台湾駐在員報告
2024年1月 社会・時事 駐在員 : 市川 美奈子
12月2日と3日、台北市で、「Simple Life 簡単生活節」という音楽フェスが開催された。3年ぶりの開催となった今回のフェスには2日間で約40組のアーティストが登場したが、一番の目玉は日本の音楽ユニット「YOASOBI」だった。このフェスがYOASOBIの台湾初公演だったためだ。小職は今回、運良くチケットを購入できたため、このフェスに参加してきた。
YOASOBIの出演は2日目の21時からだったが、熱心なファンたちは2日目の開場と同時にステージ前に待機し、YOASOBIの登場を今か今かと待っていた。観客の9割以上は台湾の方だったが、皆、日本語の歌詞を完璧にマスターしていたことに驚かされた。
なお、1月には新北市でYOASOBIの台湾初の単独公演が予定されている。10月にこの公演のチケットが発売された際には16万人が争奪戦を繰り広げ、2,000枚のチケットがたったの1秒で完売するという、名実ともに「秒殺」状態となった。
また、SNSで話題になっている日本のダンスグループ「アバンギャルディ」が、2月に、社団法人中華文化総会(会長:蔡英文総統)が製作する旧正月特別番組へ出演することが決定している。アバンギャルディは、同番組に出演する唯一の海外グループである。
このような注目を集めているのは、YOASOBIやアバンギャルディなどのプロのアーティストだけではない。日本の高校の吹奏楽部が、今、台湾で大変な人気である。社団法人中華文化総会が、2022年は京都橘高校吹奏楽部、2023年は東京農業大学第二高等学校吹奏楽部を、台湾の建国記念日の祝賀式典に招いた。両校とも一糸乱れぬマーチングで、多くのファンを獲得した。京都橘高校吹奏楽部は今年12月にも訪台し、高雄市の特設会場でパフォーマンスを披露したところ、8万5千人もの観客が押し寄せたそうである。また、高雄市のライトレールには、京都橘高校吹奏楽部をモチーフにしたラッピング車両も走っている。
現地の熱狂ぶりを見る限り、日本のアーティストたちの人気はまだしばらく続きそうだ。
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