中国駐在員報告



2011年6月 経済
駐在員 : 野村芳一


    先日、ある県内企業の経営者が当事務所を訪れ「中国市場におけるロボット需要が高まっており、日本からの輸出による販売台数が増えていることから、近々中国国内で産業用ロボットの生産を行う予定である」と話した。
     中国では、近年現場労働者の人件費が急騰しており、大卒事務職の初任給を上回るところも出現している。浙江省内のある市では、2009年の企業の労働者の平均月給は従業員1人当たり1,200〜1,400元(約1万5,000〜1万8,000円)であった。ところが2010年には1,500〜2,000元に跳ね上がった。1年でなんと25%〜42%の上昇である。企業関係者の間では「今後当地で生き残るためには人件費の圧縮や生産の効率化を目指すしかないが、その手立てとして、産業用ロボットを導入し自動化を図る」という話がある。
    このような状況を証明するかのように、中国全体では2005年から2009年の間に産業用ロボットの台数が3倍以上に増えている。一方で日本の産業用ロボットの稼働台数は、世界第2位である北米の約2倍となる33万2千台であり、世界第1位のロボット大国である。こうしたことから、2010年の日本からの産業用ロボットの対中輸出額を見てみると、前年比185.1%増の2億397万ドルと大幅な増加を示している。
    中国メーカーの関係者は「経営的要素を総合的に判断すれば、中国の沿海部では自動化の流れが益々進む」と断言している。
     中国を市場として捉え国内販売を進める上では、現地生産が望ましいことは言うまでもない。中国で高機能な製品が製造されるようになった今、ロボットの生産についても徐々に現地化が進んでいくものと思われる。

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