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韓国駐在員報告

2024年4月 政治
駐在員 : 高橋 誠


4月10日に韓国では国会議員総選挙が行われた。結果は既に報道されているとおり、与党「国民の力」が惨敗し、元々過半数を上回っていた最大野党の「共に民主党」がさらに議席を増やした。
日本も同じだが、投票前日は各党の代表や候補者が最後の遊説に駆け回り、声を枯らす。私は9日夕方、これまでの地盤とは異なるソウル市の西大門乙(ソデムンウル)の選挙区で立候補し、今回結果的に敗れてしまった朴振(パク・ジン)候補(前外交部長官)の仁王(イヌァン)市場前での演説を聴いてきた。
朴振候補はFacebookなどのSNSで毎日の選挙活動スケジュールを公開しており、演説予定の18:00に合わせ会場に到着すると、すでに大勢の人が集まっていた。しかし、本人はまだいない。マイクで話す応援者がいて、歌や音楽に合わせて踊って盛り上げる若者が多数。日本とは全然違う選挙活動のスタイルに圧倒される。集まった聴衆は市場の街に似合う年配の方々が多かった。
韓国は選挙投票時、投票用紙には、番号、党名、氏名が書かれており、自分が投票したい人のチェックボックスに投票所においてある投票用判子を押して投票する。したがって、どの候補者も番号を強調する。
朴振候補の所属する「国民の力」は2番。それゆえ、「2番」、「朴振」を強調した替え歌や演説が鳴り響く。「♪2番2番2番、とっても好きです〜」という感じだ。なかなか面白い。
30分ほど経ったところで朴振候補は、スクーターに乗って登場。会場は「パク!ジン!パク!ジン!」の声に包まれる。隣の選挙区で共に戦う同党の李容鎬(イ・ヨンホ)候補と2人して選手カーのステージ上に上がった。
朴振候補は実績やネットワークをもとに、当該地域の商圏拡大、教育水準の引き上げ、江南エリアとの高速鉄道による交通時間短縮化など、比較的開発が遅れているこの地を発展させるプランを述べた。歌の上手い朴振候補は選挙ソングも自ら歌った。韓国らしい、コンサートのような、お祭り騒ぎの選挙戦に明かるい気持ちになる。
あたりが暗くなってきた頃到着したのは、韓東勲(ハン・ドンフン)「国民の力」非常対策委員長だ。いわば選対委員長であり、昨年12月から党代表が空席となっている中で、実質、党代表と言える人物だ。共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表と舌鋒を交わし、人気を集めた彼は、この日、最後の応援演説のため、走り回っていた。
2人の候補者の手を取り、高々と掲げると、会場からは「ハン!ドン!フン!」の大合唱。応援を終えると、急足で最後の遊説場所である清渓広場に向かった。対する共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は、尹大統領の大統領府がある龍山で最終演説を行った。
 2月までは国民の力が優勢であったが、3月に入り、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領時代に法務部長官を務めだ国(チョ・グク)氏が代表を務める「祖国革新党」が誕生し尹大統領への圧力を強めると、これに共に民主党が同調。これまで李在明VS韓東勲、共に民主党VS国民の力、という印象だったものが、尹大統領の実績中間審判の様相を呈し、共に民主党が有利となり、国民の力が苦しくなった。結局、最後までそれを覆せなかった与党は、首都圏で惨敗を喫した。今回の選挙結果が日韓関係へ悪影響を及ぼすということはないと思っているが、野党勢力の圧力と大統領のかじ取りにこれからも注目していく必要がある。


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