台湾駐在員報告
2022年1月 政治 駐在員 : :宮崎 悌三
台湾は総統が直接選挙で選ばれるが、重要な案件も法(住民投票法。2003年12月施行)で規定された要件を満たせば、直接、民意を問うことが保障されており、12月に行われた4件を含め、施行からこれまで5回20件に対して住民投票が行われた。
今回行われた住民投票は、@液化ガス受入れ施設の建設場所変更、A第四原子力発電所の商業運転停止解除、B飼料添加物ラクトパミンで飼育された豚肉輸入全面禁止、C住民投票と統一選挙等の全域で行われる選挙の同一日程での実施の4項目。与党民進党はすべてに反対、野党国民党はすべてに賛成という構図のもと、全ての項目で反対が勝り、与党全勝という結果で終わった。
しかし、私の周囲でもどちらに投票するのか、最後まで迷っていた人が多かったように思う。現状、民進党と国民党を除けば、政権を預けられる政党が見当たらない中、たとえ民進党支持者であっても圧勝させたくないという気持ちもあったようだ。
また、全敗した国民党にとっては、今回の住民投票のように二項対立に持ち込まれた論戦では旗色が良くなく、党の寄って立つべき政策の軸を見直さなければ益々弱体化を招くと党内外からの指摘があり、党の立て直しが急務となっている。
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