東南アジア駐在員報告
2014年10月 社会・時事 駐在員 : 芦澤裕之
日本政府観光局(JNTO)によれば、平成26年の訪日外客数は、1月から8月までの累計で、前年同期比25.8%増の864万人で、この調子が続けば初の1千200万人の大台達成も夢ではない状況となっている。東南アジア6カ国からの訪日客は、1月から8月までの累計で、驚くべきことに前年同期比44.4%増の96万人となっている。
こうした中、先日、シンガポールの新聞ストレーツタイムスに、訪日旅行の需要増は、近年の円安が一因である、とする記事が掲載された。
記事では、平成20(2008)年から8回の日本旅行を経験している女性など、多くのリピーターの「円安のおかげで以前よりグレードの高いホテルに泊まったり、ミシュランガイドに掲載されているレストランで食事したりできるようになった。」「アウトレットでシンガポールより安く一流ブランド品が買える。」などの声が掲載された。ある旅行会社は今年、日本ツアーを10%増加した結果、日本への旅行客が前年比70%で増えているという。また、別の旅行会社は、シンガポール人の訪日滞在日数が、5年前の5〜7日間から7〜12日間に伸び、複数の観光地を訪問するようになっていると述べている。
一方で、「円が高くても、私は機会があればいつでも日本に行く。日本は、人々がみな親切で、地方の景色がきれいで、他のアジアとは文化的に違うからだ。」という筋金入りの訪日旅行ファンの声も掲載されていた。
円安が訪日旅行の追い風になっているのは間違いないが、我々にとって大事なことは、この訪日旅行ファンのような方を増やすよう、観光地としての静岡の魅力を継続的に高めていくことに尽きる。
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