中国駐在員報告



2003年11月 社会・時事
駐在員 : 外山 敬三


「神舟5号」打ち上げ成功についての反応

    中国が15日に打上げた有人飛行船「神舟5号」は、約21時間をかけて地球を14周して、16日午前5時35分に帰還命令を受け、午前6時23分に内モンゴル自治区中部の草原に無事着陸した。帰還した楊利偉飛行士は「宇宙船の運行は順調だった。とてもいい気分だ。祖国を誇りに思う」と語った。温家宝首相は帰還直後の楊飛行士と交信し、共産党、政府、軍を代表して成功を祝した。また、発射当日の上海の夕刊紙や翌日の日刊紙は1面から10面までを使って大々的に成功をたたえる記事を掲載し、夜になって花火が打ち上げられ、上海市民は、街中で歓喜が渦巻く中祝賀ムードに酔いしれていた。
    一方、アメリカやロシア等外国メディアも発射の詳しい状況を報道。タス通信社長は「中国科学技術の大きな成果、経済発展の証明」と祝電を送った。アメリカのメディアも「中国が宇宙で一席を獲得した」とたたえた。在外華僑達も一応に成功をたたえ、「中華民族の誇りだ、中国製品が世界へ広がっている中、今回中国製品は宇宙へ飛び立った」とコメントしていた。また、ネット上には、祝福のメッセージが大半を占める中、「中国ではまだ貧困や教育問題、失業問題など多くの問題を抱えており、宇宙船の開発研究よりもっと資金を必要とするところがたくさんある」や「すでにアメリカ、旧ソ連が数十年前に成功したことで、大した誇りにならない」といった批判的な書込みもあったが、それに対してはたくさんの人がネット上で反論を展開していた。
    今後の宇宙開発計画については、1、2年以内に「神舟6号」を打ち上げ、将来的には宇宙ステーションの建設や月面探索を視野に入れて一歩ずつ進めていく構えである。

    日付別一覧 地域別一覧 分野別一覧

このページの先頭へ戻る

このページに関するお問い合わせ

知事直轄組織地域外交局地域外交課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3066
ファクス番号:054-221-2542
kokusai@pref.shizuoka.lg.jp