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中国駐在員報告
2013年4月 政治 駐在員 : 野村芳一
昨年9月の尖閣国有化以降、日中関係の悪化を受けて、中国からの団体旅行客が激減しているのは、ご案内のとおりである。もちろん、この影響は観光だけではなく、日中間の貿易にも打撃を与えており、1〜2月の貿易総額について、主要貿易相手では日本だけが前年割れとなったという。また、2月の中国の新車販売台数のうちセダンに占める日系メーカーのシェアは、11.9%で昨年同月の18.6%から大きく後退している。
このような状況を打開しようと、民間団体が交流活動を行っており、最近では日中経済協会の訪中団や中国対外友好協会会長の訪日などが注目されている。少しずつとはいえ、このような活動が国同士の関係に影響を及ぼし始めているのではないだろうか。
観光の話に戻ると、訪日旅行客の人数も査証の発行件数も、徐々にではあるが少しずつ回復してきているようだ。ただ、一方で県として毎年参加していたWTF(上海旅行博覧会、5月開催予定)事務局から日本側に参加を遠慮して欲しいという要請があった。上海市当局は以前、慎重な態度を崩していない。このようなことから、展示会に頼らずに観光PRをすることを考えるべき時期に来ていると感じている。
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