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中国駐在員報告2007年7月 社会・時事 中国の人口抑制策の効果 中国の人口は、建国時の1949年に約5億4千万人であったが、1978年には78%増の約9億6千万人となった。このため中国政府は、人口抑制に取り組み、1978年には計画的に人口を押さえるため、その政策方針が憲法に明記された。二年後の1980年に「一人っ子政策」が提案され、1982年から国策として実施され現在に至っている。 しかし、今年発表された2006年現在の人口は約13億1千万人であり、「一人っ子政策」が実施されてからも36%増加している。しかし、その効果は、如実に人口構成比に現れてきた。統計数値として公表された年度で示すと次のようになる。
しかし、「一人っ子政策」によって変化したのは、人口構成比だけではなかった。男女出生比率そのものが不均衡になってしまったのである。最新の報道では、全国の男女構成比は118対100であり、中でも広東省は130対100に広がり、全国で最も深刻な地域といわれている。特に農村では働き手や後継者の問題で男児が好まれる傾向が強く、農村では第1子が女児の場合には、出産間隔を4年置けば第2子の出産が許されているため、胎児の性別判定や中絶が横行しているという。第2子の男女構成比でも、広東省が深刻で、180対100にまで達したと報道されている。 また、国家人口発展研究戦略課題グループの発表では、2005年以降、結婚・子育て適齢期(20歳〜45歳)の男性人口が女性人口を上回る傾向が顕著であり、2020年には約3,000万人多くなる見通しだそうだ。 ある民間調査機関によれば、上海市では、平均結婚費用が約18万7千元(約300万円)、更にマンション購入費100万元(約1,600万円)以上、マイカー購入費10万元(約160万円)など、結婚費用は全国トップで、男性の負担はとても重いそうだ。それに加えて、女性の数そのものが少なくなれば、更に男性の結婚の夢が遠のいてしまうだろう。上海では、適齢期の女性はまさしく高嶺の花になろうとしている。 (参考資料) 中国における人口統計(2006年) 1 人口統計概要
2 人口構成
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