韓国駐在員報告
2017年2月 社会・時事 駐在員 : 野原靖
韓国統計庁の発表によると、2016年に育児と家事労働に専念した男性は16万1,000人となり2年間で24%増えた。これは専門職として働く女性の増加で男性より高収入を得る女性が多くなったほか、伝統的な男女の役割への意識にも変化が生じたためとみられる。また妻が年上の夫婦が増えていることも背景にあると推定される。
さらに、政府が施行している育児支援制度の「お父さんの月」も後押ししている。同制度は同じ子どもについて夫婦が順番で育児休暇を取得する場合、2番目に休暇を取る親に対して、3カ月分の給与を通常賃金の100%(最大150万ウォン=約14万円)まで支給するもの。
また、ロッテグループは韓国の大企業では初めて、2017年1月1日から男性社員の育児休職を義務付けた。配偶者が出産した場合、男性社員を強制的に1カ月以上休職させる制度だ。
ただ、増えたとは言うものの昨年の育児・家事従事者(720万4,000人)のうち男性が占める割合は約2.2%にとどまっており、更なる経済的支援や認識の転換が必要である。
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