もあると考えます。
     そこで、認定こども園の質の確保についてどのように考え、条例案においてどのようにその考えを反映させていくのか伺います。
     また、認定こども園の認定は県が行うものではありますが、認定に当たり市や町との連携をどのように図っていくのか伺います。
     次に、人づくりの総合的な施策の推進について伺います。
     今日、我が国ではさまざまな経済改革が進む一方、格差の問題が社会的に注目され勝ち組、負け組といった言葉が違和感もなく当たり前のように語られるようになっています。国ではこのような格差を固定化させずチャンスにあふれだれでも再チャレンジが可能な社会の構築を重要課題に掲げ、省庁横断で取り組むこととしています。
     私はこのように公平な社会を築くことは政治の役割として重要な視点であると思います。またこうした社会を築くとともに重要となること、それはこのような社会の中で、何事にも積極的にチャレンジする人材を育てていく人づくりであります。
     最近、学校のいじめが原因でみずから命を絶つ子供が相次ぐなど家庭の価値観、地域の温かさが失われたことによる痛ましい事件やルール意識を欠いた企業活動による不祥事が多発していることを見るにつけ、私は人づくりこそが今まさに求められているのではないかと強く感じています。物質的な豊かさが達成された反面、働く意欲を失っているニートと言われる若者や先行き不透明さの中で自信を失っている中高年齢者を嘆くだけではなく明確な目標を持ったたくましい人材を育てていくため、家庭、学校、地域が一体となって人づくりに取り組む必要があると考えています。
     さて、知事は人づくり日本一を目標に掲げ本県独自の先進的な取り組みをいち早く推進してきました。昨年度は創知協働人づくり推進県民会議を設置し「全国モデル静岡発c人づくり日本一bさらに前進を」との提言が出されました。ことし話題になった通学合宿も昨年の県民会議の提言により広く行われるようになったと聞いていますが、地域の子供は地域で育てるという人づくりの理想が具体化したものであると評価しています。
     このように、次第に人づくりに対する取り組みが目に見えるようになってきていますが、私はもっと県民の関心を高めこれまで以上に多くの県民を巻き込んでいくためには、地域の力を再認識するとともに、大人の経験に基づく知恵を発揮していく必要があると思います。こうした具体的な取り組みを通じ県の人づくり施策をさらに前進させ全庁を挙げ積極的かつ総合的な展開を図ることが今まさに求められていると考えています。
     こうした観点を踏まえ、知事は人づくり日本一を実現するため今後どのような施策を展開していくのか御所見を伺います。
     次に、地球温暖化対策の推進について伺います。
    平成十七年二月に京都議定書が発効し、平成二十年からの第一次約束期間において二酸化炭素の温室効果ガス排出量を六%削減することが日本に課せられ、国においては昨年京都議定書目標達成計画を策定しさまざまな施策に取り組んでいます。しかしながら、先ごろ環境省が発表した昨年度の温室効果ガス排出量速報値では総排出量は基準年度比八・一%増の十三億六千四百万トンで過去最高の数値を示しており、目標達成のためには今後相当な努力が必要な状況にあると思います。
     温室効果ガスの排出源別では、製造業を中心とした産業活動に伴う排出量が全体の約半分を占めており多くの企業が省エネルギー対策に取り組まれておりますが、産業部門における削減対策はものづくり県である本県においても重要な課題であると言えます。一方、その他の部門でも例えばトラック協会やバス協会などにおいて走行中のアイドリング・ストップを励行されているなど各部門で努力されていることは承知しておりますが、家庭やオフィスなどの民生部門や自家用車を中心とした運輸部門の排出量が増加傾向にあることから一層の対策を推進していくことが課題となっています。
     こうした状況から、県では昨年度、国の動向等を踏まえ本年三月、新たにストップ温暖化しずおか行動計画を策定するとともに、この計画の着実な推進のため本年度当初から地球温暖化防止に特化した条例の制定を目指して作業中であると聞いています。県議会環境対策特別委員会も本年二月に本県らしさを前面に出した温暖化対策に特化した条例を制定すべきとの中間報告を行ったところでありますので、制定に向けてのこの動きに期待しています。
     そこで、現在検討中の条例案の考え方と今後のスケジュールについてお伺いいたします。
     次に、国際観光の振興について伺います。
     私は十月十七日から十九日まで県議会企画空港生活文化委員会の皆様とともに、国土交通省北海道開発局や旭川空港などを視察してまいりました。北海道では国土交通省が観光客の移動円滑化を図るため実験的に行っているまちめぐりナビプロジェクトとして、北海道における外国人ドライブ観光推進事業を実施していました。これは東アジアからの外国人によるドライブ観光を振興するため地域の活動団体等の協力を得て、カーナビやGPS携帯電話、コールセンター等を活用しながら地理不案内な外国人でも広大な北海道をドライブしやすい環境づくりの実験と検証を行うものであります。
     また、旭川空港では近年北海道ブームに沸く台湾からの航空便の増加に加えて、本年六月からは韓国アシアナ航空の定期便が就航しておりました。これらは旭川市観光課や観光協会などが誘致活動やプロモーションを実施し、国際チャーター便の実績確保に努めた成果であるとのことでありました。
     もちろん、本県を初め県内の市や町も積極的に海外誘客活動に取り組んでおります。海外からの観光客が大いに増加することを期待していますが、せっかく静岡県を訪れた外国人観光客の皆様に安全に楽しく滞在しよい思い出をつくっていただくためには受け入れ側の観光地の取り組みも非常に重要だと思います。二〇〇九年三月の富士山静岡空港の開港を控え、特に路線就航候補先である中国、台湾、韓国など東アジアの各地からの多くの観光客を誘致するためには、現地プロモーションや受け入れ態勢整備などさまざまな活動に積極的に取り組む重要な時期であると考えますが、県では今後どのように国際観光の振興に取り組んでいかれるのか伺います。
     次に、しずおか公共サインの整備について伺います。
     魅力ある静岡の実現を図るためには、ここに住む人や全国各地あるいは海外から訪れる人に静岡を訪れたとき快適と感じていただくことが重要であり、人・物・情報の交流を今まで以上に国内外に広げていくことが大切です。そのため静岡県ではおもてなし満足度日本一を目指し観光立県に向けた取り組みの強化や国際化を図るとともに、富士山の世界文化遺産への登録など国内外から観光客を受け入れる環境の整備を進めていますが、本県を訪れる観光客にとって目的地にたどり着くための手かがりとなるのは普段私たちが見なれている道路案内標識や観光案内板の公共サインであります。
     しかし、道路や駅などの公共サインが他県に比べて少ないと聞いていますし、公共サインが本当にわかりやすいかという疑問を感じます。道路周辺に乱立する看板が景観を妨げている要因になっていることを考えますと、おもてなし満足度日本一を目指す本県としては公共サインの整備は緊急に取り組むべき課題ではないでしょうか、また市町村合併が進む中、市町村区域の拡大や旧市町村名が道路案内から消えることにより、道路案内がわかりにくくなっているとも聞いています。
     さらに、静岡県を訪れる外国人は国際観光統計によれば年間約二十万人ですが、今後富士山静岡空港が開港すれば外国人観光客の増加が見込まれますし、県内に在住する外国人も約九万人を超えており、その対応として公共サインの多言語化もあわせて取り組むべきと考えます。 
     公共サインは訪れる者にとって設置者に関係なく統一性、連続性をもって整備されることが何より重要で、県だけではなく市町、観光協会や公共交通機関などとも連携した取り組みや近隣の県との連携により進めていくことが望まれます。県では去る十一月八日に公共サインの有識者会議を開催し平成二十一年三月までに公共サインの整備を進めると聞いておりますが、どのように取り組んでいくのか伺います。
     次に、教育行政について伺います。
     初めに、県立高校における必修科目の未履修問題についてであります。
     今回、学習指導要領という法的拘束力を持つとされている規則がいわば骨抜きにされていた実態が全国各地の高校に見られ、本県においても公立、私立を問わず全高校の三割以上がこの不適切な状況の中で学習指導を行っていたことはまことに遺憾なことであります。今回の問題の被害者は該当校の三年生を中心とした生徒たちであります。現在、各学校で補充指導が行われているとのことでありますが、該当校において適切な対応がなされることを切に願うものであります。
     ところで、この問題が全国の高校にわたっていることから、そこに何らかの共通する原因や背景があるのではないかと思われます。特に大学進学を目指す生徒が多い学校において多く見られ、進学指導のためにはやむを得なかったということが言われています。学校週五日制により学習時間が減少するとともにゆとり教育により小中学校の学習内容が削減される一方で高校では限られた時間に多くの内容を学習させることになり、必修科目の履修と大学受験に必要な学力の育成の両方を満たす教育課程の実施が難しいということは理解できます。しかし社会のルールを教える学校の現場において、学習指導要領というルールに逸脱する指導や教育課程表や大学に提出する調査表に虚偽の記載がされていたことについては大いに反省すべきです。
     さらに、報道も取り上げられていましたが県教育委員会が今回のことを事実上黙認していたのではないかとの指摘もあり、県教育委員会の責任についてもこれを明らかにし厳正に対処すべきであると考えます。実態が明らかになった今、今後は問題の分析や解明が必要であり、それによって初めて適切な対応策も講じられます。このような問題が再び生じることのないよう教育委員会として中期的な是正に向けた厳しい対応が必要と考えます。
     そこで、今回の未履修問題が生じた原因をどのようにとらえているのか、また今後どのような対策をとっていこうとしているのか教育長に伺います。
     次に、いじめ問題についてであります。
     児童・生徒がいじめによりみずからその命を絶つという痛ましい事件が相次いで発生し、大きく報道されています。かつてもいじめによる自殺が相次いで起こり大きく報道されたことがありました。本県議会においてもこれまで多くの議員がいじめ問題を取り上げ議論されてきました。その時々でいじめに対して深刻に受けとめるとともに各校にいじめ対策委員会を設置するなどして対応して克服したかに思えたのですが、ここに来てまた問題となっています。本県の状況を見ても幸い自殺に追い込まれた児童生徒はいないものの、毎年かなりの件数のいじめが発生していると報告されています。
     私はいじめ問題については、家庭での教育や親と子の関係が大きな意味を持っていると考えています。最近では家庭のあり方にも問題があるように思います。いじめを受けている子供は家庭を含めだれにも相談できずに一人で問題を抱え込み一人で悩んでいる状況があり、これを解決することがいじめに対応する上でも大切なことであると考えています。一方、学校においてはいじめがあったにもかかわらず教育委員会への報告がなかった事例もあり、いじめを隠す体質があったことも問題であります。
     十月十九日、文部科学省は都道府県・政令指定都市教育委員会の生徒指導担当者を集めた緊急会議を招集し、その対策について指示があったと聞いています。私は今こそ教育委員会が力強いリーダーシップを発揮しいじめ問題に取り組むべきときだと考えていますが、本県では今後どのような対応をなされるのか教育長に伺います。
     最後に、体感治安の向上について警察本部長に伺います。
     県警は平成十四年に刑法犯認知件数が六万三千八件と過去最高に達したことなど治安が悪化したことから、犯罪抑止や交通事故防止などのための総合的な施策として静岡県警察緊急治安対策プログラムを策定し、平成十六年からおおむね三年間を目途に治安回復に向けたさまざまな対策を組織一丸となって取り組んできました。その結果、刑法犯認知件数は平成十五年以降三年連続で減少し続け、昨年は一昨年より五千件余り減の五万五千五百十三件まで減少し、ことしも十月末現在において昨年同期に比べ三千七百四十五件も減少するなど確実な成果が上げられています。
     一方、交通事故につきましても平成十三年に人身交通事故発生件数がそれまでの年間三万件台を突破して四万二千三百七十四件に達し、死者数も三百七人を記録するなど増加傾向にありましたが、緊急治安対策プログラム推進後徐々に減少し、昨年は人身事故発生件数、死者数、負傷者数のトリプル減を達成し、ことしも十一月末現在において人身事故発生件数、死者数ともに昨年同期に比べ減少しているなどこちらにおいても確実な成果を上げられています。
     このように緊急治安対策プログラムの推進によって治安に関する指数の改善が進んでいますが、全国的には依然として子供やお年寄りを対象とした犯罪や飲酒運転による重大事故が続発していたり、日本世論調査会が本年九月に実施した全国世論調査で八〇%の人が「治安が以前に比べて悪化している」と答えたほか、七〇%の人が「自分や家族が犯罪に巻き込まれる不安を感じている」と回答するなど、国民が肌で感じる体感治安はまだまだ回復していないということが示されていると思います。
     緊急治安対策プログラムが本年末をもって目途としていた三年の実施期間が終了しますが、これが終了しても治安の悪化は決して許されるものではなく県民は県警に対し治安をさらに回復し、自分や家族が事件や事故に遭わない安全・安心な社会の実現を切に望んでいるのであります。
     そこで、今後どのような総合的治安対策に取り組まれ県民の体感治安を向上させていくお考えなのか、警察本部長に伺いまして私の質問を終わります。
     御清聴ありがとうございました。(拍手)
    ○議長(芦川清司君) 石川知事。
           (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事(石川嘉延君) 鈴木利幸議員にお答えいたします。
     初めに、県のあり方についてのうち、政令指定都市誕生後の県土づくりについてであります。
     地方分権時代には、自治能力が高く自己完結型の自治体により構成された県土構造の構築が重要であります。そのためには市町合併を進めるとともに、市や町が相互に機能を補完し合いながら交流を促進させることによって、県土全体の発展を目指していく多極分担型の地域構造、いわゆるポリセントリック型の地域構造の形成を念頭に置いた地域づくりを進める必要があると考えております。
     このような考えも踏まえ、昨年度末に取りまとめた総合計画後期五年計画の地域計画におきましては県内を五つの地域区分に設定したところであります。特に五地域のうち二地域を担う政令指定都市が、都市部から山間地までを含む新しいタイプの静岡型の政令指定都市として他県の目標となるように、あるいは県内の他の地域の目標となるように県は法令等に基づく事務以外でも積極的に権限移譲と財源移譲を進めてきました。残っておりますのは河川行政と農業、林業行政でありましてこれも両市と今後協議を重ねながら移譲したい、そういう考えでおります。
     こういうことが実現してまいりますと、住民に身近な行政サービスは一元的に政令指定都市が担うということになりますし、一方、県は広域にわたる社会資本整備や産業政策、高等教育、高度医療、文化政策等を担うことによりまして、本県において分権型社会と言われるにふさわしいような地域構築を進めてまいりたいと考えております。
     先日の二政令指定都市とのトップ会談におきましても、今後の県の発展に向けた取り組みや県内に共通するさまざまな課題について意見交換を行いました。県と両市が互いに連携し協働していくことによって県土の発展を目指していこうということについて三者の意見の一致、確認を見たところであります。
     残りの地域、総合計画に定める地域区分によれば三地域になりますけれども、この地域単位かあるいはテーマによってはもうちょっとまた細分化する場合もありますしまた区域をまたがる場合もありましょうけれども主としてテーマごとにあるいは包括的に、今後共通する地域については構成する市長、町長と私が定期的に一堂に会して地域振興のあり方について意見交換をし認識の共有化をもとにいろんなことに当たると、そういう言うなれば慣例的でありますけれどもシステム的な仕組みを構築をしてその上でいろいろ進んでいきたいと考えております。 
     次に、地域間の交流拡大戦略についてであります。
     近年、住民生活の多様化や社会経済活動の広域化等で県を越えた広域的な行政課題が多くなってきております。
     そこで先般、まず山梨、神奈川両県知事と山静神サミット―山梨・静岡・神奈川の山静神サミットを開催して、今後広い視点から行政間の連携を図ることを確認したところであります。また富士山静岡空港の開港に伴って鈴木議員の御提案のように隣接した地域のみならず、北海道や鹿児島県などこれまで交流団の派遣実績がある国内遠隔地との間で官民を挙げて広範な分野にわたる交流の促進や拡大のための仕組みをつくること、これは大変意義あることだと存じます。
     地域を支え動かすのはまさに人でございます。人の交流がエネルギーとなって地域を創造し豊かにすると考えられます。今後このような観点からまずは行政間の交流をきっかけに国内遠隔地との交流拡大に戦略的に取り組んでいきたい、そういう考えでございます。
     既に昨年、富士山静岡空港就航予定先である北海道や鹿児島県を訪問した際に、両県の知事との間で行政はもとより民間の交流についても促進を図っていくことを確認したところでありますが、現在それを受けまして全庁的なプロジェクトとしてこれまで個々に取り組んできた交流を継続的かつ総合的なものに発展させる検討を行っております。できるだけ早い時期に具体案を取りまとめて両県との交流拡大の基盤づくりを推進していきたいと考えております。
     この地域間交流は、このような国内にとどまらずに今後は国外にも視野を広げて考えていく必要もあると思います。もっとも何が何でも一時はやりました姉妹県交流のようなただやればいいということではないわけでありますので、テーマをある程度絞り共通のテーマについてお互いにいい効果が出ると考えられるような地域、これはいろいろ見渡してみると全然ないわけじゃありません。既にモデルとしては本県と浙江省の交流がそのような実績があるわけでありますけれども、このような地域は国際的に視野を広げると幾つかありそうな気配もございますので、今後これらについてもいろいろ精査の上積極的な交流実現まで向かっていきたいと考えているところであります。
     次に、本県の行財政運営についてのうち、まず本庁組織の再編についてであります。
     去る八月に自由民主党静岡県支部連合会からちょうだいした「簡素で効率的な組織の構築について」の御提言を念頭に置きながら、本庁組織の見直しについて検討してまいりました。これまで複数の部の間で調整してきた施策を一つの部に集約するなど、部局横断的なテーマに対応できる組織を目指して政策実施部門を大くくりするという案にまとめたところでございます。
     例えば社会基盤の整備では、国の省庁の縦割りに合わせてすなわち国土交通省それから農林水産省というように道の担当が分かれており、それに対して受け手である県も土木部、農業水産部、環境森林部とこういうふうに複数の部でこれを受けてきたわけでありますが、道路というか車とか人の交通のための社会資本であることは間違いないわけでありますから、これを一くくりにして担当する、それから生活排水事業なども同様でありましてこれを建設部で一元化するなどでございます。
     また、農業の振興でありますけれども企業経営を展開するビジネス経営体を中心とした農業生産構造の構築に向けて、今大きく農政を展開をする必要に迫られております。これを考えますと、マーケティング、試験研究、担い手育成といった産業を支援する施策と一体となって産業部で実施をすることがいいという判断に立ってこのような体制に改めることにいたしました。
     このように、従来の国の省庁に対応する縦割りの組織を改めて行政サービスの受け手である県民と市や町の視点に立った組織体制を整備することで、真に豊かな県民生活の実現を目指す施策を効果的に展開できるものと考えております。今後は大くくり化した本庁組織が期待される機能を十分に果たせるよう部内や部間の調整の仕組みなどを整備した上で、平成十九年四月には新しい体制に移行したいと考えております。
     次に、平成十九年度当初予算編成についてであります。
     県内経済が回復基調を続けておりますことから、県税収入の増加が期待される一方で、社会保障関係費等の義務的経費の増加や国の地方財政対策の中で今年度と同様、地方交付税などの一般財源総額が前年度並みに据え置かれることが見込まれております。こうした諸情勢を踏まえて来年度当初予算の編成環境をいろいろ見積もりますと、大変厳しいということになりまして、それを前提とした部局の原案を提案させそれをあらあら調整したところが全体で四百七十六億円の財源不足ということになりました。この額は昨年のこの時期における十八年度の財源不足見込み額とほぼ同額ということでありますので、厳しい状況は引き続いておるという認識に立っております。
     現在、このような第一段階の調整を踏まえて一層県税や地方交付税等の歳入見込み額を精査をしながら歳出についても各部局と財政当局で調整作業を進めておりますが、今後年末に向けて決定されてくる国の予算案や地方財政対策の状況を踏まえながら予算編成方針で示した三つの基本方針、すなわち健全財政の枠組み堅持、新公共経営の視点からの戦略的な取り組み、年間総合予算としての編成の徹底というこの三つの基本方針を踏まえてさまざまな分野を通じた生産性の向上を追求していく中で、県民暮らし満足度日本一の着実な具現化に向けた戦略的な予算編成を行いたいと考えております。
     次に、富士山静岡空港についてのうち、まず国際線の路線確保に向けた取り組みについてであります。
     本県企業の海外への展開状況や県民の出国状況、海外の訪日観光の動向などを見ても富士山静岡空港においては、国内線はもとより国際線の充実も不可欠であります。
     先月、浙江省の対外友好協会五十周年記念事業記念式典、これに出席するために浙江省杭州市を訪れ、郊外にあります蕭山空港を利用しました。そしてまたここから北京に赴きまして北京から最終的に成田空港へ帰ってまいりましたが、この間の空港における様子を見ておりましても中国における航空利用人口はものすごい勢いでふえているということを体感してまいりました。
     例えば二年半前に、日本航空と全日空が成田、関西空港から蕭山空港へ直行便を就航させるということでお誘いを受けて一番機に乗って行ってまいりましたが、そのときの蕭山空港は文字どおり閑散とした状況でありました。ところが今回訪問してみますと、もう国際線、国内線両方ともごった返しております。それもほとんど中国国籍の人というか、中国人と思われるような方々が圧倒的に利用してるわけですね。数字を見ましても蕭山空港は既に年間七百万人の利用を示してるというふうに伺いました。
     また、北京空港から日本航空の飛行機で帰ってまいりましたけども、九年前に私も北京から日本へ帰ってくるときに利用したJALにおける印象、ほとんどが日本人と白人系の外国人が乗っている、それも圧倒的に日本人が多くて白人が一割か二割、そういう印象でありましたが、今回は満席状態でなおかつその六、七割が中国人、中国系の人、こういう実態でありました。
     これらを考え、なおかつ、つい二日前だか冬柴国土交通大臣が中国へ行って向こうの関係者に対して今後は三もしくは五人くらいの小グループの来日についても、今までのような入国について厳しい規制をやめると、簡易にビザをおろすと、査証を発行すると、そういうような提案をしておることなどをあわせ考えますと、いよいよ富士山静岡空港開港のころには相当多数の中国からの来日客もいよいよ見えてきたなという私は実感を持ちました。
     それかあらぬか、これまでいろいろエアポートセールスをやっておりますと、既に日本への訪日客が非常な勢いでふえております韓国の航空会社はもとより中国の航空会社も日本への路線就航、便の拡大ですね、まずは成田と関空、そしてセントレア、中部空港、これへの希望は確かに優先しておりますけども、一方でこれらの空港についての受け入れ枠の拡大は限られている。そこで、この名古屋と東京の中間にある静岡空港が非常に興味を持たれ始めている、そういうこともいろいろ接触しておりますと実感する次第でございます。
     今後はそれらを一つ一つ確かなものにしていく、我々はいろいろエアポートセールス、これも非常に重要でありますし、さらにそれを促進するものとして富士山静岡空港就航促進協議会、これとタイアップしたさまざまなチャーター便を飛ばすということ、あるいはコンベンションの誘致とかあるいは学校関係者モニターツアーの実施による教育旅行誘致などさまざまなエアポートセールス効果の出るようないろいろな事業をこれから関係者と連携しながら拡大をしていく必要があると考えております。
     特に、十一月一日に香港、タイの航空関係者や政府関係者を招いてセミナーを行いましたけれども、百名を超える県内旅行業者もこれに参加をし大変手ごたえがございましたし、今後この種のものも積極的に開催をする予定でございます。
     また、来年一月には私が団長になりまして公式使節団を編成し、タイ国政府や航空会社を訪問する予定でございます。これはタイのチェンマイで二年前の本県の浜名湖花博に相当する花の博覧会が開催されておりまして、ちょうどこの一月の時期にジャパン・デー、その中でも静岡に焦点を当てたイベントも組み込んでいただけましたのでその機会を利用して行うわけでありますが、その際にエアポートセールスをやりながら一部団員はシンガポールにも赴いて現地に進出している静岡県企業の皆さんとともに、エアポートセールスを積極的に展開をしたいと考えております。
     このような県民各分野の皆様の御協力をいただきながら一丸となって誘致活動に全力で臨んで、より多くの路線・便数の確保に努めてまいる考えであります。
     次に、旅客ターミナルビルについてであります。
     富士山静岡空港株式会社につきましては建物の基本構想、規模、諸機能の配置計画などを整理した基本プランを取りまとめているところであります。この基本プランは県から運営会社に対して行った要請内容を踏まえるほか、国際線の就航に欠かせない税関、検疫などのいわゆるCIQ関係機関や主な入居者となる航空会社との調整など運営会社と県の共同の作業の成果となるものでありまして、利用者に対する利便性と経営の効率性を兼ね備えたすぐれたプランになるものと期待をしているところであります。
     資金計画でありますけれども、目標としていた十億円に迫る会社の出資、資本金の獲得、これもめどが立ちつつありますし、さらに旅客ターミナルビル整備の大きな課題であります初期投資の資金確保に当たっては無利子または低利の貸し付けについて県に対して支援要請がありましたので、他空港の事例等も見ながら新年度予算の中で検討を進めてまいりたいと考えております。
     次に、用地確保についてであります。
     先月までに県収用委員会から本体部に係る裁決をいただいたところであります。このことによって平成二十一年三月の富士山静岡空港開港に向けて大きな一歩が踏み出されたものと受けとめております。県といたしましては公正な審理を経た県収用委員会の裁決を踏まえ、現在定められた期限までに円滑に土地を明け渡していただけるよう補償金の受領や立木の伐採を含む物件の撤去をお願いしているところであります。しかしながら、万が一所定の期間経過後において権利者みずからが物件を撤去していただけない場合には改めて履行を督促し、それでも自主的な撤去が行われない場合に県がかわって行わざるを得ない可能性も残るためにこれらに必要な経費について本議会にお諮りしているところでございます。
     空港用地の取得に当たりましては、現在審理中の残る西側制限表面部も含め話し合いによる円満解決が大切であるという県の考え方に変わりはなく、本体部につきましても裁決があったとはいえ土地の明け渡しが円満に行われるよう地元の協力も得ながら最大限の努力をしてまいります。
     次に、人づくりの総合的な施策の推進についてであります。
     本県では意味ある人づくりを基本にこれまで人づくりの積極的な推進を図ってまいりました。人づくりにおきましては地域の皆様と協働しその知恵を生かすことが重要であり、昨年度設置した創知協働人づくり推進県民会議からの提言に基づいて、人づくり推進員の方々を中心とする人づくりのネットワークづくりや地域住民が一体となって取り組む通学合宿などの活動を支援しております。
     特に、通学合宿は本年度百八カ所で実践され、地域の教育力の向上に寄与するとともに地域の力や人々の経験が人づくりに大いに効果があると伺っているところであります。本年度はさらに社会的な関心が高まっている、だれでも再チャレンジできる社会づくりにつきましても有識者懇談会を十月に設置し、教育と雇用をテーマに若者や経済、労働団体の方々などの御意見も伺いながら具体的に検討を進めております。
     人づくりは国、県及び市や町が率先して取り組まなければならない喫緊の課題である一方、地域の力や有識者の方々の知恵が不可欠であると強く感じます。したがって県議会の皆様の御理解と御協力を得ながら官民が一体となって人づくりを積み重ね、人づくり日本一を目指してまいりたいと考えております。
     その他の御質問につきましては関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
    ○議長(芦川清司君) 村松農業水産部長。
           (農業水産部長 村松靖則君登壇)
    ○農業水産部長(村松靖則君) 元気が出る力強い農業の推進についてお答えいたします。農業は高齢化や担い手の減少などに加え、近年では規制緩和による企業参入、消費者の食の安全・安心への知識の高まりなどにより大きな変革が求められております。このような中、本県においては議員御指摘の静岡県民の豊かな暮らしを支える食と農の基本条例を踏まえ、豊かな農林水産物の安定供給、農山漁村地域が持つ多面的機能の発揮、環境に配慮した地域社会の創造に貢献する農林水産業の確立を柱とする基本計画を策定し、総合的に施策を展開しているところであります。
     特に、力強い農業という点では本県農業を担うビジネス経営体の育成に向け県と関係機関が連携し、産地や生産者みずからが策定した改革計画の実現のため農地の集積や荒茶加工施設の整備などの支援を実施しております。こうした取り組みにより独自ブランドによる全国シェア日本一の花卉経営、大規模な酪農経営や茶業経営を行うビジネス経営体が誕生するなど、農業構造の改革が一段と進みつつあります。
     今後もこれらの動きを加速度的に進めるため試験研究機関を充実強化し、新品種の育成や新商品の開発、先端技術などを活用した低コスト生産技術の開発普及に努めてまいります。さらに食品産業や流通産業との連携による付加価値の高い商品づくりや海外市場への農産物の販売、県民の期待にこたえる安全性の高い農産物の供給などへの取り組みを支援し、本県産品のブランド力を高め元気が出る力強い農業を推進してまいります。
    ○議長(芦川清司君) 杉山商工労働部長。
           (商工労働部長 杉山栄一君登壇)
    ○商工労働部長(杉山栄一君) 浜松地域における新産業創出についてお答えいたします。
     浜松地域における新事業、新産業創出を図るため、県では国の大型研究事業である知的クラスター創生事業などを導入し、次世代の重要な基盤技術の一つである光・電子技術について研究開発から事業化までを目指した取り組みを地域の産学官と一体となって進めているところであります。また研究成果につきましては輸送用機械を初めとした地域のものづくり産業に波及させていくことが重要でありますことから、国の産業クラスター計画なども活用して製品化、事業化に向けた取り組みを進めるとともに、レーザーワークショップやイメージングワークショップにより技術の普及や人材育成を図っているところであります。
     さらに、新事業の創出を支援するため、創業者の育成支援施設である浜松都田インキュベートセンターの提供や浜松工業技術センターによる技術相談や共同研究などを行うとともに、本年度新事業への進出の拠点となる中小企業基盤整備機構のハイキューブや大学等の研究成果の事業化を促進する科学技術振興機構のJSTサテライト静岡を浜松市内に誘致したところであります。
     また、知的クラスター創成事業につきましては今年度で終了となりますが、光・電子技術のさらなる高度化や地域への一層の波及が必要でありますことから、来年度、創設が予定されている第U期知的クラスター創生事業の採択に向けて現在浜松市や関係機関と連携して国に働きかけているところであります。
     今後とも産学官の連携により、次世代の産業創出につながる新たな技術開発を進めその成果が地域の企業において幅広く活用されますよう努めてまいります。
    ○議長(芦川清司君) 藁科健康福祉部長。
           (健康福祉部長 藁科一仁君登壇)
    ○健康福祉部長(藁科一仁君) 認定こども園への対応についてお答えいたします。
     人間形成の基礎が培われる大切な時期である幼児期の教育及び保育は極めて重要でありますことから、認定こども園が提供するサービスは良質かつ安全・安心なものでなければならないと考えております。このため職員の配置や資格、施設・設備等の教育及び保育の提供に関する重要な項目については、幼稚園と保育所の認可に必要な基準をともに満たすことを原則として認定基準を定めることといたしました。
     また、もう一つの必要な機能である地域の子育て支援事業については、子育て家庭が必要とする事業が的確に実施されるよう認定こども園が市や町と十分連携を図った上で実施計画を立てることを条例案に盛り込みました。さらに本県独自の規定として利用者が十分な情報に基づき認定こども園を選択でき認定後も教育及び保育の質が維持されるよう国が定めた公表事項に加えて、苦情処理結果等を自主的に公表する義務や県が行う実地調査への協力義務についても盛り込んだところでございます。
     なお、認定申請書や毎年の知事への報告書等の受け付けを市や町にお願いし子育て支援事業等の内容について意見を付していただくなど、市や町と連携して認定こども園を認定できる制度といたします。
    ○議長(芦川清司君) 府川環境森林部長。
           (環境森林部長 府川博明君登壇)
    ○環境森林部長(府川博明君) 地球温暖化対策の推進についてお答えいたします。
     地球温暖化対策につきましては、本年三月に策定したストップ温暖化しずおか行動計画を確実に実施していくこととしており、県民、事業者、県等の役割を明確にし温室効果ガス排出の抑制等を推進するため地球温暖化防止の条例を制定することとしております。
     本年二月に環境審議会に諮問し、関係業界の意見聴取を含め十回を超える審議を経て、去る十一月六日に条例の基本的な考え方について答申をいただいたところであります。この条例案では本県温室効果ガス排出量の約半分を占める製造業や二十四時間営業のコンビニエンスストア、自動車を多く保有する運輸事業者からの排出削減計画の提出を制度化するなど事業活動に伴う排出の削減に努めるほか、家庭生活における排出抑制のため家電製品や自動車の購入に際して省エネ制度についての適正な情報提供の仕組みづくりを進めることといたしております。
     また、大規模な建物からの排出抑制対策として新築、増改築における省エネ設計などの環境配慮について制度化することとしております。さらに観光旅行者等についても滞在中の活動に伴う温室効果ガス排出の抑制を求めることとしているほか、地球温暖化の防止に顕著な貢献をした者に対する表彰について規定することといたしました。
     なお、条例案については今後パブリックコメントを経て来年二月議会への上程を目指しているところであります。
    ○議長(芦川清司君) 大村生活・文化部長。
           (生活・文化部長 大村義政君登壇)
    ○生活・文化部長(大村義政君) 国際観光の振興についてお答えいたします。
     富士山静岡空港の開港により東アジアと本県が直接結ばれるようになりますことから、東アジア各地の観光客の特性やニーズに応じた観光モデルルートや静岡ならではの観光魅力の売り込みなど積極的なプロモーション活動が必要であると考えております。
     本年九月に観光プロモーションを行った中国の広東省広州市と香港の旅行会社等の方々に、過日、本県の各地を視察していただきましたが、参加者からは「富士山に加えて浜名湖や伊豆、ピアノやお茶、歴史・文化など静岡県のすばらしさが実感できた。ぜひツアーコースに組み込みたい」などと高い評価をいただきました。今後ものづくり県静岡の産業観光や青少年交流を主体とした教育旅行、来年開催されるF1日本グランプリなど本県の持つ魅力をPRし、東アジアの観光客の方々に県内各地を訪れていただけるよう現地での情報発信や広告掲載などにも取り組んでまいります。
     また、受け入れ態勢の整備につきましても地元観光地と一体となって外国人対応ができる観光案内所や宿泊施設の拡大、観光案内看板の多言語表記、通訳案内士や通訳ボランティアなどの充実などを図り、外国からのお客様が安心して滞在できる観光地づくりに努め、多くの外国人の方々が本県で観光を楽しんでいただけるよう準備を進めてまいります。
    ○議長(芦川清司君) 古川土木部長。
           (土木部長 古川博一君登壇)
    ○土木部長(古川博一君) しずおか公共サインの整備についてお答えいたします。
     道路案内標識や観光案内サインなどの公共サインは、ユニーバーサルデザインや景観との調和などの視点に立って国や市や町、公共交通機関等の関係機関が相互に連携調整して一体感をもって整備していくことが重要であります。このため外国人にもわかりやすい表示や目的地名称の統一、標識デザインの統一等公共サイン適正化の方針を示すしずおか公共サイン整備ガイドラインの年度内策定に向けて、学識経験者や観光関係者、在住外国人などから成る有識者会議をこの十一月に発足させ意見を聞いているところであります。
     平成十九年度にはこのガイドラインに基づき関係機関と連携し富士山周辺、伊豆地域、富士山静岡空港周辺などの地域別実行計画を策定するとともに一部地域の整備に先駆的に取り組み、二十年度にはこの計画に基づく県がかかわる公共サインの整備を完了するとともに他の機関における整備についても積極的に働きかけてまいります。
     県といたしましては、だれもが県内をスムーズに安心して移動することができそして観光などを楽しみ静岡県によいイメージを持っていただけるよう、こうした公共サインの整備を通じておもてなし満足度日本一の実現を目指してまいります。
    ○議長(芦川清司君) 遠藤教育長。
           (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長(遠藤亮平君) 教育行政についてのうち、初めに県立高校における必修科目の未履修問題についてお答えいたします。
     今回、県立高校三十三校における学習指導要領を逸脱した指導や調査書等への事実と異なる記載により当該校の生徒、保護者の皆様に御迷惑と御心配をおかけし、また県民の皆様の高校教育に対する信頼を損ねたことに対して衷心よりおわび申し上げます。
     今回の問題の原因としては、まず法令違反であることに対する学校のこれまでの認識不足があり、また教育委員会においても学校における教育課程の実施状況について法令遵守の観点に照らし問題意識を持って組織として対処できていなかったという点で、その職責を全うしていなかったことを深く反省するところであります。また今回の問題の背景には学校週五日制のもとで限られた時間数の中、文武両道を目指し部活動の時間等も確保することに加え、現実としての大学受験に対応できる学力の育成が求められそれにこたえようとする公立高校の状況があると思われます。
     今後、県教育委員会として各学校の教育課程編成に対する指導を徹底し、さらにその後の実施状況を学校訪問等の際に厳正に点検評価し、県民の信頼が得られる学校づくりに取り組むとともに、国に対しては学校週五日制における学習指導要領や大学受験のあり方について公立高校の実情を踏まえた改善を提言してまいりたいと考えております。
     次に、いじめ問題についてであります。
     いじめはどの子供にもどの学校でも起こり得るものです。しかしいじめにより他の子供の人格を傷つけることや追い詰めて死に至らしめるということは決して許されないことであり、いじめの問題が発生した場合は子供の命を守ることを第一に、隠すことなく学校、教育委員会と家庭・地域が連携して対処することが大切であります。
     県教育委員会といたしましては、市や町の教育委員会、公立小中学校にこの趣旨の徹底を図るとともに、スクールカウンセラーの活用などにより学校の相談機能を充実するほか、ハロー電話ともしびによる電話相談の一層の啓発にも努めております。また新たな緊急支援体制として、いじめで悩んでいる子供たちがパソコンや携帯電話を通じて助けを求めることができるメールコーナーの開設を検討しているところであります。
     今後とも、お互いの存在を認め合う人間尊重の教育を推進するとともに、日々の教育活動の中で子供たちの小さな変化を見逃さず心のサインを的確に把握し未然防止や早期発見、早期対応ができるよう指導してまいります。
    ○議長(芦川清司君) 五十嵐警察本部長。
           (警察本部長 五十嵐邦雄君登壇)
    ○警察本部長(五十嵐邦雄君) 体感治安の向上についてお答えをいたします。
     議員御指摘のとおり、平成十六年から取り組んでまいりました静岡県警察緊急治安対策プログラムは、本年末にはめどとしていた三年が経過し、刑法犯認知件数や人身交通事故件数などが昨年の数値を下回る見込みであり、これまで推進してきた施策の成果が着実にあらわれているところであります。しかしながら全国同様本県におきましても重要凶悪犯罪の発生や振り込め詐欺の続発など犯罪情勢は依然として厳しく、過日発表された県政世論調査におきましても県内で犯罪被害に遭うのではないかと感じている不安層は約七三%に上り、体感治安はいまだ県民が求めるレベルには至っていないのが現状であります。
     そこで過日、警察庁から、緊急治安対策プログラム策定当時からの情勢の変化を踏まえ、安全・安心なまちづくりや重要犯罪等に対する捜査の強化、政府目標達成に向けた重点的な交通安全対策など追加して実施をすべき施策や同プログラムに盛り込まれた施策をさらに深化させて実施する施策を治安再生に向けた七つの重点として、全国警察に示されたところであります。
     県警といたしましては、犯罪の広域化・多様化など他県警と連携が不可欠であることから、警察庁から示されました治安再生に向けた七つの重点に盛り込まれた施策を踏まえ、さらに本県の治安情勢に即した新たな総合的治安対策となる諸施策を策定しているところであり、来年早々には県民の皆様にお示ししていく予定であります。
     これから年末にかけまして犯罪や交通事故の多発が予想されますことから、犯罪抑止や交通事故防止などの諸施策の推進に万全を期すとともに今後も引き続き県民の体感治安の向上に努めてまいる所存であります。
    ○議長(芦川清司君) これで鈴木利幸君の質問は終わりました。
     議事の都合により休憩します。

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