東南アジア駐在員報告
2019年10月 経済 駐在員 : 福田 渉
フォレックス(Forex)とは、英語の“Foreign Exchange”を略した金融経済用語で、外国為替を指す。シンガポールの新聞でもよく見かける言葉で、世界に誇るフォレックスセンターとして、シンガポールはアジアでは最大、世界でも3番目のシェアを占めているとの報道があった。
国際決済銀行は3年に1回、シンガポール金融庁(MAS)を含む計53の世界の中央銀行を調査し、外国為替取引及び店頭デリバティブの売上高を測定している。調査の結果、シンガポールは外国為替取引の世界シェアのうちおよそ7.6%を占め、世界で3番目に大きい金融センターとしてランク付けされた。世界最大の金融センターは英国で、約43.1%を占めており、次に16.5%の米国、シンガポールに続いて香港、日本という結果になった。これら上位5カ国で世界のおよそ79%を占めると報告書は述べている。
国内に大きな製造拠点を持たないシンガポールにおいて、国際金融経済の拡大は同国の発展にとって大きな意味を持っている。MASの発表によれば、同国の外国為替市場における1日あたりの平均取引量は、3年前より22%増加して6,330億米ドルになり、過去最高を記録したとのことだ。国内のエコノミストによれば、米中貿易戦争などで不安定な状況ではあるが、世界の金融政策は緩和傾向にあり、こうした状況を反映して外国為替取引活動は拡大し続けるだろうと見られている。
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