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中国駐在員報告

2012年1月 社会・時事
駐在員 : 井口真彦


    中国を訪れたことのある方は、車や人の交通マナーに少なからず驚かれたことがあると思う。歩行者は、信号が赤でも車道を車が行き交う中でもその間を縫って渡る。車は、歩行者が横断歩道を渡っていてもすれすれのところを走り抜ける。「歩行者優先」ではなく「勇気があるほうが優先」と言われる所以である。私も昨年6月の赴任直後には、横断歩道も見知らぬ中国人を盾にして渡ったものである。
     ところが、昨年の秋、杭州でタクシーに乗っていて驚いたことがある。歩行者用信号がない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている場面で、まず前を走っていたバスが横断歩道手前で停車し、私の乗ったタクシーも続けてその横に止まったのである。日本では当たり前の光景だが、中国でこのような様子を見たのは初めてであった。
     そのことを杭州で中国人に話すと、「実は、それが義務付けられ、違反すると罰金を取られることになった」とのことだった。マナー改善のキャンペーンである。ちなみに、北京オリンピックを前にした北京では「つば吐き禁止」、上海万博を前にした上海ではエスカレーターで歩かない人は右側に乗るなどのキャンペーンが行われたとのことである。
     一方、昨年7月、杭州市の呉菊萍という女性がアパートの10階から墜落した少女を両手で受け止め、左手を粉砕骨折しながら助けた事件は、繰り返し報道され、呉菊萍は「最美ママ」として全国的に有名になった。
     この事件をきっかけに、「最美○○」という名称で、特定の人物の善行や努力を取り上げ、それに学べ、といったキャンペーンが新聞やテレビで頻繁に行われるようになった。毛沢東時代の「雷峰に学べ」(質素倹約を旨とし自己犠牲的な精神で人々を支援した)の現代版とも言えるだろうか。
     このような、杭州市でのマナー改善、善行奨励の取組などが評価され、昨年12月20日、杭州市は国により「全国文明都市」の称号を獲得した。
     「○○都市」というような称号を与えて競わせる手法も良く見られる。
     「文明」にも競争原理を取り入れる手法に違和感を覚えないこともないが、中国に暮らす身としては、人々のマナーが改善し、善行が増えるのであれば、歓迎したいところである。


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