台湾駐在員報告
2019年11月 政治 駐在員 : 内藤 晴仁
2020年1月に実施される台湾総統選挙への出馬を目指す韓国瑜氏が、選挙に専念することを理由に、現在の高雄市長の職を3か月間休職すると発表した。当初は週末のみを選挙活動に充てるとしていた同氏であったが、直近の世論調査では支持率が現職である蔡英文氏の1/2程度と大差がついており、発言を事実上撤回し、選挙活動に専念することで支持率の挽回を目指すものと思われる。
台湾では「帯職」という制度がある。これは公職の身分を保持したまま選挙に立候補できるもので、韓氏はこの権利を合法的に行使した。しかし、昨年11月に当選したばかりの現職が総統選挙へ立候補すること、かつ帯職制度を利用して長期間にわたり休職することに対する批判の声は大きい。また、この制度では、仮に落選しても失職しないことから、そもそも制度自体に欠陥があると批判する声もある。
選挙日まで残り3か月、いよいよ総統選挙の佳境に入る台湾において、候補者の動静を注視していく。
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