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東南アジア駐在員報告2007年5月 社会・時事 シンガポール・・・外国人住み込みメイドを雇う文化 シンガポールでは、特に子育て中の世帯や、介護が必要なお年寄りがいる家庭の中には、メイドを雇い、家事や子育てや介護を任せる家庭が多くある。政府が発表している数字では、7世帯に1世帯の割合で住み込みの外国人メイドを雇っている。日帰りのシンガポール人のメイドも合わせると、5世帯に1世帯以上の割合でメイドを雇っていることになる。 外国人メイドは、政府が公認している7カ国、フィリピン、インドネシア、マレーシア、タイ、スリランカ、ミャンマー、インドから出稼ぎに来ている人々であり、彼女たちはシンガポールの雇い主の家で寝起きをし、食事や、夜具、等生活必需品を雇い主に供給してもらい、給料の殆どを国の家族に送金している。 背景には各国の事情があるようだ。例えば、フィリピンの事情では、短期大学を卒業した学生でも希望通りの就職をすることはなかなか難しく、給料はS$150もらえればいい方で、就職できたとしても昇給することは難しく、よほど優秀な人材でない限り、会社は昇給するよりも解雇して若い安い人を雇用するので、短大を卒業したような人でも、シンガポールに来てメイドになった方が生活が安定する。ということらしい。 7カ国と言っても、殆どがフィリピン人もしくはインドネシア人メイドで、英語が通じるという点でフィリピン人メイドに利点があり、給料が安いという点でインドネシア人メイドに利点があるとされている。経験や、能力で多少の個人差はあるものの、フィリピン人メイドはS$350からS$400前後、インドネシア人メイドはS$300からS$350前後が一月の給料の相場で、雇い主はその他に毎月約S$300の税金や、保険料、健康検査等の負担をすることになっているので、食費を除いて考えると、フィリピン人メイドを雇う場合には一月約S$750掛かることになる。それで家族が子育てや、介護や、家事から解放されることになるので、共働きや、収入が比較的高い家庭では、住み込みの外国人メイドを雇っている家庭が珍しくなく、中には家族が多いので2人、3人雇っている家庭もある。 |
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