東南アジア駐在員報告
2013年2月 社会・時事 駐在員 : 長谷川 卓
1月26日、投開票の行われたプンゴル東部地区(1人区)の国会議員補欠選挙で野党労働者党(WP)の女性候補リー・リリエン氏が与党人民行動党(PAP)のコー・ポークーン候補を破り当選を果たした。
接戦が予想されていたが、結果は有効投票数2万9,415票のうちリー候補が1万6,038票(得票率54.5%)、PAPのコー候補は1万2,856票(同43.7%)で、得票率で10ポイント以上を引き離すリー氏の圧勝だった。
建国以来、一党独裁体制を築き、政府と一体となって経済発展優先の国づくりを進めてきたPAPだが、2011年5月の総選挙で、初めて1グループ選挙区(議席数5)でWPに敗北、2012年5月に行われたホーガン地区(1人区)の補欠選挙でWP候補に敗れたことに続く敗北となった。PAPは依然として87議席中80議席を占めてはいるが、大政党有利の選挙制度の恩恵を受けての結果であり、得票率がじりじりと下がり続けていることに対する危機感は非常に強い。国民に一定水準の生活を提供することには成功したが、所得格差が拡大することで形成されつつある低所得者層が、自らの職域を侵害する外国人労働者の流入制限を求めるなど、PAPが進める政策への不満が野党支持拡大に繋がっているようだ。
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