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中国駐在員報告2005年4月 社会・時事 反日・日本製品不買デモ これらについて中国国内のインターネットの情報を収集するとともに進出企業からも情報を収集した。 １ インターネット（中国国内サイト）の情報 （１）3月31日（木） @ ｢浙江在線ニュースネット｣ 日本の国連常任理事国入りに反対する署名活動に参加する全世界の中国人が2220万人を超え、アメリカの社会団体も日本製品をボイコットするように呼びかけている。 A ｢千龍ネット｣ ｢朝日ビール｣が長春市の大きなスーパーのチェーン店のカウンターからはずされた。その後、瀋陽の30店舗近くをチェーン展開する信盟スーパーが、｢朝日ビール｣のほか ｢資生堂｣・｢蘇菲｣等約10種類の日本製品を一斉に撤去したと報じられている。店員によると｢日本製品であれば、輸入品か中日合弁製品を問わず、全て撤去してください。｣と指示されたとのこと。 （２） 4月1日（金） @ ｢第一財経日報｣ 北京ビール（｢朝日ビール｣の商品名）が北京の消費者にボイコットされた。吉林省の関係スーパーでは朝日ビールを撤去した。上海では前から人気がなかった朝日ビールはますます人気を失った。 A ｢東北ニュースネット｣ 河南省鄭州市の八方通訊デパートが240個ぐらいの日本製の携帯電話を撤去し、12ヶ所の日本製携帯を売るカウンターも併せて撤去した。 B ｢天使在線｣ ｢完美世界｣と呼ばれるゲームサイトが｢抗日−血戦上海灘｣というゲームのリンクを作って、無料にダウンロードさせている。現在までに166,657人がこのゲームをダウンロードした。 C ｢南方ネット｣ 東北地域に存在している日本製品をボイコットする現状に対して、中国外交部が中日の経済貿易問題を政治化してほしくないように回答した。 （３） 4月2日（土） @ ｢南方都市報｣ 3日（日）午前11時、深圳の華強北商業圏で10万人が日本の国連安全保障理事会の常任理事国入りに反対する署名活動を行う。 A ｢巴驕雑談｣ 2日（土）午後、成都市春熙路にあるイトーヨーカ堂は学生を中心とする抗議を3時間以上も受けた。｢塩都雑談｣というサイトによると、4月3日に行う自貢市の日本の国連安全保障理事会の常任理事国入りに反対する署名活動を4月1日夜からネットで募集し始めたそうだ。 ２ 中国展開県内企業の駐在員等からの情報（4月5日（火）） （１） 深圳の状況 @ 「S社深圳代表処」 ア ジャスコは午前中半日位閉店していたが、午後は通常通り営業再開。 イ 街中や地下鉄等人が多い所では日本語を使用しないようにしている。 ウ 特に不便や不安は感じていない。 A 「S社（深圳）有限公司」 ア 4月2日（土）8：00ごろ深圳日本商工会を通じて広州日本領事館からの緊急連絡があった。内容は｢4月3日に対日抗議運動が行われる恐れがあるため、人混み等にはなるべく行かないように。｣ ※筆者も広州総領事館にこの緊急連絡を確認した。 イ ジャスコの事件や街中の署名活動や2,000〜3,000人規模のデモがあり、日本料理店のいくつかが閉店した。 ウ 特に不便や不安は感じていない。 （２） 成都の状況 @ 「華川Y社」 ア 4月2日に市内でデモがあったとの話は、日本のニュースで聞いたが、地元の報道では取り上げられていない。イトーヨーカ堂のあるエリアは日頃から人出の多い所で普段からごった返しているので、千人程度のデモがあっても大して目立たない。 イ またこの騒動に連動するような治安の悪化や生活上の不自由は今のところ感じていない。また、日常生活物資の購入、業務上の支障も出ていない。 A 「成都Y社」 工場・生活エリアでは、不穏な感じは受けない。周辺にも4社ほど日系企業があるが、そこからもそうした情報は聞き得ていない。市内中心部も自分の生活エリアと状況の差はさほど無いはず。 （３）不買運動の対象企業 「Ａ上海事務所」・駐在員営業担当 日本の報道で掲載された不買運動の影響について、上海市内の「農工商超市（スーパー）」チェーン店の売り場から、自社商品が撤去された件は事実である。現在のところ他のスーパーから不買の動きは出ていない。3日に事態が発生したばかりなので、具体の被害件数（金額）或いは他の都市での被害状況等は把握できていない。また、今後の展開については現時点では予測がつかない。 ３ 中国展開県内企業等からの情報（4月11日（月）） （１）北京市の状況 @ ｢Y社北京事務所｣ 9、10日については、外務省の安全情報により夜間の外出は控えていた。具体的な不安は感じていない。 A ｢S社北京事務所」 9、10日の生活圏内で問題はなかったが、事務所がデモのコース上にあったため、窓ガラスが投石により7〜8枚割れた。 B ｢札幌市北京事務所｣ デモの行われた9、10日に、日本の友人と市内観光をしたが不安はなかった。 （２）上海市の状況 ｢NHK上海分局｣ 華東師範大学日本人留学生傷害事件に関して領事館で取材をした。 今回の反日運動との関係は犯人が逮捕されなければ分からない。留学生は店に入ってまもなく、この事件が発生したため、飲酒上のトラブルではないようだ。 （３） 広東省の状況 @ 広州市状況 ｢M社（広州）圧縮機競 ア 生活面では、10日にデモ行進がある情報が地元スタッフ及び日本本社から入り、外出の注意をするよう連絡があったので、10日は終日、居留先ホテルから外に出ていない。11日より平常通り、出勤している。他は特に不自由は感じていない。 イ 業務上の支障はまったくない。現地従業員の様子も特に変わっていない。デモ参加者は学生やその他の暇な人間が関与していると思われる。 A 深圳市状況 ｢S社深圳代表処」 ア 生活面では、アパートの部屋から実際にデモの光景が見えた。警察官も700名ぐらい出ていたようだ。横断幕が印刷された大掛かりなものが用意されており、かなり組織的･計画的な行動と思われる。デモの規模は先週と比較して拡大している。エスカレート傾向にある。来週週末もまたデモが予定されていると情報が入っている。広州市はもっとひどい状況と聞いている。このデモに関して地元ではまったく報道がされていない。 イ 業務上はまったく支障がない。
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