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ホーム > 交流・まちづくり > 国際交流 > 地域外交課 > 海外駐在員報告 > 東南アジア駐在員報告

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東南アジア駐在員報告

2006年2月 政治
駐在員 : 橋本 勝弘


    5年目を迎えるタクシン政権は、昨年2月に行われた下院総選挙において、与党第一党・愛国党が全500議席中377議席を獲得し、史上初めて単独過半数を征するなど、磐石とされていたが、思わぬ綻びが見え始めた。
    発端は1月下旬、タクシン首相自信が設立し、実質的なオーナーであるシン・コーポレーション(*注)の全保有株をシンガポール政府系投資会社の関連会社に売却し、筆頭株主である首相の長女をはじめ、長男など一族が売却総額733億バーツ(約2,200億円)を得た株取引について、インサイダー取引や課税逃れの疑惑が報道されたことから市民の批判が表面化したものである。
    2月4日、地元紙「プチャカーン」の創始者ソンティ氏が主催した首相批判集会には、数万人の市民がデモ行進に参加した。同氏は、首相が携帯電話や格安航空など一族の関連企業に便宜を図ったと批判し、「これほど腐敗した政権はない」と気勢を上げ、首相解任を求めるプミポン国王あての嘆願書を枢密院議長に提出した。集会には市民団体や労働組合、学識経験者など幅広いグループが参加し、南部や東北部などの地方都市でも抗議集会が開かれた。また、タクシン政権の文化相と情報通信技術相が相次いで辞任するなど、閣内の対立も顕在化している。
    こうした批判に対して、タクシン首相は2月4日のラジオ番組で「国王だけが私に辞任を命じることができる」と述べ、国王以外の退陣要求には応じない考えを強調し、株式取引については合法的に行われたとして疑惑を全面的に否定した。
    首相の強気の発言を後押しするように、2月上旬にバンコク首都圏にある大学が行った世論調査では、首相支持派が批判派を上回っているとの結果が出ている。この調査は、バンコク首都圏の市民1千人余を対象に行ったもので、首相が説明したラジオ番組の直後の調査では、「首相の続投を望む」と回答した人が59.3%に上り、放送前に実施した調査の37.3%から急上昇したことが明らかになった。「辞任すべき」との回答はいずれの回も14〜15%程度だったとのことである。調査を担当した大学では、国民が、首相の経済政策や麻薬撲滅対策などの功績を認め、首相の政治的苦境に同情していると分析している。
    静岡県内企業海外展開状況調査によれば、タイには県企業の事業所が110進出しており(平成17年4月1日現在)、アセアン10ヶ国の中でも最多となっている。タイの強みの一つである政治的安定が損なわれた場合、経済への影響も懸念され、市民の批判が収束に向かうのか動向が注目される。
    *注 ・・・ シン・コーポレーションは、携帯電話大手アドバンスト・インフォ・サービス、衛星通信シン・サテライト、テレビ放送局のインターネットTVのほか、インターネットプロバイダ、格安航空会社などを傘下に収める持株会社で、タクシン首相一族チナワット家の中核会社。


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