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質疑・質問者: | 鳥澤 由克 議員 | |
質疑・質問日: | 03/09/2020 | |
会派名: | 自民改革会議 |
分割質問方式でお願いいたします。
2点要望を申し上げて質問に入らせていただきます。
健康福祉部の皆様におかれましては、待ったなしの少子化に代表されるように、地域の根幹となる施策の具現化に御努力いただいていると思っております。
一般質問でも出しましたが、平成27年度には、各市町の合計特殊出生率に生かされているふじのくにの少子化突破戦略の羅針盤を刷新しました。各市町の地域課題や背景を
よく分析し、新たな展開をしていくと、市町の政策に大きく貢献いただけると思いますので、その点をしっかりやっていただくこと。
そして、ふじのくにの少子化突破戦略応援事業もまた、過去3年間にわたって蓄積された中で結果を出して、提案され、提供いただけるとのことでございます。県としまし
ても、少子化対策については健康福祉部中心ではありますが、部局横断的に取り組んでいただく。県全体として、未来を託す子供たちのため、今ある社会をよりよくするため
にもしっかりと取り組んでいただきたいと要望して、質問に入らせていただきます。
1点目、厚生委員会資料13ページの第20号議案になります。
静岡県の発達障害者支援センター診療所の設置と管理並びに使用料及び手数料に関する条例を廃止する等の条例でございます。県発達障害者支援センターの診療所が、本年
度で廃止されるとの話でございました。
県内では、発達障害を診療できる医療機関がただでさえ少なく、門戸が狭まっている感じを受けているところであります。特に、東部がなくなる影響があるんじゃないか
な。行政サービスの後退と懸念するところであります。
資料では、発達障害者支援体制の強化策も打ち出されるとのことでございますので、その辺の互換性をもっていると受けとめましたので、その2つを絡めての御所見をいた
だきたいと思います。
○石田障害福祉課長
民間法人の委託によりまして、発達障害者支援センターに併設します診療所は廃止いたしますが、新センターには医師を配置することとしておりますので、これまで行って
きました医学的な判断や診断的な評価、それに基づく相談等を実施できる体制をとることとしております。委託先の法人では、発達障害者支援センターでの経験のある医師、
発達障害に関する臨床経験等を有する医師を配置する予定でありますので、医療機関との連携も期待できます。
既に、東部地域の医療機関からも新センターに配置する医師との連携についての要望もありまして、法人も前向きに検討しておりますことから、センターの設置によりまし
て地域の診療体制充実にも効果があると考えております。
○鳥澤委員
御答弁いただきましてありがとうございます。
医師が駐在してサービスの低下が発生しないこと、補完的な機能も含めて伺ったと思いますので、西部発達障害者センター、県東部発達障害者センター、中部のこころの医
療センター、それぞれの医療機関が相互に連携して、発達障害施策の後退にならないようお願いしたいと思っております。
次に、移ります。医学修学研修資金の貸与事業について伺いたいと思います。
今回の被貸与者は450人で、新規貸与者枠が120人でございますが、120人とした理由と、今後どのように事業の浸透を図っていくかお伺いしたいと思います。
○井原医療人材室長
120人の設定の理由でございますが、医学部の定員がおおむね120人規模ということ、他県と比較して、医師不足解消の意味からしても、より多くの被貸与者に、修学資金の
貸与によって本県に定着をしてもらう意図で、平成26年から120人に貸与しています。
もう一つは、医学修学研修資金の目的でございますけれども、人口10万人当たりで申し上げますと、全国規模で40位という相対的に人口に比して医師が少ない状況がござい
ますので、まずは医師の数をふやし、その後充足なり一定数が確保できた段階で、診療科の偏在等にも取り組んでまいりたいと考えております。
○鳥澤委員
制度については理解できました。
制度ができる上で、対象となる皆さんが使いやすい制度であってほしいなと思いますので、何かの制約がある、制度上の障害について、ひとしく門戸を開いて利用できるこ
とを確認したいんですが、どうでしょう。
○井原医療人材室長
誰もが使いやすいという観点で申し上げますと、他県の同様の医学修学研修資金の場合には、例えば診療科の制約があったり、勤務地の制約があったりします。本県の場
合、できるだけ医師の定着を図りたいため、診療科については特に制限を設けておりません。勤務地についても、基本的には本人の希望を生かしつつ、できる限り医師少数の
地域に対して配置できる制度設計としております。
○鳥澤委員
制度の必要性を高める上で、融資基準というか、受ける側の基準が守られていただければいいかなと思います。
もう一点、がんセンターに質問させていただきます。
説明資料1ページ目でございますけれども、組織定数、特に医師の増員について数値の御提示がありました。12月定例会の委員会で、同じような機能を持った病院と比較し
て常勤の医師の定数が少ないとの話を受けて、どのような方法で医師を確保していくか伺いました。それに対し、常勤医師についてはレジデント、非常勤医師でございますけ
れども、育成し、優秀な人材を採用している。臨床研究の体制を強化することなどにより、優秀な医師が集まる魅力的な病院にしていくとの答弁がありました。
令和2年度の医師定数を35名ふやすとのことであります。本年度は医師の定数が165名でございますので、200名の医師体制、医療体制になります。
この体制を組む上で、現在どの程度まで医師確保が進んでいるのか。そして、病院では、例えば放射線科の先生が必要です、周産期が必要です、呼吸器内科、あるいは循環
器など複合的な診療科目をもって診療体制ができ上がっていると解釈しております。例えばICUの機能をもっと強化していくから、こういった先生が必要なんだよ、その病
院経営の方針があると思いますので、200人にした意味、増員して優先的にどの診療科目に配置するのか。そして医師確保をした上で、満床に向けてどのように取り組むかお伺
いします。
○内田がんセンター局事務局長
医師の現状でございますけれども、現在165名の定数になっておりますが、麻酔科、画像診断科、乳がん関係の診療科、泌尿器関係の診療科等については、現在でも定数に達
してない、医師の確保が難しい状況でございます。
一方、内視鏡科や消化器内科、呼吸器内科などの診療科については、患者さんも多くて医師も募集すればそれなりに確保できるけれども、定数がないためにふやせない状況
でございます。
今回35人定数増をお認めいただければ、もともと定数に達してない診療科の確保はもちろんですけれども、消化器内科、呼吸器内科など定数がないから医師を連れて来られ
ないところについても、増員を図れると考えております。
医師の募集については、募集広告を出したから来てくれるわけではありませんので、患者さんが多い診療科、あるいは当院が目指しておりますゲノム医療ついては多くの診
療科で関係が出てきますのでそういったところ、医者が1人しかいない診療科もございますので、こういう診療科含めて、各科が自由にリクルート活動をしてもいいよと言え
る状況になると考えております。
ですので、現状でも足りていない診療科を中心に、患者数の多い診療科、さらに全診療科において医師であればリクルートしてきていい体制にできればと考えております。
専門医制度によって、確保が全国的にますます難しくなってくる、医師の働き方改革で多人数が必要な状況になりますので、積極的に採用活動をしていきたいと考えておりま
す。
ことしの4月ですけれども、8名の新しい医師が入ってくれますが、そのうち4名がレジデントからの採用になっております。
当センターでも、最新の医療機器導入はもちろんしておりますし、5番委員から話がありましたスターバックスコーヒーについても計画していたわけですけれども、ほぼ話
がまとまったところでリーマンショックが起きて、全世界出店凍結となって残念ながら実現しませんでした。また出店を開始されたとのことですので、出店交渉も含め福利厚
生関係の充実も図って、医師確保に努めていきたいと考えております。
4月からは615の全床開棟の運用開始を考えております。現状の医師、それから新たに加わる8名の医師で運用できると思っております。
○鳥澤委員
御説明ありがとうございました。
患者さんからしますと、なるべく早くがんセンターで診察を受けて、適正な治療を受けたい。手術が立て込んでいてできないと、身近な方たちの声も聞いています。内田事
務局長がおっしゃるように医療の充実、最先端のゲノム医療の実現に向け着実に歩んでいただきたい。適正な診療科目に医師を補充し、医療体制を整え、地域医療の拠点病院
としてしっかり運営していただきたいと思っております。
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