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ホーム > 交流・まちづくり > 国際交流 > 地域外交課 > 海外駐在員報告 > 東南アジア駐在員報告

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東南アジア駐在員報告

2005年5月 経済
駐在員 : 橋本 勝弘


    昨今のバイオメディカル産業は、ヒトゲノム(*注1)の解読を踏まえ各国で広がりをみているが、シンガポールでは新たなビジネスチャンスの獲得に向け、国を挙げて戦略的に取り組んでいる。
    シンガポール政府は、バイオテクノロジー関連産業を、エレクトロニクス、化学、エンジニアリング産業に次ぐ経済の柱と定め、多額の国家予算を投じて育成している。2000年6月に発表した「シンガポール・ゲノム計画」を皮切りに、次々と政策を打ち出している。主な柱は、@公的研究機関の研究開発に対する支援(バイオメディカル基礎研究、情報技術、エンジニアリング、臨床研究を包括する研究プロジェクトへの予算措置等)、A産業育成・ベンチャー支援(民間企業による研究開発投資への資金援助等)、Bインフラストラクチャーの整備(研究開発の集積地−ワンノースプロジェクト、バイオメディカル企業向けバイオポリスの建設など)(*注2)、C人材育成(海外や国内の大学で学ぶ学生への奨学金の提供等)などとなっている。こうした戦略の成果は、医薬品の生産高の急速な伸びに見ることができる。
     
     医薬品生産高の推移      (単位:S$=シンガポールドル=約64円)          
    2001年
    2002年
    2003年
    2004年
    シンガポール
    50億S$
    (約3,200億円)
    55億S$
    (約3,520億円)
    101億S$
    (約6,464億円)
    140億S$
    (約8,960億円)
    静岡県
    7,265億円
    7,067億円
    7,327億円
    (未発表)

               * シンガポールは経済開発庁(EDB)発表の医薬品の生産高
                * 静岡県は厚生労働省「薬事工業生産動態統計調査」による医薬品の生産高から抜粋

    昨年の主な関連企業のシンガポールへの投資は、スイスのNovartis(ノバルティス社)の生産工場の拡張計画や、米Pfizer(ファイザー社)のアジアで初めてとなる大規模活性成分製造プラントの開設がある。その他、デンマークのヘルスケア企業Ferrosan(フェロザン社)やドイツのバイオ企業MiltenyiBiotech(ミルテニ・バイオテック社)がシンガポールをアジア統括拠点と定めるなど、外資を順調に呼び込んでいる。
    研究開発の面では、政府系の5つの研究所(*注2)が昨年発表した研究成果は250件以上で、特許申請は476件、うち36件が認可を受けている。代表的な研究成果としては、分子細胞生物学研究所(IMCB)が乳ガンと関連する2つの遺伝子を発見したことや、シンガポール・ゲノム研究所(GIS)が遺伝子機能解読の新しい方法を開発したことがあげられる。
    また、シンガポール政府は外国人研究者の誘致にも積極的で、昨年はドイツのAxel Ullrich博士とイギリスのDavid Lane卿の二人の著名な科学者がシンガポールでの研究に協力することに同意している。
    一昨年開設したバイオポリスにはこれまで15社が研究開発拠点を設立し、政府系研究機関などとあわせて、現在2,000名以上の研究者がバイオポリスで研究を行っている。
    シンガポール政府は2015年までに同関連産業を250億S$(約1兆6,000億円、医薬品と医療技術の計)産業にするとの新たな目標をあげている。
    その他の国の状況として、マレーシアが4月末にバイオテクノロジー政策の根幹を成す「国家バイオ政策」を公表し、今年から15年をかけ、法制度面の整備、研究成果の商業化、世界に通用するバイオ企業の育成(20社以上)をあげている。また、インドも4月末に開催された「バンガロール・バイオ2005(第5回)」において「バイオテックポリシー」の草稿を発表した。バイオテック企業265社のうち127社がバンガロールに集積するなど、今後の成長が注目される。
      *注1 ヒトゲノム・・・ゲノム(genome)は遺伝子(gene)と染色体 
          (chromosome)から合成された造語で生物種ごとの固有な遺伝
          情報全体を指す。人間のゲノムがヒトゲノムで、その構成単位の
        塩基と呼ばれる配列が、2000年にほぼ解読された。(イミ         ダス05より引用)
      *注2 シンガポールのバイオ関連研究機関・・・バイオインフォマティ         クス研究所(BII)、バイオ処理技術研究所(BTI)、シン         ガポール・ゲノム研究所(GIS)、分子細胞生物学研究所      
          (IMCB)、バイオ工学・ナノテク研究所(IBN)があり、         いずれも政府主導のバイオ医学研究開発施設「バイオポリス」に         入居している。「バイオポリス」及び「ワンノースプロジェクト」        の詳細は次のホームページ(英語)を参照願います。
           http://www.one-north.com/pages/lifeXchange/bio_intro.asp


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