東南アジア駐在員報告
2017年3月 経済
駐在員 ： 吉住理恵子
タイ投資委員会（ＢＯＩ）は15日、バンコクで産業高度化推進のための政策「タイランド4.0」周知のセミナーを開催した。プラユット首相が海外投資家に投資を呼び掛け、政府が進める「東部経済回廊（ＥＥＣ）」構想や周辺国（カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム）とのバリューチェーン形成、レムチャバン港の拡張計画やバンコク近郊３空港（パタヤ、ドンムアン、スワンナプーム）をつなぐ高速鉄道などのインフラ整備計画、ＥＥＣ内に投資する企業のうち「最先端の技術を持ち、タイの経済・産業への影響が大きい投資案件」に最長15年間法人所得税免除、企業による研究開発や専門人材育成に対しては総額100億バーツの基金からの助成金交付などの恩恵が付与されること等が発表された。
同日、訪問した泰日工業大学でも、アセアンの周辺国からの留学生を対象として英語でものづくりを教えるコースを新設する構想があると聞いた。
タイでは、周辺国の成長による競争力の低下の一方、先進国と比べての高度技術や研究開発力の優位性のなさによる成長の停滞、いわゆる「中進国のわな」を抜け出し、アセアンのものづくりの中核を担う立場を目指す政策に、真っ向から取り組む姿勢だ。
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