東南アジア駐在員報告
2019年12月 社会・時事 駐在員 : 福田 渉
県立浜松東高等学校は修学旅行で毎年シンガポールを訪れている学校のひとつである。本県の公立高校では最も早くシンガポールへの修学旅行を始め、毎年、日本の高等専門学校にあたるナンヤン・ポリテクニークの学生と交流をしている。この交流は今年で24年目になるという。
先日、この交流会に出席した。交流会ではお互い相手の言語である英語と日本語を使って自己紹介を行ったり、ダンスを披露したり、いまや万国共通の文化になりつつあるアニメのクイズなどで大いに盛り上がった。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうもので、最初はぎこちなく過ごしていた学生達も、出発の時間には離れ難くなった様子で、携帯電話で写真を撮って、何度も別れの挨拶をしていた。辺りが暗くなり、東高の生徒を乗せたバスが出発する時、ナンヤンの生徒達は携帯電話のライトをつけてトーチのように掲げ、「シー・ユー・アゲイン(また会おう)」と歌いながら見送った。
最初は満足に自己紹介もできなかったかもしれないが、相手のことを知りたい、理解したいという気持ちがお互いを歩み寄らせたのだろう。相手の言語では伝えきれなかったもどかしさや悔しさを感じている生徒も多かったと思う。そうした想いを糧にして一所懸命に外国語を習得し、国際交流に取り組む学生がひとりでも多くなることを願いながら学校を後にした。
日付別一覧 地域別一覧 分野別一覧
|