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委員会会議録

質問文書

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平成25年10月子どもの人権擁護特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:曳田 卓 議員
質疑・質問日:10/11/2013
会派名:民主党・ふじのくに県議団


○曳田委員
 ありがとうございます。
 私、前にもちょっと話したと思うのですが、まさに自分の娘がちょうど今2歳になる子を育てていて、同じ環境で、そこはもう全く核家族で、話が本当に飲み込めるんです。親がすぐ近く、車で10分ぐらいのところ住んでいるんですね。家へ来なかったら私も子供を虐待していたんだろうと、娘がこういう言葉をよく言うんです。
私は、今、お話を聞いていて、先生が最後におっしゃった人工的な仕組みづくり、これってやっぱりうんと大切なことだろうと。というのは、私は、沼津ですけれども、近くにお母さんたちが集まる場所があって、そういうところに集まるんですね。先ほどお話の補助の問題で、三島の市長さんが、やっぱりこういうこもっているお母さんたちを引き出したいというお話をされて、非常に私はそのことが記憶に残っているんです。
 今現在、例えば先生の範疇の中で、何パーセント、こういうお母さん方がいらっしゃるのか、ちょっとその辺をお聞きしたいんですけれど。

○柴田俊一氏
 県下どこでも保健センターで1歳半の健診をやっています。3歳児健診もやっています。1歳半の健診は、私が保健所にいるころは、100人検査を受けに来ると、10人が何らかの理由でひっかかったんですね。ざるにすくうという意味で、スクリーニングと言いますが、そうするとそのひっかかった10人は何かというと、発育、発達の問題、何か病気がありそうだ、斜視がありそうだ、身長が伸びてないみたいな問題で、主に疾病でひっかかる子供たちが10人はいたんですよ。ところが、今から10年ぐらい前から、100人健診をやりますと30人ひっかかるんですね。ふえた20人は何かというと、子供はまあまあそこそこ健康度が高いんですけど、お母さんが煮詰まっている様子が見えて、子供とかかわるのがしんどい、煮詰まってきて子供をたたいちゃいそうだみたいな人たちがふえてきています。だから、割合から言うと、100人いて約20人から30人が精神的な意味で子育てが辛いと思っているらしいというデータがあります。あとの7割の人が本当に健康かどうかはわかりませんけれども、約3割の人が余りぐあいのよくない子育て状況にいらっしゃるだろうなということは推察できます。
 もう1つ、浜松市の例ですけれども、1歳半の健診のときにはがきで御案内を出すんですね。その返信の中に、自分は子供を虐待していると思うかとストレートに聞いちゃっているんです。そうすると、まさにやっている人は、書いてくる人が100人に2人や3人はいるんです。ところが、どちらとも言えないというところまで入れると、100人のうち15人ぐらいいるんですね。どちらとも言えないというのは、ある感覚があるけど、それをストレートに虐待していますと言っちゃうと悪い親だと思われるので辛いなと思うので、遠慮がちにどちらとも言えないにつけてくると思われますので、だから虐待的な状況に自分がなっちゃっていると思っている親御さんが2割、3割はいらっしゃるだろうというふうに推察ができます。

○曳田委員
 ありがとうございます。
 私どもこの委員会で何とか防止策をいろいろ考え、議論するわけですけどね。やはり今、先生が最後のほうでおっしゃった、人工的な仕組みづくりという言葉、ここのところが、ある意味では究極の着地点になっていくのか、それともほかに何か手があるのか、その辺のところはいかがでしょうか。

○柴田俊一氏
 先ほどから紹介している親になるための教育プログラムを全ての親が受けられるようになるといいなというのが私の願いなんですが、そうもなかなかいかないもんですから、もう1つは、今、研修の話をさせていただきましたけれども、実は世界の中で、乳児健診から順番に健診をして母子手帳の制度があるのは、日本とタイと台湾だったかな、日本の制度が移されているところぐらいしかないんですね。あと順番に子育てをチェックするみたいな仕組みは世界ではなくて、ある意味ですばらしいシステムなんです。母子手帳の発行のときから、産婦人科のデータから、1カ月、4カ月、6カ月、全部データがそろっていますので。
そのきめ細かさの中で、何でうまくチェックできないのかなというのがあるんですね。だから、健診の中の制度を、だんだんシフトしてきています。昔は身体発育とか体重の増加とか、それのみに注目していましたけれど、今はやはり子供との愛着関係が育っているかどうか、子供をかわいいと思うかどうかみたいなことが、だんだん質問項目の中に入ってきていますので、あの健診制度の中で、母子保健の分野で、よりしんどい思いをしているだろうお母さんを早く見つけて、早く手当をし始めるということを制度的にきちっとやれるようになるといいなと思います。
それはもう母子保健の上で物すごく一生懸命やっていただいていますけれども、やっぱり人口規模の多いところはどうしても手が届かなくて、例えば合併前の浜松の隣の引佐町なんかは、小さな規模でしたので、全部のお母さんのところに訪問して、ぐあいの悪そうなお母さんはもう母子手帳の発行のときに、このお母ちゃん、ちょっとぐあい悪いなと思いますので、ずっと追いかけて、産婦人科で産むときにも、産んでから家に帰るときにもくっついていって、子育てがちゃんとできているかなというのをやっているんですね。それをホームスタート計画といって、アメリカから導入されたシステムですけれど、それをきめ細かくやっていくと虐待的にならないというのがデータでもわかっているんですね。だから、今のところ、こんにちは赤ちゃんで生まれてから1回ぐらいはきちっと行きましょうというのが制度化されましたので、1回ぐらいは全国的にきちっと行っているんですけど。
ハイリスクの人たちは母子手帳の発行時からわかっています。私が虐待の研修しているときに、ある子供の事例を出したら、「柴田さん、その子知っている。だって、産んだときに、あのお母さん、おかしかったもん」と助産師8さんが言っていました。産婦人科に健診に来るときから、このお母ちゃんは子供をうまく育てられないなというのは、医療現場ではわかっているのですね。だから、そこをきちっと追いかけていく仕組みができると、虐待はかなりの程度予防できると思います。それで、こういう親になるためのプログラムがあるよとか、教室があるよとか言いながら、実はノーバディーズパーフェクトはかなりのプログラムですけど、よりぐあいの悪い人に手を出そうとしていますので、タクシー券を渡したり、おやつが出るよと言ったり、公共交通のバスのカードを渡したりして、低所得者層の人たち、こういうことに余り関心のない人も出て来られるように、引っ張り出すような仕組みがあります。そこら辺を丁寧にやっていくことができるといいなと思います。健診はすばらしいシステムで、1歳半の健診は95%の受診率があります。来ない人を追いかけて、あとの5%も保健師さんたちは見に行っています。
 さらに、子供を産むという観点で言えば、必ず産婦人科は通過しますので――中にはいきなり産んじゃう人もいますけど――その前の段階で、よりぐあいの悪そうな妊婦さんの段階から追いかけていくという仕組みができるといいなと思います。

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