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中国駐在員報告
2000年1月 その他 駐在員 : 今村理一郎
上海2000年1月1日午前0:00
上海市内の南京路と徐家匯のデパートで、12月31日午後11時から1月1日午前2時まで年末年始の大安売りが行われた。全商品2割から5割引と大々的に宣伝されたため、かなりの人出があるだろうと思い、31日11時50頃、徐家匯の港匯広場デパート(売り場面積は上海市浦東のヤオハンの3倍)に行った。「行った」という表現は,不適切でいつの間にかそこに居たと言った方がよい。気付いたら人の海に飲み込まれ、逃げ場を失っていた。
午前零時のカウントダウン後、デパートの中に一時退避しようと押されるままに入って見た光景は、凄まじいという表現しかできない。エスカレーターは、人間製造機のように満杯の人間を乗せベルトコンベアのように運んでいた。売り場は人であふれかえっていたが、商品を買う人はほとんどなく、店員は人出の多さに関心もないのか店員同士で話をしている光景も見られた。特に高級品や化粧品販売コーナーでは、全くといってよいほど商品を買う客はなかった。
デパートの出入口は、恐怖を覚えるような混雑で、首に下げたビデオを押しつぶされないように必死で護り、やっと外に出ると帰る方向が人で埋め尽くされていたので、反対側に向かい交通止めのところまで辿り着きタクシーを捜した。しかし、空車はなく、たまに空車を見つけても先取りされてしまう。これを繰り返しているうちに腹立ってきて、結局は歩いて帰った。
バスは、2時を過ぎても数珠繋ぎのようになって走っていたが、満員で停留所にとまらず走り去って行ってしまった。部屋に辿り着いたのは、3時を過ぎていた。本当に人が多いし、上海人は人の集まるところが好きだ。
因みに、浦東の八佰半(ヤオハン、現在は上海第一百貨店資本)では、混乱を恐れる市当局の中止勧告を受けて夜中の安売り商戦を取りやめた。
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