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中国駐在員報告

2005年11月 社会・時事
駐在員 : 小杉 長生


    中国における観光客誘致(2)

    上海でタクシーの運転手や店員等、一般の人々に日本で知っている地名を聞くと、まず東京、大阪、名古屋の名が上がってくる。富士山を知っている人もいるが、富士山が静岡県にあることを知っている人はまずいない。中国国内で日本の知っている地名をアンケート調査した結果を見ると、北海道、東京、名古屋、大阪、京都が回答の50%以上を示している。また行ってみたい地域の回答も同様の順であった。

    地域の知名度行ってみたい地域
    北海道88.8%69.9%
    関東地区70.3%55.8%
    中部地区60.7%42.8%
    近畿地区58.9%34.2%

  しかし、この調査が中国の実態を表しているとは考えにくい。多くの観光 客が行っているのは、やはりゴールデンコースと 言われる大阪・東京間である。
    中国におけるアンケート調査は対象となる層によって生活に大きな隔たりがあるため、結果と実態に大きな違いを生じることが多い。同じ調査で、日本へ行く目的と日本の情報をどのように入手したかの結果も出ていた。行く目的の上位は「日本の名所訪問」「風光明媚な地方訪問」「日本的な旅館や温泉を訪問」「日本料理を楽しみたい」、また情報の入手先は「テレビや映画」「旅行雑誌」「知人などから」となっている。
    一般に中国でのアンケート調査の結果は信じられていない。その理由は、日本人のように律儀に回答する人が少ないだけでなく、まとめて回答を作成していることが多いからである。また上海で日本への観光誘致を行っている人々に聞くと、「高価な旅行雑誌を購入して情報を入手する人は少なく、やはりタブロイド版のニュースペーパー(1~2回発行で1~2)で入手する人が多い」という回答が多い。しかし、先日のアンケート調査によれば「旅行雑誌」から情報を入手しているとの回答率が50%以上である。この理由はアンケートに回答した人がこのような高価な雑誌を購入しているという「回答者の面子」ではないかと思われる。
    前回も報告したように、日本の中国旅行者のゴールデンコースは大阪、東京間である。しかし、今回の調査結果ではゴールデンコース以上に北海道の知名度が高かった。今年の2月、日本の旅行業者と航空会社がタイアップして上海から北海道へのツアーを開催した。参加者数は日本から180名前後、中国からは90名前後であった。冬の北海道のスキー旅行が魅力的であったにもかかわらず、1つのツアーで中国から100名以上の観光客を誘致するのはとても難しいことがわかる。
    日本への中国人観光客誘致で実際に旅行が成立した例を見ると、次のような条件が整っている。
    1. 具体的プラン(スケジュール、価格含む)に基づき中国の旅行業社と協議し、業者に日本への下見を行わせる。(各県が行って  いる単なる招待旅行ではない。)
    2. 日本側が旅行パンフレット等を作成し、PRを主体的に行う。(旅行代金とは別に経費負担をする。)
    3. 日本を訪問した時、特別な催事(自治体や企業主催のウェルカムパーティー)を行う。
    4. 旅行費用の一部負担。
    また、地域別に見ると広東省からの旅行の成立が一番多い。その理由は広東省の旅行業者が他の地域の業者と違い、香港に近いためか積極的な営業活動を行うこと。その上、中国国内で日本へのビザ発給を行っている他の在中国日本国大使館(北京)、上海領事館より広州領事館の方がビザが取得しやすいことである。
    今後、静岡県が行う観光誘致は現地の情報を正しく判断した戦略、時機を逃さず実行できる戦術が必要であると思われる。


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