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中国駐在員報告

2012年9月 行政
駐在員 : 野村 芳一


    <北方旅遊交易会>
     8月24、25日に山西省太原市で開催された北方旅遊交易会に文化・観光部の職員とともに参加し、静岡の観光PRを行った。太原は、黄河中部に位置する山西省の省都である。北京の南西約500キロメートルの位置にあり、面積は6,959平方キロメートルで概ね熊本県の面積に等しい。そこに本県の人口と同程度の346万人が生活している。
    太原は古くは晋陽と呼ばれ、春秋時代の晋国の都市の一つであった。晋の有力家が紀元前497年に晋陽の町を築いたことが太原の歴史の始まりとされ、2400年以上もの歴史を誇る古都である。
    <太原チャーター便>
     今回、日本でも余り馴染みのない太原市を訪問したのは、静岡空港に太原から中国人観光客向けの連続チャーター便が運航したからだ。太原で静岡のPRを行い、チャーター便の利用促進や今後の継続運航を目指すのが目的である。
    このチャーター便は、4月から8月まで合わせて28便が運航したが、なぜ太原から静岡へチャーター便が飛んだのかという疑問に納得できる回答を探すのは、なかなか難しい。チャーター便は旅行会社などが航空会社から飛行機を借りて運航するものなので、航空機をチャーターした者がリスクを負う仕組みである。したがって、相当程度の訪日旅行の需要が見込まれないと就航は難しい。今回は、中国全土に支社のある旅行会社の山西支社が中国東方航空の機材で運航している。
    太原周辺は、石炭などの地下資源が豊富で、この地下資源で莫大な収入を得ている人がいるという。上海周辺の不動産を買いに来る富裕層には太原からの人が多い、という話もある。また、チャーター便を運航している旅行社によると、4,000元(≒52,000円)台の安いツアーよりもグレードの高い8,000元(≒104,000円)台の商品から売れていくという。1円でも安い方が望ましい、という上海では考えられない現象だ。

    <中国内陸部の振興>
    統計上の数字では、沿岸部よりも貧しいとされる内陸部だが、それは一面的な見方で、どうも統計データからは捉えられない現実もあるようだ。武漢でも訪日旅行が4,000元台で行けることを知り、安いと喜んでいる人がいて、数千元台の訪日旅行がけっして高くないと思う階層が当たり前に存在することを知った記憶がある。
    太原での北方交易会では、旅行会社を退職したという女性から流暢な日本語で話しかけられた。添乗員をしていた彼女は、「訪日旅行は、当時北京経由しかなかったので、苦労して日本に行ったのが懐かしい、ずいぶん便利になったものだ」と言っていた。
    今回の訪問で旅行会社等と会談した時も、今年の夏は成都(四川省の省都)からの日本便は満席で予約がとれなかったとか、鄭州(河南省の省都)から上海経由で静岡便を使って訪日商品が企画できるのではないか、といった大変に景気のよい話も聞くことができた。実際、6月から始まった静岡−武漢便の中国人搭乗客数は順調に推移し、搭乗率アップにも寄与している。
    内陸部の振興は、大きな意味で格差是正として国の重点施策であり、沿岸部の経済が停滞気味なのに比べて、内陸部は、逆にまだ延びしろがあるとも言える。中国経済が内陸部を中心に順調に伸びていけば、沿岸部と遜色ない経済力をもった都市が数多く出現する可能性も大きい。
    <静岡空港の可能性>
    内陸部に限ったことではないが、中国の地方都市の経済レベルがあがるにつれてその地域の国際便の需要も増えていく。もちろん、日本(特に東京)への就航を目指す都市、航空会社も増えていく。ところが、受入れ側の日本では、羽田、成田空港ともに空港容量が不足している状況である。こうしたことから、中国で首都圏に近い静岡空港の存在がクローズアップされてくる。太原からのチャーター便は、このような背景があったものと思われる。
    さらに先月8日には日中オープンスカイ協定が結ばれ、成田、羽田、北京、上海を除く空港で日中の航空会社が、両国間の路線を自由に開設、増便ができることになった。現実的に中国においては、国の民間航空行政機構である中国民用航空局の意向には逆らえないと思うが、原則地方空港同士は自由となったので、静岡空港の利用促進に追い風になるのは、間違いのないところだろう。


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