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東南アジア駐在員報告2005年10月 経済 自動車産業の集積が著しいタイは、まさに「アジアのデトロイト」と呼ばれるに相応しい生産・輸出拠点となりつつある。
ツ(約2,750億円)に拡大したことによるものである。また、8月の貿易収支(9月下旬、タイ商務省発表)を見る と、輸出では自動車・部品が前年同月に比べ47%増の9億,600万米ドル(約1,037億円)と大幅に伸び、電子製品・ 部品(同26%増)と共に、原油価格高騰による輸入金額の増加を相殺し、1月から続く貿易収支の赤字幅縮小に大いに貢 献していることが分かる。 主要メーカーの最近の動向は、トヨタ・モーター・タイランドがIMV(*注1)の販売が好調なことから、今年4月に、 ピックアップトラックの新工場をバンコク郊外に建設すると発表している。輸出を加えた同社の生産台数は04年が27万 4千台、05年が40万8千台、06年が50万台と急拡大し、日本、米国に次ぐ世界第3位の生産拠点となっている。ま た、いすゞ自動車が07年までに、日産自動車が08年までに、それぞれ生産能力を20万台に増強するとしている。 こうしたタイでの自動車生産の急増と共に業績を伸ばしているバックミラー製造のMurakami Ampas(本社 静岡市)の鈴 木社長にお話を伺った。 この会社は、現在、トヨタ・モーター・タイランドの全車種にバックミラーを供給するなど、上記トヨタ向けではオン リーワン企業となっている。鈴木社長は、タイの自動車産業について、200km以内に全てのサプライアーが集積してお り、時間にして2時間以内、いつでも必要な時に部品を取り寄せることが出来る。物流コストの面では広大な中国に比べ優 位にある。」と述べている。 ここ数年の自動車生産の推移は次のとおりであるが、同社の業績は自動車生産の急増に連動している。 (単位:千台)
こうした趨勢が続けば、「ものづくり静岡」を代表する企業としての活躍が今後、一層期待される。 |
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