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中国駐在員報告

2012年1月 社会・時事
駐在員 : 井口真彦


    浙江省杭州市中心部からバスに揺られること約1時間、途中大型バスから小型バスに乗り換えて山道を登り、杭州市余杭区にある禅寺「径山寺」(きんざんじ)を訪問した。
     径山寺は、唐代の建立で南宋時代に栄え「東南第一の禅寺」と称された名刹で、古くから禅の修業のために日本からも修行僧が来てここで学んだ。住職の説明の中でも、何人かの日本からの修行僧が紹介された。
     最も有名な僧として住職が紹介された南浦紹明(なんぽしょうみょう)は、駿河国安倍郡(現在の静岡県静岡市清水区)出身で、建穂寺(たきょうじ)の浄弁のもとで学び、15歳の時、鎌倉建長寺の蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)のもと剃髪・受戒し、「紹明」の法号を得た。建穂(たきょう)の名は静岡市葵区に地名として今も残っている。
     彼は、宋から帰朝の際、古くから「茶宴」と呼ばれる僧侶の茶道会で使われていた茶の台子(茶の湯で用いられる棚)などの茶道具一式を持ち帰って、中国茶の礼式を初めて日本に伝え、それが茶道の原型になったと伝えられている。
     私たちが最も知りたかった「聖一国師」(しょういちこくし)については、住職からの説明はなかったが、境内には聖一国師と径山寺の開山和尚の石像があり、その傍らの石碑には、聖一国師がここで6年間修行したと中国語で書かれていた。
     聖一国師は、現在の静岡市栃沢生まれの鎌倉時代の高僧で、径山寺で修行し、仏書千余巻とともに茶の実を日本に持ち帰り、生誕の地である駿河国安倍郡三和村足窪(現在の足久保)にそれを蒔いたと伝えられており、静岡茶の始祖とされている。
     径山寺に至る山道の一帯にも茶畑が見られたが、そこで産出されるお茶は「径山茶」として知られており、現在でも茶の生産は盛んだとのことである。住職の話の際に出していただいた径山茶は、深い緑色の細長い茶葉で、日本の緑茶に近い味であった。浙江省十大名茶の一つだが、生産量はあまり多くなく、それもあって貴重品とされているそうである。
     今回の視察の滞在時間はほぼ1時間、急ぎ足であったため、近くにあるという茶工場などは見て回れなかったが、浙江省にある静岡と所縁の深い場所なので、もう一度じっくり行ってみたいと思う。


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