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2013年8月 経済駐在員 : 井口真彦
前回の駐在員報告で、「シャドーバンキング」(影の銀行)について報告した前後から、日本でもこれが大きく報道されていた。報告でも「バブル崩壊の引き金になる可能性もあると見られている。」と締め、日本の週刊誌の見出しにも中国発の「7月金融危機」説が踊っていた。しかし、7月28日現在でそのような状況は起きていない。 上海で、金融機関、マスコミ関係者の話を伺ったり、当地に長いチャイナウォッチャーの方の勉強会に参加したりする中でも、7月中旬現在で、中国発の7月あるいはその後しばらくの間を含めた金融危機はあり得ない、とするのが一般的な見方だった。 6月末の株価暴落の引き金となったのが、金融市場での不良債権問題だが、7月12日に中国人民銀行(中央銀行)が発表した6月の金融統計では、人民元建ての新規貸出額は前月比で28.9%増加。日系金融関係者は、「当局の介入により流動性は安定している。」としており、ノンバンクの破たん懸念は遠のいた形である。 中国は共産党の一党独裁であり、各領域に強力な指導力を発揮できること、マスコミは全て党の管理下にあるため、不安定要因の情報について抑える力があること、当局が介入して混乱を抑えるだけの資金力があることなどを指摘される方もいる。 また、中国は1990年代末に大手ノンバンク「広東国際信託投資(GITI)」が破たんし、国内外に大きなインパクトを与えた経験があるが、その際に破たん処理に当たったのが、現在の共産党序列第6位の王岐山・中央規律委員会書記であり、現指導部は事の重大性を十分認識していることも理由の一つとして挙げられている。 中国政府系シンクタンクの国務院発展研究中心の研究者は6月30日、2015年までの2〜3年は中国経済の転換期に入り、経済成長率は7〜8%。15年からは中速成長期に突入し、経済成長率は6〜7%で推移するとの見通しを示した。 国家統計局が7月15日に発表した第2四半期(4〜6月)のGDPは前年同期比7.5%増で、第1四半期の7.7%増を0.2ポイント下回り、2四半期連続で鈍化した。日本のマスコミは、中国の景気減速をことさら強調する形でこれを大きく取り上げていたが、これも想定内の景気減速と言える。 短期的な各種経済指標を断片的に見て、中国の景気減速が鮮明になったと伝えることは、読者の目を引くセールス戦略としては有効かもしれないが、当地で日系企業の活動を支援する立場からすると違和感を抱かざるを得ない。
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