東南アジア駐在員報告
2012年11月 社会・時事
駐在員 ： 長谷川 卓
毎年旧暦の９月１日〜９日に行われる、タイの菜食週間「キンジェー(齊)」。今年は10月15日〜23日が該当したが、期間中にタイに出張していたため、初めて見聞する機会を得た。
キンジェーは、古くは中国の風習で、肉食を断ち、身を清めるために行われるが、今ではタイが本場となり、毎年の伝統行事として親しまれている。イスラム教のラマダン(断食)のように厳格に行われるものではなく、参加は個人の自由意思による。正月の餅、土用丑の日のウナギ、クリスマスの七面鳥のように、ビジネスに結びついているのだろう。期間中、多くのタイ人がキンジェー食品を購入しているようで、デパート、スーパー、小売店、果ては屋台まで、黄色で「齋」の字が書かれたバナーやパッケージが街中にあふれていた。野菜や穀物で調理された惣菜はもとより、豆などの植物性たんぱく質から鶏肉、豚肉様に整形された代用肉食品が販売されており、「そこまでやるのか？」と感じたが、ダイエット食品を持つ日系食品企業にはビジネスチャンスになるのではないかと思う。
左側：バンコク市内のデパート食品売り場、キンジェー(齋)お惣菜販売ブース
右上：キンジェー食品；鶏肉、ソーセージの形をした代用食品
右下：キンジェー食品；豆乳
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