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台湾駐在員報告
2013年12月 経済 駐在員 : 宮崎悌三
富士山静岡空港と台湾桃園空港を結ぶ便は、静岡県では既にお馴染みとなりつつあるチャイナエアライン(台湾名:中華航空)という台湾を本拠地とする航空会社が運航している。
台湾には、業界最大の売上高を誇るチャイナエアラインのほか、海運で有名なエバーグリーン関連会社であるエバー航空(台湾名:長栄航空)や、昨年から台湾と日本各地とを結ぶ国際線に就航しているトランスアジア航空(台湾名:復興航空。以下、復興航空という。)などがある。
復興航空は、かねてより台湾を本拠地とする初の格安航空会社(ローコストキャリア。以下、略称であるLCCという。)の設立を目指していたが、11月20日に開いた記者会見で、交通部民用航空局(国土交通省航空局に相当)からLCC設立の認可を得たことを明らかにした。早ければ、来年にも復興航空グループの子会社として、会社を設立し、営業を開始する見通しとなる。
LCCは、コストを削減し運航の効率化を図ることにより、文字通り格安の料金の航空券販売を売りにした航空会社である。日本における国際線では、成田空港や関西空港を拠点とした運航が多い。
台湾には、海外から、既に10から12社のLCCが乗入れているが、台湾におけるLCCの設立が遅れていた。交通部民用航空局は、昨年から、台湾地場のLCC設立を促すため、国際線を運営する航空会社の設立の要件としていた売上高の下限を、更に引き下げるなどの規制緩和に取組んでいた。
復興航空によると、同社が設立するLCCは、台湾桃園空港を拠点とし、台湾からの飛行時間が、5時間以内の国・地域を結ぶ国際線の運航を予定しており、行き先としては、日本、韓国、タイ、シンガポールなどが対象となる見込みで、台湾の人々が行きたい場所はほぼ網羅できるとしている。また、台湾は、日本、韓国、中国、東南アジアとの中間に位置する地理的優位性があり、LCCが発展する余地が大きく、十分な利益を出せると自信を覗かせている。
一方、業界1位のチャイナエアラインもLCC設立に向けて準備を進めていて、今年の年末には、同社からの発表がある見込みであり、台湾地場のLCCが日本に飛ぶ日もそう遠くなさそうだ。
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