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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和2年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

早川 育子 議員

質問分類

代表質問

質問日:

02/28/2020

会派名:

公明党静岡県議団


質疑・質問事項:

1 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックについて        
(1) レガシーの創出とスポーツ振興                  
(2) 文化プログラムと文化政策                    
2 令和二年度当初予算編成について                 
(1) 会派要望への対応                         
(2) 歳入の確保                           
3 新型コロナウイルス肺炎による経済への影響対策について      
4 防災対策の強化について                     
(1) 教職員に対する防災教育                     
(2) 避難所運営の新たな取り組み                   
5 環境政策としての食品ロス対策について              
6 「コネクティッド・シティ」プロジェクトとの連携を生か
 した人口減少対策について                    
7 事業承継への支援について                    
8 建設産業における若者の担い手確保について            
9 健康長寿社会の実現について                   
10 女性の健康支援について                     
11 社会全体で支える子育て支援について               
12 人と動物の共生社会の構築について                
13 私立専修学校の支援について                   
14 医療的ケアが必要な子どもへの対応について            
15 特殊詐欺対策の強化について


○副議長(中沢公彦君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第一号から第五十号まで、第五十二号から第六十六号まで及び第六十八号から第七十四号までを一括して議題といたします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、六十九番 早川育子君。
       (六十九番 早川育子君登壇 拍手)
○六十九番(早川育子君) 皆様おはようございます。
 私は、公明党静岡県議団を代表し当面する県政の諸課題について知事、副知事並びに関係部局長、教育長、教育部長、警察本部長に一括質問方式で質問いたします。
 質問に先立ちまして、中国湖北省武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなられました皆様の御冥福をお祈り申し上げます。感染は世界各地に拡大し日本でも死者が出るなど猛威を振るっており、さらなる感染予防、医療体制に努め一日も早い終息を願います。
 それでは質問に入ります。
 初めに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックのレガシーの創出とスポーツ振興について伺います。
 昨年のラグビーワールドカップ二〇一九の日本代表の活躍は目をみはるものがあり、特に日本対アイルランド戦はシズオカ・ショックと海外で報じられるほどの盛り上がりを見せワンチームのラグビー精神に感動の輪が広がりました。ことしに入り全国高等学校サッカー選手権大会と全日本高等学校女子サッカー選手権において静岡学園高等学校と藤枝順心高等学校がダブル優勝するというスポーツの明るい話題が続いております。七月の東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催を控え県東部地域での自転車競技に大きな期待が高まっています。
 県は、昨年度国内外のサイクリストの憧れを呼ぶ聖地を実現するためサイクルスポーツの聖地創造会議を設立。関係機関が連携して休憩や応急修理ができるバイシクルピットを約四百カ所以上整備し自転車走行位置を示す矢羽根型路面表示など環境整備が進んできております。また静岡県全域をホームタウンとする地域密着型プロサイクリングチーム、レバンテフジ静岡が富士市に本拠地を置いて活動を開始するとのうれしい報道もあり地元では今後の展開に期待が高まっております。
 自転車は風を肌で感じることができ自然の中に自分が溶け込んでいくような気分になる乗り物です。障害のある方でもタンデム自転車や手こぎ自転車で隔てなくその楽しみを満喫できるのが大きな魅力です。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック終了後も自転車競技の振興に加え富士山や駿河湾など静岡県ならではの景観を楽しむサイクリストの聖地として幅広い取り組みが期待されレガシーとして引き継いでいくことが求められます。また大会を契機に障害のある人のスポーツ振興もあわせて期待が寄せられております。
 そこで、県は自転車の聖地としてレガシーをどのように創出していくのか、また大会を契機にスポーツの振興にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、文化プログラムと文化政策について伺います。
 オリンピック・パラリンピックは、五輪憲章でスポーツと文化と教育を融合させると示されスポーツと同時に国と国を結ぶ平和の祭典であり異なる多様な文化が交流する絶好の機会です。スポーツ・文化・ワールド・フォーラムで採択された京都宣言では二〇二〇年に向けまた二〇二〇年以降の次世代に誇れるレガシーの創出も意識して取り組む決意が述べられており、日本文化を観光資源として魅力を高め世界に発信するとともに地域活性化、担い手の育成、アーティスト・イン・レジデンスなど国境を越えた活動も推奨しています。
 これまで我が会派では事前の実行委員会立ち上げやプレイベントの開催を提案し、県でも今年度ブンプロ・プレフェスと称してプレイベントを企画し県民を巻き込んでの準備を進めてこられました。SPACを中心とした舞台芸術、音楽、美術、演劇、伝統芸能はもとより静岡県らしさが満載の食文化、花の芸術、ものづくりの技やクールジャパンとして世界中が注目するコンテンツなど豊かで幅広い活動が地域に息づいています。
 いよいよ本番間近となりわくわくしておりますが、いま一つ盛り上がりに欠けているようにも思えます。私は文化活動とは自身を成長させるために欠くことができないもので非日常的な世界を堪能することで新しい発見があり時に人生の原点をつくる重要な活動だと思います。県下各地で展開される文化プログラムに年齢や障害のあるなしにかかわらずより多くの県民が参加することで県民全体の文化力の向上につながりより豊かな県土発展につながると確信いたします。
 そこで、文化プログラム開催に向けどのように取り組んでいくのか、また開催後のレガシーを文化政策としてどのように展開していくのか伺います。
 次に、令和二年度当初予算編成についてのうち、会派要望への対応について伺います。
 令和という新しい元号での初めての予算編成には新しい時代への期待を込めたいところですが、現実は災害への対応、予想をはるかに超えた新型コロナウイルスによる経済への影響など厳しいものと言わざるを得ません。川勝県政始まって以来の最大規模の予算編成となり、消費税増税による歳入は見込めるものの依然財源不足の中、少子高齢・人口減少社会に立ち向かうため医療、介護、子育てなど県民生活の安全・安心を築いていかなくてはなりません。ことしは誰一人取り残さないSDGs達成期限である二〇三〇年までの行動の十年のスタートの重要な一年ともなります。
 昨年十二月、公明党静岡県議団として夢あふれる社会の実現を初め六つのテーマに沿って予算要望を行いました。令和二年度当初予算にどのように反映したのか、県の方針を伺います。
 次に、歳入の確保について伺います。
 内閣府では、人々が豊かさや幸せを感じられる経済社会を築いていくためには活力あふれる共助社会づくりを進めていく事が重要とし寄附文化の醸成を求めています。これまで市民の社会貢献意識は高まっているものの寄附意識は低いとされてきましたが、ふるさと納税には全国の自治体に約五千百二十七億円もの寄附が寄せられる時代となりました。また自治体がクラウドファンディングを活用してプロジェクトや施設整備のための資金を調達する事例もふえています。
 鎌倉市では案内板や公衆トイレなどの観光施設整備を、神奈川県では動物のふれあい譲渡室の設置を実現しました。静岡県では県有建築物の長寿命化のため個別施設計画を策定し新たな基金も創設されますが施設の補修や建てかえには今後も相当な負担が見込まれます。二月補正で税収の減額がされるなど税収による歳入確保が厳しい現状の中、ふるさと納税に限らず遺贈寄附やクラウドファンディングなど寄附者の意志を県の施策に直接反映させられる手段を積極的に活用し歳入の確保に努めるべきと考えます。
 寄附文化の醸成をどのように進めていくのか、あわせて伺います。
 次に、新型コロナウイルス肺炎による経済への影響対策について伺います。
 新型コロナウイルスは日本企業による現地での操業延期や渡航制限による観光客の激減など経済にも大きな影を落としております。特に観光業では一月から三月までの県内宿泊キャンセル数が既に九万人を超え深刻な影響を受けています。公明党静岡県本部でも各地の影響について聞き取り調査を行っておりますが、経営に与える影響は日増しに深刻化しております。
 報道によるとアメリカ、ムーディーズ・アナリティクスは新型肺炎について一旦発生すれば市場に大きな影響を及ぼすブラックスワンになり得ると指摘。その打撃の規模は二〇〇八年のリーマンショック以上ともしており悲観的な見方もあります。先日のG20でも世界経済の下方リスクが拡大し各国が連携して取り組むことが確認されました。
 こうした状況に国は相談窓口を開設し緊急の融資制度も開始しましたが、現場では風評被害も生じ既に経営に大きな打撃を受けている事業所もあり看過できない事態となっております。
 そこで、新型コロナウイルスによる経済への影響及び対応について伺います
 次に、防災対策の強化について伺います。
 来月十一日に東日本大震災から九年を迎えます。我が会派は発災後間もなく、またその後毎年のように現地に足を運びさまざまな声を伺い議会や委員会などで質問を重ね静岡県の防災対策の強化のために邁進してまいりました。昨今の自然災害の被害状況を見ると新たな観点で防災・減災対策を強化する必要があると言えます。
 そこで、二つの観点から今後の防災対策の強化について伺います。
 初めに、教職員に対する防災教育について伺います。
 二〇一一年三月十一日、宮城県石巻市立大川小学校においていつものように元気に登校してきた子供たち、笑顔で迎えた教職員の多くが午後三時三十七分に同校を飲み込んだ津波により命を落としました。本来であれば命を守り安心して楽しく過ごすことができる学校であるべきなのに、なぜこのような悲劇が大川小学校で起きたのでしょうか。
 根本的な原因は教職員の防災意識の欠如による事前の準備と発災後の判断の誤りがありました。具体的には防災体制、避難体制が明確でなく児童が在校中に津波警報の発令があった場合の児童引き渡し訓練が行われていなかったこと、もう一つは初動対応の間違いでした。
 娘さんを亡くされた大川伝承の会共同代表の鈴木典行さんの講演を聞きました。大川小より海から遠い学校や保育所も全員が逃げた。逃げるだけの時間と情報と手段があった。大川小には五分あれば高台避難ができる場所があったのに逃げるどころかたき火の準備を始める教職員もいた。六年生は、先生逃げっぺと訴えたが勝手なことをするなと運動場にとどまり地震発生から五十一分後に運動場に待機した児童七十四名、教職員十名が亡くなった。ほとんどの児童が津波に押しつけられ山の土砂の中から見つかったと語られました。
 大川小学校をめぐる訴訟では、昨年十月十一日県と市に対し遺族への損害賠償約十四億三千六百万円の支払いを命じる判決が確定しました。昨年十二月五日に文部科学省は全国の教育委員会に対し学校の防災体制の見直しを求める通知を出し危機管理マニュアルを地域住民や専門家の助言を踏まえて見直すよう各学校に要請しました。
 この要請に対して県教育委員会としてどのように取り組むのか、また学校管理下にあるかけがえのない大切な命を守るために教職員が防災意識を強く持ち具体的な行動を起こしていくのか、教育長の決意を伺います。
 次に、避難所運営の新たな取り組みについて伺います。
 本来なら避難所を利用しなくても済むような自助、近助が望まれますが、さまざまな原因により避難所に身を寄せざるを得ない状況がなくなることはありません。避難所運営に当たり幾ら立派なマニュアルがあっても、例えば発災直後の混乱の中で避難所の室内、屋外のレイアウトを決めるのでは初動のおくれが発生しその後の運営に大きな混乱が生じかねません。
 本来であれば平常時に学校等の施設管理者と地域の代表、そして行政の三者が顔の見える関係を構築しそれぞれの運営上の要望事項や改善事項を共有し検討を重ねより安全な避難所運営を目指すべきです。また昨年全国各地で台風十九号の被災者を受け入れた避難所では住民が地震と豪雨で活用する避難所に違いがあることを理解できていないなどさまざまな課題が明らかとなりました。
 そこで、県は現在の避難所運営の課題をどのように掌握し、どのように改善していこうとするのか、取り組みを伺います。
 次に、環境政策としての食品ロス対策について伺います。
 人類による地球温暖化は急激に進み大雨による風水害、沿岸洪水、地すべり、大気汚染や干ばつ、水不足など災害が深刻化しています。二〇一五年のパリ協定が採択されたものの世界の平均気温は上昇し、国連の組織であるIPCCの報告ではこのままでいくと二一〇〇年には平均で四・八度上がるかもしれないと警告しています。
 昨年九月に国連で開催された気候行動サミットで参加国六十五カ国が温室効果ガス排出量を二〇五〇年までに実質ゼロにするとの方針を決定しました。国連のアントニオ・グテーレス事務総長が私たちの時代を決定づける問題と強調したように異常気象変動は単なる環境問題にとどまらず人類の命運を握る根本問題と言えます。温暖化がもたらす異常気象の被害は多くの人命と住みなれた土地や住まいを奪い人間の尊厳すら脅かすことになります。自分だけよければという心から他者を思い自然への畏敬の念を抱くことこそ温暖化に立ち向かう重要な姿勢であると有識者は指摘します。
 これまでも再生可能エネルギーや海洋プラスチックごみ対策など議会で取り上げ一人一人の取り組みの必要性を訴えてきました。特に生産や輸送、廃棄に伴うCO2排出や環境負荷の大きい食品ロス問題は深刻で国の平成二十八年度の推計では年間六百四十三万トン、そのうち二百九十一万トンは家庭から発生し国民一人当たり毎日お茶わん一杯分の食べられる御飯を捨てているとの報告でした。世界には栄養不足に悩む人々が必要としている食料が三百九十万トンと言われており、日本が大量の食料を輸入しながらも廃棄していることは何とも痛ましい事実であります。
 こうした状況に国では、昨年食品ロスの削減の推進に関する法律を成立させ本腰を入れて取り組みを開始しました。県でも「食べきりやったね!キャンペーン」や「三〇一〇運動」など活動を推進してきていることは承知しておりますが、県民一人一人が真剣に食品ロス対策に取り組み地球温暖化防止に寄与する実効性ある政策が求められます。
 そこで、今後策定予定の食品ロス削減推進計画の方向性と県の食品ロス対策について取り組みを伺います。
 次に、「コネクティッド・シティ」プロジェクトとの連携を生かした人口減少対策について伺います。
 トヨタ自動車の豊田章男社長が一月六日にアメリカのラスベガスで人々の暮らしを支える全ての物やサービスをインターネットでつなぐ最先端技術を生かした次世代の実証都市「コネクティッド・シティ」を本県裾野市のトヨタ自動車東富士工場の跡地に建設するとの発表は子供から高齢者、障害のある人、全ての人が住みやすい地域のモデル都市ができると大きな期待と喜びをもって受けとめられました。地元の裾野市は未来都市を核にして先進技術を市全域に波及させるための独自の次世代型近未来都市構想の具現化に着手することを明らかにし、県も庁内に部局横断の対応チームを発足させました。このプロジェクトの成功に向け全面的に協力、連携していくことはもちろんですが、ここから多くのことを学び本県の抱える課題解決に生かしていくことも重要です。
 県はこれまでファルマバレープロジェクトやふじのくにCNFプロジェクトなどの新産業創出や内陸フロンティアを拓く取り組みなど魅力的な地域づくりに取り組むほか首都圏から若者等を呼び込む移住・定住の取り組み、市町と連携した少子化対策などを展開してきましたが、残念ながら人口減少に歯どめがかかっていません。今回始まった官民合わせての取り組みが展開されることになれば日本中と言わず世界中から注目され本県発展の大きな起爆剤になることは間違いなく県民に夢のある将来像を示すことになります。
 県は、次期総合戦略案において技術革新を新たな力に、多様な主体と連携協働など重点的に取り組む視点に掲げています。人口流出に歯どめをかけ全ての県民が安心して暮らせる社会をつくるモデルになるこのプロジェクトに最大限協力するとともに多くを学び、ぜひとも本県の人口減少問題の克服に生かしていただきたいと考えます。
 そこで、「コネクティッド・シティ」プロジェクトに協力、連携する機会を人口減少対策にどのように生かしていくのか、知事の所見を伺います。
 次に、事業承継への支援について伺います。
 中小企業庁によると、今後十年間で平均引退年齢である七十歳を超える中小・小規模事業の経営者が全国で約二百四十五万人、そのうち約半数は後継者が決まっていないという調査結果が出ています。今後事業承継がうまく進まず廃業が増加すると二〇二五年までに累計で約六百五十万人の雇用が失われる可能性がありGDPの損失額は約二十二兆円に上ると試算されています。
 円滑な事業承継を進めるために国ではこれまで親族内、従業員承継の促進を念頭に税制優遇措置の拡大などを行ってきました。一方、第三者への承継、中小企業のM&Aは年間四千件弱にとどまっており中小企業を社外の人材に引き継ぎやすくする総合的な支援策――第三者承継支援総合パッケージを策定し今後十年間で六十万者の第三者承継の実現を目指すとしています。
 先日の報道によると、二〇一九年の日本企業が関連するM&Aの件数は四千八十八件と過去最高を更新しました。後継者難に悩む中小企業に対する事業承継型の買収が増加したことがその一因と考えられます。さらに民間の金融機関ではファンドの設立の動きや県内三信用金庫による事業承継の推進体制を構築するなど民間の事業承継への支援も活発化しています。
 静岡県はこれまで平成二十九年の事業承継ネットワーク立ち上げ以来毎年五千件を超える事業承継診断を実施し事業引継支援センターなどでの相談件数においても全国トップクラスの支援をしてきました。その結果最近では事業承継の成功事例が聞かれるようになり経営状況のよくない事業者が事業承継を機に業績が上向いたという事例も聞いています。しかしながら後継者不在企業はいまだ六割にも上り、さらに廃業の危機に直面している企業はそのうち約一割あると言われております。こうした現状を考えるとこれまでの診断中心の取り組みだけでなく実際の事業承継に結びつくようなさらなる支援が必要と考えます。
 そこで、今後県として事業承継支援にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、建設産業における若者の担い手確保について伺います。
 先日建設産業に従事しさまざまな重要な仕事を残してきた先輩を見送りました。寡黙で余分なことは語らずそこにいるだけで周りに安心感を与える方でした。取り組んでこられた仕事一つ一つが地域の中で息づきそこに住む人の安全を守っておりました。建設産業は社会インフラ整備に加え災害時には危険を顧みず地域の安全を守る重要な仕事であることを身をもって教えていただきました。
 平成という時代は災害が多発し建設産業の果たす役割がいかに重要であるか全ての県民が実感していますが、残念なことに少子高齢化、維持管理・更新需要の増大など建設産業を取り巻く環境は年々厳しくなっております。
 こうした課題を克服するため、静岡県では昨年静岡県建設産業ビジョン二〇一九を策定し夢や誇りの持てる魅力ある産業へ転換するため五つの政策の柱を掲げ具体的にスタートしました。特に働き方改革関連法が成立しこれからの建設産業を考えたときにICTや新技術の導入などによる労働環境の改善、担い手の確保と育成は喫緊の課題であり、さまざまな対応策が求められます。地元の産業フェアで展示されている重機の前で目をキラキラさせている子供たち、仮称ですが新々富士川橋建設現場の見学会ですばらしい最新の土木技術に感動している学生の姿を見るたびにこの中から建設産業の未来の担い手が誕生することを願ってやみません。
 そこで、建設産業における若者の担い手確保にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、健康長寿社会の実現について伺います。
 リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット両氏は著書の中で人生百年時代が到来するとし百歳までの人生設計が必要だと提唱しました。二〇一七年日本では九十歳以上の高齢者が初めて二百万人を超え人生百年時代が現実となろうとしています。首相官邸でも二〇一七年九月に安倍首相を議長とする人生百年時代構想会議を発足し長寿社会における経済社会システムの改革が始まりました。健康で自立した人生百年時代を送るためには生活習慣病の予防が重要でありバランスのとれた食事、適度な運動、社会参加が鍵を握ります。これまでも静岡県ではふじ三三プログラムを市町と連携し進めてきましたが県民への浸透が十分とは言えません。
 長野県では、関西大学河端教授の指導のもと信州大学と連携しインターバル速歩によるウオーキングを実施したところ二〇%体力が向上しうつなどの改善に加え医療費も二〇%削減でき全国に波及していると聞いております。本県でも運動による予防活動にも力を入れるべきと考えますが、今後の取り組みを伺います。
 また、県ではビッグデータを活用した市町別の生活習慣並びに疾患の傾向を分析し対策を進めるなど全国に先駆け取り組んできましたが、今後は各保険者との連携も含めさらなる研究を行い県民への活用が必要であると考えます。
 生活習慣病のうち、特に糖尿病は神経障害や網膜症、脳血管障害、認知症などの合併症を引き起こすとされ、厚生労働省の調査では患者数は何と一千万人を超えそのうち二三%は治療を受けていませんでした。未治療、治療中断者の受診勧奨を行い重症化に歯どめをかけている自治体も多いと伺います。県はビッグデータを活用し糖尿病対策における各保険者への支援体制を強化すべきと考えますが、所見を伺います。
 さらに、全身の健康状態を維持するために歯の健康は欠くことができません。八〇二〇運動など歯科医師会の先生方を中心に歯の健康を推進していただいておりますが若いときからの検診や治療が重要と言えます。小中学校では歯の検診が実施されておりますが社会人になると私もそうでしたが痛くなってから受診する人が多く、高齢者に至っては全身機能の衰えは注目されるものの歯の健康は忘れられがちです。健康経営の観点から歯の健康に関する啓発や市町との連携によるオーラルフレイル予防の推進が重要と考えますが、今後の県の取り組みをあわせて伺います。
 次に、女性の健康支援について伺います。
 一九七七年国連で女性の活躍を推進するため三月八日を国際女性デーと決議し、また我が国では厚生労働省が三月一日から八日を女性の健康週間と定め女性の健康づくりを国民運動として展開しています。
 女性の一生はホルモンに影響されると言っても過言ではありません。思春期から妊娠、出産、更年期とライフステージに応じてホルモンバランスが大きく変化するため女性特有の健康課題があります。一人一人が自分の身体と健康に理解を深めるきっかけをつくることを目的に山梨県、山口県では女性の健康手帳をホームページ上に掲載しダウンロードできるようにしており、北海道ではさらにサイトで情報発信するとともにメール相談窓口を設けております。また新宿区や板橋区では女性の健康支援センターを設置し女性の健康づくりの拠点として機能しております。
 私はこれまでも女性の活躍を推進するために健康支援は欠くことができないと考え平成三十年二月議会で質問。自身の活動でも女性の健康を考える会を地元で立ち上げがん検診に関するアンケート調査、ヘアドネーションや女性の健康講座などを実施してきました。婦人科医の講座の参加者から、もっと若いときに聞いておきたかった、家事や育児、仕事に追われ自分の身体のことを考える時間や余裕がない、生理休暇があっても申告しにくい、不妊治療や不育症治療で休むと上司に言いにくいなど意見が聞かれました。
 また専門家からは、生理痛が重くてもこういうものだと我慢している若い女性が非常に多い。二十代で子宮内膜症となり不妊や不育症につながるケースも少なくない。極論だが少子化対策の第一歩は思春期の生理痛を我慢しないで治療することにあるとの意見がありました。ぜひ静岡県でも女性の健康手帳の発行、総合的な支援を行う女性の健康支援センターの設置など具体的な取り組みを行うとともに若いときから婦人科かかりつけ医を持つこと、健康経営に女性の健康づくりの観点を取り入れるなど積極的に取り組んでいただきたいと望みます。
 そこで、今後女性の健康支援についてどのように取り組むのか、県の考えを伺います。
 次に、社会全体で支える子育て支援について伺います。
 昨年末二〇一九年の人口推計が発表され出生数が九十万人を下回り八十六万四千人となることが明らかになりました。団塊世代、団塊ジュニア世代の年間出生数が二百万人を超えていたことを考えると少子化は想定を超えて急速に進行しています。静岡県の出生数も一九七三年ごろには六万人を超えていましたが、二〇一八年は二万五千百九十二人と全国に変わらぬ現状です。
 これまで我が国の社会保障は年金、介護など高齢者向けの給付が中心であり若者や子育て世代への給付が十分でないと言われてきました。しかし、こうした近年の少子化を背景に世代間の公平の必要性が認識され全ての世代から安心感と納得感が得られる全世代型社会保障への転換が進められています。
 子ども・子育て新制度が本格実施となり各市町を中心に妊娠から出産、子育てまで切れ目ない支援が展開され、さらに昨年十月から幼児教育、保育の無償化が始まり本年四月より私立高校授業料実質無償化、真に支援が必要な人に対する高等教育の無償化がスタートし公明党の長年の主張と努力が結実した三つの教育無償化が開始となります。
 公明党では一昨年の子育てを初めとした百万人アンケート調査に続き、昨年幼児教育、保育無償化実施後の調査を行いました。保護者の九割から無償化に対しよかったとの評価をいただいた一方、事業所からは保育士不足、処遇改善、人材育成、事務負担の軽減など深刻な声を伺いました。一つの小さな命を育んでいくことはまさしくとうとい仕事であり、その一翼を担う保育の現場も社会全体で支え応援していくことが必要です。急速化する少子化に歯どめをかけるための環境整備は喫緊の課題であり、これまで以上の思い切った政策が求められます。
 そこで、子育て支援の最前線である保育環境の整備を初め社会全体でどのように子育て支援に取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。
 次に、人と動物の共生社会の構築について伺います。
 愛くるしい瞳で見詰められるとどんなこわもての人もにっこりほほ笑む、そんな不思議な力が動物にはあります。これまで我が会派では人と動物の共生社会の構築を目指しさまざまな観点から質問を重ねてきました。私自身も地元でボランティアの方と一緒に意見交換会、東日本大震災で被災したペット救助のドキュメンタリー映画上映、保護動物をテーマにした写真パネル展などの活動をしていますが、年々理解が広がり静岡県が殺処分ゼロ宣言したことに多くの共感が得られております。
 一方、殺処分ゼロを目指すために飼い主の終生飼育や迷い猫や犬の保護と譲渡、支援ボランティアの負担軽減など具体的な取り組みが不可欠となります。こうした活動拠点として静岡県動物管理指導センターの果たす役割は大きく、老朽化した建物のあり方について昨年九月会派代表質問に対し有識者によるあり方検討委員会で審議していくとの答弁でした。その報告書によると、現在の動物管理指導センターは求める機能を十分備えておらず機能の強化及び変換が必要、政令市との配置バランスなどを考慮し設置場所を検討する必要があるとのことでした。この報告を受けての今後の県の方針についてまず伺います。
 また、環境省が示した動物愛護管理推進計画では動物愛護活動がより多くの国民の共感を呼べるよう示しております。動物への理解を深めるための動物愛護検定や盲導犬や介助犬のパネル展など新たなセンターを拠点に県民を巻き込んだ取り組みが求められます。さらに非行少年やひきこもりなどで悩む若者と動物のふれあいなど新たな展開が期待されます。
 さらに、県では災害時の対応について災害時における愛玩動物対策行動指針を策定し避難所のペット飼育管理ガイドラインを作成していますが、行動指針から五年を経過し近年の自然災害を鑑みた対応の見直しが求められます。また実効性あるものにするためのペット同行避難訓練や関係者からなる動物救護本部の立ち上げ訓練なども実施すべきと考えます。
 そこで、人と動物の共生社会構築に向けての今後の県の取り組みを伺います。
 次に、私立専修学校の支援について伺います。
 現在、国の就学支援金に加え本県独自の授業料減免制度により年収五百九十万円未満の世帯においては私立高等学校授業料の減免が行われておりますが、来年度は七百万円未満の世帯まで拡充されることになり評価したいと思います。
 一方で、専門学校は大学、短大に次ぐ高校生の進学先であり我が国の高等教育の多様化を進める上で重要な役割を担っており、有徳の人づくりの三本柱の一つである技芸を磨く実学の奨励を実現する機関です。加えて高等学校と同様に後期中等教育機関として位置づけられる高等専修学校は高校生と同じ年齢の子供たちが学ぶ教育機関であり、早くから専門的知識を身につけたいと考える生徒のほか何らかの理由で高校に通うことが難しい子供たちの地域の受け皿としても必要な機関であります。
 国も家庭の経済状況にかかわらず全ての意思のある高校生等が安心して教育を受けることができるよう家庭の教育負担の軽減を図ることが喫緊の課題として就学支援金の拡充を行うこととしており高等学校と高等専修学校は同じ取り扱いがされております。
 しかしながら、県独自の授業料減免制度はこれまで私立高校のみが対象であり高等専修学校に通う生徒にはそうした支援がなく大変苦労をされてきました。家庭の経済事情にかかわらず希望する質の高い教育を受けられる社会を実現する観点からも高校生と同じ年齢の子供たちが学ぶ場として同様の支援をする必要があると考えます。
 そこで、県として高等専修学校へ通う生徒への支援についてどのように考えているのか伺います。
 次に、医療的ケアが必要な子供への対応について伺います。
 平成二十五年児童福祉法改正により人工呼吸器やたんの吸入など医療的ケアが必要な子供、いわゆる医療的ケア児が法律上規定され、地方公共団体は保健、医療、福祉等の支援体制を整備することが求められました。平成二十八年の調査では医療的ケア児は全国で約一万八千人と推計され平成十八年からの十年間で約二倍となり支援体制の確保がますます求められております。
 先日人工呼吸器を使用して生活する重度の障害のある小学生のお母さんのお話を伺いました。地域の体育祭などの行事に積極的に参加し地元の小学校入学を希望されていましたが、最終的には特別支援学校に籍を置き地元小学校には週一回の授業とイベントに参加となり現在に至っております。お子さんが同年代の子供たちの中で生き生きと過ごす姿を通し、地域の学校に通わせたい、学校看護師の配置により家族が付き添うことなく他の子供と同じように学校生活を送らせたい、何よりも地域の一員としてこの子が生きたあかしを残してあげたいとその胸の内を明かしてくださいました。
 私は平成二十六年六月定例会で医療的ケアの子供の学校生活について質問をしその後県は学校へ訪問看護師を派遣するレスパイト事業を開始したことは評価しますが、この制度では自己負担が発生し使用回数も制限され課題があります。確かに教育の現場では医療への対応に不安はあり看護師不足も深刻であると認識しております。
 豊中市では市立病院に学校看護師部門を設け人材育成と医療との連携を試み、東京都では二〇二〇年度から特別支援学校へ保護者による付き添いなしで通学できることになると聞いております。
 昨年三月文部科学省の学校における医療ケアの今後の対応についての通知により学校看護師の育成と学校での受け入れ体制の整備が急がれます。ぜひ県立こども病院に学校看護師部門を開設し教育現場との連携を進めていただきたいと思います。また一般小中学校での受け入れを可能にするために専門家の指導の導入も求められます。
 全国に先駆けて共生共育を進めてきた静岡県だからこそインクルーシブ教育の模範を示し、誰一人取り残さない教育環境を確立していただきたいと思います。
 そこで、医療的ケアが必要な子供の対応についてどのように進めていくのか、教育長に伺います。
 最後に、特殊詐欺対策の強化について伺います。
 特殊詐欺は息子や孫になりすますオレオレ詐欺に始まり架空料金請求詐欺、融資保証金詐欺、還付金詐欺など年々その内容が悪質巧妙化してきています。何より許せないのはコツコツと老後の生活のために財産を蓄えてきた高齢者の不安をあおり家族への愛情を利用しだますという行為です。加えて事件の深刻さがわからない青少年を受け子などに利用し犯罪に加担させ、ほとんどが反社会的勢力の資金源となる許しがたい犯罪です。
 静岡県では、平成二十九年六月からしずおか関所作戦を実施し支援キャラクターあんしんみーちゃんの活用や全国に先駆けて預貯金小切手を活用した特殊詐欺被害の未然防止対策――通称預手プランを実施するほか振込詐欺防止川柳コンクールや老人会での寸劇などを通し地域住民を巻き込んでの対策を推進してきました。その成果もあり昨年一月から十二月までの特殊詐欺認知件数、被害額ともに減少傾向にありますが、一方でキャッシュカードを使用不能とだまして預かり封筒をすりかえるキャッシュカード詐欺盗が急増しております。また本年に入り一月の被害は昨年の倍となり看過できない状況となっております。県が昨年度実施した調査では不審電話対策機器について未設置と回答した人は全体の七五%に上っており、事件の入り口ともなる電話による被害防止対策の一層の啓発が必要でありあらゆる対策を強化し特殊詐欺から県民を守り抜いてほしいと強く思います。
 そこで、しずおか関所作戦展開中における特殊詐欺被害等の状況と作戦を終える六月以降どのように対策を推進していくのか、警察本部長にお伺いいたします。以上、答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 早川議員にお答えいたします。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックについてのうち、レガシーの創出とスポーツ振興についてであります。
 議員から御紹介ありましたとおりラグビーワールドカップ二〇一九での日本代表の活躍、全国高等学校サッカー選手権大会の男女同時優勝などスポーツの明るい話題が続き多くの県民の皆様が元気づけられたところであります。また昨年の東京二〇二〇オリンピックテストイベントでは迫力あるレースを観客の皆様に御体感いただきました。
 このように、スポーツは心を引きつける力、夢中にする力、感動させる力があります。来年度はこの力を生かしスポーツを愛する全ての人を引きつける聖地づくりを重点取り組みとして進めてまいります。
 県では、オリンピック・パラリンピック自転車競技の開催を契機として官民協働で静岡県サイクルスポーツの聖地創造会議を設立しており国内外のサイクリストの憧れを呼ぶ聖地づくりに取り組んでまいりました。これまでサイクリングコースが百五十三コース、サイクリスト向けの宿が二百四十二施設に及ぶなど受け入れ環境の整備が着実に進んでおります。
 オリンピック・パラリンピック終了後本県がサイクルスポーツの聖地となるようロードレースコースを活用したサイクルイベントの開催を初め、令和三年三月にはマウンテンバイクの国際大会として仮称ではありますがジャパンMTBカップの開催を目指すなどさまざまな大会を企画してまいります。
 また、富士山、駿河湾など静岡県ならではの景観を楽しめるサイクリングコースの開発や国内外へのPR、訪れた方へのおもてなしの充実など県全域でサイクルツーリズムを推進し大会レガシーの創出と継承を図ってまいります。
 さらに、障害のある方でもサイクリングを楽しんでいただく機会を創出するため県ではタンデム自転車のパイロット養成に取り組み昨年十二月にはふじのくにパラサイクリング大会を開催いたしました。来年度はパラサイクリング活動団体を設立いたしまして一層の普及、振興を図るなどパラスポーツを積極的に推進してまいります。
 今後も、二〇二〇オリンピック・パラリンピック開催を機に高まった県民のスポーツへの関心を好機と捉えサイクルスポーツの取り組みに加え女性、子供、障害のある方など誰でも気軽にスポーツを楽しめる環境の一層の充実を図ってまいります。
 スポーツは、心身を元気にする力があります。地域を元気にする力もあります。世界とつながる力を持っております。これらを目指し世界のモデルとなるスポーツの聖地づくりを推進してまいります。
 次に、令和二年度当初予算編成についてのうち、会派要望への対応についてであります。
 公明党静岡県議団の皆様から御要望いただきました六つのテーマ、二百七十一項目にわたる御要望をしっかりと受けとめまして、うるわしく和した令和の時代にふさわしい予算編成ができたものと考えております。
 主なものについて申し上げますと、要望テーマの一つ目、安全・安心社会の実現につきましては次代を担う防災リーダーを育成するため全ての中学生が卒業するまでにふじのくにジュニア防災士の資格を取得できるように取り組みます。また県総合防災アプリを活用した防災支援システムを構築いたします。そして地域防災のかなめとなる自主防災組織の活動を支援いたします。さらに登下校時の子供の安全を確保するため通学時に防犯カメラを設置する自治会などへの助成制度を創設いたします。
 二つ目の御要望項目、夢あふれる社会の実現につきましては保育所などの整備に伴う保育士需要の拡大に対応するため保育士試験の合格に向けた対策講座を実施いたします。また新生児の聴覚障害を早期に発見し切れ目のない支援を行うため聴覚スクリーニング検査機器を導入する分娩取扱機関への助成制度を創設いたします。
 三つ目の御要望テーマ、健康長寿社会の実現につきましては定年退職等をされた医師と県内医療機関を結びつける静岡県ドクターバンクを設置いたします。また看護職員修学支援貸付金の貸し付け対象を拡大いたします。これらにより医師、看護師などの医療人材の確保に取り組みます。また県民の健康寿命のさらなる延伸のため令和三年四月社会健康医学大学院大学の開学に向けて着実に準備を進めてまいります。
 四つ目のテーマ、活気あふれる社会の実現につきましては商工団体や金融機関などと連携し事業承継計画の策定を支援するなど本県経済を支える中小企業の円滑な事業承継を促進いたします。また地域の課題解決や活性化を図るため本県とさまざまな形で多様なかかわりを持つ関係人口の創出、拡大に取り組みます。
 五つ目のテーマ、調和のとれた社会の実現につきましてはMaOIプロジェクトにおきまして海洋生物資源を活用したイノベーションの促進によって海洋の環境保全に取り組んでまいります。また多文化共生社会の形成に向け外国人県民を対象とする日本語教室の設置を促進いたします。そのほか小中学校において外国人児童生徒への日本語指導を行う非常勤講師の配置を拡充いたします。
 六つ目のテーマ、県行政改革の実現につきましては社会保障関係経費などの義務的経費が増加する中、歳出の不断の見直しを行いまた歳入確保に取り組み六十九億円の財源を確保することができました。また通常債残高は新ビジョンの目標は一兆六千億円程度、これを下回ることでございましたが実際に下回り健全財政の枠組みを堅持できたものと考えております。
 次に、新型コロナウイルス肺炎による経済への影響対策についてであります。
 今回の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴いインバウンドが減少し観光関連産業などに大きな影響が生じております。特に県内の宿泊事業者につきましては今月五日時点で既に九万人を超える宿泊キャンセルが発生しております。さらに富士山静岡空港における全ての中国路線の欠航など深刻な状況が続いております。また製造業などにおきましても現地工場の操業停止や部品供給の停止等によりまして県内企業の事業活動に影響が発生しております。
 このため、県では県内企業の中国現地における操業再開等の情報収集に加え関係団体と連携し中国に進出している県内企業や中国企業と取引のある企業等への影響について現在調査中であります。また融資、経営、雇用に関する相談窓口を設置いたしまして商工会議所、また商工会等の御協力のもとに中小企業者等からの相談に丁寧に対応しているところであります。
 さらに、今月十二日には新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い売り上げ減少、資金繰り悪化等の影響を受けている中小企業に対しまして県制度融資において通常であれば直近三カ月の売り上げ減少が必要であるところを直近一カ月の実績で融資可能とする要件緩和を実施しております。あわせて二月十三日に国の対策本部が発表なさいました新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策に基づき、現在緊急的な信用保証制度であるセーフティーネット四号保証の指定を国に要請しているところであります。この保証によりまして中小企業者は保証枠の拡大や保証料の軽減などが受けられることになります。これを早期に指定いただけるよう国に働きかけてまいります。
 県といたしましては、引き続き新型コロナウイルス感染症の県内企業への影響を的確に把握し、国や関係機関と密接に連携して必要な対策を迅速に実行していくことで県内経済への影響を最小限にとどめるよう万全を期してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○副議長(中沢公彦君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックについてのうち、文化プログラムと文化政策についてお答えをいたします。
 県は、二〇一六年に文化プログラム推進委員会を設置し東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向け準備を進めてまいりました。二〇二〇年はいよいよ本格的に文化プログラムを展開する年です。本県のメーンプログラムであるSPACの「アンティゴネ」が東京二〇二〇NIPPONフェスティバルに採択され五月に駿府城公園で上演されます。また県内の文化・芸術団体が主体となりオリンピック・パラリンピック開催時期を中心に各流大茶会や伝統技術と先端技術を融合させた工芸展など本県ならではの魅力的な文化プログラムを展開するとともに、年間を通じて住民が主体となって多彩なプログラムが県内各地で重層的に展開されます。
 本県の文化プログラムの特徴は文化芸術分野の専門家であるプログラムコーディネーターを配置し個々の事業に助言等の支援を行っていることです。例えば富士の山ビエンナーレですがもともと高いレベルにありますがコーディネーターの助言により、より魅力的なプログラムになったと思います。また別のプログラムでは文化プログラムの取り組みへの経験が浅い方への助言によりまして人材育成にもつながっております。専門家によるこのような支援の枠組みは先進的な事例として全国的にも高い評価を受けており令和二年度も支援を継続してまいります。
 こうした多彩なプログラムの周知を図るためホームページのイベントカレンダーで開催時期や内容を詳しく紹介するほか二〇二〇年度版ガイドブックの作成、スタンプラリーの実施など一人でも多くの方々に参加していただけるよう広報の充実に取り組んでまいります。
 二〇二〇年度以降も文化プログラムの展開を契機として県内各地で花開いた県民主体の文化芸術創造活動を継続的に展開していくことが大変重要であると考えております。このため推進委員会を母体として高い専門性を有するスタッフを配置し文化芸術創造活動を支援する静岡県版アーツカウンシルの設立に向けた準備を進めてまいります。
 文化プログラムの展開が本県の文化資源の見直しやそれを生かした魅力ある地域づくり、さらには感性豊かな地域社会の形成に向けた大きな一歩となるよう努めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 鈴木経営管理部長。
       (経営管理部長 鈴木宙志君登壇)
○経営管理部長(鈴木宙志君) 令和二年度当初予算編成についてのうち、歳入の確保についてお答えいたします。
 企業、NPOなどの団体や地域の皆様との連携協働による共助社会づくりの重要性が増している中で寄附による資金を活用し多様化する地域課題の解決を図っていくことは大変有意義であると認識しております。
 本県では、これまで事業に賛同される方からの寄附金のほか県民協賛により寄贈された県産木材を使用した草薙球場の外野スタンド整備、犬や猫の殺処分頭数の削減等に資するマイクロチップリーダーの寄贈などさまざまな御寄附を施策推進に活用しているところであります。またふるさと納税につきましては津波対策の推進など従来の寄附目的に加え、新たに令和元年に発生した台風十九号に対する災害支援やエコパスタジアムをラグビーの聖地として長く語り継ぐためのモニュメント制作など具体的な使途を示して寄附を募っております。さらに令和二年度全国高等学校総合体育大会陸上競技大会の運営に要する資金の一部をクラウドファンディングにより募集しております。
 今後とも、クラウドファンディングなど寄附の成果が見える手法を積極的に活用するとともに寄附を募る施策の内容や募集告知の広報に努めることで社会のために役立ちたいという県民の皆様の思いをかなえる環境を整備し寄附文化の醸成に努めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 防災対策の強化についてのうち、教職員に対する防災教育についてお答えいたします。
 県教育委員会では、これまでもみずからの命を守り抜くための防災教育や教職員の資質の向上、防災訓練などさまざまな防災対策に取り組んでまいりました。今回の宮城県大川小学校をめぐる訴訟判決を受け改めて全ての子供たちの命を守る責務の重さと事前の防災体制の重要性を認識したところであります。
 各学校では、毎年防災教育推進のための連絡会議を開催し地元市町や地域の自主防災組織等との協議を踏まえ学校の防災体制について見直しを行っております。また本年度は津波浸水域にある浜松特別支援学校を含む三校の県立学校をモデル校として専門家の御意見を伺いながら現地の状況を踏まえた危険性を改めて確認し避難場所や勤務時間外の対策拠点の設置場所等について危機管理マニュアルの見直しを行ったところであります。
 教職員の防災意識の向上につきましては、毎年防災担当者を対象に研修を行っており来年度は大川小学校の事例を取り上げた講座の開催などより効果的、実践的なものとなるよう取り組んでまいります。また本年度子供たちに身につけてほしい資質能力を示した静岡県学校安全教育目標を新たに作成しており、今後教職員に周知しさらに各学校において教科横断的な防災教育の実施を推進していくこととしております。
 学校には災害から子供たちの命を守る責任があります。私たち学校関係者は東日本大震災の教訓を忘れることなく子供たち誰一人命を失わないという強い決意のもとで命を守る教育に真剣に取り組んでまいります。
 次に、医療的ケアが必要な子供への対応についてであります。
 医療的ケアを必要とする児童生徒が、学校において安心して安全に学習できる環境を整備することは教育の機会を確保する観点からも大変重要であります。
 現在、静岡県教育事務所管内では医療的ケアを必要とする児童生徒が十五市町の小中学校に二十六名在籍しており、各学校は看護師や介助員、保護者等の支援を受けて医療的ケアを行っております。しかしながら学校が独自に医療関係者の協力を得て行う場合もあり、その実施体制は必ずしも十分整っているとは言えない状況にあります。
 このため、県教育委員会では今年度教育事務所や特別支援の担当者、養護教諭等で構成する医療的ケア検討会を開催し先行している特別支援学校や浜松市、富士宮市における取り組みを参考に小中学校における医療的ケア実施体制の整備に向け検討してきたところであります。その結果を踏まえ、今後市町教育委員会や学校長、医師、看護師等で構成する小中学校医療的ケア連携協議会を立ち上げ市町が策定するガイドラインの参考となるよう実施範囲の考え方や関係者の協力体制等基本的事項をまとめた手引を作成することとしました。
 また、市町に対しましてはそれぞれの実情を踏まえ学校や医師、看護師、関係機関による協議会を設置し関係者の協力体制のもと医療的ケアを実施できるよう体制の整備を働きかけてまいります。
 県教育委員会といたしましては、県内全ての市町、全ての小中学校において安全で適切な医療的ケアを受けられる体制の構築に努め誰一人取り残さない教育環境の整備に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 金嶋危機管理監。
       (危機管理監 金嶋千明君登壇)
○危機管理監(金嶋千明君) 防災対策の強化についてのうち、避難所運営の新たな取り組みについてお答えいたします。
 県では、これまでの被災地支援を通じて避難所の生活に必要な備品や設備などの整備に加え避難所運営を担う人材の育成や関係者間の相互理解を醸成することが重要であると認識しております。このため、今年度避難所運営を担う人材を育成するため市町職員や自主防災組織の役員等を対象とした研修会を開催し延べ二百七十六名が受講いたしました。その後研修に参加した藤枝市ほか二町では県の研修を参考にして地域の特性を踏まえた避難所運営研修等が実施されております。
 今後、このような取り組みを各市町で展開するため優良事例を積極的に情報提供するとともに市町が行う避難所運営の研修、訓練経費や避難所生活に必要な備品、設備等に係る経費について地震・津波対策等減災交付金により支援することとしております。
 県といたしましては、これらの取り組みにより避難所運営に必要な人材の育成や関係者間で顔の見える関係を構築し発災後速やかに避難所が開設され円滑に運営されるよう努めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 鈴木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 鈴木 亨君登壇)
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) 環境政策としての食品ロス対策についてお答えいたします。
 県では、環境への負荷を低減するため三Rの一つであるリデュースの取り組みとして食品ロスの削減に取り組んでいるところであります。食品ロスの削減は廃棄物の焼却量が減少することなどから地球温暖化防止につながるものと認識しております。
 昨年十月に食品ロスの削減の推進に関する法律が施行され国は基本方針を定めること、県や市町は食品ロス削減推進計画の策定に努めることとされました。国は二〇〇〇年度比で二〇三〇年度までに食品ロス量を半減させる目標などを定めた基本方針案を示しており来月閣議決定される見込みであります。
 県では、国の基本方針を踏まえ地域ごとの産業構造や廃棄物の排出状況等を考慮した上で削減目標を設定してまいります。具体的な削減手法として家庭や外食店での食べ切り、食材の使い切りなどの啓発の強化、未利用食品のフードバンクへの寄附の促進などを計画に記載する予定であります。加えて食品残渣のメタンガス発電や堆肥としての有効利用なども盛り込むことを検討してまいります。
 県といたしましては、この計画をもとに消費者、事業者、市町などと連携し実効性のある食品ロス対策を推進してまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 佐藤政策推進担当部長。
       (政策推進担当部長 佐藤典生君登壇)
○政策推進担当部長(佐藤典生君) 「コネクティッド・シティ」プロジェクトとの連携を生かした人口減少対策についてお答えいたします。
 「コネクティッド・シティ」プロジェクトは、人々が生活を送るリアルな環境のもとで自動運転やMaaS、ロボット、スマートホーム技術、AIなどのテクノロジーを導入、検証できる未来の実証都市をゼロからつくる世界中から注目されるプロジェクトであります。トヨタ自動車の従業員や家族、退職した御夫婦、プロジェクトに参画する科学者などのさまざまな方々が富士山のすばらしい眺めを楽しみ人とのつながりを持ちながら最先端技術による利便性を享受できる町はまさに本県が目指す年齢、性別、国籍を超えて人々から憧れられる地方創生の最高のモデルとなり本県の魅力をより一層高めていくものと確信をしております。
 また、「コネクティッド・シティ」で導入される最先端の取り組みから多くのことを学ぶことにより、本県が官民一体で進める自動運転の社会実装やファルマバレープロジェクトとの相乗効果も期待されております。このため、次期総合戦略案には世界的な実証都市の形成に向けた支援とその波及効果が地域全体に及ぶ総合的な施策の展開を明確に位置づけたところであります。
 今後、具体化していく「コネクティッド・シティ」プロジェクトに裾野市を初めとする関係市町とともに県を挙げて最大限協力し連携を深めていくことで我が国が直面する最大の課題である人口減少の克服を目指してまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 天野経済産業部長。
       (経済産業部長 天野朗彦君登壇)
○経済産業部長(天野朗彦君) 事業承継への支援についてお答えをいたします。
 近年、中小企業の後継者不足が深刻化しており事業承継問題は喫緊の課題となっております。このため、県では商工団体、金融機関などとともに平成二十九年度から事業承継ネットワークを組織し官民を挙げて県内中小企業の事業承継支援に取り組み、本年度も昨年十二月までで事業承継診断件数は五千二百四十五件、事業引き継ぎ支援センターによる成約件数も三十三件と全国的にもトップクラスの実績を積み上げております。
 しかしながら、議員御指摘のとおりこの事業承継診断によって経営者の気づきを促す取り組みとともにそこからさらに事業承継へと結びつけていく具体的な取り組みが極めて重要であります。商工団体や金融機関の現場からは、経営者からの相談内容が相続税などの税制上の優遇措置の問題からM&Aの秘匿情報に係る問題まで多岐にわたっており専門的で幅広い対応が求められていること、後継者候補の人材が少なくマッチングが低調であること、承継の鍵を握る個別の金融支援とそれをカバーできる地域金融機関の一層の協力が不可欠であることなどの課題が挙げられております。
 このため、県では相談内容に応じまして税理士や弁護士などの専門家を派遣できる制度を創設し相談体制の一層の充実を図るとともに、後継者候補を確保するために商工団体や市町の有する創業者情報をより広域的に把握、収集し後継者人材バンクへの登録者数を増加させる仕組みを構築することとしております。また国による事業承継における信用保証率の軽減措置に対しましてさらなる助成を行い県内の金融機関との連携体制強化を図ってまいります。
 加えて、国がガイドラインで示しました事業承継計画の策定支援を各支援機関と連携して着実に推進してまいります。中小企業の経営者が自社を取り巻く経営状況を整理した上で会社の十年後を見据え、いつ、誰に、どのように承継していくのかについての思いを具体的な計画に落とし込むことでこれまでの取り組みでは十分にできなかったスムーズで確実な事業承継につなげてまいります。
 県内企業の九九・八%を占める中小企業は本県経済の活力の源であり、県といたしましては引き続き商工団体や金融機関などと密接に連携しながら中小企業の円滑な事業承継に向けた実効性のある取り組みを着実に進めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 宮尾交通基盤部長。
       (交通基盤部長 宮尾総一郎君登壇)
○交通基盤部長(宮尾総一郎君) 建設産業における若者の担い手確保についてお答えをいたします。
 県では、これまで若者の建設産業への理解を促進し担い手を確保するため業界団体などと連携の上、小中高校生を対象とした現場見学会や出前講座、さらには工業高校などの教員との意見交換会を実施してまいりました。この意見交換会におきましては労働時間の長さや休暇の少なさが建設産業への就職を敬遠する大きな要因となっているとの御意見を多く寄せられ労働環境の改善は急務であると認識をしております。
 このため、来年度から県が発注する工事におきまして週休二日を条件とする休日確保型入札を本格実施するとともに、これまでも取り組んできた工事の平準化やICTを活用した生産性の向上などをさらに進めることにより労働環境の改善を図ってまいります。
 また、建設産業への理解をより深めるため小学生が重機の操作やドローンによる測量作業などを体験し建設産業への興味を持っていただく入り口としての実学講座を新たに実施いたします。
 さらに、平成二十九年度から開催しております新技術交流イベントに工業高校を招待しICTを初めとする最先端の土木技術に実際に触れるとともに、建設産業の若手従事者と直接交流できる場を設け建設産業のやりがいを感じていただき就職につなげてまいります。
 県といたしましては、建設産業が魅力や誇りを持てる産業となるよう働き方改革を着実に推進するとともに若者に向けた理解促進の取り組みを一層強化し担い手の確保に努めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 池田健康福祉部長。
       (健康福祉部長 池田和久君登壇)
○健康福祉部長(池田和久君) 健康長寿社会の実現についてお答えいたします。
 健康長寿社会の実現のためには、議員御指摘の運動、糖尿病対策、歯の健康維持につきましては本県における健康課題として対応することが大変重要であると考えております。
 運動につきましては、働き盛り世代、中でも若年層ほど運動習慣のある人が少ない状況となっております。このため健康経営に取り組む事業所の協力を得ながらウオーキングなど効果的かつ手軽な運動の普及に努め若いときからの生活習慣病予防に取り組んでまいります。
 糖尿病対策につきましては、健康診断で治療が必要になったにもかかわらず医療機関で受診しない、あるいは治療を中断してしまう人が多いことが課題となっております。このため県では平成二十九年度に糖尿病等重症化予防プログラムを策定し市町や健康保険組合ごとの予防プログラムの作成を支援しており、今後は社会健康医学の研究で得られた人工透析のリスクに関する科学的知見なども活用して効果的な糖尿病対策を進めてまいります。
 歯の健康維持につきましては、早期発見、早期治療が重要でありますことからかかりつけ歯科医での定期的な検診を推奨しておりますがまだまだ県民の皆様の認知度が低い状況であります。このため現在四千を超える健康経営に取り組む事業所への歯科医師のアドバイザー派遣や歯科医師会や市町と連携したオーラルフレイルの啓発に取り組んでおり、来年度は新たに各地域にある高齢者の通いの場に歯科衛生士を派遣し相談や口腔保健指導を実施するなど歯や口の健康づくりにかかる日常的な支援体制を構築してまいります。
 次に、女性の健康支援についてであります。
 女性には思春期から妊娠・出産、さらには更年期まで各段階の変化に応じた特有の健康課題がありますことから、全ての女性が生涯を通じて健康で明るく充実した日々を送ることができるよう健康づくりを支援していく必要があります。
 現在、県では女性の健康週間における啓発キャンペーンの実施、高校生や大学生など若年層を対象とした妊娠・出産のための健康づくり講座の開催、助産師等が身体的、精神的な悩みの相談指導を行う専門相談窓口の設置などにより女性に対する健康支援を行っております。今後は生涯を通じた総合的な健康支援を目指して健康づくり講座で使用している妊娠・出産のためのガイドブックにライフステージごとの健康管理の情報を加えて女性の健康手帳として配布するとともに、若いときから婦人科のかかりつけ医を持つことの大切さを啓発するほか保健所や市町、医療機関が連携した女性の健康支援ネットワークを構築してまいります。
 また、健康経営の視点からは女性の健康増進や婦人科健診受診率の向上に積極的に取り組んでいる企業の好事例を普及するためのアドバイザー派遣などにより企業の経営者が女性特有の健康課題を理解し就業環境の改善に取り組んでいただけるよう働きかけてまいります。
 県といたしましては、市町や企業等関係者と一体となって女性が生涯にわたり健康で生き生きと暮らしていけるふじのくにづくりを進めてまいります。
 次に、社会全体で支える子育て支援についてであります。
 共働き世帯が増加する中、親にかわる子供を育てる保育士の仕事は重要でありますが保育士不足やこれに起因する長時間労働により職場環境は厳しい状況にあります。
 県ではこれまで子育て経験者等に保育の仕事に関心を持っていただき保育士資格の取得への意欲向上を図ってまいりました。来年度は新たに保育士試験において特に合格率が低い筆記試験の対策講座を実施し県内で働く保育士の増加を目指してまいります。また処遇改善を伴うキャリアアップ研修に加え本年度は保育現場における業務負担の軽減を目的とした管理者向け研修やICTの導入等による勤務環境改善のための巡回支援を実施しております。
 子育ては家庭、地域や職場など全ての主体がそれぞれの役割を果たしながら相互に連携していくことが重要であります。このため、現在策定中の第二期ふじさんっこ応援プランは就職から結婚、子育てなどのライフステージに応じた施策体系とし働き方改革や子供の安全も含め全庁を挙げて取り組むことといたしました。
 さらに、市町を初め家庭、地域、学校、企業などと一体となって保育環境の整備や経済的、精神的な不安の軽減を図るなど社会全体で子供と子育て家庭を応援していくことにより、生んでよし 育ててよしのふじのくにづくりを実現してまいります。
 次に、人と動物の共生社会の構築についてであります。
 本県では、動物愛護管理推進計画に基づきボランティアの皆様を初め市町や関係団体と連携した動物愛護の取り組みを積極的に推進しているところであります。
 動物管理指導センターのあり方につきましては、本年一月に有識者やボランティア代表の方々からいただいた御提言を踏まえ従来の殺処分施設から命をつなぐ施設への転換を図ってまいります。具体的には犬や猫の収容や譲渡の機能を強化し、また動物への理解を深めさらに動物が人にとって大切なパートナーであることを啓発する拠点となるよう来年度人と動物の共生推進のための拠点検討会を開催し必要な施設設備等について整備方針を決定することとしております。
 災害時の対応につきましては、県内全域の避難所への受け入れができるよう取り組むとともに現在まで十七市町において行われておりますペット同行避難訓練の全市町への拡大や県獣医師会等関係者と連携した動物救護本部の立ち上げ訓練につきましても実施に向け取り組んでまいります。さらに近年発生の多い風水害等への対応につきましても検討してまいります。
 今後とも、県民の誰もが優しい心と正しい知識を持って動物に接することができる人と動物の共生する社会の実現に努めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 植田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 植田基靖君登壇)
○文化・観光部長(植田基靖君) 私立専修学校の支援についてお答えいたします。
 私立専修学校は、実践的な職業教育、専門的な技術教育を行う場として中学生や高校生の進学先のほか近年では資格の取得を目指して大学を卒業してから入学する学生もいるなど高度な専門的技術や技能を習得するための重要な教育機関であります。このうち中学校を卒業した生徒が入学する高等専修学校は早くから専門的な技術を学びたい生徒のほか多様なニーズを持つ生徒の就学の機会を確保する上で地域にとって必要な教育機関であります。
 これまで高等専修学校の生徒に対しましては国の就学支援金により保護者の経済的負担の軽減を図ってきたところでありますが、保護者などから私立高校と同様に県独自の授業料減免制度を創設するよう強い要望が寄せられているところであります。
 このため、県では社会のニーズに対応した柔軟かつ実践的なカリキュラムを行う高等専修学校の社会的重要性や私立高校との公平性に鑑み、高等専修学校についても私立高校と同様に年収七百万円未満の世帯に対し実質無償化する新たな助成制度を創設することとし予算案を本議会でお諮りしているところであります。
 県といたしましては、子供たちが家庭の経済的な理由によって就学を諦めることのないよう支援制度の充実を図るとともに、私立専修学校が行う特色ある実践的な教育を積極的に支援することで技芸を磨く実学の奨励の実現に努め才徳兼備の人づくりを進めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 小嶋警察本部長。
       (警察本部長 小嶋典明君登壇)
○警察本部長(小嶋典明君) 特殊詐欺対策の強化についてお答えいたします。
 県警察では、平成二十九年六月から三年間を重点推進期間として迷惑・悪質電話防止装置の普及促進、高齢者みずからの警戒心・防衛心の醸成、現役世代へのアプローチを対策の三本柱としたしずおか関所作戦を展開しております。昨年はキャッシュカード詐欺盗も含め暫定値ですが認知件数、被害額ともに減少するなどこれまでの取り組みに一定の成果が見られました。
 一方、本年に入ってからはキャッシュカードをだまし取る預貯金詐欺の手口を中心に被害が多発し前年同期に比べ被害件数、被害額ともに増加しており予断を許さない状況となっております。
 そのため、これまで展開してきましたしずおか関所作戦の推進期間を令和五年三月末まで三年間延長するとともに被害防止対策をさらに充実強化してまいります。
 具体的には、迷惑・悪質電話防止装置の普及促進につきましては議員御指摘のとおり多くの県民への浸透には至っていない状況にあるところ固定電話を常時留守番電話に設定することも被害防止に効果がありかつより簡易に実施できることから、これも含めて電話機対策の推進として市町を初めとした関係機関、団体等と連携しながら普及を図ります。
 また、被害の多くを占める高齢者に対する防犯指導や子供や孫等の現役世代に対する働きかけを強化し社会全体で高齢者を特殊詐欺の被害から守るという機運の定着に努めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 早川育子君。
       (六十九番 早川育子君登壇)
○六十九番(早川育子君) それぞれ御答弁いただき、ありがとうございました。
 要望を二点、再質問を若干したいと思います。
 まず、知事のほうから新型コロナウイルス肺炎による経済への影響対策について御答弁いただきました。私どもも観光業、製造業に加え一般の小売店の皆さんも一般の方々の出控えがあって非常に収益に影響を及ぼしていると伺いました。また昨日政府のほうから全国の学校をお休みするようにという話がある中で、仕事をしている特に女性の方から非常に不安の声が上がっているという、大混乱を来している国難とも言える状況ではなかろうかと思っております。一、二週間が勝負どころだとは言われておりますが、経済の面はコロナウイルス肺炎が終息したとしてもその後波及効果が非常に大変なことになっていくと思いますので十分な対策をとっていただきたいと要望いたします。
 また二点目は、医療的ケアが必要な子供への対応について教育長のほうから連携協議会をつくっていくということでこれはぜひ政令市も含めていただきたいということ、また保護者の方の声を実際にお聞きしていただきたいと思います。
 質問に移ります。
 女性の健康支援について健康手帳をつくっていただけるということですが、女性の健康支援センター、こちらをぜひ設立していただきたいと思いますが、このお考えについて再度質問いたします。以上、答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 池田健康福祉部長。
○健康福祉部長(池田和久君) 女性の健康支援についての再質問についてお答えいたします。
 女性の健康支援センターにつきまして本県もつくるべきだという御意見でございますけれども、現在女性の健康支援につきましては県内各地域の健康福祉センター、保健師を中心にですね対応しておりますけれども、当面は市町や医療機関等との連携機関との強化を図りまして先進的な自治体の取り組みを参考にいたしましてネットワークで生涯を通じた総合的な健康支援に向けた検討を行っていきたいと考えております。以上でございます。
○副議長(中沢公彦君) 早川育子君。
       (六十九番 早川育子君登壇)
○六十九番(早川育子君) 要望いたします。
 女性の健康は社会の健康につながっていきます。女性の笑顔は社会の笑顔につながっていくと思います。ぜひ支援センター、設立してください。以上で私の質問を終わります。(拍手)
○副議長(中沢公彦君) これで早川育子君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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